説明

面光源装置

【課題】点状光源と光拡散部材との位置関係を工夫することによって輝度の均一性を簡便に向上させることができる面光源装置を提供すること。
【解決手段】所定の4つの光源2の発光中心点を頂点とした四角形の四辺上および四辺で囲まれる領域内のいずれにも他の発光中心点を含まないようにし、光源2に臨む第1の面5およびこれと反対側の第2の面6を有し、各光源2から出射された各光源2ごとの光を第2の面6から拡散された状態で出射させる光拡散部材3が配置され、第2の面6には、所定の角錐状の凸部が整列配置されて形成され、前記第2の面上に位置する前記凸部の仮想底面は、複数の直線状の底辺で構成され、これら全ての前記底辺が前記四角形の四辺および対角線に対して、ねじれの位置関係を有すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、面光源装置に係り、特に、複数の点状光源からの光を光拡散部材によって拡散させるのに好適な直下型方式の面光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、液晶表示装置のバックライト、内照式の看板または照明装置等の用途には、エッジライト方式または直下型方式の面光源装置が用いられていた。
【0003】
ここで、エッジライト方式の面光源装置は、導光板の側端面に配置した光源からの光を導光板によって側端面と直交する表面側(視認側)に取り出す方式として知られている。一方、直下型方式は、複数の点状光源を光拡散板の裏側(直下)に配置し、各光源からの光を光拡散板によって拡散させて表側に取り出す方式として知られている。
【0004】
これら各方式のうち、直下型方式は、輝度の高さの点で有利であり、とりわけ、大面積の画像表示や発光を行う用途においては、この方式が採用される場合が多い。
【0005】
ところで、従来から、この種の面光源装置には、薄型化およびコストの低廉化が求められていたが、薄型化の要求に応えようとして点状光源と光拡散部材との距離を縮める場合、また、コストの低廉化の要求に応えようとして点状光源の個数を削減する場合のいずれにおいても、点状光源の直上が顕著に明るくなり、面光源装置の出射面における輝度分布が不均一となってしまうことが問題点として指摘されていた。
【0006】
そこで、このような問題点に対応し得る技術として、これまでにも、例えば、特許文献1に示す従来技術が提案されている。
【0007】
すなわち、特許文献1においては、点状光源を平面内に配置することによって光源像による明暗差が2次元的に生じること(特許文献1段落0005)、換言すれば、点状光源の直上が顕著に明るくなることに対応すべく、光拡散部材(特許文献1における光制御部材)の出射側の面に、複数の凸部を配置することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−44922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかるに、特許文献1に記載の技術においては、点状光源の整列方向(X軸方向、Y軸方向または対角線方向)に対して、光拡散部材における凸部の整列方向が揃って(平行となって)いた。
【0010】
このため、光拡散部材から面状に出射される光は、複数の点状光源からの光(特に、隣接する点状光源同士の光)が凸部によって有効方向に光路変換されて相対的に明るくなる部分と、点状光源からの光が凸部によって有効方向から逸れた方向に光路変換されて相対的に暗くなる部分とが、位置的に偏在したものとなる虞があった。例えば、点状光源の直上の明るさを抑えると、対角線方向において隣接する点状光源同士の中間点に対応する面状光上の位置は暗くなる等、凸部による光路変換を出射面全体で有効に機能させることが困難であった。
【0011】
したがって、特許文献1に記載の技術においてもなお、輝度の均一化には不十分であった。
【0012】
そこで、本発明は、このような点に鑑みなされたものであり、点状光源と光拡散部材との位置関係を工夫することによって輝度の均一性を簡便に向上させることができる面光源装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前述した目的を達成するため、本発明の請求項1に係る面光源装置の特徴は、光の出射方向が互いに平行とされた複数の点状光源が、同一平面上に二次元的に間隔を設けて配置されるとともに、所定の4つの前記光源の発光中心点を頂点とした四角形の四辺上および前記四辺で囲まれる領域内のいずれにも前記4つの光源以外の光源の発光中心点を含まないように配置され、前記複数の光源に対する前記出射方向側の位置に、各光源に臨む第1の面およびこれと反対側の第2の面を有し、各光源から出射された各光源の光を前記第1の面から入射させた後に前記第2の面から拡散された状態で出射させる光拡散部材が前記平面と平行に配置され、前記光拡散部材の前記第2の面には、所定の角錐状の凸部が整列配置されて形成され、前記第2の面上に位置する前記凸部の仮想底面は、複数の直線状の底辺で構成され、これら全ての前記底辺が前記四角形の四辺および対角線に対して、ねじれの位置関係を有する点にある。
【0014】
そして、この請求項1に係る発明によれば、光拡散部材の第2の面における凸部の底辺を、4つの点状光源に仮定される四角形の四辺および対角線に対してねじれの位置関係を有するように配置することによって、光拡散部材の第2の面からの出射光における光強度(光量)が強くなる部分と弱くなる部分とを位置的に分散させることができるので、輝度の均一性を簡便かつ確実に向上させることが可能となる。
【0015】
また、請求項2に係る面光源装置の特徴は、請求項1において、更に、前記複数の光源は、前記四角形として正方形を仮定し得るように正方格子状に配置されている点にある。
【0016】
そして、この請求項2に係る発明によれば、点状光源を正方格子配置する場合においても、輝度の均一性を確実に向上させることが可能となる。
【0017】
さらに、請求項3に係る面光源装置の特徴は、請求項1において、更に、前記複数の光源は、前記四角形として平行四辺形を仮定し得るように千鳥配置されている点にある。
【0018】
そして、この請求項3に係る発明によれば、点状光源を千鳥配置する場合においても、輝度の均一性を確実に向上させることが可能となる。
【0019】
さらにまた、請求項4に係る面光源装置の特徴は、請求項2において、更に、前記角錐が、四角錐であるとともに、前記角錐の全ての前記底辺が、前記正方形の四辺のうちの所定の辺および前記正方形の2つの対角線のうちのいずれか1つの対角線に対して、前記平面上に投影された状態において22.5°の角度をなす点にある。
【0020】
そして、この請求項4に係る発明によれば、正方形の所定の辺と1つの対角線とに対する凸部の底辺のずれ角をバランス良く配分することができるので、輝度の均一性を更に向上させることが可能となる。
【0021】
また、請求項5に係る面光源装置の特徴は、光の出射方向が互いに平行とされた複数の点状光源が、同一平面上に二次元的に間隔を設けて配置されるとともに、所定の4つの前記光源の発光中心点を頂点とした四角形の四辺上および前記四辺で囲まれる領域内のいずれにも前記4つの光源以外の光源の発光中心点を含まないように配置され、前記複数の光源に対する前記出射方向側の位置に、各光源に臨む第1の面およびこれと反対側の第2の面を有し、各光源から出射された各光源の光を前記第1の面から入射させた後に前記第2の面から拡散された状態で出射させる光拡散部材が前記平面と平行に配置され、前記光拡散部材の前記第2の面には、所定の角錐状の凹部が整列配置されて形成され、前記凹部の開口縁は、複数の直線状の開口辺で構成され、これら全ての前記開口辺が前記四角形の四辺および対角線に対して、ねじれの位置関係を有する点にある。
【0022】
そして、この請求項5に係る発明によれば、光拡散部材の第2の面における凹部の底辺を、4つの点状光源に仮定される四角形の四辺および対角線に対してねじれの位置関係を有するように配置することによって、光拡散部材の第2の面からの出射光における光強度(光量)が強くなる部分と弱くなる部分とを位置的に分散させることができるので、輝度の均一性を簡便かつ確実に向上させることが可能となる。
【0023】
さらに、請求項6に係る面光源装置の特徴は、請求項5において、更に、前記複数の光源は、前記四角形として正方形を仮定し得るように正方格子状に配置されている点にある。
【0024】
そして、この請求項6に係る発明によれば、点状光源を正方格子配置する場合においても、輝度の均一性を確実に向上させることが可能となる。
【0025】
さらにまた、請求項7に係る面光源装置の特徴は、請求項5において、更に、前記複数の光源は、前記四角形として平行四辺形を仮定し得るように千鳥配置されている点にある。
【0026】
そして、この請求項7に係る発明によれば、点状光源を千鳥配置する場合においても、輝度の均一性を確実に向上させることが可能となる。
【0027】
また、請求項8に係る面光源装置の特徴は、請求項6において、更に、前記角錐が、四角錐であるとともに、前記角錐の全ての前記開口辺が、前記正方形の四辺のうちの所定の辺および前記正方形の2つの対角線のうちのいずれか1つの対角線に対して、前記平面上に投影された状態において22.5°の角度をなす点にある。
【0028】
そして、この請求項8に係る発明によれば、正方形の所定の辺と1つの対角線とに対する凸部の底辺のずれ角をバランス良く配分することができるので、輝度の均一性を更に向上させることが可能となる。
【0029】
さらに、請求項9に係る面光源装置の特徴は、請求項1〜8のいずれか1項において、更に、前記角錐は、四角錐であるとともに、前記角錐の向かい合う2つの錐面のなす角が、90°である点にある。
【0030】
そして、この請求項9に係る発明によれば、光拡散部材の第2の面における凸部または凹部を、光源直近の光の全反射に適した形状に形成することができるので、輝度の均一性を更に向上させることが可能となる。
【0031】
さらにまた、請求項10に係る面光源装置の特徴は、請求項1〜9のいずれか1項において、更に、前記複数の光源のそれぞれに対する前記出射方向側の近傍位置に、各光源の光の配光特性をそれぞれ制御する前記光源と同数の光束制御部材が配置されており、これら各光束制御部材は、各光源の光の配光特性を、光軸に対して所定の角度を有する方向において光強度の最大値を示すような配光特性に制御する点にある。
【0032】
そして、この請求項10に係る発明によれば、光軸方向からずれた方向において光強度のピークを示すような配光特性を実現する光束制御部材を用いることによって、点状光源直上の輝度を効率的に緩和することができるので、更なる輝度の均一化および装置の薄型化が可能となる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、簡易な構成によって輝度の均一性を確実に向上させることができ、ひいては、視認性が良好な面光源を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る面光源装置の第1実施形態を示す概略斜視図
【図2】本発明に係る面光源装置の第1実施形態において、発光素子の配置状態を示す模式図
【図3】本発明に係る面光源装置の第1実施形態において、(a)は拡散板を示す平面図であり、(b)は、(a)のA−A断面図
【図4】本発明に係る面光源装置の第1実施形態において、凸部における光束制御を示す概念図
【図5】本発明に係る面光源装置の第1実施形態において、凸部の辺部と4つの発光素子に仮定される正方形の辺部および対角線との角度関係を示す概念図
【図6】本発明に係る面光源装置の第1実施形態において、より好ましい実施形態を示す模式図
【図7】本発明に係る面光源装置の第1実施形態において、(a)は、拡散板の変形例を示す平面図であり、(b)は、(a)のA−A断面図
【図8】第1実施形態の実施例において、照度測定シミュレーションの条件を説明するための説明図
【図9】第1実施形態の実施例において、実施例1の試料の概要およびシミュレーション結果を示す図
【図10】第1実施形態の実施例において、比較例1の試料のシミュレーション結果を示す図
【図11】第1実施形態の実施例において、比較例2の試料の概要およびシミュレーション結果を示す図
【図12】第1実施形態の実施例において、比較例3の試料の概要およびシミュレーション結果を示す図
【図13】本発明に係る面光源装置の第2実施形態において、発光素子の配置状態を示す模式図
【図14】本発明に係る面光源装置の第2実施形態において、凸部の辺部と4つの発光素子に仮定される平行四辺形の辺部との角度関係を示す概念図
【図15】第2実施形態の実施例において、照度測定シミュレーションの条件を説明するための説明図
【図16】第2実施形態の実施例において、実施例2の試料の概要およびシミュレーション結果を示す図
【図17】第2実施形態の実施例において、比較例4の試料のシミュレーション結果を示す図
【図18】第2実施形態の実施例において、比較例5の試料の概要およびシミュレーション結果を示す図
【図19】第2実施形態の実施例において、比較例6の試料の概要およびシミュレーション結果を示す図
【発明を実施するための形態】
【0035】
(第1実施形態)
以下、本発明に係る面光源装置の第1実施形態について、図1〜図12を参照して説明する。
【0036】
図1に示すように、本実施形態における面光源装置1は、複数の点状光源としての複数の発光素子2を有している。各発光素子2は、LEDであってもよい。
【0037】
具体的には、図1に示すように、各発光素子2は、同一平面としての実装基板4の上面に、図1におけるX軸方向およびY軸方向に二次元的に間隔を設けて配置されている。各発光素子2は、光の出射方向(発光素子2からの立体的な光束の中心である光軸方向)がともに実装基板4の上面の面法線方向(図1におけるZ軸方向)とされている。すなわち、各発光素子2の光の出射方向は、互いに平行とされている。
【0038】
また、各発光素子2のうち、任意の1つの発光素子2と、これの近傍の所定の他の3つの発光素子2との間には、これら所定の4つの発光素子2の発光中心点を頂点とした四角形であって、これの四辺上および四辺で囲まれる領域内のいずれにも4つの発光素子2以外の発光素子2の発光中心点を含まない四角形を仮定することができる。
【0039】
より具体的には、図2に示すように、各発光素子2は、X軸方向およびY軸方向において等ピッチPの正方格子状に配置されており、このように配置された各発光素子2には、同図中の破線部に示すように、各4つの発光素子2ごとの四角形として、同一寸法の正方形(外周長が最小の四角形)を仮定することができる。なお、各正方形の頂点は、対応する4つの発光素子2の発光中心点(換言すれば、中心光の出射点)上にそれぞれとられている。同図に示すように、各正方形の四辺上および四辺で囲まれる領域内には、各正方形に対応する4つの発光素子2以外の発光素子2の発光中心点は存在しない。
【0040】
図1に戻って、各発光素子2に対する光の出射方向(Z軸方向)側の位置には、各発光素子2とともに面光源装置1を構成する光拡散部材としての光拡散板3が、実装基板4の上面(X−Y平面)に対向するように配置されている。この光拡散板3は、例えば、メタアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、シクロオレフィン樹脂、メタアクリル−スチレン共重合樹脂、シクロオレフィン−アルケン共重合樹脂等の樹脂材料やガラス等の透光性材料によって形成することができる。また、光拡散板3は、例えば、酸化チタンや炭酸カルシウムを主成分とした拡散材やシリコーン粒子等の散乱子等が混入されていることによって乳半色を呈するように形成されていてもよい。
【0041】
図1および図3に示すように、光拡散板3は、X−Y平面に平行な二次元的な広がりを有しているとともにZ軸方向に所定の厚みを有している。また、光拡散板3は、各発光素子2に臨むX−Y平面に平行な第1の面5と、これとZ軸方向において反対側の第2の面6を有している。この光拡散板3は、各発光素子2から出射された光を平坦(滑らか)な第1の面5から入射させた後に、第2の面6から光路変換された状態で出射させるようになっている。ここで、光拡散板3において光の光路変換に寄与するのは第2の面6である。この第2の面6は、図1および図3に示すように、第1の面5と反対側に突出された正四角錐形状の複数のプリズム状凸部6aが、正四角錐の仮想底面である正方形面を形成する辺(底辺)に沿って二次元状に整列配置されることによって形成されている。各プリズム状凸部6aは、連続的に整列配置されることにより、任意の1つのプリズム状凸部6aは、これに隣接する他のプリズム状凸部6aとの間で、4つの底辺のうち1つの辺を共有しているとともに、4つの底辺のうちの2つの辺(隣接するプリズム状凸部6aで共有する1つの辺に直交する2辺)のそれぞれは隣接するプリズム状凸部6aの辺と一直線状を呈する底辺の組を有している。これにより、各プリズム状凸部6aの底辺は、全体を平面視した状態において正方格子状の網目形状を呈している。ただし、各プリズム状凸部6aは、例えば数十μm〜数百μmの小さな寸法に形成されているため、これらの具体的形状を肉眼視できなくてもよい。
【0042】
ここで、図4に示すように、プリズム状凸部6aは、第1の面5側から内部入射する光(光束)のうち各発光素子2の光軸近傍の光L(すなわち、プリズム状凸部6aに臨界角より大きな入射角で内部入射する光線)を、2回の全反射を利用して第1の面5側に戻すようになっている。このようにして第1の面5側に戻った光Lは、第1の面5から基板4側に向けて出射された後に、基板4表面や基板4のさらに背後(下部)に配置された不図示の筐体の反射/拡散面等において反射/拡散され、その後、再び第1の面5に入射して面光源として利用される場合がある。一方、図4に示すように、プリズム状凸部6aは、第1の面5側から内部入射する光(光束)のうち各発光素子2の光軸に対する角度が大きな光L(すなわち、プリズム状凸部6aに臨界角以下の入射角で内部入射する光線)については、第2の面6の外側(上方)に向けて屈折して透過させて、面光源として利用するようになっている。このようにして、プリズム状凸部6aは、第2の面6から出射される光の光量の位置的なバランスを調整するようになっている。具体的には、発光素子2の直上の光量を抑えつつ、発光素子2の直上から離れた位置の光量を確保することによって全体的な輝度の均一化を図っている。
【0043】
しかるに、このような構成のみでは、従来と同様に、光拡散部材からの出射光(面状光)に、光強度が強くなる部分と弱くなる部分とが位置的に偏在するといった問題が依然として残ってしまい、輝度の均一化には尚不十分となる。
【0044】
そこで、本実施形態においては、かかる問題に有効に対応するための手段が講じられている。
【0045】
すなわち、図5に示すように、本実施形態において、各凸部6aの4つの底辺は、前述した各4つの発光素子2ごとに仮定される各正方形の四辺および対角線に対して、ねじれの位置関係を有している。換言すれば、凸部6aの底辺は、発光素子2と同一平面上に投影された状態において、4つの発光素子2に仮定される正方形の四辺および対角線のいずれに対しても平行となることはない。
【0046】
そして、このような構成によれば、光拡散板3の第2の面6からの出射光における光強度(光量)が強くなる部分と弱くなる部分とを位置的に分散させることができるので、輝度の均一性を向上させることが可能となる。また、これに派生して、良好な光学性能を維持しつつ、発光素子2と光拡散板3との間隔を詰めることによる装置1の薄型化および発光素子2の個数を削減することによるコストの低廉化が可能となる。
【0047】
好ましくは、図5に示すように、各プリズム状凸部6aの4つの底辺が、4つの発光素子2の位置を頂点として仮定される正方形の四辺のうちの所定の辺およびこの正方形の2つの対角線のうちのいずれか1つの対角線に対して、正方形と同一平面(実装基板4の上面)上に投影された状態において22.5°の角度をなすように光拡散板3を配置する。このように構成すれば、光拡散板3のプリズム状凸部6aによって2つの発光素子2の間を明るくする効果を適度な状態に調整することができ、輝度の均一性を更に向上させることが可能となる。
【0048】
更に、好ましくは、プリズム状凸部6aの頂角を90°に形成する。ただし、頂角とは、プリズム状凸部6aにおける錐面の4つの三角形のうち、向かい合う2つの三角形状面の狭角(図4におけるθ)のことをいう(以下、同様)。このように構成すれば、プリズム状凸部6aを、発光素子2直上に向かう光Lを全反射(第1の面5側に光を戻すための2回の全反射)させることに適した形状に形成することができるので、輝度の均一性を更に向上させることが可能となる。
【0049】
(より好ましい実施形態)
更に、より好ましい実施形態としては、図6に示すように、各発光素子2のそれぞれに対する光の出射方向側の近傍位置に、各発光素子2の光の配光特性をそれぞれ制御する発光素子2と同数の光束制御部材7を配置する。ただし、これらの光束制御部材7は、各発光素子2の光の配光特性を、光軸OAに対して所定の角度を有する方向において光強度の最大値を示すような配光特性に制御(変換)するものである。
【0050】
ここで、図6に示すように、光束制御部材7は、光軸OAを対称軸とした回転対称形状に形成されているとともに、光軸OAが発光素子2の光の中心軸(中心光)に一致するように位置合わせがなされた状態で配置される。より具体的には、光束制御部材7は、実装基板4の上面に臨む底面8と、これと光軸OA方向において反対側の出射面9とを有している。底面8における中央(光軸OA側)の所定範囲の領域は、発光素子2に対向する位置に凹部が形成され、発光素子2側に凹面を向けた負のパワーの入射面10とされている。一方、出射面9は、中央側の所定範囲の第1の領域9aが、発光素子2と反対側(光拡散板3側)に凹面を向けた負のパワーの領域とされ、第1の領域9aの周辺の第2の領域9bが、発光素子2と反対側に凸面を向けた正のパワーの領域とされている。また、第2の領域9bは、中央側から周辺側に向かうにしたがって正のパワー(曲率)が漸増するように形成されている。また、光束制御部材7は、脚部7aを介して実装基板4の上面に当接するようにして位置決めがなされている。
【0051】
そして、このような光束制御部材7に対して、発光素子2から一定の指向性および広がり角を持って出射された光は、まず、入射面10から光束制御部材7の内部に入射し、その際に、入射面10における屈折(ただし、中心光は直進)によって、光束(特に、光軸OA近傍の光線)が発散するように光束制御がなされる。
【0052】
次いで、このようにして光束制御部材7の内部に入射した発光素子2の光は、光束制御部材7の内部を進行した後に出射面9に到達(内部入射)する。そして、出射面9に到達した光は、出射面9における屈折によって光軸OA近傍の光線が更に発散するような光束制御がなされた上で光拡散板3に向けて出射される。ただし、このときの出射方向は、第1の領域9aおよび第2の領域9bのそれぞれのパワーに依存して、光軸OAに対して所定の角度を有する方向に向かう光束が相対的に密となるように制御される。
【0053】
このようにして、光束制御部材7によって、光軸OAに対して所定の角度を有する方向において光強度の最大値を示すような配光特性が実現される。なお、光強度の最大値は、光軸OAに対して75°付近の角度を有する方向において示されるようにしてもよい。
【0054】
このように構成すれば、発光素子2直上の輝度を効率的に緩和することができるので、更なる輝度の均一化が可能となる。
【0055】
また、光軸OAに対して大きな角度方向に多くの光を向かわせることができるので、発光素子2と光拡散板3との光軸OA方向における間隔を詰めたとしても、発光素子2と発光素子2との間の光量の不足し易い位置へ向かう光線を得ることができ、暗部の発生を抑制することができる。この結果、光学性能を維持しつつ装置1を更に薄型化することが可能となる。
【0056】
因みに、このような光束制御部材7に類似の技術としては、既に、本出願人によって種々の提案がなされている(例えば、特開2009−211990号公報参照)。
【0057】
(変形例)
光拡散板3の具体的な構成については既に述べたが、本発明は、かかる構成に限定されるものではなく、例えば、以下のような変形例を適用することもできる。
【0058】
すなわち、図7は、光拡散板3の変形例を示したものであり、本変形例における光拡散板3は、第2の面6を構成する面部が、プリズム状凹部6bとされている。図7に示すように、プリズム状凹部6bは、第1の面5側に凹入された正四角錐状の凹面とされている。各プリズム状凹部6b同士の配置位置の関係や、プリズム状凹部6bの底辺(換言すれば、開口縁を構成する辺)と4つの発光素子2の位置を頂点として仮定される正方形(四辺および対角線)との位置関係(ねじれ)については、凸部6aと同様であるので詳細は割愛する。
【0059】
本変形例の光拡散板3を用いる場合においても、前述したプリズム状凸部6aを有する光拡散板3と同様の作用効果を奏することができる。
【0060】
この他にも、第2の面6の面部としては、第1の面5と反対側に突出された正三角錐状の凸面、第1の面5側に凹入された正三角錐状の凹面または長方錘状の凸/凹面等の種々の変形例が想定される。
【0061】
さらに、本実施形態を液晶表示装置のバックライトとして適用する場合には、例えば、光拡散板3上に、拡散板/拡散シート、プリズムシートおよび輝度上昇フィルム等の光制御部材を必要に応じて配置し、その上部に、透過型の液晶表示パネルを配置すればよい。
【実施例1】
【0062】
次に、本実施形態の具体的な実施例について説明する。
【0063】
本実施例においては、実施例1および比較例1〜3の合計4つの面光源装置の試料を用意し、これら4つの試料のそれぞれに対して、照度の測定シミュレーションを行った。
【0064】
ここで、図8(a)に示すように、各試料は、いずれも、LEDからなる発光素子2(4×4個)を正方格子状に配置するとともに、各発光素子2のX軸方向およびY軸方向のピッチを50mmとしたものである。また、図8(b)に示すように、各試料は、いずれも、各発光素子2上に、発光素子2から出射されたランバーシアン分布の光(LED光)の配光特性を、光軸OAに対して所定の角度(例えば、75°)を有する方向において光強度のピーク値を示すような配光特性に変換(光束制御)する光束制御部材7を配置したものである。また、光拡散板3を有しない比較例1を除いた各試料は、いずれも、光拡散板3を、実装基板4の上面から10mmの位置に配置するとともに、第2の面6の面部を底辺100μm、頂角90°の正四角錐状のプリズム状凸部6aとしたものである。さらに、図8(b)に示すように、照度の測定面Sは、光拡散板3の第2の面6に対する出射側近傍位置に、実装基板4の上面(換言すれば、X−Y平面)に対して平行に設定した。ただし、光拡散板3を有しない比較例1の測定面については、実装基板4の上面からの距離が他の試料の測定面Sと同一となる位置に設定した。さらにまた、光拡散板3については、拡散剤を含まない透明なものを想定した。
【0065】
そして、このような条件の下で、光拡散板3を配置しない状態(比較例1)の測定面における発光素子2の直上の照度の値を100%とした照度(相対値)のシミュレーションを行い、図8(a)に示すような測定面S上の代表的な測定点の照度を表形式でまとめた。ただし、代表的な測定点は、中央の4つの発光素子2に対応するようにとった。より具体的には、図8(a)に示すように、代表的な測定点は、発光素子2(発光中心点)の直上(真上)に相当する4つの測定点(x,y)=(a,i)、(c,i)、(a,iii)、(c,iii)と、X軸方向における発光素子2間(中点)に相当する2つの測定点(b,i)、(b,iii)と、Y軸方向における発光素子2間(中点)に相当する2つの測定点(a,ii)、(c,ii)と、対角線方向における発光素子2間(中点)に相当する1つの測定点(b,ii)との合計9つの測定点とした。
【0066】
以下、各試料のシミュレーション結果を、各試料の概要とともに順次説明する。
【0067】
<実施例1>
まず、図9は、実施例1の試料に対するシミュレーションの結果を、本試料の模式図とともに示したものである。
【0068】
同図に示すように、本試料は、凸部6aの各底辺が、4つの発光素子2の位置を頂点として仮定された正方形の所定の辺および所定の1つの対角線に対して、ねじれの位置関係としての同一平面(投影面)上における22.5°の角度(設置角)を有するものであり、前述した本実施形態における面光源装置1の一態様に相当する。
【0069】
そして、同図のシミュレーション結果に示すように、本試料においては、各発光素子2の直上を中心とした領域ごとに、照度が相対的に高い部分が、羽根数4枚の風車形状(羽根間ピッチ90°)の明部として得られた。一方、照度が相対的に低い部分は、暗部として得られた。同図に示すように、本試料においては、各風車形状の明部同士の間で、羽根の連鎖は生じておらず、全体的にみて、照度(換言すれば、光強度)が高い部分と低い部分とが位置的に分散して存在するような照度分布となっている。
【0070】
このような本試料の代表的な測定点の照度を表1に示す。
【表1】

【0071】
表1に示すように、本試料においては、各測定点同士の照度の差が、最小で0%、最大で17%となった。また、発光素子2直上(a,i)等と対角間(b,ii)との照度差は、14%となった。この結果は、照度の均一性としては十分に良好な結果であり、実使用状態において光拡散板3に拡散剤を混入させることを考慮すれば、X軸方向、Y軸方向および対角方向において光が満遍なく広がるような非常に良好な輝度の均一性が得られることを期待できるものである。
【0072】
<比較例1>
次に、図10は、比較例1の試料に対するシミュレーションの結果を示したものである。
【0073】
前述のように、本試料は、光拡散板3を有しないので、図9に示したような構成の概要図は図示を省略する。
【0074】
図10に示すように、本試料においては、各発光素子2の直上を中心とした各領域ごとに、照度が相対的に高い部分が円形の明部として得られており、全体的にみて、照度が高い部分が各発光素子2の直上に局在するような照度分布となっている。
【0075】
このような本試料の代表的な測定点の照度を表2に示す。
【表2】

【0076】
表2に示すように、本試料においては、各測定点同士の照度の差が、最小で3%、最大で100%となり、発光素子2の直上に対する発光素子2間(X軸方向、Y軸方向、対角間のいずれも)の照度の落差が著しいものとなった。この結果は、照度の均一性としては悪い結果であり、輝度の均一性も期待できないものである。
【0077】
<比較例2>
次に、図11は、比較例2の試料に対するシミュレーションの結果を、本試料の模式図とともに示したものである。
【0078】
同図に示すように、本試料は、プリズム状凸部6aの各底辺が、4つの発光素子2の位置を頂点として仮定された正方形の所定の二辺に対して平行となっているものである。
【0079】
そして、同図のシミュレーション結果に示すように、本試料においては、実施例1と同様に、各発光素子2の直上を中心とした領域ごとに、照度が相対的に高い部分が羽根数4枚の風車形状(羽根間ピッチ90°)の明部として得られた。ただし、実施例1とは異なり、本試料においては、各風車形状の明部同士の間で、対角線方向に亘る羽根の連鎖が生じており、全体的にみて、対角線方向における発光素子2間(対角間)に対応する位置に照度が高い部分がまとまりを持って存在する照度分布となっている。
【0080】
このような本試料の代表的な測定点の照度を表3に示す。
【表3】

【0081】
表3に示すように、本試料においては、各測定点同士の照度の差が、最小で0%、最大で38%となった。また、発光素子2直上(a,i)等と対角間(b,ii)との照度差は、最大20%となり、対角間の照度が目立つものとなった。この結果は、実施例1と比較して照度の均一性としては不十分な結果であり、十分な輝度の均一性を期待することは難しいものである。
【0082】
<比較例3>
次に、図12は、比較例3の試料に対するシミュレーションの結果を、本試料の模式図とともに示したものである。
【0083】
同図に示すように、本試料は、凸部6aの各底辺が、4つの発光素子2に仮定された正方形の四辺に対して45°の角度を有しているとともに、正方形の所定の1つの対角線に対して平行とされているものである。
【0084】
そして、同図のシミュレーション結果に示すように、本試料においては、実施例1と同様に、各発光素子2の直上を中心とした領域ごとに、照度が相対的に高い部分が羽根数4枚の風車形状(羽根間ピッチ90°)として得られた。ただし、実施例1とは異なり、本試料においては、各風車形状の明部同士の間で、X軸方向およびY軸方向に亘る羽根の連鎖が生じており、全体的にみて、X、Y軸方向における発光素子2間に対応する位置に照度が高い部分がまとまりを持って存在するとともに、対角線方向における発光素子2間に対応する位置に照度が低い部分がまとまりを持って存在する照度分布となっている。
【0085】
このような本試料の代表的な測定点の照度を表4に示す。
【表4】

【0086】
表4に示すように、本試料においては、各測定点同士の照度の差が、最小で0%、最大で52%となった。また、発光素子2直上(a,i)等と対角間(b,ii)との照度差は、21%となり、対角間の照度の落ち込みが目立つものとなった。この結果は、照度の均一性としては不十分な結果であり、十分な輝度の均一性を期待することも難しいものである。
【0087】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る面光源装置の第2実施形態について、第1実施形態との差異を中心に、図13〜図19を参照して説明する。なお、第1実施形態と基本的な構成が同一もしくはこれに類する箇所については、同一の符号を用いて説明する。
【0088】
図13に示すように、本実施形態においては、発光素子2の配置状態が第1実施形態とは異なっている。すなわち、図13の破線部に示すように、各発光素子2は、任意の1つの発光素子2と、これの近傍の所定の他の3つの発光素子2との間で、これら4つの発光素子2の発光中心点を頂点とした平行四辺形であって、これの四辺上および四辺で囲まれる領域内のいずれにも4つの発光素子2以外の発光素子2の発光中心点を含まない平行四辺形(外周長が最小のもの)を仮定し得るように千鳥配置されている。なお、本実施形態においては、このようにして仮定される平行四辺形の内角が、60°または120°とされている。また、平行四辺形のうちの同図における上下の二辺は、X軸方向に平行となっている。さらに、図13に示すように、各発光素子2は、平行四辺形の四辺方向および短尺側の対角線方向において等ピッチPに配置されている。
【0089】
そして、図14に示すように、本実施形態においては、前述した各プリズム状凸部6aの4つの底辺が、各4つの発光素子2ごとに仮定される平行四辺形の四辺および対角線に対して、ねじれの位置関係を有している。換言すれば、プリズム状凸部6aの底辺は、発光素子2と同一平面上に投影された状態において、4つの発光素子2に仮定される平行四辺形の四辺および対角線のいずれに対しても平行となることはない。
【0090】
そして、このような構成によれば、第1実施形態と同様に、光拡散板3の第2面6からの出射光における光強度が強くなる部分と弱くなる部分とを位置的に分散させることができるので、輝度の均一性を向上させることが可能となる。
【0091】
好ましくは、図14に示すように、各プリズム状凸部6aの4つの底辺が、4つの発光素子2ごとに仮定される平行四辺形の四辺のうちの所定の辺に対して、平行四辺形と同一平面(実装基板4の上面)上に投影された状態において45°の角度をなすようにする。このように構成すれば、4つの発光素子2ごとに仮定される平行四辺形の所定の辺に対してプリズム状凸部6aの底辺のずれ角を十分に確保することができるとともに、平行四辺形の所定の辺以外の辺と対角線とに対するプリズム状凸部6aの底辺のずれ角をバランス良く配分(例えば、15°ずつの均等配分)することができる。この結果、輝度の均一性を更に向上させることが可能となる。
【0092】
その他の構成は第1実施形態と基本的に同様である。また、第1実施形態において適用され得る各種の変形例は、本実施形態においても適宜適用することができる。
【実施例2】
【0093】
次に、本実施形態の具体的な実施例について説明する。
【0094】
本実施例においては、実施例2および比較例4〜6の合計4つの面光源装置の試料を用意し、これら4つの試料のそれぞれに対して、照度の測定シミュレーションを行った。
【0095】
ここで、図15に示すように、各試料は、いずれも、LEDからなる発光素子2(14個)を千鳥配置するとともに、隣接する各発光素子2同士のピッチを50mmとしたものである。また、第1実施形態の実施例と同様に、各試料は、いずれも、各発光素子2上に光束制御部材7(図8(b)参照)を配置したものである。
【0096】
図15に示すように、本実施例における測定点は、発光素子2の直上に相当する3つの測定点(x,y)=(a,i)、(e,i)、(c,iii)と、X軸方向における発光素子2間(4等分点)に相当する7つの測定点(b,i)、(c,i)、(d,i)、(a,iii)、(b,iii)、(d,iii)、(e,iii)と、対角線方向における発光素子2間(中点)に相当する2つの測定点(b,ii)、(d,ii)と、発光素子の直上に相当する測定点からこれにY軸方向において対向する平行四辺形の辺部まで下ろした垂線の中点に相当する3つの測定点(a,ii)、(c,ii)、(e,ii)との合計15個の測定点とした。
【0097】
その他のシミュレーションの条件は、第1実施形態と同様である。以下、各試料のシミュレーション結果を、各試料の概要とともに順次説明する。
【0098】
<実施例2>
まず、図16は、実施例2の試料に対するシミュレーションの結果を、本試料の模式図とともに示したものである。
【0099】
同図に示すように、本試料は、プリズム状凸部6aの底辺が、4つの発光素子2に仮定された平行四辺形の二辺に対して、ねじれの位置関係としての同一平面(投影面)上における45°の角度を有するものであり、本実施形態における面光源装置の一態様に相当する。
【0100】
そして、同図のシミュレーション結果に示すように、本試料においては、各発光素子2の直上を中心とした各領域ごとに、照度が相対的に高い部分が羽根数4枚の風車形状(羽根間ピッチ90°)の明部として得られた。同図に示すように、本試料においては、各風車形状の明部同士の間で羽根の連鎖は生じているが、後述の比較例と比べれば、照度が高い部分と低い部分とが位置的に分散して存在するような照度分布といえる。
【0101】
このような本試料の代表的な測定点の照度を表5に示す。
【表5】

【0102】
表5に示すように、本試料においては、各測定点同士の照度の差が、最小で0%、最大で29%となった。また、発光素子2直上(a,i)等と対角間(b,ii)、(d,ii)との照度差は、最大1%となった。この結果は、照度の均一性としては十分に良好な結果であり、実使用状態において光拡散板3に拡散剤を混入させることを考慮すれば、良好な輝度の均一性が得られることを期待できるものである。
【0103】
<比較例4>
【0104】
次に、図17は、比較例4の試料に対するシミュレーションの結果を示したものである。
【0105】
本試料は、第1実施形態の比較例1と同様に光拡散板3を有しないので、図16に示したような構成の概要図は図示を省略する。
【0106】
図17に示すように、本試料においては、各発光素子2の直上を中心とした各領域ごとに、照度が相対的に高い部分が円形の明部として得られており、全体的にみて、照度が高い部分が各発光素子2の直上に局在するような照度分布となっている。
【0107】
このような本試料の代表的な測定点の照度を表6に示す。
【表6】

【0108】
表6に示すように、本試料においては、各測定点同士の照度の差が、最小で0%、最大で94%となり、発光素子2の直上に対する発光素子2間(中点)の照度の落ち込みが著しいものとなった。この結果は、照度の均一性として悪い結果であり、輝度の均一性も期待できないものである。
【0109】
<比較例5>
次に、図18は、比較例5の試料に対するシミュレーションの結果を、本試料の模式図とともに示したものである。
【0110】
同図に示すように、本試料は、プリズム状凸部6aの底辺が、4つの発光素子2に仮定された平行四辺形の二辺に対して平行となっているものである。
【0111】
そして、同図のシミュレーション結果に示すように、本試料においては、実施例2と同様に、各発光素子2の直上を中心とした領域ごとに、照度が相対的に高い部分が羽根数4枚の風車形状(羽根間ピッチ90°)の明部として得られた。ただし、本試料においては、実施例2に比べて、各風車形状の明部同士の間での羽根の連鎖の状態(ひと続きとみなされる状態)が強まっており、隣接する風車間のみならず、隣々接する風車さらにそのまた隣の風車とも、羽根の連鎖が生じている。そして、全体的にみて、平行四辺形の高さ(Y軸方向の寸法)の1/2に該当する位置に、照度が高い部分がX軸方向に沿ってまとまりを持って存在する照度分布となっている。
【0112】
このような本試料の代表的な測定点の照度を表7に示す。
【表7】

【0113】
表7に示すように、本試料においては、各測定点同士の照度の差が、最小で0%、最大で34%となり、対角間を含めたY座標iiに該当する照度が目立つものとなった。この結果は、実施例2と比較して照度の均一性としては不十分な結果であり、十分な輝度の均一性を期待することも難しいものである。
【0114】
<比較例6>
次に、図19は、比較例6の試料に対するシミュレーションの結果を、本試料の模式図とともに示したものである。
【0115】
同図に示すように、本試料は、プリズム状凸部6aの底辺が、4つの発光素子2に仮定された平行四辺形の二辺に対して30°の角度を有しているとともに、平行四辺形の1つの対角線に対して平行とされているものである。
【0116】
そして、同図のシミュレーション結果に示すように、本試料においては、実施例2と同様に、各発光素子2の直上を中心とした領域ごとに、照度が相対的に高い部分が羽根数4枚の風車形状(羽根間ピッチ90°)の明部として得られた。ただし、実施例2に比べて、各風車形状の明部同士の間での羽根の連鎖の状態が強まっており、全体的にみて、照度が高い部分が平行四辺形の斜辺方向に沿ってまとまりを持って存在する照度分布となっている。
【0117】
このような本試料の代表的な測定点の照度を表8に示す。
【表8】

【0118】
表8に示すように、本試料においては、各測定点同士の照度の差が、最小で0%、最大で41%となった。この結果は、照度の均一性としては不十分な結果であり、十分な輝度の均一性を期待することも難しいものである。
【0119】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の特徴を損なわない限度において種々変更することができる。例えば、本発明を、液晶表示装置以外の用途(例えば、内照式看板やシーリングライト等)に適用してもよいことは勿論である。
【符号の説明】
【0120】
1 面光源装置
2 発光素子
3 光拡散板
5 第1の面
6 第2の面
6a 凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光の出射方向が互いに平行とされた複数の点状光源が、同一平面上に二次元的に間隔を設けて配置されるとともに、所定の4つの前記光源の発光中心点を頂点とした四角形の四辺上および前記四辺で囲まれる領域内のいずれにも前記4つの光源以外の光源の発光中心点を含まないように配置され、
前記複数の光源に対する前記出射方向側の位置に、各光源に臨む第1の面およびこれと反対側の第2の面を有し、各光源から出射された各光源の光を前記第1の面から入射させた後に前記第2の面から拡散された状態で出射させる光拡散部材が前記平面と平行に配置され、
前記光拡散部材の前記第2の面には、所定の角錐状の凸部が整列配置されて形成され、
前記第2の面上に位置する前記凸部の仮想底面は、複数の直線状の底辺で構成され、これら全ての前記底辺が前記四角形の四辺および対角線に対して、ねじれの位置関係を有すること
を特徴とする面光源装置。
【請求項2】
前記複数の光源は、前記四角形として正方形を仮定し得るように正方格子状に配置されていること
を特徴とする請求項1に記載の面光源装置。
【請求項3】
前記複数の光源は、前記四角形として平行四辺形を仮定し得るように千鳥配置されていること
を特徴とする請求項1に記載の面光源装置。
【請求項4】
前記角錐が、四角錐であるとともに、前記角錐の全ての前記底辺が、前記正方形の四辺のうちの所定の辺および前記正方形の2つの対角線のうちのいずれか1つの対角線に対して、前記平面上に投影された状態において22.5°の角度をなすこと
を特徴とする請求項2に記載の面光源装置。
【請求項5】
光の出射方向が互いに平行とされた複数の点状光源が、同一平面上に二次元的に間隔を設けて配置されるとともに、所定の4つの前記光源の発光中心点を頂点とした四角形の四辺上および前記四辺で囲まれる領域内のいずれにも前記4つの光源以外の光源の発光中心点を含まないように配置され、
前記複数の光源に対する前記出射方向側の位置に、各光源に臨む第1の面およびこれと反対側の第2の面を有し、各光源から出射された各光源の光を前記第1の面から入射させた後に前記第2の面から拡散された状態で出射させる光拡散部材が前記平面と平行に配置され、
前記光拡散部材の前記第2の面には、所定の角錐状の凹部が整列配置されて形成され、
前記凹部の開口縁は、複数の直線状の開口辺で構成され、これら全ての前記開口辺が前記四角形の四辺および対角線に対して、ねじれの位置関係を有すること
を特徴とする面光源装置。
【請求項6】
前記複数の光源は、前記四角形として正方形を仮定し得るように正方格子状に配置されていること
を特徴とする請求項5に記載の面光源装置。
【請求項7】
前記複数の光源は、前記四角形として平行四辺形を仮定し得るように千鳥配置されていること
を特徴とする請求項5に記載の面光源装置。
【請求項8】
前記角錐が、四角錐であるとともに、前記角錐の全ての前記開口辺が、前記正方形の四辺のうちの所定の辺および前記正方形の2つの対角線のうちのいずれか1つの対角線に対して、前記平面上に投影された状態において22.5°の角度をなすこと
を特徴とする請求項6に記載の面光源装置。
【請求項9】
前記角錐は、四角錐であるとともに、前記角錐の向かい合う2つの錐面のなす角が、90°であること
を特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の面光源装置。
【請求項10】
前記複数の光源のそれぞれに対する前記出射方向側の近傍位置に、各光源の光の配光特性をそれぞれ制御する前記光源と同数の光束制御部材が配置されており、
これら各光束制御部材は、各光源の光の配光特性を、光軸に対して所定の角度を有する方向において光強度の最大値を示すような配光特性に制御すること
を特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の面光源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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