説明

革新的駆動連結具を備えたチェーンコンベアベルト

【課題】横棒の過度の屈曲を防止すると共に動作の柔軟性を可能とし、コンベアベルトの前進運動の方向を反転することができるチエーンコンベアベルトを提供する。
【解決手段】ベルトは横棒、封じ込め側壁、滑りガイドおよび駆動チェーンから構成され、各チェーンは一連のモジュールにより形成され、各チェーンは適切に成形された連結具から構成されてその軸回転を妨げることなく固定され、横軸は製品に対する支持面を形成して機械的駆動部材を係合し、モーター部材を係合するのに適した形材に成形された横付属具を具備する。

【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
本願の出願人が所有者であるイタリア国特許第MI2004A002154号明細書により、横棒を備えたコンベアベルトにより形成されるチェーンコンベアが知られている。この横棒は、これら横棒を支持するために適切に成形された連結具であり、かつ駆動力の伝送を可能とするよう設計された歯つきの車輪と噛み合う手段を設けた連結具から構成された二つの平行チェーンと接合する。適当な手段が設けられて、横構造部材で離間した輸送路上でコンベアベルトを支持、センタリング、そして摺動して、コンベアベルトを滑り支持しその通路を決定するのに適するようにする。コンベアベルトは、運搬される製品を封じ込めるのに適した側壁を設けることができ、特定の大きさの製品がベルトの運搬面から溢れ出るのを防ぐ。
【発明の概要】
【0002】
本発明の目的は、チェーンコンベアベルトに、動作を伝送するのに適した歯つき車輪に対する駆動連結具の配置を提供することにあり、横棒に力を別様に分配することを可能とし、横棒の過度の屈曲を防止すると共に前記棒の直径を小さくすることを可能とし、結果として材料の節約となり全体としてより流動的かつ機能的動作を得ることにある。
【0003】
本発明の他の目的は、連結具と歯つき車輪との係合手段がインボリュート形材と一致して、あるいはとにかく動作の伝送に適するよう成形されることにより、駆動力の効果的伝送と、磨耗の阻止および動作の柔軟性を可能としてコンベアベルトの前進運動の方向を反転することができることを特徴とするチェーンコンベアベルトを提供することにある。
【0004】
この形材はまた、コンベアベルトと作業者との偶発的接触現象を減らすことを可能とする。さらに、駆動連結部の羽根と平行な最外部を具備する形材を用いることにより、歯つき車輪への往復動作の伝送手段として、側面で当該形材の外側部分を押圧するスムーズドラムを使用することができ、駆動力を伝送するための異なる手段を設けたシステムにおいてもコンベアベルトを使用することが可能となる。
【0005】
本発明の更なる目的は、横棒が駆動連結具に固定されて当該棒と各連結具間の相対軸回転を可能とし、結果として滑りガイドを、前記連結具と一体的にベルトの二側面間の傾斜が異なる摺動面に適合させ、または完全に横転したベルトを備えた摺動面に対して適合させることが可能となり、つまり特定の製品を加工する基礎となり、同様に連結具が歯つき車輪の存在下で回転して歯つき車輪の輪郭に適合させるようにすることを可能とするコンベアベルトを提供することにある。傾斜面でのベルトの駆動は、例えば、通常は水平面に歯つき車輪を維持することにより行われ、連結具が回転することができることにより、歯つき車輪に接触する部分に対して連結具の輪郭を車輪の歯の輪郭に適合させることができ、駆動力の伝送を改良することを確保する。
【0006】
これらの目的全ては、本発明で提供する特徴を具備した連結具を備えた既知の型のチェーンコンベアベルトにより達成される。
【0007】
既知のコンベアベルトは、二つの縦方向に平行なチェーンと、搬送面を構成し二つのチェーンを接合する一連の棒と共に、横構造部材により離間された一対の軌道を含むガイド装置とからなる。各チェーンのモジュールは、協働連結具とベルト面における隣の連結具により形成され、横部材または封じ込め側壁を備え、当該連結具はU字形で、モーター部材を係合し、かつ前記横棒を軸方向に固定するのに適切な手段を設けた分岐羽根を備える。横部材は既知であり、多角形断面を備えたプレートのように成形され、コンベアベルトを支持し、センタリングし、摺動させるガイドと共に、連結具と対応して一直線になる横棒を支持する手段を設ける。
【0008】
既知のコンベアベルトのチェーンの連結具は、両羽根上に対称的に羽根の端部付近の孔と、他の羽根との連結部付近に配置されるスロットとを提供するように形成され、連結具の軸に平行な軸を具備し、好適にはコンベアベルトの反対側の羽根にのみ付属具を設ける。
【0009】
この提案された解決策は、別の全く革新的な好ましい実施形態を有する付属具を提供する。
【0010】
第一の実施形態は、コンベアベルトの平面に対して外部羽根上の孔を越えて配置され、外部羽根の延長となる付属具を提供する。当該付属具は、孔の直後で外側に分岐し、次に後方に曲折して、水平面において全体として部分的インボリュート形材を提供する。
【0011】
第二の実施形態は、コンベアベルトの平面に対して外部羽根上の孔を越えて配置され、外部羽根の延長となる付属具を提供する。当該付属具は、孔の直後で外側に分岐し、次に第一の実施形態とは異なり後方に曲折して、羽根に平行な部分を提供し、最後に内側に湾曲して、水平面において全体として完全なインボリュート形材を提供する。
【0012】
第三の実施形態は、駆動連結具の外部羽根を提供して、横付属具を備えた単一の部分を形成する。外部羽根はもはや内部羽根とは平行ではなく、外部スロットから少し離れて外側に分岐し、内部羽根上の孔と向かい合う垂直面を具備し、最後に内側に湾曲して水平面において全体として完全なインボリュート形材を提供する。内部羽根上の孔と向かい合って、外部羽根上の垂直面上で横棒を収納するように孔を形成する。
【0013】
第四の実施形態は、コンベアベルトの平面に対して外部羽根上の孔を越えて配置され、外部羽根の延長となる付属具を提供する。孔の直後で、当該付属具は外側に分岐し、次に後方に曲折し内側に湾曲して、全体として円形形材を提供する。
【0014】
第五の実施形態は、コンベアベルトの平面に対して外部羽根上の孔を越えて配置され、外部羽根の延長となる付属具を提供する。孔の直後で、当該付属具は外部羽根に垂直な直線部分で外側に分岐し、次に後方に曲折し、連結具の羽根に平行な部分の後に内側に曲折して、全体として長方形の形材を提供する。
【0015】
第六の実施形態は、コンベアベルトの平面に対して外部羽根上の孔を越えて配置され、外部羽根の延長となる付属具を提供する。孔の直後で、当該付属具は直線部分で外側に分岐し、次に後方に曲折し、連結具の羽根に平行な部分の後に内側に曲折して、全体として台形の形材を提供する。
【0016】
本発明に係るコンベアベルトは、横棒が連結具との取り付けに適した手段を具備し、各棒および各連結具の間の相対的軸回転を可能とすることを特徴とする。
【0017】
本実施形態において、横付属具は、連結具がモーター部材の歯と噛合する唯一の手段であり、動作の伝送のために既知のドラムまたは他の機構を回転させる歯つき車輪による動作の伝送に適合する形材を具備する。これは実験により示される。
【0018】
以上の特徴および他の特徴は、より一般的な特許請求の範囲の概念を限定しない例示として、本発明の好適な実施形態を参照することにより明らかとなる。
【0019】
添付図面を参照して以下に説明する。
【好適な実施形態の詳細な説明】
【0020】
図1、2および3を参照すると、コンベアベルト1を備えた既知のコンベアが示されており、二つの長手方向に平行なチェーン2は、一連の隣接する連結具3により形成され、その横のベルト面に封じ込め側壁と称される横部材9が並ぶ。棒6の二端部は、図2に示すように、対向する一対の連結具の端孔4と前の対の内部に配置されるスロット5に同時に挿入され、棒の端部7を連結具で固定するのに必要な長さより長く突出することのないようにする。
【0021】
孔4内への挿入による横棒6の固定は、二つの実施形態において提供され、特許請求の範囲のより一般的な概念を限定しない例示として記載される。機械的固定システムおよび棒のプラスチック変形の結果作用するシステムは、両方とも知られている。これらの実施形態、またはそれらと同等の形態では、棒軸と一致する回転軸周りの棒に対する連結具の相対回転が可能であることにより、他のいかなる種類の動作も遮断する。
【0022】
各棒は孔4を貫通し、加えて図3に示すように隣接する連結具のスロット5内部を通過し、こうしてチェーンアセンブリに一定の柔軟性を確保する。
【0023】
各連結具3は、コンベアベルトに対向する羽根のみにあり、水平面に対するインボリュート形材に従って成形された付属具8を具備する。図1、2、および3に示すように、この付属具8の好適な実施形態は、インボリュート形材の一部分のみを有し、一方で他の実施形態では、図4a、4b、5a、5bおよび5cに示すように、インボリュート形材を完全なU字形とすると共に以下に示す多様な形材を提供する。
【0024】
図3を参照すると、第一の好適な実施形態が示されており、付属具8は外側へ曲折する外部羽根上の孔4の直後に配置される部分13を具備して、全体として部分的インボリュート形材を備えた付属具を提供する。
【0025】
図4aは第二の好適な実施形態を示し、付属具8’は外側に曲折する外部羽根上の孔4の直後に配置される部分15と、その前の部分に接合して羽根と平行である後の部分16と、内側に曲折する最終部分17とを具備して、全体として完全なインボリュート形材を備えた付属具を提供する。
【0026】
図4bは第三の好適な実施形態を示し、外部羽根はまた、付属具8”の目的に適合し、スロット5の直後で外側に曲折する部分18と、前の部分に接合して他の羽根と平行である部分19と、内側に曲折する最終部分20を具備して、全体として完全なインボリュート形材を提供する。
【0027】
孔4は、連結具3の羽根に対して対称的に配置され、あるいは図4bに示す実施形態によれば、付属具8”の端部に配置される。
【0028】
図5aを参照すると、第四の好適な実施形態が示され、付属具21は、外側に分岐する外部羽根上の孔4の直後に、孔と垂直に配置される直線部分を具備し、次に円形形材を有する部分22で外側および内側に曲折する。
【0029】
図5bを参照すると、第五の好適な実施形態が示され、付属具23は孔4の直後の外部羽根に垂直な直線部分24で外側に分岐し、連結具の羽根に平行な部分25で後方に曲折し、最後に部分24に平行な直線部分26で内側に曲折して、全体として長方形の形材を提供する。
【0030】
図5cを参照すると、第六の好適な実施形態が示され、付属具27は、孔4の直後の外部羽根に対して傾斜した直線部分28で外側に分岐し、連結具の羽根に平行な部分29で後方に曲折しており、最後に直線部分30で内側に曲折して、全体として台形の形材を提供する。
【0031】
このような付属具の形材により、歯つき車輪がより均一な力を伝達することが可能となり、ベルトの適切な摺動に影響を及ぼす連結具の磨耗現象と湾曲およびねじれの発現を回避する。付属具のU字形形材によって、第一の実施形態を除く全ての好適な実施形態などの場合に、コンベアベルトの前進運動の方向を反転することが可能となり、動輪の歯が付属具に捕捉されるのを防止することができる。
【0032】
図6を参照すると、駆動連結具11および12の配置と羽根8’のインボリュート形材は、常に歯つき車輪10が伝える力が二つの隣接連結具にかかるようにし、当該力がより均一に分配され、横棒6の湾曲を少なくすることを可能とする。
【0033】
本発明に係る駆動連結具は、こうして湾曲のより少ない細い横棒を使用してコンベアベルトを製造することを可能とし、ベルトの片側とその反対側とで、またはベルト面と動作伝送部材の平面とで異なる傾斜を備えた輸送路に適合させることができ、またモーター部材との接触面の磨耗が少なくなり、全体としてより流動的かつ機能的にベルトが動作するようにする。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】多種の構成要素の配置を示す本発明に係るコンベアベルトの側面斜視図である。
【図2】本発明に係るコンベアベルトの上面図を示す。
【図3】ベルト面に対して外側のコンベアベルトのチェーンモジュールの斜視図を示す。
【図4a】孔に隣接する完全インボリュート形材を備えた付属具を設けたチェーンモジュールの連結具を示す。
【図4b】付属具上に孔を有する完全インボリュート形材を備えた付属具を設けたチェーンモジュールの連結具を示す。
【図5a】円形形材を備えた付属具を設けたチェーンモジュールの連結具を示す。
【図5b】長方形形材を備えた付属具を設けたチェーンモジュールの連結具を示す。
【図5c】台形形材を備えた付属具を設けたチェーンモジュールの連結具を示す。
【図6】動作伝送用の歯つき車輪とチェーン連結具の噛み合いの詳細図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
既知の型のチェーンコンベアベルトにおいて、二つの長手方向に平行なチェーンと、運搬面を形成し二つのチェーンと接合する一連の棒とから構成され、各チェーンは隣接する連結具により形成され、横部材がベルト面に並び、各連結具は分岐羽根を備えたU字形であり、かつ動作の伝送に適した付属具と前記横棒を収納するのに適した手段を設け、当該連結具はモーター部材を係合するのに適した形材と一致して成形された付属具を具備し、かつ棒と連結具の間の軸回転を可能とする横棒を支持するためのハウジングを設けることを特徴とするチェーンコンベアベルト。
【請求項2】
該連結具は、コンベアベルトの平面に対して外部羽根上の孔を越えて同羽根の延長として配置される横付属具を具備し、該付属具は、孔の直後で部分に対して外側に分岐し、水平面において全体として部分的インボリュート形材を具備するようにすることを特徴とする請求項1に記載のチェーンコンベアベルト。
【請求項3】
該連結具は、コンベアベルトの平面に対して外部羽根上の孔を越えて前記羽根の延長として配置される横付属具を具備し、該付属具は、孔の直後で部分に対して外側に分岐し、次に後方に曲折し、羽根に平行な部分と最後に内側に湾曲する部分を提供して、水平面において全体として完全なインボリュート形材を具備するようにすることを特徴とする請求項1に記載のチェーンコンベアベルト。
【請求項4】
該連結具は、横付属具の機能を実現する外部羽根を具備し、該付属具は、外部スロットの後に部分に対して外側に分岐し、内部羽根上の孔に垂直面を備え最後に内側に曲折する部分とを備えて、水平面において全体として完全なインボリュート形材を提供するようにすることを特徴とする請求項1に記載のチェーンコンベアベルト。
【請求項5】
該付属具は、外側に分岐する外部羽根上の孔の直後に配置され、前記羽根と垂直である直線部分を具備し、次に外側および内側に曲折して、水平面において円形形材を提供することを特徴とする請求項1に記載のチェーンコンベアベルト。
【請求項6】
該付属具は、孔の直後の外部羽根に垂直な直線部分で外側に分岐し、次に連結具の羽根に平行な部分で外側に曲折し、最後に直線部分で内側に曲折して、水平面において全体として長方形の形材を提供することを特徴とする請求項1に記載のチェーンコンベアベルト。
【請求項7】
該付属具は、孔の直後の外部羽根に対して傾斜する直線部分(28)で外側に分岐し、次に連結具の羽根に平行な部分で後方に曲折し、最後に直線部分で内側に曲折して、水平面において全体として台形の形材を示すことを特徴とする請求項1に記載のチェーンコンベアベルト。
【請求項8】
該連結具は、両方の羽根上に対称的に羽根の端部付近の孔を具備することを特徴とする請求項2、3、5、6および7に記載のチェーンコンベアベルト。
【請求項9】
該連結具は、羽根の端部付近の孔と付属具の端部の対向横孔を具備することを特徴とする請求項4に記載のチェーンコンベアベルト。
【請求項10】
各横棒は、機械的手段または棒のプラスチック変形によって、孔において各連結具に固定され、棒に対して連結具の軸回転を可能とすることを特徴とする請求項1ないし9に記載のチェーンコンベアベルト。
【請求項11】
各連結具は、歯つき車輪と接触する場合に、棒の軸に対して回転することができ、駆動付属具の輪郭を前記歯つき車輪の輪郭に適合させることを特徴とする請求項1ないし10に記載のチェーンコンベアベルト。
【請求項12】
チェーンの各連結具の配置および各付属具の形材により、歯つき車輪が一つ以上の連続連結具において同時に、かつ力の均一な分配により作動することを可能とすることを特徴とする請求項1ないし11に記載のチェーンコンベアベルト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図6】
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