靴底
【課題】緩衝性に優れているだけでなく、靴の着用者に砂浜歩行感覚を提供するなど、多様化する消費者のニーズに応えることのできる靴底を提供する。
【解決手段】靴底10を、着用者の踵を支持するための踵支持部11と、着用者の土踏まずを支持するための土踏まず支持部12と、着用者のつま先を支持するためのつま先支持部13とで構成し、踵支持部11には、踵支持部11の厚さ方向に変位可能なバネSAを収容し、土踏まず支持部12には、土踏まず支持部12の厚さ方向に変位可能でバネSAのバネ定数KAよりも大きなバネ定数KBを有するバネSBを収容した。つま先支持部13に、つま先支持部13の厚さ方向に変位可能でバネ定数KBよりも小さなバネ定数KCを有するバネSCを収容するとさらに好ましい。
【解決手段】靴底10を、着用者の踵を支持するための踵支持部11と、着用者の土踏まずを支持するための土踏まず支持部12と、着用者のつま先を支持するためのつま先支持部13とで構成し、踵支持部11には、踵支持部11の厚さ方向に変位可能なバネSAを収容し、土踏まず支持部12には、土踏まず支持部12の厚さ方向に変位可能でバネSAのバネ定数KAよりも大きなバネ定数KBを有するバネSBを収容した。つま先支持部13に、つま先支持部13の厚さ方向に変位可能でバネ定数KBよりも小さなバネ定数KCを有するバネSCを収容するとさらに好ましい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴を履いての歩行時に足や腰にかかる負担を軽減することのできる靴底に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、運動不足の解消や生活習慣病の予防のためにウォーキングを始める人が増えてきている。しかし、健康管理のために始めたはずのウォーキングによって膝関節や股関節を痛めてしまう人は珍しくなく、長い距離をがむしゃらに歩くというだけでは逆効果になってしまうことも多々あった。筋力は、歩く距離が長ければ長いほど鍛えられるのに対して、関節は、歩く距離が長ければ長いほど消耗して痛んでしまうからである。
【0003】
砂浜を素足で歩くと関節に負担をかけることなく筋力を効果的に鍛えることができると、テレビ番組などで取り上げられることもあったが、普段から砂浜を歩くことのできる環境にある人は少なく、時間のない人や内陸部や都市部に住んでいる人にとっては実行が困難なことであった。砂浜を素足で歩いた場合と同様の感触が得られる靴があるならば、仕事中や通勤時であっても砂浜でのウォーキングを味わうことができるようになるが、そのような靴は見当たらないのが実状であった。
【0004】
このような実状に鑑みて、本願出願人らは、土踏まずを支持するための土踏まず支持部と、つま先を支持するためのつま先支持部と、踵を支持するための踵支持部とからなる靴底であって、つま先支持部及び踵支持部が、土踏まず支持部よりも硬度(アスカーC硬度)の低い素材によって形成された靴底を既に提案している(特許文献1を参照)。これにより、靴の着用者に、あたかも砂浜を素足で歩いているような感覚(以下において「砂浜歩行感覚」と呼ぶ。)を提供することが可能なる。
【0005】
つま先支持部及び踵支持部を土踏まず支持部よりも硬度の低い素材によって形成した靴は、ウォーキングシューズなどの運動靴に限定されず、工場や倉庫などで着用される作業靴など、様々な用途で期待されている。しかし、靴底を形成する素材の硬度を場所によって変えるだけでは、例えば、砂浜歩行感覚をより際立たせて欲しいという消費者の要望に応えることは必ずしも容易ではなかった。
【0006】
ところで、従来より、靴底にコイルバネを収容し、着用者の足に加えられる衝撃を和らげることのできるようにした靴が知られている(例えば、特許文献2〜7)。これらの靴は、工場や倉庫など、長時間の立ち作業を伴う職場で働いている人をはじめ、足に負担のかかりやすい環境にある人が足の疲れを軽減するために採りうる有効な対策の一つであった。しかしながら、この種の靴の殆どは、緩衝性を高めることを主目的としたものであり、「砂浜歩行感覚を得ることのできる靴を着用したい」などといった、多様化する消費者の要望に十分に応えることができるものとはなっていなかった。
【0007】
【特許文献1】特開2006−204712号公報
【特許文献2】実開昭63−047702号公報
【特許文献3】特開平06−165702号公報
【特許文献4】特開平09−276001号公報
【特許文献5】実登第3092561号公報
【特許文献6】実登第3092693号公報
【特許文献7】実登第3101669号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、緩衝性に優れているだけでなく、靴の着用者に砂浜歩行感覚を提供するなど、多様化する消費者のニーズに応えることのできる靴底を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は、着用者の踵を支持するための踵支持部と、着用者の土踏まずを支持するための土踏まず支持部と、着用者のつま先を支持するためのつま先支持部とで構成された靴底であって、踵支持部には、踵支持部の厚さ方向に変位可能なバネSAが収容され、土踏まず支持部には、土踏まず支持部の厚さ方向に変位可能なバネSBが収容され、バネSAのバネ定数kAとバネSBのバネ定数kBが下記式1の関係を満たしていることを特徴とする靴底を提供することによって解決される。
【数7】
【0010】
これにより、靴の着用者に「あたかも砂浜を素足で歩いているような感覚」(以下において、この感覚を「砂浜歩行感覚」と呼ぶ。)を提供することが可能になる。すなわち、本発明の靴底を使用した靴を着用して歩行すると、踵から着地する際には、踵支持部がクッションとなり、あたかも砂に着地したかのような感触を得ることができるし、体重を踵側からつま先側に移動する際には、あたかも土踏まずの下側に集まってやや硬くなった砂を乗り越えているかのような感触を得ることができる。従って、大腿筋や大でん筋や背筋などの筋力を鍛えながらも、膝関節や股関節等の関節にかかる負担を軽減することが可能になる。
【0011】
また、靴の着用者に「あたかも青竹踏みを行っているかのような感覚」(以下において、この感覚を「青竹踏み感覚」と呼ぶ。)を提供することも可能になる。すなわち、本発明の靴底を使用した靴を着用して歩行すると、足裏のつぼが土踏まず支持部によって刺激された状態となるために、その着用者が感じ得る肉体的な疲労を軽減することも可能になる。
【0012】
ところで、一般的に「靴」という語は、「足の甲全体を覆うことのできる連続面状の甲被覆部(いわゆる甲布)を有する履物」を意味することもあるが、本発明の靴底は、必ずしも連続面状の甲被覆部を有する履物に備えられることを目的とした靴底だけに限定されない。例えば、サンダルのように、紐状や帯状あるいは網状の甲被覆部を有する履物に備えられることを目的とした靴底であっても、本発明の技術的範囲に含まれるものとする。
【0013】
また、「靴」という語は、「指別れしていない履物」を意味することもあるが、本発明の靴底は、必ずしも指別れしていない履物に備えられることを目的とした靴底だけに限定されない。例えば、足袋や草履のように、指別れしている履物に備えることを目的とした靴底であっても、本発明の技術的範囲に含まれるものとする。
【0014】
本発明の靴底において、つま先支持部に、つま先支持部の厚さ方向に変位可能なバネSCを収容し、バネSCのバネ定数kCを下記式2の関係を満たすように設定すると好ましい。
【数8】
これにより、つま先で地面を蹴る際には、つま先支持部がクッションとなり、あたかも砂を蹴っているかのような感触を得ることが可能になり、砂浜歩行感覚をさらに実際の感覚に近づけることができる。
【0015】
また、本発明の靴底において、バネSAを、靴底の中心線(靴底を幅方向に二等分する線)よりも内側に配されたバネSA1と、前記中心線よりも外側に配されたバネSA2とで構成し、バネSCを、前記中心線よりも内側に配されたバネSC1と、前記中心線よりも外側に配されたバネSC2とで構成し、バネSA1のバネ定数kA1とバネSA2のバネ定数kA2とが下記式3の関係を満たし、バネSC1のバネ定数kC1とバネSC2のバネ定数kC2とが下記式4の関係を満たすように設定することも好ましい。
【数9】
【数10】
これにより、靴の着用者の足の内側に無理な力がかからないようにすることが可能になる。したがって、外反膝(いわゆるX脚)の人に快適な歩行感覚を提供することも可能になる。
【0016】
バネSAを、靴底の中心線よりも内側に配されたバネSA1と、前記中心線よりも外側に配されたバネSA2とで構成し、バネSCを、前記中心線よりも内側に配されたバネSC1と、前記中心線よりも外側に配されたバネSC2とで構成し、バネSA1のバネ定数kA1とバネSA2のバネ定数kA2とが下記式5の関係を満たし、バネSC1のバネ定数kC1とバネSC2のバネ定数kC2とが下記式6の関係を満たすように設定することも好ましい。
【数11】
【数12】
これにより、靴の着用者の足の外側に無理な力がかからないようにすることが可能になる。したがって、内反膝(いわゆるO脚)の人に快適な歩行感覚を提供することも可能になる。
【0017】
さらに、本発明の靴底において、底面を、踵支持部からつま先支持部にかけて下側に凸となるよう湾曲して形成し、土踏まず支持部を、踵支持部及びつま先支持部よりも肉厚に形成することも好ましい。これにより、体重を踵側からつま先側に移動する際に感じうる、土踏まずの下側に集まってやや硬くなった砂を乗り越えているかのような感触をさらに際立たせることが可能になり、砂浜方向感覚をより実際の感覚に近づけることができる。また、青竹踏み感覚をより際立たせることも可能になる。
【0018】
本発明の靴底において、踵支持部、土踏まず支持部及びつま先支持部のアスカーC硬度は同じであってもよいが、踵支持部及びつま先支持部を、土踏まず支持部よりもアスカーC硬度の低い素材によって形成すると好ましい。これにより、靴底の硬さにさらに変化を持たせることが可能になり、砂浜歩行感覚や青竹踏み感覚をさらに際立たせることが可能になる。
【0019】
ここで、「アスカーC硬度」とは、SRIS0101(日本ゴム協会標準規格)に規定されているスプリング式アスカーC型のデュロメータを使用して測定した硬度を意味する。アスカーC硬度が各部の中でも場所によって異なる場合には、その平均値によって判断するものとする。
【0020】
また、「踵支持部及びつま先支持部を、土踏まず支持部よりもアスカーC硬度の低い素材によって形成」とは、つま先支持部を形成する素材の孔隙率と踵支持部を形成する素材の孔隙率とに差を設けるなど、靴底の各部の構造に物理的な差を設けることによって実現したものであってもよいし、土踏まず支持部の素材に、つま先支持部や踵支持部に用いた材料と配合や種類の異なるものを選択するなど、靴底各部の素材に化学的な差を設けることにより実現されたものであってもよい。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明によって、緩衝性に優れているだけでなく、靴の着用者に砂浜歩行感覚を提供するなど、多様化する消費者のニーズに応えることのできる靴底を得ることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の靴底の好適な実施態様について、図面を用いてより具体的に説明する。本発明の靴底に用いるバネSA、バネSB又はバネSCの種類は、特に限定されず、板バネなどであってもよいが、コイルバネを用いると好ましい。後述する第一実施態様〜第四実施態様の靴底においても、コイルバネを用いている。以下においては、バネSA,SB,SCをコイルバネSA,SB,SCとして説明する。
【0023】
1.第一実施態様
図1は、本発明の第一実施態様の靴底10を示した斜視図である。図2は、本発明の第一実施態様の靴底10を示した平面図である。図3は、本発明の第一実施態様の靴底10を図2における中心線Lで切断した状態を示した断面図である。
【0024】
第一実施態様の靴底10は、図1〜3に示すように、着用者の踵を支持するための踵支持部11と、着用者の土踏まずを支持するための土踏まず支持部12と、着用者のつま先を支持するためのつま先支持部13とで構成されたものとなっている。踵支持部11には、踵支持部11の厚さ方向に変位可能なコイルバネSAが収容されており、土踏まず支持部12には、土踏まず支持部12の厚さ方向に変位可能でコイルバネSAのバネ定数KAよりも大きなバネ定数KBを有するコイルバネSBが収容されている。これにより、靴の着用者に砂浜歩行感覚や青竹踏み感覚を提供することが可能になる。
【0025】
靴底10における踵支持部11や土踏まず支持部12へコイルバネSA,SBをどのように収容するのかは特に限定されないが、図2と図3に示すように、踵支持部11と土踏まず支持部12の内部にそれぞれ設けたバネ収容穴HA,HBに収容すると好ましい。これにより、靴底10の内部にコイルバネSA,SBを容易に収容することが可能になる。
【0026】
踵支持部11に収容したコイルバネSAのバネ定数KAは、土踏まず支持部12に収容したコイルバネSBのバネ定数KBよりも小さければ特に限定されない。しかし、バネ定数KAが小さすぎると、踵から着地する際に踵支持部11が潰れやすくなりすぎて、所望の緩衝性能が得られなくなるおそれがある。このため、バネ定数KAは、通常、4.0KN/m以上に設定される。バネ定数KAは、6.0KN/m以上であると好ましく、8.0KN/m以上であるとより好ましい。
【0027】
一方、コイルバネSAのバネ定数KAが大きすぎると、踵支持部11が硬くなりすぎて、やはり所望の緩衝性能が得られなくなるおそれがある。このため、バネ定数KAは、通常、16.0KN/m以下に設定される。バネ定数KAは、13.0KN/m以下であると好ましく、9.0KN/m以下であるとより好ましい。本実施態様の靴100において、コイルバネSAのバネ定数KAは8.5KN/mとしている。
【0028】
また、土踏まず支持部12に収容したコイルバネSBのバネ定数KBは、踵支持部11に収容したコイルバネSAのバネ定数KAよりも大きければ特に限定されない。しかし、バネ定数KBを小さくしすぎると、土踏まず支持部12が柔らかくなりすぎて、踵側からつま先側への体重が容易になり、所望の砂浜歩行感覚が得られなくなるおそれがある。このため、バネ定数KBは、通常、17.0KN/m以上に設定される。バネ定数KBは、21.0KN/m以上であると好ましく、24.0KN/m以上であるとより好ましい。
【0029】
一方、コイルバネSBのバネ定数KBを大きくしすぎると、土踏まず支持部12が硬くなりすぎて、やはり所望の砂浜歩行感覚が得られなくなるおそれがある。このため、バネ定数KBは、通常、33.0KN/m以下に設定される。バネ定数KBは、29.0KN/m以下であると好ましく、26.0KN/m以下であるとより好ましい。本実施態様の靴100において、コイルバネSBのバネ定数KBは25.0KN/mとしている。
【0030】
靴底10(踵支持部11、土踏まず支持部12及びつま先支持部13)に使用する素材は、特に限定されず、合成ゴム、天然ゴム、柔軟樹脂など、各種の素材を用いることができる。なかでも、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などの熱可塑性柔軟樹脂やポリウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)などの弾性体は、靴底120の素材として好適である。
【0031】
第一実施態様の靴底10は、強靭性や耐候性に優れたエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)に弾性剤と充填剤と着色剤とを添加したものを採用している。エチレン−酢酸ビニル共重合体は、エチレンが82重量%で酢酸ビニルが18重量%のものを採用しているが、それに添加する弾性剤は、踵支持部121と土踏まず支持部122とつま先支持部123とで種類や量に差を設けており、踵支持部11及びつま先支持部13のアスカーC硬度が土踏まず支持部12のアスカーC硬度よりも低くなるようにしている。このため、靴の着用者に砂浜歩行感覚や青竹踏み感覚をより際立たせて提供することが可能となっている。
【0032】
土踏まず支持部12のアスカーC硬度は、踵支持部11及びつま先支持部13のアスカーC硬度よりも高ければ特に限定されないが、通常、55度以上に設定される。土踏まず支持部12のアスカーC硬度が55度未満であると、土踏まず支持部12が柔らかくなりすぎて、着用者の土踏まずを適度に支持できなくなり、砂浜歩行感覚や青竹踏み感覚が希釈になるおそれがあるためである。土踏まず支持部12のアスカーC硬度は、60度以上であると好ましく、65度以上であると最適である。
【0033】
また、土踏まず支持部12のアスカーC硬度は、通常、95度以下に設定される。土踏まず支持部12のアスカーC硬度が95度を超えると、土踏まず支持部12が硬くなりすぎて、土踏まず支持部12から着用者の足裏に伝えられる衝撃を和らげることができなくなり、着用者の関節にかかる負担を軽減できなくなるおそれがあるためである。土踏まず支持部12のアスカーC硬度は、90度以下であると好ましく、85度以下であるとより好ましく、80度以下であるとさらに好ましく、75度以下であると最適である。本実施態様の靴底10において、土踏まず支持部12のアスカーC硬度は70度としている。
【0034】
一方、踵支持部11及びつま先支持部13のアスカーC硬度は、土踏まず支持部12のアスカーC硬度よりも低ければ特に限定されないが、通常、10度以上に設定される。踵支持部11及びつま先支持部13のアスカーC硬度が10度未満であると、踵支持部11及びつま先支持部13が柔らかくなりすぎて、着用者の踵やつま先を適度に支持できなくなり、砂浜歩行感覚が希釈になるおそれがあるためである。踵支持部11及びつま先支持部13のアスカーC硬度は、15度以上であると好ましく、20度以上であるとより好ましく、25度以上であると最適である。
【0035】
また、踵支持部11及びつま先支持部13のアスカーC硬度は、通常、50度以下に設定される。踵支持部11及びつま先支持部13のアスカーC硬度が50度を超えると、踵支持部11及びつま先支持部13が硬くなりすぎて、踵支持部11及びつま先支持部13から着用者の足裏に伝えられる衝撃を和らげることができなくなり、着用者の関節にかかる負担を軽減できなくなるおそれがあるためである。踵支持部11及びつま先支持部13のアスカーC硬度は、45度以下であると好ましく、40度以下であるとより好ましく、35度以下であると最適である。本実施態様の靴底10において、踵支持部11とつま先支持部13のアスカーC硬度はいずれも30度としている。
【0036】
ところで、踵支持部11と土踏まず支持部12とつま先支持部13は、一体的に形成してもよいが、第一実施態様の靴底10のように、靴底10のアスカーC硬度を場所によって変える場合には、踵支持部121と土踏まず支持部122とつま先支持部123とを別個に形成し、後から互いに接合すると好ましい。これにより、場所によってアスカーC硬度の異なる靴底10を容易に製造することが可能である。
【0037】
靴底10のアスカーC硬度を踵支持部11と土踏まず支持部12とつま先支持部13とで変化させるなど、第一実施態様の靴底10で採用した構成は、後述する第二実施態様〜第四実施態様の靴底10においても採用することができる。
【0038】
2.第二実施態様
続いて、第二実施態様の靴底10について説明する。図4は、本発明の第二実施態様の靴底10を図2における中心線Lに相当する部分で切断した状態を示した断面図である。上述した第一実施態様の靴底10においては、踵支持部11の底面とつま先支持部13の底面はほぼ平坦に形成され、土踏まず支持部12の底面が上側に凸となるように形成されていた。これに対し、第二実施態様の靴底10においては、図4に示すように、底面が踵支持部11からつま先支持部13にかけて下側に凸となるよう湾曲して形成されており、土踏まず支持部12が踵支持部11及びつま先支持部13よりも肉厚に形成されている。このため、砂浜歩行感覚や青竹踏み感覚をさらに際立たせることが可能となっている。第二実施態様の靴底10においても、コイルバネSBのバネ定数kBは、コイルバネSAのバネ定数kAよりも大きく設定している。
【0039】
3.第三実施態様
続いて、第三実施態様の靴底10について説明する。図5は、本発明の第三実施態様の靴底10を示した平面図である。上述した第一実施態様と第二実施態様の靴底10において、つま先支持部13には、コイルバネが収容されていなかった。しかし、第三実施態様の靴底10におけるつま先支持部13には、図5に示すように、つま先支持部13の厚さ方向にコイルバネSCを収容している。コイルバネSCのバネ定数KCは、コイルバネSBのバネ定数KBよりも小さく設定している。このため、つま先で地面を蹴る際にも砂浜歩行感覚を得ることができるようになっている。
【0040】
コイルバネSCのバネ定数KCは、コイルバネSBのバネ定数KBよりも小さく設定されていれば特に限定されない。しかし、バネ定数KCを小さくしすぎると、つま先支持部13が潰れやすくなりすぎて、所望の砂浜歩行感覚が得られなくなるおそれがある。このため、バネ定数KCは、通常、4.0KN/m以上に設定される。コイルバネSCのバネ定数KCは、6.0KN/m以上であると好ましく、8.0KN/m以上であるとより好ましい。
【0041】
一方、コイルバネSCのバネ定数KCを大きくしすぎると、つま先支持部13が硬くなりすぎて、やはり所望の砂浜歩行感覚が得られなくなるおそれがある。このため、バネ定数KCは、通常、16.0KN/m以下に設定される。バネ定数KCは、13.0KN/m以下であると好ましく、9.0KN/m以下であるとより好ましい。砂浜歩行感覚をより実際の感覚に近づけるためには、バネ定数KCをバネ定数KAよりも小さく設定すると好ましい。本実施態様の靴100において、コイルバネSCのバネ定数KCは8.5KN/mとしている。すなわち、第三実施態様の靴底10においては、コイルバネSBのバネ定数kBを、コイルバネSA,SCのバネ定数kA,kCよりも大きく設定しており、コイルバネSAのバネ定数kAは、コイルバネSBのバネ定数kBよりも大きく設定している。
【0042】
4.第四実施態様
続いて、第四実施態様の靴底10について説明する。図6は、本発明の第四実施態様の靴底10を示した平面図である。第四実施態様の靴底10は、図6に示すように、踵支持部11に収容したコイルバネSAが、靴底10の中心線Lよりも内側に配されたコイルバネSA1と、靴底10の中心線Lよりも外側に配されたコイルバネSA2とで構成されている。また、つま先支持部13に収容したコイルバネSCが、靴底10の中心線Lよりも内側に配されたコイルバネSC1と、靴底10の中心線Lよりも外側に配されたコイルバネSC2とで構成されている。このため、後述するように、靴底10にさらに高度な機能を付することが可能になっている。
【0043】
例えば、コイルバネSA1のバネ定数KA1を、コイルバネSA2のバネ定数KA2よりも大きく設定し、コイルバネSC1のバネ定数KC1を、コイルバネSC2のバネ定数KC2よりも大きく設定することができる。このように、靴底10の中心線Lよりも内側に配したコイルバネSA1,SC1を強くし、靴底10の中心線Lよりも外側に配したコイルバネSA2,SC2を弱くすることによって、靴底10の内縁を沈み込みにくくすることが可能になる。したがって、着用者の膝関節の内側に過度な荷重がかかりにくくして、外反膝(いわゆるX脚)の人に快適な歩行を提供することが可能になる。以下においては、この靴底10をX脚用の靴底と呼ぶ。
【0044】
X脚用の靴底10において、靴底10の中心線Lよりも内側に配したコイルバネSA1,SC1のバネ定数KA1,KC1を靴底10の中心線Lよりも外側に配したコイルバネSA2,SC2のバネ定数KA2,KC2よりもどの程度大きく設定するのかは特に限定されない。しかし、バネ定数KA1とバネ定数KA2との差DA、及びバネ定数KC1とバネ定数KC2との差DCが小さすぎると、所望の効果が得られなくなるおそれがある。このため、差DA及び差DCは、通常、2.0KN/m以上とされる。差DA及び差DCは、3.0KN/m以上であると好ましく、4.0KN/m以上であるとより好ましい。例えば、バネ定数KA1,KC1を10.0KN/mに設定し、バネ定数KA2,KC2を6.0KN/mに設定すると、差DAを4.0KN/mとし、差DCを4.0KN/mとすることができる。
【0045】
また、X脚用の靴底とは逆に、コイルバネSA1のバネ定数KA1を、コイルバネSA2のバネ定数KA2よりも小さく設定し、コイルバネSC1のバネ定数KC1を、コイルバネSC2のバネ定数KC2よりも小さく設定することができる。このように、靴底10の中心線Lよりも内側に配したコイルバネSA1,SC1を弱くし、靴底10の中心線Lよりも外側に配したコイルバネSA2,SC2を強くすることによって、靴底10の外縁を沈み込みにくくすることが可能になる。したがって、着用者の膝関節の外側に過度な荷重がかかりにくくして、内反膝(いわゆるO脚)の人に快適な歩行を提供することが可能になる。以下においては、この靴底10をO脚用の靴底と呼ぶ。O脚用の靴底10におけるコイルバネSA1,SA2,SC1,SC2のバネ定数KA1,KA2,KC1,KC2については、X脚用の靴底10における中心線Lよりも内側に配したコイルバネSA1,SC1を中心線Lよりも外側に配したコイルバネSA2,SC2と入れ替えたものと同様の値を設定することができる。
【0046】
ところで、第四実施態様の靴底10のように、コイルバネSAが複数本のコイルバネSA1〜SAN(Nは2以上の整数)で構成されている場合には、バネ定数KAは、コイルバネSA1〜SANの合成のバネ定数とする。具体的には、コイルバネSA1〜SANが並列な位置関係にある場合には、バネ定数KAは、下記式7により求め、コイルバネSA1〜SANが直列な位置関係にある場合には、バネ定数KAは、下記式8により求める。
【数13】
【数14】
これらは、コイルバネSBが複数本のコイルバネSB1〜SBNで構成されている場合におけるバネ定数KBや、コイルバネSCが複数本のコイルバネSC1〜SCNで構成されている場合におけるバネ定数KCについても同様である。第四実施態様の靴底10においても、コイルバネSBのバネ定数kBを、コイルバネSA,SCのバネ定数kA,kCよりも大きく設定している。
【0047】
5.用途
本発明の靴底10は、作業靴、運動靴、雨靴、上靴(上履き)、ドレスシューズ、サンダル、足袋、あるいは草履などの、幅広い用途の靴に採用することができる。なかでも、作業靴や運動靴として好適なものであり、特に、工場や倉庫などで着用される作業靴や、ウォーキングシューズやジョギングシューズなどの運動靴として好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の第一実施態様の靴底を示した斜視図である。
【図2】本発明の第一実施態様の靴底を示した平面図である。
【図3】本発明の第一実施態様の靴底を図2における中心線Lで切断した状態を示した断面図である。
【図4】本発明の第二実施態様の靴底を図2における中心線Lに相当する部分で切断した状態を示した断面図である。
【図5】本発明の第三実施態様の靴底を示した平面図である。
【図6】本発明の第四実施態様の靴底を示した平面図である。
【符号の説明】
【0049】
10 靴底
11 踵支持部
12 土踏まず支持部
13 つま先支持部
HA バネ収容穴(踵支持部用)
HA1 バネ収容穴(踵支持部内側用)
HA2 バネ収容穴(踵支持部外側用)
HB バネ収容穴(土踏まず支持部用)
HC バネ収容穴(つま先支持部用)
HC1 バネ収容穴(つま先支持部内側用)
HC2 バネ収容穴(つま先支持部外側用)
SA バネ(踵支持部用)
SA1 バネ(踵支持部内側用)
SA2 バネ(踵支持部外側用)
SB バネ(土踏まず支持部用)
SC バネ(つま先支持部用)
SC1 バネ(つま先支持部内側用)
SC2 バネ(つま先支持部外側用)
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴を履いての歩行時に足や腰にかかる負担を軽減することのできる靴底に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、運動不足の解消や生活習慣病の予防のためにウォーキングを始める人が増えてきている。しかし、健康管理のために始めたはずのウォーキングによって膝関節や股関節を痛めてしまう人は珍しくなく、長い距離をがむしゃらに歩くというだけでは逆効果になってしまうことも多々あった。筋力は、歩く距離が長ければ長いほど鍛えられるのに対して、関節は、歩く距離が長ければ長いほど消耗して痛んでしまうからである。
【0003】
砂浜を素足で歩くと関節に負担をかけることなく筋力を効果的に鍛えることができると、テレビ番組などで取り上げられることもあったが、普段から砂浜を歩くことのできる環境にある人は少なく、時間のない人や内陸部や都市部に住んでいる人にとっては実行が困難なことであった。砂浜を素足で歩いた場合と同様の感触が得られる靴があるならば、仕事中や通勤時であっても砂浜でのウォーキングを味わうことができるようになるが、そのような靴は見当たらないのが実状であった。
【0004】
このような実状に鑑みて、本願出願人らは、土踏まずを支持するための土踏まず支持部と、つま先を支持するためのつま先支持部と、踵を支持するための踵支持部とからなる靴底であって、つま先支持部及び踵支持部が、土踏まず支持部よりも硬度(アスカーC硬度)の低い素材によって形成された靴底を既に提案している(特許文献1を参照)。これにより、靴の着用者に、あたかも砂浜を素足で歩いているような感覚(以下において「砂浜歩行感覚」と呼ぶ。)を提供することが可能なる。
【0005】
つま先支持部及び踵支持部を土踏まず支持部よりも硬度の低い素材によって形成した靴は、ウォーキングシューズなどの運動靴に限定されず、工場や倉庫などで着用される作業靴など、様々な用途で期待されている。しかし、靴底を形成する素材の硬度を場所によって変えるだけでは、例えば、砂浜歩行感覚をより際立たせて欲しいという消費者の要望に応えることは必ずしも容易ではなかった。
【0006】
ところで、従来より、靴底にコイルバネを収容し、着用者の足に加えられる衝撃を和らげることのできるようにした靴が知られている(例えば、特許文献2〜7)。これらの靴は、工場や倉庫など、長時間の立ち作業を伴う職場で働いている人をはじめ、足に負担のかかりやすい環境にある人が足の疲れを軽減するために採りうる有効な対策の一つであった。しかしながら、この種の靴の殆どは、緩衝性を高めることを主目的としたものであり、「砂浜歩行感覚を得ることのできる靴を着用したい」などといった、多様化する消費者の要望に十分に応えることができるものとはなっていなかった。
【0007】
【特許文献1】特開2006−204712号公報
【特許文献2】実開昭63−047702号公報
【特許文献3】特開平06−165702号公報
【特許文献4】特開平09−276001号公報
【特許文献5】実登第3092561号公報
【特許文献6】実登第3092693号公報
【特許文献7】実登第3101669号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、緩衝性に優れているだけでなく、靴の着用者に砂浜歩行感覚を提供するなど、多様化する消費者のニーズに応えることのできる靴底を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は、着用者の踵を支持するための踵支持部と、着用者の土踏まずを支持するための土踏まず支持部と、着用者のつま先を支持するためのつま先支持部とで構成された靴底であって、踵支持部には、踵支持部の厚さ方向に変位可能なバネSAが収容され、土踏まず支持部には、土踏まず支持部の厚さ方向に変位可能なバネSBが収容され、バネSAのバネ定数kAとバネSBのバネ定数kBが下記式1の関係を満たしていることを特徴とする靴底を提供することによって解決される。
【数7】
【0010】
これにより、靴の着用者に「あたかも砂浜を素足で歩いているような感覚」(以下において、この感覚を「砂浜歩行感覚」と呼ぶ。)を提供することが可能になる。すなわち、本発明の靴底を使用した靴を着用して歩行すると、踵から着地する際には、踵支持部がクッションとなり、あたかも砂に着地したかのような感触を得ることができるし、体重を踵側からつま先側に移動する際には、あたかも土踏まずの下側に集まってやや硬くなった砂を乗り越えているかのような感触を得ることができる。従って、大腿筋や大でん筋や背筋などの筋力を鍛えながらも、膝関節や股関節等の関節にかかる負担を軽減することが可能になる。
【0011】
また、靴の着用者に「あたかも青竹踏みを行っているかのような感覚」(以下において、この感覚を「青竹踏み感覚」と呼ぶ。)を提供することも可能になる。すなわち、本発明の靴底を使用した靴を着用して歩行すると、足裏のつぼが土踏まず支持部によって刺激された状態となるために、その着用者が感じ得る肉体的な疲労を軽減することも可能になる。
【0012】
ところで、一般的に「靴」という語は、「足の甲全体を覆うことのできる連続面状の甲被覆部(いわゆる甲布)を有する履物」を意味することもあるが、本発明の靴底は、必ずしも連続面状の甲被覆部を有する履物に備えられることを目的とした靴底だけに限定されない。例えば、サンダルのように、紐状や帯状あるいは網状の甲被覆部を有する履物に備えられることを目的とした靴底であっても、本発明の技術的範囲に含まれるものとする。
【0013】
また、「靴」という語は、「指別れしていない履物」を意味することもあるが、本発明の靴底は、必ずしも指別れしていない履物に備えられることを目的とした靴底だけに限定されない。例えば、足袋や草履のように、指別れしている履物に備えることを目的とした靴底であっても、本発明の技術的範囲に含まれるものとする。
【0014】
本発明の靴底において、つま先支持部に、つま先支持部の厚さ方向に変位可能なバネSCを収容し、バネSCのバネ定数kCを下記式2の関係を満たすように設定すると好ましい。
【数8】
これにより、つま先で地面を蹴る際には、つま先支持部がクッションとなり、あたかも砂を蹴っているかのような感触を得ることが可能になり、砂浜歩行感覚をさらに実際の感覚に近づけることができる。
【0015】
また、本発明の靴底において、バネSAを、靴底の中心線(靴底を幅方向に二等分する線)よりも内側に配されたバネSA1と、前記中心線よりも外側に配されたバネSA2とで構成し、バネSCを、前記中心線よりも内側に配されたバネSC1と、前記中心線よりも外側に配されたバネSC2とで構成し、バネSA1のバネ定数kA1とバネSA2のバネ定数kA2とが下記式3の関係を満たし、バネSC1のバネ定数kC1とバネSC2のバネ定数kC2とが下記式4の関係を満たすように設定することも好ましい。
【数9】
【数10】
これにより、靴の着用者の足の内側に無理な力がかからないようにすることが可能になる。したがって、外反膝(いわゆるX脚)の人に快適な歩行感覚を提供することも可能になる。
【0016】
バネSAを、靴底の中心線よりも内側に配されたバネSA1と、前記中心線よりも外側に配されたバネSA2とで構成し、バネSCを、前記中心線よりも内側に配されたバネSC1と、前記中心線よりも外側に配されたバネSC2とで構成し、バネSA1のバネ定数kA1とバネSA2のバネ定数kA2とが下記式5の関係を満たし、バネSC1のバネ定数kC1とバネSC2のバネ定数kC2とが下記式6の関係を満たすように設定することも好ましい。
【数11】
【数12】
これにより、靴の着用者の足の外側に無理な力がかからないようにすることが可能になる。したがって、内反膝(いわゆるO脚)の人に快適な歩行感覚を提供することも可能になる。
【0017】
さらに、本発明の靴底において、底面を、踵支持部からつま先支持部にかけて下側に凸となるよう湾曲して形成し、土踏まず支持部を、踵支持部及びつま先支持部よりも肉厚に形成することも好ましい。これにより、体重を踵側からつま先側に移動する際に感じうる、土踏まずの下側に集まってやや硬くなった砂を乗り越えているかのような感触をさらに際立たせることが可能になり、砂浜方向感覚をより実際の感覚に近づけることができる。また、青竹踏み感覚をより際立たせることも可能になる。
【0018】
本発明の靴底において、踵支持部、土踏まず支持部及びつま先支持部のアスカーC硬度は同じであってもよいが、踵支持部及びつま先支持部を、土踏まず支持部よりもアスカーC硬度の低い素材によって形成すると好ましい。これにより、靴底の硬さにさらに変化を持たせることが可能になり、砂浜歩行感覚や青竹踏み感覚をさらに際立たせることが可能になる。
【0019】
ここで、「アスカーC硬度」とは、SRIS0101(日本ゴム協会標準規格)に規定されているスプリング式アスカーC型のデュロメータを使用して測定した硬度を意味する。アスカーC硬度が各部の中でも場所によって異なる場合には、その平均値によって判断するものとする。
【0020】
また、「踵支持部及びつま先支持部を、土踏まず支持部よりもアスカーC硬度の低い素材によって形成」とは、つま先支持部を形成する素材の孔隙率と踵支持部を形成する素材の孔隙率とに差を設けるなど、靴底の各部の構造に物理的な差を設けることによって実現したものであってもよいし、土踏まず支持部の素材に、つま先支持部や踵支持部に用いた材料と配合や種類の異なるものを選択するなど、靴底各部の素材に化学的な差を設けることにより実現されたものであってもよい。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明によって、緩衝性に優れているだけでなく、靴の着用者に砂浜歩行感覚を提供するなど、多様化する消費者のニーズに応えることのできる靴底を得ることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の靴底の好適な実施態様について、図面を用いてより具体的に説明する。本発明の靴底に用いるバネSA、バネSB又はバネSCの種類は、特に限定されず、板バネなどであってもよいが、コイルバネを用いると好ましい。後述する第一実施態様〜第四実施態様の靴底においても、コイルバネを用いている。以下においては、バネSA,SB,SCをコイルバネSA,SB,SCとして説明する。
【0023】
1.第一実施態様
図1は、本発明の第一実施態様の靴底10を示した斜視図である。図2は、本発明の第一実施態様の靴底10を示した平面図である。図3は、本発明の第一実施態様の靴底10を図2における中心線Lで切断した状態を示した断面図である。
【0024】
第一実施態様の靴底10は、図1〜3に示すように、着用者の踵を支持するための踵支持部11と、着用者の土踏まずを支持するための土踏まず支持部12と、着用者のつま先を支持するためのつま先支持部13とで構成されたものとなっている。踵支持部11には、踵支持部11の厚さ方向に変位可能なコイルバネSAが収容されており、土踏まず支持部12には、土踏まず支持部12の厚さ方向に変位可能でコイルバネSAのバネ定数KAよりも大きなバネ定数KBを有するコイルバネSBが収容されている。これにより、靴の着用者に砂浜歩行感覚や青竹踏み感覚を提供することが可能になる。
【0025】
靴底10における踵支持部11や土踏まず支持部12へコイルバネSA,SBをどのように収容するのかは特に限定されないが、図2と図3に示すように、踵支持部11と土踏まず支持部12の内部にそれぞれ設けたバネ収容穴HA,HBに収容すると好ましい。これにより、靴底10の内部にコイルバネSA,SBを容易に収容することが可能になる。
【0026】
踵支持部11に収容したコイルバネSAのバネ定数KAは、土踏まず支持部12に収容したコイルバネSBのバネ定数KBよりも小さければ特に限定されない。しかし、バネ定数KAが小さすぎると、踵から着地する際に踵支持部11が潰れやすくなりすぎて、所望の緩衝性能が得られなくなるおそれがある。このため、バネ定数KAは、通常、4.0KN/m以上に設定される。バネ定数KAは、6.0KN/m以上であると好ましく、8.0KN/m以上であるとより好ましい。
【0027】
一方、コイルバネSAのバネ定数KAが大きすぎると、踵支持部11が硬くなりすぎて、やはり所望の緩衝性能が得られなくなるおそれがある。このため、バネ定数KAは、通常、16.0KN/m以下に設定される。バネ定数KAは、13.0KN/m以下であると好ましく、9.0KN/m以下であるとより好ましい。本実施態様の靴100において、コイルバネSAのバネ定数KAは8.5KN/mとしている。
【0028】
また、土踏まず支持部12に収容したコイルバネSBのバネ定数KBは、踵支持部11に収容したコイルバネSAのバネ定数KAよりも大きければ特に限定されない。しかし、バネ定数KBを小さくしすぎると、土踏まず支持部12が柔らかくなりすぎて、踵側からつま先側への体重が容易になり、所望の砂浜歩行感覚が得られなくなるおそれがある。このため、バネ定数KBは、通常、17.0KN/m以上に設定される。バネ定数KBは、21.0KN/m以上であると好ましく、24.0KN/m以上であるとより好ましい。
【0029】
一方、コイルバネSBのバネ定数KBを大きくしすぎると、土踏まず支持部12が硬くなりすぎて、やはり所望の砂浜歩行感覚が得られなくなるおそれがある。このため、バネ定数KBは、通常、33.0KN/m以下に設定される。バネ定数KBは、29.0KN/m以下であると好ましく、26.0KN/m以下であるとより好ましい。本実施態様の靴100において、コイルバネSBのバネ定数KBは25.0KN/mとしている。
【0030】
靴底10(踵支持部11、土踏まず支持部12及びつま先支持部13)に使用する素材は、特に限定されず、合成ゴム、天然ゴム、柔軟樹脂など、各種の素材を用いることができる。なかでも、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などの熱可塑性柔軟樹脂やポリウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)などの弾性体は、靴底120の素材として好適である。
【0031】
第一実施態様の靴底10は、強靭性や耐候性に優れたエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)に弾性剤と充填剤と着色剤とを添加したものを採用している。エチレン−酢酸ビニル共重合体は、エチレンが82重量%で酢酸ビニルが18重量%のものを採用しているが、それに添加する弾性剤は、踵支持部121と土踏まず支持部122とつま先支持部123とで種類や量に差を設けており、踵支持部11及びつま先支持部13のアスカーC硬度が土踏まず支持部12のアスカーC硬度よりも低くなるようにしている。このため、靴の着用者に砂浜歩行感覚や青竹踏み感覚をより際立たせて提供することが可能となっている。
【0032】
土踏まず支持部12のアスカーC硬度は、踵支持部11及びつま先支持部13のアスカーC硬度よりも高ければ特に限定されないが、通常、55度以上に設定される。土踏まず支持部12のアスカーC硬度が55度未満であると、土踏まず支持部12が柔らかくなりすぎて、着用者の土踏まずを適度に支持できなくなり、砂浜歩行感覚や青竹踏み感覚が希釈になるおそれがあるためである。土踏まず支持部12のアスカーC硬度は、60度以上であると好ましく、65度以上であると最適である。
【0033】
また、土踏まず支持部12のアスカーC硬度は、通常、95度以下に設定される。土踏まず支持部12のアスカーC硬度が95度を超えると、土踏まず支持部12が硬くなりすぎて、土踏まず支持部12から着用者の足裏に伝えられる衝撃を和らげることができなくなり、着用者の関節にかかる負担を軽減できなくなるおそれがあるためである。土踏まず支持部12のアスカーC硬度は、90度以下であると好ましく、85度以下であるとより好ましく、80度以下であるとさらに好ましく、75度以下であると最適である。本実施態様の靴底10において、土踏まず支持部12のアスカーC硬度は70度としている。
【0034】
一方、踵支持部11及びつま先支持部13のアスカーC硬度は、土踏まず支持部12のアスカーC硬度よりも低ければ特に限定されないが、通常、10度以上に設定される。踵支持部11及びつま先支持部13のアスカーC硬度が10度未満であると、踵支持部11及びつま先支持部13が柔らかくなりすぎて、着用者の踵やつま先を適度に支持できなくなり、砂浜歩行感覚が希釈になるおそれがあるためである。踵支持部11及びつま先支持部13のアスカーC硬度は、15度以上であると好ましく、20度以上であるとより好ましく、25度以上であると最適である。
【0035】
また、踵支持部11及びつま先支持部13のアスカーC硬度は、通常、50度以下に設定される。踵支持部11及びつま先支持部13のアスカーC硬度が50度を超えると、踵支持部11及びつま先支持部13が硬くなりすぎて、踵支持部11及びつま先支持部13から着用者の足裏に伝えられる衝撃を和らげることができなくなり、着用者の関節にかかる負担を軽減できなくなるおそれがあるためである。踵支持部11及びつま先支持部13のアスカーC硬度は、45度以下であると好ましく、40度以下であるとより好ましく、35度以下であると最適である。本実施態様の靴底10において、踵支持部11とつま先支持部13のアスカーC硬度はいずれも30度としている。
【0036】
ところで、踵支持部11と土踏まず支持部12とつま先支持部13は、一体的に形成してもよいが、第一実施態様の靴底10のように、靴底10のアスカーC硬度を場所によって変える場合には、踵支持部121と土踏まず支持部122とつま先支持部123とを別個に形成し、後から互いに接合すると好ましい。これにより、場所によってアスカーC硬度の異なる靴底10を容易に製造することが可能である。
【0037】
靴底10のアスカーC硬度を踵支持部11と土踏まず支持部12とつま先支持部13とで変化させるなど、第一実施態様の靴底10で採用した構成は、後述する第二実施態様〜第四実施態様の靴底10においても採用することができる。
【0038】
2.第二実施態様
続いて、第二実施態様の靴底10について説明する。図4は、本発明の第二実施態様の靴底10を図2における中心線Lに相当する部分で切断した状態を示した断面図である。上述した第一実施態様の靴底10においては、踵支持部11の底面とつま先支持部13の底面はほぼ平坦に形成され、土踏まず支持部12の底面が上側に凸となるように形成されていた。これに対し、第二実施態様の靴底10においては、図4に示すように、底面が踵支持部11からつま先支持部13にかけて下側に凸となるよう湾曲して形成されており、土踏まず支持部12が踵支持部11及びつま先支持部13よりも肉厚に形成されている。このため、砂浜歩行感覚や青竹踏み感覚をさらに際立たせることが可能となっている。第二実施態様の靴底10においても、コイルバネSBのバネ定数kBは、コイルバネSAのバネ定数kAよりも大きく設定している。
【0039】
3.第三実施態様
続いて、第三実施態様の靴底10について説明する。図5は、本発明の第三実施態様の靴底10を示した平面図である。上述した第一実施態様と第二実施態様の靴底10において、つま先支持部13には、コイルバネが収容されていなかった。しかし、第三実施態様の靴底10におけるつま先支持部13には、図5に示すように、つま先支持部13の厚さ方向にコイルバネSCを収容している。コイルバネSCのバネ定数KCは、コイルバネSBのバネ定数KBよりも小さく設定している。このため、つま先で地面を蹴る際にも砂浜歩行感覚を得ることができるようになっている。
【0040】
コイルバネSCのバネ定数KCは、コイルバネSBのバネ定数KBよりも小さく設定されていれば特に限定されない。しかし、バネ定数KCを小さくしすぎると、つま先支持部13が潰れやすくなりすぎて、所望の砂浜歩行感覚が得られなくなるおそれがある。このため、バネ定数KCは、通常、4.0KN/m以上に設定される。コイルバネSCのバネ定数KCは、6.0KN/m以上であると好ましく、8.0KN/m以上であるとより好ましい。
【0041】
一方、コイルバネSCのバネ定数KCを大きくしすぎると、つま先支持部13が硬くなりすぎて、やはり所望の砂浜歩行感覚が得られなくなるおそれがある。このため、バネ定数KCは、通常、16.0KN/m以下に設定される。バネ定数KCは、13.0KN/m以下であると好ましく、9.0KN/m以下であるとより好ましい。砂浜歩行感覚をより実際の感覚に近づけるためには、バネ定数KCをバネ定数KAよりも小さく設定すると好ましい。本実施態様の靴100において、コイルバネSCのバネ定数KCは8.5KN/mとしている。すなわち、第三実施態様の靴底10においては、コイルバネSBのバネ定数kBを、コイルバネSA,SCのバネ定数kA,kCよりも大きく設定しており、コイルバネSAのバネ定数kAは、コイルバネSBのバネ定数kBよりも大きく設定している。
【0042】
4.第四実施態様
続いて、第四実施態様の靴底10について説明する。図6は、本発明の第四実施態様の靴底10を示した平面図である。第四実施態様の靴底10は、図6に示すように、踵支持部11に収容したコイルバネSAが、靴底10の中心線Lよりも内側に配されたコイルバネSA1と、靴底10の中心線Lよりも外側に配されたコイルバネSA2とで構成されている。また、つま先支持部13に収容したコイルバネSCが、靴底10の中心線Lよりも内側に配されたコイルバネSC1と、靴底10の中心線Lよりも外側に配されたコイルバネSC2とで構成されている。このため、後述するように、靴底10にさらに高度な機能を付することが可能になっている。
【0043】
例えば、コイルバネSA1のバネ定数KA1を、コイルバネSA2のバネ定数KA2よりも大きく設定し、コイルバネSC1のバネ定数KC1を、コイルバネSC2のバネ定数KC2よりも大きく設定することができる。このように、靴底10の中心線Lよりも内側に配したコイルバネSA1,SC1を強くし、靴底10の中心線Lよりも外側に配したコイルバネSA2,SC2を弱くすることによって、靴底10の内縁を沈み込みにくくすることが可能になる。したがって、着用者の膝関節の内側に過度な荷重がかかりにくくして、外反膝(いわゆるX脚)の人に快適な歩行を提供することが可能になる。以下においては、この靴底10をX脚用の靴底と呼ぶ。
【0044】
X脚用の靴底10において、靴底10の中心線Lよりも内側に配したコイルバネSA1,SC1のバネ定数KA1,KC1を靴底10の中心線Lよりも外側に配したコイルバネSA2,SC2のバネ定数KA2,KC2よりもどの程度大きく設定するのかは特に限定されない。しかし、バネ定数KA1とバネ定数KA2との差DA、及びバネ定数KC1とバネ定数KC2との差DCが小さすぎると、所望の効果が得られなくなるおそれがある。このため、差DA及び差DCは、通常、2.0KN/m以上とされる。差DA及び差DCは、3.0KN/m以上であると好ましく、4.0KN/m以上であるとより好ましい。例えば、バネ定数KA1,KC1を10.0KN/mに設定し、バネ定数KA2,KC2を6.0KN/mに設定すると、差DAを4.0KN/mとし、差DCを4.0KN/mとすることができる。
【0045】
また、X脚用の靴底とは逆に、コイルバネSA1のバネ定数KA1を、コイルバネSA2のバネ定数KA2よりも小さく設定し、コイルバネSC1のバネ定数KC1を、コイルバネSC2のバネ定数KC2よりも小さく設定することができる。このように、靴底10の中心線Lよりも内側に配したコイルバネSA1,SC1を弱くし、靴底10の中心線Lよりも外側に配したコイルバネSA2,SC2を強くすることによって、靴底10の外縁を沈み込みにくくすることが可能になる。したがって、着用者の膝関節の外側に過度な荷重がかかりにくくして、内反膝(いわゆるO脚)の人に快適な歩行を提供することが可能になる。以下においては、この靴底10をO脚用の靴底と呼ぶ。O脚用の靴底10におけるコイルバネSA1,SA2,SC1,SC2のバネ定数KA1,KA2,KC1,KC2については、X脚用の靴底10における中心線Lよりも内側に配したコイルバネSA1,SC1を中心線Lよりも外側に配したコイルバネSA2,SC2と入れ替えたものと同様の値を設定することができる。
【0046】
ところで、第四実施態様の靴底10のように、コイルバネSAが複数本のコイルバネSA1〜SAN(Nは2以上の整数)で構成されている場合には、バネ定数KAは、コイルバネSA1〜SANの合成のバネ定数とする。具体的には、コイルバネSA1〜SANが並列な位置関係にある場合には、バネ定数KAは、下記式7により求め、コイルバネSA1〜SANが直列な位置関係にある場合には、バネ定数KAは、下記式8により求める。
【数13】
【数14】
これらは、コイルバネSBが複数本のコイルバネSB1〜SBNで構成されている場合におけるバネ定数KBや、コイルバネSCが複数本のコイルバネSC1〜SCNで構成されている場合におけるバネ定数KCについても同様である。第四実施態様の靴底10においても、コイルバネSBのバネ定数kBを、コイルバネSA,SCのバネ定数kA,kCよりも大きく設定している。
【0047】
5.用途
本発明の靴底10は、作業靴、運動靴、雨靴、上靴(上履き)、ドレスシューズ、サンダル、足袋、あるいは草履などの、幅広い用途の靴に採用することができる。なかでも、作業靴や運動靴として好適なものであり、特に、工場や倉庫などで着用される作業靴や、ウォーキングシューズやジョギングシューズなどの運動靴として好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の第一実施態様の靴底を示した斜視図である。
【図2】本発明の第一実施態様の靴底を示した平面図である。
【図3】本発明の第一実施態様の靴底を図2における中心線Lで切断した状態を示した断面図である。
【図4】本発明の第二実施態様の靴底を図2における中心線Lに相当する部分で切断した状態を示した断面図である。
【図5】本発明の第三実施態様の靴底を示した平面図である。
【図6】本発明の第四実施態様の靴底を示した平面図である。
【符号の説明】
【0049】
10 靴底
11 踵支持部
12 土踏まず支持部
13 つま先支持部
HA バネ収容穴(踵支持部用)
HA1 バネ収容穴(踵支持部内側用)
HA2 バネ収容穴(踵支持部外側用)
HB バネ収容穴(土踏まず支持部用)
HC バネ収容穴(つま先支持部用)
HC1 バネ収容穴(つま先支持部内側用)
HC2 バネ収容穴(つま先支持部外側用)
SA バネ(踵支持部用)
SA1 バネ(踵支持部内側用)
SA2 バネ(踵支持部外側用)
SB バネ(土踏まず支持部用)
SC バネ(つま先支持部用)
SC1 バネ(つま先支持部内側用)
SC2 バネ(つま先支持部外側用)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の踵を支持するための踵支持部と、着用者の土踏まずを支持するための土踏まず支持部と、着用者のつま先を支持するためのつま先支持部とで構成された靴底であって、踵支持部には、踵支持部の厚さ方向に変位可能なバネSAが収容され、土踏まず支持部には、土踏まず支持部の厚さ方向に変位可能なバネSBが収容され、バネSAのバネ定数kAとバネSBのバネ定数kBが下記式1の関係を満たしていることを特徴とする靴底。
【数1】
【請求項2】
つま先支持部に、つま先支持部の厚さ方向に変位可能なバネSCが収容され、バネSCのバネ定数kCが下記式2の関係を満たしている請求項1記載の靴底。
【数2】
【請求項3】
バネSAが、靴底の中心線よりも内側に配されたバネSA1と、前記中心線よりも外側に配されたバネSA2とで構成され、バネSCが、前記中心線よりも内側に配されたバネSC1と、前記中心線よりも外側に配されたバネSC2とで構成され、バネSA1のバネ定数kA1とバネSA2のバネ定数kA2とが下記式3の関係を満たし、バネSC1のバネ定数kC1とバネSC2のバネ定数kC2とが下記式4の関係を満たしている請求項2記載の靴底。
【数3】
【数4】
【請求項4】
バネSAが、靴底の中心線よりも内側に配されたバネSA1と、前記中心線よりも外側に配されたバネSA2とで構成され、バネSCが、前記中心線よりも内側に配されたバネSC1と、前記中心線よりも外側に配されたバネSC2とで構成され、バネSA1のバネ定数kA1とバネSA2のバネ定数kA2とが下記式5の関係を満たし、バネSC1のバネ定数kC1とバネSC2のバネ定数kC2とが下記式6の関係を満たしている請求項2記載の靴底。
【数5】
【数6】
【請求項5】
底面が踵支持部からつま先支持部にかけて下側に凸となるよう湾曲して形成され、土踏まず支持部が踵支持部及びつま先支持部よりも肉厚に形成された請求項1〜4いずれか記載の靴底。
【請求項6】
踵支持部及びつま先支持部が、土踏まず支持部よりもアスカーC硬度の低い素材によって形成された請求項1〜5いずれか記載の靴底。
【請求項1】
着用者の踵を支持するための踵支持部と、着用者の土踏まずを支持するための土踏まず支持部と、着用者のつま先を支持するためのつま先支持部とで構成された靴底であって、踵支持部には、踵支持部の厚さ方向に変位可能なバネSAが収容され、土踏まず支持部には、土踏まず支持部の厚さ方向に変位可能なバネSBが収容され、バネSAのバネ定数kAとバネSBのバネ定数kBが下記式1の関係を満たしていることを特徴とする靴底。
【数1】
【請求項2】
つま先支持部に、つま先支持部の厚さ方向に変位可能なバネSCが収容され、バネSCのバネ定数kCが下記式2の関係を満たしている請求項1記載の靴底。
【数2】
【請求項3】
バネSAが、靴底の中心線よりも内側に配されたバネSA1と、前記中心線よりも外側に配されたバネSA2とで構成され、バネSCが、前記中心線よりも内側に配されたバネSC1と、前記中心線よりも外側に配されたバネSC2とで構成され、バネSA1のバネ定数kA1とバネSA2のバネ定数kA2とが下記式3の関係を満たし、バネSC1のバネ定数kC1とバネSC2のバネ定数kC2とが下記式4の関係を満たしている請求項2記載の靴底。
【数3】
【数4】
【請求項4】
バネSAが、靴底の中心線よりも内側に配されたバネSA1と、前記中心線よりも外側に配されたバネSA2とで構成され、バネSCが、前記中心線よりも内側に配されたバネSC1と、前記中心線よりも外側に配されたバネSC2とで構成され、バネSA1のバネ定数kA1とバネSA2のバネ定数kA2とが下記式5の関係を満たし、バネSC1のバネ定数kC1とバネSC2のバネ定数kC2とが下記式6の関係を満たしている請求項2記載の靴底。
【数5】
【数6】
【請求項5】
底面が踵支持部からつま先支持部にかけて下側に凸となるよう湾曲して形成され、土踏まず支持部が踵支持部及びつま先支持部よりも肉厚に形成された請求項1〜4いずれか記載の靴底。
【請求項6】
踵支持部及びつま先支持部が、土踏まず支持部よりもアスカーC硬度の低い素材によって形成された請求項1〜5いずれか記載の靴底。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2009−100881(P2009−100881A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−274355(P2007−274355)
【出願日】平成19年10月22日(2007.10.22)
【出願人】(592160607)日進ゴム株式会社 (7)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月22日(2007.10.22)
【出願人】(592160607)日進ゴム株式会社 (7)
【Fターム(参考)】
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