説明

靴用消臭保形具

【課題】炭およびシリカゲルの特性を生かした靴用消臭保形具を提供する。
【解決手段】靴の内部に挿入される樹脂製の筒体1Aと、筒体1Aの底面に形成され下方に向って開口する複数の第1貫通孔H1と、筒体1Aの上面および側面に形成されて靴のアッパーの内面に向って開口する複数の第2貫通孔H2と、筒体1A内に配置され、第1貫通孔H1を介して靴のソールの上面S4の湿気および臭気を吸着するシリカゲル3bと、不織布袋内に収容された状態で筒体1A内に配置され、第2貫通孔H2を介して靴のアッパーの内表面の臭気を吸着する炭とを備え、シリカゲル3bが筒体1A内の空間の下部に配置され、かつ、炭を収容した不織布袋がシリカゲル3bよりも上方に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は靴用消臭保形具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、靴の中に挿入し、靴の保形および消臭を行うための保形・消臭具が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平6−44407(要約書)
【特許文献2】特許第3731826号(図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
靴の臭いの主たる原因は、足裏に汗をかき、この汗が靴下を通して、体重でソールの上面の中敷等に押し入り、前記中敷等の湿気が高まり、そのため、雑菌が前記中敷等において繁殖することによる。したがって、消臭をするには、まず、アッパーの部分ではなくソールの上面の中敷等の湿気つまり水分を吸着することが重要である。
また、靴の非着用時には靴内において空気は実質的に流れず、したがって、湿気を吸着する吸着剤が前記中敷等に消臭面が対面している必要がある。
一方、炭は湿気を吸着するが、単位体積当たりの吸着できる水分の総量がシリカゲルに比べ著しく小さく、したがって、炭のみでソールの湿気を吸着しようとすると炭の吸着力が経時的に低下し、そのため、経時的に消臭効果が著しく低下する。
これに対し、シリカゲルは炭に比べ単位体積当たりの水分の吸着量が著しく大きく、吸着できる総量も炭に比べて大きい。
一方、シリカゲルは長時間にわたって、湿気および臭気を吸着するが、臭気の吸着速度が炭に比べ小さい。
【0005】
したがって、本発明の目的は前記炭およびシリカゲルの特性を生かした靴用消臭保形具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明は靴の内部に挿入される樹脂製の筒体と、前記筒体の底面に形成され下方に向って開口する複数の第1貫通孔と、前記筒体の上面および側面に形成されて靴のアッパーの内面に向って開口する複数の第2貫通孔と、前記筒体内に配置され、前記第1貫通孔を介して靴のソールの上面の湿気および臭気を吸着するシリカゲルと、不織布袋内に収容された状態で前記筒体内に配置され、前記第2貫通孔を介して靴のアッパーの内表面の臭気を吸着する炭とを備え、前記シリカゲルが前記筒体内の空間の下部に配置され、かつ、前記炭を収容した不織布袋が前記シリカゲルよりも上方に配置されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、筒体内の下部に配置されたシリカゲルが第1貫通孔を介してソールの上面の湿気を吸着するから、長期間にわたって湿気を吸着することができると共に、ソールの上面の臭気が増大するのを防止し得る。
一方、筒体内の上部に配置された炭は第2貫通孔を介してアッパーの内表面の臭気を吸着すると共に、ソールの上面から立ち昇る臭気を吸着する。したがって、臭気の除去に関する即効性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の靴用消臭保形具の一実施例にかかる筒体を使用状態で示す側面である。
【図2】同筒体を使用前の状態で示す側面図である。
【図3】同筒体を含む靴用消臭保形具の断面図である。
【図4】同靴用消臭保形具の筒体に収容される消臭パーツの分解斜視図および断面図である。
【図5】別の靴用消臭保形具の断面図である。
【図6】別の消臭パーツの断面図および斜視図である。
【図7】靴用消臭保形具の他の実施例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の好ましい実施例においては、前記炭を収容した炭用不織布袋が前記シリカゲルとは別体で、前記炭用不織布袋のみを交換可能とする。
【0010】
この場合、シリカゲルとは別に吸着性能が劣化した炭だけを交換し得るので、消臭の即 効性が維持されると共に、吸湿性能の劣化していないシリカゲルを継続使用することが でき、経済性にも優れている。
【0011】
本発明の更に好ましい実施例においては、前記第1貫通孔が前記ソールの上面から離間するように、前記筒体の少なくとも足長方向の両端において下方に突出する突出部が前記筒体に設けられ、前記第1貫通孔が円形状で、前記シリカゲルが前記第1貫通孔の直径よりも大きい直径を持つ球形状で、前記球形状のシリカゲルが前記円形状の第1貫通孔に嵌り込んで、前記筒体の第1貫通孔から露出した状態で前記ソールの上面に臨んでいる。
【0012】
この場合、球形状のシリカゲルが円形の第1貫通孔から突出した状態となり、そのため、シリカゲルが筒体内に完全に収容されているのに比べ、ソール上面と筒体下面との間の空間の湿気を吸着し易くなる。
また、シリカゲルが樹脂フィルムや不織布内に収容されているのに比べ、球形状のシリカゲルの下部が前記ソールの上面と筒体下面との間の空間に露出しているので、当該空間の湿気を吸着し易くなる。
【0013】
本発明の更に好ましい実施例においては、前記筒体の底面は水平面に沿うように平坦に形成され、この平坦な底面に前記第1貫通孔が複数列設けられている。
【0014】
この場合、筒体の底面が水平面に沿っているので、球形状の多数個のシリカゲルが円形の多数の第1貫通孔から露出する。したがって、吸着効率が向上する。
【0015】
シリカゲルは水分を吸着すると直径が大きくなるので、使用前のシリカゲルの直径Dsは第1貫通孔の直径Dcに対し下記の程度が好ましい。
1.1・Dc<Ds<1.5・Dc
【0016】
本発明の更に好ましい実施例においては、前記シリカゲルは前記炭用不織布袋とは別のゲル用不織布袋に収容され、前記ゲル用不織布袋の上面には雄面ファスナが設けられて、前記ゲル用不織布袋の上に炭用不織布袋が配置されていることで、前記雄面ファスナを介して前記ゲル用不織布袋に炭用不織布袋が係止されて、前記炭用不織布袋のみを交換可能とした。
【0017】
この場合、ゲル用不織布袋の上面に設けた雄面ファスナから炭用不織布袋を剥がし、同炭用不織布袋ごと炭のみを交換することができる。したがって、シリカゲルおよび雄面ファスナなどは継続使用することができる。
【0018】
本発明の更に好ましい実施例においては、前記筒体内に挿入される中空の四面体または六面体からなる消臭パーツを更に備え、第1シートと空気を透過する透過性の不織布からなる第2シートとの間に前記炭および/または前記シリカゲルを含む消臭剤を封入した圧板袋状の封入体が四面体または六面体の各面を構成し、前記圧板袋状の封入体は、前記第1シートと第2シートとが互いに溶着されループ状に連なったシール部と、前記シール部に囲まれ前記消臭剤が封入された封入部とを備え、前記第1シートは第1不織布と第2不織布とが互いに接着ないし溶着されて形成されており、前記第1シートの剛性が前記第2シートの剛性よりも大きく、前記第2シートが前記靴の内面に接する前記四面体または六面体の外面を形成しており、前記第2シートの空気の透過性が前記第1シートの空気の透過性よりも大きく、前記第1および第2不織布が互いに接着ないし溶着されて前記第1シートが形成され、これにより、前記第1シートが空気を透過させない性質を有しており、
前記第1シートにより前記四面体または六面体の内部の空間が外部の空間に対し密閉されており、これにより、前記消臭パーツが保形されており、前記四面体の4つの面または前記六面体の6つの面のうちの底面については前記消臭剤としてシリカゲルが用いられ、前記四面体の4つの面のうちの前記底面以外の面または前記六面体の6つの面のうちの前記底面以外の面については前記消臭剤としてシリカゲルが用いられずに前記シリカゲルよりも比重の小さい炭が用いられている。
【0019】
本発明においては、前記四面体の4つの面または前記六面体の6つの面のうちの底面については前記消臭剤としてシリカゲルが用いられ、前記四面体の4つの面のうちの前記底面以外の面または前記六面体の6つのうちの前記底面以外の面については前記消臭剤としてシリカゲルが用いられずに炭が用いられている。
そのため、比重は大きいが消臭や吸湿性が劣化しにくいシリカゲルを底面に用いることにより消臭や除湿の効果が長続きする。
また、一般に、木炭の比重(たとえば、杉の廃材から作成した木炭などの比重)は非常に小さく、一方、シリカゲルの比重は2.1〜2.3であり木炭に比べ大きい。したがって、シリカゲルよりも比重の小さい木炭を底面以外に用いることにより靴用消臭パーツの保形性が高まる。
【0020】
本発明においては、前記第1シートは第1不織布と第2不織布とが互いに溶着されて形成されており、前記第1シートの剛性が前記第2シートの剛性よりも大きく、前記第2シートが前記第1シートに対して断面凸字状に膨らんで前記封入部が形成されており、前記第1シートが前記中空の四面体または六面体の内面を形成し、前記第2シートが前記靴の内面に接する前記四面体または六面体の外面を形成する。
これにより、中空の四面体または六面体の内面を形成する剛性の大きい第1シートが靴の保形性を向上させる。一方、第2シートが第1シートに対して断面凸状に膨らんで封入部が形成されているので、隙間ができ易くなるので、消臭効果が高くなる。
【0021】
本発明においては、前記第2シートの空気の透過性が前記第1シートの空気の透過性よりも大きい。
これにより、外側の第2シートの空気の透過性が、内側の第1シートの空気の透過性よりも大きいので、透過性の良い第2シートを介して空気が靴用消臭パーツ内の消臭剤に触れやすくなり、消臭効果が高くなる。一方、第1シートは空気の透過性が第2シートよりも小さいので、湿気を含みにくく、靴用消臭パーツの型崩れを防止することができる。
【0022】
本発明においては、一対の不織布が互いに接着ないし溶着されて前記第1シートが形成され、これにより、前記が空気を透過させない性質を有する。
これにより、が空気を透過させない性質を有しているので、湿気による靴用消臭パーツの型崩れを防止することができる。
【0023】
本発明においては、前記により前記四面体または六面体の内部の空間が外部の空間に対し密閉されており、これにより、前記パーツが保形されている。
これにより、により前記四面体または六面体の内部の空間が、外部の空間に対して密閉されているので、パーツの自重により、あるいはパーツの外部から外力が加わっても、パーツが押しつぶされるおそれがない。
【実施例】
【0024】
以下、本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
図1〜4Aは実施例1を示す。
全体構成:
図1に示すように、靴用消臭保形具10は、シューズS内に装填され、該シューズSの保形および消臭を行うためのものであり、その側面形状がL字型に形成されている。
【0025】
前記シューズSはソールS3およびアッパーS1を備え、前記ソールS3の上面S4に前記靴用消臭保形具10が配置されている。前記靴用消臭保形具10は筒体1Aを備える。
【0026】
前記筒体1Aは、凸部Mと凹部Vとが交互に形成された伸縮可能な蛇腹状に形成されている。そのため、シューズSの内部に複数の凸部Mが接触すると共に、その他の部分に多数の隙間が生じる。
一方、筒体1Aは、図2における上方から、その先端部分(図2における下方部分)1Fに行くに従い先細く、テーパ状に形成されている。そのため、図1に示すように、筒体1AをシューズSに装填すると、爪先側に行くに従い小さく設定された凸部Mが、アッパーS1内の爪先部分に接触する。そのため、アッパーS1の保形性が高まる。さらに、シューズSのソールS3の上面S4では、複数の前記凸部Mの底部M1が接触し、筒体1Aと該上面S4との間に複数の空隙Aが生じる。そのため、通気性が向上する。
【0027】
筒体1A:
図3(a)は筒体1Aの部分的な縦断面図、図3(b)は図3(a)におけるIIIb−IIIb線端面図、図3(c)は図3(a)におけるIIIc−IIIc線端面図を示す。
図3(b)に示すように、筒体1Aにおいて、シューズSの内面に接する凸部Mにおいて、筒体1Aの底部M1以外の部分(内面S4に接する部分以外の部分)には、第2貫通孔H2が形成されている。一方、図3(c)に示すように、筒体1Aの凹部Vには、全周に渡って第1および第2貫通孔H1,H2が形成されている。
【0028】
なお、図1や図2、つまり、靴用消臭保形具10の全体図では、図面を見易くするために、前記貫通孔H1,H2を省略して描いている。また、図3において、前記各貫通孔H1,H2は黒点(黒く塗りつぶした点)で示している。
【0029】
複数の第1貫通孔H1は前記筒体1Aの底面に形成され下方に向って、つまり、ソールの上面S4に向って開口する。一方、前記複数の第2貫通孔H2は前記筒体1Aの上面および側面に形成されて靴のアッパーS1の内面に向って開口する。
【0030】
前記筒体1A内には消臭パーツP1,P2が収容されている。
図4Aに示すように、前記各消臭パーツP1,P2は、第1シート11と第2シート12との間にシリカゲル3bや炭3aからなる消臭剤3を封入した圧板状の封入体(不織布袋)16からなる。
【0031】
封入体:16
前記封入体16は、不織布からなる第1シート11と第2シート12とが溶着されてループ状に連なったシール部14と、前記シール部14に囲まれ前記炭3aやシリカゲル3bが封入された封入部15からなる。
【0032】
前記シリカゲル3bとしては、粉状や粒状のシリカゲルが用いられる。
前記炭3aとしては、木炭を使用してもよいし活性炭を使用してもよい。
前記木炭としては、たとえば、廃材から作成されたものを採用することができる。
【0033】
第1シートおよび第2シート11,12:
図4Aに示す前記第1シート11は、第1不織布11aと第2不織布11bとが互いに接着ないし溶着されて形成されている。これにより、第1シート11は空気を透過させない性質を有する。前記第2シート12は空気を透過する透過性の不織布からなる。
そのため、第2シート12の空気の透過性が第1シート11の空気の透過性よりも大きく設定されていると共に、第1シート11の剛性が第2シート12の剛性よりも大きく設定されている。
【0034】
第2シート12が第1シート11に対して断面凸字状に膨らんで前記封入部15が形成され、該封入部15内に消臭剤3が入れられた後、第1シート11と第2シート12とがシール部14において接着ないし溶着されて封入体16が形成される。
【0035】
図3に示すように、前記シリカゲル3bが封入された第1消臭パーツP1は前記筒体1A内の空間の下部に配置され、一方、前記炭3aを収容した第2消臭パーツP2は第1消臭パーツP1よりも上方に配置されている。
【0036】
図3(c)に示すように、シリカゲル3bは不織布袋内に収容された状態で前記筒体1A内に配置され、第2シート12および前記第1貫通孔H1を介して靴のソールの上面S4の湿気および臭気を吸着する。
前記炭3aは不織布袋内に収容された状態で前記筒体1A内に配置され、前記第2貫通孔H2を介して靴のアッパーS1の内表面の臭気を吸着する。
【0037】
前記ゲル用不織布袋P1の上面には雄面ファスナF1が固着されて、前記ゲル用不織布袋P1の上に炭用不織布袋P2が配置されていることで、前記雄面ファスナF1を介して前記ゲル用不織布袋P1に炭用不織布袋P2が係止されている。したがって、一体の両不織布袋P1,P2を筒体1Aから取り出し、前記雄面ファスナF1から炭用不織布袋P2を剥がして前記炭用不織布袋P2のみを交換することができる。
【0038】
実施例2:
図4Bおよび図5は実施例2を示す。これらの図において網点で示す部分は封入部15を示す。
本実施例2の保形具は、消臭パーツ1が図5の筒体1A内に収容される。前記消臭パーツ1は正六面体で形成され、前記六面体を形成する各面S11,S21は正四角形で構成されている。
図6Aに示すように、前記各面は、正四角形の1つの封入部15の周囲にシール部14が配置された正方形のモジュール(実施例1の消臭パーツP1,P2)で形成されてなる。
【0039】
図4Bに示すように、前記第1シート11は中空の六面体の内面を形成し、第2シート12は図1に示す筒体1Aの内面に接する六面体の外面を形成している。そのため、図4Bに示す第1シート11により前記六面体の内部の空間S11が外部の空間S21に対し密閉されており、これにより、パーツ1が保形されている。
【0040】
なお、前記六面体を構成する全ての封入部15内に消臭剤3として炭3aが用いられてもよいが、図4Bに示すように、前記六面体の6つの面のうちの底面については、炭3aの下方にシリカゲル3bが封入されている。
【0041】
その他の構成は実施例1と同様であり、同一部分または相当部分に同一符号を付して、その説明を省略する。
【0042】
実施例3:
図6は実施例3を示す。
図6における網点で示す部分は封入部15を示す。
図6Bに示すように、本実施例3のパーツ1は正四面体で形成されている。
【0043】
図6Aおよび図6Bに示すように、前記パーツ1を形成する各面は正三角形であり、各面は正三角形の1つの封入部15の周囲にシール部14が配置されたモジュールで形成されてなる。
【0044】
その他の構成は、実施例2と同様であり、同一部分または相当部分に同一符号を付して、その説明を省略する。
【0045】
図7Aおよび図7Bは実施例4を示す。
これらの図において、樹脂製の筒体1Aは線図で示しており、肉厚を表現していない。
【0046】
前記第1貫通孔H1が前記ソールの上面S4から離間するように、前記筒体1Aの少なくとも足長方向Xの両端において下方に突出する突出部41,42が前記筒体1Aに設けられている。前記突出部41,42は前記両端において、前記下方、上方および側方に向って突出する鍔状に形成されている。
【0047】
前記鍔状の突出部41,42は、一方の端において前記筒体1Aに一体に形成され、他方の端において前記筒体1Aとは別体で前記筒体1Aに嵌合している。前記筒体1Aの両端には、それぞれ、前記筒体1A内と前記靴内とを通気させる複数の第3貫通孔H3が形成されている。
【0048】
なお、図7Bに示すように前記筒体1Aの上面はアッパーの形状に沿うように湾曲して形成されている。また、実施例1のように、筒体1Aは足の先端に行くに従い径小となるように形成するのが好ましい。
【0049】
本実施例では前記第1貫通孔H1が円形状で、前記筒体1Aの底面は水平面に沿うように平坦に形成され、この平坦な底面に前記第1貫通孔H1が複数列設けられている。
前記シリカゲル3bは前記第1貫通孔H1の直径よりも大きい直径を持つ球形状で、前記球形状のシリカゲル3bが前記円形状の第1貫通孔H1に嵌り込んで、前記筒体1Aの第1貫通孔H1から下方に向って露出しており、前記ソールの上面S4に臨んでいる。
【0050】
球形状のシリカゲル3bの数は第1貫通孔H1の数よりも多いのが好ましい。第1貫通孔H1に嵌り込まないシリカゲル3bは筒体1Aの底面上に転がり自在に配置されるが、第1貫通孔H1に嵌めることで停止する。
【0051】
第1貫通孔H1の直径は3.0mm〜6.0mm程度が好ましく、使用前のシリカゲル3bの直径は4.0mm〜7.0mm程度が好ましい。
【0052】
前記炭3aを収容した炭用不織布袋P2が前記シリカゲル3bとは別体であるから、突出部42を形成するキャップ43を取り外し前記炭用不織布袋P2のみを交換することができる。
【0053】
その他の構成は、実施例1と同様であり、同一部分または相当部分に同一符号を付して、その説明を省略する。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は靴用の消臭保形具として用いることができる。
【符号の説明】
【0055】
1A:筒体
3a:炭
3b:シリカゲル
H1:第1貫通孔
H2:第2貫通孔
H3:第3貫通孔




【特許請求の範囲】
【請求項1】
靴の内部に挿入される樹脂製の筒体と、
前記筒体の底面に形成され下方に向って開口する複数の第1貫通孔と、
前記筒体の上面および側面に形成されて靴のアッパーの内面に向って開口する複数の第2貫通孔と、
前記筒体内に配置され、前記第1貫通孔を介して靴のソールの上面の湿気および臭気を吸着するシリカゲルと、
不織布袋内に収容された状態で前記筒体内に配置され、前記第2貫通孔を介して靴のアッパーの内表面の臭気を吸着する炭とを備え、
前記シリカゲルが前記筒体内の空間の下部に配置され、かつ、前記炭を収容した不織布袋が前記シリカゲルよりも上方に配置されている靴用消臭保形具。
【請求項2】
請求項1において、前記炭を収容した炭用不織布袋が前記シリカゲルとは別体で、前記炭用不織布袋のみを交換可能とした靴用消臭保形具。
【請求項3】
請求項2において、前記第1貫通孔が前記ソールの上面から離間するように、前記筒体の少なくとも足長方向の両端において下方に突出する突出部が前記筒体に設けられ、
前記第1貫通孔が円形状で、
前記シリカゲルが前記第1貫通孔の直径よりも大きい直径を持つ球形状で、前記球形状のシリカゲルが前記円形状の第1貫通孔に嵌り込んで、前記筒体の第1貫通孔から露出した状態で前記ソールの上面に臨んでいる靴用消臭保形具。
【請求項4】
請求項3において、前記筒体の底面は水平面に沿うように平坦に形成され、この平坦な底面に前記第1貫通孔が複数列設けられている靴用消臭保形具。
【請求項5】
請求項4において、前記突出部は前記両端において、前記下方、上方および側方に向って突出する鍔状に形成されている靴用消臭保形具。
【請求項6】
請求項5において、前記鍔状の突出部は、一方の端において前記筒体に一体に形成され、他方の端において前記筒体とは別体で前記筒体に嵌合している靴用消臭保形具。
【請求項7】
請求項6において、前記筒体の両端には、それぞれ、前記筒体内と前記靴内とを通気させる複数の第3貫通孔が形成されている靴用消臭保形具。
【請求項8】
請求項7において、前記筒体の上面はアッパーの形状に沿うように湾曲して形成されている靴用消臭保形具。
【請求項9】
請求項2において、前記シリカゲルは前記炭用不織布袋とは別のゲル用不織布袋に収容され、
前記ゲル用不織布袋の上面には雄面ファスナが設けられて、前記ゲル用不織布袋の上に炭用不織布袋が配置されていることで、前記雄面ファスナを介して前記ゲル用不織布袋に炭用不織布袋が係止されて、前記炭用不織布袋のみを交換可能とした靴用消臭保形具。
【請求項10】
請求項1において、前記筒体内に挿入される中空の四面体または六面体からなる消臭パーツを更に備え、
第1シートと空気を透過する透過性の不織布からなる第2シートとの間に前記炭および/または前記シリカゲルを含む消臭剤を封入した圧板袋状の封入体が四面体または六面体の各面を構成し、
前記圧板袋状の封入体は、前記第1シートと第2シートとが互いに溶着されループ状に連なったシール部と、前記シール部に囲まれ前記消臭剤が封入された封入部とを備え、
前記第1シートは第1不織布と第2不織布とが互いに接着ないし溶着されて形成されており、前記第1シートの剛性が前記第2シートの剛性よりも大きく、前記第2シートが前記靴の内面に接する前記四面体または六面体の外面を形成しており、
前記第2シートの空気の透過性が前記第1シートの空気の透過性よりも大きく、
前記第1および第2不織布が互いに接着ないし溶着されて前記第1シートが形成され、これにより、前記第1シートが空気を透過させない性質を有しており、
前記第1シートにより前記四面体または六面体の内部の空間が外部の空間に対し密閉されており、これにより、前記消臭パーツが保形されており、
前記四面体の4つの面または前記六面体の6つの面のうちの底面については前記消臭剤としてシリカゲルが用いられ、前記四面体の4つの面のうちの前記底面以外の面または前記六面体の6つの面のうちの前記底面以外の面については前記消臭剤としてシリカゲルが用いられずに前記シリカゲルよりも比重の小さい炭が用いられている靴用消臭保形具。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−143331(P2012−143331A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−2781(P2011−2781)
【出願日】平成23年1月11日(2011.1.11)
【特許番号】特許第4750226号(P4750226)
【特許公報発行日】平成23年8月17日(2011.8.17)
【出願人】(300046452)
【Fターム(参考)】