説明

頭皮ケア装置

【課題】より好適に頭皮のマッサージを行うことができる頭皮ケア装置を提供することができる。
【解決手段】使用者の頭皮と接触するとともにモータ12の駆動により動作される施術突起22にて頭皮に刺激を付与させつつ、頭皮に直接若しくは間接的にミストを付与するミスト発生部30が備えられる。ミスト発生部は、生成されたミストを放出するミスト放出口33を有し、そのミスト放出口から放出されるミストが駆動源により動作される施術突起側を向くように構成されることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、頭皮の活性化を図るための頭皮ケア装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1の頭皮ケア装置では、施術突起を備えた施術子が、駆動源の駆動力に基づき回転される出力軸に対して連結されており、出力軸の回転に伴って回転される施術子の施術突起を頭皮に接触させて刺激を与えることで、血流促進等の頭皮のケア効果(マッサージ効果)が得られるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−213328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような頭皮ケア装置では、施術子の施術突起を前記出力軸にて回転させることで頭皮に刺激を付与することができるようになっているが、より好適に頭皮のマッサージを行うことができる頭皮ケア装置の開発が望まれている。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、より好適に頭皮のマッサージを行うことができる頭皮ケア装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の頭皮ケア装置は、使用者の頭皮と接触し、駆動源の駆動により動作される施術突起にて頭皮に刺激を付与する頭皮ケア装置であって、頭皮に直接若しくは間接的にミストを付与するミスト発生部が備えられたこと特徴とする。
【0007】
また上記構成において、ミスト発生部は、生成されたミストを放出するミスト放出口を有し、そのミスト放出口から放出されるミストが駆動源により動作される施術突起側を向くように構成されることが好ましい。
【0008】
また上記構成において、施術子は、施術突起と、施術突起の少なくとも一部を上端面から外部に露出した状態で固定する固定部とを有し、記ミスト発生部は、施術子の外周部に設けられる筒状のミスト用ハウジングと、このミスト用ハウジングの上端面に形成されて生成されたミストを頭皮に放出させるミスト放出口とを有し、ミスト用ハウジングの上端面が固定部の上端面よりも高い位置に設定されることが好ましい。
【0009】
また上記構成において、ミスト発生部は、液体を超音波にて霧化させる超音波振動子にて構成されたことが好ましい。
また上記構成において、ミスト発生部は、液体を霧化させるヒータにて構成されたことが好ましい。
【0010】
また上記構成において、ヒータにて生成された前記ミストを冷却する冷却手段を備えることが好ましい。
また上記構成において、冷却手段は、前記ミスト発生部から前記施術突起までの第1ミスト供給路と、前記施術突起から前記ミスト放出口までの第2ミスト供給路とで構成されることが好ましい。
【0011】
また上記構成において、第2ミスト供給路と接続されて該第2ミスト供給路を通る前記ミストを更に冷却する冷却部が設けられることが好ましい。
また上記構成において、冷却部は、前記第2ミスト供給路と連通されて外部からの空気の流入が可能な空気導入路と、該空気導入路中に外部から空気を取り込むファンとを備えることが好ましい。
【0012】
また上記構成において、駆動源及びミスト発生部の駆動を制御する制御部を備え、制御部は、駆動源を駆動させて施術突起を動作した後に、ミスト発生部を駆動するように制御することが好ましい。
【0013】
また上記構成において、駆動源及びミスト発生部の駆動を制御する制御部を備え、制御部は、ミスト発生部を停止させた後に駆動源を停止するように制御することが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、より好適に頭皮のマッサージを行うことができる頭皮ケア装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態における頭皮ケア装置を示す斜視図である。
【図2】本実施形態における頭皮ケア装置の断面図である。
【図3】頭皮ケア装置の動作例について説明するためのフローチャートである。
【図4】頭皮ケア装置の動作例について説明するためのタイミングチャートである。
【図5】別例における頭皮ケア装置の断面図である。
【図6】別例における頭皮ケア装置の断面図である。
【図7】別例における頭皮ケア装置の断面図である。
【図8】別例における頭皮ケア装置の断面図である。
【図9】別例における頭皮ケア装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態における頭皮ケア装置1の斜視図である。頭皮ケア装置1は、外観が略直方体状の本体ハウジング10と、この本体ハウジング10の上部に構成される略円柱状の施術子20と、この施術子20の外周側に配設されるミスト発生部30とを有している。本体ハウジング10は、使用者による把持が可能な大きさに形成されるとともに、その側面10aには使用者が頭皮ケア装置1のオンオフ操作を行うスイッチ11が設けられている。
【0017】
本体ハウジング10の内部には、図2に示すようにモータ12が収容されており、該モータ12は本体ハウジング10に収容される制御部13と電気的に接続されている。制御部13は、該制御部13の上部に配置される電源部14及びスイッチ11と電気的に接続されている。
【0018】
モータ12のモータ軸12aの先端には駆動ギヤ12bが取り付けられ、この駆動ギヤ12bは円盤状の回転体15を回転させるための第1回転軸15aの下端に取り付けられた第1ギヤ15bと噛合される。この第1回転軸15aは、本体ハウジング10の上面10bの開口部10cに設けられたベアリング16にて回転可能に支持されて本体ハウジング10から突出し、第1回転軸15aは回転体15の円中心に設けられた貫通孔15cに挿通固定されている。回転体15の上面15dには、施術子20が回転体15と一体回転可能に支持されている。
【0019】
施術子20は、その上面(カバー23の上面23a)が本体ハウジング10の上面10bと平行となるように支持されていて、その上面に対して垂直方向に略円錐状の4つの施術突起22の少なくとも一部露出された状態で立設されている。各施術突起22は、回転軸線L1(回転中心)を中心とした同一円周上に等角度間隔に配置されている。この施術突起22は可撓性を有する弾性体にて構成されるとともに、施術突起22の先端部22aには中央に向かって半球状に凹んだ凹部22bを有する。この凹部22bは、吸着構造を構成するものであり、頭皮に押付けると自身の弾性にて頭皮に吸着(密着)するようになっている。施術子20は、上面23aとこの上面23aの縁部から垂設された側壁23bとを有するカバー23にて外周が覆われ、施術突起22に対応する部分に開口された挿通孔23cから施術突起22が突出するようになっている。
【0020】
ミスト発生部30は、前記施術子20の外周側に配置されるとともに、カバー23の側壁23bと対向してこの側壁23bを覆うような略円筒状を成すミスト用ハウジング31を有している。
【0021】
ミスト用ハウジング31は、その下端部31aが前記本体ハウジング10の上端部に当接した状態で固定されている。このミスト用ハウジング31は中空形状に形成されるとともに、その内部に前記制御部13によってその駆動が制御されるミスト発生装置32が備えられている。
【0022】
ミスト発生装置32は、例えば図示しないタンクに貯留された精製水等の液体が超音波振動子に滴下されるとともに、その滴下された液体が超音波振動子の振動によって霧化するように構成されている。なお、超音波振動子を用いる構成のミスト発生装置32は、タンクを小型化して液体の量を減らしても容易にミストを発生させることができる。また、ヒータ等によって液体を沸騰させることでミスト(蒸気)を付与するミスト発生装置と比較すると、粒径の小さなミストを生成することができるため、頭皮にそのミストを浸透させ易くすることができる。
【0023】
円筒状のミスト用ハウジング31の上端部31bには周方向略等間隔に複数のミスト放出口33が形成されており、このミスト放出口33には開閉可能な弁34が設けられている。この弁34は例えばミスト発生時にはミストを前記ミスト放出口33から放出可能とするとともに、ミストが発生していない時には外部からの塵等の侵入を抑制させることができるようになっている。
【0024】
また、ミスト用ハウジング31の上端部31bは、径方向内側である回転軸線L1(施術突起22)側ほど低くなるような傾斜面が形成されている。このような構成により、ミスト放出口33が施術突起22(径方向中心)側を向くようになるため、ミストを頭皮に対して容易に浸透(付与)させることができるようになっている。
【0025】
ミスト用ハウジング31の上端部31bは、施術子20の上面23aよりも高く、且つ施術突起22の先端部よりも低い位置となるように設定されている。このため、使用者の頭皮に施術突起22を当接させつつ、回転される施術子20の上面23aとは当接されない状態とすることができる。これにより、回転する部材としては頭皮との接触が施術突起22に限定することができるため、所望の刺激を頭皮に付与することができるようになっている。
【0026】
またミスト用ハウジング31の下部には外部と連通される貫通孔35が形成されている。この貫通孔35は、例えばミスト用ハウジング31と施術子20との間に水分が貯まった場合に排水することができるようになっている。また、ミスト用ハウジング31と施術子20との間に塵等が貯まった場合に、洗い流すことができるようになっている。
【0027】
次に、上記のように構成された頭皮ケア装置1の一動作例について図3及び図4を用いて説明する。
頭皮ケア装置1に備えられる制御部13は、電源スイッチ11がオン操作されると(図3においてステップS10)、モータ12に電力供給を行って施術子20を回転駆動させるとともに制御部13内のタイマー13aによる時間計測を開始する(ステップS20)。このように、施術子20を回転軸線L1上で回転駆動させることで、各施術突起22の先端部22aに設けた凹部22bが頭皮に密着するため、人の手のマッサージのような施術子20の周回運動が頭皮側に効率的に伝達され、頭皮に効果的な刺激を付与することができるようになっている。
【0028】
その後、制御部13は、電源スイッチ11がオン操作されてからタイマー13aによる計測時間が所定時間T1(例えば60秒)経過されると(ステップS30)、ミスト発生装置32の例えば超音波振動子に電力を供給するようになっている。これにより、施術子20(施術突起22)による刺激に加えてミストを同時に付与することができるようになっている。また、このように施術子20の駆動から所定時間T1経過後にミストを発生させることで、予め施術突起22によって頭皮をほぐした状態でミストを付与することができるようになっている。
【0029】
そして、制御部13はミスト発生部30(ミスト発生装置32)が駆動されてから所定時間T2(例えば60秒)経過後、ミスト発生装置32の駆動を停止させるようになっている。また、制御部13はタイマー13aによる計測開始から所定時間T3(例えば180秒)経過後、前記モータ12の駆動を停止させて、本装置1による頭皮のマッサージを終了させるようになっている。このように、施術突起22の駆動停止よりも前にミスト発生装置32の駆動を停止させてミストの供給を停止させることで、過剰な水分供給を抑えることができるようになっている。
【0030】
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)本実施形態の頭皮ケア装置1では、使用者の頭皮と接触するとともにモータ12の駆動により動作される施術突起22にて頭皮に刺激を付与させつつ、頭皮に直接若しくは間接的にミストを付与するミスト発生部30が備えられる。このように施術突起22により頭皮に刺激を付与しつつ、ミストを同時に供給させることができる。このようにミスト(水分)で頭皮を湿らせることで、頭皮を柔らかくした状態で施術突起22によるマッサージ(施術)を実施することができる。
【0031】
(2)ミスト発生部30は、生成されたミストを放出するミスト放出口33を有し、その放出口33がモータ12により動作される施術突起22側を向くようにハウジング31の上面が傾斜される。このようにミスト放出口33が施術突起22(径方向中心)側を向くように構成することで、ミストを頭皮に対して容易に浸透(付与)させることができる。
【0032】
(3)施術子20は、施術突起22と、施術突起22の少なくとも一部を上面23aから外部に露出した状態で固定する固定部としてのカバー23とを有している。ミスト発生部30は、施術子20の外周部に設けられる筒状のミスト用ハウジング31と、このミスト用ハウジング31の上端部31bに形成されて生成されたミストを頭皮に放出させるミスト放出口33とを有している。そしてミスト用ハウジング31の上端部31bがカバー23の上面23aよりも高い位置に設定される。このため、使用者の頭皮に施術突起22を当接させつつ、回転される施術子20の上面23aとは当接されない状態とすることが可能とされる。これにより、回転する部材としては頭皮との接触が施術突起22に限定することができるため、所望の刺激を頭皮に付与することができる。
【0033】
(4)ミスト発生部30を構成するミスト発生装置32は、液体を超音波にて霧化させる超音波振動子にて構成される。このようにミスト発生部30のミスト発生装置32を超音波振動子にて構成することで、例えばヒータによって液体を沸騰させる構成のミスト発生装置と比較して装置32自体の小型化を図ることができる。また液体を超音波振動によって霧化させる構成であるため、振動数を一定とすることで霧化されたミストの粒径を均一にすることができるとともに、粒径自身も前記ヒータタイプのミスト発生装置の場合と比較して小径とすることが可能となる。
【0034】
(5)モータ12及びミスト発生装置32の駆動を制御する制御部13は、モータ12を駆動させて施術突起22を動作した後に、ミスト発生装置32を駆動するように制御する。このように施術子20の駆動から所定時間T1経過後にミストを発生させることで、予め施術突起22によって頭皮をほぐした状態でミストを付与することができる。
【0035】
(6)また、制御部13は、ミスト発生装置32を停止させた後にモータ12を停止するように制御する。このように、施術突起22の駆動停止よりも前にミスト発生装置32の駆動を停止させてミストの供給を停止させることで、過剰な水分供給を抑えることができる。
【0036】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、施術子20を軸線L1上で回転させる構成としたが、これに限らず、図5及び図6に示すように軸線L1から径方向にずらした位置(軸線L1から偏心した軸線L2上)でベアリング21によって施術子20を回転可能とする構成を採用してもよい。
【0037】
・上記実施形態では、本体ハウジング10に対して1つの施術子20を設ける構成を採用したが、例えば図6に示すように2つ設ける構成や、3つ以上設ける構成を採用してもよい。なお、施術子20を複数設けるとともに、各施術子20が偏心動作される場合においては、回転する施術子20の対となる任意の2つが、同位相で、反対方向に回転されるとき、使用者の頭皮を挟み込むような挟み揉みを実施することができる。このとき、頭皮は、施術子20の動きに応じて伸縮し、頭皮の毛穴も広がったり縮んだりする。毛穴が広がった時、美容液等の剤が含まれたミストを放出すると、美容液等の剤成分を毛穴の奥まで浸透させやすい。その後、施術子20の動きに合わせて毛穴が縮むことで、美容液等の剤成分を一旦閉じこめる。更に施術子20が動作し、毛穴を広げたり縮めたりを繰返すことで、美容液等の剤成分をさらに毛穴の奥へと押し込まれ、美容液等の剤成分を浸透させることができる。
【0038】
・上記実施形態では、ミスト発生装置32をミスト用ハウジング31の内部に設ける構成を採用したが、これに限らず、図7に示すように本体ハウジング10内部に設けて前記ミスト用ハウジング31のミスト放出口33から供給する構成を採用してもよい。ここで、本体ハウジング10のミスト発生装置32を収容する収容スペースがミスト用ハウジング31と比較して大きい場合、図7に示すようにヒータ32dによるミスト発生装置32を設ける構成が望ましい。
【0039】
図7に示すミスト発生装置32について具体的に説明する。ミスト発生装置32を構成するタンク32a内に予め液体が予め流入された状態で止水ピンが設けられた蓋部により開口部が閉止され、その蓋部が下側となるようにタンクホルダ32bに設置されている。タンクホルダ32bには、止水ピンに対応する形状の突出ピン(図示略)が設けられている。タンク32aは液体が注入された状態でタンクホルダ32bに設置されることで、止水ピンが突出ピンにより押し込まれて水密性が解除され液体を流出させるものであり、タンクホルダ32bにはタンク32aから流出した液体が貯留される。タンクホルダ32bに貯留された液体はタンクホルダ32bの下部に接続された液体流通路32c中に一部が貯留されるとともに、その液体がこの液体流通路32c上の液体を加熱するヒータ32dによって加熱される。ヒータ32dによって加熱された液体は霧化(気化)されて液体流通路32cから連続するミスト流通路32eを介して前記ミスト用ハウジング31内部を通って前記放出口33からミストが放出されるようになっている。ここで、発熱量の高いヒータ32dを利用することでミスト流通路32e内の液体を大量に霧化させることができるため、上記実施形態のように超音波振動子により構成されるミスト発生装置32と比較して大量のミストを頭皮に付与することが可能となる。
【0040】
上記構成のように、液体(水)をヒータ32dにて霧化させてミストを発生するようにミスト発生装置32(ミスト発生部)を構成した場合、図8及び図9に示すように熱せられたミストを冷却する冷却手段を設ける構成を採用してもよい。
【0041】
・次に、冷却手段及びこの冷却手段を備えた頭皮ケア装置1の一例を図8を用いて説明する。
頭皮ケア装置1は、前記施術突起22が設けられる本体ハウジング10の上面10bとは反対側である下面10dにミスト発生装置32を構成するタンク32aがタンクホルダ(図示略)に対して着脱可能に設けられる。またタンク32aは、本体ハウジング10の下面10dに形成される貫通孔10eから出し入れ可能であり、前記貫通孔10eにはこの貫通孔10eからの前記タンク32aの脱落を防止する蓋40が開閉可能に設けられている。
【0042】
前記タンクホルダには、タンク32a内に予め液体が流入された状態で止水ピン41が設けられた蓋部により開口部が閉止され、その蓋部が上側にとなるように設置されている。また、前記タンクホルダには、止水ピン41に対応する形状で止水ピン41とタンク32aの装着方向において当接する凹状のピン受け部43が設けられている。このピン受け部43は、網状の耐熱性部材(例えば金属など)で構成されるとともに、その外側が耐熱性の吸水スポンジ部材44で覆われている。この吸水スポンジ部材44の外側には、この吸水スポンジ部材44を覆う態様でヒータ45が設けられている。
【0043】
上記のように構成されたミスト発生装置32は、断熱材からなる箱状の被覆部46でその略全体が覆われている。
またミスト発生装置32を構成する吸水スポンジ部材44には、前記タンク32a設置側とは反対側に、吸水スポンジ部材44から蒸発したミスト(蒸気)をミスト放出口33から放出するためのミスト供給路50が設けられている。
【0044】
ミスト供給路50は、ミスト発生装置32から施術突起22まで連通させる第1ミスト供給路51と、施術突起22からミスト放出口33まで連通させる第2ミスト供給路52とで構成される。
【0045】
ミスト供給路50を構成する第1ミスト供給路51は、前記吸水スポンジ部材44からのミストの流出が可能となる態様で基端側が接続される上流側管路部材53を備える。この上流側管路部材53には、その先端側で多流路型ロータリージョイント54を介して第1回転軸15a内部に配設される二重管55の第1ミスト供給路51を構成する内管部材55aの基端と接続される。第1ミスト供給路51を構成する内管部材55aは、その先端が凸状の施術突起22の内面に当接し、その内面に沿って配設される。
【0046】
そして、第1回転軸15a内部に配設される二重管55の第2ミスト供給路52を構成する外管部材55bの基端が前記内管部材55aの先端部と接続されるようになっている。このため、ミスト発生装置32からの熱せられたミスト(蒸気)の熱が前記内管部材55a及び外管部材55bを介して施術突起22に伝達されるようになっている。
【0047】
外管部材55bは、その先端がロータリージョイント54を介して下流側管路部材56の基端と接続される。この下流側管路部材56は、ミスト用ハウジング31の下端部31aに形成される貫通孔と接続されてミスト放出口33と連通される。
【0048】
ここで、第2ミスト供給路52を構成する下流側管路部材56には湿度センサ60と温度センサ61とを備え、各センサ60,61は制御部13と電気的に接続されている。
上記のように構成された頭皮ケア装置1の一動作例について同図8を用いて説明する。
【0049】
タンク32aに液体(水)が注入された状態でタンク32aをタンクホルダに設置し、前記蓋40が閉められる。すると、止水ピン41がピン受け部43と当接した後に、止水ピン41が下方(タンク32a側)に移動されて水密性が解除されてタンク32a内の液体がタンク32a外部に流出する。タンク32aから流出した液体は耐熱性を有する吸水スポンジ部材44に染み込む。そして、前記スイッチ11が操作されてオン状態とされるとモータ12が作動して施術子20(施術突起22)が回転するようになっている。このとき、ヒータ45が加熱されスポンジ部材44に含まれる液体が蒸発するようになっている。
【0050】
蒸発したミスト(蒸気)は、第1ミスト供給路51を通り施術突起22まで供給される。これにより、施術突起22がミストによって温められる。その後、ミストは第2ミスト供給路52を通り、ミスト用ハウジング31を介してミスト放出口33から装置1外へ放出され頭皮へ供給される。ここでミスト発生装置32の熱源であるヒータ45は断熱材からなる被覆部46で覆われているため、効率よく吸水スポンジ部材44に熱を伝えることができるとともに、本体ハウジング10内の温度上昇を抑えることができる。
【0051】
またミストは、冷却手段としての第1及び第2ミスト供給路51,52を通ることによって徐々に温度が低下するため、ミスト放出口33から放出される時点では使用者に対して熱すぎるミストを付与することが抑えられる。また、ミスト(蒸気)の熱が第1及び第2ミスト供給路51,52を介して施術突起22に伝達されるためこの施術突起22にて頭皮をマッサージすることで、マッサージ効果を高めることができる。
【0052】
なお、第2ミスト供給路52(下流側管路部材56)の温度センサ61は、ミストの温度が一定温度(閾値)以上であれば制御部13を介してヒータ45の温度を下げる。これによって使用者に対して熱すぎるミストを付与することがより確実に抑えられる。このとき、ヒータ45の温度を下げる閾値は温度センサ61が検知した温度が42度以下であることが好ましい。また、湿度センサ60はスイッチ11がオンされてから湿度が上昇した後、低下し始めたら制御部13を介してヒータ45への電流の供給を停止させるようになっている。これによって、タンク32a内の液体が空になってもヒータによる空焚きを抑えることが可能となる。
【0053】
・次に、冷却手段及びこの冷却手段を備えた頭皮ケア装置1の他の例を図9を用いて説明する。本構成の頭皮ケア装置1は、図8に示す上記構成の頭皮ケア装置1と比較して第2ミスト供給路52において、前記ミストを更に冷却する冷却部70を設けた点が相違する。従って、以下には、図8に示す上記構成の頭皮ケア装置と同様の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を割愛する。
【0054】
本構成の頭皮ケア装置1には、第2ミスト供給路52と連通されて、そのミスト供給路52内を通るミストを更に冷却する冷却部70が設けられる。この冷却部70は、本体ハウジング10の外部から空気の流入が可能な空気導入路としての管路部材71と、この管路部材71内の途中に設けられて制御部13と電気的に接続されるファン72とで構成される。
【0055】
管路部材71はその基端が第2ミスト供給路52を構成する下流側管路部材56と接続されるとともに、管路部材71の先端が本体ハウジング10の上面10bに形成される貫通孔10fと接続される。このため、管路部材71内に設けられるファン72が制御部13によって駆動されることで、本体ハウジング10(装置1)の外部から空気を第2ミスト供給路52(下流側管路部材56)に供給することが可能となる。
【0056】
上記のように構成された頭皮ケア装置1の一動作例について同図9を用いて説明する。
タンク32aに液体(水)が注入された状態でタンク32aをタンクホルダに設置し、前記蓋40が閉められる。すると、止水ピン41がピン受け部43と当接した後に、止水ピン41が下方(タンク32a側)に移動されて水密性が解除されてタンク32a内の液体がタンク32a外部に流出する。タンク32aから流出した液体は耐熱性を有する吸水スポンジ部材44に染み込む。そして、前記スイッチ11が操作されてオン状態とされるとモータ12が作動して施術子20(施術突起22)が回転するようになっている。このとき、ヒータ45が加熱されスポンジ部材44に含まれる液体が蒸発するようになっている。そして、例えば温度センサ61による第2ミスト供給路52内の温度が所定温度になった後に管路部材71内のファン72が回転し外部より空気が第2ミスト供給路52内に送りこまれる。ミスト(蒸気)と空気が合流するとミストの温度が下がる。
【0057】
温度センサ61はミストの温度が前記所定温度以上だと制御部13を介してファン72の回転数を上げて第2ミスト供給路52内に送りこまれる空気の量を増やしてミストの熱を下げ、使用者の頭皮に付与するミストの温度を好適に下げることが可能となる。また、制御部13はファン72の制御に加えてヒータ45を制御してミスト(蒸気)の温度を下げるような構成としてもよい。また、ファン72の回転数は一定としてヒータ45を制御部13にて制御する構成を採用してもよい。なお、前記ファン72は外部より水が浸入する可能性があるため、防水構造であることが望ましい。
【0058】
・上記実施形態では、ミスト発生部30を構成するミスト発生装置32を超音波振動子によって液体を霧化させる構成としたが、これに限らない。例えば図7に示すようにヒータ32dによって液体を霧化させる構成や、霧吹き等で知られるベンチュリ効果を利用した構成のミスト発生装置を構成してもよい。
【0059】
・上記実施形態では、蒸留水を超音波振動子によりなるミスト発生装置32によって霧化させる構成としたが、蒸留水に限らない。例えば、水道水を霧化させる構成を採用してもよい。また、美容液等の剤が含まれた液体を霧化させる構成を採用してもよい。
【0060】
・上記実施形態では、所定時間T1を60秒に設定したが、これに限らず、60秒〜120秒程度の範囲や60秒〜300秒程度の範囲に設定してもよい。
また、所定時間T2を60秒に設定したが、これに限らず、60秒〜180秒程度の範囲や60秒〜120秒程度の範囲に設定してもよい。
【0061】
また、所定時間T3を180秒に設定したが、これに限らず、120秒〜600秒程度の範囲や120秒〜300秒程度の範囲に設定してもよい。
・上記実施形態では、貫通孔35を形成したが、省略した構成を採用してもよい。
【0062】
・上記実施形態では、施術子20の周囲に筒状のミスト用ハウジング31を設けるとともに、このミスト用ハウジング31の一端側に形成されたミスト放出口33からミストを放出する構成としたが、これに限らない。例えば、施術子20のうちのカバー23の上面23aにミスト放出口を設けるとともに、このミスト放出口からミストを放出する構成を採用してもよい。
【0063】
・上記実施形態では、施術子20は、モータ12の駆動力によって回転される構成としたが、これに限らず、例えば、振動を付与する構成や回転及び振動を付与する構成であってもよい。
【0064】
・上記実施形態では、施術子20の施術突起22の先端部22aに半球状に凹んだ凹部22bを形成したが、施術突起22の形状はこれに限らない。例えば先端側(上側)に凸状をなす球面状の凸部を形成してもよい。また、先端部22aが平面状であってもよい。また、先端部22aに更に小さな突起を形成してもよい。
【符号の説明】
【0065】
1…頭皮ケア装置、13…制御部、20…施術子、22…施術突起、23…カバー(固定部)、23a…上面(上端面)、30…ミスト発生部、31…ミスト用ハウジング、31b…上面(上端面)、32…ミスト発生部を構成するミスト発生装置、32d,45…ヒータ、33…ミスト放出口、50…ミスト供給路(冷却手段)、51…第1ミスト供給路(冷却手段)、52…第2ミスト供給路(冷却手段)、70…冷却部、71…冷却部を構成する管路部材、72…冷却部を構成するファン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の頭皮と接触される施術突起を有する施術子を駆動源の駆動により動作させて前記施術突起により前記頭皮に刺激を付与する頭皮ケア装置であって、
前記頭皮に直接若しくは間接的にミストを付与するミスト発生部が備えられたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項2】
請求項1に記載の頭皮ケア装置において、
前記ミスト発生部によって生成されたミストを放出するミスト放出口が前記施術子の外周側に配置されるとともに、該ミスト放出口から放出されたミストが前記施術子側を向くように構成されたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の頭皮ケア装置において、
前記施術子は、前記施術突起と、前記施術突起の少なくとも一部を上端面から外部に露出した状態で固定する固定部とを有し、
前記ミスト発生部は、前記施術子の外周部に設けられる筒状のミスト用ハウジングと、該ミスト用ハウジングの上端面に形成されて生成されたミストを前記頭皮に放出させるミスト放出口とを有し、前記ミスト用ハウジングの上端面が前記固定部の上端面よりも高い位置に設定されたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の頭皮ケア装置において、
前記ミスト発生部は、液体を超音波によって霧化させる超音波振動子にて構成されたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の頭皮ケア装置において、
前記ミスト発生部は、液体を熱によって霧化させるヒータにて構成されたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項6】
請求項5に記載の頭皮ケア装置において、
前記ミスト発生部を構成する前記ヒータにて生成された前記ミストを冷却する冷却手段を備えたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項7】
請求項6に記載の頭皮ケア装置において、
前記冷却手段は、前記ミスト発生部から前記施術突起まで連通させる第1ミスト供給路と、前記施術突起から前記ミスト放出口まで連通させる第2ミスト供給路とで構成されたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項8】
請求項7に記載の頭皮ケア装置において、
前記第2ミスト供給路と接続されて該第2ミスト供給路を通る前記ミストを更に冷却する冷却部が設けられたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項9】
請求項8に記載の頭皮ケア装置において、
前記冷却部は、前記第2ミスト供給路と連通されて外部からの空気の流入が可能な空気導入路と、該空気導入路中に外部から空気を取り込むファンとを備えたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の頭皮ケア装置において、
前記駆動源及び前記ミスト発生部の駆動を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記駆動源を駆動させて前記施術突起を動作した後に、前記ミスト発生部を駆動するように制御することを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の頭皮ケア装置において、
前記駆動源及び前記ミスト発生部の駆動を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記ミスト発生部を停止させた後に前記駆動源を停止するように制御することを特徴とする頭皮ケア装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−11177(P2012−11177A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−56839(P2011−56839)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】