説明

頬粘膜の保護具

【課題】容易に製作でき、使用者の歯牙や口腔内を傷つけることなく使用者の口腔内への装着、及び口腔内からの取り出しが容易な頬粘膜の保護具を提供する。
【解決手段】使用者の頬粘膜が上、下顎歯列の間へ入り込むことを規制する頬粘膜の保護具である。連結部2を介して接続された可撓性を有するシート状部材からなり、使用者の頬の外表皮に配置される第1押え体3と、可撓性を有するシート状部材からなり、使用者の口腔内の上、下顎歯列と頬粘膜との間に配置される第2押え体4と、第1押え体3と第2押え体4とを連結するとともに、第1押え体3の裏面と第2押え体4の表面とで使用者の頬を挟持した状態で第1押え体3と第2押え体4とを保持する連結部2とを有している。第2押え体4で使用者の頬粘膜が上、下顎歯列の間へ入り込むことを規制し、頬粘膜を誤って咬んでしまうことを防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口腔内へ着脱自在であって、頬粘膜が上下の歯列の間に入り込むことを規制することにより頬粘膜を誤って咬んでしまうことを防止する頬粘膜の保護具に関する。
【背景技術】
【0002】
頬吸引癖、噛みしめ、食いしばり等が原因で頬粘膜を慢性的に上下臼歯部で咬んでしまうことにより、頬粘膜の内側に頬粘膜圧痕(頬粘膜の白線)が生じることがある。また、歯列の不正、咬み合わせの異常や肥満の場合、咀嚼時に頬粘膜が歯列に入り込んで、咬傷を起こしやすい。
【0003】
他方、脳神経疾患や身体障害を発症する疾患等により昏睡状態や身体運動障害を認める患者は、健常者では考えられないほどの過大な咬合力(圧)で歯を食いしばるという行為をしばしば行うことがある。そのような患者が誤って自身の頬粘膜を咬んでしまうと、頬粘膜に激しい裂傷や潰瘍を引き起こす虞がある。
【0004】
このように、いずれの場合も口腔内に生じた外傷を放置しておくと、それが新たな感染源となり得ることから、速やかに症状の改善を図る必要がある。そこで、従来、そのような口腔内の外傷を予防するため、特許文献1に示す形態のバイトブロックや、特許文献2に示す形態のスプリント(マウスピース)等の医療器具を患者の口腔内に装着することが医療現場で実施されている。
【0005】
バイトブロックは、該バイトブロックに形成された咬合部を患者(以下、「使用者」と称する。)の上下臼歯部で咬ませて固定する。スプリントは、上部又は下部(或いは上部下部)の歯列弓の上から該スプリントを被せることにより固定する。
【0006】
これらの医療器具はいずれも、咬み合わせを挙上することで、頬粘膜の弛みを抑制して上下の歯列への頬粘膜の入り込みを防止している。バイトブロックやスプリント等の医療器具は、既製品を用いる場合や、歯科技工士により使用者の歯列に適合するように個別に製作されて用いる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−339870号公報
【特許文献2】特表2008−501387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
例えば、歯科技工士が使用者の歯列に適合したスプリントを製作する際、使用者の歯列の型採りと上下臼歯部の咬み合わせを採取する必要がある。しかしながら、脳神経疾患や身体障害を持ち、上記医療器具を要する使用者は、口の開閉を命じてもその指示に従えないことが多い。それ故、そのような使用者に自身の口を開いた状態で維持させることは非常に困難であり、歯列の型採りや咬み合わせの採取ができない。開口器を用いて使用者の口を強制的に開けた状態にして当該作業を行うことも考えられるが、開口器そのものが作業の邪魔になるという新たな問題が発生する。
【0009】
上述の使用者の口を開口させること自体が困難であるため、バイトブロックやスプリントを該使用者に着脱する場合も困難を極めるばかりでなく、着脱の際に術者の手指が使用者に咬まれる虞がある。
【0010】
一方、歯周病や外傷等によって使用者の歯牙が動揺する場合、バイトブロックを用いると一部の歯牙に咬合力が集中するため、歯牙脱臼(何らかの外力により歯が歯槽窩から逸脱する状態)或いは歯牙の脱落(外傷により歯が完全に抜けてしまう状態)を引き起こす虞がある。また、スプリントを用いると、着脱の際に歯が抜けてしまう虞がある。
【0011】
また、乳歯や磨耗歯又は外傷で歯牙が欠けたり折れたりして歯牙の長さが極端に短い使用者や、歯牙の残存数が極めて少ない使用者にバイトブロックやスプリントを装着することを想定すると、バイトブロックの場合は、バイトブロックを咬んで固定するための歯牙の長さ或いは歯牙の数が十分でないため、バイトブロックが滑って脱落する虞がある。スプリント場合は、スプリントを保持するための歯牙の長さ或いは歯牙の数が十分でないため、スプリントの固定ができない虞がある。
【0012】
したがって、本発明は、このような問題点を解決することを課題としてなされたものであり、その目的とするところは、容易に製作でき、使用者の歯牙や口腔内を傷つけることなく使用者の口腔内への装着、及び口腔内からの取り出しが容易な頬粘膜の保護具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の頬粘膜の保護具は、使用者の頬粘膜が上、下顎歯列の間へ入り込むことを規制する頬粘膜の保護具である。可撓性を有するシート状部材からなり、使用者の頬の外表皮上に配置される第1押え体と、可撓性を有するシート状部材からなり、使用者の口腔内で上、下顎歯列と頬粘膜との間に配置される第2押え体と、第1押え体と第2押え体とを連結するとともに、第1押え体の裏面と第2押え体の表面とで使用者の頬を挟持した状態で第1押え体と第2押え体とを保持する連結部とを有している。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、容易に製作でき、使用者の歯牙や口腔内を傷つけることなく使用者の口腔内への装着、及び口腔内からの取り外しが容易な頬粘膜の保護具を提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態に係る頬粘膜の保護具を示す側面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る頬粘膜の保護具を示す平面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る頬粘膜の保護具を示す底面図である。
【図4】頬粘膜の保護具の第1押え体が使用者の外表皮に装着された状態を示す図である。
【図5】頬粘膜の保護具の第2押え体が使用者の頬粘膜に装着された状態を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る頬粘膜の保護具の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態に係る頬粘膜の保護具(以下、単に「保護具」と称する。)について、添付図面に従って説明する。以下の実施の形態では、主として救急・集中治療科、脳神経外科、口腔外科、外科、内科、小児科、精神科等の医療分野で用いるのに好適な保護具を説明するが、本発明は例えば、生活上の挙動の不全を有する老人や障害者を介護する介護分野にも同様に適用できる。
【0017】
なお、以下の説明では、方向や位置を表す用語(例えば、「上部」、「下部」、「表面」、「裏面」等)を便宜上用いるが、これらは、発明の理解を容易にするためであり、それらの用語によって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されるべきではない。
【0018】
[保護具の全体構成]
図1に示すように、保護具1は、U字状の連結部2を介して所定の間隔をもって連結された第1押え体3と第2押え体4とを有する。第1押え体3は、使用者の頬の外表皮に密着して頬の外側を押える部材であり、第2押え体4は使用者の口腔内に挿入して使用者の頬の内側(頬粘膜)を押える部材である。なお、本実施の形態では、第1押え体3と第2押え体4が連結部2で連結されている側を保護具1の「基端部」と称し、それに対向する側を保護具1の「他端部」と称する。
【0019】
連結部2は、ニッケルクロム合金線等で構成され、第1押え体3及び第2押え体4は、所定の厚みを有する例えば、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)等の可撓性の軟質熱可塑性樹脂で構成されている。これらは生体安全性を考慮し、歯科医療の分野で一般的に用いられている素材が使用される。具体的には、ニッケルクロム合金線は入れ歯の製作に使用され、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂はマウスガード等の素材として使用されている。
【0020】
図示するように、第1押え体3と第2押え体4の断面形状はそれぞれ、所定の曲率で円弧状に形成されている。第1押え体3の円弧の高さ(上端と下端の距離)はH1である。一方、第2押え体4の円弧の高さH2は、第1押え体3の円弧の高さH1よりも小さく形成されている。なお、第1押え体3と第2押え体4の曲率については後ほど詳しく説明する。
【0021】
図2及び図3に示すように、第1押え体3の平面形状は長軸L1、短軸L2を有する卵型に形成されている。第2押え体4の平面形状も同様に、長軸L3、短軸L4を有する卵型に形成されている。図面を参照すれば明らかなように、第2押え体4の長軸L3、短軸L4は、第1押え体3の長軸L1、短軸L2よりも短い長さでそれぞれ形成されている。なお、第1押え体3及び第2押え体4の平面形状は卵型に限らず、小判型や長円型を含む楕円状、砲弾状或いは正円状であってもよい。
【0022】
図1、図2及び図3に示すように、第1押え体3の表面30には、該第1押え体3の略中央部から基端部にかけて連続する凸状の隆起部33が形成されている。一方、第2押え体4の裏面41には、裏面41の曲面の一部を覆うように該第2押え体4の略中央部から基端部にかけて連続する隆起部43が形成されている。図示するように、各隆起部33,43には両端が円状に曲げられた連結部2の一部が埋め込まれている。
【0023】
[保護具の製作]
次に、図1〜図3を参照して本実施の形態の保護具1の製作について説明する。保護具1の製作にあたり、直径が0.8mm〜1.6mmのニッケルクロム合金線を95mm〜100mmの長さにカットした連結部2の素材と、厚さが3mmのエチレン酢酸ビニル共重合樹脂シートを100mm×100mmにカットした第1押え体3の素材と、厚さが2mmの酢酸ビニル共重合樹脂シートを100mm×100mmにカットした第2押え体4の素材を用意する。
【0024】
先ず、上記ニッケルクロム合金線をU字状に折り曲げる。その部分の曲げ半径は3mmとしている。これは、当該部分で使用者の口角を挟み込むため、一般的な人の口角の厚みよりも若干大きくした値である。この曲げ半径は使用者の口角の厚みに応じて適宜に変更できる。その後、U字状に折り曲げられたニッケルクロム合金線の両端部をニッパーやプライヤー等の工具を用いて直径が約6mm〜6.5mmの円状に曲げ加工する。これにより、連結部2が出来上がる。
【0025】
第1押え体3と第2押え体4の製作方法は同じである。具体的には、平らなエチレン酢酸ビニル共重合樹脂シート(以下、単に「樹脂シート」と称する。)を所望の曲率に形成できる図示しない治具に置き、樹脂シートの上方からヒータ等の加熱手段で樹脂シートを加熱する。その後、鋏やカッター等で例えば、卵型等の所望の形状に切り出した後、外周縁部を面取り加工することにより出来上がる。樹脂シートに所望の曲率を付与する方法は、これに限らず例えば、樹脂シートを上方に吊り上げて支持するとともに、その下方からヒータ等の加熱手段で樹脂シートを加熱し、樹脂シートが加熱により垂れ下がり始める時間を適宜に調整して樹脂シートに所望の曲率を付与してもよい。
【0026】
第1押え体3に付与される曲率は、一般的な人の頬の曲線よりも小さな曲線(つまり曲率を大きく)に設定してある。このように加工することにより使用者の頬の外表皮に第1押え体3を装着した際、第1押え体3の外周縁部の面圧が高くなり、使用者の頬の外側から内側への押し付け力(つまり、密着力)が向上する。本実施の形態では、そのような曲率とするために第1押え体3の円弧の高さH1を例えば、16mmに設定している。
【0027】
一方、第1押え体3の平面形状は、長軸L1が60mm、短軸L2が50mmの卵型に形成されている。この長軸L1と短軸L2の寸法は、第1押え体3が何らかの原因で脱落した際に誤飲することを防止する目的で、人が口を開けた時(通常開口時)の口の大きさよりも大きく設定している。
【0028】
第2押え体4に付与される曲率は、一般的な人の歯列弓の曲線に沿うように形成してある。本実施の形態では、そのような曲率とするために第2押え体4の円弧の高さH2を例えば、9mmに設定している。
【0029】
なお、本実施の形態では、第1押え体3及び第2押え体4を所定の曲率で形成しているが、単なる平板状に形成してもよい。特に、第2押え体4が平板状であっても使用者の頬粘膜が上下顎歯列に入り込むことを規制するという目的を十分に達成できる。
【0030】
一方、第2押え体4の平面形状は、長軸L3が50mm、短軸L4が40mmの卵型に形成されている。この長軸L3と短軸L4の寸法は、一般的な人の頬粘膜の大きさとほぼ等しい値に設定されている。実際には、頬粘膜の大きさには個人差があるため、上述の寸法よりも大きな第2押え体4を製作し、使用者の頬粘膜の大きさに合致するように鋏やカッター等で第2押え体4の大きさや形状を微調整することが好ましい。
【0031】
連結部2、第1押え体3及び第2押え体4が出来上がると、第1押え体3又は第2押え体4の製作で余った樹脂シートを加熱してゲル状に軟化させ、それを第1押え体3の表面30と第2押え体4の裏面40の所定位置に溶着して隆起部33,43を形成させるとともに、各隆起部33,43内に連結部2の両端部を埋め込む。
【0032】
その後、第1押え体3及び第2押え体4の外周縁部を面取り加工し、クロロホルム等の溶剤で該第1押え体3の表面30と裏面31、及び第2押え体4の表面40と裏面41を磨いて各面を滑らかにすることで保護具1が完成する。
【0033】
[保護具の使用者への装着]
次に、図4、図5を参照して本実施の形態における保護具1の使用者への装着を説明する。先ず、使用者100の口101を開かせる。この時、使用者100に大きく口101を開かせる必要はなく、通常の開口で十分である。次に、使用者100の右側又は左側の頬粘膜102に第2押え体4の表面40を当てがい、保護具1を使用者100の口腔内に挿入する。保護具1の口腔内への挿入時は、第2押え体4が自身の弾性力で適度に変形するので、頬粘膜102を傷付けることはない。
【0034】
保護具1が使用者100の口腔内に挿入されると、図4に示すように、第1押え体3の裏面31が使用者100の頬の外表皮103に密着する。図5に示すように、第2押え体4は使用者100の頬粘膜102と上顎歯列104及び下顎歯列105との間に配置され、第2押え体4の表面40が頬粘膜102に密着する。口角106の厚みや頬の厚みは使用者100によって個人差がある。このため、接続部2におけるU字状に曲げられた部分の曲げ半径を手指で調整することにより、第1押え体3と第2押え体4との間隔を狭めたり拡げたり微調整できる。
【0035】
その後、使用者100が口101を閉じると、口腔内の上下方向から第2押え体4に荷重がかかり、第2押え体4の全体が無負荷時の曲率よりも更に大きい曲率となって変形する。その結果、第2押え体4によって使用者100の頬粘膜102は外側に押し付けられる。これにより、使用者100の頬粘膜102が上下顎歯列104,105に入り込むことが規制され、誤って自身の頬粘膜102を咬んでしまうことを防止できる。第2押え体4が変形することにより、保護具1の脱落も防止できる。
【0036】
一方、第1押え体3は、一般的な人の頬の曲線よりも小さな曲線(つまり大きな曲率)で形成されているので、使用者100の頬の外表皮103へ高い密着度で密着する。仮に、第1押え体3の密着度が不足する場合は、絆創膏やテープ等で第1押え体3を外表皮103へ固定することもできる。
【0037】
保護具1を使用者100の口腔内から取り外す場合は、使用者100の口101を開かせ、術者が接続部2におけるU字状に曲げられた部分を手で摘まんで口腔内から外側に抜き出す。この場合も口腔内への挿入時と同様に、使用者100に大きく口101を開かせる必要はなく、通常の開口で十分である。保護具1を口腔内から抜き出す際も第2押え体4が自身の弾性力で適度に変形するので、頬粘膜102を傷付けることはない。
【0038】
[変形例]
次に、図6を参照して本実施の形態における保護具1の変形例を説明する。なお、本変形例の説明では、上述の実施の形態と同一構成部分には同一符号を付し、説明を省略する。図6に示すように、第2押え体4には複数の空気流通孔45が形成されている。この構成によれば、例えば、図示しない頬粘膜を外科処置した際、第2押え体4で患部を保護するばかりでなく、患部に空気を流通できる。空気流通孔45は複数に限らず、単数であってもよい。
【0039】
なお、空気流通孔45は、第2押え体4のみに形成してもよいが、第1押え体3にも空気流通孔を形成してもよい。この構成によれば、仮に、使用者が保護具1を誤飲した場合でも使用者の窒息を防止できる。
【0040】
このように、本実施の形態の保護具1によれば、バイトブロックやスプリント等の医療器具のように使用者100に合わせて歯列の型採りや上下臼歯部の咬み合わせを採取する必要がないので製作が容易であり、しかも汎用性も高い。このため、例えば、小児用サイズと成人用サイズとに規格化したものを用意でき、それらの大量生産も可能である。
【0041】
また、保護具1を使用者100へ装着する場合、保護具1を使用者100から取り外す場合のいずれであっても、保護具1の第2押え体4が自身の弾性力で適度に変形するので、使用者100の頬粘膜102を傷付けることはない。また、使用者100にとっては、通常の開口状態で保護具1の装着、取り外しができるので、大きく口を開いた状態で維持する苦痛から開放される。
【0042】
今回、開示した実施の形態は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は、上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲での全ての変更を含む。
【符号の説明】
【0043】
1 頬粘膜の保護具
2 連結部
3 第1押え体
4 第2押え体
30,40 表面
31,41 裏面
33,43 隆起部
100 使用者
102 頬粘膜
103 頬の外表皮
104,105 上、下顎歯列

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の頬粘膜が上、下顎歯列の間へ入り込むことを規制する頬粘膜の保護具であって、
可撓性を有するシート状部材からなり、前記使用者の頬の外表皮上に配置される第1押え体と、
可撓性を有するシート状部材からなり、前記使用者の口腔内で上、下顎歯列と頬粘膜との間に配置される第2押え体と、
前記第1押え体と前記第2押え体とを連結するとともに、前記第1押え体の裏面と前記第2押え体の表面とで前記使用者の頬を挟持した状態で前記第1押え体と前記第2押え体とを保持する連結部とを有することを特徴とする頬粘膜の保護具。
【請求項2】
前記第1押え体と前記第2押え体は、円形、卵形、小判形、長円形、楕円形又は砲弾形に形成され、前記第1押え体の表面積は前記第2押え体の表面積よりも大きく形成されている請求項1に記載の頬粘膜の保護具。
【請求項3】
前記第1押え体は、前記外表皮上に装着した状態で内側から外側に向かって凸状に湾曲させてあり、前記第2押え体は、前記上、下顎歯列と頬粘膜との間に装着した状態で内側から外側に向かって凸状に湾曲させてある請求項1又は請求項2に記載の頬粘膜の保護具。
【請求項4】
前記第1押え体は、前記使用者の頬の曲線よりも大きな曲率で形成され、前記第2押え体は、前記使用者の上、下顎歯列弓に応じた曲率で形成されている請求項3に記載の頬粘膜の保護具。
【請求項5】
前記第1押え体と前記第2押え体の少なくとも一方に空気流通孔が形成されている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の頬粘膜の保護具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−13629(P2013−13629A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−149432(P2011−149432)
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【出願人】(504150461)国立大学法人鳥取大学 (271)
【Fターム(参考)】