説明

頭皮ケア装置

【課題】頭皮の汚れが除去できたかどうかの実感を得やすくすることができる頭皮ケア装置を提供する。
【解決手段】人体の頭皮と接触し、駆動源12の駆動により動作する施術突起22bにて頭皮のマッサージを行う頭皮ケア装置10において、施術突起22bの色が濃色系、詳しくはL*a*b*表色系でL*値が50以下に設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体の頭皮と接触する施術突起にて頭皮のマッサージを行う頭皮ケア装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1の頭皮ケア装置では、駆動源の駆動により動作する施術突起を頭皮に接触させることで頭皮のマッサージを行うようになっている。また、このような頭皮ケア装置では、施術突起によるマッサージの際に、頭皮のフケや皮脂等の汚れが施術突起の表面に付着し、これにより、その頭皮の汚れを除去することができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−327333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記の頭皮ケア装置では、施術突起の動作によるマッサージによってフケや皮脂等の頭皮の汚れがしっかりと除去できたかどうかの実感が得られにくく、この点の改善が求められている。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、頭皮の汚れが除去できたかどうかの実感を得やすくすることができる頭皮ケア装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、人体の頭皮と接触し、駆動源の駆動により動作する施術突起にて前記頭皮のマッサージを行う頭皮ケア装置において、前記施術突起は、その色が濃色系に設定されたことを特徴とする。
【0007】
この発明では、施術突起の色が濃色系であるため、施術突起に付着したフケや皮脂等の白色系の汚れが目立ちやすくなり、その結果、頭皮の汚れが除去できたかどうかの実感が得やすくなる。また、施術突起に付着した汚れが目立ちやすくなるため、施術突起の掃除がしやすくなる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の頭皮ケア装置において、前記施術突起の色は、L*a*b*表色系でL*値が50以下となるように設定されたことを特徴とする。
この発明では、施術突起の色がより暗めの色になるため、施術突起に付着したフケ等の白色系の汚れをより目立ちやすくすることができる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の頭皮ケア装置において、前記施術突起の色は、L*a*b*表色系でb*値が10以下となるように設定されたことを特徴とする。
この発明では、施術突起の色がより暗めの色になるため、施術突起に付着したフケ等の白色系の汚れをより目立ちやすくすることができる。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の頭皮ケア装置において、前記施術突起は、その材質がエラストマからなり、該施術突起の表面が凹凸形状またはポーラス形状に形成されたことを特徴とする。
【0011】
この発明では、施術突起の表面が凹凸形状又はポーラス形状に形成されるため、施術突起の表面に頭皮のフケ等を付着させやすくなり、頭皮ケア効果の向上に寄与できる。
【発明の効果】
【0012】
従って、上記記載の発明によれば、頭皮の汚れが除去できたかどうかの実感を得やすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態の頭皮ケア装置の概略構成図。
【図2】(a)(b)(c)別例の施術突起を説明するための説明図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態の頭皮ケア装置10は、図示しない本体ハウジングに支持された施術部11を備えている。施術部11は、前記本体ハウジング内に設けられた駆動源12の駆動に基づき動作するように構成されている。
【0015】
施術部11は、ハウジング21と、そのハウジング21に支持されたエラストマよりなる施術部材22とを備えている。施術部材22は、施術部11のハウジング21内に保持された平板状のベース部22aと、そのベース部22aから突出形成された複数の施術突起22bとからなる。各施術突起22bは、ハウジング21に形成された複数の貫通孔21aからハウジング21外に突出するように構成されている。尚、各施術突起22bは、先端が断面円弧状に湾曲された略円錐状をなしている。
【0016】
この施術部11は、駆動源の駆動によって、施術突起22bの突出方向と平行な回転軸を中心とする回転動作、施術突起22bの突出方向への往復動作、又は振動動作等を行うことが可能となっている。そして、施術突起22bが頭皮と接触する状態で施術突起22bを含む施術部11全体を動作させることで、施術突起22bの先端の動きに合わせて使用者の頭皮が動かされ、それにより、頭皮がケア(マッサージ)されることになる。
【0017】
このような頭皮ケア装置10において、エラストマよりなる施術部材22の材質の色は濃色系、詳しくはL*a*b*表色系で明度を表すL*値が50以下に設定されている。即ち、施術部11においてマッサージの際に頭皮と直接接触する部位である施術突起22bの表面の色が濃色系に設定されている。これにより、マッサージの際に施術突起22bに付着した頭皮の汚れ(フケや皮脂等の白色系の汚れ)が目立ちやすくなるため、頭皮の汚れが除去できたかどうかの実感が得やすくなっている。また、施術突起22bに付着した汚れが目立ちやすくなることで、施術突起22bの掃除がしやすくなっている。また、L*a*b*表色系でL*値が小さい程、濃い黒色に近づくため、施術突起22bの表面の色のL*値は、50以下の範囲の中でも0もしくは0に近い値に設定されるのが望ましく、それによって、マッサージの際に施術突起22bに付着した頭皮の汚れがより目立ちやすくなる。
【0018】
更に、本実施形態では、施術突起22b(施術部材22)の表面の色は、L*a*b*表色系において色度を表すa*値とb*値のうち、b*値が10以下に設定されている。これにより、施術突起22bの色がより暗めの色になるため、その施術突起22bに付着した頭皮の汚れがより目立ちやすくなっている。
【0019】
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)施術突起22bは、その色が濃色系に設定されるため、施術突起22bに付着したフケや皮脂等の白色系の汚れが目立ちやすくなり、その結果、頭皮の汚れが除去できたかどうかの実感が得やすくなる。また、施術突起22bに付着した汚れが目立ちやすくなるため、施術突起22bの掃除がしやすくなる。
【0020】
(2)施術突起22bの色は、L*a*b*表色系でL*値が50以下となるように設定される。これにより、施術突起22bの色がより暗めの色になるため、施術突起22bに付着したフケ等の白色系の汚れをより目立ちやすくすることができる。
【0021】
(3)施術突起22bの色は、L*a*b*表色系でb*値が10以下となるように設定される。これにより、施術突起22bの色がより暗めの色になるため、施術突起22bに付着したフケ等の白色系の汚れをより目立ちやすくすることができる。
【0022】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、施術部材22全体の色を濃色系としたが、これ以外に例えば、施術部材22のうちの施術突起22bのみを濃色系にしてもよく、詳しくは、施術部11のハウジング21の施術面(貫通孔21aが形成された面)から突出する部分が少なくとも濃色系であればよい。
【0023】
・上記実施形態では、施術部材22は材質そのものの色が濃色系に設定されたが、これ以外に例えば、施術突起22bの表面(又は施術部材22全体の表面)に濃色系の塗装がされた構成としてもよい。
【0024】
・上記実施形態では、施術突起22bを含む施術部材22をエラストマより構成したが、これに特に限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
・上記実施形態では、施術突起22bの色は、L*a*b*表色系でb*値が10以下に設定されたが、これに特に限定されるものではなく、b*値を10よりも大きく設定してもよい。
【0025】
・上記実施形態において、施術突起22bの表面を例えば図2(a)(b)(c)に示すような凹凸形状又はポーラス形状としてもよい。図2(a)では、施術突起22bの表面に多数形成された球状の凸部にて凹凸形状が形成されている。また、図2(b)では、施術突起22bの基端部から先端部に亘って等間隔に形成された複数の段差によって凹凸形状が形成されている。また、図2(c)では、施術突起22bの表面はポーラス形状に形成されている。
【0026】
この図2(a)〜(c)に示すような構成によれば、施術突起22bの表面が凹凸形状又はポーラス形状に形成されるため、施術突起22bの表面に頭皮のフケ等を付着させやすくなり、頭皮ケア効果(頭皮の汚れを除去することにより得られるケア効果)の向上に寄与できる。尚、図2(c)の構成の場合、一般的な頭皮の汚れ(フケ等)の大きさを考慮して、ポーラス形状の孔の大きさは2mm以下が望ましい。その構成によれば、施術突起22bの表面に頭皮の汚れを付着させやすくしつつも、ポーラス形状の孔に頭皮の汚れが詰まることを抑制することができ、その結果、施術突起22bの表面に付着した頭皮の汚れを容易に除去することが可能となる。
【0027】
・上記実施形態では、特に言及していないが、施術部11の数を単数としたが、これに特に限定されるものではなく、複数としてもよい。また、施術部11の形状等の構成は適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0028】
10…頭皮ケア装置、12…駆動源、22b…施術突起。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体の頭皮と接触し、駆動源の駆動により動作する施術突起にて前記頭皮のマッサージを行う頭皮ケア装置において、
前記施術突起は、その色が濃色系に設定されたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項2】
請求項1に記載の頭皮ケア装置において、
前記施術突起の色は、L*a*b*表色系でL*値が50以下となるように設定されたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項3】
請求項2に記載の頭皮ケア装置において、
前記施術突起の色は、L*a*b*表色系でb*値が10以下となるように設定されたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の頭皮ケア装置において、
前記施術突起は、その材質がエラストマからなり、該施術突起の表面が凹凸形状またはポーラス形状に形成されたことを特徴とする頭皮ケア装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−172624(P2011−172624A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−37029(P2010−37029)
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】