説明

頭皮ケア装置

【課題】使用者の好みに応じた頭皮ケアがしやすい頭皮ケア装置を提供する。
【解決手段】第1及び第2駆動装置11,12の駆動力に基づきそれぞれ回転される第1及び第2出力軸15,16に対し、施術突起23aを備えた第1及び第2施術子20a,20bがそれぞれ連結され、第1及び第2出力軸15,16の回転に伴って回転される施術子20a,20bの施術突起23aを頭皮に接触させて刺激を与える頭皮ケア装置1であって、各出力軸15,16の間の距離を可変するための軸間距離可変機構30を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、頭皮の活性化や育毛を図るための頭皮ケア装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1の頭皮ケア装置では、施術突起を備えた施術子が、駆動源の駆動力に基づき回転される出力軸に対して連結されており、出力軸の回転に伴って回転される施術子の施術突起を頭皮に接触させて刺激を与えることで、血流促進等の頭皮のケア効果が得られるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−213328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のような頭皮ケア装置では、1つの施療子が単純に回転するだけであるため、使用者の好みに応じた刺激(揉み感)を頭皮に与えることが難しく、この点において改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、使用者の好みに応じた頭皮ケアがしやすい頭皮ケア装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、駆動源の駆動力に基づき回転される出力軸に対し施術突起を備えた施術子が連結され、前記出力軸の回転に伴って回転される前記施術子の前記施術突起を頭皮に接触させて刺激を与える頭皮ケア装置であって、前記出力軸及び前記施術子は、それぞれ複数個設けられ、前記出力軸同士の間の距離を可変するための軸間距離可変機構を備えたことを特徴とする。
【0007】
この発明では、軸間距離可変機構にて出力軸同士の間の距離を可変することで、頭皮に与える刺激(揉み感)を変化させることが可能となり、その結果、使用者の好みに応じた頭皮ケアがしやすくなる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の頭皮ケア装置において、前記各施術子は、複数の前記施術突起からなる突起群を有し、該突起群の中心が対応する前記出力軸からずれた位置に設定されたことを特徴とする。
【0009】
この発明では、突起群の中心が出力軸からずれて位置されることで、突起群が出力軸の回転に基づきその出力軸の回りを周回動作するため、施術子の突起群の間で頭皮を挟み込むことが可能となり、頭皮ケア効果の向上に寄与できる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の頭皮ケア装置において、前記施術子のうち、互いに逆方向に回転する一対の施術子が隣り合うように配置され、それらの前記突起群の中心が、それぞれ対応する前記出力軸を結ぶ線分の垂直二等分線に対して互いに線対称となるように前記出力軸の回りを周回動作する、又はその線対称となる周回動作に対して±10度の範囲内のずれをもって周回動作するように設定されたことを特徴とする。
【0011】
この発明では、互いに逆方向に回転する2つの施術子の突起群の中心が、それぞれ対応する出力軸を結ぶ線分の垂直2等分線に対して互いに線対称(又は略線対称)となるように出力軸の回りを周回動作する。このため、その2つの施術子の間で頭皮に挟みの動きとさすりの動きを併せて与えることが可能となり、頭皮ケア効果のより一層の向上に寄与できる。また、その2つの施術子の突起群の中心が、線対称となる周回動作に対して±10度の範囲内のずれをもって周回動作するように構成した場合、挟みの動きとさすりの動きを好適に付与することが可能となり、線対称に周回動作するように構成した場合、より好適に挟みの動きとさすりの動きを付与することが可能となる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の頭皮ケア装置において、前記施術子のうち、互いに同方向に回転する一対の施術子が隣り合うように配置され、その前記突起群の中心が互いに180±10度の範囲内のずれをもって周回動作するように設定されたことを特徴とする。
【0013】
この発明では、互いに同方向に回転する一対の施術子間において頭皮にひねりの動きと挟みの動きを好適に与えることが可能となるため、頭皮ケア効果の向上に寄与できる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の頭皮ケア装置において、同方向に回転する前記一対の施術子は、その前記突起群の中心が互いに180度のずれをもって周回動作するように設定されたことを特徴とする。
【0014】
この発明では、互いに同方向に回転する一対の施術子間において頭皮にひねりの動きと挟みの動きをより効果的に与えることが可能となり、頭皮ケア効果のより一層の向上に寄与できる。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の頭皮ケア装置において、前記軸間距離可変機構は、前記出力軸の位置を可変するための駆動部と、前記駆動部を制御するための制御手段とを有し、前記制御手段は、前記施術子の回転状態において前記出力軸の位置を可変するように前記駆動部を制御することを特徴とする。
【0016】
この発明では、施術子の施術突起で頭皮に刺激を与えている最中でも出力軸間の距離を可変できるため、使用者の好みに応じた頭皮ケアをより一層しやすくすることが可能となる。また、出力軸の位置の可変が施術子のマッサージ動作に影響を与えるため、より多彩なマッサージ動作を実現することが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
従って、上記記載の発明によれば、使用者の好みに応じた頭皮ケアをしやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施形態の頭皮ケア装置の概略構成図。
【図2】(a)(b)本実施形態の施術子の動作を概略的に示す模式図。
【図3】(a)(b)別例の施術子の動作を概略的に示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態の頭皮ケア装置1は、把持可能なハウジング10と、そのハウジング10の上部に構成される第1施術子20a及び第2施術子20bとからなる。ハウジング10の側面には使用者が頭皮ケア装置1のオンオフ操作を行う電源スイッチ10aが設けられている。
【0020】
ハウジング10の内部には、第1及び第2施術子20a,20bをそれぞれ回転させるためのモータ等からなる第1及び第2駆動装置11,12が収容されるとともに、その各駆動装置11,12はハウジング10に収容された制御部13と電気的に接続されている。制御部13は、ハウジング10内に収容された電源14及び電源スイッチ10aと電気的に接続されている。
【0021】
第1及び第2駆動装置11,12には、それぞれ第1及び第2出力軸15,16が連結されており、その各出力軸15,16は各駆動装置11,12の駆動力に基づき回転駆動されるようになっている。各駆動装置11,12は、例えばモータとギヤ構造(ともに図示略)を有し、それらと連結された出力軸15,16とともにそれぞれ一体に構成されている。第2駆動装置12は、ハウジング10に対して移動不能に支持され、その第2駆動装置12に連結された第2出力軸16は、ハウジング10に対して軸受17を介して回転可能に支持されている。また、第2出力軸16は、その先端側がハウジング10の上部から外部に突出するように構成されている。
【0022】
一方、第1出力軸15は、左右方向に直線状をなすようにハウジング10の上面に形成された貫通孔10bに挿通されるとともに、その先端側が第2出力軸16と同様にハウジング10外部に突出している。なお、第1出力軸15と第2出力軸16とは、左右方向に並設されるとともに、互いに平行となるように上下方向に延びている。
【0023】
ハウジング10から突出する第1及び第2出力軸15,16の先端部には、それぞれ第1及び第2施術子20a,20bが連結されている。各施術子20a,20bは、各出力軸15,16の先端部に一体回転可能に固定された円盤状の回転部材21と、回転部材21に支持された支持部材22と、支持部材22に固定された4つの施術突起23a(図2(a)参照)からなる突起群23とを備える。
【0024】
各施術子20a,20bの回転部材21は、その中心部にそれぞれ対応する出力軸15,16の先端部が固定されており、駆動装置11,12の駆動に基づいて各出力軸15,16の中心である第1の軸15a,16aを中心に回転するようになっている。回転部材21の上面(反ハウジング側の面)に固定された基部21aには、平面視(第1の軸方向視)で円形状をなす支持部材22が軸受24を介してそれぞれ第1の軸15a,16aからずれた第2の軸25a,25b中心に回転可能に支持されている。なお、各基部21aの中心軸は、第2の軸25a,25bと一致している。
【0025】
第1の軸15a,16aと第2の軸25a,25bとは互いに平行であり、各第2の軸25a,25b同士も互いに平行となっている。なお、各施術子20a,20bの支持部材22は、その中心軸が対応する第2の軸25a,25bと一致するように構成されている。そして、各施術子20a,20bの支持部材22の中心軸(第2の軸25a,25b)は、回転部材21の回転に伴い、対応する第1の軸15a,16aの回りを周回するようになっている。
【0026】
支持部材22に設けられた各施術突起23aは、エラストマ等の弾性部材よりなり、略円錐形状に形成されている。また、各施術突起23aは、第2の軸25a,25bに沿って上方(反ハウジング側)に延出されるとともに、その高さ(支持部材22から突起先端までの距離)が互いに等しく設定されている。そして、図2(a)に示すように、各施術子20a,20bの支持部材22において、各施術突起23aは第2の軸25a,25bを中心として等角度間隔(90度間隔)で、第2の軸25a,25bから均等な距離に配置されている。これにより、各施術子20a,20bの突起群23の中心P1,P2はそれぞれ第2の軸25a,25bと一致する。すなわち、突起群23の中心P1,P2は、それぞれ対応する第1の軸15a,16aからずれた位置に設定されるため、各施術子20a,20bの突起群23は、対応する出力軸15,16の回転に基づき第1の軸15a,16aを中心として周回動作されるようになっている。
【0027】
[軸間距離可変機構の構成]
本実施形態の頭皮ケア装置1は、第1及び第2出力軸15,16の間の距離を可変するための軸間距離可変機構30を備えている。本実施形態では、軸間距離可変機構30は、第1駆動装置11及び第1出力軸15を軸直交方向(図中、左右方向)にスライド駆動させるべくハウジング10内に収容されている。
【0028】
軸間距離可変機構30は、ハウジング10に支持されたベース部31と、ベース部31に支持された駆動部32と、駆動部32及び第1駆動装置11とそれぞれ連結された送りねじ33とからなる。ベース部31は、第1駆動装置11を左右方向に移動可能に支持している。なお、ベース部31には、左右方向に直線状に延びる一対の長孔31aが形成されており、その各長孔31aは第1駆動装置11と係合されて第1駆動装置11を左右方向にガイドするようになっている。
【0029】
駆動部32は、制御部13と電気的に接続され、その制御部13の制御に基づき送りねじ33を左右方向に移動させる。すると、送りねじ33に連結された第1駆動装置11が長孔31aのガイドに沿って左右方向に移動するようになっている。すなわち、駆動部32の駆動に基づいて、第1出力軸15及び第1施術子20aが軸直交方向に移動するようになっている。なお、このとき、第1出力軸15は、ハウジング10の貫通孔10bにより左右方向にガイドされるようになっている。
【0030】
このような頭皮ケア装置1では、電源スイッチ10aが使用者によってオン操作されると、制御部13は、第1及び第2駆動装置11,12を駆動させて第1及び第2施術子20a,20bを回転駆動させる。この第1及び第2施術子20a,20bの回転駆動において、それらの突起群23の中心P1及びP2は、それぞれ第1及び第2出力軸15,16の中心である第1の軸15a,16aを中心として互いに等しい回転周期で周回動作するようになっている。
【0031】
このとき、第1及び第2施術子20a,20bの突起群23の中心P1,P2は互いに逆方向に周回動作する。なお、本実施形態では、図2(a)(b)に示すように、第1施術子20aの突起群23が時計回りに回転され、第2施術子20bの突起群23が反時計回りに回転されるようになっている。そして、各施術子20a,20bの突起群23の中心P1,P2は、第1の軸15a,16aを結ぶ線分の垂直二等分線Lに対して互いに線対称となるように、それぞれ対応する第1の軸15a,16aの回りを周回動作するようになっている。
【0032】
また、各施術子20a,20bの支持部材22は、回転部材21に固定された基部21aに対して回転可能に支持されているため、負荷(突起群23と接触する頭皮や毛髪との摩擦等)に応じて、例えば、平面視で第2の軸25a,25bに対する施術突起23aの位置関係が変化しない状態を保ったまま第1の軸15a,16a中心に周回することが可能とされている(図2(a)(b)参照)。従って、負荷(突起群23と接触する頭皮や毛髪との摩擦等)によっては、突起群23の各施術突起23aが第1の軸15a,16aを中心として単純に(それぞれがそれぞれの半径で)回転する運動に基づいて施術子に毛髪が絡まってしまうといった現象を抑制することが可能となっている。
【0033】
また、制御部13は、電源スイッチ10aが使用者によってオン操作されると、軸間距離可変機構30の駆動部32を駆動させ、その駆動に基づき第1駆動装置11及び第1出力軸15が左右方向に移動する。制御部13は、この第1出力軸15の左右方向の移動と第1施術子20aの突起群23の周回動作とが同期するように動作させる。
【0034】
詳しくは、第1施術子20aの突起群23が第2施術子20b側に最も接近する位置(図2(b)参照)から、その突起群23が第2施術子20bから最も離れる位置(図2(a)参照)までの半周を周回している時には、第1出力軸15(第1の軸15a)は出力軸16(第1の軸16a)から離れる方向(図中、左方向)に移動する。反対に、第1施術子20aの突起群23が第2施術子20bから最も離れる位置から、その突起群23が第2施術子20b側に最も接近する位置までの半周を周回している時には、第1出力軸15(第1の軸15a)は出力軸16(第1の軸16a)に接近する方向(図中、右方向)に移動するようになっている。
【0035】
このとき、施術子20a,20bの間を局所的に見ると、各施術子20a,20bの突起群23は、互いに接近した状態(第2の軸25a,25bがそれぞれ対応する第1の軸15a,16aよりも垂直二等分線L側にある状態)で略同方向(図中、手前方向)に移動する(図2(b)参照)。これにより、同じタイミングで接近する第1及び第2施術子20a,20bの突起群23で頭皮を挟むとともに、そこから一方方向(図中、手前方向)にさすり揉みするような頭皮マッサージを実現できるようになっている。そして、このように挟みの動作及びさすり揉みの動作を行う各施術子20a,20bの突起群23を頭皮に接触させると、その突起群23の動きに合わせて使用者の頭皮が効果的に動かされることになり、頭皮がケア(マッサージ)されることになる。更に、そのマッサージと同期して第1出力軸15(第1の軸15a)が第2施術子20b側に移動されるため、マッサージ中において頭皮に与える刺激(揉み感)を変化させることができ、その結果、より効果的に頭皮に刺激を与えることが可能となっている。また、本実施形態の頭皮ケア装置1では、施術子20a,20bが回転駆動される状態で各出力軸15,16の間の距離が可変されるため、頭皮に対して広範囲にマッサージすることが可能となっている。
【0036】
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)各出力軸15,16の間の距離を可変するための軸間距離可変機構30を備えるため、その軸間距離可変機構30にて各出力軸15,16の間の距離を可変することで、頭皮に与える刺激(揉み感)を変化させることが可能となり、その結果、使用者の好みに応じた頭皮ケアがしやすくなる。
【0037】
(2)各施術子20a,20bは、複数の施術突起23aからなる突起群23を有し、その突起群23の中心P1,P2が対応する出力軸15,16からずれた位置に設定される。これにより、各施術子20a,20bの突起群23が出力軸15,16の回転に基づきその出力軸15,16の回りを周回動作するため、施術子の突起群23の間で頭皮を挟み込むことが可能となり、頭皮ケア効果の向上に寄与できる。
【0038】
(3)互いに逆方向に回転する一対の施術子20a,20bが隣り合うように配置され、それらの突起群23の中心P1,P2が、それぞれ対応する出力軸15,16を結ぶ線分の垂直二等分線Lに対して互いに線対称となるように出力軸15,16の回りを周回動作する。このため、その2つの施術子20a,20bの間で頭皮に挟みの動きとさすりの動きを併せて与えることが可能となり、頭皮ケア効果のより一層の向上に寄与できる。
【0039】
(4)軸間距離可変機構30は、第1出力軸15の位置を可変するための駆動部32と、駆動部32を制御するための制御手段としての制御部13とを有し、制御部13は、第1施術子20aの回転状態において第1出力軸15の位置を可変するように駆動部32を制御する。これにより、各施術子20a,20bの施術突起23aで頭皮に刺激を与えている最中でも、出力軸15,16間の距離を可変できるため、使用者の好みに応じた頭皮ケアをより一層しやすくすることが可能となる。また、第1出力軸15の位置の可変が第1施術子20aのマッサージ動作に影響を与えるため、より多彩なマッサージ動作を実現することが可能となる。
【0040】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、各施術子20a,20bは、互いに逆方向に回転されたが、互いに同方向に回転するようにしてもよい。その中でも、施術子20a,20bの突起群23の中心P1,P2が互いに180度±10度の範囲内のずれをもって同方向に周回動作するように構成すれば、施術子20a,20b間において、それらの突起群23にて頭皮にひねりの動きと挟みの動きを好適に与えることが可能となるため、頭皮ケア効果の向上に寄与できる。
【0041】
更に、そのずれの範囲内で、図3(a)(b)に示すように、施術子20a,20bの突起群23の中心P1,P2が180度のずれをもって同方向に周回動作するように構成すると、なお効果的である。詳述すると、施術子20a,20bの間を局所的に見ると、各施術子20a,20bの突起群23は、互いに接近した状態で互いにすれ違うように周回動作する(図3(b)参照)。これにより、同じタイミングで接近する各施術子20a,20bの突起群23で頭皮を挟むとともに、そこから互いにすれ違う突起群23の動作によって頭皮にひねりの動きを与えることが可能となっている。このため、施術子20a,20b間において、それらの突起群23にて頭皮にひねりの動きと挟みの動きをより効果的に与えることが可能となり、頭皮ケア効果のより一層の向上に寄与できる。
【0042】
・上記実施形態では、各施術子20a,20bの突起群23の中心P1,P2は、垂直二等分線Lに対して互いに線対称となるように周回動作されたが、これに特に限定されるものではない。これ以外に例えば、施術子20a,20bの突起群23の中心P1,P2が、互いに線対称となる周回動作に対して±10度の範囲内のずれをもって周回動作するように構成してもよい。この構成によっても、施術子20a,20bの間で頭皮に挟みの動きとさすりの動きを併せて与えることが可能となり、頭皮ケア効果のより一層の向上に寄与できる。しかしながら、このような突起群23の中心P1,P2が互いにずれをもって周回動作する構成よりも、上記第1実施形態のように線対称となるように周回動作する構成の方がより好適に頭皮に挟みの動きとさすりの動きを併せて与えることが可能となる。
【0043】
・上記各実施形態において、施術子20a,20bの少なくとも1つの回転方向を例えば所定周毎に変更しつつ動作させてもよい。このような構成によれば、例えば、頭皮の同一の部位に対して突起群23の正転動作の刺激と逆転動作の刺激を与えることが可能となる。従って、頭皮に与える動きのバリエーションをより一層増やすことが可能となり、頭皮ケア効果のより一層の向上に寄与できる。
【0044】
・上記実施形態では、第1出力軸15を軸直交方向に移動するように構成したが、これに特に限定されるものではなく、第1及び第2出力軸15,16の両方、又は、第2出力軸16のみを移動するように構成してもよい。
【0045】
・上記実施形態では、施術子20a,20bが回転駆動する状態で出力軸15,16間の距離を可変したが、これに特に限定されるものではなく、例えば、使用前に出力軸15,16間の距離を調整し、その距離を維持したまま施術子20a,20bを回転駆動させて使用するように構成してもよい。
【0046】
・上記実施形態では、制御部13が軸間距離可変機構30にて自動で出力軸15,16間の距離を可変するように構成したが、これに特に限定されるものではなく、例えば、
使用者が軸間距離可変機構にて手動で出力軸15,16間の距離を可変することができる構成としてもよい。
【0047】
・上記実施形態では、施術子20a,20bが2つ設けられたが、これに特に限定されるものではなく、3つ以上としてもよい。
・上記実施形態では、施術突起23aの材質をエラストマとしたが、特にこれに限定されるものではなく、エラストマ以外としてもよい。
【0048】
・上記実施形態では、1つの施術子に設けられる施術突起23aの数を4つとしたが、これに特に限定されるものではなく、その数は構成に応じて適宜変更してもよい。
・上記実施形態では、出力軸15,16の中心である第1の軸15a,16aからずれた位置に突起群23の中心P1,P2を設定したが、これに特に限定されるものではなく、第1の軸15a,16aと突起群23の中心P1,P2とが一致するように構成してもよい。これにより、出力軸15,16の回転に基づき突起群23はその中心P1,P2を中心軸として回転する。このような構成によっても、上記実施形態と略同様の作用効果を得ることが可能となる。
【0049】
・上記実施形態において、第1及び第2駆動源11,12の構成は適宜変更しても良い。
【符号の説明】
【0050】
1…頭皮ケア装置、11,12…駆動源としての駆動装置、13…制御手段としての制御部、15,16…出力軸、20a,20b…施術子、23…突起群、23a…施術突起、30…軸間距離可変機構、32…駆動部、P1,P2…突起群の中心。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源の駆動力に基づき回転される出力軸に対し施術突起を備えた施術子が連結され、前記出力軸の回転に伴って回転される前記施術子の前記施術突起を頭皮に接触させて刺激を与える頭皮ケア装置であって、
前記出力軸及び前記施術子は、それぞれ複数個設けられ、
前記出力軸同士の間の距離を可変するための軸間距離可変機構を備えたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項2】
請求項1に記載の頭皮ケア装置において、
前記各施術子は、複数の前記施術突起からなる突起群を有し、該突起群の中心が対応する前記出力軸からずれた位置に設定されたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項3】
請求項2に記載の頭皮ケア装置において、
前記施術子のうち、互いに逆方向に回転する一対の施術子が隣り合うように配置され、それらの前記突起群の中心が、それぞれ対応する前記出力軸を結ぶ線分の垂直二等分線に対して互いに線対称となるように前記出力軸の回りを周回動作する、又はその線対称となる周回動作に対して±10度の範囲内のずれをもって周回動作するように設定されたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項4】
請求項2に記載の頭皮ケア装置において、
前記施術子のうち、互いに同方向に回転する一対の施術子が隣り合うように配置され、その前記突起群の中心が互いに180±10度の範囲内のずれをもって周回動作するように設定されたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項5】
請求項4に記載の頭皮ケア装置において、
同方向に回転する前記一対の施術子は、その前記突起群の中心が互いに180度のずれをもって周回動作するように設定されたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の頭皮ケア装置において、
前記軸間距離可変機構は、前記出力軸の位置を可変するための駆動部と、前記駆動部を制御するための制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記施術子の回転状態において前記出力軸の位置を可変するように前記駆動部を制御することを特徴とする頭皮ケア装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−172630(P2011−172630A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−37035(P2010−37035)
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】