説明

頭皮ケア装置

【課題】効果的なマッサージを容易に行うことが可能な頭皮ケア装置を提供する。
【解決手段】施術子16,17が設けられたインナーハウジング3がアウターハウジング2に対して回転可能に支持され、インナーハウジング3の向きをアウターハウジング2の向きに依らず一定に保つように自動調整可能に構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭皮のマッサージをするための頭皮ケア装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1の頭皮ケア装置では、ハウジングに設けられた施術子が駆動源の駆動により動作するように構成されており、使用者がハウジングを把持し、動作する施術子を頭皮に接触させて機械的な刺激を与えることで、血流促進等の頭皮のケア効果が得られるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−260426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような頭皮ケア装置では、使用時において施術子が効果的に頭皮に接触するハウジングの好適な向きがあるが、それを意識してハウジングの向きを変えながら使用するのは煩わしく、この点の改善が望まれている。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、効果的なマッサージを容易に行うことが可能な頭皮ケア装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の頭皮ケア装置は、駆動源及びその駆動源に電力供給する電源を内部に備えたインナーハウジングと、前記インナーハウジングを回転可能に支持するアウターハウジングと、前記インナーハウジングに設けられ、前記駆動源の駆動に基づき動作して頭皮に刺激を与える施術子とを備え、前記インナーハウジングの向きを前記アウターハウジングの向きに依らず一定に保つように自動調整可能に構成されたことを特徴とする。
【0007】
また上記構成において、前記インナーハウジングの重心が前記インナーハウジングの回転軸からずれて構成され、前記インナーハウジングの回転軸が鉛直方向に対して傾いた状態で、前記インナーハウジングの向きが自動的に調整可能に構成されたことが望ましい。
【0008】
また上記構成において、前記インナーハウジングには、前記インナーハウジングの重心を前記インナーハウジングの回転軸からずらすためのおもりが設けられたことが望ましい。
【0009】
また上記構成において、前記おもりは、着脱可能に構成されたことが望ましい。
また上記構成において、前記インナーハウジングの内部における前記駆動源及び前記電源の配置により前記インナーハウジングの重心が前記インナーハウジングの回転軸からずれて構成されたことが望ましい。
【0010】
また上記構成において、前記施術子は複数設けられ、それらの間の中心が前記インナーハウジングの回転軸上に位置するように構成されたことが望ましい。
また上記構成において、前記施術子が頭皮に接触された状態において前記インナーハウジングが前記アウターハウジングに対して回転しないようにロックするロック機構を備えたことが望ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、効果的なマッサージを容易に行うことが可能な頭皮ケア装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態の頭皮ケア装置の概略構成図である。
【図2】本実施形態の頭皮ケア装置をインナーハウジングの回転軸方向から見た模式図である。
【図3】別例の頭皮ケア装置をインナーハウジングの回転軸方向から見た模式図である。
【図4】別例の頭皮ケア装置をインナーハウジングの回転軸方向から見た模式図である。
【図5】(a)(b)別例の頭皮ケア装置をインナーハウジングの回転軸方向から見た模式図である。
【図6】別例の頭皮ケア装置をインナーハウジングの回転軸方向から見た模式図である。
【図7】(a)(b)別例の頭皮ケア装置を説明するための概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態の頭皮ケア装置1は、把持可能なアウターハウジング2と、アウターハウジング2に支持されたインナーハウジング3とを備えている。
【0014】
アウターハウジング2は、図1及び図2に示すように、円形の底部2aと、底部2aの外縁から延びる円筒状の側壁部2bとを有している。アウターハウジング2の底部2aの中央には、ボールベアリングからなる軸受4が固定されている。この軸受4は、インナーハウジング3の底部3aに固定された軸部5を回転可能に支持する。
【0015】
インナーハウジング3は、外観が略直方体状をなしており、底部3aと側壁部3bと上壁部3cとを備える。インナーハウジング3の底部3aには、軸部5が一体回転可能に固定されている。これにより、インナーハウジング3は、アウターハウジング2に対して軸部5の中心である回転軸Lで回転可能に支持されている。尚、この回転軸Lは、平面視でインナーハウジング3の中心及びアウターハウジング2の中心に設定されている(図2参照)。
【0016】
インナーハウジング3の内部には、電源としてのバッテリ11と、2つの出力軸12,13を回転駆動するための駆動源としてのモータ14とが収容保持されている。モータ14は、バッテリ11の電力に基づいて駆動されるようになっている。出力軸12,13はそれぞれ、インナーハウジング3の上部から先端側が外部に突出するように、インナーハウジング3の上壁部3cに設けられた軸受19a,19bに回転可能に支持されている。出力軸12,13のインナーハウジング3内の基端側には、出力軸ギヤ12a,13aが設けられている。また、インナーハウジング3の側壁部3bには、使用者が頭皮ケア装置1をオンオフ操作するためのスイッチ18が設けられている。
【0017】
モータ14は、回転軸14aを回転駆動可能なものであって、該回転軸14aの先端部には回転軸ギヤ14bが設けられている。そして、モータ14は、回転軸ギヤ14bが前記出力軸ギヤ12aに噛合されるようにインナーハウジング3内に収容保持されることで、出力軸12を回転駆動可能とされている。また、モータ14は、回転軸ギヤ14bが、インナーハウジング3内で回転可能に支持されるとともに前記出力軸ギヤ13aと噛合した反転ギヤ20に噛合されるように保持されることで、出力軸13を前記出力軸12とは逆方向に回転駆動可能とされている。このモータ14はインナーハウジング3内に収容保持された制御部21と電気的に接続され、該制御部21はバッテリ11とスイッチ18とに電気的に接続されている。
【0018】
出力軸12,13の先端には、突起15を有する施術子16,17がそれぞれ連結されている。施術子16,17は、出力軸12,13の中心である第1の軸X1からずれた第2の軸X2中心で出力軸12,13に対して回転可能に設けられる回転部材31と、前記第1の軸X1に対して偏った位置に配置(第2の軸X2の周囲に配置)されるように回転部材31に設けられた複数の突起15とを有する。尚、本実施形態では、突起15は、施術子16,17毎に4つずつ(図1中、2つずつのみ図示)設けられている。
【0019】
詳しくは、出力軸12,13の先端と施術子16,17とは、回転板32、回転支持部材33及び軸受34を介して連結されている。回転板32は、円盤状に形成され、その中心孔32aに出力軸12,13の先端が嵌入されて固定されている。回転支持部材33は、略円柱状に形成されるとともに下端にフランジ部が形成され、その軸中心が出力軸12,13の中心である第1の軸X1からずれた第2の軸X2中心となるように前記回転板32上に固定されている。一方、施術子16,17の回転部材31は、略円盤状の円盤部31aと、円盤部31aの下面から筒状に延びる筒部31bとを有する。そして、施術子16,17は、その回転部材31における筒部31bの内周面が軸受34を介して前記回転支持部材33の外周面に回転可能に支持されている。
【0020】
また、突起15は、エラストマー等の弾性部材よりなり、略円錐形状に形成され、本実施形態では円盤部31aの上部に(第2の軸X2と平行に)上方に突出するように4つ固定されている。これら各施術子16,17における4つの突起15は、それぞれ前記第2の軸X2を中心として均等な距離に等角度(90°)間隔に配置されている。また、施術子16,17は、それぞれ連結される出力軸12,13によって、互いに逆方向に回転駆動される。そして、本実施形態における施術子16,17は、それぞれ連結される出力軸12,13の軸方向から見て同出力軸12,13同士を結ぶ線分の垂直二等分線Yに対して線対称に動作するように設定されている。
【0021】
このように構成された頭皮ケア装置1では、スイッチ18が使用者によってオン操作されると、制御部21は、モータ14(その回転軸14a)を回転駆動させるための駆動電流をバッテリ11からモータ14に供給する。そして、モータ14の回転軸14aが回転駆動されると、出力軸12,13及び回転板32が前記第1の軸X1を中心として一体回転する。また、このとき、回転支持部材33及び施術子16,17(その軸中心)が前記第1の軸X1を周回するように前記第1の軸X1を中心として回転する。そして、施術子16,17の突起15を頭皮に接触させると、突起15の動きに合わせて使用者の頭皮が動かされることになり、頭皮がマッサージされるようになっている。
【0022】
尚、施術子16,17は、第2の軸X2中心で回転可能に支持されているため、突起15に接触される頭皮や毛髪との摩擦等の負荷によって例えば、第2の軸X2に対する突起15の位置関係を一定としたまま第1の軸X1中心に回転することが可能とされている。よって、負荷(頭皮や毛髪との摩擦等)によっては、各突起15が第1の軸X1を中心として(それぞれがそれぞれの半径で)単純に回転する運動に基づいて施術子に毛髪が絡まってしまうといった現象を回避することができる。また、本実施形態の2つの施術子16,17は、それぞれ第1の軸X1を中心として回転する際であって、互いに近づき合うように動作する際に、それぞれの突起15(の群)の間に頭皮を挟み込むようにして刺激を与えることが可能とされている。
【0023】
上記したような頭皮ケア装置1において、インナーハウジング3の側壁部3bの内側面には、おもりWが固着されている。おもりWは、側面視で矩形の平板状をなし、その中心(重心)が出力軸12,13を結ぶ線分の垂直二等分線Yと平面視で重なる位置に設けられている。ここで、図2に示すように、おもりWを除いた構成のインナーハウジング3の重心は、施術子16,17間の中心(本実施形態では出力軸12,13間の中心Cであって、第1の軸X1同士を結ぶ線分の中心)と重なるように設定されている。これにより、おもりWを含めたインナーハウジング3の重心Gは、平面視で前記垂直二等分線上であって出力軸12,13間の中心Cからずれた位置に設定されることとなる。
【0024】
また、出力軸12,13間の中心Cは、アウターハウジング2に対するインナーハウジング3の回転軸L(軸部5の中心)上に位置するように設定されている。即ち、インナーハウジング3の重心Gは、平面視で出力軸12,13を結ぶ線分の垂直二等分線Y上であってインナーハウジング3の回転軸Lからずれた位置に設定されている。
【0025】
このように、インナーハウジング3の重心Gが回転軸Lからずれているため、回転軸Lが鉛直方向に対して傾いた状態(回転軸Lが水平な状態も含む)では、インナーハウジング3はその重心G(おもりW)が回転軸Lの真下にくるように回転する。そして、インナーハウジング3の重心Gが回転軸Lの真下に位置する状態では、出力軸12,13の先端(即ち、施術子16,17)が水平に並んだ状態となるとともに、施術子16,17の間で頭皮を挟み上げるようなマッサージを行う。本実施形態の頭皮ケア装置1では、この施術子16,17が水平に並ぶインナーハウジング3の向きが、効果的に頭皮マッサージをすることが可能なインナーハウジング3の向きとなっている。
【0026】
このような頭皮ケア装置1では、使用者はアウターハウジング2を把持して施術子16,17を頭皮に接触させて頭皮マッサージを行う。このとき、インナーハウジング3の向きがアウターハウジング2の向きに依らず施術子16,17が水平に並ぶように一定に保たれるようになっている。例えば、アウターハウジング2が図2示す状態から回転軸Lを中心に90°回転された場合でも、インナーハウジング3の向き(回転角度)は、重心Gが回転軸Lの下方に位置する状態、即ち、施術子16,17が水平に並んで挟み上げマッサージが可能な状態に維持される。このため、頭皮のマッサージ中に使用者が頭皮ケア装置1の向きを好適な向き(施術子16,17が水平な向き)に意識的に合わせる必要がなくなり、容易に効果的な頭皮マッサージを行うことが可能となっている。
【0027】
また、本実施形態の頭皮ケア装置1では、インナーハウジング3に設けられたおもりWによってインナーハウジング3の重心Gが回転軸Lからずれるように構成されているため、おもりWの追加だけでインナーハウジング3の向きの自動調整が可能となっている。また、出力軸12,13の間の中心Cが、インナーハウジング3の回転軸L上に位置するように構成されるため、使用時におけるインナーハウジング3の回転ブレが抑制されるようになっている。
【0028】
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)施術子16,17が設けられたインナーハウジング3がアウターハウジング2に対して回転可能に支持され、インナーハウジング3の向きをアウターハウジング2の向きに依らず一定に保つように自動調整可能に構成される。これにより、アウターハウジング2を把持してインナーハウジング3に設けられた施術子16,17で頭皮のマッサージをする際に、インナーハウジング3の向きがアウターハウジング2の向きに依らず自動的に一定に保たれる。このため、施術子16,17が効果的に頭皮に接触するようにインナーハウジング3の向きを設定すれば、頭皮のマッサージ中に使用者が頭皮ケア装置1の向きを好適な向きに意識的に合わせる必要がなくなる。従って、効果的な頭皮マッサージを容易に行うことが可能となる。
【0029】
(2)インナーハウジング3の重心Gが回転軸Lからずれて構成され、インナーハウジング3の回転軸Lが鉛直方向に対して傾いた状態で、インナーハウジング3の向きが自動的に調整可能に構成される。頭皮ケア装置1は、一般に使用状態においてインナーハウジング3の回転軸Lが鉛直方向に対して傾いた状態とされるため、この状態ではインナーハウジング3は、その重心Gがインナーハウジング3の回転軸Lの真下にくるように回転する。これにより、インナーハウジング3の向きが自動調整される。従って、簡素な構成でインナーハウジング3の向きをアウターハウジング2の向きに依らず一定に保つように自動調整可能に構成することができる。
【0030】
(3)インナーハウジング3には、インナーハウジング3の重心Gをインナーハウジング3の回転軸LからずらすためのおもりWが設けられる。このため、おもりWの追加だけでインナーハウジング3の重心Gをインナーハウジング3の回転軸Lからずらすことができる。また、おもりWを設ける位置によって回転軸Lに対するインナーハウジング3の重心Gのずれ方向を設定できるため、簡素な構成でインナーハウジング3の向きを設定することが可能となる。
【0031】
(4)2つの施術子16,17(出力軸12,13)の間の中心Cが、インナーハウジング3の回転軸L上に位置するように構成されるため、使用時におけるインナーハウジング3の回転ブレを抑制することが可能となる。尚、この作用効果は、施術子16,17が第1の軸X1を中心に同期して回転する構成の場合に特に顕著に現れる。
【0032】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、おもりWを除いた構成のインナーハウジング3の重心が回転軸L上に設定され、インナーハウジング3に設けたおもりWによって重心Gが回転軸Lからずれるように構成されたが、これに特に限定されるものではない。例えば、図3に示すように、インナーハウジング3におもりを設けず、インナーハウジング3の内部におけるモータ14及びバッテリ11の配置によってインナーハウジング3の重心Gが回転軸Lからずれるように構成してもよい。また、例えば図4に示すように、おもりWを除いた構成とした上記実施形態のインナーハウジング3の設置位置を回転軸Lからずらすことによってインナーハウジング3の重心Gが回転軸Lからずれるように構成してもよい。これらの構成によれば、インナーハウジング3の重心Gをずらすためにおもり等の別部材を設けずに済むため、部品点数の増加を抑えることができる。
【0033】
・上記実施形態では、インナーハウジング3の側壁部3bの内側面に固着されたが、これに特に限定されるものではなく、おもりWを着脱可能に構成してもよい。例えば、図5(a)(b)に示す例では、インナーハウジング3の側壁部3bの四方の内側面には、おもりWを取り付けるためのフック41がそれぞれ設けられている。尚、側壁部3bの四方の内側面は、出力軸12,13間を結ぶ線分の垂直二等分線Yと直交する一対の内側面3dと、垂直二等分線Yと平行な一対の内側面3eとからなる。
【0034】
この図5に示す例では、フック41に対し、おもりWを第1の軸X1方向(紙面直交方向)に挿入した後、蓋体(図示略)を取り付けることで、おもりWがフック41から抜けないようになっている。または、フック41をスナップフィット構造として、おもりWを第1の軸X1と直交する方向(紙面方向)からフック41に挿入することで着脱可能に取り付けるようにしてもよい。
【0035】
図5(a)に示すように、おもりWを内側面3dのフック41に取り付けた場合、インナーハウジング3の向きがアウターハウジング2の向きに依らず施術子16,17が水平に並ぶように一定に保たれるようになっている。一方、図5(b)に示すように、おもりWを内側面3eのフック41に取り付けた場合、インナーハウジング3の向きがアウターハウジング2の向きに依らず施術子16,17が上下に並ぶように一定に保たれるようになっている。このような構成によれば、おもりWの設置位置によってインナーハウジング3を使用者の好みに合わせた向きに一定に保つことが可能となる。
【0036】
・上記実施形態では、2つの施術子16,17を備えた頭皮ケア装置1に具体化したが、施術子16,17の数を、例えば、1つや4つ等、他の数に変更して具体化してもよい。施術子の数を4つにした構成の例を図6に示す。図6に示す例では、4つの施術子51はそれぞれ、第1の軸X1を中心として回転する出力軸52に連結されるとともに、出力軸52の駆動力に基づき回転するようになっている。出力軸52は、平面視で第1の軸X1を結ぶ線分が矩形となるように構成されている。そして、施術子51(出力軸52)間の中心Cは、インナーハウジング3の回転軸L上に位置するように構成されている。また、この図6に示す例では、インナーハウジング3の向きがアウターハウジング2の向きに依らず施術子51間で挟み上げ動作となる向きに一定に保たれるように、おもりWの設置位置が設定されている。このような構成によっても上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0037】
・上記実施形態において、例えば図7(a)(b)に示すように、施術子16,17が頭皮に接触された状態においてインナーハウジング3がアウターハウジング2に対して回転しないようにロックするロック機構61を備えてもよい。図7に示す例では、アウターハウジング2の底部2aの中央には、先端が屈曲する保持部62が設けられ、保持部62内には、インナーハウジング3の底部3aの軸部5を回転可能に支持する含油軸受63が保持されている。保持部62の先端とインナーハウジング3の底部3aとの間には、軸部5に挿入された圧縮コイルばね64が介在されており、この圧縮コイルばね64は、保持部62とインナーハウジング3の底部3aとを離間させる方向への付勢力を付与する。軸部5とアウターハウジング2の底部2aとの間には、フェースギア65が設けられている。
【0038】
このような構成の頭皮ケア装置1では、例えば、施術子16,17が頭皮に接触されてインナーハウジング3がアウターハウジング2側に押圧されると、図7(a)に示すように、フェースギア65が噛合され、アウターハウジング2に対するインナーハウジング3の回転がロックされる。反対に、施術子16,17が頭皮に接触していない時等、インナーハウジング3がアウターハウジング2側に押圧されていない状態では、図7(b)に示すように、フェースギア65の噛合状態が解除され、インナーハウジング3がアウターハウジング2に対して回転可能となる。尚、軸部5には、保持部62からの抜け止め防止のための鍔部5aが設けられている。このような構成によれば、頭皮ケア装置1の使用時において、ロック機構61によりインナーハウジング3の回転ブレを抑制することが可能となる。
【0039】
・上記実施形態では、軸部5はインナーハウジング3の底部3aに固定されたが、これ以外に例えば、底部3aに一体に形成してもよい。
・上記実施形態では、おもりWはインナーハウジング3の側壁部3bの内側面に設けられたが、これ以外に例えば、側壁部3bの外側面や、底部3aに設けてもよい。
【0040】
・上記実施形態のインナーハウジング3及びアウターハウジング2の形状は、構成に応じて適宜変更しても良い。
・上記実施形態では、インナーハウジング3の重心Gを回転軸Lからずらすことにより、インナーハウジング3の向きをアウターハウジング2の向きに依らず一定に保つように自動調整可能に構成したが、これに特に限定されるものではない。例えば、インナーハウジング3の回転軸Lを中心とする回転角度を自動調整可能な電動の調整機構を設け、この調整機構の駆動力にてインナーハウジング3の向き(回転角度)をアウターハウジング2の向きによらず一定に保つように構成してもよい。
【0041】
・上記実施形態では、施術子16,17が回転駆動される構成の頭皮ケア装置1に具体化したが、これに特に限定されるものではなく、例えば施術子が振動駆動される構成としてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1…頭皮ケア装置、2…アウターハウジング、3…インナーハウジング、11…電源としてのバッテリ、14…駆動源としてのモータ、16,17,51…施術子、61…ロック機構、C…施術子の中心、G…インナーハウジングの重心、L…インナーハウジングの回転軸、W…おもり。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源及びその駆動源に電力供給する電源を内部に備えたインナーハウジングと、
前記インナーハウジングを回転可能に支持するアウターハウジングと、
前記インナーハウジングに設けられ、前記駆動源の駆動に基づき動作して頭皮に刺激を与える施術子と
を備え、前記インナーハウジングの向きを前記アウターハウジングの向きに依らず一定に保つように自動調整可能に構成されたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項2】
請求項1に記載の頭皮ケア装置において、
前記インナーハウジングの重心が前記インナーハウジングの回転軸からずれて構成され、
前記インナーハウジングの回転軸が鉛直方向に対して傾いた状態で、前記インナーハウジングの向きが自動的に調整可能に構成されたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項3】
請求項2に記載の頭皮ケア装置において、
前記インナーハウジングには、前記インナーハウジングの重心を前記インナーハウジングの回転軸からずらすためのおもりが設けられたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項4】
請求項3に記載の頭皮ケア装置において、
前記おもりは、着脱可能に構成されたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項5】
請求項2に記載の頭皮ケア装置において、
前記インナーハウジングの内部における前記駆動源及び前記電源の配置により前記インナーハウジングの重心が前記インナーハウジングの回転軸からずれて構成されたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の頭皮ケア装置において、
前記施術子は複数設けられ、それらの間の中心が前記インナーハウジングの回転軸上に位置するように構成されたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の頭皮ケア装置において、
前記施術子が頭皮に接触された状態において前記インナーハウジングが前記アウターハウジングに対して回転しないようにロックするロック機構を備えたことを特徴とする頭皮ケア装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−45088(P2012−45088A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−188274(P2010−188274)
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】