説明

面状照明装置

【課題】装置外形を拡大することなく広い照明領域を確保することが可能な面状照明装置を提供する。
【解決手段】
面状照明装置10は、第1の光源15と、第1の光源15が配置される側端面13aを有する板状の導光板13と、第1の光源15及び導光板13を収納するハウジングフレーム14とを備えており、ハウジングフレーム14は、導光板13が搭載される第1の床部31を有する第1のフレーム11と、第1のフレーム11が搭載される第2の床部41、及び、導光板13の第1の光源15が配置される側端面13aに沿って起立する第1の側壁42を有する第2のフレーム12とを含み、第1の床部31には、第2のフレーム12との間で、導光板13を所定の方向に付勢するための弾性力を発生させる弾性作用部20が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイドライト方式の面状照明装置に関し、特に、液晶表示装置の照明手段として用いられる面状照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、導光板の側端面に白色LED等の点状光源を備えたサイドライト方式の面状照明装置において、点状光源から発生する熱を効率的に放熱するために、導光板及び点状光源を金属製のフレームに収容し、点状光源を金属性のフレームに接触させることによりその放熱性を高めた面状照明装置が提案されている。
【0003】
このような面状照明装置では、点状光源からの熱が導光板に伝達されると、導光板の膨張により導光板と点状光源との位置ズレを誘発して、出射光の効率的な利用の妨げとなると共に面状照明装置の照明輝度の変動の要因となり、また、導光板がフレームに収容されている場合には、導光板とフレームとの熱膨張係数の違いにより導光板が変形するという不具合が発生する場合もあるといった問題があることが知られている。
そこで、本出願人は、先に、点状光源からの熱を効率良く放熱すると共に、導光板の伸縮を吸収して導光板と点状光源との結合を安定に保持することが可能な面状照明装置を提案した(特許文献1参照)。
【0004】
ここで、図9を参照して、特許文献1に記載された面状照明装置200の構成及び作用効果を説明すれば、次の通りである。
面状照明装置200は、導光板213と、導光板213の一側端面213aに配置された点状光源215と、それらを保持するフレーム211、212とを備えており、このフレーム211、212は、上面視略コ字状に形成された内枠部材212と、平板状の座部211e及び座部211eの外縁部に立設された側壁211a、211b、211c、211dを有する外枠部材211から構成されている。
【0005】
ここで、内枠部材212は、白色顔料として酸化チタンを混入したポリカーボネート樹脂等の白色樹脂により成形されてなるものであり、外枠部材211は、例えばアルミニウム等の高熱伝導性の金属材料により形成される。
【0006】
面状照明装置200において、導光板213は、内枠部材212に収容されて、内枠部材212と共に外枠部材211の座部211e上に載置されており、点状光源215は、導光板213の、内枠部材212の開放辺側の側端面(以下、入光面ともいう)213aに沿って配置されて、入光面213aと、入光面213aに対向する、外枠フレーム211の側壁211aとで挟持されている。
【0007】
そして、内枠部材212の構成する3辺の側壁のうち、底辺を構成する側壁212bには、外枠フレーム211の側壁211bと接触して弾性的に変形し、この変形によって、内枠部材212(したがって、内枠部材112に一体に収容された導光板113)を点状光源215側へ付勢する、一対の弾性作用部220が形成されている。
【0008】
弾性作用部220は、内枠部材212の側壁212bに、その延長方向と略平行に貫通孔223を設けることによって形成される弾性変形可能な薄肉状の梁部222と、梁部222の略中央から内枠部材212の外方に突出する突起部221とからなり、内枠部材212は、弾性作用部220の突起部221が外枠部材211の側壁211bに接触し、その梁部222が内枠部材212の内方に撓むように配置されている。これによって、内枠部材212の底辺212bには、弾性作用部220が側壁211bに及ぼす弾性力の反作用として、側壁211bから突起部221に対して抗力Fが作用することになる。
【0009】
以上のように構成された面状照明装置200では、抗力Fによって内枠部材212及び導光板213が点状光源215側に付勢されることにより、導光板213の入光面212aと外枠部材211の側壁211aとで挟持された点状光源215が、導光板213に対して良好かつ安定に結合され、かつ、熱伝導性の金属材料からなる側壁211aとの接触により効率的な放熱が実施されるものである。また、周囲温度の変動等によって、導光板213が膨張・収縮しても、その縦方向の伸縮は、弾性作用部220の梁部222の弾性変形により吸収される。
【0010】
尚、面状照明装置200では、内枠部材212の相対向する2辺を構成する側壁212c、212dにも、弾性作用部220と同様の構成を有して、それぞれ外枠部材211の側壁211c、211dに接触して弾性変形する弾性作用部220’が形成されており、それぞれ、抗力F及びFによって、内枠部材212が外枠部材211に安定に保持されるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2006−309986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、近年、面状照明装置の小型化の要求が厳しくなるにつれて、与えられた外形を拡大することなく、可能な限り広い照明領域を確保することが、面状照明装置の重要な課題となっている。この観点から言えば、面状照明装置200は、内枠部材212に、弾性作用部220、220’を形成可能な肉厚(幅)を有する側壁212b、212c、212dが必要となるため、導光板213の出射面213eの面積、ひいては面状照明装置200の照明領域として使用可能な領域を、外枠部材211の側壁211a、211b、211c、211dに囲まれた内部領域に対して、少なくとも内枠部材212の側壁212b、212c、212dの肉厚分だけ縮小せざるを得ない点で、改善の余地がある。
【0013】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、装置外形を拡大することなく広い照明領域を確保することが可能な面状照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、さらに他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
【0015】
(1)第1の光源と、該第1の光源が配置される側端面を有する板状の導光板と、前記第1の光源及び前記導光板を収納するハウジングフレームと、を備える面状照明装置において、前記ハウジングフレームは、前記導光板が搭載される第1の床部を有する第1のフレームと、前記第1のフレームが搭載される第2の床部、及び前記導光板の前記第1の光源が配置される側端面に沿って起立する第1の側壁を有する第2のフレームと、を含み、前記第1の床部には、前記第2のフレームとの間で、前記導光板を所定の方向に付勢するための弾性力を発生させる弾性作用部が設けられていることを特徴とする面状照明装置(請求項1)。
【0016】
本項に記載の面状照明装置によれば、第1のフレームと、第1のフレームが搭載される第2のフレームとを含むハウジングフレームに第1の光源及び導光板を収納する構成において、第1のフレームが、導光板が搭載される第1の床部を有しており、第2のフレームとの間で導光板を所定の方向に付勢するための弾性力を発生させる弾性作用部が、第1のフレームの床部に設けられていることにより、第1のフレームの特定の側壁に同様の機能を有する弾性作用部を設けた従来の面状照明装置と比較して、その側壁を薄肉化するか、または、その側壁を設けることなく第1のフレームを形成することが可能となる。
これによって、与えられた第2のフレームの外形を拡大することなく、第1のフレーム上により広い出射面積を有する導光板を搭載することが可能となり、ひいては、面状照明装置の装置外形を小型に維持しつつ、照明領域を拡大することが可能となる。
【0017】
(2)(1)項に記載の面状照明装置において、前記弾性作用部は、前記第1のフレームと一体に形成された薄肉状の梁部と、該梁部から突出する突起部とを含み、前記第2のフレームには、前記突起部が接触する係止部が形成されていることを特徴とする面状照明装置(請求項2)。
【0018】
(3)(1)項に記載の面状照明装置において、前記弾性作用部は、前記第1のフレームと別体の弾性部材を含み、前記第2のフレームには、前記弾性部材が接触する係止部が形成されていることを特徴とする面状照明装置(請求項3)。
【0019】
(4)(2)または(3)項に記載の面状照明装置において、前記係止部は、前記第2の床部を切り起こして形成される壁状片を含むことを特徴とする面状照明装置(請求項4)。
【0020】
(2)〜(4)項に記載の面状照明装置によれば、容易かつ安価に形成可能な弾性作用部及び係止部を用いて、導光板を所定の方向に付勢するための弾性力を発生させることが可能となる。
【0021】
(5)(1)〜(4)のいずれか1項に記載の面状照明装置において、前記弾性作用部は、前記導光板を前記第1の光源側に付勢するための弾性力を発生するように形成されていることを特徴とする面状照明装置(請求項5)。
【0022】
本項に記載の面状照明装置によれば、導光板と第1の光源との光学的結合を安定に保持し、面状照明装置の高輝度化および輝度の安定化を達成することが可能となる。
【0023】
(6)(5)項に記載の面状照明装置において、前記第2のフレームは、前記第1の側壁と対向する第2の側壁を含み、前記係止部は、前記第2の側壁を含むことを特徴とする面状照明装置(請求項6)。
【0024】
本項に記載の面状照明装置によれば、係止部及び対応する弾性作用部の構成を簡素することが可能となる。
【0025】
(7)(1)〜(6)のいずれか1項に記載の面状照明装置において、前記導光板は、前記第1の光源が配置される側端面から該側端面に対向する側端面に向かって厚みが減少するように形成されており、前記弾性作用部は、前記第1の光源が配置される側端面と対向する側端面寄りの領域に設けられていることを特徴とする面状照明装置(請求項7)。
【0026】
本項に記載の面状照明装置によれば、装置の厚みの増大を抑制しつつ、第1のフレームの第1の床面に弾性作用部を設けることが可能となる。
【0027】
(8)(1)〜(7)のいずれか1項に記載の面状照明装置において、前記第2のフレームは、構成材料が互いに異なり、かつ、一方が他方に積層して配置される2つのサブフレームを含み、前記第1のフレームには、前記2つのサブフレームのそれぞれとの間で弾性力を発生させる前記弾性作用部が形成されていることを特徴とする面状照明装置(請求項8)。
【0028】
(9)(1)〜(8)のいずれか1項に記載の面状照明装置において、前記導光板の前記第1の光源が配置される側端面と対向する側端面に配置された第2の光源をさらに備えることを特徴とする面状照明装置(請求項9)。
【発明の効果】
【0029】
本発明は、このように構成したため、装置外形を拡大することなく広い照明領域を確保することが可能な面状照明装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1の実施形態における面状照明装置の要部を示す図であり、(a)は上面図、(b)は、(a)のA−A断面図である。
【図2】図1に示す面状照明装置の第1のフレームを示す図であり、(a)は上面図、(b)は、(a)のA−A断面図である。
【図3】図1に示す面状照明装置の第2のフレームを示す図であり、(a)は上面図、(b)は、(a)のA−A断面図である。
【図4】図1に示す面状照明装置において、弾性作用部と係止部の態様を模式的に示す上面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態における面状照明装置において、弾性作用部と係止部の別の例の態様を模式的に示す上面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態における面状照明において、そのハウジングフレームを示す上面図である。
【図7】本発明の第3の実施形態における面状照明装置において、そのハウジングフレームを示す図であり、(a)は上面図、(b)は、(a)のA−A断面図、(c)は、(a)のB−B断面図である。
【図8】本発明の第4の実施形態における面状照明装置の要部を示す図であり、(a)は上面図、(b)は、(a)のA−A断面図である。
【図9】従来の面状照明装置の構成例を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。尚、面状照明装置の全体または部分を示す各図は、説明のために特徴を強調して示す模式図であって、図示された各部分の相対的な寸法は、必ずしも実際の縮尺を反映するものではない。
【0032】
図1〜図3を参照して、本発明の第1の実施形態における面状照明装置10の構成について説明する。ここで、図1は、面状照明装置10の要部を示す図であり、(a)は上面図、(b)は、(a)のA−A断面図である。また、図2及び図3は、それぞれ面状照明装置10の第1のフレーム11及び第2のフレーム12を示す図であり、それぞれ、(a)は上面図、(b)は、(a)のA−A断面図である。
【0033】
面状照明装置10は、導光板13と、導光板13の一側端面(以下、入光面ともいう)13aに配置され、本実施形態における第1の光源を構成する光源15と、導光板13及び光源15を収納するハウジングフレーム14とを備えており、ハウジングフレーム14は、第1のフレーム11と、第1のフレーム11が搭載される第2のフレーム12を含む2重構造をなすものである。
【0034】
導光板13は、例えばアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等の透明樹脂を略矩形状に成形してなる板状の導光体であり、入光面13aから入射した光を、導光板13の内部へと伝播させつつ、一主面である光出射面13eから均一に出射させるものである。本実施形態において、導光板13は、図1(b)に示すように、入光面13aから入光面13aに対向する側端面13bに向かって厚みが減少するように形成された、側面視くさび型の導光板である。また、導光板13の入光面13aには、一対の突起部16が設けられており、さらに、入光面13に直交する一対の側端面13c、13dの入光面13a寄りの部分に、それぞれ突起部17、17が設けられている。
【0035】
第1のフレーム11は、例えば、白色顔料として酸化チタンを混入したポリカーボネート樹脂等の白色樹脂により成形されてなり、第1の床部31と、第1の床部31の外縁に沿って略コ字状に形成された側壁33、34、35を有している。面状照明装置10において、導光板13は、その側端面13b、13c、13dが、第1のフレーム11の側壁33、34、35にそれぞれ対向するように、第1の床部31上に搭載される。その際、第1のフレーム11の相対向する一対の側壁34、35には、それぞれ凹部32、32が設けられており、導光板13の側端面13c、13dに設けられた突起部17、17は、それぞれ対応する側壁34、35の凹部32、32に収容され、その底面上に載置される。
【0036】
面状照明装置10において、第1の床部31は、導光板13の厚みの変化に応じて、側壁の存在しない側(導光板13の搭載時、入光面13a側)から、側壁33側(導光板13の搭載時、側端面13b側)に向かって厚みが増大するように形成されており、比較的厚い側壁33寄り(導光板13搭載時、側端面13b寄り)の領域に、弾性作用部20が設けられている。
【0037】
第2のフレーム12は、例えばアルミニウム等の高熱伝導性の金属材料により形成され、平板状の第2の床部41と、プレス加工等により第2の床部41の外縁部に立設された4つの側壁42〜45とを有している。第1のフレーム11は、その側壁33、34,35が、第2のフレーム12の側壁43、側壁44、側壁45にそれぞれ対向するように、第2の床部41上に搭載され、このとき、第1のフレーム11に搭載される導光板13の入光面13aは、側壁42に対向する。すなわち、面状照明装置10では、側壁42が、導光板13の入光面13aに沿って起立する第1の側壁を構成する。
そして、第2の床部41には、第2の床部41を切り起こすことにより壁状片46が形成されており、面状照明装置10では、後述するように、この壁状片46が、弾性作用部20の係止部として機能する。
【0038】
面状照明装置10において、光源15は、典型的には白色LEDからなり、好ましくはフレキシブルプリント基板からなる回路基板18上に実装され、回路基板18を、第2のフレーム12の側壁42に沿って配置することにより、導光板13の入光面13aに配置されるものである。この際、回路基板18は、側壁42に密着するように配置されることが好ましく、例えば、回路基板18を、熱伝導性の粘着テープ等の適切な固着手段(図示は省略する)によって、側壁42に固着するものであってもよい。このような構成によって、金属材料により形成される第2のフレーム12は、光源15から発生する熱の放熱体としても、有効に機能するものである。
【0039】
以下、説明の便宜のため、面状照明装置10の各構成要素に関して、面状照明装置10の組立状態において導光板13の入光面13a側を前方、側端面13b側を後方として、導光板13の入光面13aと直交する方向を前後方向という。同様に、導光板13の側端面13c側を左方、13d側を右方として、導光板13の入光面13aの長手方向を左右方向という。
【0040】
面状照明装置10において、第1のフレーム11の第1の床部31には、左右方向に間隔をおいて2つの弾性作用部20が設けられており、各弾性作用部20は、図2に示すように、第1の床部31に、左右方向に延在する1組の貫通孔23、24を前後方向に所定の間隔をおいて設けることによって形成される弾性変形可能な薄肉上の梁部21と、梁部21の略中央から貫通孔24内で後方に突出する突起部22からなる。そして、第2のフレーム12の第2の床部41には、2つの壁状片46が2つの弾性作用部20とそれぞれ対応する位置に形成されている。詳しくは、弾性作用部20と壁状片46は、図4に示すように、第1のフレーム11を第2のフレーム12の第2の床部41上に搭載したときに、壁状片46が貫通孔24内に挿通されるとともに、弾性作用部20の突起部21が壁状片46に接触して、梁部21が前方に撓むように配置されている。
【0041】
このように梁部21が撓むことによって、弾性作用部20には、第2のフレーム11との間で、導光板13を前方に付勢するための弾性力が発生する。すなわち、第1のフレーム11には、弾性作用部20が壁状片46に及ぼす弾性力の反作用として、壁状片46から前方向への抗力Nが作用し、この抗力Nによって、第1のフレーム11は、第2のフレーム12に対して前方に付勢される。そして、この付勢力は、導光板13の側端面13c、13dに設けられた突起部17、17と、それぞれ対応する側壁34、35の凹部32、32との結合を介して導光板13に伝達され、第1のフレーム11とともに導光板13が前方に付勢されることになる。この結果、導光板13の入光面13aに形成された突起部16が、回路基板18を介して第2のフレーム12の側壁42に圧接されて、第1のフレーム11及び導光板13が、第2のフレーム12に対して前後方向に位置決めされるとともに、安定に保持される。
【0042】
これによって、面状照明装置10では、光源15と、導光板13の入光面13aとの間に、突起部16の前後方向の長さによって定まる一定の間隔を維持し、光源15から導光板13の入光面13aに伝達される熱を最小限に抑制しつつ、導光板13と光源15の光学的結合を、良好かつ安定に保持することが可能となるとともに、光源15から発生する熱は、熱伝導性の金属材料からなる側壁42との接触により効率的に放熱されるものである。さらに、弾性作用部20には、周囲温度の変動等によって、導光板13が膨張・収縮しても、その前後方向の伸縮を、梁部21の弾性変形により吸収する作用効果も奏するものである。
【0043】
さらに、面状照明装置10では、第1のフレーム11に第1の床部31を設け、弾性作用部20を、第1のフレーム11の後方の側壁33ではなく、第1の床部31に設けたことにより、後方の側壁33を薄肉化(所謂、狭額縁化)することが可能となり、これによって、第2のフレーム12を拡大することなく、出射面13eの面積の広い導光板13を使用し、ひいては、装置を大型化することなく、その照明領域を拡大することが可能となる。
【0044】
また、このような面状照明装置10において、導光板13が、前方の入光面13aから後方の側端面13bに向かって厚みが減少するように形成し、弾性作用部20を、第1の床部31の、側壁33寄りの(導光板13搭載時、側端面13b寄りの)領域に設けた構成は、導光板13を収容するためにハウジングフレーム14に必要とされる厚みの増大、ひいては装置の厚みの増大を抑制しつつ、第1のフレーム11の第1の床面31に弾性作用部20を設けることが可能である点で、有利なものである。
【0045】
ここで、面状照明装置10において、第1のフレーム11の弾性作用部の構成は、上述した弾性作用部20の構成に限定されるものではない。例えば、図5に示すように、第1のフレーム11とは別体の弾性部材(例えば、ゴム材料、エラストマー樹脂、またはバネ)により弾性作用部50を構成するものであってもよい。この場合、第1の床部31に、壁状片46が挿通される貫通孔55を設けるとともに、壁状片46と貫通孔55の壁状片46に対向する側面との間に、弾性作用部50を弾性変形した状態で挟持することにより、導光板13を前方に付勢するための弾性力を発生させるものである。
【0046】
また、面状照明装置10において、弾性作用部20と接触する係止部は、第2のフレーム12の第2の床部41を切り起こして形成される壁状片46に限定されず、例えば、第2の床部41をプレス加工により押し出して形成した凸部であってもよく、または、第2のフレーム12とは別体に形成した凸状体を、第2の床面41上に固定して形成するものであってもよい。
【0047】
尚、面状照明装置10では、第1のフレームの側壁35に、第1のフレーム11を、第2のフレームに対して左方に付勢する弾性作用部50(梁部51及び突起部52)、及び、導光板13を第1のフレーム11に対して左方に付勢する弾性作用部60(梁部61及び突起部62)が設けられており、第1のフレーム11及び導光板13は、これによって、第2のフレーム12に対して左右方向に位置決めされ、安定に保持されるものである。
【0048】
但し、面状照明装置10のこの構成は、照明領域の拡大が前後方向に対してのみ要求される場合の好ましい例を示すものであり、必要な場合、側壁35(または側壁34)に弾性作用部50、60を設けるのではなく、第1のフレーム11の第1の床部31及び第2のフレーム12の第2の床部41に、それぞれ弾性作用部20及び壁状片46を90°回転させた態様の弾性作用部及び壁状片を設けることによって、第1のフレーム11及び導光板13を、第2のフレーム12に対して位置決めし、左右方向に安定に保持するものであってもよい。
【0049】
次に、本発明に係る他の実施形態について説明する。以下では、上述した第1の実施形態における面状照明装置10と同様の構成要素には同一の符号を付して参照し、重複する部分の説明および図示は適宜省略して、主として、それぞれの実施形態に特有の構成および作用効果を説明する。
【0050】
図6は、本発明の第2の実施形態における面状照明装置において、そのハウジングフレーム72を示す上面図である。まず、ハウジングフレーム72は、その第1のフレーム71が、上述した面状照明装置10の第1のフレーム11が備える側壁33に相当する後方の側壁を備えていない点で、ハウジングフレーム14と相違するものである。本実施形態における面状照明装置では、この構成により、照明領域をさらに拡大することが可能となる。
【0051】
さらに、図6には、このようなハウジングフレーム72における、好ましい弾性作用部と係止部の態様が示されており、ハウジングフレーム72は、その弾性作用部と係止部の構成についても、上述した面状照明装置10のハウジングフレーム14と相違する。
すなわち、第1のフレーム71において、第1の床部31に設けられる弾性作用部75は、第1の床部31の、第2のフレーム12の側壁43に対向する端面31bの近傍に、左右方向に延在する貫通孔76を端面31bから所定の間隔を置いて設けることによって形成される薄肉上の弾性変形可能な梁部73と、梁部73の略中央から後方に突出する突起部74からなる。そして、本実施形態における面状照明装置では、第2のフレーム12の第2の床部41には、壁状片46等の係止部は形成されておらず、側壁42(第1の側壁)に対向する側壁43(第2の側壁)が、弾性作用部75と接触する係止部としても機能するものである。
【0052】
この場合、弾性作用部75は、導光板13(図6への図示は省略する)が搭載された第1のフレーム71を第2のフレーム12の第2の床部41上に搭載したときに、弾性作用部75の突起部74が側壁43に接触して、梁部73が前方に撓むことにより、面状照明装置10の弾性作用部20と同様に、第2のフレーム12との間で、導光板13を前方に付勢するための弾性力を発生させるものである。
【0053】
このような弾性作用部75及び側壁43からなる係止部の構成は、面状照明装置10の第1のフレーム11が備える側壁33に相当する後方の側壁を備えていない第1のフレーム71を有する面状照明装置において、弾性作用部75及び係止部の構成を簡素化できる点で、有利なものである。
【0054】
図7は、本発明の第3の実施形態における面状照明装置において、そのハウジングフレーム84を示す図であり、(a)は上面図、(b)及び(c)は、それぞれ(a)のA−A断面図及びB−B断面図である。
ハウジングフレーム84は、まず、その第2のフレーム81が、第1のサブフレーム82と、第1のサブフレーム82上に積層して配置される第2のサブフレーム83からなる点で、上述した面状照明装置10のハウジングフレーム14と相違する。
【0055】
ここで、第1のサブフレーム82は、面状照明装置10の第2のフレーム12と同様に、平板状の床部41と、プレス加工等により床部41の外縁部に立設された4つの側壁42〜45とを有しており、第2のサブフレーム83は、平板状の床部85と、プレス加工等により床部85の外縁部に立設された1つの側壁86とを有している。そして、第2のサブフレーム83は、その側壁86と第1のサブレフーム82の側壁42とを密着させて床部41上に搭載され、第1のフレーム80は、第2のサブフレーム83の床部85上に搭載される。したがって、本実施形態において、第2のフレーム81の第1の側壁87及び第2の床部88は、それぞれ、側壁42と側壁86、及び、床部41と床部85からなる2重構造をなし、また、第2のフレーム81の第2の側壁は、第1のサブフレーム82の側壁43から構成される。
【0056】
このような第2のフレーム81の構成は、例えば、第2のフレーム81に、ねじ切り加工等のために鉄系の材料を用いる必要がある場合等に好適な構成である。この場合、外枠を構成する第1のサブフレーム82を鉄系の材料により構成し、内枠を構成する第2のサブフレーム83をアルミニウム等の放熱性に優れた材料から構成することにより、第2のフレーム81を、高い放熱性を維持しつつ、ねじ切り加工等の要求を満たす構成とすることが可能となる。
【0057】
さらに、図7には、このようなハウジングフレーム84における、好ましい弾性作用部と係止部の態様が示されており、ハウジングフレーム84は、その弾性作用部と係止部の構成についても、上述した面状照明装置10のハウジングフレーム14と相違する。
すなわち、ハウジングフレーム84において、第1のフレーム80は、図6に示す第1のハウジングフレーム71と同様に、面状照明装置10の第1のフレーム11が備える側壁33に相当する後方の側壁を備えておらず、第1のフレーム80の第1の床部31には、図6に示す弾性作用部75と同様に構成された弾性作用部75が設けられている。そして、本実施形態においても、第2のフレーム81の側壁43(第2の側壁)は、弾性作用部75と接触する係止部としても機能するものである。
【0058】
これによって、弾性作用部75は、導光板13(図7への図示は省略する)が搭載された第1のフレーム80を第2のフレーム81の第2の床部88(床部85及び床部41)上に搭載したときに、弾性作用部75の突起部74が側壁43に接触して、梁部73が前方に撓むことにより、第2のフレーム81との間で、導光板13を前方に付勢するための弾性力を発生させるものである。
【0059】
詳しくは、このように梁部73が撓むことによって、弾性作用部75には、第2のフレーム81の第1のサブフレーム82との間で、導光板13を前方に付勢するための弾性力が発生する。すなわち、第1のフレーム80には、弾性作用部75が側壁43に及ぼす弾性力の反作用として、側壁43から前方向への抗力が作用し、この抗力によって、第1のフレーム80は、第2のフレーム81の第1のサブフレーム82に対して前方に付勢される。そして、この付勢力は、導光板13の側端面13c、13dに設けられた突起部17、17と、それぞれ対応する側壁34、35の凹部32、32との結合を介して導光板13に伝達され、第1のフレーム80とともに導光板13が前方に付勢されることになる。この結果、導光板13の入光面13aに形成された突起部16が、回路基板18を介して第2のフレーム12の第1の側壁87(側壁86及び側壁42)に圧接されて、第1のフレーム11、導光板13、及び第2のフレーム81の第2のサブフレーム83が、第2のフレーム81の第1のサブフレーム82に対して位置決めされ、前後方向に安定に保持される。
【0060】
加えて、ハウジングフレーム84の第1のフレーム80には、弾性作用部95も設けられている。この弾性作用部95は、第1の床部31の、第2のフレーム81の側壁43に対向する端面31bの近傍に、左右方向に延在する切欠き部96と貫通孔97とを前後方向に所定の間隔をおいて設けることによって形成される薄肉上の弾性変形可能な梁部93と、梁部93の略中央から貫通孔97内で前方に突出する突起部94からなる。そして、ハウジングフレーム84では、第2のフレーム81の第2のサブフレーム83の床部85には、壁状片98が弾性作用部95と対応する位置に形成されている。詳しくは、弾性作用部95と壁状片98は、導光板13が搭載された第1のフレーム80を第2のフレーム81の第2の床部88(床部85及び床部41)上に搭載したときに、壁状片98が貫通孔97内に挿通されるとともに、弾性作用部95の突起部94が壁状片98に接触して、梁部93が後方に撓むように配置されている。
【0061】
これによって、弾性作用部95は、第2のフレーム81の第2のサブフレーム83を、第1のフレーム80に対して前方に付勢する弾性力を発生させるものである。この際、第1のフレーム80は、上述したように、弾性作用部75の作用によって、第2のフレーム81の第1のサブフレーム82に対して位置決めされ、前後方向に安定に保持されているものであるため、第2のサブフレーム83は、第1のサブフレーム82に対して前方に付勢されることになり、その側壁86を第1のサブフレーム82の側壁42により強固に密着させて、第1のサブフレーム82に安定に保持されることになる。
【0062】
図8は、本発明の第4の実施形態における面状照明装置100の要部示す図であり、(a)は上面図、(b)は、(a)のA−A断面図である。
本実施形態における面状照明装置100は、まず、導光板113の光源15(第1の光源)が配置される入光面113aと対向する側端面113bに配置された、光源105(第2の光源)をさらに備える点で、上述した面状照明装置10と相違する。この場合、導光板113は、面状照明装置10の導光板10とは異なり、厚み一定の平板状をなすものであってもよい(図8(b)参照)。以下、入光面113aを第1の入光面、側端面113bを第2の入光面ともいう。
【0063】
ここで、光源105は、光源15と同様に、典型的には白色LEDからなり、好ましくはフレキシブルプリント基板からなる回路基板118上に実装され、回路基板118を、第2のフレーム12の側壁43に沿って配置することにより、導光板13の第2の入光面113bに配置されるものである。この際、回路基板118は、側壁43に密着するように配置されることが好ましく、例えば、回路基板118を、熱伝導性の粘着テープ等の適切な固着手段(図示は省略する)によって、側壁43に固着するものであってもよい。このような構成によって、金属材料により形成される第2のフレーム12は、光源105から発生する熱の放熱体としても、有効に機能するものである。
【0064】
さらに、図8には、このような面状照明装置100のハウジングフレーム114における、好ましい弾性作用部と係止部の態様が示されており、ハウジングフレーム114は、その弾性作用部と係止部の構成についても、上述した面状照明装置10のハウジングフレーム14と相違する。
すなわち、ハウジングフレーム114において、第1のフレーム111は、図6、図7に示す第1のハウジングフレーム71、80と同様に、面状照明装置10の第1のフレーム11が備える側壁33に相当する後方の側壁を備えていない。そして、第1のフレーム11の第1の床部131に設けられる弾性作用部20、導光板113の側端面113c、113dに設けられた突起部17、17、及び、第1のフレーム111の側壁134、135に設けられた凹部32、32の各構成要素は、それぞれ、面状照明装置10の対応する構成要素と同様の構成を有するものであるが、その配置位置を、前後方向の中央部とした点で相違するものである。
【0065】
面状照明装置100のこの構成によれば、導光板113の第1の入光面113aと第2の入光面113bに、それぞれ光源15及び光源105を備えた構成において、導光板113の熱変形等が生じた場合でも、力学的及び光学的に良好なバランスを維持することが可能となる。
【0066】
尚、上述した全ての実施形態における面状照明装置は、上述した構成要素以外の任意の適切な構成要素(例えば、反射シート、拡散シート、プリズムシート等の光学シート類)を有するものであってもよいことは言うまでもない。さらに、本発明に係る面状照明装置は、上述した第1〜第4の実施形態のそれぞれに関連して個別に図示及び説明した2以上の任意の特徴を、組み合わせて適用した面状照明装置を含むものである。
【符号の説明】
【0067】
10,100:面状照明装置、11,71,80,111:第1のフレーム、12,81:第2のフレーム、13:導光板、14,72,84,114:ハウジングフレーム、15:光源(第1の光源)、20,50,75:弾性作用部、31,131:第1の床部、41,88:第2の床部、42,87:第1の側壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の光源と、該第1の光源が配置される側端面を有する板状の導光板と、前記第1の光源及び前記導光板を収納するハウジングフレームと、を備える面状照明装置において、
前記ハウジングフレームは、前記導光板が搭載される第1の床部を有する第1のフレームと、前記第1のフレームが搭載される第2の床部、及び前記導光板の前記第1の光源が配置される側端面に沿って起立する第1の側壁を有する第2のフレームと、を含み、
前記第1の床部には、前記第2のフレームとの間で、前記導光板を所定の方向に付勢するための弾性力を発生させる弾性作用部が設けられていることを特徴とする面状照明装置。
【請求項2】
前記弾性作用部は、前記第1のフレームと一体に形成された薄肉状の梁部と、該梁部から突出する突起部とを含み、前記第2のフレームには、前記突起部が接触する係止部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の面状照明装置。
【請求項3】
前記弾性作用部は、前記第1のフレームと別体の弾性部材を含み、前記第2のフレームには、前記弾性部材が接触する係止部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の面状照明装置。
【請求項4】
前記係止部は、前記第2の床部を切り起こして形成される壁状片を含むことを特徴とする請求項2または3に記載の面状照明装置。
【請求項5】
前記弾性作用部は、前記導光板を前記第1の光源側に付勢するための弾性力を発生するように形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の面状照明装置。
【請求項6】
前記第2のフレームは、前記第1の側壁と対向する第2の側壁を含み、前記係止部は、前記第2の側壁を含むことを特徴とする請求項5に記載の面状照明装置。
【請求項7】
前記導光板は、前記第1の光源が配置される側端面から該側端面に対向する側端面に向かって厚みが減少するように形成されており、前記弾性作用部は、前記第1の光源が配置される側端面と対向する側端面寄りの領域に設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の面状照明装置。
【請求項8】
前記第2のフレームは、構成材料が互いに異なり、かつ、一方が他方に積層して配置される2つのサブフレームを含み、前記第1のフレームには、前記2つのサブフレームのそれぞれとの間で弾性力を発生させる前記弾性作用部が形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の面状照明装置。
【請求項9】
前記導光板の前記第1の光源が配置される側端面と対向する側端面に配置された第2の光源をさらに備えることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の面状照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−105707(P2013−105707A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250650(P2011−250650)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(000114215)ミネベア株式会社 (846)
【Fターム(参考)】