説明

靴識別用標識

【課題】タンを備えた靴に設けられる靴識別用標識であって、靴を踵側及び爪先側の何れから視認した場合であっても自己の靴を識別可能とする。
【解決手段】タン3を備えた靴2に設けられる靴識別用標識1であって、タン3に取り付けられる取付部11と、取付部11に揺動自在に連設し、タン3の履き口21側の端部31から垂下するシート状の標識部12と、標識部12の両面に付された識別表示13a,13bとを備え、標識部12を揺動させることにより、標識部12がタン3の内面3aに沿った状態、タン3の端部31から垂下した状態、タン3の外面3bに沿った状態の何れかの状態に切り替え自在とされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンを備える靴に設けられる靴識別用標識に関する。
【背景技術】
【0002】
靴はデザインや色彩が似ているものが多く存在し、学校の下駄筺や居酒屋の座敷、病院等の靴を脱ぐ場所において、帰る際に誤って他人の靴を履いて帰ってしまうことがある。特に視力の低下した高齢者や注意力が未発達な幼児においては誤って他人の靴を履いてしまうことが多い。
【0003】
そこで、従来、靴のタンの端部から垂下させた名札入れを備える靴識別用標識が知られている(例えば、特許文献1参照)。これによれば、名札入れに入れられた名札を確認することにより、誤って他人の靴を履いて帰ってしまうことを抑制することができる。
【0004】
しかしながら、従来の靴識別用標識は、名札入れがタンの端部から垂下しているため、靴を踵側から視認する状態でしか靴識別用標識を見ることができない。従って、爪先側から視認する状態においては、靴を踵側から視認できるように靴を反転させて名札を確認する必要があり面倒である。又、爪先側から名札が視認できないため、名札の確認を怠り誤って他人の靴を履いて帰ってしまう虞がある。
【特許文献1】実公大13−4822号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上の点に鑑み、靴を踵側及び爪先側の何れから視認した場合であっても自己の靴を識別可能とする靴識別用標識を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は、タンを備えた靴に設けられる靴識別用標識であって、前記タンに取り付けられる取付部と、該取付部に揺動自在に連設し、前記タンの履き口側の端部から垂下するシート状の標識部と、該標識部の両面に付された識別表示とを備え、前記標識部を揺動させることにより、該標識部が前記タンの内面に沿った状態、前記タンの端部から垂下した状態、前記タンの外面に沿った状態の何れかの状態に切り替え自在とされることを特徴とする。
【0007】
かかる構成によれば、前記取付部を粘着剤などにより前記タンに取り付け、前記標識部を前記タンの端部から揺動させて前記タンの外面側に折り返すことにより、前記靴を爪先側から視認する状態においても前記識別表示を確認することができる。又、前記標識部を前記タンの端部から揺動させて垂下した状態とすることにより、前記靴を踵側から視認する状態においても前記識別表示を確認することができる。
【0008】
これにより、自己の靴を爪先側及び踵側の何れから視認する状態においても容易に確認することができ、例えば視力の低下した高齢者や注意力が未発達な幼児においても誤って他人の靴を履いてしまうことを抑制することができる。又、前記靴を履く際には、前記靴識別用標識を前記タンの裏側に沿わせるように折り返し足の甲とタンの裏面との間で挟むようにすることにより、靴識別用標識を隠すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の実施の形態を図1を参照して説明する。図1は本発明の靴識別用標識の実施形態を示す説明図、図2は実施形態の靴識別用標識を靴に取り付けた状態を一部断面で示す説明図、図3は実施形態の靴識別用標識を靴の爪先側及び踵側から示した説明図である。
【0010】
図1に示す本発明の実施形態の靴識別用標識1は、合成繊維製のシート状のものであり、粘着剤(又は接着剤)が表面に塗布された取付部11と、取付部11に揺動自在に連設され表面12aと裏面12bとに識別表示13a,13bが付された標識部12とからなる。取付部11には粘着剤を保護する保護シート11aが設けられている。尚、靴識別用標識1の材質としては合成繊維に限られず、例えば、ゴムやビニール、布、皮、紙、プラスチックなどであってもよい。又、取付部11と標識部12とで異なる材料を用いて構成してもよい。
【0011】
靴識別用標識1は、図2に示すように、保護シート11aを剥がし、標識部12がタン3の履き口21側の端部31に位置するように、取付部11を靴2のタン3の内面3aに貼り付けられる。このように、靴識別用標識1は、取付部11をタン3に貼り付ければ靴2に取り付けられるため、新たに本発明の靴識別用標識1を備える靴を購入することなく現在履いている靴に取り付けることができる。
【0012】
識別表示13a,13bは、自己の靴を識別できるものであればよく、例えば名前や写真、花言葉などの文章、文字、家紋等の模様、色彩、シール、勤めている会社等の広告などを用いることができる。識別表示13a,13bとして広告を用いれば、勤務先の会社を宣伝することができる。図1においては、識別表示13a,13bは異なる識別表示を付しているが、表面12aと裏面12bとに同一の識別表示を付してもよい。
【0013】
靴識別用標識1は、取付部11をタン3に取り付けると、標識部12が自重でタン3から垂下した状態となる。この状態で、例えば下駄箱に靴2の踵2a側が視認できるように靴2を入れれば、図3(a)に示すように、標識部12の表面12aに付された識別表示13aを確認することができる。
【0014】
又、例えば居酒屋等の座敷に上がる際に、靴2の爪先2b側を座敷側に向けたまま靴2を脱いだ場合、座敷から降りて靴2を履く際には、靴2の爪先2b側を視認する状態となる。この場合、図3(b)に示すように、靴2を脱ぐ際に標識部12をタン3の外面3bに沿うように裏返すことにより、標識部12の裏面12bがタン3の外面3b上に位置する。
【0015】
これにより、靴2の爪先2b側から視認する際においても、自己の靴2か否かを標識部12の裏面12bに付された識別表示13bで容易に確認することができる。従って、例えば視力の低下した高齢者や注意力が未発達な幼児においても誤って他人の靴を履いてしまうことを抑制することができる。
【0016】
又、靴2を履く際には、標識部12がタン3の端部から垂下する状態とする。この状態で、靴2を履くと、靴2内への足の挿入に伴い、靴識別用標識1の標識部12が取付部11と重ね合わさるように折り返される。これにより、靴2を履いている状態においては、標識部12を靴2内に隠すことができる。
【0017】
尚、実施形態においては、靴識別用標識1の取付部11をタン3の内面3aに取り付けるものを説明したが、取付部11をタン3の外面3bに取り付けるようにしてもよい。この場合、取付部11の色をタン3の外面3bの色と同一にすれば、取付部11を目立たなくする事ができる。
【0018】
又、紐付きの靴等のように、タン3の少なくとも側方部の外面3b上に紐穴が形成されている部分を備えるような靴においては、取付部11をタン3の外面3bと紐穴が形成された部分とで挟んで靴識別用標識1を取り付けるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の靴識別用標識の実施形態を示す説明図。
【図2】実施形態の靴識別用標識を靴に取り付けた状態を一部断面で示す説明図。
【図3】実施形態の靴識別用標識を靴の爪先側及び踵側から示した説明図。
【符号の説明】
【0020】
1…靴識別用標識、 11…取付部、 12…標識部、 12a…表面、 12b…裏面、 13a,13b…識別表示、 2…靴、 2a…踵、 2b…爪先、 21…履き口、 3…タン、 3a…内面、 3b…外面、 31…端部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンを備えた靴に設けられる靴識別用標識であって、
前記タンに取り付けられる取付部と、
該取付部に揺動自在に連設し、前記タンの履き口側の端部から垂下するシート状の標識部と、
該標識部の両面に付された識別表示とを備え、
前記標識部を揺動させることにより、該標識部が前記タンの内面に沿った状態、前記タンの端部から垂下した状態、前記タンの外面に沿った状態の何れかの状態に切り替え自在とされることを特徴とする靴識別用標識。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−284267(P2008−284267A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−133917(P2007−133917)
【出願日】平成19年5月21日(2007.5.21)
【出願人】(000160544)
【Fターム(参考)】