説明

面状発光装置

【目的】輝度ムラの発生を防止することが可能で、光源の使用数が少なく、見映えの良い面状発光装置を提供する。
【構成】端面から入射された光を発光面から放出する導光板と、前記導光板の前記端面に対向して設けられる複数の点状光源と、前記導光板の前記発光面側に設けられる拡散部材と、前記発光面と前記拡散部材との距離が前記導光板の厚さよりも大きくなるように、前記発光面と前記拡散部材との間に所定のスペースを規定するスペーサ部材とを備える面状発光装置とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、面状発光装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、点状光源の光を導光板の端面(エッジ)から導入し、導光板の平板面から面状光を放出する面状発光装置がある。このような面状発光装置の例が特許文献1〜3に開示されている。
従来の面状発光装置100について、その平面図を図1(A)に示し、図1(A)におけるX−X線断面図を図1(B)に示す。
図1(A)に示すように、面状発光装置100は外形が平面視長方形であって、その平板面に長方形の発光部500を備える。
図1(B)に示すように面状発光装置100は導光板300とその端面に対向するLEDランプ600を備える。
LEDランプ600の光は、導光板300に入射して導光板300内を導光して、導光板300に積層された拡散シート510を介して外部に放射される。これにより、発光部500が面状に発光することとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−71167号公報
【特許文献2】特開2004−322858号公報
【特許文献3】特開2002−279817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の面状発光装置100では、導光板300のLEDランプ600の近傍領域において、輝度分布の偏在により、一般に「目玉」と呼ばれる輝度ムラが発生する。
このような輝度ムラは意匠性を低下させるため、導光板300のLEDランプ600の近傍部をカバー400によって隠し、導光板300の光入射面から発光部500の縁までに距離L1’を設けている。尚、距離L1’は、一般に「助走距離」と呼ばれる。
その結果、発光部500の周縁の内、LEDランプ600が設けられる側の縁の長さL2’が長くなり、間延びしているように見えるため見映えが悪くなる。使用する光源の数を増やせばこのような輝度ムラの発生は低減されるが、コストが増加する。また、光源の数を増やすことは放熱の観点からも不利となる。
【0005】
本発明は前記問題を解決するためになされたものであって、その目的は、輝度ムラの発生を防止することが可能で、光源の使用数が少なく、見映えの良い面状発光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
端面から入射された光を発光面から放出する導光板と、
前記導光板の前記端面に対向して設けられる複数の点状光源と、
前記導光板の前記発光面側に設けられる面状の拡散部材と、
前記発光面と前記拡散部材との距離が前記導光板の厚さよりも大きくなるように、前記発光面と前記拡散部材との間に所定のスペースを規定するスペーサ部材とを備える面状発光装置である。
【0007】
本発明の面状発光装置によれば、複数の点状光源の光は、導光板の端面から導光板に入射して、導光板を導光し、導光板の発光面から放出された後、拡散部材の裏面から拡散部材に入射して拡散して外部に放出される。
導光板の発光面と拡散部材との間にはスペーサ部材が備えられており、当該スペーサ部材によって発光面と拡散部材との距離が導光板の厚さよりも大きくなっている。
これにより、導光板の発光面から放出された光は拡散部材の裏面に到達するまでに混合されることとなる。そして、混合された光が拡散部材によりさらに拡散されて外部に放出される。
その結果、外部から観察したとき、光源の近傍領域における輝度ムラの発生が防止される。
従って、光源の近傍部にカバー等を設ける必要がなくなり、発光部の光源側周縁が間延びしているように見えず、見映えが良くなる。また、光源の使用数を増やす必要がなくなり、コスト面で有利となる。また、光源の使用数を増やさずに済むので放熱の観点からも不利とならない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1(A)は従来の面状発光装置100の平面図。図1(B)は、図1(A)におけるX−X断面図であり、LEDランプ600の近傍断面図。
【図2】本発明の実施例1の面状発光装置1の分解斜視図。
【図3】図3(A)は面状発光装置1の平面図。図3(B)は、図3(A)におけるX−X線断面図であり、LEDランプ61の近傍断面図。
【図4】図3(A)におけるX−X線断面図であり、実施例の作用・効果を説明するための説明図。
【図5】本発明の実施例2の面状発光装置200を裏面側から見た分解斜視図。
【図6】図6(A)は面状発光装置200の平面図。図6(B)は、図6(A)におけるX−X線断面図であり、LEDランプ61の近傍断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の面状発光装置における構成要素について詳細に説明する。
本発明の面状発光装置は、端面から入射された光を発光面から放出する導光板を備える。導光板は光透過性の材料で構成される。アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂などの透明な合成樹脂や、ガラスなどの透明な無機材料を導光板の材料として使用することができる。導光板の形状は略平板状である。導光板の端面には光源が対向して、当該端面が光源の光が入射する光入射面となる。尚、導光板の複数の端面に光源を対向させてそれぞれの端面を光入射面としてもよい。
【0010】
導光板の裏面(発光面と反対側の面)には光拡散反射処理が施されて、光拡散反射領域が形成されている。光拡散反射処理としては、光拡散反射パターンの形成、シボ加工やブラスト処理などの粗面処理、光反射拡散性インクの印刷や光反射拡散テープの貼付などによる光反射拡散層の形成などの方法を採用できる。本明細書でいう「光拡散反射パターン」とは、光拡散反射形状の集合をいう。光拡散反射形状としては例えば、凸レンズ状、凸プリズム状、拡散ドット状を例示することができる。
【0011】
本発明の面状発光装置は、導光板の端面に対向して設けられる複数の点状光源を備える。点状光源の種類は限定されないが、例えば、自発光半導体型光源であるLEDランプや有機ELランプなどを採用できる。LEDランプや有機ELランプの種類も特に限定されず、砲弾型、表面実装型などを採用できる。複数の点状光源は全て同一であってもよいし、複数の種類の点状光源を含んでいてもよい。点状光源は導光板の端面に対向して配置される。例えば、点状光源を線状に配列して、アレイ状の配置とすることができる。点状光源は等間隔に配置することが好ましい。輝度バランスが良好となるからである。
【0012】
本発明の面状発光装置は導光板の発光面側に拡散部材を備える。
拡散部材は、例えば、表面に規則的又はランダムな凹凸を備える透光性樹脂(ポリエチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)樹脂、ポリカーボネート樹脂等)から成る。
尚、拡散部材は、透光性樹脂のシート(フィルム)によって形成したり、透光性樹脂の射出成形により導光板を収容するケースと一体形成することができる。拡散部材の形状は、導光板の発光面全体を覆うように、平面視で発光面と略同一形状とすることができる。
【0013】
拡散部材の拡散作用の程度はヘイズ値で示すことができる。本発明の面状発光装置で使用する拡散部材のヘイズ値は、例えば、50%〜99%、好ましくは80%〜95%、さらに好ましくは90%〜95%とすることができる。このようにすれば、面状光のが好適に生成できるからである。尚、ヘイズ値が大きいほど拡散性が高く、透明性が低い。
【0014】
本発明の面状発光装置は発光面と拡散部材との距離が導光板の厚さよりも大きくなるように、発光面と拡散部材との間に所定のスペースを規定するスペーサ部材を備える。スペーサ部材は、発光面と拡散部材との間に所定のスペースを規定するものであれば、その形状は特に限定されず、材質も特に限定されない。
【0015】
スペーサ部材が規定する発光面と拡散部材との間の所定のスペースは、例えば、導光板の厚さの1倍〜5倍、好ましくは1倍〜3倍、さらに好ましくは、1倍〜2倍である。例えば、導光板の厚さが約3.0〜4.0mmである場合は、スペーサ部材が規定する当該スペース(即ち、発光面と拡散部材との距離)は約3.0mm〜約20.0mm、好ましくは約3.0mm〜約12.0mm、さらに好ましくは約3.0mm〜約8.0mmである。
このようにすれば、当該スペースにおいて発光面から放出された光の混合が促されて発光部の光源側周縁が間延びしているように見えず、見映えが良くなると共に、面状発光装置の厚さが過度に大きくならず、装置を小型化できる。
【0016】
スペーサ部材は、発光面に現れる輝度分布の偏在が拡散部材の外側表面において均一化されるように所定のスペースを規定し、所定のスペースにおいて発光面から放出された光は混合して拡散部材を介して外部に放出されるように設けられることが好ましい。一般に「目玉」と呼ばれる輝度ムラの発生が十分に防止されるからである。
【0017】
導光板と複数の点状光源とは隔離して配置することが好ましい。点状光源の発生する熱により導光板が熱膨張した場合に、導光板と点状光源が接触するのを防止できるからである。
【0018】
ところで、スペーサ部と導光板の発光面における端面側縁との間に空隙が設けられている場合には、その空隙から漏れて点状光源から拡散部材に直接照射される光が発生する。
この点状光源から拡散部材に直接照射される光は、点状光源の構成により青色光と黄色光に色分かれすることがあるため、拡散部材から外部へ放出される光に青色光や黄色光が混じって色ムラが生じ、発光品位が低下するおそれがある。
そして、導光板と点状光源との隔離された間隔が広くなるほど、また、スペーサ部の長さが大きくなるほど、前記空隙から光が漏れやすくなる。
【0019】
そのため、スペーサ部材は、遮光性材料からなり、発光面における端面側縁上に接する壁状に設けられ、複数の点状光源から拡散部材に直接照射される光を遮光することが好ましい。拡散部材から外部へ放出される光に青色光や黄色光が混じって色ムラが生じるのを防止可能になり、発光品位の低下を回避できるからである。また、発光面が広く確保されると共に、装置を小型化できるからである。
【0020】
また、本発明の面状発光装置は、導光板を収容するケースを備え、ケースとスペーサ部材は一体形成され、拡散部材はケースに取付固定されるようにしてもよい。
すなわち、ケースとスペーサ部材が共に遮光性材料から成る場合においては、ケースとスペーサ部材を一体形成してもよく、拡散部材がケースに取付固定されるようにすれば、部品点数を減らすことが可能になり、低コスト化を図ることができる。
【実施例1】
【0021】
以下、本発明の実施例1について説明する。
図2は、実施例1の面状発光装置1を裏面側から見た分解斜視図である。
面状発光装置1は、ケース2、導光板3、カバー4、拡散シート5、光源アッシー6を備える。ケース2は平面視長方形でその短辺側の壁面には爪20が設けられている。
【0022】
ケース2は導光板3を収容し、ケース2の開口部にはカバー4が取り付けられ、カバー4には拡散シート5が取り付けられている。
導光板3の材質は無色透明のPMMA(ポリメタクリル酸メチル)樹脂である。導光板3の形状は平面視長方形の略平板状である。長辺の長さは約120mmであり、短辺の長さは約60mmである。長辺側端面は光源アッシー6に対向して光入射面31となっている。
導光板3のケース2側の平板面にはマイクロレンズ形状が形成されており、反射面32となっている。導光板3において、反射面32と反対側の平板面は平滑面であって、発光面33となっている。尚、導光板3の断面形状は、光入射面31から反対側の端面に向かうにつれて発光面33に近づくようなテーパー形状を成している。
【0023】
カバー4は導光板3の発光面33側に設けられる。カバー4の形状は発光面33の縁に沿う平面視長方形の枠状である。カバー4の短辺側の壁面には、ケース2の爪20に係合する係合孔41が設けられている。カバー4において、導光板3の光入射面31側にはスペーサ部4aが設けられている。
【0024】
光源アッシー6は導光板3の光入射面31側に設けられる。光源アッシー6は、基板60、LEDランプ61、コネクタ62を備える。
基板60はアルミ製の実装基板である。基板60の形状は細長い板状であって、その長手方向の長さはケース2の長辺と略同一である。基板60の実装面には、所定の回路が形成されている。
【0025】
LEDランプ61は8個備えられ、基板60の実装面に実装されている。8個のLEDランプ61は、基板60の長手方向に沿って直線状に、約12mmのピッチで等間隔に配置されている。LEDランプ61の指向角は約70度である。コネクタ62は基板60の中央下部に設けられる。コネクタ62を介して外部からLEDランプ61に電力が供給される。
【0026】
拡散シート5はカバー4の導光板3と反対側に設けられる。拡散シート5の材質は無色透明のPMMA(ポリメタクリル酸メチル)樹脂である。拡散シート5は、カバー4の平面視形状と同一の平面視形状を有するシートである。拡散シート5は約93%のヘイズ値を有する。
【0027】
面状発光装置1の平面図を図3(A)に示し、図3(A)におけるX−X線断面図であるLEDランプ61の近傍断面図を図3(B)に示す。
図3(A)に示すように、面状発光装置1の外形は長辺が約120mm、短辺が約60mmの平面視長方形である。面状発光装置1の平面部には、その外形よりも一回り小さく、長辺が約100mm、短辺が約50mmの長方形である発光部50を備える。
【0028】
図3(B)に示すように、LEDランプ61は導光板3の光入射面31に対向するように設けられる。導光板3の光入射面31側端部の厚さd1は約4.0mmである。
導光板3とLEDランプ61とは、間隔L3だけ隔離して配置されている。
尚、間隔L3は約0.2mmである。
【0029】
カバー4のスペーサ部4aは、遮光性材料からなり、その先端部4bが導光板3の発光面33における光入射面31の側縁上(端面側縁上)に接する壁状に設けられ、発光面33に対して略垂直となっており、LEDランプ61から拡散シート5に直接照射される光を遮光する。
【0030】
スペーサ部4aの厚さL1は約1.0mmであり、スペーサ部4aは発光面33の光入射面31の側縁に当該厚さL1の分だけ重なっている。スペーサ部4aの長さ(高さ)d2は約7.6mmであって、d2はd1の約1.9倍である。
カバー4におけるスペーサ部4aの先端部4bの近傍には、基板60側に突設された帯状の凸部4cが設けられる。
図3(B)において、カバー4の幅(即ち、面状発光装置1の縁から発光部50間での距離)L2は約5.6mmである。
【0031】
次に、実施例1の面状発光装置1の発光態様を説明する。
図3(B)に示すように、LEDランプ61から放射された光は対向する導光板3の光入射面31から導光板3に入射する。
導光板3に入射した光は導光板3内を導光し、一部の光は導光板3の反射面32に到達して、反射面32のマイクロレンズ形状により発光面33側に拡散反射される。当該拡散反射光は発光面33を介して導光板3から放出される。
放出された光は、スペーサ部4aにより規定された発光面33と拡散シート5の裏面との間のスペースを進行して拡散シート5の裏面に到達し、拡散シート5によって拡散されて拡散シート5の表面から外部に放射される(複数の矢印βを参照)。これにより、面状発光装置1から面状光が生成される。
【0032】
面状発光装置1では、スペーサ部4aにより発光面33と拡散シート5の裏面との距離を、導光板3の厚さの約1.9倍に規定するスペースが設けられている。
これにより、図3(B)において、矢印βで示すように、発光面33から放出された光は拡散シート5の裏面に到達するまでに混合されることとなる。そして、混合された光が拡散シート5によりさらに拡散されて外部に放出される。
その結果、外部から観察したとき、LEDランプ61の近傍領域における輝度ムラの発生が防止される。
【0033】
従来の面状発光装置100では、図1(B)に示すように導光板300の光入射面から発光部500の縁までの距離(助走距離)L1’は約6.5mmであり、発光部500の周縁の内、LEDランプ600が設けられる側の縁の長さL2’は約10.1mmである。
一方、実施例1の面状発光装置1では、図3(B)に示すように、導光板3の光入射面から発光部50の縁までの距離(助走距離)L1は約1.0mmであり、発光部50の周縁の内、LEDランプ61が設けられる側の縁の長さであるカバー4の幅L2は約5.6mmである。
【0034】
このように、実施例1の面状発光装置1では、LEDランプ61の近傍部は輝度ムラの発生が防止されるため、カバー等で隠す必要がないことから、距離L1’を短くすることができ、カバー4の幅L2も短くできる。
その結果、実施例1の面状発光装置1によれば、従来の面状発光装置100のように間延びしているように見えず、見映えが良くなる。また、実施例1によれば、LEDランプ61の使用数を増やす必要がないため、コスト面で有利になることに加え、放熱の観点からも不利とならない。
【0035】
また、実施例1の面状発光装置1では、スペーサ部4aにより発光面33と拡散シート5の裏面との間に導光板3の厚さの約1.9倍の距離を有するスペースが設けられる。
これにより、当該スペースにおいて、発光面33から放出された光は、拡散シート5の表面から放出されたときに輝度ムラが生じない程度に程よく混合される。 また、スペーサ部4aが規定するスペースは導光板3の厚さの約1.9倍であるため、面状発光装置1が過度に厚くならない。
【0036】
そして、実施例1の面状発光装置1では、導光板3とLEDランプ61とが、間隔L3(=約0.2mm)だけ隔離して配置されている。
間隔L3が設けられているのは、LEDランプ61の発生する熱により導光板3が熱膨張した場合に、導光板3とLEDランプ61が接触するのを防止するためである。導光板3とLEDランプ61が接触すると、不快なキシミ音が発生したり、導光板3やLEDランプ61が破損するおそれがあるが、間隔L3が設けられている実施例1によれば、このような問題を回避できる。
尚、間隔L3の具体値は、導光板3の熱膨張に応じた最適な間隔を実験的に求めて設定すればよい。
【0037】
ところで、図4に示すように、スペーサ部4aの先端部4bと、導光板3の発光面33における光入射面31の側縁(端面側縁)との間に空隙Sが設けられている場合には、その空隙Sから漏れてLEDランプ61から拡散シート5に直接照射される光が発生する(矢印α参照)。
空隙Sから漏れてLEDランプ61から拡散シート5に直接照射される光は、LEDランプ61の構成により青色光と黄色光に色分かれすることがあるため、拡散シート5から外部へ放出される光に青色光や黄色光が混じって色ムラが生じ、発光品位が低下するおそれがある。
尚、間隔L3が広くなるほど、また、スペーサ部4aの長さd2が大きくなるほど、空隙Sから光が漏れやすくなる。
【0038】
それに対して、実施例1の面状発光装置1では、カバー4のスペーサ部4aが遮光性材料からなり、スペーサ部4aの先端部4bが導光板3の発光面33における光入射面31の側縁上に接する壁状に設けられている。
従って、実施例1の面状発光装置1によれば、図4に示す空隙Sが無いため、LEDランプ61から拡散シート5に直接照射される光がスペーサ部4aによって遮光されることから、拡散シート5から外部へ放出される光に青色光や黄色光が混じって色ムラが生じるのを防止可能になり、発光品位の低下を回避できる。
【0039】
加えて、実施例1の面状発光装置1では、スペーサ部4aの先端部4bが導光板3の発光面33における光入射面31の側縁上に接するため、発光面33が広く確保されると共に、装置を小型化できる。
【0040】
また、実施例1では、カバー4におけるスペーサ部4aには凸部4cが設けられているため、スペーサ部4aの先端部4bが導光板3の発光面33における光入射面31の側縁上に接することと相まって、LEDランプ61から拡散シート5に直接照射される光をスペーサ部4aによって確実に遮光できる。
そして、実施例1では、カバー4に凸部4cが設けられているため、基板60が撓んだとしても凸部4cに当接することから基板60の過剰な撓みを防止し、導光板3とLEDランプ61の間隔L3を保持することができる。
【実施例2】
【0041】
以下、本発明の実施例2について説明する。
尚、実施例2において、図2および図3に示した実施例1と同一の構成部材および構成要素については符号を等しくすると共に、実施例1と同一内容の箇所については重複説明を省略してある。
【0042】
図5は、実施例2の面状発光装置200を裏面側から見た分解斜視図である。
図6(A)は面状発光装置200の平面図である。
図6(B)は、図6(A)におけるX−X線断面図であり、LEDランプ61の近傍断面図である。
面状発光装置200は、ケース2、導光板3、カバー4、光源アッシー6を備える。
面状発光装置200において、実施例1の面状発光装置1と異なるのは以下の点である。
【0043】
[1]カバー4にはスペーサ部4aが設けられておらず、スペーサ部4aはケース2における導光板3の光入射面31側に設けられている。
尚、スペーサ部4aとケース2は、遮光性を有する合成樹脂材料の射出成形により一体形成されている。
【0044】
[2]カバー4において、ケース2の開口部に対応する導光板3と反対側の部分には、面状の拡散部材(拡散板)201が設けられている。
拡散部材201の機能は、実施例1の拡散シート5と同じである。
尚、拡散部材201とカバー4は、透光性を有する合成樹脂材料(例えば、ポリカーボネートなど)の射出成形により一体形成されている。
拡散部材201が形成されたカバーの周縁部の側壁は、ケース2に嵌合されて取付固定されている。
【0045】
[3]ケース2におけるスペーサ部4aの先端側には、基板60と対向する箇所に突設された4個の略直方体状のリブ202が設けられている。個々のリブ202は、基板60に実装されたLEDランプ61の間に対応する箇所に配置されている。
【0046】
従って、実施例2においても、実施例1と同様の作用・効果が得られる。
また、実施例2では、スペーサ部4aとケース2が一体形成されると共に、拡散部材201とカバー4が一体形成されているため、拡散シート5を備える実施例1に比べて、部品点数を少なくすることが可能になり、低コスト化を図ることができる。
そして、実施例2では、ケース2に各リブ202が設けられているため、基板60が撓んだとしても各リブ202に当接することから基板60の過剰な撓みを防止し、導光板3とLEDランプ61の間隔L3を保持することができる。
【0047】
本発明は、発明を実施するための形態および実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様も本発明に含まれる。本明細書の中で明示した特許公報などの内容は、その全ての内容を援用によって引用することとする。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明の面状発光装置は、様々な装置の光源として利用することができる。例えば、車両用ルームランプとして利用することができる。
【符号の説明】
【0049】
1,200…面状表示装置
2…ケース
3…導光板
50…発光部
31…光入射面
32…反射面
33…発光面
4…カバー
4a…スペーサ部
4b…スペーサ部4aの先端部
5…拡散シート
6…光源アッシー
61…LEDランプ
201…カバー4に形成された拡散部材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
端面から入射された光を発光面から放出する導光板と、
前記導光板の前記端面に対向して設けられる複数の点状光源と、
前記導光板の前記発光面側に設けられる面状の拡散部材と、
前記発光面と前記拡散部材との距離が前記導光板の厚さよりも大きくなるように、前記発光面と前記拡散部材との間に所定のスペースを規定するスペーサ部材と
を備えることを特徴とする面状発光装置。
【請求項2】
請求項1に記載の面状発光装置において、
前記スペーサ部材は、前記発光面に現れる輝度分布の偏在が前記拡散部材の外側表面において均一化されるように前記所定のスペースを規定し、前記所定のスペースにおいて前記発光面から放出された光は混合して前記拡散部材を介して外部に放出されることを特徴とする面状発光装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の面状発光装置において、
前記導光板と前記複数の点状光源とは隔離して配置され、
前記スペーサ部材は、遮光性材料からなり、前記発光面における前記端面側縁上に接する壁状に設けられ、前記複数の点状光源から前記拡散部材に直接照射される光を遮光することを特徴とする面状発光装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の面状発光装置において、
前記導光板を収容するケースを備え、
前記ケースと前記スペーサ部材は一体形成され、
前記拡散部材は前記ケースに取付固定されていることを特徴とする面状発光装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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