説明

頭皮ケア装置

【課題】より好適に施術突起の汚れを除去することが可能な頭皮ケア装置を提供する。
【解決手段】施術突起23には光触媒コーティング23aが施される。載置台40には、施術突起23の一部を施術突起23毎に覆う凹部42を有し、凹部42には頭皮ケア装置本体10を載置した際に施術突起23のコーティング23aにおいて光触媒作用を発生させるための面光源43が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、頭皮の活性化を図るための頭皮ケア装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1の頭皮ケア装置では、複数の施術突起を有する施術子が駆動源の駆動により動作するように構成されており、動作する施術子の施術突起を頭皮に接触させて刺激を与えることで、血流促進等の頭皮のケア効果が得られるようになっている。
【0003】
このような頭皮ケア装置では、頭皮に使用しているため、特に施術突起を清潔な状態に維持することが重要である。このため、例えば特許文献2の肌用装置のように光触媒作用を利用することで頭皮ケア装置の汚れを抑えて清潔な状態で維持することが考えられる。ここで、特許文献2の肌用装置について説明すると、使用者の肌と当接される平らな接触面に光触媒コーティングが施されるとともに、肌用装置を載置する載置台に紫外線LED等の点光源が設けられている。この点光源の光が前記接触面に到達することで光触媒作用が引き起こされて、その接触面の汚れが除去されることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−119016号公報
【特許文献2】特開2010−29250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のような肌用装置では、使用者の肌との接触面が比較的単純な平面形状であるため、その接触面全体に対して紫外線LED等の1つの点光源からの光を到達させることが可能とされている。しかしながら、例えば複数の施術突起が設けられた頭皮ケア装置では、点光源からの光がその突起の一面側にのみにしか当たらない虞がある。このため、頭皮ケア装置のように施術突起が設けられている場合では、好適に施術突起の汚れを除去することが難しく、この問題を改善した頭皮ケア装置の開発が望まれている。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、より好適に施術突起の汚れを除去することが可能な頭皮ケア装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、使用者の頭皮に接触させてその頭皮に刺激を付与する施術突起を備えた頭皮ケア装置本体と、該頭皮ケア装置本体の施術突起側を少なくとも収容するように載置可能な載置台とを備えた頭皮ケア装置であって、少なくとも前記施術突起には光触媒コーティングが施され、前記載置台には、前記施術突起の一部を覆う凹部を有し、該凹部には前記頭皮ケア装置本体を載置した際に前記施術突起のコーティングにおいて光触媒作用を発生させるための面光源が設けられたこと特徴とする。
【0008】
また上記構成において、載置台及び前記頭皮ケア装置本体の少なくとも一方には前記頭皮ケア装置本体を振動させるための振動源と、該振動源の駆動を制御する制御部とが備えられ、前記制御部は、前記載置台に頭皮ケア装置本体が載置された際に前記振動源を駆動させるよう制御することが好ましい。
【0009】
また上記構成において、前記制御部は、前記振動源を駆動させた後に前記面光源を駆動させるよう制御することが好ましい。
また上記構成において、載置台には前記施術突起に付着した液体を蒸発させるヒータと、該ヒータの駆動を制御する制御部とが備えられることが好ましい。
【0010】
また上記構成において、制御部は、前記ヒータを駆動させた後に前記面光源を駆動させるよう制御することが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、より好適に施術突起の汚れを除去することが可能な頭皮ケア装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態における頭皮ケア装置の概略構成図である。
【図2】頭皮ケア装置の動作例について説明するためのタイミングチャートである。
【図3】頭皮ケア装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、本実施の形態の頭皮ケア装置1は、頭皮ケア装置本体10と、この装置本体10を支持する載置台40とを備える。
【0014】
頭皮ケア装置本体10は、把持可能な本体ハウジング11と、この本体ハウジング11の端部に構成される略円柱状の2つの施術子21とを備えている。
本体ハウジング11の側面には電源スイッチ12が備えられている。本体ハウジング11の内部には各施術子を独立して駆動させるための2つの回転モータ13が収容されるとともに、この回転モータ13は本体ハウジング11に収容された制御部14と電気的に接続されている。この制御部14は、本体ハウジング11内に収容された二次電池からなる電源部15と振動モータ30と前記電源スイッチ12と電気的に接続されている。
【0015】
施術子21は、前記回転モータ13によって回転駆動される回転部材22と、この回転部材22に設けられる複数(図1では2つ図示)の施術突起23とを有している。各施術突起23は、例えば可撓性を有するUV硬化型エラストマ若しくはUV吸収剤を含羞するエラストマで構成されるとともに、少なくともその表面には光触媒コーティング23aが施されている。
【0016】
上記のように構成された頭皮ケア装置本体10では、電源スイッチ12が使用者によってオン操作されると、制御部14はその電源スイッチ12からのオン操作信号の入力に基づいて、回転モータ13(そのモータ軸13a)を回転駆動させるための電力を電源部15から回転モータ13に供給する。そして、回転モータ13のモータ軸が回転駆動されると、前記施術子21の回転部材22及び施術突起23が一体回転される。そして、施術突起23の先端を頭皮に接触させると、施術突起23の先端の動きに合わせて使用者の頭皮が動かされることになり、頭皮がケア(マッサージ)されることになる。
【0017】
一方、上記のように構成された頭皮ケア装置本体10が載置可能な載置台40は、前記施術突起23を収容可能な収容空間を有する有底筒状に形成される。ここで、頭皮ケア装置本体10には、本体ハウジング11の外周部にフランジ部11aが形成されており、載置台40に載置する際には、前記フランジ部11aが載置台40の開口端部40aと当接するようになっている。また、載置台40の開口端部40aには一部が切り欠きされて、空気等の流体が流入及び流出可能に窪み部40bが形成されている。
【0018】
載置台40の底部41は、施術突起23及びこれを有する施術子21に対応した形状とされる。具体的には、載置台40の底部41には、施術突起23の形状に倣った複数の凹部42が形成されている。また載置台40の底部41には、その表面略全体に亘って紫外線LED等の紫外線を発生させる面光源43が設けられている。このため、施術突起23の略全体に紫外線(光)を到達させることが可能となっている。
【0019】
また、載置台40には前記面光源43より下部に前記施術突起23等を乾燥させるためのヒータ44が設けられている。前記面光源43及び前記ヒータ44はこれらの駆動を制御する制御部45と電気的に接続されている。この制御部45は外部の商用電源と接続される電源部46と電気的に接続されている。また、制御部45は、載置台40の側壁40cに設けられて前記頭皮ケア装置本体10の電源部15側に電力供給を行うための接続端子47と電気的に接続されている。なお、この接続端子47は、前記頭皮ケア装置本体10側に設けられる接続端子16と接触可能に構成されており、前記載置台40に載置された否かを検知するためにも使用されるようになっている。
【0020】
上記のように構成された頭皮ケア装置本体10及び載置台40を備えた頭皮ケア装置1では、例えば載置台40に頭皮ケア装置本体10を互いの接続端子16,47を接続した状態で載置すると、頭皮ケア装置本体10の電源部15に充電が行われるようになっている。これに加えて、頭皮ケア装置本体10の制御部14は、図1及び図2に示すように時間T1(=0)において振動モータ30を駆動させて頭皮ケア装置本体10全体を振動させて、施術突起23等に付着した水分が飛散される。また、これと同時若しくは僅かに後で、制御部45は、載置台40に設けられるヒータ44を駆動させて施術突起23等の頭皮ケア装置本体10側に付着した水分や施術突起23から飛散された水分を蒸発させる。なお、この蒸発された水分は載置台40の開口端部40aの一部に切り欠き形成された窪み部40bから外部に流出されるようになっている。
【0021】
次いで、時間T2(例えば5分)において載置台40の制御部45は面光源43を駆動させる。これと略同時に頭皮ケア装置本体10の制御部14は振動モータ30の駆動を停止させる。その後、時間T3(例えば10分)において制御部45はヒータ44の駆動を停止させる。次いで、制御部45は頭皮ケア装置本体10が載置台40に載置されてから時間T4(例えば5時間程度)が経過されると面光源43の駆動を停止させる。このように長時間、面光源43を駆動させて光触媒作用を生じさせることで、施術突起23の汚れを抑制させることができるようになっている。また、紫外線を発する面光源43であるため施術突起23等の対向面に対して殺菌等の効果を作用させることができるようになっている。
【0022】
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)少なくとも施術突起23には光触媒コーティング23aが施される。載置台40には、施術突起23の一部を施術突起23毎に覆う凹部42を有し、凹部42には頭皮ケア装置本体10を載置した際に施術突起23のコーティング23aにおいて光触媒作用を発生させるための面光源43が設けられる。このように比較的複雑な形状の施術突起23を凹部42にて覆い、この凹部42に面光源43を設けることで面光源43からの光(紫外線)を隈無く照射させることが可能となる。
【0023】
(2)頭皮ケア装置本体10には頭皮ケア装置本体10を振動させるための振動モータ30と、この振動モータ30の駆動を制御する制御部14とが備えられる。この制御部14は、載置台40に頭皮ケア装置本体10が載置された際に振動モータ30を駆動させるよう制御する。このような構成とすることで、使用者は頭皮ケア装置本体10を載置台40に置くだけで、施術突起23等に付着した液体を飛散させることができる。特に、施術突起23は光触媒コーティングが施されているため、親水性が高く、振動させることが付着した液体が表面の汚れを洗い流す作用も生じさせることができる。
【0024】
(3)制御部14により振動モータ30を駆動させた後に制御部45にて面光源43を駆動させるよう制御する。このように、載置台40に載置された状態の頭皮ケア装置本体10の施術突起23等に付着した液体を振動モータ30にて飛散させて、付着した液体が十分に飛散された施術突起23に対して面光源43からの光(紫外線)を照射させることができる。これによってより好適な光触媒作用を生じさせることができる。
【0025】
(4)載置台40には施術突起23に付着した液体や収容空間内の水分を蒸発させるヒータ44が載置台40の制御部45にて制御される。このように、ヒータ44を設けることで施術突起23等に付着した水分を蒸発させることができる。このため、面光源43からの光をより確実に施術突起23側に照射させることができ、殺菌やぬめり防止効果をより向上させることができる。また、蒸発された水分は窪み部40bから外部に流出させて収容空間内の湿度を下げることができるため、細菌等の繁殖を抑えることができる。
【0026】
(5)制御部45は、ヒータ44を駆動させた後に面光源43を駆動させるよう制御する。このような構成とすることで、ヒータ44にて施術突起23の水分を蒸発させた後に、面光源43による光触媒作用を生じさせることができる。
【0027】
(6)面光源43を紫外線を発生させる紫外線LEDにて構成したため、施術突起23等に対して殺菌等の効果を作用させることができる。
(7)施術突起23をUV硬化型エラストマ若しくはUV吸収剤を含有するエラストマにて構成されているため、紫外線を施術突起に照射してもその劣化を低減させることができる。
【0028】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、施術突起23毎に凹部42を設ける構成としたが、例えば図3に示すように、施術突起23が設けられる施術子21毎に凹部42を設ける構成を採用してもよい。
【0029】
・上記実施形態では、載置台40内部にヒータ44を設ける構成を採用したが、例えば図3に示すようにヒータ44を省略した構成を採用してもよい。なお、ヒータ44を省略した場合、前記窪み部40bを省略してフランジ部11aと載置台40の開口端部40aとで収容空間を密閉した構造を採用することが望ましい。このような構成とすることで、外部に面光源43の光が漏れることを抑えることができ、好適に光触媒作用を引き起こすことが可能となる。
【0030】
・上記実施形態では、紫外線によって光触媒作用を引き起こす光触媒コーティング23aを施すよう構成したが、これに限らない。例えば可視光によって光触媒作用を引き起こす可視光応答型光触媒を用いてもよい。このように紫外線を積極的に使用しない構成とすることで、エラストマ等の劣化(酸化)を抑えることができる。
【0031】
・上記実施形態では、載置台40に頭皮ケア装置本体10が載置されると自動で振動モータ30が駆動するように構成したが、例えば、別途振動モータ30を駆動させるスイッチを設けて、手動で振動モータ30を駆動させる構成を採用してもよい。
【0032】
・上記実施形態では、振動モータ30を頭皮ケア装置本体10側に設ける構成としたが、載置台40に振動モータ30を設けてもよい。このような構成とすることで頭皮ケア装置本体10の軽量化を図ることができる。
【0033】
・上記実施形態では、振動モータ30を設ける構成としたが、省略した構成を採用してもよい。
・上記実施形態では、光触媒コーティング23aを施術突起23のみに施すような構成としたが、これに限らない。例えば、施術突起23の基端側である頭皮ケア装置本体10の施術側面11a(図1参照)に光触媒コーティング23aを施して、施術側面11aの汚れを抑制させる構成を採用してもよい。
【符号の説明】
【0034】
1…頭皮ケア装置、10…頭皮ケア装置本体、14,45…制御部、23…施術突起、23a…光触媒コーティング、30…振動モータ(振動源)、40…載置台、42…凹部、43…面光源、44…ヒータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の頭皮に接触させてその頭皮に刺激を付与する施術突起を備えた頭皮ケア装置本体と、該頭皮ケア装置本体の施術突起側を少なくとも収容するように載置可能な載置台とを備えた頭皮ケア装置であって、
少なくとも前記施術突起には光触媒コーティングが施され、
前記載置台には、前記施術突起の一部を覆う凹部を有し、該凹部には前記頭皮ケア装置本体を載置した際に前記施術突起のコーティングにおいて光触媒作用を発生させるための面光源が設けられたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項2】
請求項1に記載の頭皮ケア装置において、
前記載置台及び前記頭皮ケア装置本体の少なくとも一方には前記頭皮ケア装置本体を振動させるための振動源と、該振動源の駆動を制御する制御部とが備えられ、
前記制御部は、前記載置台に頭皮ケア装置本体が載置された際に前記振動源を駆動させるよう制御することを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項3】
請求項2に記載の頭皮ケア装置において、
前記制御部は、前記振動源を駆動させた後に前記面光源を駆動させるよう制御することを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の頭皮ケア装置において、
前記載置台には前記施術突起に付着した液体を蒸発させるヒータと、該ヒータの駆動を制御する制御部とが備えられたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項5】
請求項4に記載の頭皮ケア装置において、
前記制御部は、前記ヒータを駆動させた後に前記面光源を駆動させるよう制御することを特徴とする頭皮ケア装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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