説明

音声画像再生装置及び動作制御方法

【課題】シーンに応じた使用により消費電力を低減することが可能な音声画像再生装置を提供すること。
【解決手段】音声画像再生装置は、エンコードされた画像データ及びエンコードされた音声データを含む音声画像データを記憶する記憶手段と、前記音声画像データに含まれる画像データ及び音声データを分離する分離手段と、前記分離された音声データをデコードする第1のデータ処理手段と、前記分離された画像データをデコードする第2のデータ処理手段と、前記デコードされた音声データを出力する音声出力手段と、前記デコードされた画像データを出力する画像出力手段と、所定の指示入力に基づき前記第1のデータ処理手段による音声データのデコードを実行し前記第2のデータ処理手段による画像データのデコードを停止する制御手段とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声画像データを再生する音声画像再生装置に関する。また、本発明は、このような音声画像再生装置に適用可能な動作制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、動画視聴可能なモバイル端末(音声画像再生装置)の普及が目覚しい。このようなモバイル端末においては、連続再生時間を長くしたいという要望が強く、これに伴い消費電力の低減を図るための様々な技術が提案されている。
【0003】
例えば、音声や動画などのマルチメディアデータが記録されたハードディスクドライブからデータを再生する際に、高速再生レートのデータなら通常モードで読み出し、低速再生レートのデータなら省電力モードで読み出すことにより、消費電力の最適化を図る技術が開示されている。
【特許文献1】特開2003−187517
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
昨今、音楽のプロモーションビデオなどのように、音楽だけでも楽しめるコンテンツが普及している。このようなコンテンツをバッテリや電池で駆動するモバイル端末で楽しむ場合、映像視聴に不向きな利用シーンでは、映像出力を停止し音楽だけを出力させたい。しかしながら、従来のモバイル端末は、映像出力中は必ず映像を見ていることを想定していため、映像出力中は画面を消すことはできない。
【0005】
このような音楽だけを聞きたい場合でも、映像のデコード及び出力を停止できないため、大変不便である。また、このような映像視聴に不向きな利用シーンにおいて、音楽だけを出力して消費電力を低減させたいという要望もある。
【0006】
本発明の目的は、上記課題を解決するためになされたものであり、シーンに応じた使用により消費電力を低減することが可能な音声画像再生装置及び動作制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の音声画像再生装置及び動作制御方法は、以下のように構成されている。
【0008】
(1)この発明の音声画像再生装置は、エンコードされた画像データ及びエンコードされた音声データを含む音声画像データを記憶する記憶手段と、前記音声画像データに含まれる画像データ及び音声データを分離する分離手段と、前記分離された音声データをデコードする第1のデータ処理手段と、前記分離された画像データをデコードする第2のデータ処理手段と、前記デコードされた音声データを出力する音声出力手段と、前記デコードされた画像データを出力する画像出力手段と、所定の指示入力に基づき前記第1のデータ処理手段による音声データのデコードを実行し前記第2のデータ処理手段による画像データのデコードを停止する制御手段とを備えている。
【0009】
(2)この発明の動作制御方法は、音声画像データに含まれる画像データ及び音声データを分離する分離手段と、前記分離された音声データをデコードする第1のデータ処理手段と、前記分離された画像データをデコードする第2のデータ処理手段と、前記デコードされた音声データを出力する音声出力手段と、前記デコードされた画像データを出力する画像出力手段とを備えた音声画像再生装置に適用可能な方法であって、所定の指示入力に基づき、前記第1のデータ処理手段による音声データのデコードを実行し、前記第2のデータ処理手段による画像データのデコードを停止する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、シーンに応じた使用により消費電力を低減することが可能な音声画像再生装置及び動作制御方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
【0012】
図1は、本発明の動画再生装置の概観の一例を示す図である。図2は、動画再生装置による音声及び映像の再生出力の流れを示す図である。図3は、動画再生装置による音声だけの再生出力の流れを示す図である。図4は、第1例の動作再生装置の概略構成を示す図である。図6は、第2例の動作再生装置の概略構成を示す図である。
【0013】
図4及び図6に示すように、動画再生装置は、CPU1、記憶部(HDD)2、メモリ(バッファ)3、DSP(デジタルサーボプロセッサ)4、DAC(デジタルアナログコンバータ)5、ディスプレイ6、スピーカ7、電源8、及び入力部9を備えている。
【0014】
最初に、図2及び図4を参照して、第1例の動画再生装置による音声及び映像の再生出力について説明する。この動画再生装置の記憶部2には、例えば、エンコードされた画像データ及びエンコードされた音声データを含むデジタル音声画像データが記憶される。このデジタル音声画像データは、例えば、インターネット経由で購入されたコンテンツである。このデジタル音声画像データとしては、例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)2、MPEG4、WMV(Windows Media Video)、H.264(ITU−T勧告H.264)、AC(Audio Code number)−3がある。つまり、この動画再生装置は、これらデジタル音声画像データをデコードする機能を備えている。
【0015】
CPU1の読み出し制御により、記憶部2に記憶されたデジタル音声画像データは、メモリ3に読み出される。メモリ3は、バッファとして機能する。即ち、メモリ3の記憶容量は、記憶部2の記憶容量より小さい。記憶部2がHDDであるとすると、デジタル音声画像データの再生中に、このHDDを常時駆動させておくのは電力消費の点で効率が悪い。そこで、HDDに記憶されたデジタル音声画像データのうちの一部データをメモリ3に読み出しておき、メモリ3に読み出された一部データを再生出力している間は、HDDの駆動を停止する(直に読み出し可能なようにHDDへの電力供給は停止しない)。或いは、HDDへの電力供給を停止する。これにより、電力消費を抑えることができる。メモリ3の容量を大容量化すればするほど、電力消費を抑えることができる。反面、動画再生装置のコストが上昇してしまう。そこで、この動画再生装置は、様々な電力消費抑制機能(後述する省電力モードA、B)を備えている。
【0016】
メモリ3に読み出されたデジタル音声画像データは、CPU1に供給される。CPU1は、デジタル音声画像データに含まれる画像データ及び音声データを分離する。つまり、CPU1は、映像部分と音声部分とを抽出する。さらに、CPU1は、分離された音声データをデコードし、デコードされた音声データ及びデコードされていない画像データをDSP4へ出力する。DSP4は、画像データをデコードし、デコードした画像データをディスプレイ6(ディスプレイ端子)へ出力するとともに、デコードされている音声データをDAC5へ出力する。つまり、CPU1によりデコードされた音声データは、DSP4を経由して出力される。DAC5は、デジタル音声データをアナログ音声データへ変換し、また必要に応じて増幅し、アナログ音声データをスピーカ7(スピーカ端子)へ出力する。
【0017】
以上により、ディスプレイ6により映像が出力され、スピーカ7により音声が出力される。ユーザは、映像と音声を同時に楽しむことができる。
【0018】
続いて、図3及び図4を参照して、音声だけの再生出力の流れについて説明する。音声だけを楽しみたい場合に、ユーザは、入力部9の音声再生ボタン(省電力モードボタン)9aを押下する。これに対応して、入力部9は、CPU1に対して省電力モードの指示を入力する。この省電力モードの指示に基づき、CPU1は、DSP4による画像データのデコードを停止する。つまり、CPU1は、デジタル音声画像データに含まれる画像データ及び音声データを分離し、分離された音声データをデコードし、デコードされた音声データ及びデコードされていない画像データをDSP4へ出力する。DSP4は、画像データをデコードすることなく(画像データを出力することなく)、デコードされている音声データをDAC5へ出力する。その結果、スピーカ7からは音声が出力されるが、ディスプレイ6には映像が出力されなくなり、電力消費を抑制することができる。
【0019】
さらに、図5を参照して、図4に示す動画再生装置による省電力モードA、Bについて説明する。入力部9の音声再生ボタン(省電力モードボタン)9aが所定時間押下され続けると(第1の時間の長押し操作)、入力部9は、CPU1に対して省電力モードAの指示を入力する。さらに、入力部9の音声再生ボタン(省電力モードボタン)9aが所定時間押下され続けると(第2の時間の長押し操作)、入力部9は、CPU1に対して省電力モードBの指示を入力する。この後、さらに、入力部9の音声再生ボタン(省電力モードボタン)9aが所定時間押下され続けると、入力部9は、再びCPU1に対して省電力モードAの指示を入力する。
【0020】
省電力モードAの指示に基づき、CPU1は、各部(DSP4、DAC5、ディスプレイ6、スピーカ7など)に電力を供給する。ディスプレイ6には、例えば「省電力モードA、まもなく画面が消えます」が案内表示される。CPU1は、所定時間経過後(例えば10秒後)にディスプレイ6への電力供給を停止し、記憶部2に記憶されたデジタル音声画像データのうちの所定再生時間分のデータをメモリ3にまとめて読み出し、記憶部2の動作を停止させる。CPU1は、メモリ3に読み出したデータが不足すると、再び、記憶部2を起動し、記憶部2に記憶されたデジタル音声画像データのうちの所定再生時間分のデータをメモリ3にまとめて読み出す。
【0021】
CPU1は、メモリ3からデジタル音声画像データを受け取り、このデジタル音声画像データに含まれる画像データ及び音声データを分離し、分離された音声データをデコードし、デコードされた音声データ及びデコードされていない画像データをDSP4へ出力する。DSP4は、画像データをデコードし、デコードされた画像データをディスプレイ6へ出力し、またデコードされている音声データをDAC5へ出力する。その結果、スピーカ7からは音声が出力されるが、ディスプレイ6への電力供給が断たれるため、ディスプレイ6には画像は表示されない。
【0022】
このように、記憶部2を必要時のみ動作させ、所定のタイミングでディスプレイ6への電力供給を断つことにより、電力消費を抑制することができる。また、DSP4は、常時、画像データをデコードしていることから、操作部9の操作入力により省電力モードAが解除され、通常視聴モード(音声+映像の出力)が実行され、ディスプレイ6に電力が供給されれば、即座に、ディスプレイ6には画像が表示される。つまり、通常視聴モードの実行に伴い、直に音声及び映像を楽しむことができる。
【0023】
また、省電力モードBの指示に基づき、CPU1は、各部(DSP4、DAC5、ディスプレイ6、スピーカ7など)に電力を供給する。ディスプレイ6には、例えば「省電力モードA、まもなく画面が消えます」が案内表示される。CPU1は、所定時間経過後(例えば10秒後)にディスプレイ6への電力供給を停止し、記憶部2に記憶されたデジタル音声画像データのうちの所定再生時間分のデータをメモリ3にまとめて読み出し、記憶部2の動作を停止させる。CPU1は、メモリ3に読み出したデータが不足すると、再び、記憶部2を起動し、記憶部2に記憶されたデジタル音声画像データのうちの所定再生時間分のデータをメモリ3にまとめて読み出す。
【0024】
CPU1は、メモリ3からデジタル音声画像データを受け取り、このデジタル音声画像データに含まれる画像データ及び音声データを分離し、分離された音声データをデコードし、デコードされた音声データ及びデコードされていない画像データをDSP4へ出力する。DSP4は、画像データをデコードすることなく(電源ON/デコードOFF)、デコードされている音声データをDAC5へ出力する。その結果、スピーカ7からは音声が出力されるが、ディスプレイ6には電力も映像も供給されない。
【0025】
このように、記憶部2を必要時のみ動作させ、DSPによるデコードを停止し、所定のタイミングでディスプレイ6への電力供給を断つことにより、電力消費を大幅に抑制することができる。また、DSP4には、常時、電力が供給されていることから、操作部9の操作入力により省電力モードBが解除され、通常視聴モード(音声+映像の出力)が実行され、ディスプレイ6に電力が供給されれば、即座に、DSP4による画像データのデコードが開始できる。つまり、通常視聴モードの実行に伴い、直に音声及び映像を楽しむことができる。
【0026】
次に、図2及び図6を参照して、第2例の動画再生装置による音声及び映像の再生出力について説明する。CPU1の読み出し制御により、記憶部2に記憶されたデジタル音声画像データは、メモリ3に読み出される。メモリ3は、バッファとして機能する。即ち、メモリ3の記憶容量は、記憶部2の記憶容量より小さい。記憶部2がHDDであるとすると、デジタル音声画像データの再生中に、このHDDを常時駆動させておくのは電力消費の点で効率が悪い。そこで、HDDに記憶されたデジタル音声画像データのうちの一部データをメモリ3に読み出しておき、メモリ3に読み出された一部データを再生出力している間は、HDDの駆動を停止する(直に読み出し可能なようにHDDへの電力供給は停止しない)。或いは、HDDへの電力供給を停止する。これにより、電力消費を抑えることができる。メモリ3の容量を大容量化すればするほど、電力消費を抑えることができる。反面、動画再生装置のコストが上昇してしまう。そこで、この動画再生装置は、様々な電力消費抑制機能(後述する省電力モードA、B、C)を備えている。
【0027】
メモリ3に読み出されたデジタル音声画像データは、CPU1に供給される。CPU1は、デジタル音声画像データに含まれる画像データ及び音声データを分離する。つまり、CPU1は、映像部分と音声部分とを抽出する。さらに、CPU1は、分離された音声データをデコードし、デコードされた音声データをDAC5へ出力し、デコードされていない画像データをDSP4へ出力する。DSP4は、画像データをデコードし、デコードした画像データをディスプレイ6(ディスプレイ端子)へ出力する。DAC5は、デジタル音声データをアナログ音声データへ変換し、また必要に応じて増幅し、アナログ音声データをスピーカ7(スピーカ端子)へ出力する。
【0028】
以上により、ディスプレイ6により映像が出力され、スピーカ7により音声が出力される。ユーザは、映像と音声を同時に楽しむことができる。
【0029】
続いて、図3及び図6を参照して、音声だけの再生出力の流れについて説明する。音声だけを楽しみたい場合に、ユーザは、入力部9の音声再生ボタン(省電力モードボタン)9aを押下する。これに対応して、入力部9は、CPU1に対して省電力モードの指示を入力する。この省電力モードの指示に基づき、CPU1は、DSP4による画像データのデコードを停止する。つまり、CPU1は、デジタル音声画像データに含まれる画像データ及び音声データを分離し、分離された音声データをデコードし、デコードされた音声データをDAC5へ出力し、デコードされていない画像データをDSP4へ出力する。DSP4は、画像データをデコードしない(画像データを出力しない)。その結果、スピーカ7からは音声が出力されるが、ディスプレイ6には映像が出力されなくなり、電力消費を抑制することができる。
【0030】
さらに、図7を参照して、図6に示す動画再生装置による省電力モードA、B、Cについて説明する。入力部9の音声再生ボタン(省電力モードボタン)9aが所定時間押下され続けると(第1の時間の長押し操作)、入力部9は、CPU1に対して省電力モードAの指示を入力する。さらに、入力部9の音声再生ボタン(省電力モードボタン)9aが所定時間押下され続けると(第2の時間の長押し操作)、入力部9は、CPU1に対して省電力モードBの指示を入力する。さらに、入力部9の音声再生ボタン(省電力モードボタン)9aが所定時間押下され続ける(第3の時間の長押し操作)、入力部9は、CPU1に対して省電力モードCの指示を入力する。この後、さらに、入力部9の音声再生ボタン(省電力モードボタン)9aが所定時間押下され続けると、入力部9は、再びCPU1に対して省電力モードAの指示を入力する。
【0031】
省電力モードAの指示に基づき、CPU1は、各部(DSP4、DAC5、ディスプレイ6、スピーカ7など)に電力を供給する。ディスプレイ6には、例えば「省電力モードA、まもなく画面が消えます」が案内表示される。CPU1は、所定時間経過後(例えば10秒後)にディスプレイ6への電力供給を停止し、記憶部2に記憶されたデジタル音声画像データのうちの所定再生時間分のデータをメモリ3にまとめて読み出し、記憶部2の動作を停止させる。CPU1は、メモリ3に読み出したデータが不足すると、再び、記憶部2を起動し、記憶部2に記憶されたデジタル音声画像データのうちの所定再生時間分のデータをメモリ3にまとめて読み出す。
【0032】
CPU1は、メモリ3からデジタル音声画像データを受け取り、このデジタル音声画像データに含まれる画像データ及び音声データを分離し、分離された音声データをデコードし、デコードされた音声データをDAC5へ出力し、デコードされていない画像データをDSP4へ出力する。DSP4は、画像データをデコードし、デコードされた画像データをディスプレイ6へ出力する。その結果、スピーカ7からは音声が出力されるが、ディスプレイ6への電力供給が断たれるため、ディスプレイ6には画像は表示されない。
【0033】
このように、記憶部2を必要時のみ動作させ、所定のタイミングでディスプレイ6への電力供給を断つことにより、電力消費を抑制することができる。また、DSP4は、常時、画像データをデコードしていることから、操作部9の操作入力により省電力モードAが解除され、通常視聴モード(音声+映像の出力)が実行され、ディスプレイ6に電力が供給されれば、即座に、ディスプレイ6には画像が表示される。つまり、通常視聴モードの実行に伴い、直に音声及び映像を楽しむことができる。
【0034】
また、省電力モードBの指示に基づき、CPU1は、各部(DSP4、DAC5、ディスプレイ6、スピーカ7など)に電力を供給する。ディスプレイ6には、例えば「省電力モードA、まもなく画面が消えます」が案内表示される。CPU1は、所定時間経過後(例えば10秒後)にディスプレイ6への電力供給を停止し、記憶部2に記憶されたデジタル音声画像データのうちの所定再生時間分のデータをメモリ3にまとめて読み出し、記憶部2の動作を停止させる。CPU1は、メモリ3に読み出したデータが不足すると、再び、記憶部2を起動し、記憶部2に記憶されたデジタル音声画像データのうちの所定再生時間分のデータをメモリ3にまとめて読み出す。
【0035】
CPU1は、メモリ3からデジタル音声画像データを受け取り、このデジタル音声画像データに含まれる画像データ及び音声データを分離し、分離された音声データをデコードし、デコードされた音声データをDAC5へ出力し、デコードされていない画像データをDSP4へ出力する。DSP4は、画像データをデコードしない(電源ON/デコードOFF)。その結果、スピーカ7からは音声が出力されるが、ディスプレイ6には電力も映像も供給されない。
【0036】
このように、記憶部2を必要時のみ動作させ、DSPによるデコードを停止し、所定のタイミングでディスプレイ6への電力供給を断つことにより、電力消費を大幅に抑制することができる。また、DSP4には、常時、電力が供給されていることから、操作部9の操作入力により省電力モードBが解除され、通常視聴モード(音声+映像の出力)が実行され、ディスプレイ6に電力が供給されれば、即座に、DSP4による画像データのデコードが開始できる。つまり、通常視聴モードの実行に伴い、直に音声及び映像を楽しむことができる。
【0037】
また、省電力モードCの指示に基づき、CPU1は、各部(DSP4、DAC5、ディスプレイ6、スピーカ7など)に電力を供給する。ディスプレイ6には、例えば「省電力モードA、まもなく画面が消えます」が案内表示される。CPU1は、所定時間経過後(例えば10秒後)にディスプレイ6への電力供給を停止し、さらに、DSP4への電力供給も停止し(DSP4の電源OFF)、記憶部2に記憶されたデジタル音声画像データのうちの所定再生時間分のデータをメモリ3にまとめて読み出し、記憶部2の動作を停止させる。CPU1は、メモリ3に読み出したデータが不足すると、再び、記憶部2を起動し、記憶部2に記憶されたデジタル音声画像データのうちの所定再生時間分のデータをメモリ3にまとめて読み出す。
【0038】
CPU1は、メモリ3からデジタル音声画像データを受け取り、このデジタル音声画像データに含まれる画像データ及び音声データを分離し、分離された音声データをデコードし、デコードされた音声データをDAC5へ出力し、デコードされていない画像データをDSP4へ出力する。DSP4には電力が供給されていないので、DSP4は画像データをデコードすることはできない(電源OFF/デコードOFF)。その結果、スピーカ7からは音声が出力されるが、ディスプレイ6には電力も映像も供給されない。
【0039】
このように、記憶部2を必要時のみ動作させ、DSPへの電力供給を停止し(電源OFF/デコードOFF)、所定のタイミングでディスプレイ6への電力供給を断つことにより、電力消費を大幅に抑制することができる。
【0040】
以上により、バッテリや電池で駆動する動画再生できる携帯端末(動画再生装置)において、動画再生中に映像出力を停止し音声再生だけを行う場合に、消費電力を軽減でき端末の動作時間を長くすることができる。
【0041】
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の動画再生装置の概観の一例を示す図である。
【図2】動画再生装置による音声及び映像の再生出力の流れを示す図である。
【図3】動画再生装置による音声だけの再生出力の流れを示す図である。
【図4】第1例の動作再生装置の概略構成を示す図である。
【図5】図4に示す第1例の動画再生装置による省電力モードA、Bを説明するための図である。
【図6】第2例の動作再生装置の概略構成を示す図である。
【図7】図6に示す第2例の動画再生装置による省電力モードA、B、Cを説明するための図である。
【符号の説明】
【0043】
1…CPU、2…記憶部(HDD)、3…メモリ(バッファ)、4…DSP(デジタルサーボプロセッサ)、5…DAC(デジタルアナログコンバータ)、6…ディスプレイ、7…スピーカ、8…電源、9…入力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンコードされた画像データ及びエンコードされた音声データを含む音声画像データを記憶する記憶手段と、
前記音声画像データに含まれる画像データ及び音声データを分離する分離手段と、
前記分離された音声データをデコードする第1のデータ処理手段と、
前記分離された画像データをデコードする第2のデータ処理手段と、
前記デコードされた音声データを出力する音声出力手段と、
前記デコードされた画像データを出力する画像出力手段と、
所定の指示入力に基づき前記第1のデータ処理手段による音声データのデコードを実行し前記第2のデータ処理手段による画像データのデコードを停止する制御手段と、
を備えたことを特徴とする音声画像再生装置。
【請求項2】
前記第1のデータ処理手段によりデコードされた音声データを前記第2のデータ処理手段を経由して前記音声出力手段へ供給する音声データ供給手段を備え、
前記制御手段は、所定の指示入力に基づき前記第1のデータ処理手段による音声データのデコードを実行し前記第2のデータ処理手段への電力供給を停止することなく前記第2のデータ処理手段による画像データのデコードを停止することを特徴とする請求項1に記載の音声画像再生装置。
【請求項3】
前記第1のデータ処理手段によりデコードされた音声データを前記第2のデータ処理手段を経由せず前記音声出力手段へ供給する音声データ供給手段を備え、
前記制御手段は、所定の指示入力に基づき前記第1のデータ処理手段による音声データのデコードを実行し前記第2のデータ処理手段への電力供給を停止し前記第2のデータ処理手段による画像データのデコードを停止することを特徴とする請求項1に記載の音声画像再生装置。
【請求項4】
前記第1のデータ処理手段によりデコードされた音声データを前記第2のデータ処理手段を経由せず前記音声出力手段へ供給する音声データ供給手段とを備え、
前記制御手段は、第1の指示入力に基づき前記第1のデータ処理手段による音声データのデコードを実行し前記第2のデータ処理手段への電力供給を停止することなく前記第2のデータ処理手段による画像データのデコードを停止し、第2の指示入力に基づき前記第1のデータ処理手段による音声データのデコードを実行し前記第2のデータ処理手段への電力供給を停止し前記第2のデータ処理手段による画像データのデコードを停止することを特徴とする請求項1に記載の音声画像再生装置。
【請求項5】
前記第1のデータ処理手段によりデコードされた音声データを前記第2のデータ処理手段を経由して前記音声出力手段へ供給する音声データ供給手段を備え、
前記制御手段は、第1の指示入力に基づき前記第1のデータ処理手段による音声データのデコードを実行し前記画像出力手段への電力供給を停止する第1の省電力モードの実行を制御し、第2の指示入力に基づき前記第1のデータ処理手段による音声データのデコードを実行し前記画像出力手段への電力供給を停止し前記第2のデータ処理手段への電力供給を停止することなく前記第2のデータ処理手段による画像データのデコードを停止する第2の省電力モードの実行を制御することを特徴とする請求項1に記載の音声画像再生装置。
【請求項6】
前記第1のデータ処理手段によりデコードされた音声データを前記第2のデータ処理手段を経由せず前記音声出力手段へ供給する音声データ供給手段とを備え、
前記制御手段は、第1の指示入力に基づき前記第1のデータ処理手段による音声データのデコードを実行し前記画像出力手段への電力供給を停止する第1の省電力モードの実行を制御し、第2の指示入力に基づき前記第1のデータ処理手段による音声データのデコードを実行し前記画像出力手段への電力供給を停止し前記第2のデータ処理手段への電力供給を停止することなく前記第2のデータ処理手段による画像データのデコードを停止する第2の省電力モードの実行を制御し、第3の指示入力に基づき前記第1のデータ処理手段による音声データのデコードを実行し前記画像出力手段への電力供給を停止し前記第2のデータ処理手段への電力供給を停止し前記第2のデータ処理手段による画像データのデコードを停止する第3の省電力モードの実行を制御することを特徴とする請求項1に記載の音声画像再生装置。
【請求項7】
第1の時間の長押し操作に対応して前記第1の指示を入力し、前記第1の時間と異なる第2の時間の長押し操作に対応して前記第2の指示を入力し、前記第1及び第2の時間と異なる第3の時間の長押し操作に対応して前記第3の指示を入力する入力手段を備えたことを特徴とする請求項6に記載の音声画像再生装置。
【請求項8】
前記画像出力手段は、前記第1の指示入力に基づき前記第1の省電力モードの実行を表示し、前記第2の指示入力に基づき前記第2の省電力モードの実行を表示し、前記第3の指示入力に基づき前記第3の省電力モードの実行を表示することを特徴とする請求項6に記載の音声画像再生装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記画像出力手段により前記第1の省電力モードの実行、前記第2の省電力モードの実行、又は前記第3の省電力モードの実行を表示してから所定時間経過後に、前記画像出力手段への電力供給を停止することを特徴とする請求項8に記載の音声画像再生装置。
【請求項10】
前記記憶手段の記憶容量より小さく、前記記憶手段に記憶された音声画像データの少なくとも一部を一時的に記憶しこの一時的に記憶した音声画像データを前記第1のデータ処理手段へ供給するバッファを備え、
前記制御手段は、前記記憶手段に記憶された音声画像データの少なくとも一部を読み出して前記バッファへ記憶させ、前記記憶手段からの音声画像データの読み出し不要期間において前記記憶手段への電力供給を停止することを特徴とする請求項1に記載の音声画像再生装置。
【請求項11】
音声画像データに含まれる画像データ及び音声データを分離する分離手段と、前記分離された音声データをデコードする第1のデータ処理手段と、前記分離された画像データをデコードする第2のデータ処理手段と、前記デコードされた音声データを出力する音声出力手段と、前記デコードされた画像データを出力する画像出力手段とを備えた音声画像再生装置に適用可能な動作制御方法であって、
所定の指示入力に基づき、前記第1のデータ処理手段による音声データのデコードを実行し、前記第2のデータ処理手段による画像データのデコードを停止する、
ことを特徴とする動作制御方法。
【請求項12】
前記音声画像再生装置は、前記第1のデータ処理手段によりデコードされた音声データを前記第2のデータ処理手段を経由して前記音声出力手段へ供給する音声データ供給手段を備え、
所定の指示入力に基づき、前記第1のデータ処理手段による音声データのデコードを実行し、前記第2のデータ処理手段への電力供給を停止することなく前記第2のデータ処理手段による画像データのデコードを停止することを特徴とする請求項11に記載の動作制御方法。
【請求項13】
前記音声画像再生装置は、前記第1のデータ処理手段によりデコードされた音声データを前記第2のデータ処理手段を経由せず前記音声出力手段へ供給する音声データ供給手段を備え、
所定の指示入力に基づき、前記第1のデータ処理手段による音声データのデコードを実行し、前記第2のデータ処理手段への電力供給を停止し前記第2のデータ処理手段による画像データのデコードを停止することを特徴とする請求項11に記載の動作制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−13438(P2007−13438A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−190098(P2005−190098)
【出願日】平成17年6月29日(2005.6.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WINDOWS
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】