説明

鞍乗り型車両

【課題】加速度センサの感度の低下を低減することが可能な鞍乗り型車両を提供する。
【解決手段】自動二輪車1においては、ヘッドパイプよりも前方に突出するように衝撃検出フレームが車体フレームに固定される。衝撃検出フレームの側部604,605および前端部601には、それぞれ衝撃センサS1〜S3が設けられる。斜め前方から衝撃検出フレームに加わる衝撃が主に衝撃センサS1,S2により検出される。前方から衝撃検出フレームに加わる衝撃が主に衝撃センサS3により検出される。衝撃センサS1〜S3の検出結果に基づいてエアバッグ装置のエアバッグが展開される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアバッグを備えた鞍乗り型車両に関する。
【背景技術】
【0002】
自動二輪車には、衝突した際の乗員への衝撃を軽減するため、エアバッグが搭載される。特許文献1には、鞍乗型車両用エアバッグ装置を備えるスクータ型車両が記載されている。このスクータ型車両の車体の上メインフレームには、検出手段およびインフレータ手段が設けられる。車体に加わる衝撃が検出手段により検出されると、インフレータ手段がエアバッグを展開させる。
【0003】
特許文献2には、バンパー付き車両が記載されている。バンパーは左右のフロントフォークに支持されている。このバンパー付き車両にエアバッグを搭載したときには、その展開タイミングを検知する加速度センサをバンパーに配置することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−219885号公報
【特許文献2】特開2006−269271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2には、衝撃が最初に加わるバンパーにおいて加速度が検知されるので、正面衝突についての素早い判定が可能になると記載されている。
【0006】
しかしながら、正面とは異なる方向からの衝突に対しては、加速度センサの検知の感度が低下する可能性がある。
【0007】
本発明の目的は、種々の状況において加速度センサの感度の低下を低減することが可能な鞍乗り型車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明に係る鞍乗り型車両は、前後方向に延びるように形成された車体フレームと、車体フレームの前端に設けられるヘッドパイプと、ヘッドパイプの軸心に関して回転可能に設けられるフロントフォークと、フロントフォークに回転可能に支持される前輪と、ヘッドパイプよりも前方に突出するように車体フレームに固定される衝撃検出用フレームと、衝撃検出用フレームに設けられ、衝撃検出フレームに加わる衝撃を検出する複数の衝撃検出器と、複数の衝撃検出器の検出結果に基づいて展開されるエアバッグを含むエアバッグ装置とを備え、衝撃検出用フレームは、車体フレームの前後方向の前端に位置する前端部と、車体フレームの前後方向に関して両側方に位置する第1および第2の側部とを有し、複数の検出器は、第1および第2の側部にそれぞれ設けられる第1および第2の検出器と、衝撃検出用フレームの前端部に配置される第3の検出器とを含むものである。
【0009】
この鞍乗り型車両においては、衝撃検出用フレームが車体フレームに固定される。衝撃検出用フレームの第1および第2の側部ならびに前端部には、それぞれ第1、第2および第3の検出器が設けられる。斜め前方から衝撃検出フレームに加わる衝撃が主に第1または第2の検出器により検出される。前方から衝撃検出フレームに加わる衝撃が主に第3の検出器により検出される。第1、第2または3の検出器の検出結果に基づいてエアバッグ装置のエアバッグが展開される。
【0010】
この場合、衝撃検出用フレームは、ヘッドパイプよりも前方に突出するので、第1、第2および第3の検出器は、衝撃検出フレームに加わる衝撃を迅速に検出することができる。また、鞍乗り型車両が物体から衝撃を受ける直前に運転者が物体との衝突を回避しようとしてハンドルを瞬間的に操作することがある。それにより、フロントフォークおよび前輪の向きが瞬間的に車両の進行方向と異なる。このような場合でも、衝撃検出フレームが車体フレームに固定されているので、車両の進行方向に関して第1、第2および第3の検出器の位置が変化することがない。そのため、運転者のハンドル操作にかかわらず、車両の進行方向に関して前方および斜め前方からの衝撃を検出することができる。これらの結果、加速度センサの感度の低下を低減することができる。したがって、種々の状況において瞬時にかつ確実にエアバッグを展開することが可能になる。
【0011】
(2)衝撃検出用フレームの第1および第2の検出器間の距離は、前輪の幅方向におけるフロントフォークの幅よりも大きくてもよい。
【0012】
この場合、第1および第2の検出器は、主に斜め前方からの衝撃をより早いタイミングで確実に検出することができる。
【0013】
(3)鞍乗り型車両は、車体フレームに設けられるシートをさらに備え、エアバッグ装置は、シートとヘッドパイプとの間に配置されてもよい。
【0014】
この場合、鞍乗り型車両の運転者の直前の位置でエアバッグが瞬時に展開される。それにより、運転者は、エアバッグにより確実に保護される。
【0015】
(4)第3の検出器は、車体フレームの前後方向において前輪の前端と同じ位置または前輪の前端よりも前方に配置されてもよい。
【0016】
この場合、前輪が物体に衝突する瞬間または直前に主に第3の検出器が前方からの衝撃を検出することができる。したがって、衝撃が運転者に伝わる前にエアバッグにより運転者が確実に保護される。
【0017】
(5)第1および第2の検出器は、車体フレームの前後方向において前輪の前端と後端との間に配置されてもよい。
【0018】
この場合、第1および第2の検出器は、主に斜め前方からの衝撃をより確実に検出することができる。
【0019】
(6)衝撃検出フレームは、前端部から第1および第2の側部に連続するように一体的に形成されてもよい。
【0020】
この場合、衝撃検出フレームが衝撃を受けることにより破損することなく一体的に変形しやすい。それにより、衝撃検出フレームが衝撃を吸収するように機能する。その結果、運転者に伝わる衝撃が十分に低減される。
【0021】
(7)第1の側部は、第1の主側部、および前端部と第1の主側部とを連結する第1の連結側部を含み、第2の側部は、第2の主側部、および前端部と第2の主側部とを連結する第2の連結側部を含み、第1の検出器は、第1の主側部および第1の連結側部の少なくとも一方に配置され、第2の検出器は、第2の主側部および第2の連結側部の少なくとも一方に配置されてもよい。
【0022】
この場合、第1および第2の検出器は、主に斜め前方から衝撃検出フレームに加わる衝撃をより確実に検出することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、加速度センサの感度の低下を低減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施の形態に係る自動二輪車を示す模式的側面図である。
【図2】図1の自動二輪車の模式的上面図である。
【図3】図1の自動二輪車の内部の主要部の構成を示す模式的側面図である。
【図4】自動二輪車の前端部の拡大側面図である。
【図5】自動二輪車の前端部の拡大上面図である。
【図6】衝撃検出フレームの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(1)自動二輪車の概略構成
図1は、本発明の一実施の形態に係る自動二輪車を示す模式的側面図である。図2は、図1の自動二輪車の模式的上面図である。図3は、図1の自動二輪車の内部の主要部の構成を示す模式的側面図である。以下、図1〜図3を用いて、本実施の形態に係る自動二輪車を説明する。
【0026】
図1の自動二輪車1は、前後方向に延びるように形成された車体フレーム500を備える。図3に示すように、車体フレーム500は、上部メインフレーム501、下部メインフレーム502、リアフレーム503および連結部材504〜509により構成される。上部メインフレーム501は、鉛直面内で下部メインフレーム502の上方に位置する。上部メインフレーム501および下部メインフレーム502の前端は連結部材504により連結される。上部メインフレーム501および下部メインフレーム502の後端は連結部材507により連結される。上部メインフレーム501および下部メインフレーム502の中央部は連結部材505,506により連結される。
【0027】
上部メインフレーム501および下部メインフレーム502の前端にヘッドパイプ510が取り付けられる。ヘッドパイプ510に左右に分岐するフロントフォーク520が取り付けられる。この状態で、フロントフォーク520は、ヘッドパイプ510の軸心を中心として所定の角度範囲内で回転可能となっている。フロントフォーク520の下端に前輪530が回転可能に支持される。ヘッドパイプ510の上端にはハンドル540が設けられる。
【0028】
上部メインフレーム501および下部メインフレーム502の後端の連結部材507には、連結部材508によりリアスイングアーム550が揺動可能に取り付けられる。また、連結部材507には、後方に延びるようにリアフレーム503が取り付けられる。リアフレーム503の後端には、連結部材509によりリアクッションユニット560が上下に伸縮可能に取り付けられる。リアクッションユニット560の下端によりリアスイングアーム550の後端が支持される。リアスイングアーム550は、後輪570を回転可能に支持する。
【0029】
以下の説明では、前輪530の中心と後輪570の中心とを結ぶ直線L(図2参照)の方向を車体の前後方向と呼び、車体の前後方向を含む鉛直面に垂直な方向を車体の左右方向と呼ぶ。
【0030】
ヘッドパイプ510よりも前方に突出するように、衝撃検出フレーム600が設けられる。衝撃検出フレーム600の詳細な構成については後述する。
【0031】
図1に示すように、上部メインフレーム501と下部メインフレーム502との間の中央部には、エンジン580が設けられる。エンジン580により発生されるトルクは、図示しない複数のギアおよびチェーンを介して後輪570に伝達される。それにより、後輪570が回転する。
【0032】
上部メインフレーム501の上方には、ECU(Electronic Control Unit;電子制御ユニット)700が設けられる。ECU700は、例えばCPU(中央演算処理装置)およびメモリ、またはマイクロコンピュータからなる。ECU700の上方には、自動二輪車1の運転者が着座するシート590が設けられる。シート590の前方には、エアバッグ装置810を収納するエアバッグ収納部800が設けられる。エアバッグ装置810にはエアバッグ820が含まれる。図1には、エアバッグ820が展開した状態が示される。
【0033】
車体フレーム500の前部および衝撃検出フレーム600は、フロントカウル410により覆われる。車体フレーム500の後部は、リアカウル420により覆われる。車体フレーム500の中央部は、サイドカバー430により覆われる。
【0034】
図4は、自動二輪車1の前端部の拡大側面図である。図5は、自動二輪車1の前端部の拡大上面図である。図6は、衝撃検出フレーム600の斜視図である。図5に示すように、衝撃検出フレーム600は、前端部601、一対の連結側部602,603、一対の主側部604,605および一対の上支持部606,607により構成される。前端部601は、車体の左右方向に延びる。一対の連結側部602,603は、前端部601の両端から斜め後方に広がるように延びる。一対の主側部604,605は、一対の連結側部602,603の後端から車体の前後方向において後方に延びる。前端部601および連結側部602,603は、水平面内に配置される。主側部604,605は、図4および図6に示すように、連結側部602,603の後端から斜め下方に屈曲する。一対の上支持部606,607は、連結側部602,603から上方に湾曲するように延びる。連結側部602と主側部604とにより側部608が形成される。連結側部603と主側部605とにより側部609が形成される。
【0035】
主側部604,605の後端は、連結部材611,612により図4の下部メインフレーム501に連結される。下部メインフレーム502の前端には、ヘッドパイプ510の前方に突出するように連結部材613が取り付けられる。連結部材613に連結部材614により略楕円形状の支持部材615が取り付けられる。上支持部606,607の上端は、支持部材615に連結される。このようにして、衝撃検出フレーム600は車体フレーム500に固定される。
【0036】
衝撃検出フレーム600は、前端部601から連結側部602,603および主側部604,605に連続するように一体的に形成されている。そのため、衝撃検出フレーム600が衝撃を受けることにより破損することなく一体的に変形しやすい。それにより、衝撃検出フレーム600が衝撃を吸収するように機能する。その結果、運転者に伝わる衝撃が十分に低減される。
【0037】
図4〜図6に示すように、衝撃検出フレーム600の連結側部602と主側部604との境界部には、衝撃検出フレーム600に加わる衝撃を検出する衝撃センサS1が設けられる。また、衝撃検出フレーム600の連結側部603と主側部605との境界部には、衝撃検出フレーム600に加わる衝撃を検出する衝撃センサS2が設けられる。さらに、衝撃検出フレーム600の前端部601には、衝撃検出フレーム600に加わる衝撃を検出する衝撃センサS3が設けられる。衝撃センサS1,S2,S3としては、例えば加速度センサが用いられる。
【0038】
衝撃センサS1〜S3の検出結果を示す出力信号は、ECU700に与えられる。衝撃センサS1〜S3のいずれかの出力信号の値が予め定められた値よりも大きい場合、図1のECU700は、エアバッグ収納部800に収納されているエアバッグ装置810のエアバッグ820を展開させる。
【0039】
なお、ECU700は、衝撃センサS1〜S3の出力信号に基づき、衝突判定アルゴリズムにより衝突と判定される場合にエアバッグ装置810のエアバッグ820を展開させてもよい。
【0040】
エアバッグ装置810を収納するエアバッグ収納部800は、シート590とヘッドパイプ510との間に配置される。これにより、自動二輪車1の運転者の直前の位置でエアバッグ820が瞬時に展開される。その結果、運転者は、エアバッグ820により確実に保護される。
【0041】
図4に示すように、連結側部602と主側部604との境界部は、車体フレーム500の前後方向において前輪530の前端と後端との間の範囲R内に位置する。また、連結側部603と主側部605との境界部は、車体フレーム500の前後方向において前輪530の前端と後端との間の範囲R内に位置する。図5に示すように、衝撃検出フレーム600の主側部604,605間の距離L2は、前輪530の幅方向におけるフロントフォーク520の幅L1よりも大きい。
【0042】
本実施の形態では、上記のように衝撃センサS1は連結側部602と主側部604との境界部に配置され、衝撃センサS2は連結側部603と主側部605との境界部に配置される。これにより、衝撃センサS1,S2は、斜め前方からの衝撃を早いタイミングで確実に検出することができる。
【0043】
本実施の形態では、衝撃検出フレーム600の前端部601は、車体フレーム500の前後方向において前輪530の前端と同じ位置に配置される。衝撃センサS3は、車体フレーム500の前後方向において前輪530の前端と同じ位置に配置される。この場合、前輪530が物体に衝突する瞬間に衝撃センサS3が前方からの衝撃を検出することができる。それにより、衝撃が運転者に伝わる前にエアバッグ820により運転者が確実に保護される。
【0044】
衝撃検出フレーム600の前端部601が車体フレーム500の前後方向において前輪530の前端よりも前方に配置され、衝撃センサS3が車体フレーム500の前後方向において前輪530の前端よりも前方に配置されてもよい。この場合、前輪530が物体に衝突する直前に衝撃センサS3が前方からの衝撃を検出することができる。それにより、衝撃が運転者に伝わる前にエアバッグ820により運転者がより確実に保護される。
【0045】
(2)効果
本実施の形態に係る自動二輪車1において、衝撃検出フレーム600は、ヘッドパイプ510よりも前方に突出するので、衝撃センサS1,S2,S3は、衝撃検出フレーム600に加わる衝撃を迅速に検出することができる。
【0046】
また、自動二輪車1が物体から衝撃を受ける直前に運転者が物体との衝突を回避しようとしてハンドル540を瞬間的に操作することがある。それにより、フロントフォーク520および前輪530の向きが瞬間的に車両の進行方向と異なる。このような場合でも、衝撃検出フレーム600が車体フレーム500に固定されているので、自動二輪車1の進行方向に関して衝撃センサS1,S2,S3の位置が変化することがない。
【0047】
そのため、運転者のハンドル540操作にかかわらず、車両の進行方向に関して前方および斜め前方からの衝撃を検出することができる。これらの結果、加速度センサの感度の低下を低減することができる。したがって、種々の状況において瞬時にかつ確実にエアバッグ820を展開することが可能になる。
【0048】
(3)他の実施の形態
(3−1)上記実施の形態において、鞍乗り型車両の一例として自動二輪車1について説明したが、これに限定されない。本発明は自動三輪車または自動四輪車等の他の鞍乗り型車両にも適用可能である。
【0049】
(3−2)上記実施の形態では、衝撃センサS1,S2,S3として加速度センサが用いられるが、これに限定されない。衝撃センサS1,S2,S3として荷重センサ等の他のセンサが用いられてもよい。
【0050】
(3−3)上記実施の形態では、衝撃検出フレーム600に3つの衝撃センサS1,S2,S3が取り付けられているが、衝撃検出フレーム600に4つ以上の衝撃センサが取り付けられてもよい。
【0051】
(3−4)衝撃検出フレーム600の形状は、上記実施の形態の形状に限定されない。例えば、衝撃検出フレーム600の前端部601、連結側部602,603および主側部604,605が円弧状等の他の形状に形成されてもよい。
【0052】
(3−5)上記実施の形態においては、衝撃センサS1は連結側部602と主側部604との境界部に配置され、衝撃センサS2は、連結側部603と主側部605との境界部に配置されるが、これに限定されない。例えば、衝撃センサS1は主側部604上に配置されてもよく、衝撃センサS2は主側部605上に配置されてもよい。また、衝撃センサS1は連結側部602上に配置されてもよく、衝撃センサS2は連結側部603上に配置されてもよい。
【0053】
(4)請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
【0054】
上記実施の形態においては、車体フレーム500が車体フレームの例であり、ヘッドパイプ510がヘッドパイプの例であり、フロントフォーク520がフロントフォークの例であり、前輪530が前輪の例であり、衝撃検出フレーム600が衝撃検出用フレームの例である。
【0055】
衝撃センサS1が衝撃検出器および第1の衝撃検出器の例であり、衝撃センサS2が衝撃検出器および第2の衝撃検出器の例であり、衝撃センサS3が衝撃検出器および第3の衝撃検出器の例であり、エアバッグ820がエアバッグの例であり、エアバッグ装置810がエアバッグ装置の例である。
【0056】
前端部601が前端部の例であり、側部608が第1の側部の例であり、側部609が第2の側部の例であり、自動二輪車1が鞍乗り型車両の例であり、シート590がシートの例である。主側部604が第1の主側部の例であり、連結側部602が第1の連結側部の例であり、主側部605が第2の主側部の例であり、連結側部603が第2の連結側部の例である。
【0057】
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、エアバッグを備える鞍乗り型車両に有効に利用することができる。
【符号の説明】
【0059】
1 自動二輪車
410 フロントカウル
420 リアカウル
430 サイドカバー
500 車体フレーム
501 上部メインフレーム
502 下部メインフレーム
503 リアフレーム
504〜509 連結部材
510 ヘッドパイプ
520 フロントフォーク
530 前輪
540 ハンドル
550 リアスイングアーム
560 リアクッションユニット
570 後輪
580 エンジン
590 シート
600 衝撃検出フレーム
601 前端部
602,603 連結側部
604,605 主側部
606,607 上支持部
608,609 側部
611〜614 連結部材
615 支持部材
700 ECU
800 エアバッグ収納部
810 エアバッグ装置
820 エアバッグ
S1〜S3 衝撃センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向に延びるように形成された車体フレームと、
前記車体フレームの前端に設けられるヘッドパイプと、
前記ヘッドパイプの軸心に関して回転可能に設けられるフロントフォークと、
前記フロントフォークに回転可能に支持される前輪と、
前記ヘッドパイプよりも前方に突出するように前記車体フレームに固定される衝撃検出用フレームと、
前記衝撃検出用フレームに設けられ、前記衝撃検出フレームに加わる衝撃を検出する複数の衝撃検出器と、
前記複数の検出器の検出結果に基づいて展開されるエアバッグを含むエアバッグ装置とを備え、
前記衝撃検出用フレームは、前記車体フレームの前後方向の前端に位置する前端部と、前記車体フレームの前後方向において両側方に位置する第1および第2の側部とを有し、
前記複数の検出器は、前記第1および第2の側部にそれぞれ設けられる第1および第2の検出器と、前記衝撃検出用フレームの前記前端部に配置される第3の検出器とを含むことを特徴とする鞍乗り型車両。
【請求項2】
前記衝撃検出用フレームの前記第1および第2の検出器間の距離は、前記前輪の幅方向における前記フロントフォークの幅よりも大きいことを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両。
【請求項3】
前記車体フレームに設けられるシートをさらに備え、
前記エアバッグ装置は、前記シートと前記ヘッドパイプとの間に配置されることを特徴とする請求項1または2記載の鞍乗り型車両。
【請求項4】
前記第3の検出器は、前記車体フレームの前後方向において前記前輪の前端と同じ位置または前記前輪の前端よりも前方に配置されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の鞍乗り型車両。
【請求項5】
前記第1および第2の検出器は、前記車体フレームの前後方向において前記前輪の前端と後端との間に配置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の鞍乗り型車両。
【請求項6】
前記衝撃検出フレームは、前記前端部から前記第1および第2の側部に連続するように一体的に形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の鞍乗り型車両。
【請求項7】
前記第1の側部は、
第1の主側部、および
前記前端部と前記第1の主側部とを連結する第1の連結側部を含み、
前記第2の側部は、
第2の主側部、および
前記前端部と前記第2の主側部とを連結する第2の連結側部を含み、
前記第1の検出器は、前記第1の主側部および前記第1の連結側部の少なくとも一方に配置され、
前記第2の検出器は、前記第2の主側部および前記第2の連結側部の少なくとも一方に配置されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の鞍乗り型車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−250624(P2012−250624A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−124873(P2011−124873)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)