説明

音響収束ハードウェアおよび実装のためのシステムおよび方法

音響収束毛細管は、溝を有する少なくとも1つの振動供給源に結合された毛細管を含む。音響収束毛細管を製造する方法は、毛細管と少なくとも1つの振動供給源とを提供することと、該振動供給源内に溝を機械加工することと、該溝において該少なくとも1つの振動供給源を該毛細管に連結することとを含む。別の方法は、粒子流を収束させることに関し、毛細管の外側領域の中へシース流体を流すことと、毛細管の中央コアの中へ、粒子流を流すことと、毛細管に沿った第1の位置において、粒子流に音響放射圧を印加することによって、粒子流を音響的に粒子を収束させることとを含む。粒子流は、第1の位置の下流の毛細管に沿った第2の位置において流体力学的に収束させることによってさらに収束され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する相互参照)
本願は、2008年1月16日に出願された、Kaduchakに対する「System and Method for Acoustic Focusing Hardware and Implementations」という名称の米国仮特許出願第61/021,443号に対する優先権を主張し、この仮特許出願に対する利益を主張する。本願は、2008年9月11日に出願された、「System and Method for Acoustic Focusing Hardware and Implementations」という名称の米国特許出願第12/209,084号に対する優先権を主張し、上記仮特許出願および上記特許出願の両方は、それら全体が本明細書において参照により援用される。
【0002】
(発明の背景)
(発明の分野(技術分野))
本発明の実施形態は、音響サイトメトリに関し、より具体的には、音響収束ハードウェアおよび実装に関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
以下の考察は、作成者による複数の刊行物および刊行年に言及していること、および最新の刊行日のため、ある刊行物は、本発明に対する先行技術として考慮されないことに留意されたい。本明細書でのこのような刊行物の考察は、より完全な背景に対して与えられ、かつこのような刊行物が、特許性の判定目的のための先行技術であることを認めるものとして考慮されない。
【0004】
フローサイトメトリは、主として生命科学研究および薬剤の無数の用途における粒子および細胞の分析のための強力なツールである。該手法の分析的な強みは、毎秒数千個を超える粒子の割合で、間断なく、一般的に単一または複数のレーザである光源の収束スポットを通して、単一粒子(細胞、バクテリア、およびウイルス等の生体粒子)をパレードさせるその能力にある。この焦点スポットにおける大きい光子束は、粒子による光の散乱、および/または粒子からの、または回収して分析することができる粒子に取り付けられるラベルからの光の放射を生成する。これは、粒子または細胞の集団に関する統計情報に迅速に活用することができる、個々の粒子に関する豊富な情報をユーザに与える。
【0005】
従来のフローサイトメトリでは、粒子は、レーザが、レーザビームをチャネル内のコア直径を含む収束点に導く収束検査点を通って流される。粒子を含有するサンプル流体は、サンプルの容量率の約100倍〜1000倍の非常に高い容量率で、シース流体をサンプル流の周囲に流すことによって、約10マイクロメートル〜50マイクロメートルの非常に小さいコア直径まで、流体力学的に収束される。これは、毎秒約数メートルの、収束粒子の非常に速い線速度をもたらす。その結果、これは、各粒子が、励起スポットにおいて、しばしばわずか1マイクロ秒〜10マイクロ秒の非常に限られた時間を費やすことを意味する。流体力学的シース流体の線フローが停止されると、粒子はもはや収束されない。流体力学的シース流体のフローを再開するだけで、粒子は再収束する。さらに、粒子が検査点を通過すると、線フロー速度を逆転させることができないので、粒子を再び検査点に向け直すことができない。その上、流体力学的シース流体のフローが無ければ収束が失われるので、さらなる検査のために、ユーザが定義した期間にわたって粒子を検査点に保持しておくことができない。励起点における非常に高い光子束のため、フローサイトメトリは、それでも非常に感度が高い手法であるが、この速い移動時間は、達成することができる感度および分解能を制限する。しばしば、より多くの信号を抽出する目的で光子束を増加させるために、より大きいレーザ出力が用いられるが、この手法は、過剰な光が、信号を発生させるために使用されているフルオロフォアをしばしば光退色(または非放射状態まで励起)させることができること、その上、バックグラウンドのレイリー散乱、ラマン散乱、および蛍光性も増加させることができることを制限している。
【0006】
遅く流れるサイトメトリシステムが、感度の限界を打破するために開発され、単一分子レベルにまで下げた検出限界を示している。これらの系のうちの1つでは、より低いレーザ出力(<1mW)が、実際に、蛍光色素を挿入した二重鎖DNA断片の単一分子検出に好適であったことが示された。遅い移動時間(数百マイクロ秒〜数ミリ秒)のため、より低いレーザ出力で、バックグラウンド、光退色、および非放射三重項状態を低減させながら、色素から最大蛍光収量を得ることが可能であった。
【0007】
極めて感度が高いが遅いフローの流体力学系は、広く使われていないが、その理由は、流体寸法が概して非常に小さく、目詰まりを容易にもたらし、かつ非常に限られたサンプルスループットをもたらすことにある。正確な粒子の測定に必要とされる一様な照明および流速を保持するのに十分小さいコア直径にサンプル流を収束させるために、シースは、さらに、非常に高い容量率でサンプルに供給されなければならない。遅い線速度を達成するために、容量サンプル採取率を極めて小さくしなければならない。したがって、かなりの数の事象を処理するために、サンプルは、高濃度でなければならない。例えば、毎秒1センチメートルの比較的に遅い線速度が、約10マイクロメートルの標準的なコア直径に所望される場合、サンプルは、毎分約0.05マイクロリットルで送達されなければならない。わずか毎秒100個の細胞を処理するために、細胞濃度は、1マイクロリットルあたり120,000個、または1ミリリットルあたり1億2千万個でなければならない。この濃度要件は、目詰まりを生じさせる可能性をさらに高める。この問題は、多くのタイプの細胞が、サンプルの送達率が遅い時に高濃度に凝集して、表面上に沈降して粘着するという傾向によって、さらに悪化する。Doornbosによって作成された系は、フローを遅くするフローレジスタを伴う従来のフローセルを使用することによって、この問題を回避しているが、正確に収束させたサンプルの送達を制御することが非常に困難であることが分かった。この方法は、遅い容量送達および高濃度のサンプルの必要性を排除していない。
【0008】
シースレスの非収束フローサイトメータが開発されたが、これらの機器は、チャネル全体を通して粒子を励起する焦点サイズが必要なため、感度が低いことが欠点である。スポットサイズは、非常に小さい細管チャネルを使用することによって低減されるが、粒子は、チャネル内に出現するラミナーフローの外形に従って、可変速度でチャネル内を流れる。これは、どちらも分析をより困難にする、異なる移動時間およびレーザスポット内の粒子の同時存在をもたらす。また、密に収束させたコア流から光を回収するように設計される光学要素を空間的にフィルタ処理することによって、バックグラウンドを低減することができない。これは、感度および分解能を制限する。
【0009】
研究室設定で音響放射圧を使用して粒子を操作する、他のアプローチが示されてきた。これらのデバイスは、デカルト座標でモデル化された平面デバイスである。音場の印加は、長方形のチャンバ内で粒子をリボンに収束させる、準一次元の力場を発生させる。ラミナーフローの場合、結果として生じるチャンバ全体の粒子分布は、異なる速度流線で粒子を配置する。異なる流線内の粒子は、異なる場所にあるだけでなく、それらは異なる速度でも流れる。その結果、これは、デバイス内のある場所で、粒子に異なる滞留時間をもたらす。平面収束は、フローサイトメータとの使用に適した様態で粒子を整列させない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態は、音響収束毛細管を備え、さらに、少なくとも1つの振動供給源に連結される毛細管を供え、該少なくとも1つの振動供給源は、溝を保有する。本実施形態の毛細管は、好ましくは、溝において振動供給源に連結される。溝は、好ましくは、毛細管とほぼ同じ断面幾何学形状を有する。毛細管は、円形、楕円形、偏円形、または長方形とすることができる。振動供給源は、好ましくは、圧電材料を含む。本実施形態では、溝は、好ましくは、毛細管の音響供給源開口を増大させる。
【0011】
本発明の別の実施形態は、音響収束毛細管を製造する方法を含む。本実施形態は、毛細管および少なくとも1つの振動供給源を提供するステップと、振動供給源内に溝を機械加工するステップと、溝において少なくとも1つの振動供給源を毛細管に連結するステップとをさらに含む。溝は、好ましくは、毛細管とほぼ同じ断面幾何学形状を有する。毛細管は、円形、楕円形、偏円形、または長方形とすることができる。少なくとも1つの振動供給源は、好ましくは、圧電材料を含む。本実施形態は、毛細管の音響供給源開口を増大させるステップを随意に含むことができる。
【0012】
本発明のさらに別の実施形態では、流体力学的および音響的に粒子流の粒子を収束させる装置は、フローチャンバと、それを通じて流体力学的流体を流すためのフローチャンバの外側領域と、それを通じて粒子のサンプル流を流すためのフローチャンバの中央コアと、音響放射圧を生成するチャンバに連結される、少なくとも1つの振動子とを備える。本実施形態の振動子は、好ましくは、フローチャンバの外壁に連結される。振動子は、フローチャンバの壁を代替として形成することができる。
【0013】
本発明のさらなる一実施形態は、流体力学的および音響的に粒子流を収束させる方法を含む。本方法は、好ましくは、毛細管の外側領域の中へシース流体を流すステップと、毛細管の中央コアの中へ粒子流を流すステップと、シース流体中で、粒子流に音響放射圧を印加するステップとを含む。本方法の粒子流は、流体力学的に収束させることができ、続いて音響的に収束させることができる。代替として、粒子流は、音響的に収束され、同時に流体力学的に収束される。
【0014】
流体力学的および音響的に粒子を収束させる方法は、本発明のさらなる一実施形態である。この実施形態は、好ましくは、その中に粒子を含む流体を提供するステップと、フローチャンバの外側領域の中へシース流体を流すステップと、フローチャンバの中央コアの中へ、粒子を含有する流体を流すステップと、粒子を含む流体に音響放射圧を印加するステップとを含む。本実施形態は、粒子を分析するステップも含むことができる。
【0015】
本発明の一実施形態は、音響放射圧を使用して粒子を整列させる方法を含む。本実施形態は、好ましくは、その中に粒子を含む流体を提供するステップと、流体に音響放射圧を受けさせるステップと、流体を90度回転させるステップと、粒子を整列させるように、流体に音響放射圧を2度目に受けさせるステップとを含む。本実施形態は、整列させた粒子を分析するステップも含むことができる。
【0016】
本発明の別の実施形態は、流体中の粒子を流体力学的および音響的に収束させる方法を含む。本実施形態は、その中に粒子を含む流体を流すステップと、粒子を音響的に収束させるように、1つの平面方向で流体に音響放射圧を受けさせるステップと、第2の平面方向にシース流体を流し、それによって、粒子をさらに収束させるように、第2の平面方向に流体を流体力学的に収束させるステップとを含む。
【0017】
本発明は、流体系の気泡を除去するための方法をさらに含む。これらの方法は、チャネルを通して流体流を提供するステップと、チャネルを音響周波数で共振させるステップとを含む。これらの方法はまた、チャネルを通して流体流を提供するステップと、チャネル壁を低周波で振動させるステップとを含む。
【0018】
本発明の一実施形態は、流体中で粒子を準平面配列に音響的に収束させる装置である。この実施形態は、好ましくは、偏円形の断面幾何学形状を伴う毛細管と、毛細管に連結される、少なくとも1つの振動子とを備える。毛細管は、好ましくは、楕円形である。本実施形態は、粒子を撮像するための撮像装置をさらに備えることができる。
【0019】
本発明の別の実施形態は、粒子を含む流体中で粒子を準平面配列に音響的に収束させるための方法を含む。本方法は、好ましくは、偏円形の断面幾何学形状を備えるフローチャンバを通して、その中に粒子を含む流体を流すステップと、流体に音響放射圧を受けさせるステップとを含む。フローチャンバの断面幾何学形状は、好ましくは、楕円形である。本実施形態は、粒子を撮像するステップも含むことができる。
【0020】
本発明の目的、利点、および新規な特徴、ならびにその適用性のさらなる範囲は、1つには、添付図面と連動して取り込まれる、後に続く詳細な説明に記載され、また、1つには、以下を考察することで当業者に明らかになり、または本発明の実行によって理解され得る。本発明の目的および利点は、添付の特許請求の範囲に特に示される手段および組み合わせによって実現され、かつ達成される。
【0021】
本明細書に組み込まれ、これを形成する添付図面は、本発明の1つ以上の実施形態を示しており、説明とともに本発明の原理を説明する役目を果たす。図面は、本発明の1つ以上の好適な実施形態を示すためのものであり、本発明を限定するものとして解釈すべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、粒子が毛細管の中心軸に音響的に収束される線駆動毛細管を示す、本発明の一実施形態を示す図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態による、溝付き圧電振動子(PZT)を伴う線駆動毛細管の構造を示す図である。
【図3】図3は、本発明の一実施形態による、楕円形断面を伴う線駆動毛細管の線図である。
【図4】図4は、本発明の一実施形態による、楕円形断面を伴う線駆動毛細管における力ポテンシャルUを示す図である。
【図5】図5は、本発明の一実施形態による、楕円形断面の線駆動毛細管における球状ラテックス粒子の、異なるアスペクト比に対する力ポテンシャルを示す図である。
【図6】図6Aおよび図6Bは、本発明の一実施形態による、楕円形断面の線駆動毛細管を通って流れる収束した粒子流を示す図である。
【図7】図7Aおよび図7Bは、本発明の一実施形態による、中央コア流中に分布する流体力学的に収束した粒子を示す図である。
【図8】図8は、本発明の一実施形態による、流体力学的収束と組み合わせた粒子の音響収束を示す図である。
【図9】図9Aおよび図9Bは、本発明の一実施形態による、音響的に支援された流体力学的収束を示す図である。
【図10】図10は、本発明の一実施形態による、マイクロ流体チャネル内での音響的収束と流体力学的収束との組み合わせを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(発明の詳細な説明)
本明細書で使用する場合、「a」は、1つ以上であることを意味する。
【0024】
本明細書で使用する場合、「フローチャンバ」は、長方形、正方形、楕円形、偏円形、半円形、八角形、七角形、六角形、五角形、および三角形から選択される形状を有する、チャネルまたは毛細管を意味する。フローチャンバの内壁の形状は、外壁の形状と同じである必要は無い。限定的でない一実施例として、フローチャンバは、円形状によって画定される内壁と、長方形状によって画定される外壁とを有することができる。加えて、フローチャンバは、材料および幾何学形状の複合構造の一部とすることができ、上述の形状のうちの1つが、フローチャンバの内側形状を画定する。
【0025】
本明細書で使用する場合、「毛細管」は、長方形、正方形、楕円形、偏円形、半円形、八角形、七角形、六角形、五角形、および三角形から選択される形状を有する、チャネルまたはチャンバを意味する。毛細管の内壁の形状は、外壁の形状と同じである必要は無い。限定的でない一実施例として、毛細管は、円形状によって画定される内壁と、長方形状によって画定される外壁とを有することができる。
【0026】
本発明の一実施形態の一側面は、デバイス製造中の整列の容易性、およびより大きい音響供給源開口を提供する。本発明の一実施形態の別の側面は、準平面粒子集中を得るように、偏円形断面を伴う線駆動毛細管を提供する。別の側面は、内側毛細管壁と接触している、および/または接触したままの粒子を伴わない、平面粒子集中を提供する。別の側面は、粒子が狭い被写界深度で平面全体に拡散する場合の撮像用途を提供する。別の側面は、標準的な流体力学的粒子の収束系を安定させるのを支援するように、音響放射圧の印加を提供する。さらに別の側面は、遅いフロー流体力学系におけるシース消費の低減を提供し、平面系内で粒子を収束させるのを支援する。(例えば、マイクロチップ系)さらに別の側面は、流体系から気泡を除去する方法を提供する。
【0027】
(溝付き供給源を有する線駆動毛細管の構造)
線駆動毛細管は、毛細管内を流れる流中の粒子を音響的に集中させるために使用される。粒子は、音響放射圧に由来する時間平均の音響力を受ける。図1は、本発明の一実施形態による、粒子12が、音響的に形成された粒子トラップの位置に対する毛細管14の中心軸に音響的に収束される二重極モードで動作する、線駆動毛細管10を示す。(図1に示される実施形態は、単極、二重極、四重極等、またはモードの組み合わせに関わらず、系のあらゆる振動モードに適用できる。)毛細管に取り付けられる供給源の異なる空間的構成を伴う、異なるモード構成を駆動することが可能である。
【0028】
本発明の一実施形態の別の側面は、毛細管中で安定した音響信号を提供し、かつ系を駆動する電気機械回路の一貫した反復可能な電気特性を保有する、線駆動毛細管系を提供する。
【0029】
本発明の一実施形態では、線駆動毛細管10は、振動供給源16に連結される毛細管14から成る。毛細管14は、ガラス、金属、プラスチック、またはそれらの任意の組み合わせだが、これに限定されないものから作製することができる。低損失材料は、好ましくは、粒子濃縮器であり、ステンレス鋼が、より良好な毛細管材料のうちの1つである。振動供給源16は、好ましくは、圧電材料から成る。圧電材料には、PZT、ニオブ酸リチウム、石英、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されない。振動供給源16は、ランジュバン型振動子等の振動発生器、または毛細管の振動または表面変位を発生させることができる、他の任意の材料またはデバイスとすることもできる。本発明の実施形態の別の側面は、標準的な線接触よりも大きい音響供給源開口をもたらす、音響的に収束される線駆動毛細管を備える。
【0030】
本発明の一実施形態によれば、溝18は、図2に示されるように、振動供給源16内に機械加工され、その中に毛細管14を受ける。略図を図2に示すが、これは、溝付き振動供給源16を伴う線駆動毛細管10を備え、製造性および音響性能を改善するように、機械加工された円形の溝18を伴う小さいPZT厚板が、毛細管14に接着される。溝18は、小さい糊層を加えた毛細管14の外側半径に整合する半径を伴う円形である。毛細管14に取り付けられる溝付き振動供給源の数は、1つに制限されない。2つ以上の溝付き振動供給源の使用は、特定の空間的依存性を必要とする、異なる音響モードを駆動する際に有利である。例えば、二重極モードは、単一の供給源で、または毛細管14の対向する壁に取り付けられ、かつ180度位相をずらして駆動される、2つの供給源で駆動される。四重極モードは、直交する(互いから90度オフセットした)位置に供給源を取り付けることによって駆動され、かつ位相をずらして駆動される。非円形断面の毛細管の場合、溝18は、一般的に、毛細管14の断面幾何学形状を取る。例えば、楕円形断面の毛細管は、楕円形断面の溝を必要とする。毛細管14は、好ましくは、小さい糊層を伴う振動供給源16に保持される。振動供給源16として圧電性結晶を使用する時、結晶の中に切り込まれる、電気伝導層の内側溝18を有する必要は無い。溝18内に導体を伴う、およびこれを伴わない構造を示した。
【0031】
本発明の一実施形態の別の側面は、デバイス構造の容易さを提供する。
【0032】
本発明の一実施形態のさらに別の側面は、真の線駆動デバイスと比較して、より大きい音響供給源開口を提供する。
【0033】
本発明の一実施形態のさらに別の側面は、反復可能な音響的/電気的性能を提供する。
【0034】
本発明の一実施形態の別の側面は、毛細管14と振動供給源16とを整列させる容易さ提供する。
【0035】
本発明の一実施形態のさらに別の側面は、その上に振動子を取り付ける、より大きい糊表面を提供する。
【0036】
加えて、毛細管は、円形断面を有する必要は無い。本発明の一実施形態では、PZT内に正方形断面溝が用いられる。毛細管は、楕円形、正方形、長方形、一般的な偏円形状、ならびに任意の断面幾何学形状が挙げられるが、これに限定されない、多数の幾何学形状で構築することができる。
【0037】
(線駆動偏円形毛細管における粒子の準平面収束)
以下、図3を参照すると、本発明の一実施形態では、円形断面を伴う線駆動毛細管は、二重極モードで駆動される時に、円筒形の毛細管の軸に沿って粒子を整列させるように駆動することができる。本実施形態では、ある用途において、点または線ではなく、毛細管の中で特定の面にだけ粒子を局所化させることが望ましい場合がある。これは、撮像光学系の狭い被写界深度の範囲内に粒子を分布させる必要がある場合の撮像用途の事例である。空間的に粒子を分布させる方法は、系の円対称性を壊すためのものである。毛細管の断面をより偏円形(例えば、楕円形)にすることによって、ある次元では密な空間的局所化を保ち、一方で、別の次元では粒子が空間的に分布できるようにすることが可能である。本方法は、粒子を平面(または準平面)配列で配置することが必要であるシステムに有利である。
【0038】
例えば、楕円形の断面を伴う音響的に駆動される毛細管10を、図3に示す。本実施形態では、音響供給源16は、長軸に沿って平面内に粒子を空間的に分布させて、短軸に沿って粒子を密に閉じ込める。楕円のアスペクト比Aは、長軸axに対する短軸ayの比率によって与えられる。A=ay/ax。毛細管の中の粒子に対する音響力を計算するために、任意の音場内の容量Vの圧縮可能な球状粒子に対する音響放射圧による力を、音響放射圧による力ポテンシャルUに関して表すことができる(Gor’kov 1962)。
【0039】
【数1】

ここで、aは、粒子半径であり、βは、周囲流体の圧縮性であり、ρは、周囲流体の密度である。粒子の非存在下での音場の圧力および速度は、それぞれ、pおよびvで表され、括弧は、時間平均の分量に対応する。項fおよびfは、粒子の機械特性がバックグラウンド媒体とどのくらい異なるのかを判定する、対比項である。それらは、次式で与えられる。
【0040】
【数2】

添え字ρは、粒子の固有特性に対応する。粒子に作用する力Fは、次式による力ポテンシャルの勾配に関連する。
F=−VU
粒子は、ポテンシャルUが最小を示す位置に局所化される。(円形断面毛細管の場合、最小ポテンシャルは、図1の粒子トラップを形成する毛細管の軸と一致する)。
【0041】
二重極タイプのモードで線駆動される楕円形断面毛細管の力ポテンシャルUを、図4に示す。ポテンシャルは、水中のラテックス球について計算される。本構成では、粒子は、楕円の焦点間に伸張するように見えるポテンシャル井戸に粒子を輸送する力を受ける。粒子はまた、短軸の方向にさらに密に収束され、かつ長軸の方向にさらに「拡散される」。
【0042】
楕円のアスペクト比に応じて、直交方向における力ポテンシャルが、大幅に異なる可能性がある。これを、図5に示す。図5では、楕円形断面の線駆動毛細管における、球状ラテックス粒子の異なるアスペクト比に対する力ポテンシャルを示す。本構成の場合、粒子は、短軸に沿ってより局所化され、長軸に沿ってあまり局所化されない。周波数の変化は、長軸に沿ってより大きく局所化させ、短軸に沿ってあまり局所化させない。1により近いアスペクト比の場合、ポテンシャル井戸は、1に近くないアスペクト比の場合よりもはっきりしている。ポテンシャルの勾配は、長軸の方向でより小さいことに留意されたい。低減された勾配は、この方向に沿った粒子の局所化が少ないことを意味する。楕円のアスペクト比が減少するにつれて、ポテンシャル井戸の深さが減少し、より穏やかな勾配およびより少ない局所化をもたらす。したがって、アスペクト比を減少させると、粒子は、楕円の長軸に沿ってより大きな広がり(低減された勾配による低減された力)を受ける。(短軸に沿った粒子の拡散も存在するが、長軸の方向における程度よりもはるかに少ない。)
この効果を示す結果を、図6に示す。図6Aは、楕円断面毛細管を通って流れる粒子の一実施例を示す。本実施例では、粒子は、直径約5.6mmの、蛍光ラテックス球(より具体的には、ポリスチレンビーズ)であり、画像内に水平縞として現れている。流れは、左から右である。画像平面は、楕円の長軸と、毛細管の中心軸とを含む。粒子は、毛細管の約半分の幅にわたって拡散し、粒子のリボンを形成する。本実施例では、毛細管の軸に向かう粒子を壁から離したままにしておくのに十分な力が存在する。図6Bでは、画像平面は、楕円の短軸および毛細管の中心軸を含むように、90度回転させている。この方向では、ポテンシャル井戸に沿って勾配がより大きくなり、毛細管の軸に沿った粒子のより大きな閉じ込めに至っている。ここでは、粒子は、毛細管の中心軸と一致する単一の線に閉じ込められる。
【0043】
これらのタイプのモードには複数の特徴が存在する。
【0044】
粒子は、直行方向に沿って「散開した」収束を伴って、楕円の長軸または短軸のいずれかに沿って密に収束させることができる(どちらの軸が弱い収束方向にあるのかという選択は、モードに依存する)。
【0045】
弱く収束した次元では、粒子をデバイスの壁から離したままにしておくのに十分な力が存在する可能性がある。
【0046】
粒子は、特に焦点深度が小さい時に、粒子を共通平面内に配置する必要がある場合の撮像用途に寄与する、平面に閉じ込められる。
【0047】
(粒子の音響的に支援された流体力学的収束)
流体力学的に収束させた粒子流は、フローサイトメトリ、ならびにフローコア流中に正確に整列させた粒子が必要とされる他の領域に用いられる。流体力学的収束は、従来、レーザ検査のために粒子を密な流の中に収束させるように、フローサイトメトリに採用されている。流体力学的に収束させた粒子流の線図を、図7Aに示す。本実施例では、サンプルは、同軸シースフローの中に含有される中央コア流の中に注入される。シース流体は、一般的に、中央サンプル流をより小さい断面の領域の中に流体力学的に閉じ込めるために、サンプルの入力速度の数倍の速度で進行する、清浄な緩衝液である。この作用は、非常に狭い幅の円筒形コア流中に粒子を閉じ込める。流体力学的に収束させたコア流の半径rは、近似的に次式で与えられる。
【0048】
【数3】

ここで、Qは、コア流の容量流量であり、vは、コア流の速度である。サンプルの容量送達が大きくなる、および/または速度が遅くなるにつれて、コア流の直径が大きくなることに留意されたい。
【0049】
流体力学的に収束させたサンプル流は、多数の因子の関数としての中央コア流の位置の不安定性を被る可能性がある。これらの因子には、流線、乱流、およびそれらの組み合わせを変化させる、細胞壁上での気泡の核形成が挙げられるが、これに限定されない。中央コア流の空間的位置を安定させる外力を伴う、流体力学的に収束させたサンプル流を支援することが有利である。本発明の一実施形態は、中央コア流を誘導するように多重流体流を用いるデバイスを備える。
【0050】
図7Bは、音響的に支援され、かつ流体力学的に収束させたサンプル流を含む、本発明の一実施形態を示す。図7Bでは、シース流体の外側同軸フローが、サンプルを含有する中央コア流を閉じ込める。流体力学的に収束させたコア流の粒子に音響力を印加することによって、粒子は、好ましくは、流の中でさらに収束される。
【0051】
本発明の一実施形態は、粒子の音響的収束を流体力学的収束と組み合わせる。音響収束は、外力に対する粒子流の絶対位置を安定させることによって、流体力学的収束系を支援する。音響収束は、流の中の粒子の収束品質の低下を伴わずに、シース流体の消費の低減またはサンプルスループットの増加が所望される場合に、流体力学的に収束させた系の中の粒子流の収束をさらに密にするためにも用いられる。これは、特に、サンプルが希薄である場合の用途に重要である。適例は、凝集を防止するために低濃度に保たなければならない、「粘着性」細胞の高速選別である。別の実施例は、粒子の収束を犠牲にしない、シース流体の低減が優先事項である。さらに、音響収束を採用している一部の系は、サンプルを壁と接触させないほうが良い場合がある。(例えば、これは、毛細管壁を離れさせる音響放射圧による影響を受けない、タンパク質および小粒子の蓄積を保つ。これらの系は、サンプルを流入させるために、遅く低容量のシースを用いることができる。次いで、サンプル流の中で粒子を密に収束させるために、音響収束を用いることができる。)
音響的に支援された流体力学的収束の一実施例を、図7Bに示す。本実施例では、標準的な流体力学的に収束させた系は、流体空洞の定存波を設定するために、超音波変換器を備える。粒子は、最初に、流体力学的に収束される。超音波放射圧は、次いで、粒子が中央コア流の中でさらに整列する、中央コア流の軸に沿って位置するポテンシャル極小点まで、粒子を押し付ける。
【0052】
以下、図8を参照すると、本発明の一実施形態に示されるように、流体力学的収束の前に、その間に、またはその前および間の両方に、音響収束を適用することができるデバイスの概略図である。この実施形態は、毛細管22を通って流れるサンプル20を含む。シース流体24は、粒子26を流体力学的に収束させる。振動子28および30は、流体力学的収束の前に、中央コアの軸に沿って粒子26を音響的に収束させ、一方で、振動子32および34は、流体力学的収束の間に、粒子26を音響的に収束させる。
【0053】
音響的に支援された流体力学的収束を示す測定を、図9に示す。左側の画像(図9A)は、幅500マイクロメートルの円筒形チャネルの流体力学的収束を示す。中央コア流は、溶液中に直径約5.6μmのポリスチレン粒子を含む(約0.0025容量%)。中央コア流は、リン酸緩衝液を含有する同軸シースフローによって囲まれる。右側の画像(図9B)は、流体力学的収束中の中央コア流の粒子を示す。シース流体は、約100〜1,000マイクロリットル/分、好ましくは、約400マイクロリットル/分の容量流量で導入され、サンプルコア流は、50〜500マイクロリットル/分、好ましくは、約100マイクロリットル/分の容量流量で導入される。音響励起の周波数は、2.1MHzである。右側の画像では、コアサンプル流の軸に沿って粒子トラップを生成するように設計される、音場が活性化される。コアサンプル流の中の粒子は、音場によってコア流の中でさらに単離される。
【0054】
音響的に支援する流体力学的に収束させたサンプル流の側面には、以下のようなものが挙げられるが、これに限定されない。
・収束させた粒子流の反復可能な場所
・低速の流体力学的に収束させた流中の粒子の収束の増加による、シース流体の要件の低減(粒子は、コア流よりも小さい直径の流に空間的に閉じ込められる)
・密な空間的位置決めを保持しながらの、希釈サンプルのサンプルスループットの増加
・収束させた粒子の正確な場所に対する乱流の影響および他の外的影響が少ない
・音響放射圧によって支配的な粒子収束が導かれる系(例えば、線駆動毛細管)内の毛細管壁から、サンプルを単離させる方法
音響的収束および流体力学的収束がどちらも有利であり得る、多くの異なる配列が存在する。図7Bは、細胞の流体力学的収束に付随する2つの振動子を伴うデバイスを示す。音場は、円形、正方形、または他の任意の幾何学形状である細胞に使用することができる。図7Bに示される振動子の数は、2つである。振動子の最小数は、1つである。2つ以上の振動子の使用は、チャンバの中の音場を監視するフィードバックを提供する。加えて、振動子は、所与の用途のために最適化される力場を作成するように、直交方向に取り付けられてもよい。本発明の一実施形態では、コアサンプル流の中で粒子の一列を線に収束させることが有利である。本発明の別の実施形態では、粒子を一次元に収束させて、それらが直交方向に拡散できるようにすることが有利である。
【0055】
粒子の音響的に支援された流体力学的収束を用いる能力は、マイクロ流体における用途にも有利である。マイクロチャネル、マイクロ流体チップ、または他の長方形(または準長方形)チャネルの幾何学的形状に収束させた粒子流は、音響収束および流体力学的収束を組み合わせることによって増強することができる。本発明の一実施形態では、およびシース流体の消費を低減するために、図10に示されるように、一次元の流体力学的収束を用いることができる。マイクロ流体チャネルにおける音響的および流体力学的収束の組み合わせを示す。流体力学的収束は、粒子を水平方向に局所化し、音響収束は、粒子を垂直方向に局所化する。平面デバイスにおける音響的および流体力学的収束の両方に対する実装の容易さは、本実施形態において達成される。(これは、図10の示力図を90度回転させた場合にも機能し得る。)音響的収束および流体力学的収束を使用することで、小粒子および分子種がチャネル壁と接触しないようにする。
【0056】
本発明の別の実施形態は、マイクロ流体用途における連続音響収束を可能にする。準長方形断面のチャンバ内を流れる粒子の流に印加される音響収束は、粒子をリボン状構造に収束させる。多くのマイクロ流体アセンブリに用いられる層状構造を保つために、平行面内の振動子の配置を保つことが有利である。したがって、粒子を狭い空間的構成に収束させる方法は、粒子を平面の中へ音響的に収束させるステップと、フローを90度回転させるステップと、次いで、再び新しい直交面の中へ音響的に収束させるステップとを伴う。最終結果は、粒子の狭い空間分布である。振動子が、フローチャンバの中で二重極タイプのモードを励起するために使用される時、フローチャンバの中心軸の周囲に狭く収束した粒子となる。
【0057】
(流体系からの気泡の除去)
従来のフローサイトメトリでは、流体系の壁に付着する気泡が問題を含む。それらは、ラミナーフロー線を移動させ、局所的反応に作用し、収束させた粒子流を逸脱させることによって、支障をきたす可能性がある。例えば、フローサイトメータでは、流体系内の気泡は、流体力学的に収束させたサンプル流の位置を移動させるといった影響を有する可能性がある。この移動はユーザに対する光学系のずれとして現れ、再較正が必要である。流体系、特にマイクロ流体システムの核生成サイトから気泡を除去する手法が、非常に望ましい。
【0058】
音響放射圧は、液体とガスとの間の密度および圧縮性の大幅な不一致により、流体中の気泡に大きい影響を有することが示されている。音響エネルギーは、複数の異なる方法で流体系から気泡を除去するために用いることができる。
【0059】
本発明の一実施形態では、流体系は、適切な音響周波数で共振させた時に、気泡が壁から離れるように引っ張り、かつ(気泡の単極共振を下回る周波数で駆動される気泡に対して)圧力接点の場所に存在する流体流の中の気泡の平衡位置を安定させる力を気泡が受けるように設計される。チャンバは、好ましくは、内部音響供給源で音響的に、またはチャンバの外壁に取り付けられる供給源で非侵襲的に、のいずれかで駆動される。これは、気泡を壁から除去する頑健な方法である。
【0060】
本発明の別の実施形態では、好ましくは、低周波でのチャネル壁の振動が、気泡を除去するために用いられる。系の構造的共振の一部として壁を振動させることによって、大きい表面変位が達成される。(これらの変位は、一般的に、低周波数で大きくなる)大きい変位に結び付けられる大きい力は、好ましくは、気泡とチャンバ表面との間の接着を壊すために用いられる。チャンバ壁表面での局所化された流体フローに結び付けられる慣性力は、気泡を除去する際に有効である。
【0061】
上述の実施例は、一般的または具体的に説明される反応物、および/または上述の実施例に用いられるものに対する本発明の動作条件を置換することによって、類似する成功を伴って繰り返すことができる。
【0062】
本発明は、これらの好適な実施形態を特に参照して詳細に説明してきたが、他の実施形態も同じ結果を達成し得る。本発明の変形例および修正例は、当業者に明らかとなり、添付の特許請求の範囲内に、全てのこのような修正例および同等物を包含することを意図している。上記および/または添付書面内に引用した全ての参考文献、出願、特許、および刊行物、ならびに対応する出願の開示全体は、参照することにより本明細書に組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの振動供給源に連結される毛細管を備え、
該少なくとも1つの振動供給源は、溝を保有する、音響収束毛細管。
【請求項2】
前記毛細管は、前記溝において前記振動供給源に連結される、請求項1に記載の音響収束毛細管。
【請求項3】
前記溝は、前記毛細管とほぼ同じ断面幾何学形状を有する、請求項1に記載の音響収束毛細管。
【請求項4】
前記毛細管は、円形である、請求項1に記載の音響収束毛細管。
【請求項5】
前記毛細管は、楕円形である、請求項1に記載の音響収束毛細管。
【請求項6】
前記毛細管は、偏円形である、請求項1に記載の音響収束毛細管。
【請求項7】
前記毛細管は、長方形である、請求項1に記載の音響収束毛細管。
【請求項8】
前記振動供給源は、圧電材料を含む、請求項1に記載の音響収束毛細管。
【請求項9】
前記溝は、前記毛細管の音響供給源開口を増大させる、請求項1に記載の音響収束毛細管。
【請求項10】
毛細管と少なくとも1つの振動供給源とを提供することと、
該振動供給源内に溝を機械加工することと、
該溝において該少なくとも1つの振動供給源を該毛細管に連結することと
を含む、音響収束毛細管を製造する方法。
【請求項11】
前記溝は、前記毛細管とほぼ同じ断面幾何学形状を有する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記毛細管は、円形である、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記毛細管は、楕円形である、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記毛細管は、偏円形である、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記毛細管は、長方形である、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの振動供給源は、圧電材料を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記毛細管の前記音響供給源開口を増大させることをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
フローチャンバと、
該フローチャンバの外側領域であって、該外側領域を通して流体力学的流体を流す、外側領域と、
該フローチャンバの中央コアであって、該中央コアを通して粒子サンプル流を流す、中央コアと、
音響放射圧を生成する、該チャンバに連結される少なくとも1つの振動子と
を備えている、流体力学的および音響的に粒子流中の粒子を収束させる装置。
【請求項19】
前記振動子は、前記フローチャンバの外壁に連結される、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記振動子は、前記フローチャンバの壁を形成する、請求項18に記載の装置。
【請求項21】
毛細管の外側領域の中へシース流体を流すことと、
該毛細管の中央コアの中へ粒子流を流すことと、
該シース流体の中で、該粒子流に音響放射圧を印加することと
を含む、流体力学的および音響的に粒子流を収束させる方法。
【請求項22】
前記粒子流は、流体力学的に収束され、続いて音響的に収束される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記粒子流は、音響的に収束され、同時に流体力学的に収束される、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
その中に粒子を含む流体を提供することと、
フローチャンバの外側領域の中へシース流体を流すことと、
該フローチャンバの中央コアの中へ、該粒子を含む該流体を流すことと、
該粒子を含む該流体に音響放射圧を印加することと
を含む、流体力学的および音響的に粒子を収束させる方法。
【請求項25】
前記粒子を分析することをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
その中に粒子を含む流体を提供することと、
該流体に音響放射圧を受けさせることと、
該流体を90度回転させることと、
該粒子を整列させるように、2度目に該流体に音響放射圧を受けさせることと
を含む、音響放射圧を使用して粒子を整列させる方法。
【請求項27】
前記整列させた粒子を分析することをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
その中に粒子を含む流体を流すことと、
該粒子を音響的に収束させるように、1つの平面方向で該流体に音響放射圧を受けさせることと、
第2の平面方向にシース流体を流すことによって、該粒子をさらに収束させるように、該第2の平面方向に該流体を流体力学的に収束させることと
を含む、流体中の粒子を流体力学的および音響的に収束させる方法。
【請求項29】
チャネルを通して流体流を提供することと、
該チャネルを音響周波数で共振させることと
を含む、流体系中の気泡を除去するための方法。
【請求項30】
チャネルを通して流体流を提供することと、
該チャネルの壁を低周波で振動させることと
を含む、流体系から気泡を除去するための方法。
【請求項31】
偏円形の断面幾何学形状を伴う毛細管と、
該毛細管に連結される少なくとも1つの振動子と
を備える、流体中で粒子を準平面配列に音響的に収束させる装置。
【請求項32】
前記毛細管は、楕円形である、請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記粒子を撮像するための撮像装置をさらに備える、請求項31に記載の装置。
【請求項34】
粒子を含む流体中で、粒子を準平面配列に音響的に収束させるための方法であって、
偏円形の断面幾何学形状を備えるフローチャンバを通して、その中に粒子を含む該流体を流すことと、
流体に該音響放射圧を受けさせることと
を含む、方法。
【請求項35】
前記フローチャンバの前記断面幾何学形状は、楕円形である、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記粒子を撮像することをさらに含む、請求項34に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図7】
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【図8】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2011−510299(P2011−510299A)
【公表日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−543256(P2010−543256)
【出願日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際出願番号】PCT/US2009/031154
【国際公開番号】WO2009/091925
【国際公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(502221282)ライフ テクノロジーズ コーポレーション (113)