説明

音声通信システムおよび音声通信端末

【課題】輸送手段において、非常事態が発生したときなどに、無線通信環境が悪い場合であっても、乗務員が最低限の情報を確実に乗客に伝えることが可能な音声通信システムを提供することができる。
【解決手段】音声通信サーバと、第1の音声通信端末と、第2の音声通信端末とを備え、音声通信サーバは第1の音声通信端末から受信した音声データを複数の音声パケットに分割して第2の音声通信端末へ通信回線を介して送信する音声通信システムであって、第1の音声通信端末から受信した音声データを認識する音声認識手段と、音声データにあらかじめ登録した所定のキーワードが含まれているか否かを判定するキーワード判定手段とを有し、音声データにキーワードが含まれている場合は、音声通信サーバは複数のすべての音声パケットにキーワードに関連した緊急情報を付加して第2の音声通信端末に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声をパケット化して伝送する有線および無線の音声通信システムに関し、特に、飛行機を始めとする輸送手段において、非常事態が発生したときなどに緊急通話、通報を行うことを可能にした音声通信システムおよび音声通信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
航空機などの移動手段においては、移動中に緊急事態などが発生した場合、乗務員同士および乗務員と乗客間で迅速かつ確実に必要な情報を伝達することが強く求められている。昨今、移動体内の通信は有線のイーサネット(登録商標)LANやIEEE802.11a/b/gなどの無線LANを使ったパケット通信が普及しつつある。
【0003】
ところで、デジタル通信において音声データ信号を伝送するにあたっては、所定のサンプリング周波数でパルスコード変調によりデジタル信号に変換して送受信が行われる。音声を忠実に伝送するためには、サンプリング周波数を高く設定すれば可能であるが、変換されたデジタル信号のデータ量が大きくなり過ぎて、通信を圧迫するなどの影響が大きい。このため、音声データを音声認識し、テキストデータ化し伝送することで、伝送する帯域を削減する音声通信方式が提案されている。具体的には、図9にブロック図で構成を示すような、音声データパケット伝送装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
図9に示すように、音声データパケット伝送装置902においては、送信端末904であらかじめ音声の特質成分のデータを蓄備しておき、これを呼び出し設定時に呼び出し設定メッセージに付加して受信端末906に送っておく。そして、通話時には送信端末904から音声のキャラクタ成分のデータのみをパケットデータとして受信端末906に送り、受信端末906では蓄積しておいた特質成分のデータとパケットデータからのキャラクタ成分のデータとから音声合成することが可能になる。これにより、音声のキャラクタ成分のデータは容量の少ないテキストデータ化ができ、さらにデータの圧縮も容易なので、伝送情報量を著しく減少させることを可能にしたものである。また、このような、音声データを音声認識処理し、テキストデータ化して伝送することで、伝送する帯域を削減する音声通信方式・装置に加えて、通信回線の伝送状況によって圧縮率を変化させる圧縮方式により、伝送容量を減少させる提案もされている。
【0005】
さらに、上述した音声データを含め、一般的に信号をパケット化して情報を送受信する通信においては、通信回線の状態や各種機器の故障などのトラブルにより、パケットロスと称する信号の欠落が起こったり、ノイズがパケット信号に重畳したりして、情報が正しく伝送されないことがある。このため、重要な情報に関する信号を複数のパケットそれぞれに付加して通信を行い、一部の信号にパケットロスが生じてもほかのパケットは正常に伝送できて、重要情報の欠落を防止する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平2−20148号公報
【特許文献2】特開2004−48474号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば、特許文献1に示されたように、音声データを音声認識し、テキストデータ化し伝送する音声データパケット伝送装置では、確かにデータ量を減少させて、回線などの通信環境への悪影響を抑えることは可能である。しかしながら、通信環境が悪くなって、たまたま緊急時の音声に対応したテキストデータのパケットが失われると、緊急情報はもはや伝達されないことになる。
【0007】
また、特許文献2に示されたように、重要情報の信号をそのまま、複数のパケットに付加して通信・伝送を行う方法では、通信データの量が必要以上に増大する場合があり、無線通信での電波状況が極端に悪くなった場合や、有線通信でもトラフィックが異常に増えたりした場合には、緊急性にもかわらず通信ができないという問題があり、解決が望まれていた。
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、非常事態が発生したときなどに、無線または有線での通信環境が悪い場合であっても、最低限の情報を確実に伝えることが可能な音声通信システムおよび音声通信端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の音声通信システムは、音声通信サーバと、第1の音声通信端末と、第2の音声通信端末とを備え、音声通信サーバは第1の音声通信端末から受信した音声データを複数の音声パケットに分割して第2の音声通信端末へ通信回線を介して送信する音声通信システムであって、第1の音声通信端末から受信した音声データを認識する音声認識手段と、音声データにあらかじめ登録した所定のキーワードが含まれているか否かを判定するキーワード判定手段とを有し、音声データにキーワードが含まれている場合は、音声通信サーバは複数のすべての音声パケットにキーワードに関連した緊急情報を付加して第2の音声通信端末に送信することを特徴とする。これにより、非常事態が発生したときなどに、通信環境が悪くパケットロスが発生するような状況であっても、乗務員が第1の音声通信端末から音声通信サーバを介して最低限の情報を確実に乗務員または乗客の第2の音声通信端末に伝えることが可能となる。
【0010】
また本発明の音声通信システムは、音声通信サーバは第2の音声通信端末との間の通信環境を測定する通信環境測定手段をさらに備え、音声通信サーバは通信環境が所定よりも悪い場合に、複数のすべての音声パケットに緊急情報を付加して第2の音声通信端末に送信するようにしてもよい。これにより、通信環境を測定し、通信環境が悪い場合のみにキーワードに関連した緊急情報を音声パケットに付加するので、通信環境がよい場合は、音声通信サーバに不要な処理負荷をかけることがない。さらに、通信路のトラフィックを必要以上に増やすことがないので安定な通信が行える。
【0011】
また本発明の音声通信システムは、第1の音声通信端末は音声通信サーバと無線通信回線の特定の無線チャンネルで接続され、音声通信サーバは無線チャンネルとは異なる無線チャンネルで第2の音声通信端末と通信してもよい。これにより、乗務員の使用する第1の音声通信端末(無線端末)から音声通信サーバまではより広帯域の無線チャンネルを使用することができるので、通信環境が悪い場合であっても確実に通信することが可能となる。さらに、第1の通信端末は無線端末であるので、乗務員の移動位置に関わりなく緊急時の通報が可能となる。
【0012】
また本発明の音声通信システムは、音声通信サーバは、音声データに複数種類のキーワードが含まれている場合には、あらかじめ設定した優先順位に従って、最も優先順位の高いキーワードに関連した緊急情報を複数のすべての音声パケットに付加するようにしてもよい。これにより、必要以上のキーワードを付加することによるトラフィックの増加を減らすことができる。
【0013】
また本発明の音声通信システムは、音声通信サーバは、音声データに含まれたキーワードを順次所定数だけ記憶する記憶手段をさらに備え、キーワードの数が所定数を越えた場合には、最も前に記憶したキーワードを削除し、最も後に認識したキーワードを記憶手段に記憶し、音声データの終了時において、記憶手段に記憶されたキーワードに関連する緊急情報を複数のすべての音声パケットに付加してもよい。これにより、音声データの中に多くのキーワードが含まれている場合でも、最新のキーワードが確実かつ効率的に送信することが可能となる。
【0014】
また本発明の音声通信システムは、複数のすべての音声パケットに付加する緊急情報はキーワードであってもよい。これにより、音声パケットを受信した音声通信端末は簡単にキーワードを再生できる。
【0015】
また本発明の音声通信システムは、複数のすべての音声パケットに付加する緊急情報はキーワードに対応する識別コードであってもよい。これにより、識別コードであれば数ビットと非常に少ない情報量で済むのでキーワード付加による通信路のトラフィックの増加を最小限にできる。
【0016】
また本発明の音声通信システムは、複数のすべての音声パケットに付加する緊急情報は複数のキーワードに関連する識別コードであってもよい。これにより、さらに効率よく緊急情報を音声通信端末に送信することができる。
【0017】
また本発明の音声通信システムは、第2の音声通信端末は、受信された音声パケットから緊急情報を抽出する緊急情報抽出手段と、抽出された緊急情報に基づいて音声を再生する音声再生手段を有し、音声パケットを受信した場合、パケットロスが所定よりも大きい場合には、抽出された緊急情報から音声を再生し出力することができる。これにより、受信時のパケットロスの状況に応じて、通常の音声データを再生するか、キーワードなどの緊急情報の繰り返し再生をするか否かを判断するので、効率的な緊急時の通報が可能となる。
【0018】
本発明の音声通信システムは、音声通信サーバと、第1の音声通信端末と、第2の音声通信端末とを備え、第1の音声通信端末は、音声データを複数の音声パケットに分割して音声通信サーバを経由して第2の音声通信端末へ通信回線を介して送信する音声通信システムであって、第1の音声通信端末は、音声データを認識する音声認識手段と、音声データにあらかじめ登録した所定のキーワードが含まれているか否かを判定するキーワード判定手段とを有し、第1の音声通信端末は、複数のすべての音声パケットにキーワードに関連した緊急情報を付加して第2の音声通信端末に送信することを特徴とする。これにより、緊急事態発生時に第1の音声通信端末を携帯して移動中の乗務員が、ほかの乗務員や乗客に対して緊急情報を迅速に通報することが可能となる。
【0019】
本発明の音声通信端末は、音声通信システムは音声通信端末が音声データを複数の音声パケットに分割し、音声通信サーバを経由してほかの音声通信端末へ通信回線を介して送信する音声通信システムにおいて、音声データを認識する音声認識手段と、音声データにあらかじめ登録した所定のキーワードが含まれているか否かを判定するキーワード判定手段とを有し、複数のすべての音声パケットにキーワードに関連した緊急情報を付加してほかの音声通信端末に送信することを特徴とする。
【0020】
また本発明の音声通信端末は、音声通信サーバとの間の通信環境を測定する通信環境測定手段をさらに備え、通信環境が所定よりも悪い場合に、複数のすべての音声パケットに緊急情報を付加してほかの音声通信端末に送信してもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、非常事態が発生したときなどに、無線または有線での通信環境が悪い場合であっても、最低限の情報を確実に伝えることが可能な音声通信システムおよび音声通信端末を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。
【0023】
(実施の形態1)
図1は本実施の形態における音声通信システムを概略的に示す構成図、図2は本実施の形態における音声通信システムの構成の概略を示すブロック図、図3は本実施の形態における音声通信システムの構成要素の各動作モードにおける動作を説明する図、図4は本実施の形態における音声通信システムの全体的な動作手順を示すフローチャート、図5は本実施の形態における音声通信システムのパケット化の概念を説明する図、図6は本実施の形態における音声通信システムの通常時および緊急時の動作手順を示すフローチャートである。なお、図1、図2においては、同じ構成要素には重複を避けるため同じ符号を付している。
【0024】
最初に、図1、図2、図3を参照して、本発明の実施の形態1における音声通信システムの構成について説明する。
【0025】
本実施の形態における音声通信システムは、飛行機に代表されるような輸送手段の客室内において、乗務員が固定電話や携帯中の移動無線端末を介してお互い同士通話したり、乗務員と乗客間で通話を行うことができるように構成されている。
【0026】
図1に示すように、音声通信システム100は音声通信サーバであるサーバ101と無線通信回線105を介して音声通信が可能な第1の音声通信端末である端末1(親機)102および第2の音声通信端末である端末2(子機)103、そしてサーバ101と有線通信回線106とを介して音声通信が可能な第1の音声通信端末である固定電話104で構成されている。固定電話104および端末1(親機)102を乗務員が、また客席に備わる端末2(子機)103を乗客が使用して通話・通報が行われる。なお、以降、端末1を親機102、端末2を子機103と呼ぶことがある。サーバ101を介して親機102と子機103は無線通信回線105で異なるチャネルA、Bで通信を行う。
【0027】
図2の上側部分に示すように、固定電話104が有線通信回線106で接続されたサーバ101は、パケット受信部110、音声復号部111、音声認識部112、キーワード(図面では「KW」と略記する)判定部113、キーワード辞書部114、音声符号化部115、キーワード符号化部116、音声パケット生成部117、通信制御部121、通信環境判定部122、パケット受信部123、パケット送信部124および無線アンテナ125を備えている。また、親機102、子機103は、音声入力部301、音声符号化部302、音声パケット生成部303およびパケット送信部304で構成される送信部300と、パケット受信部401、キーワード抽出部402、キーワード復号部403、音声復号部404および音声出力部405で構成される受信部400と、通信制御部501、内蔵マイクロホン503、内蔵スピーカ504および無線アンテナ502を備えている。サーバ101、および各端末のこれらの各構成要素の役割、機能については、本実施の形態における音声通信システムの動作の説明において述べる。
【0028】
続いて以下に、本実施の形態における音声通信システムの動作について説明する。本実施の形態における音声通信システムは、3種類の動作モード、すなわち、初期設定時のキーワード登録モード、無線通信環境が良好なときの通常通話・通報動作モード、無線通信環境が良好でないときの緊急通話・通報動作モードで動作するように構成されている。各動作モードにおける動作の流れの概略を図3に示す。
【0029】
始めに、初期設定時のキーワード登録モードを説明する。初期設定では、サーバ101のキーワード辞書部114に緊急通話・通報に必要な関連キーワードを登録する。このキーワードの登録はあらかじめROMなどに書き込んだものを使ってもよいし、外部マイク(図示せず)などを使用して実際の乗務員の声で登録してもよい。キーワードとしては、例えば、「火事です」、「緊急事態です」、「シートベルト着用」、「酸素マスク着用」などが挙げられる。
【0030】
次に、2番目の動作モードとなる無線通信環境が良好なときの通常通話・通報動作モードについて説明する。無線通信回線105を介してサーバ101の無線アンテナ125を経由して通信制御部121で受信された無線電波は通信環境判定部122で通信環境が判定される。この無線通信環境が良好と判定されたときは本発明の音声通信システムは通常通話・動作モードで動作する。通常通話・動作モードでは、輸送手段の乗務員は客室でサーバ101に接続された固定電話104または携帯中の親機102を使用して、乗務員が携帯中のほかの親機102や客席の子機103に通話・通報する。
【0031】
始めに、サーバ101に接続された固定電話104で、子機103に通話・通報する場合を説明する。図2において、乗務員が固定電話104に発話入力すると音声データは符号化、パケット化されてサーバ101のパケット受信部110に入力される。受信された音声パケットからデータを抽出して、音声復号部111で音声データに復号される。この音声データは音声認識部112によって音声情報が認識されてキーワード判定部113へ送られる。キーワード判定部113では、あらかじめキーワード辞書部114に登録されている緊急時のキーワードと比較して受信した音声データにキーワードが含まれているか否かを判定する。音声データおよびキーワードはそれぞれ音声符号化部115およびキーワード符号化部116で符号化される。その後、音声パケット生成部117でパケット化されるが、無線通信環境が良好な場合は、キーワードは無視され、音声データのみがパケット化される。パケット化された音声データはパケット送信部124および通信制御部121に順次送られ、無線アンテナ125経由してサーバ101から子機103に向けて無線送信される。子機103の無線アンテナ502で受信された音声パケットデータは通信制御部501を経てパケット受信部401に送られ、音声復号部404で復号された後、音声出力部405で増幅され子機103の内蔵スピーカ504から出力され、乗務員からほかの乗務員または乗客への通話・通報が行われる。
【0032】
一方、客席から乗務員への通話は、子機103からサーバ101を介して固定電話104または親機102への通信により行われる。乗客が子機103の内蔵マイクロホン503に発話入力すると、音声入力部301でアナログ電気信号に変換されてから、音声符号化部302で符号化される。その後、符号化された音声データは音声パケット生成部303でパケット化され、パケット化された音声データはパケット送信部304および通信制御部501に送られ、無線アンテナ502を経由して子機103からサーバ101に向けて無線送信される。そしてサーバ101を経由して固定電話または無線親機に送信される。
【0033】
また、無線通信環境が良好な通常のモードで固定電話104ではなく、親機102を用いて子機103に通話・通報する場合の動作では、乗務員から乗客への通話・通報を親機102→サーバ101→子機103の経路順で行い、乗客から乗務員への通話・通報を子機103→サーバ101→親機102の経路順で行うことができる。各構成要素における動作の処理手順は、上述した内容と重複する部分が多いので省略する。
【0034】
続いて、サーバ101の通信環境判定部122において、無線通信環境が良好でないと判定されたときの緊急通話・通報動作モード、すなわち、3番目の動作モードについて説明する。緊急通話・動作モードでは、親機102とサーバ101または子機103とサーバ101の間の無線音声通信が難しくなるので、輸送手段の乗務員は客室でサーバ101に接続された固定電話104を使用して、客席の子機103に通話・通報することが行われる。
【0035】
図2において、乗務員がサーバ101に接続された固定電話104に発話してから、発話音声がサーバ101に入力されて、音声パケット生成部117へ入力されるまでの処理は、上述した2番目の動作モードと同じである。このモードにおいては、音声データにキーワードが含まれていると、音声パケット生成部117において、音声符号化部115で符号化された音声データにキーワード符号化部116で符号化されたキーワードが付加されてパケット化される。しかも、音声データが複数のパケットに分割された場合に、このキーワードはすべてのパケットに付加されることになる。このパケット化処理については、後ほど詳しく説明する。
【0036】
パケットされたキーワード付加音声データは、パケット送信部124および通信制御部121に順次送られ、無線アンテナ125を経由してサーバ101から子機103に向けて無線送信される。子機103の無線アンテナ502で受信されたキーワード付加音声データパケットは通信制御部501を経てパケット受信部401に送られ、キーワード抽出部402でキーワードだけが抽出され、キーワード復号部403に送られる。そして、ほかの音声パケットデータは音声復号部404に送られ、パケット受信部401でのパケット受信状態に応じて、キーワードか音声データを選択し、音声出力部405で増幅され子機103の内蔵スピーカから出力され、乗務員から乗客への緊急通話・通報が行われる。
【0037】
なお、緊急通話・通報モードにおいても、乗務員は、サーバ101に有線通信回線接続された固定電話104のほかに、親機102を用いてほかの乗務員と固定電話を介して、あるいは乗客と子機103を介して緊急通話・通報を行うこともできる。このとき、入力されたキーワードを含む音声データは、親機102からサーバ101に上述したのと同様の動作手順により無線音声通信で伝送される。以後の処理も上述した固定電話104を用いる緊急通話・通報の処理と同じであるので、重複を避けるため説明を省略する。ただし、このとき、サーバ101を介して親機102との無線音声通信は、サーバ101と子機103との間の無線通信で用いる無線通信回線105の帯域とは異なる別の帯域を利用して無線音声通信を行うことが望ましい。乗務員専用の十分帯域の広い別の無線通信回線を利用することにより、サーバ101と子機(端末2)103では良好な受信ができない場合であっても、親機(端末1)102とサーバ101の間は安定な通信を行うことが可能となり、親機102からサーバ101までは確実に緊急情報を伝送することができる。
【0038】
引き続き、図4、図5、図6を参照しながら、本実施の形態における音声通信システムの動作および処理の流れを説明する。全体的な動作および処理手順の流れを図4を参照しながら説明する。
【0039】
図4において、音声通信システム100を動作させると、最初にキーワードの登録/更新処理実行してシステムを初期化するか否かの判定が行われる(ステップS10)。初期化する必要があるときは、音声通信システム100を初期化する処理が実行される(ステップS11)。初期化の必要がないときは、音声通信システム100のサーバ101に備わる通信環境判定部122により、音声通信システム100で使用するサーバ101、親機102、子機103の間の無線通信回線105の環境の良否判定が行われる(ステップS12)。無線通信環境が良好と判定されれば、通常の通話通報処理が行われ(ステップS13)、無線通信環境が良好ではないと判定されれば、緊急通話通報処理モードでの通話、通報が実行される(ステップS14)。通常の通話通報処理、緊急の通話通報処理ともそれぞれの処理の手順の詳細については後述する。通常の通話通報処理、緊急の通話通報処理を実行した後は、音声通信システム100を継続して動作させるか否かの判定が行われ(ステップS15)、継続動作させるときはステップS12に戻って上述したステップS12からステップS15までの処理が繰り返される。継続動作させないときは、音声通信システム100の動作を停止させる。以上が、本実施の形態における音声通信システムの全体的な動作および処理の流れの概略である。
【0040】
次に、乗務員からの音声情報をパケット化する方法について図5を参照しながら説明する。図5において、(a)は乗務員から発話された音声のアナログ音声信号波形、(b)は符号化音声データ、(c)はパケット化音声データ、(d)はキーワード付加音声パケットデータ、(e)は音声パケットのデータ構成をそれぞれ示す。
【0041】
乗務員から発話されたキーワード音声信号702を含むアナログ音声信号701は音声データ703に符号化され、この音声データ703が複数のパケットデータに分割される。本実施の形態では、一例として3個のパケットに分割され、キーワード音声信号702がキーワード704として音声データ703の1番目の音声パケットデータに含まれている例を示す。この音声データが音声認識部112で音声認識処理されて、キーワード判定部113でキーワード704のみが抽出されて、すべてのパケットデータの先頭部分に付加される。最後にすべてのパケットデータの先頭にパケットの管理情報を含むヘッダー(H)および最後尾にエラー検出のためのCRCなどが付加されて音声パケットが構成される。このように、乗務員の音声データパケットすべてにキーワードが付加されているので、仮に無線環境が悪く、パケットロスが発生した場合でも、キーワードのみは必ず乗客の無線端末に伝送できることになる。例えば、(d)の3つのパケットの中で、1番目と2番目のパケットが欠落した場合でも、3番目のパケットを受信できればキーワードの復元が可能である。
【0042】
ところで、乗務員から発話された音声データをパケット化するにあたり、音声データの区切りが問題となる。この区切りとしては、例えば、その都度、乗務員が設定する、一定時間無音が続いたことを検出して区切りとする、事前にマニュアルで所定時間を設定しておく、次のキーワードを認識して区切りとする、あるいは通話の切り替わりで区切りとする等々の方法が考えられる。
【0043】
引き続き、音声通信システム100の全体的な動作および処理の流れの概略を示す図4におけるステップS13の通常の通話・通報処理および、ステップS14の緊急の通話・通報処理それぞれの手順の詳細について、図6を参照しながら説明する。
【0044】
乗務員が親機102またはサーバ101に有線通信回線接続された固定電話104に音声を入力して音声通信システム100の処理を開始する(ステップS21)。サーバ101が音声を受信し(ステップS22)、音声認識処理を実行し(ステップS23)、音声データがキーワードを含んでいるか否かを判定する(ステップS24)。キーワードを含んでいない場合は、音声データをそのままパケット化し(ステップS26)、サーバ101から端末1へパケットデータが送信されて(ステップS27)、子機で音声パケットデータを受信し(ステップS28)、音声化して子機スピーカから出力する(ステップS29)。一方、音声データにキーワードが含まれている場合は、サーバ101に備わる通信環境判定部122により、音声通信システム100で使用するサーバ101、親機102、子機103の間の無線通信回線105の環境の良否判定が行われる(ステップS25:図4のステップS12に相当)。無線通信環境が良好と判定されれば、ステップS26へ移行し、図4にステップS13で示した通常の通話通報処理が行われる。
【0045】
次に、ステップS25において、無線通信環境が良好でないと判定されれば、図4にステップS14で示した緊急の通話通報処理が行われる。すなわち、すべての音声パケットデータにキーワードが付加され(ステップS30)、サーバ101から端末2(子機)103へパケットデータが送信されて(ステップS31)、子機103で音声パケットデータを受信する(ステップS32)。ステップS33において、受信パケットロスが大きいか否かを判定する。そして、受信パケットロスが所定よりも小さければ通常通り音声パケットデータを音声化し、子機スピーカから出力する(ステップS35)。一方、受信パケットロスが所定値よりも大きければ、子機でキーワードを抽出し、音声化してスピーカから繰り返し出力する。これにより、無線通信環境が悪い場合でも、キーワードを乗客に確実に伝えることができる。
【0046】
なお、上記の動作フローでは、無線通信環境の判定処理を音声認識処理の後に行ったが、これに限定されるものではなく、この順番を入れ替えてもよい。すなわち、まず無線通信環境の判定を行い、無線通信環境が良好出ない場合のみ音声認識処理を行うようにしてもよい。こうすることにより、無線通信環境が良好な場合のサーバ101の処理負荷を低減することができる。
【0047】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態1と実施の形態2の異なる点は、実施の形態1が最初に通信無線環境を確認し、環境がよくないときのみ、キーワードを音声データに付加したが、実施の形態2では、通信環境の如何に関わらず、すべての音声データパケットにキーワードを付加する点である。そして、音声データを受信した子機は、パケットロスの状況を見ながら、キーワードを繰り返し出力するか、否かを判定する。このような構成にすれば、急激に無線環境が変化したり、乗客の位置によって無線環境に偏りがある場合にも確実に乗客に緊急情報を伝えることが可能となる。
【0048】
図7は、本実施の形態における音声通信システム100の動作を示すフローチャートである。実施の形態1と同じ処理には同じ符号を付して説明を省略する。図7に示すように、本実施の形態における音声通信システム100では、実施の形態1における動作フローのサーバ101での無線通信環境が良好か否かを判定する処理が省略されている。すなわち、サーバ101では無線通信環境が良好か否かに関わらず常にすべての音声パケットデータにキーワードを付加している。
【0049】
以上説明したように、本実施の形態における音声通信システムにおいては、音声入力された音声データをパケット化するにあたり、音声認識された音声データからキーワードを判定して、音声パケットのすべてにキーワードを付加して、無線通信により子機に伝送する。これにより、無線通信環境が良好でないときにパケットロスが発生したとしても、子機は受信できたいくつかのキーワード付加音声パケットからキーワードを抽出してキーワードの音声を再生することができ、最重要情報を欠落させることなく緊急通話・通報をすることができる。
【0050】
(実施の形態3)
次に、実施の形態1および実施の形態2におけるサーバ1が備える音声認識、キーワード判定、キーワード符号化、キーワード付加などの機能を音声通信端末の親機が持つ実施の形態3の通話システムについて説明する。
【0051】
図8は本実施の形態における音声通信端末の親機202のブロック構成図である。図8において、図2の親機102と同じ機能を持つ構成には同じ符号を付して説明は省略する。すなわち、親機202の送信部は、音声入力部301、音声認識部310、キーワード判定部311、キーワード辞書部312、キーワード符号化部313、音声符号化部302、音声パケット生成部314、パケット送信部304および通信環境判定部315で構成される。親機202の送信部の動作については実施の形態2のサーバ101の送信時の動作と同じであるので説明は省略する。
【0052】
なお、本実施の形態の場合も、実施の形態1と同様に、音声パケットにキーワードを付加するかの判断を通信環境判定部315で判定された通信状態に基づいて行ってもよいし、実施の形態2のように通信状態に関わらずキーワードを付加するようにしてもよい。このように、キーワードを認識し、認識したキーワードを音声パケットに乗せて送信する機能を通信端末側が持つことにより、乗務員が移動中に緊急事態を発見したような場合に、わざわざ固定電話まで行って通話をする必要がないので、緊急時の対応を迅速に行うことができる。
【0053】
以上説明したように、本発明の音声通信システムおよび音声通信端末によれば、航空機などの移動体が移動中に、火事、急病、事故などの非常事態が発生したときなどに、無線または有線での通信環境が悪い場合であっても、乗務員同士あるいは乗務員と乗客間で最低限の情報を確実に伝えることができ、迅速な対応が可能となる。
【0054】
なお、上記実施の形態の説明では、緊急時にキーワードを認識した場合には、このキーワードそのものをすべての音声パケットに付加して送信するとしたが、キーワードに対応する特定の識別コードを付加するようにしてもよい。識別コードであれば数ビットと非常に少ない情報量で済むのでキーワード付加による通信路のトラフィックの増加を最小限にできる。また、キーワードと識別コードの対応は、必ずしも1対1である必要はなく、関連キーワードを1つの識別コードに対応させてもよい。例えば、火事に対応する「火事」「煙」、「熱い」などの複数のキーワードを1つの識別コードに対応させれば、関連キーワードが通話の中に複数含まれている場合でも、付加情報を不要に増加させることがない。識別コードでキーワードを送った場合は、受信側はこの識別コードからキーワードや関連する緊急情報に変換する変換テーブルなどを準備しておき、音声出力部から出力すればよい。
【0055】
また、上記実施の形態の説明では、子機103側でパケットロスが所定よりも大きい場合には、常にキーワードを繰り返し出力するとしたが、例えば、すべてのパケットのヘッダーにキーワードがもともと含まれていた音声データのパケットを識別できる情報を付加しておき、そのパケットがロスした場合のみに、キーワードを繰り返し出力をするようにしてもよい。こうすることにより、緊急時にキーワード以外の情報も乗客に伝達できるので、乗客は状況をより詳しく把握できる。
【0056】
また、上記実施の形態の説明では、乗務員からの発話に含まれるキーワードは1種類の場合について説明したが、2種類以上含まれていてもよい。この場合は、それぞれのキーワードの重要性を判定する処理をさらに追加し、最も重要なもののみを全パケットに付加するようにしてもよい。さらには、音声パケットに付加するキーワードは1種類でなく複数でもよい。この場合は、認識した所定個数のキーワードを1次記憶するメモリ領域を設定しておき、メモリ領域が一杯になった時点で古いキーワードや重要度の低いキーワードを削除するようにしてもよい。このようにすることにより、必要以上のキーワードを付加することによるトラフィックの増加を減らすことができる。また、メモリ領域に記憶するのは、キーワードでなく前述の認識コードでもよいことは言うまでもない。
【0057】
また、上記実施の形態においては、キーワード判定部では、あらかじめキーワード辞書部に登録されたキーワードとの内容比較のみでキーワードが含まれているか否かを判定したが、さらに発話者を特定する処理を加えてもよい。こうすることにより、あらかじめ乗務員の声でキーワードを登録しておき、乗務員以外の発話は無視するようにしてもよい。このようにすることにより、乗客などが誤ってキーワードを発話しても反応しないようにでき、無用な混乱を回避することが可能となる。
【0058】
また、上記実施の形態においては、キーワードはすべての音声パケットに付加すると説明したが、常にすべてのパケットに付加するのではなく、無線通信環境の状態によって、キーワードを付加するパケットの割合を変更してもよい。これにより、効率的な音声緊急通報が可能となる。
【0059】
さらに、上記実施の形態においては、サーバ101と親機102、202および子機103の間は無線通信回線で接続されているとして説明したが、有線通信回線で接続されていてもよい。有線通信回線では回線のトラフィック状況や周囲のノイズ環境によって、パケットロスが発生するが、この場合も同様に緊急情報を迅速、確実に伝送可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明の音声通信システムは、飛行機を始めとする輸送手段に限ることなく、ホテルや旅館などの宿泊施設のフロントと客室間の、あるいは集合住宅における管理人室と各戸住居の間の音声通信システムなどに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施の形態1における音声通信システムを概略的に示す構成図
【図2】本発明の実施の形態1における音声通信システムの構成の概略を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態1における音声通信システムの構成要素の各動作モードにおける動作を説明する図
【図4】本発明の実施の形態1における音声通信システムの全体的な動作および処理手順を示すフローチャート
【図5】は本発明の実施の形態1における音声通信システムのパケット化の概念を説明する図
【図6】本発明の実施の形態1における音声通信システムの通常時および緊急時の動作手順を示すフローチャート
【図7】本発明の実施の形態2における音声通信システムの通常時および緊急時の動作手順を示すフローチャート
【図8】本発明の実施の形態3における音声通信端末の親機のブロック構成図
【図9】従来の音声通信システムの構成の概略を示すブロック図
【符号の説明】
【0062】
100 音声通信システム
101 サーバ(音声通信サーバ)
102,202 端末1(親機:第1の音声通信端末)
103 端末2(子機:第2の音声通信端末)
104 固定電話(第1の音声通信端末)
105 無線通信回線
106 有線通信回線
110,123,401 パケット受信部
111,404 音声復号部
112,310 音声認識部
113,311 キーワード判定部
114,312 キーワード辞書部
115,302 音声符号化部
116,313 キーワード符号化部
117,303 音声パケット生成部
121,501 通信制御部
122,315 通信環境判定部
124,304 パケット送信部
125,502 無線アンテナ
300 送信部
400 受信部
402 キーワード抽出部
403 キーワード復号部
405 音声出力部
503 内蔵マイクロホン
504 内蔵スピーカ
902 音声データパケット伝送装置
904 送信端末
906 受信端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声通信サーバと、第1の音声通信端末と、第2の音声通信端末とを備え、
前記音声通信サーバは前記第1の音声通信端末から受信した音声データを複数の音声パケットに分割して前記第2の音声通信端末へ通信回線を介して送信する音声通信システムであって、
前記第1の音声通信端末から受信した音声データを認識する音声認識手段と、
前記音声データにあらかじめ登録した所定のキーワードが含まれているか否かを判定するキーワード判定手段とを有し、
前記音声データに前記キーワードが含まれている場合は、前記音声通信サーバは前記複数の音声パケットすべてに前記キーワードに関連した緊急情報を付加して前記第2の音声通信端末に送信することを特徴とするム音声通信システム。
【請求項2】
前記音声通信サーバは前記第2の音声通信端末との間の通信環境を測定する通信環境測定手段をさらに備え、
前記音声通信サーバは前記通信環境が所定よりも悪い場合に、前記複数の音声パケットすべてに前記緊急情報を付加して前記第2の音声通信端末に送信することを特徴とする請求項1に記載の音声通信システム。
【請求項3】
前記第1の音声通信端末は前記音声通信サーバと無線通信回線の特定の無線チャンネルで接続され、前記音声通信サーバは前記無線チャンネルとは異なる無線チャンネルで前記第2の音声通信端末と通信することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の音声通信システム。
【請求項4】
前記音声通信サーバは、前記音声データに複数種類のキーワードが含まれている場合には、あらかじめ設定した優先順位に従って、最も優先順位の高いキーワードに関連した緊急情報を前記複数の音声パケットすべてに付加することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の音声通信システム。
【請求項5】
前記音声通信サーバは、前記音声データに含まれたキーワードを順次所定数だけ記憶する記憶手段をさらに備え、前記キーワードの数が所定数を越えた場合には、最も前に記憶したキーワードを削除し、最も後に認識したキーワードを前記記憶手段に記憶し、前記音声データの終了時において、前記記憶手段に記憶されたキーワードに関連する緊急情報を前記複数の音声パケットすべてに付加することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の音声通信システム。
【請求項6】
前記複数の音声パケットすべてに付加する前記緊急情報はキーワードであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の音声通信システム。
【請求項7】
前記複数の音声パケットすべてに付加する前記緊急情報はキーワードに対応する識別コードであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の音声通信システム。
【請求項8】
前記複数の音声パケットすべてに付加する緊急情報は複数のキーワードに関連する識別コードであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の音声通信システム。
【請求項9】
前記第2の音声通信端末は、受信された音声パケットから前記緊急情報を抽出する緊急情報抽出手段と、前記抽出された緊急情報に基づいて音声を再生する音声再生手段を有し、前記音声パケットを受信した場合、パケットロスが所定よりも大きい場合には、前記抽出された緊急情報から音声を再生し出力することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の音声通信システム。
【請求項10】
音声通信サーバと、第1の音声通信端末と、第2の音声通信端末とを備え、
前記第1の音声通信端末は、音声データを複数の音声パケットに分割して前記音声通信サーバを経由して前記第2の音声通信端末へ通信回線を介して送信する音声通信システムであって、
前記第1の音声通信端末は、
前記音声データを認識する音声認識手段と、
前記音声データにあらかじめ登録した所定のキーワードが含まれているか否かを判定するキーワード判定手段とを有し、
前記第1の音声通信端末は、前記複数の音声パケットすべてに前記キーワードに関連した緊急情報を付加して前記第2の音声通信端末に送信することを特徴とする音声通信システム。
【請求項11】
音声通信端末が音声データを複数の音声パケットに分割し、音声通信サーバを経由してほかの音声通信端末へ通信回線を介して送信する音声通信システムにおいて、
前記音声データを認識する音声認識手段と、
前記音声データにあらかじめ登録した所定のキーワードが含まれているか否かを判定するキーワード判定手段とを有し、
前記複数の音声パケットすべてに前記キーワードに関連した緊急情報を付加して前記ほかの音声通信端末に送信することを特徴とする音声通信端末。
【請求項12】
前記音声通信サーバとの間の通信環境を測定する通信環境測定手段をさらに備え、
前記通信環境が所定よりも悪い場合に、前記複数の音声パケットすべてに前記緊急情報を付加して前記ほかの音声通信端末に送信することを特徴とする請求項11に記載の音声通信端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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