説明

頭部マッサージ用ドライミスト噴霧装置

【課題】被施術者が横になってヘッドスパを受けられる頭部マッサージ用ドライミスト噴霧装置を目的とするものである。
【解決手段】吸着ホルダ2により位置決め部材3に着脱自在に保持されるノズルヘッド1をダクトホース7によりドライミスト発生装置8と接続するとともに、前記ノズルヘッド1にドライミスト噴霧用の噴霧ノズル4を分岐配設する頭部マッサージ用ドライミスト噴霧装置であって、前記分岐配設される噴霧ノズル4は噴霧方向を調整できるよう仰俯角を各別に調整可能とし、前記ダクトホース7は管継手6を介して可動可能にノズルヘッド1と接続し、また、前記吸着ホルダ2はノズルヘッド1を仰俯角調整可能に保持するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は頭皮ケアや髪の修復、あるいはリラクゼーションに適した頭部マッサージ用ドライミスト噴霧装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的なミスト噴霧装置はドライヤ装置や理美容装置に取り付けられて、被施術者が椅子に座った状態で頭部の後方、上方、側方からミストを髪に噴霧したり、頭部に被せたヘアキャップ内にミストを噴霧して頭皮ケアを行っていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかし、近年、頭皮ケアや髪の修復と同時にリラクゼーションのために時間をかけてマッサージを行うヘッドスパと称せられる施術の場合、被施術者が座った姿勢ではリラックスできずリラクゼーション効果が生じにくいという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3739344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は被施術者が横になってヘッドスパを受けられる頭部マッサージ用ドライミスト噴霧装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、吸着ホルダにより位置決め部材に着脱自在に保持されるノズルヘッドをダクトホースによりドライミスト発生装置と接続するとともに、前記ノズルヘッドにドライミスト噴霧用の噴霧ノズルを分岐配設する頭部マッサージ用ドライミスト噴霧装置であって、前記分岐配設される噴霧ノズルは噴霧方向を調整できるよう仰俯角を各別に調整可能とし、前記ダクトホースは管継手を介して可動可能にノズルヘッドと接続し、また、前記吸着ホルダはノズルヘッドを仰俯角調整可能に保持することを特徴とする頭部マッサージ用ドライミスト噴霧装置である。
【0007】
なお、噴霧ノズルの先端にアロマオイルを含浸させた芳香器を交換可能に取り付けたり、吸着ホルダが磁石または吸盤よりなるものとしたりしてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、分岐配設される噴霧ノズルは噴霧方向を調整できるよう仰俯角を各別に調整可能とし、前記ダクトホースは管継手を介して可動可能にノズルヘッドと接続し、また、前記吸着ホルダはノズルヘッドを仰俯角調整可能に保持することにより、分岐された噴霧ノズルから被施術者の頭部にドライミストを広範囲に噴霧することができるので、頭皮ケアや髪の補修を効率よく行なうことができるうえに、頭部マッサージも効果的に行えるものとなる。また、分岐された噴霧ノズルは仰俯角を調整可能とするうえ、ノズルヘッドも仰俯角調整可能としているので、頭部全体にドライミストを隈なく噴霧することができるので、頭皮ケアやリラクゼーションを効果的に行えることとなる。
【0009】
請求項2のように、噴霧ノズルの先端にアロマオイルを含浸させた芳香器を交換可能に取り付けたことにより、被施術者の好みに合わせたアロマオイルを用いることができるのでより高いリラクゼーション効果を与えることができる。
【0010】
請求項3のように、吸着ホルダが磁石または吸盤よりなるものとすることにより、吸盤を取り付けることができない位置決め部材の場合や、磁石を取り付けることができない位置決め部材の場合にもノズルヘッドを確実に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の好ましい実施形態を示す側面図である。
【図2】同じく一部切欠平面図である。
【図3】施術状態を示す斜視図である。
【図4】本発明装置を用いた全体システムの1例を示す斜視図である。
【図5】本発明装置にドライミストを供給するドライミスト発生装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の好ましい実施の形態を図に基づいて詳細に説明する。
1はノズルヘッドであり、該ノズルヘッド1は図3に示されるように、吸着ホルダ2によりシャンプーボウル等の位置決め部材3に適宜取り付けられるものであり、前記ノズルヘッド1の左右には図2に示されるように、噴霧ノズル4が分岐配置されている。該各噴霧ノズル4はドライミストの噴霧方向を調整できるようノズルヘッド1の本体1aに回動可能に嵌合され、噴霧ノズル4の仰俯角を各別に調整可能としている。
【0013】
前記吸着ホルダ2は図1、2、3、4に示されるように、略半円弧状の弾性ホルダ2aと、該弾性ホルダ2aを軸支されるレバー式吸盤2bとからなるもので、前記略半円形状の弾性ホルダ2aによりノズルヘッド1や管継手6に取り付けられ、レバー式吸盤2bのレバーを操作することにより吸盤の真空度を高めて位置決め部材3に強固に取り付けられるものである。また、吸着ホルダ2は必要に応じて図3に示されるように、後記する管継手6と合成樹脂製のダクトホース7との接続部に取り付けて抜け止めと動き止めを確実に行なうようにしてもよい。なお、吸着ホルダ2は吸盤の他、磁石として位置決め部材3が磁性金属の場合の取り付けを行なってもよいことはいうまでもない。
【0014】
分岐配設された噴霧ノズル4は図2に示されるように、ノズルヘッド1の本体1aにシールリング1bを介して嵌合されて本体1aに対して回動可能とされ、ノズルヘッド1に対して噴霧ノズル4の仰俯角を調整可能とし、ドライミストの噴霧角度を自由に変えることができるようにしている。このようにシールリング1bを介して嵌合することにより噴霧ノズル4の交換や洗浄を簡単に行なうことができる。なお、噴霧ノズル4を自在継手構造とすれば、噴霧ノズル4は3次元方向に可動させることができるので、ドライミストを必要な部位に的確に噴霧することができる。また、左右に分岐される噴霧ノズル4をさらに複列に配置させれば、ドライミストの噴霧範囲を広げることができる。
【0015】
5は噴霧ノズル4の先端に交換自在に取り付けられる芳香器であり、該芳香器5の外筒内面には図2に示されるように、アロマオイルを含浸吸収させる繊維パッドやスポンジ等の環状の多孔質吸収材5aが嵌着されており、被施術者の好みに応じたアロマオイルを含浸吸収させた芳香器5とすることができる。また、多孔質吸収材5aはドライミストが凝集して生じた水滴を吸収して滴下することを防止する役割を有するものである。
【0016】
6は本体1aに接続されるダクトホース7接続用の管継手であり、該管継手6は図2に示されるように、L形としてノズルヘッド1の本体1aにシールリング1bを介して嵌合され、ノズルヘッド1に対して回転可能とされるので、ダクトホース7に対してノズルヘッド1を左右に揺動させることができる。なお、管継手6を自在継手とすればノズルヘッド1を3次元方向に可動できるので、ドライミストを所望部位に的確に噴霧できるものとなる。
【0017】
8はドライミスト発生装置であり、該ドライミスト発生装置8は図5に示されるドライミスト発生機15に組み込まれている。前記ドライミスト発生装置8は蒸気発生機構9とミスト発生機構10と混合器11とからなり、ミストと蒸気とを混合することにより髪や頭部、服等が濡れることのない微粒子よりなるドライミストを生成するものである。蒸気発生機構9は水蒸発用のヒータ9aを水タンク9b内に配設したものである。また、ミスト発生装置10はミスト発生用の超音波振動子10aを水タンク10b底部に配設したものである。混合器11は蒸気発生機構9から発生した蒸気とミスト発生機構10から発生したミストとを混合して微粒子よりなるドライミストを生成させる。
【0018】
12は消費した減少水をミスト発生機構10の水タンク10bに補給する補給水タンク、13は発生したミストを送出する送風ファン、14は混合器11で生じた凝縮水を水タンク9b、10bに戻す戻し管である。
【0019】
このように構成されたものは、例えば、図4に示されるように、リクライニングシートとシャンプーボウルS(位置決め部材3)とリクライニングシートの下方に配置される小型のドライミスト発生機15とからなるシステムを用いる場合、被施術者をリクライニングシート上に寝かせ、頭部をシャンプーボウルS(位置決め部材3)内に配置させたうえに図3に示されるようにシャンプーボウルS(3)で被施術者の髪をシャンプー時、あるいはシャンプー後、頭部をマッサージする際、図3に示されるようにノズルヘッド1を位置決め部材3としてのシャンプーボウルSに吸着ホルダ2を介して取り付ける。ノズルヘッド1の取付位置は被施術者の頭部位置に合わせてドライミストが適正に噴霧されるよう角度や向き等の位置合わせを行う。ノズルヘッド1をシャンプーボウルS(3)に取り付けた後、必要に応じてダクトホース7の中間を吸着ホルダ2によりシャンプーボウルS(3)の側面等に固定する。
【0020】
さらに、ドライミストが被施術者に適正に噴霧されるようにノズルヘッド1の左右の分岐された噴霧ノズル4の仰俯角を各別に調整する。このように位置合わせが完了したら、ドライミスト発生機15を起動してドライミスト発生装置8を作動させれば、ノズルヘッド1にはドライミスト発生機15のドライミスト発生装置8とダクトホース7を介して接続されているので、蒸気発生機構9から発生した蒸気とミスト発生機構10から発生したミストは混合器11で混合されてドライミストに変換され、ドライミストはダクトホース7を介してノズルヘッド1に供給される。
【0021】
ノズルヘッド1に供給されたドライミストは各噴霧ノズル4より噴霧されて被施術者の頭部に噴霧されるので、ドライミストの噴霧下にシャンプーによる地肌の汚れ落としと同時に頭皮のつぼを刺激するマッサージを行ったり、シャンプー後にトリートメント等による髪の補修とマッサージとを同時に行ったりする。また、リラクゼーションの場合は、治療ベッド上で横になりドライミストを頭部に噴霧しながら顔や頭部のマッサージを行う。
【0022】
ドライミストの噴霧時、噴霧ノズル4の先端に取り付けられた芳香器5から発散するアロマオイルの香りにより被施術者はよりリラックスされることとなる。なお、マッサージ時、被施術者の鼻や目をタオルやテッシュペパーで覆うことにより落ち着いた気分でマッサージを受けることができる。
【符号の説明】
【0023】
1 ノズルヘッド
1a 本体
1b シールリング
2 吸着ホルダ
2a 弾性ホルダ
2b レバー式吸盤
3 位置決め部材
4 噴霧ノズル
5 芳香器
5a 吸収材
6 管継手
7 ダクトホース
8 ドライミスト発生装置
9 蒸気発生機構
9a ヒータ
9b タンク
10 ミスト発生機構
10a 超音波振動子
10b タンク
11 混合器
12 補給水タンク
13 送風ファン
14 戻し管
15 ドライミスト発生機
S シャンプーボウル



【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸着ホルダにより位置決め部材に着脱自在に保持されるノズルヘッドをダクトホースによりドライミスト発生装置と接続するとともに、前記ノズルヘッドにドライミスト噴霧用の噴霧ノズルを分岐配設する頭部マッサージ用ドライミスト噴霧装置であって、前記分岐配設される噴霧ノズルは噴霧方向を調整できるよう仰俯角を各別に調整可能とし、前記ダクトホースは管継手を介して可動可能にノズルヘッドと接続し、また、前記吸着ホルダはノズルヘッドを仰俯角調整可能に保持することを特徴とする頭部マッサージ用ドライミスト噴霧装置。
【請求項2】
噴霧ノズルの先端にアロマオイルを含浸させた芳香器を交換可能に取り付けたことを特徴とする請求項1に記載の頭部マッサージ用ドライミスト噴霧装置。
【請求項3】
吸着ホルダが磁石または吸盤よりなることを特徴とする請求項1または2に記載の頭部マッサージ用ドライミスト噴霧装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−29743(P2012−29743A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−169946(P2010−169946)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(391012006)株式会社ピジョン (3)
【Fターム(参考)】