説明

領域を特化した表示オブジェクトのグラフィック描写を患者用モニタシステム内に有る外付けの表示部に抽出する方法

僅かな量のデータのみが外付けの表示装置3に伝送される必要があり,同時に,この外付けの表示部13の利用者は,当該利用者が患者用モニタ2の組み込み型の表示部12で慣れ親しんでいるのと同じ「ルック&フィール」を得る,患者用モニタリングシステム1内にある外付けの表示部13上に,領域を特化した表示オブジェクトのグラフィック描写を抽出するための技術を提供する目的で,新たな方法が示唆され,前記方法は,
−モニタしたデータをデータ処理するステップと,
−領域を特化した表示オブジェクトのグラフィック描写を外付けの表示部13上に抽出するために必要とされる論理データを排他的に有する通信データ10を,患者用モニタ2内に有る第1の表示管理装置8を用いて,モニタしたデータから生成するステップと,
−生成された通信データ10を,通信リンク4を介して患者用モニタ2と接続可能な外付けの表示装置3へと伝送するステップと,
−伝送された通信データ10をデータ処理し,外付けの表示装置3内にある第2の表示管理装置15によって,通信データ10から画像情報を生成するステップと,
−外付けの表示部13上に,領域を特化した表示オブジェクトのグラフィック描写を,生成された画像情報から抽出するステップとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,領域を特化した表示オブジェクトのグラフィック描写を患者用モニタシステム内にある外付けの表示部に抽出する方法に関する。更に,本発明は患者用モニタリングシステムと,斯様な患者用モニタリングシステムにおける表示管理のためのコンピュータプログラムとに関する。
【背景技術】
【0002】
患者用モニタは,患者の心臓機能,呼吸等をモニタするために医療環境において使われている。時には,患者用モニタの組み込み型の表示部は,医師又は看護師によって必要とされる全ての情報を表示するのに充分な大きさではない。斯様な場合,第2の,外付けの表示部が患者用モニタに接続される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
斯様な外付けの表示部を制御するために,二つの異なるアプローチが知られている。第1に,遠隔操作のグラフィックインターフェイスのアプローチが用いられることができる。この場合,全てのグラフィックデータ及び利用者の入力が外付けの表示部へと伝達される。UNIX(登録商標)ベースの「X-Windows」(登録商標)又はマイクロソフト(登録商標)社の「Remote Desktop」(登録商標)のコンセプトが,このアプローチの例である。これらのシステムは,離れたところにいる利用者に,現場にいる利用者と同じ体験を提供する。このアプローチの欠点は,外付けの表示部に大量のデータが伝達されねばならないことである。この技術を高価なものにしている,例えばデータ圧縮,実行されるべき表示要素のエンコード及び遠隔地でのデータのキャッシングとかの,種々異なる種類の最適化が採用されている。第2のアプローチは,全データのセットを伝送する代わりに生データのみを送り出し,第2のユーザインターフェイス一式が,遠隔地側で用いられる。前記第2のインターフェイスは,外付けの表示部に表示されるべき画像情報を生成するために,生データをデータ処理する。外付けの表示部上でのデータ表示及びユーザインターフェイスは,基になる患者用モニタのものとは独立して実行される。このアプローチの欠点は,モニタ機能の制御(例えばアラームの限界)と,様々なスクリーンレイアウトの選択とが,利用者が慣れ親しんでいるものとは異なることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
領域を特化した表示オブジェクトのグラフィック描写を,患者用モニタリングシステム内に有る外付けの表示部上に抽出するための技術を供することが本発明の目的であり,ここでは僅かな量のデータが当該外付けの表示部へと伝送される必要があるだけであり,外付けの表示部の利用者は,患者用モニタの組み込み型の表示部で慣れ親しんでいるのと同様な「ルック&フィール」(操作感)を得る。
【0005】
この目的は,本発明によって,領域を特化した表示オブジェクトのグラフィック描写を,患者用モニタリングシステム内に有る外付けの表示部上へ抽出する方法によって達成され,当該方法は,
− モニタしたデータをデータ処理し,患者用モニタ内に有る第1の表示管理装置を用いて,外付けの表示部上に,領域を特化した表示オブジェクトのグラフィック描写を抽出するために必要な論理データを排他的に有している通信データを,当該モニタしたデータから生成するステップと,
− 通信リンクを介して,患者用モニタへ接続可能な外付けの表示装置へと,当該生成された通信データを伝送するステップと,
− 伝送された当該通信データをデータ処理するステップと,
− 外付けの表示装置内に有る第2の表示管理装置によって,当該通信データから画像情報を生成するステップと,
− 外付けの表示部上に,領域を特化した表示オブジェクトのグラフィック描写を,当該生成された画像情報から抽出するステップとを有する。
本発明の目的は,
− モニタしたデータをデータ処理し,更に,外付けの表示部上に,領域を特化した表示オブジェクトのグラフィック描写を抽出するために必要な論理データを排他的に有している通信データを,モニタしたデータから生成する第1の表示管理装置を有する患者用モニタと,
− 更に,通信データを伝送する通信リンクを介して患者用モニタに接続可能な,外付けの表示装置とを有する患者用モニタリングシステムによっても達成される。ここで,当該外付けの表示装置は,伝送された通信データをデータ処理し,更に,外付けの表示部上に,領域を特化した表示オブジェクトのグラフィック描写を抽出するために,通信データから画像情報を生成する第2の表示管理装置を有する。
【0006】
本発明の目的は,患者用モニタのコンピュータ内で実行される,患者用モニタリングシステムの患者用モニタ内にある表示管理用のコンピュータプログラムによっても達成され,前記コンピュータプログラムは,モニタしたデータをデータ処理して,当該モニタしたデータから通信データを生成することとを命令するコンピュータ命令を有し,当該コンピュータプログラムがコンピュータ内で実行されると,前記通信データが,外付けの表示部上に,領域を特化した表示オブジェクトのグラフィック描写を抽出するために必要な論理データを排他的に有する。
【0007】
本発明の目的は,外付けの表示装置のコンピュータ内で実行される,患者用モニタリングシステムの外付けの表示部内にある表示管理用のコンピュータプログラムによっても達成され,前記コンピュータプログラムは,通信データをデータ処理して,当該通信データから画像情報を生成することを命令するコンピュータ命令と,コンピュータプログラムがコンピュータ内で実行されると,外付けの表示部上に,領域を特化した表示オブジェクトのグラフィック描写を,生成された画像情報から抽出させるコンピュータ命令とを有する。
【0008】
本発明によって必要とされる技術的な効果は,本発明による前記コンピュータプログラムの命令に基づいて,このように実現されることができる。斯様なコンピュータプログラムはCD-ROMなどの担体に蓄積されることができ,又はインターネット若しくは何か他のコンピュータネットワークを通じて入手可能である。実行に先立ち,コンピュータプログラムが担体から読み取られ,コンピュータに実装される。例えばCD-ROMプレイヤによって,又はインターネットから読み取られ,コンピュータのメモリ内に記憶される。当該コンピュータは,別名中央処理ユニット(CPU),バスシステム,例えばRAM又はROM等のメモリ手段,例えばフロッピディスク又はハードディスクユニット等の蓄積手段,及び入/出力ユニットを含む。代替的には,発明された方法は,例えば一つ以上の集積化された回路を用いたハードウエアにて実行されることが可能である。言い換えれば,本発明の機能はハードウエアの形式で,ソフトウエアの形式で,又はこれら二つの組合せの形式で実行されることができる。
【0009】
第1の表示管理装置として働く表示管理ソフトウエアは,本発明に従う患者用モニタ内で実行される。この表示管理ソフトウエアは,患者用モニタの組み込み型の表示部を制御する。この目的のために,当該表示管理ソフトウエアは,(X-Windowsのような)グラフィック志向でもなく,又は純粋にデータ志向でもない,特別な通信プロトコルを採用している。代わりに,国際特許公開公報WO 03/104966にて開示され,ここでもそっくりそのまま参照されて組込まれている通信プロトコルは,領域を特化した表示オブジェクトをインタフェイスするよう最適化されている。当該表示管理ソフトウエアは,表示部上にグラフィック表示を抽出するため,及び利用者の入力アクション(マウスの動き,タッチスクリーンの動き等)をデータ処理するために,高いレベルの通信プロトコルをデータ処理する。
【0010】
本発明の核となる考えは,患者用モニタの表示管理ソフトウエア(一部又は全て)を,種々異なるデータ処理装置,「外付けの表示部」で再使用することである。斯様な種々異なるデータ処理装置は,例えば同一のプラットフォーム,即ち,別の患者用モニタであることが可能であり,さもなければ異なるプラットフォーム,即ち,プロセッサのタイプ,オペレーテイングシステム(OS),環境等にかかわりの無い,例えばパーソナルコンピュータ,ノートブック型のコンピュータ,又は何か他のタイプの汎用コンピュータでもよい。前記種々異なるデータ処理装置内で表示管理ソフトウエアを再使用することは,患者用モニタ自身内で「内輪で」使われたのと同じ通信を維持することを可能にする。従って,基になる患者用モニタと外付けの表示部との間の通信は,最小量のデータが伝送されねばならない態様にて供される。
【0011】
通信プロトコルは,患者用モニタと外付けの表示部との間で,領域を特化した挙動を示している表示オブジェクトについての情報を交換するために働く。同じ表示オブジェクトが全く異なって描写されることもでき,外付けの表示部上と,基になる患者用モニタ上とで異なったグラフィック表示になる。
【0012】
本発明によれば,生データばかりでなく,グラフィックデータのセット一式も患者用モニタから外付けの表示部へと伝送されることはない。代わりに,本発明は,領域を特化した表示オブジェクトのグラフィック描写を外付けの表示部上に抽出するために必要とされる論理データを排他的に伝送するよう示唆している。従って伝送されるデータの量は,X-Windowsのアプローチと比較すると少ない。他方,外付けの表示部の利用者は,あたかも患者用モニタの組み込み型の表示部が使われたかのように,全ての機能及びスクリーンレイアウトを手に入れる。外付けの表示部では,領域を特化した表示されるべきオブジェクトの挙動に従った画像情報を生成するために,伝送されたデータが使われる。
【0013】
本発明によれば,グラフィック描写は,外付けの表示部のデータ処理装置内で実行される第2の表示管理装置として働いている表示管理ソフトウエアによって行われる。当該グラフィック描写の機能及び挙動は,患者用モニタ内の実装によって全て規定されている(これゆえ,患者用モニタ内の実装と同一である)。
【0014】
外付けの表示部が,既に患者用モニタ上で利用可能な機能(表示管理)と正確に同一の機能を必要とするので,発明された方法は容易に実行され,容易に維持される。万が一,外付けの表示部が異なるハードウエア技術又はソフトウエア技術を用いるとしても,エクスポートを必要とするのは描画エンジンのかなり小さい部分のみであり,患者用モニタの全機能ではない。
【0015】
領域を特化した挙動を実行するアルゴリズムの殆どが,プラットフォームとは独立した態様で実行されることができる。通常は,構成されているビデオのハードウエア,オペレーティングシステム又は基本的なグラフィック・ソフトウエアのインターフェイスに依存する基本的なグラフィック描画エンジンのみが,再実行される必要がある。
【0016】
本発明による外付けの表示部は,患者用モニタに関する機能的/挙動的な一貫性を保証している。同時に,グラフィック描写は大変柔軟性がある。状態の変化分,又はデータの変化分のみが患者用モニタと外付けの表示部との間で通信される必要があるので,従来技術による解決策よりもバンド幅の要件はより低い。モニタしているデータ(測定データ)が変化しないのであれば,定期的な通信は不要である。グラフィックデータ一式の更新は必要ではなく,従って,圧縮及びキャッシングに対する広範囲に及ぶ,複雑なアルゴリズムは必要としない。しかしながら,オプションとして,(例えばラベル,格子線,色のような)何らかの類似のグラフィック表示を描画するために,作画アルゴリズムによって必要とされた,又は要求されたグラフィック支援データが,定期的に又は要求のあり次第,送られることができる。実際に表示されるであろうデータのみがデータ処理を必要とし,グラフィック表示一式の描画及び圧縮は必要とされないので,患者用モニタ及び外付けの表示部に対するハードウエアの要件は比較的低い。
【0017】
本発明のこれらの態様及び他の態様が,添付の図1の図面及び以下の実施例を参照して,例のみの態様にて,これ以降詳細に説明されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明による患者用モニタリングシステム1は,患者用モニタ2と,LAN通信リンク4を介して患者用モニタ2へ接続されることができる外付けの表示装置3とを有する。この目的のために,患者用モニタ2はLAN互換のシステムインタフェイス5を有し,外付けの表示装置3はLANインタフェイス6を有する。患者用モニタ2の全ての部品はパワーサプライ7へ接続されている。
【0019】
患者用モニタ2は,表示管理ソフトウエアが実行されるデータ処理ユニット(CPU)8を有し,従って,当該CPU 8は第1の表示管理装置として働く。CPU 8は,表示管理ソフトウエアを用いて,モニタしたデータ(測定データ)をデータ処理し,このデータは患者用モニタ2の測定インタフェイス11を介してセンサ9からCPU 8へと伝送される。当該CPU 8は他に,表示管理ソフトウエアを用いて,モニタしたデータから通信データ10を生成する。国際特許公開公報WO 03/104966で開示された方法が,通信データ10を生成するために使われる。即ち,ユーザインタフェイスのオブジェクトの表示スクリーン上での最適化された表示が得られ,ここで当該オブジェクトは,制御素子によって自由に位置決めされ,拡大縮小されることができる。この最適化された表示は,事前に決められた計算ルールを用いて実現される。事前に決められた計算ルールとは,オブジェクトが,いまだに読み取ることができる最小サイズと選択された最大サイズとの間で,オブジェクトのコンテンツに応じ,選択された好ましい設定に応じ,及び表示スクリーン上で使用可能な表示リソースに応じて自動的に大きさを変化させ得るようなルールであり,また,恐らくは,オブジェクトのコンテンツの重要度の低い詳細部分を削除し,オブジェクトが相互に重なりあうことを避けるのと同様,オブジェクトのコンテンツ及び/又はオブジェクトの表示モードを変化させて,使用可能な表示スクリーンの表面が最適に満たされるような計算ルールである。
【0020】
例えば,国際特許公開公報WO 03/104966に従って,CPU 8は組み込み型の表示部12上と,外付けの表示装置3の表示部13上とに表示されるべきオブジェクト用のレイアウト情報を生成する。斯様なレイアウト情報は,例えばオブジェクト(例えば心拍)が数値として表示されるのか,又はグラフの形式で表示されるのかどうかの情報を有する。当該レイアウト情報は,例えば組み込み型の表示部12上,及び/又は外付けの表示装置3の表示部13上に表示されるオブジェクトのサイズについての情報も有する。例えば,外付けの表示部13が患者用モニタ2の組み込み型の表示部12よりも,より広い表示エリアをもつ場合,外付けの表示部13に関するレイアウト情報は,例えば患者の肺機能に関するオブジェクトのような特定のオブジェクトは外付けの表示部13上では(大きな)グラフィック形式にて常に表示されるよう構成され,他方,例えばより重要度の低いオブジェクトのような他のオブジェクトは,外付けの表示部13上では(小さな)数値の形式にて常に表示されるよう構成される。
【0021】
全てのこのレイアウト情報は,表示されるべきこれらのオブジェクトのオブジェクトデータと共に組み合わされる。結果として通信データ10は,領域を特化した表示オブジェクトのグラフィック描写を外付けの表示部13上に抽出するために必要な論理データを排他的に有する。当該通信データ10は,外付けの表示部13上で医療オブジェクト(例えば心拍)が「どのように」表示されるかについての情報は有していない。代わりに,通信データ10は,これらのオブジェクトのレイアウトについての情報,例えばオブジェクトの表示のサイズ及び構成についての情報を有する。
【0022】
通信データ10は,LAN通信リンク4を介して外付けの表示装置3へと伝送され,そこで更にデータ処理されよう。組み込み型の表示部12を制御するよう意図された他の通信データは,当該組み込み型の表示部12を制御するために,表示制御器14によって使われる。
【0023】
外付けの表示装置3は第2のデータ処理ユニット(CPU)15を有し,この中で表示管理ソフトウエアが実行される。即ち,CPU 15は第2の表示管理装置として働く。当該CPU 15は,伝送された通信データ10をデータ処理し,外付けの表示部13上に,領域を特化した表示オブジェクトのグラフィック描写を,生成された画像情報から抽出するための表示管理ソフトウエアを用いて,通信データ10から画像情報を生成する。言い換えれば,CPU 15は少量の通信データ10を拡大(「解凍」)し,患者用モニタ2の組み込み型の表示部12と同じ「ルック&フィール」をもつ医療オブジェクトを生成する。言い換えれば,グラフィックオブジェクトの描画プロセスは,通信リンクのこの側で十分に遂行される。CPU 15は,生成された画像情報を用いて,外付けの表示部13を制御するために表示制御器16へ接続されている。繰り返すが,外付けの表示装置3の全ての部品は,パワーサプライ17へ接続されている。
【0024】
患者用モニタのCPU 8が,センサ11から新たにモニタしたデータを受信した場合,新たな通信データ10がCPU 8によって生成されるが,これはモニタしたデータに変化があった場合のみである。モニタしたデータが変化していない場合,例えば心拍が一定に留まっている場合,通信データ10 が生成され,外付けの表示装置3へと伝送されることはない。伝送データの量は,このように最小に制限されることが可能である。
【0025】
本発明の第1の実施例では,外付けの表示装置3のCPU 15で実行された表示管理ソフトウエアは,患者用モニタ2のCPU 8で実行された表示管理ソフトウエアと同一ではない。この事例では,外付けの表示装置3のCPU 15で実行された表示管理ソフトウエアは,グラフィックマシン(描画エンジン)を主に有する。このグラフィックマシンは,受信した通信データ10から画像情報を生成し,この画像情報は,外付けの表示装置3の表示制御器16を用いて,全てのオブジェクトが正しいサイズ及び正しいレイアウトで表示されるよう,外付けの表示部13上で表示されるオブジェクトを制御するために使われることができる。従って,患者用モニタ2の内部で使われたデータに基づいて,医療用のオブジェクトを描画するノウハウが,この特別なグラフィックマシン内で使われる。本発明の,この実施例の主な長所は,患者用モニタ2のCPU 8内で実行された表示管理ソフトウエアの機能一式を外付けの表示装置3のCPU 15内で実行する必要がないことである。即ち,本発明を実行するには,ほんの僅かな努力のみを必要とする。
【0026】
本発明の別の実施例(例示されず)では,外付けの表示装置3のCPU 15で実行される表示管理ソフトウエアは,患者用モニタ2のCPU 8で実行される表示管理ソフトウエアと同一である。即ち,第1の表示管理装置と第2の表示管理装置とは同一である。これは,好ましくは,第2の患者用モニタが外付けの表示装置として使われる事例である。この実施例では,本発明を実行するコストは最小である。
【0027】
要約すると,本発明は,患者用モニタ2の内部の組み込み型の表示部12と同じ態様で動作する外付けの表示部13を設置するために,患者用モニタ2の既知の表示管理ソフトウエアの,外付けの表示装置3での再使用を実現する。患者用モニタ2と外付けの表示装置3との間の通信は,最少量のデータが伝送されるようにして実現される。この類の「希薄な」通信を実現するために,領域を特化した表示オブジェクトのグラフィック描写を外付けの表示部13上に抽出するのに必要な論理データのみが伝送される。好ましくは,受信した論理データに従って医療用オブジェクトをグラフを使って描画するために,オリジナルの表示管理ソフトウエアの縮小版のみが外付けの表示装置3で使われる。
【0028】
本発明が,これまでに説明された例示的な実施例の詳細に限定されることはなく,本発明は,本発明の範囲又は基本的な特質から逸脱することなく,他の具体的な形で実施され得ることが,当業者にとっては明らかであろう。これゆえ,提示された実施例は,すべての点で限定的としてではなく,例示的であるとして考えられねばならず,本発明の範囲は,これまでの説明によってというよりはむしろ,添付の請求項によって示されており,請求項のもつ,等価な範囲及び意味内で生じる全ての変化は,これゆえ,当該変化内に包含されるべきであると意図されている。更に,「有する」という単語は,他の素子又はステップを排除するものではなく,「a」又は「an」という単語は複数を排除するものではなく,コンピュータシステム又は別のユニットなどの単一の要素が,請求項で列挙されている幾つかの手段の機能を満たせることは明らかである。請求項中のどの引用記号も,関係する請求項を限定するものとして解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】患者用モニタリングシステムを概観的に例示している。
【符号の説明】
【0030】
1 患者用モニタリングシステム
2 患者用モニタ
3 外付けの表示装置
4 通信リンク
5 システムインタフェイス
6 LANインタフェイス
7 パワーサプライ
8 CPU
9 センサ
10 通信データ
11 測定インタフェイス
12 組み込み型の表示部
13 外付けの表示部
14 表示制御器
15 CPU
16 表示制御器
17 パワーサプライ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モニタしたデータをデータ処理し,患者用モニタ内に有る第1の表示管理装置を用いて,外付けの表示部上に,領域を特化した表示オブジェクトのグラフィック描写を抽出するために必要な論理データを排他的に有している通信データを,前記モニタしたデータから生成するステップと,
通信リンクを介して,前記患者用モニタへ接続可能な外付けの表示装置へ,前記生成された通信データを伝送するステップと,
前記伝送された通信データをデータ処理し,前記外付けの表示装置内にある第2の表示管理装置によって,前記通信データから画像情報を生成するステップと,
前記外付けの表示部上に,前記領域を特化した表示オブジェクトのグラフィック描写を,前記生成された画像情報から抽出するステップとを有する,領域を特化した表示オブジェクトのグラフィック描写を,患者用モニタリングシステム内に有る外付けの表示部上へ抽出する方法。
【請求項2】
前記モニタしたデータが変化しない場合,前記外付けの表示装置には何ら通信データが伝送されることはない,請求項1に記載の方法。
【請求項3】
グラフィック支援データが前記通信データに含まれている,請求項1に記載の方法。
【請求項4】
モニタしたデータをデータ処理し,更に,外付けの表示部上に,領域を特化した表示オブジェクトのグラフィック描写を抽出するために必要な論理データを排他的に有している通信データを,前記モニタしたデータから生成する第1の表示管理装置を有する患者用モニタと,
前記通信データを伝送する通信リンクを介して前記患者用モニタに接続可能な,外付けの表示装置であって,当該外付けの表示装置は,伝送された前記通信データをデータ処理し,更に,前記外付けの表示部上に,領域を特化した表示オブジェクトのグラフィック描写を,生成された前記画像情報から抽出するために,前記通信データから前記画像情報を生成する第2の表示管理装置を有する当該外付けの表示装置とを有する,患者用モニタリングシステム。
【請求項5】
第2の患者用モニタが外付けの表示装置として働く,請求項4に記載の患者用モニタリングシステム。
【請求項6】
第1の表示管理装置と第2の表示管理装置とが同一である,請求項4に記載の患者用モニタリングシステム。
【請求項7】
患者用モニタリングシステムの患者用モニタ内にある表示管理用のコンピュータプログラムであって,当該コンピュータプログラムが患者用モニタのコンピュータ内で実行されると,前記コンピュータプログラムは,モニタしたデータをデータ処理して,前記モニタしたデータから通信データを生成させるコンピュータ命令を有し,前記通信データが,外付けの表示部上に,領域を特化した表示オブジェクトのグラフィック描画を抽出するために必要な論理データを排他的に有する,コンピュータプログラム。
【請求項8】
患者用モニタリングシステムの外付けの表示装置内にある表示管理用のコンピュータプログラムであって,当該コンピュータプログラムは,通信データをデータ処理して,前記通信データから画像情報を生成させるコンピュータ命令と,前記コンピュータプログラムが前記外付けの表示装置のコンピュータ内で実行されると,外付けの表示部上に,領域を特化した表示オブジェクトのグラフィック描画を前記生成された画像情報から抽出させる命令とを有する,コンピュータプログラム。

【図1】
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【公表番号】特表2009−527268(P2009−527268A)
【公表日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−554893(P2008−554893)
【出願日】平成19年2月9日(2007.2.9)
【国際出願番号】PCT/IB2007/050426
【国際公開番号】WO2007/096802
【国際公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】