説明

音声合成情報付きのテキストデータ提供装置及びテキストデータ提供方法

【課題】利用者が求める任意の文章について任意に読み上げる操作を可能にして、利用者の意向に沿った操作によって利用者に便利なようにして音声読み上げのできる文章テキストを提供する。
【解決手段】利用者端末からの指示信号に基づいて複数のテキストデータを格納するデータベースから選択されたテキストデータを読み込み、テキストデータを構成する各文章テキストを判別し、発音記号列生成プログラムによって、文章テキスト毎に発音記号列を生成し、各文章テキストに生成した文章毎発音記号列を添付する。各文章テキストに文章毎発音記号列が添付されたテキストデータと、音声変換合成プログラムを送信手段から利用者端末に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声合成情報付きのテキストデータ提供装置及びテキストデータ提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットのホームページを含めたある種のテキストデータは、HTML(Hyper Text Markup Language)で記述される。
【0003】
テキストデータなどの文字データを音声データに変換する音声合成システムが存在する。
【0004】
特許文献1には、テキストデータを音声合成する音声合成装置が記載されている。
【0005】
特許文献2には、ホームページの文書を新規作成するか、または既存の文書を読み込んでホームページの文書とすることが記載され、文書の読み上げ範囲を指定して、読み上げ範囲タグを挿入し、読み上げ識別子により識別される読み上げ検出テキストプログラムに、音声読み上げ範囲を渡すことが記載されている。
【0006】
特許文献3には、取得したコンテンツの中で読み上げ箇所を特定し、特定した読み上げ箇所部分を音声データで読み上げて、ユーザに音声データで応答することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−140673号公報
【特許文献2】特開2001−109612号公報
【特許文献3】特開2003−99079号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来、Webサーバで、あるいはその他のサーバで選択されたテキストデータ、例えばホームページテキストデータについて音声合成プログラムを用いて音声データを生成し、テキストデータと共に利用者端末に送信し、利用者はその端末でテキストデータを閲覧する時に、音声読み上げ操作を行っていた。従来例にあっては、音声データを読み上げるツールは、利用者端末に内蔵されている。
【0009】
しかし、このようなツールを利用者端末にインストールするには、管理者権限が必要とされ、インストールという行為自体が面倒なために利用者に敬遠されて来た。
【0010】
特許文献2には、音声読み上げ範囲に、読み上げ範囲指定タグを挿入し、読み上げテキスト検出プログラムを識別するための読み上げテキスト識別子を読み上げ範囲指定タグの属性として指定することを行っているが、この例にあっても音声読み上げに当っては、音声読み上げのためのツールを利用者端末にインストールすることを要するものとなっている。
【0011】
利用者には、テキストデータの任意の位置にある文章を読み上げたいとする希望がある。このため、利用者の意向に沿った操作が求められる。読み上げのためのツールを利用者端末にインストールすることは面倒なために利用者に敬遠されるばかりでなく、従来例のようにサーバ側で一括して音声データに変換しているため、利用者が求める任意の位置、すなわち任意の文章について任意に読み上げを操作できず、読み上げはサーバ側で一括して変換した音声データ全体について読み上げがなされていて、利用者に意向に沿った操作がなされないでいる。また、既存の利用者端末で音声合成のためのツールがインストールされている場合にあっても、インストールされたツールを使用しなくても利用者の意向に沿った操作が求められる。
【0012】
本発明は、かかる点に鑑みて利用者が求める任意の文章について任意に読み上げる操作を可能にして、利用者の意向に沿った操作によって利用者に便利なようにして音声読み上げができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、Webページに記述されたテキストデータを音声合成情報に変換する音声合成情報変換手段を備えて、ネットワークを介してテキストデータと共に音声合成情報を利用者端末に提供する音声合成情報付きのテキストデータ提供装置において、
発音記号列生成プログラム及び発音記号列を音声データに変換合成する音声変換合成プログラムを格納するデータベースと、
利用者端末からの指示信号に基づいて複数のテキストデータを格納するデータベースから選択されたテキストデータを読み込み、前記発音記号列生成プログラムによって、テキストデータの文章テキスト毎に読む順序と読み方とからなる発音記号列を生成し、各文章テキストに生成した文章毎発音記号列を添付する文章毎発音記号列付きテキストデータ生成手段と、
文章毎発音記号列付きテキストデータ及び音声合成変換プログラムをネットワークを介して利用者端末に送信する送信手段と
を有することを特徴とする音声合成情報付きのテキストデータ提供装置を提供する。
【0014】
本発明は、また、上述した音声変換合成プログラムは、音声データを読み上げたい箇所としてテキストデータのいずれかの文章テキストが指示されると、当該文章テキストに添付された発音記号列を音声データに変換するプログラムであることを特徴とする音声合成情報付きのテキストデータ提供装置を提供する。
【0015】
本発明は、また、上述した発音記号列生成プログラムは、各文章テキストについて分割記号単位で文章テキストを区切って読む順序を読み方とからなる発音記号列を生成することを特徴とする音声合成情報付きのテキストデータ提供装置を提供する。
【0016】
本発明は、Webページに記述されたテキストデータを音声合成情報に変換する音声合成情報変換手段を備えて、ネットワークを介してテキストデータと共に音声合成情報を利用者端末に提供する音声合成情報付きのホームページテキストデータ提供装置による音声合成情報付きのテキストデータ提供方法において、
データベースに、発音記号列生成プログラム及び発音記号列を音声データに変換合成する音声変換合成プログラムを格納し、
文章毎発音記号列テキストデータ生成手段が、利用者端末からの指示信号に基づいて複数のテキストデータを格納するデータベースから選択されたテキストデータを読み込み、前記発音記号列生成プログラムによって、文章テキスト毎に発音記号列を生成し、各文章テキストに生成した文章毎発音記号列を添付し、
送信手段が、各文章テキストに文章毎発音記号列を添付したテキストデータ及び音声合成変換プログラムをネットワークを介して利用者端末に送信すること
を有することを特徴とする音声合成情報付きのテキストデータ提供方法を提供する。
【0017】
本発明は、また、上述した音声変換合成プログラムが、音声データを読み上げたい箇所としてテキストデータ内のいずれかの文章テキストが指示されると、当該文章テキストに添付された発音記号列を音声データに変換するプログラムであることを特徴とする音声合成情報付きのテキストデータ提供方法を提供する。
【0018】
本発明は、また、上述した発音記号列生成プログラムは、各文章テキストについて分割記号単位で文章テキストを区切って読む順序を読み方とからなる発音記号列を生成することを特徴とする音声合成情報付きのテキストデータ提供方法を提供する。
【0019】
本発明がホームページテキストデータに適用されるとき、上述のテキストデータをホームページテキストデータと読み替えるものとする。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、上述のように発音記号列生成プログラム及び音声変換合成プログラムを用いて、テキストデータ、例えばホームページテキストデータの文章テキスト毎に発音記号列を生成し、特定された文章テキストの文章毎発音記号列を、音声データに変換して、利用者端末で利用し易いようにしているので、従来のように音声データにするツールを利用者端末にインストールすることを要しない。しかも文章テキスト毎に文章毎発音記号列と音声データに変換する音声変換合成プログラムを利用者端末に送信するので、利用者は、任意の文章テキストについて任意に指示して読み上げする操作が可能となり、利用者の意向に沿ったテキストデータ、例えばホームページが提供されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施例を説明するブロック図。
【図2】音声合成情報付きのホームページテキストデータ提供装置の構成をブロックで示す図。
【図3】ホームページテキストの画面を示す図。
【図4】HTML形式の文章テキストの状態遷移を示すイメージ図。
【図5】図4に示すイメージをより具体的にして示す図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例】
【0023】
図1は、本発明の実施例を説明するブロック図である。
図1において、本発明の実施例の音声合成情報付きのホームページテキストデータ提供装置100は、サーバ1(サーバシステムという場合がある。)を含んで構成され、サーバ1にはWebサーバ2及び利用者端末がネットワーク4,5を介して接続されている。
本実施例は、ホームページを含む各種のコンテンツについてのテキストデータ提供に適用可能であるが、典型的な例としてのホームページについて説明する。
サーバ1とWebサーバ2とは一体のものとして構成されてもよいが、ここでは別体構成のものとして説明する。
【0024】
サーバ1は、後述するようにそのデータベースに発音記号列生成プログラム11及び音声変換合成プログラム12をデータベースに格納する。
【0025】
スクロールコントロールは、利用者端末のウィンドウ画面にコントロールパネル形体で表示され、コントロール形体を構成する制御項目をクリック(すなわちタッチ)することで画面制御を行うツールである。
【0026】
このような構成において、利用者は、利用者端末3からHTML文書形式のホームページの取得要求をネットワーク5を介してホームページテキストデータ提供装置100に行う。ホームページテキストデータ提供装置100は、ネットワーク4を介してWebサーバ2に取得要求する。Webサーバ2は、多数のホームページをデータベースに格納している。
【0027】
Webサーバ2は、取得要求された指示に基づいて該当のホームページを選択する。ホームページは、各種のホームページテキスト情報を含む。以下、このホームページテキスト情報をホームページテキストデータと称する。テキスト情報についてはテキストデータと称する。ホームページテキストデータは、複数の文章のテキストから(HTML文書)から構成される。ホームページテキストデータはブロック単位で形成されるのは普通であり、従って、ホームページテキストデータはブロック単位で抽出されうる。
【0028】
Webサーバ2は、選択されたホームページテキストデータをネットワーク4を介してホームページテキストデータ提供装置100に送信する。これらのデータはサーバ1に格納される。
【0029】
ホームページテキストデータ提供装置100は、サーバ1に格納されてデータに基づいて、送信されたホームページテキストのHTML文書を解析、音声データの元データとなる発音記号列(言語解析データ)を作成する。
【0030】
ホームページテキストデータ提供装置100は、発音記号列付きのホームページテキストデータの文章テキスト及び音声変換合成プログラムをネットワーク5を介して利用者端末3に送信する。
【0031】
利用者端末3は、送信された発音記号列を音声変換合成プログラムによって音声データとして、ホームページテキストデータの各文章テキストについての読み上げを行う。これによって、発音記号列から音声データが作成され、再生される。この音声データの再生のためのツールは利用者端末にインストールされず、発音記号列及び音声変換合成プログラムがホームページテキストデータ提供装置100から送信される。利用者端末3に既に音声データツールがインストールされているのを妨げない。
【0032】
このようにして、音声合成情報付きのホームページテキストデータ提供装置100を含んだホームページテキストデータ提供システム200が構成される。
【0033】
図2を用いて本実施例を更に詳述する。
図2は、音声合成情報付きのホームページテキストデータ提供装置100の構成をブロックで示す。
【0034】
図2において、音声合成情報付きのホームページテキストデータ提供装置100は、入力手段21、文章毎発音記号列付きホームページテキストデータ生成手段22、送信手段24、サーバ1に格納されたデータベース25及び画像表示手段26から構成され、これらの手段は通信回路27によって互いに結ばれ、データの授受がなされる。
【0035】
上述したように、音声合成情報付きホームページテキストデータ提供装置100は、ネットワーク4を介してWebサーバ2に接続され、ネットワーク5を介して利用者端末3に接続される。
【0036】
上述したように、Webサーバ2は、ホームページテキストデータ提供装置100からホームページの取得要求を受信し、該当のホームページの選択とホームページテキストデータの入力手段21への送信を行う。
【0037】
入力手段21は、選択されたホームページテキストデータを入力する。
【0038】
ホームページテキストデータは、HTML文書形式の文章テキストの集合体として形成され、1つの文章テキストであるHTML文書、すなわち1つの文書テキストは分割記号を備える。
【0039】
データベース25は、発音記号列生成プログラム、音声変換プログラムを格納し、文章毎発音記号列付きホームページテキストデータ生成手段22が生成した発音記号列付きホームページテキスト及び音声変換合成プログラムを格納する。
【0040】
文章毎発音記号列付きホームページテキストデータ生成手段22は、各文章テキストの分割記号を用いて、文書テキストをいくつかに区切ることを行う。
【0041】
各文章テキストについて、発音記号列生成プログラムを用いて、各文章テキストの発音記号列の生成を行い、ホームページテキストデータへの添付を行う。
【0042】
送信手段24は、文章テキスト毎に発音記号列が添付されたホームページテキストデータ及び音声変換合成プログラムを利用者端末3に送信する。
【0043】
生成されたこれらの文章テキスト毎の発音記号列が添付されたホームページテキストデータは、画像表示手段26の表示画面に表示される。
【0044】
以上のように、データベース25は、発音記号列生成プログラム及び発音記号列を音声データに変換合成する音声変換合成プログラムを格納する。文章テキスト毎の音声変換合成プログラムは、文章テキスト毎に生成された言語解析データから音声データを生成し、再生できるプログラムであり、ブラウザに常駐するだけで、利用者端末3にインストールしないため、ブラウザを閉じるとプログラムは消滅する。このプログラムは、このように、利用者端末3にインストールせずに、ブラウザ上で動作するプログラムである。文章毎発音記号列付きホームページテキストデータ生成手段22は、利用者端末3から指示信号に基づいて複数のテキストデータを格納するデータベースから選択されたホームページテキストデータを読み込み、ホームページテキストデータを構成する各文章テキストの分割記号を判読し、前記発音記号列生成プログラムによって、文章テキスト毎に発音記号列を生成し、各文章テキストに生成した文章毎発音記号列を添付する。
【0045】
音声変換合成プログラムは、音声データを読み上げたい箇所としてホームページテキストデータのいずれかの文章テキストが指示されると、当該文章テキストに添付された文章毎発音記号列を用い、各文章テキストを識別子として音声データに変換するプログラムである。
【0046】
図3は、表示されたホームページの表示例を示す。
画面に表示されるスクロールコントロールを制御して、文章テキストを特定して読み上げさせる。更に「巻き戻し」、「先送り」させることができる。
【0047】
利用者端末3は、文章毎の発音記号列付きホームページテキストデータ及び音声変換合成プログラムの送信を受け、スクロールコントロールから音声データとして読み上げたい文章テキストを画面上で指定を受ける。文書テキストの文頭に指定欄を形成しておくこともできる。文章テキスト自体が音声データとして読み上げることを識別するための識別子となる。送信された音声変換合成プログラムは、ブラウザ上でのプログラムとして動作し、識別子となった文章テキストについて音声データとして読み上げる。識別子の付いた文章テキストは複数指定することが可能である。
【0048】
このように、利用者端末3が送信された上述のデータに基づいて音声データを作成する。
【0049】
利用者端末3で音声データを生成することにより、必要なときに必要な箇所(すなわち文章テキスト)を指定して音声データを生成でき、利用者の意向に沿った読み上げ操作、読み上げが可能となる。
【0050】
図4は、HTML形式の文章テキストの状態遷移を示すイメージ図である。
【0051】
図4において、Webサーバ2からホームページテキストデータ提供装置100にホームページテキストデータの一部の文章テキストである“今日は、天気が良いので、散歩します。”が送信されたことを想定する。
【0052】
ホームページテキストデータ提供装置100の文章毎発音記号列付きホームページテキストデータ生成手段22は、データべースに格納されたプログラムで、「、」「。」など分割記号単位で文節を区切る。
【0053】
分割記号は、以下の8つの記号で定義される。
・「、」
・「。」
・「?」
・「?」
・「!」
・「!」
・「 」(全角スペース)
・「 」(半角スペース)
次いで、読む順序を示した番号(属性)と、読み方からなる発音記号列を付加することを行う。これによって発音記号列が付加される。
【0054】
生成した発音記号列をホームページテキストデータに添付し、送信手段から音声変換合成プログラムと共に利用者端末3へ送信する。
【0055】
利用者端末3では、音声変換プログラムによって、発音記号列から音声データを作成し、発話する。
【0056】
図5は、図4に示すイメージをより具体的にして示す。
読む順序を示した番号(属性)と読み方を付加した発音記号列を付加する。これによって、今日は天気が良いので、散歩します。というように発音記号列が付加された文章テキストが構成されることになる。
【0057】
利用者端末でブラウザを起動し、サーバに最初にアクセスした際に、音声変換合成プログラムは、ホームページテキストデータと一緒に利用者端末にダウンロードされる。ダウンロードした音声変換プログラムは利用者端末のブラウザ内に常駐(操作可能に保持)するため、2回目以降のアクセスについては、ホームページテキストデータのみが利用者端末にダウンロードされる。音声変換合成プログラムは、ブラウザに常駐するだけで、利用者端末にインストールされないため、ブラウザを閉じると消滅する。ブラウザを再度立ち上げ、サーバにアクセスすると、ホームページテキストデータと共に音声変換プログラムが再び利用者端末にダウンロードされる。
【0058】
図4及び図5において、ホームページテキストデータの文章テキストをHTML文書で実装する利点は次の通りである。
【0059】
・記述形式の構造上、文字列とその音声データの対応付けなど、データの加工が容易

・記述形式が世界標準であるため、(ほぼ)全てのコンテンツに対して、音声データ
を付加できる。
・HTML文章形式の表示プログラム(ブラウザ)と、それに付随するツール類(プ
ラグイン)が高機能であるため、他のテキストデータに比べて、加工が容易。
・画像や外部リンクなど、性質の異なるデータとテキストデータとを、ひとつのファ
イルに同居できる。
【0060】
図4、図5において、データベースには予め発音記号列生成プログラム及び発音記号列を音声データに変換合成する音声変換合成プログラムが格納される。利用者端末3からホームページの取得指示がホームページテキストデータ提供装置100経由でWebサーバ2になされ、Webサーバ2はこの指示に基づいてホームページを選択し、音声合成情報を利用者端末に提供するサーバに送信する。ホームぺージテキストデータ提供装置100は、選択されたホームページの文章テキストの読み込みを行う。発音記号列生成プログラムによって各文章テキストの分割記号の判別を行う。
【0061】
発音記号列生成プログラムによって発音記号列を生成する。これによって文章毎発音記号列が作成される。作成した文章毎発音記号列を文章テキストに添付する。文章テキストは文章テキスト毎に特定の文章テキストとされ、この特定の文章テキスト自体が識別子を構成する。
【0062】
特定された文章テキストの文章毎発音記号列からなるホームページテキストデータに、音声変換合成プログラムが添付される。
【0063】
生成された文章テキスト毎に発音記号列が生成されたホームページテキストデータ及び音声変換合成プログラムが利用者端末に送信される。これによって、利用者は、その利用者端末に目的としたホームページテキストデータ毎に生成された発音記号列及び音声変換合成プログラムを取得する。これらの発音記号列と音声変換合成プログラムは、ブラウザ上で動作されるデータ及びプログラムであり、利用者端末にインストールされることはない。
【0064】
本実施例によって、機能を向上させた音声読み上げが可能になる。これによって、高齢者をはじめ視力の弱い人や色の識別が苦手の人のアクセシビリティを改善できることになる。これによって、ホームページをより利用しやすくなる。
【0065】
利用者は、利用者端末の操作によって任意の文章テキストを指定して音声データの読み上げを指示する。この文章テキストが識別子の機能を有しているので、この文章テキストがこの文章テキストに添付されて来た発音記号列及び音声変換合成プログラムの機能・働きによって音声データに変換合成され、音声データでの読み上げがなされる。この音声データでの読み上げは、文章テキストについて読み上げ指示することによって繰り返して行うことができることになり、また任意の文章テキストを指定して、すなわち巻き戻し、先送りさせて行うことができることになる。
【0066】
以上のように、テキストデータとしてホームページテキストが用いられる時の音声合成情報のホームページテキストデータ提供方法は、次のステップによって構成される。
【0067】
データベースに、発音記号列生成プログラム及び発音記号列を音声データに変換合成する音声変換合成プログラムを格納するステップ
文章毎発音記号列付きホームページテキストデータ生成手段が、利用者端末から指示信号に基づいて複数のテキストデータを格納するデータベースから選択されたホームページテキストデータを読み込み、前記発音記号列生成プログラムによって、文章テキスト毎に発音記号列を生成し、各文章テキストに生成した文章毎発音記号列を添付するステップ
送信手段が、各文章テキストに文章毎発音記号列を添付したホームページテキストデータ及び音声合成変換プログラムをネットワークを介して利用者端末に送信するステップ
【0068】
このように、ホームページ(サーバ)側ではなく、利用者端末側で音声データを作成することで、課題の解決がなされる。利用者端末で音声データを作成することにより、必要なときに必要な箇所(分)だけ音声データを作成できるため、利用者の意向に沿った簡便な読み上げ操作や、音声読み上げが可能になる。
【符号の説明】
【0069】
1…サーバ、2…Webサーバ、3…利用者端末、4,5…ネットワーク、11…発音記号列(言語解析データ生成プログラム)、12…音声変換合成プログラム、21…入力手段、22…文章毎発音記号列付きホームページデータ生成手段、24…送信手段、25…データベース、100…音声合成情報付きのホームページテキストデータ提供装置、200…ホームページテキストデータ提供システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Webページに記述されたテキストデータを音声合成情報に変換する音声合成情報変換手段を備えて、ネットワークを介してテキストデータと共に音声合成情報を利用者端末に提供する音声合成情報付きのテキストデータ提供装置において、
発音記号列生成プログラム及び発音記号列を音声データに変換合成する音声変換合成プログラムを格納するデータベースと、
利用者端末からの指示信号に基づいて格納された複数のテキストデータから選択されたテキストデータを読み込み、前記発音記号列生成プログラムによって、テキストデータの文章テキスト毎に読む順序と読み方とからなる発音記号列を生成し、各文章テキストに生成した文章毎発音記号列を添付する文章毎発音記号列付きテキストデータ生成手段と、
文章毎発音記号列付きテキストデータ及び音声合成変換プログラムをネットワークを介して利用者端末に送信する送信手段と
を有することを特徴とする音声合成情報付きのテキストデータ提供装置。
【請求項2】
請求項1において、前記音声変換合成プログラムは、音声データを読み上げたい箇所としてテキストデータのいずれかの文章テキストが指示されると、当該文章テキストに添付された発音記号列を音声データに変換するプログラムであることを特徴とする音声合成情報付きのテキストデータ提供装置。
【請求項3】
請求項1において、前記音声変換合成プログラムが、利用者端末にインストールされず、そのブラウザ内に常駐し、ブラウザを閉じると消滅することを特徴とする音声合成情報付きのテキストデータ提供装置。
【請求項4】
請求項2において、前記発音記号列生成プログラムは、各文章テキストについて分割記号単位で文章テキストを区切って読む順序を読み方とからなる発音記号列を生成することを特徴とする音声合成情報付きのテキストデータ提供装置。
【請求項5】
Webページに記述されたテキストデータを音声合成情報に変換する音声合成情報変換手段を備えて、ネットワークを介してテキストデータと共に音声合成情報を利用者端末に提供する音声合成情報付きのテキストデータ提供装置による音声合成情報付きのテキストデータ提供方法において、
データベースに、発音記号列生成プログラム及び発音記号列を音声データに変換合成する音声変換合成プログラムを格納し、
文章毎発音記号列テキストデータ生成手段が、利用者端末からの指示信号に基づいて格納された複数のテキストデータから選択されたテキストデータを読み込み、前記発音記号列生成プログラムによって、文章テキスト毎に発音記号列を生成し、各文章テキストに生成した文章毎発音記号列を添付し、
送信手段が、各文章テキストに文章毎発音記号列を添付したテキストデータ及び音声合成変換プログラムをネットワークを介して利用者端末に送信すること
を有することを特徴とする音声合成情報付きのテキストデータ提供方法。
【請求項6】
請求項5において、前記音声変換合成プログラムが、音声データを読み上げたい箇所としてテキストデータ内のいずれかの文章テキストが指示されると、当該文章テキストに添付された発音記号列を音声データに変換するプログラムであることを特徴とする音声合成情報付きのテキストデータ提供方法。
【請求項7】
請求項5において、前記音声変換合成プログラムが、利用者端末にインストールされず、そのブラウザ内に常駐し、ブラウザを閉じると消滅することを特徴とする音声合成情報付きのテキストデータ提供方法。
【請求項8】
請求項5において、前記発音記号列生成プログラムは、各文章テキストについて分割記号単位で文章テキストを区切って読む順序を読み方とからなる発音記号列を生成することを特徴とする音声合成情報付きのテキストデータ提供方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−97033(P2013−97033A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237049(P2011−237049)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(596127554)日立公共システムエンジニアリング株式会社 (30)
【Fターム(参考)】