説明

顆粒状第二アルカンスルホネート

【課題】
凝結物を形成することなく、界面活性剤成分として直接、粉末状洗剤及び洗浄剤に均一に導入することができるか、あるいは洗剤及び洗浄剤に慣用の成分と一緒に簡単な方法で固体の押出品、プレス加工品または圧縮加工品に更に加工処理することができる微細な形態の固体SASを提供すること。
【解決手段】
微細な固体第二アルカンスルホネートと、疎水性に変性されたシリカを含む添加物とから本質的に構成される、顆粒状第二アルカンスルホネート。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細な固体第二アルカンスルホネート及び添加物から本質的になる、顆粒状第二アルカンスルホネートに関する。
【背景技術】
【0002】
第二アルカンスルホネート(SAS)は、長年にわたり陰イオン性界面活性剤のうちで重要な物質群となっている。しかし、固体の形態の第二アルカンスルホネートは、望ましくない性質、つまり吸湿性を示す。このような性質に起因して、固体のSASは市場ではペレット状品もしくはフレーク状品としてしか手に入れることができない。このような比較的大きな形態の時は、SASの吸湿性特性はそれほど重大には表には現れない。しかし、粉末状の均質な洗剤(detergent)及び洗浄剤(cleaning agent)を製造するためには、全ての成分が微細な形態である必要がある。また一方で、微細なSASはその吸湿性特性のために凝結し、そのために、SASを含む粉末状の洗剤及び洗浄剤は微細な形態を保持することができない。それゆえ、SASは、大体において液状の洗剤及び洗浄剤に限定して使用されている。
【0003】
過去、固体の洗剤及び洗浄剤にも第二アルカンスルホネートを使用することを可能にするための試みが絶えず行われてきた。
【0004】
例えば、ドイツ特許出願公開第2 415 159号には、アルカンスルホネートと担体材料からなる水溶液を噴霧乾燥することによって得られる製品が記載されている。この担体材料としては、本質的に無機系の塩が挙げられる。この塩の量はかなり高く、アルカンスルホネートと担体材料との合計量を基準として50〜95重量%にもなる。
【0005】
国際特許出願公開第93/16164号は、酸の形の陰イオン性界面活性剤を塩基の水溶液と一緒に噴霧することによる噴霧中和法によって陰イオン性界面活性剤の塩を製造する方法を開示している。ここでは、適当な粉塵結合助剤を添加してもよい。
【0006】
特願平1−142999号明細書からは、アルカンスルホネートとゼオライトとの混合物が公知である。ドイツ特許出願公開第2 745 691号は、如何なる添加物もしくはケーキング防止剤も含まない、粉末形態のSASを開示している。
【0007】
特開平1-229 100号は、アルカンスルホネートとケイ酸の混合物を開示している。ヨーロッパ特許出願公開第688 861号は、アルカンスルホネートとシリカからなる顆粒物を、そしてヨーロッパ特許出願公開第30 859号は、アルカンスルホネート、トリポリリン酸塩及びケイ酸塩からなる混合物を開示している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、凝結物を形成することなく、界面活性剤成分として直接、粉末状洗剤及び洗浄剤に均一に導入することができるか、あるいは洗剤及び洗浄剤に慣用の成分と一緒に簡単な方法で固体の押出品、プレス加工品または圧縮加工品に更に加工処理することができる微細な形態の固体SASを提供するという課題に基づくものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の対象は、微細な固体第二アルカンスルホネートと、疎水性に変性されたシリカを含む添加物から本質的になる、顆粒状第二アルカンスルホネート、特に、第二アルカンスルホネートの量を基準として0.1〜10重量%の量の非吸湿性の前記添加物の存在下に、固体の第二アルカンスルホネートを粉砕することによって得られる、0.1〜3mmの粒度を有する粉末状もしくは顆粒状第二アルカンスルホネートである。
【0010】
原料としては、固体の第二アルカンスルホネート、例えばペレット状のもの(Hostapur(R) SAS 93)またはフレーク状のものが使用される。この第二アルカンスルホネートにおいては、そのアルキル基は、飽和でも不飽和でも、分枝状でも直鎖状でも、また更に場合によってはヒドロキシル基で置換されていてもよい。そのスルホ基は、炭素鎖の如何なる位置にでも位置していてもよいが、鎖両末端の第一メチル基はスルホネート基を持たない。好ましい第二アルカンスルホネートは、約9〜25個の炭素原子、好ましくは10〜20個の炭素原子、特に好ましくは約13〜17個の炭素原子を有する線状アルキル鎖を含む。そのカチオンは、例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、モノ-、ジ-またはトリエタノールアンモニウム、カルシウムまたはマグネシウム、及びこれらの複数のものの組み合わせである。ナトリウムがカチオンとして好ましい。
【0011】
本発明によるアルカンスルホネートの製造は、固体SASの製造において通常形成されるペレットまたはフレーク状品のSASを粉砕することによって行われる。第一の態様では、この比較的大きなSASを、粉砕する前に、添加物と十分に混合し次いで粉砕する。このためには、原則的に、全ての粉砕装置が適しており、例えば衝撃粉砕機、切断粉砕機、ローラー機及びエアジェット粉砕機などがある。衝撃粉砕機は、例えば、内部部材(internals)を有するもしくは有しないビーターウィール(beater wheel)粉砕機、ピンミル及び砕解機、特に研磨したピンを有するこれらのもの、並びに様々な操作可能な要素、特にハンマータイプの操作可能要素を有するユニバーサルミルである。特に好ましいものは、切断粉砕機、クロスビーターを有するユニバーサルミル、及び籠型のろ網(screen cage)及びクロスビーター/タービンを有する衝撃ディスク粉砕機(例えば、Pallmann社製のPP/PPSタイプの衝撃ディスク粉砕機)である。
【0012】
別法としては、アルカンスルホネートと添加物との予備的な混合は行わないで、添加物をアルカンスルホネートと同時に、直接、粉砕機に添加することもできる。その場合、ミリメーター範囲の直径を有する比較的大きな材料を使用することもできる。なぜならばこれらの材料は粉砕処理の間に自然と細化され、そして機械的な作用によってアルカンスルホネートと激しく混合されるからである。
【0013】
アルカンスルホネートと添加物との混合物の粉砕は、摩擦熱を逃しそして低温脆弱化により粉砕プロセスを補助するために、冷却しながら行うこともできる。このためには、粉砕機を直接冷却することもできるし、また粉砕プロセスを連続的に行う際には、粉砕機に吸引された空気流を冷却することもできる。第二アルカンスルホネートを予め冷却するか、または粉砕プロセス中に冷凍剤、例えばドライアイスを添加することもできる。この細化プロセスの間は、粉砕後に材料温度が周囲温度と同じになるまで、水分、特に気湿の侵入が例えば装置的な手段によって避けられることを確実にしなければならない。
【0014】
第三の態様では、先ず、粗粒の固体SASを、好ましくは上述のように冷却しながら、粉砕し、次いでこの粉砕されたSASを添加物と混合することもできる。
【0015】
上に記載した態様の全てにおいて、SAS及び場合によっては添加物も、0.1〜3、好ましくは0.5〜2mmの粒度まで粉砕される。
【0016】
本発明の範囲において添加物としては、多数の化合物が使用できる。これは完全に水中に可溶性であるものであることもできるが、ただしこれは好ましくは疎水性のものである。いかなる場合でも、これらの添加物が吸湿性でないことが前提条件となる。更に、初めから既に微細な形態である添加物が好ましい。
【0017】
適当な添加物は、例えば、長鎖脂肪酸、特にC18-C22-脂肪酸、例えばステアリン酸及びベヘン酸、これらの塩、特にアルカリ土類金属塩、脂肪アルコール、ポリマー類、例えば高分子量ポリエチレングリコール、例えばPEG20.000、ポリアクリレート、例えば(R)Sokalan CP 5、セルロース及びその誘導体、例えばカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ワックス、例えばモンタンワックス、パラフィンワックス、エステルワックス、ポリオレフィンワックス、ベントナイト、例えばSuedchemie社の(R)Laundrosil DGA、酸化マグネシウム、チョーク、カオリン、ケイ酸マグネシウム、ケイ質チョーク、珪藻土、シリカ、滑石、アルカリ-またはアルカリ土類金属硫酸塩である。好ましい添加物には、微細な合成高分散シリカ、例えば発熱性シリカ(Degussa社の(R)Aerosil製品)及び析出させたシリカ、例えばDegussa社の市販製品である(R)Sident 12、Sident 12 DS、FK160、FK300DS、FK310、FK320、FK320DS、FK383DS、FK500LS、FK700、(R)Sipernat 22、Sipernat 22S、Sipernat 30、Sipernat 50、Sipernat 50S、Sipernat D 17、(R)Ultrasil VN2、Ultrasil VN3、(R)Wessalon及びWessalon Sが含まれる。このようなシリカは生来親水性ではあるが、疎水性に変性されたシリカ、例えばSipernat D17またはAerosil R 972も使用することができる。
【0018】
上記の添加物は、第二アルカンスルホネートを基準として0.1〜10%、好ましくは0.5〜5%、特に好ましくは0.5〜2%の濃度で使用される。
【0019】
得られる粉末状もしくは顆粒状の第二アルカンスルホネートは、界面活性剤成分として、洗剤及び洗浄剤中に直接加えることができる。このような粉末状の洗剤及び洗浄剤は、例えば粉末洗剤、しみ抜き剤、精錬剤及び他の固形混合物であり得る。また、本発明による粉末状もしくは顆粒状SASは、固体押出品、例えば塊状洗剤(Washing bar)、固形石鹸(Bar soap)または化粧石鹸(Toilet block)に、またはプレス加工物、例えばタブレット、または圧縮加工品(圧延加工品)に加工することもできる。
【0020】
本発明による第二アルカンスルホネートは、単独でもしくは他の界面活性剤と組み合わせて、完成した洗剤調合物及び洗浄剤調合物中に使用することができる。
【0021】
本発明による第二アルカンスルホネートを含めて界面活性剤の濃度は、全部で、1%〜99%、好ましくは5%〜80%、特に好ましくは5%〜40%であることができる。
【0022】
例えば、以下の界面活性剤を、洗剤及び洗浄剤中で、本発明による顆粒状第二アルカンスルホネートと組み合わせることができる。
【0023】
陰イオン界面活性剤としては、スルフェート類、スルホネート類、カルボキシレート類、ホスフェート類及びこれらの混合物が挙げられる。ここで適当なカチオンは、アルカリ金属、例えばナトリウムまたはカリウム、あるいはアルカリ土類金属、例えばカルシウムまたはマグネシウム、並びにアンモニウム、置換されたアンモニウム化合物、例えばモノ-、ジ-またはトリエタノールアンモニウムカチオン、及びこれらの複数のものの組み合わせである。次のタイプの陰イオン性界面活性剤、つまり以下に示すような、アルキルエステルスルホネート、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルベンゼンスルホネート、オレフィンスルホネート及び石鹸が特に重要である。
【0024】
アルキルエステルスルホネートは、特に、“The Journal of the American Oil Chemists Society” 52(1975), p323-329に記載されているような、ガス状SO3でスルホン化された C8-C20-カルボン酸(つまり、脂肪酸)の線状エステルである。適当な原料は、天然脂肪、例えば獣脂、ヤシ油及びシュロ油であるが、合成品でもよい。洗剤の用途に好ましいアルキルエステルスルホネートは、以下の式
【0025】
【化1】

【0026】
[式中、Rは、C8-C20-炭化水素残基、好ましくはアルキルであり、そしてRは、C1-C6-炭化水素残基、好ましくはアルキルである]
で表される化合物である。Mは、このアルキルエステルスルホネートと水溶性塩を形成するカチオンである。適当なカチオンは、ナトリウム、カリウム、リチウムまたはアンモニウムカチオン、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンである。好ましくは、R1は、C10-C16-アルキルでありそしてRはメチル、エチルまたはイソプロピルである。特に好ましいものは、R1がC10-C16-アルキルであるメチルエステルスルホネートである。
【0027】
アルキルスルフェートは、式ROSO3M(式中、Rは、C10-C24-炭化水素残基、好ましくはC10-C20-アルキル成分を持つアルキル基またはヒドロキシアルキル基、特に好ましくはC12-C18-アルキル基またはヒドロキシアルキル基である)で表される水溶性塩もしくは酸である。Mは水素またはカチオン、例えばアルカリ金属カチオン(例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム)またはアンモニウムもしくは置換されたアンモニウム、例えばメチル-、ジメチル-及びトリメチルアンモニウムカチオン、及び第四アンモニウムカチオン、例えばテトラメチルアンモニウムカチオン及びジメチルピペリジニウムカチオン、並びにエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアルキルアミン及びこれらの混合物から誘導される第四アンモニウムカチオンである。炭素原子を12〜16個有するアルキル鎖は低い洗浄温度(例えば約50℃以下)に、そして炭素原子を16〜18個有するアルキル鎖は高い洗浄温度(例えば、約50℃以上)に好ましい。
【0028】
アルキルエーテルスルフェートは、式RO(A)SO3M(式中、Rは置換されていないC10-C24-アルキル基またはヒドロキシアルキル基、好ましくはC12-C20-アルキル基またはヒドロキシアルキル基、特に好ましくはC12-C18-アルキル基またはヒドロキシアルキル基である)で表される水溶性塩もしくは酸である。Aはエトキシ-またはプロポキシ単位であり、mは0より大きい数、好ましくは約0.5〜約6の数、特に好ましくは約0.5〜約3の数であり、そしてMは水素原子またはカチオン、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、または置換されたアンモニウムカチオンである。置換されたアンモニウムカチオンの具体例は、メチル-、ジメチル-、トリメチルアンモニウムカチオン、及び第四アンモニウムカチオン、例えばテトラメチルアンモニウムカチオン及びジメチルピペリジニウムカチオン、並びにエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアルキルアミンまたはこれらの混合物から誘導される第四アンモニウムカチオンである。例えば、C12-C18-脂肪アルコールエーテルスルフェートが挙げられ、この際、EOの含有量は、脂肪アルコールエーテルスルフェート1モルにつき1、2、2.5、3または4モルであり、Mはナトリウムまたはカリウムである。
【0029】
更に別の好適な陰イオン性界面活性剤はアルケニル-またはアルキルベンゼンスルホネートである。そのアルケニル-またはアルキル基は、分枝状でも線状でもよく、また更に場合によってはヒドロキシル基によって置換されていてもよい。好ましいアルキルベンゼンスルホネートは、約9〜25個の炭素原子、好ましくは約10〜約13個の炭素原子を有する線状アルキル鎖を含み、そのカチオンはナトリウム、カリウム、アンモニウム、モノ-、ジ-またはトリエタノールアンモニウム、カルシウムまたはマグネシウムあるいはこれらの複数のものの組み合わせである。穏和な界面活性剤系のためには、マグネシウムがカチオンとして好ましく、一方、標準的な洗剤用途には、ナトリウムが好ましい。これと同じことがアルケニルベンゼンスルホネートにも当てはまる。
【0030】
陰イオン性界面活性剤という用語には、C12-C24-、好ましくはC14-C16-α-オレフィンを三酸化硫黄でスルホン化し次いで中和することによって得られるオレフィンスルホネートも包含される。その製造方法に起因して、このオレフィンスルホネートは少量のヒドロキシアルカンスルホネート及びアルカンジスルホネートを含むことがある。α-オレフィンスルホネートの特定の混合物が米国特許第3,332,880号に記載されている。
【0031】
更に別の好ましい陰イオン性界面活性剤は、カルボキシレート、例えば脂肪酸石鹸及びこれと同等の他の石鹸である。これらの石鹸は、飽和状でも不飽和状でもよく、そして様々な置換基、例えばヒドロキシル基またはα-スルホネート基を含んでいてもよい。好ましいものは、疎水性部としての、約6〜約30、好ましくは約10〜約18個の炭素原子を有する線状の飽和または不飽和炭化水素残基である。
【0032】
更に、陰イオン性界面活性剤として、アシルアミノカルボン酸の塩、脂肪酸塩化物をサルコシンナトリウムとアルカリ性媒体中で反応させることによって生ずるアシルサルコシネート; 脂肪酸塩化物をオリゴペプチドと反応させることによって得られる脂肪酸-タンパク質縮合生成物; アルキルスルファミドカルボン酸の塩; アルキル-またはアルキルアリールエーテルカルボン酸の塩; 例えばイギリス特許第1,082,179号に記載されるような、C8-C24-オレフィンスルホネート、及びクエン酸のアルカリ土類金属塩の熱分解生成物をスルホン化することによって製造されるスルホン化されたポリカルボン酸; アルキルグリセリンスルフェート、オレイルグリセリンスルフェート、アルキルフェノールエーテルスルフェート、第一パラフィンスルホネート、アルキルホスフェート、アルキルエーテルホスフェート、イセチオネート、例えばアシルイセチオネート、N-アシルタウリド、アルキルスクシネート、スルホスクシネート、スルホスクシネートのモノエステル(特に、飽和及び不飽和C12-C18-モノエステル類)及びスルホスクシネートのジエステル(特に、飽和及び不飽和C12-C18-ジエステル類)、アシルサルコシネート、アルキルポリサッカライドのスルフェート、例えばアルキルポリグリコシドのスルフェート、分枝状第一アルキルスルフェート及びアルキルポリエトキシカルボキシレート、例えば式RO(CH2CH2)kCH2COO-M+(式中、RはC8-C22-アルキルであり、kは0〜10の数でありそしてMはカチオンである)で表されるもの、樹脂酸または水素化した樹脂酸、例えばロジンまたは水素化したロジン、またはトール油樹脂及びトール油樹脂酸が挙げられる。更に別の例は、“Surface Active Agents and Detergents”(Vol. I 及びII,Schwartz, Perry及びBerch)に記載されている。
【0033】
非イオン性界面活性剤としては、例えば次の化合物、つまりアルキルフェノールのポリエチレン-、ポリプロピレン-及びポリブチレンオキシド縮合物が挙げられる。
【0034】
これらの化合物は、直鎖状でも分枝状でもよいC-C20-アルキル基を有するアルキルフェノールとアルケンオキシドとの縮合生成物からなる。好ましいものは、アルキルフェノール1モル当たり約5〜25モルのアルケンオキシドを有する化合物である。この種の市販の界面活性剤は、例えば、lgepal(R)CO-630、Triton(R) X-45、X-114、X-100及びX-102、及びClariant GmbHの(R)Arkopal-N製品である。これらの界面活性剤は、アルキルフェノールアルコキシレート、例えばアルキルフェノールエトキシレートと言われる。

脂肪族アルコールと約1〜約25モルのエチレンオキシドとの縮合生成物:
脂肪族アルコールのアルキル鎖は直鎖状でも分枝状でも、また第一または第二の性質であってもよく、そして一般的に約8〜約22個の炭素原子を含む。特に好ましいものは、C10-C20-アルコールとアルコール1モル当たり約2〜約18モルのエチレンオキシドとの縮合生成物である。そのアルキル鎖は飽和または不飽和であることができる。このアルコールエトキシレートは、エチレンオキシドの狭い(“狭範エトキシレート(Narrow Range Ethoxilates)”)または広い(“広範エトキシレート(Broad Range Ethoxylates)”)同族体分布を有し得る。この種で市販の非イオン性界面活性剤の例は、Teritol(R)15-S-9(線状第二C11-C15-アルコールと9モルのエチレンオキシドとの縮合生成物)、Tergitol(R)24-L-NMW(線状第一C12-C14-アルコールと6モルのエチレンオキシドとの狭い分子量分布を有する縮合生成物)である。また、このクラスの製品には、Clariant GmbHのGenapol(R)製品も含まれる。

プロピレンオキシドとプロピレングリコールとの縮合によって形成される、疎水性塩基とエチレンオキシドとの縮合生成物:
この化合物の疎水性部は、好ましくは、約1500〜約1800の分子量を有する。この疎水性部にエチレンオキシドを付加すると水溶性が高まる。この生成物は、縮合生成物の総重量の約50%までのポリオキシエチレン含有量まで液状の状態にあり、これは約40molまでの量のエチレンオキシドと縮合することに相当する。このクラスの化合物の市販製品の例は、BASF社のPluronic(R)製品及びClariant GmbHの(R)Genapol PF製品である。

プロピレンオキシドとエチレンジアミンとの反応生成物とエチレンオキシドとの縮合生成物:
この化合物の疎水性単位は、エチレンジアミンと過剰のプロピレンオキシドとの反応生成物から構成され、一般的に、約2500〜約3000の分子量を有する。この疎水性単位には、ポリオキシエチレンの約40〜約80重量%の含有量まで及び約5000〜11000の分子量までエチレンオキシドが付加される。このクラスの化合物の市販製品の例は、BASF社の(R)Tetronic製品及びClariant GmbHの(R)Genapol PN製品である。

半極性非イオン性界面活性剤:
このカテゴリーの非イオン性化合物には、各々約10〜約18個の炭素原子を有するアルキル基を持つ水溶性アミンオキシド、水溶性ホスフィンオキシド及び水溶性スルホキシドが包含される。半極性非イオン性界面活性剤には、以下の式
【0035】
【化2】

【0036】
[式中、Rは約8〜約22個の炭素原子の鎖長を有するアルキル-、ヒドロキシアルキル-またはアルキルフェノール基であり、R2は約2〜3個の炭素原子を有するアルキレン-またはヒドロキシアルキレン基あるいはこれらの複数のものの組み合わせであり、各々の基R1は約1〜約3個の炭素原子を有するアルキル-またはヒドロキシアルキル基あるいは約1〜約3個のエチレンオキシド単位を有するポリエチレンオキシド基であり、そしてxは0〜約10の数を意味する]
で表されるアミンオキシドも包含される。各R1基は、酸素原子または窒素原子を介して互いに結合することができ、それゆえ環を形成することができる。この種のアミンオキシドは、特に、C10-C18-アルキルジメチルアミンオキシド及びC8-C12-アルコキシエチル-ジヒドロキシエチルアミンオキシドである。

脂肪酸アミド:
脂肪酸アミドは以下の式を有する:
【0037】
【化3】

【0038】
式中、Rは約7〜約21個、好ましくは約9〜約17個の炭素原子を有するアルキル基であり、そして各々の基R1は水素、C1-C4-アルキル、C1-C4-ヒドロキシアルキル及び(C2H4O)XHを意味し、xは約1〜約3の間の様々な値をとる。好ましいものは、C8-C20-アミド、-モノエタノールアミド、-ジエタノールアミド及び-イソプロパノールアミドである。
【0039】
更に別の適当な非イオン性界面活性剤は、アルキル-及びアルケニルオリゴグリコシド、並びに各々脂肪アルキル基中に8〜20個、好ましくは12〜18個の炭素原子を有する脂肪酸ポリグリコールエステルまたは脂肪アミンポリグリコールエステル、アルコキシル化されたトリグリカミド、混合エーテルもしくは混合ホルマール、アルキルオリゴグリコシド、アルケニルオリゴグリコシド、脂肪酸-N-アルキルグルカミド、ホスフィンオキシド、ジアルキルスルホキシド及びタンパク質加水分解物である。
【0040】
両性もしくは双イオン性界面活性剤の典型例は、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミノプロピオネート、アミノグリシネート、あるいは以下の式で表される両性イミダゾリニウム化合物である。
【0041】
【化4】

【0042】
上記式中、R1は、C8-C22-アルキルまたは-アルケニルであり、R2は水素またはCH2CO2Mであり、R3はCH2CH2OHまたはCH2CH2OCH2CH2CO2Mであり、R4は水素、CH2CH2OHまたはCH2CH2COOMであり、ZはCO2MまたはCH2CO2Mであり、nは2または3、好ましくは2であり、Mは水素またはカチオン、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニアまたはアルカノールアンモニウムを意味する。
【0043】
この式で表される両性界面活性剤で好ましいものはモノカルボキシレート及びジカルボキシレートである。例としては、ココアンフォ(Cocoampho)カルボキシプロピオネート、ココアミドカルボキシプロピオン酸、ココアンフォカルボキシグリシネート(またはココアンフォジアセテートととも呼ばれる)及びココアンフォアセテートが挙げられる。
【0044】
更に別の好ましい両性界面活性剤は、約8〜約22個、好ましくは8〜18個、特に好ましくは約12〜約18個の炭素原子を有する、線状でも分枝状でもよいアルキル基を持つアルキルジメチルベタイン及びアルキルジポリエトキシベタインである。これらの化合物は、例えばClariant GmbHから(R)Genagen LABの商品名で販売されている。
【0045】
特殊なケースにおいては、該洗剤及び洗浄剤は、陽イオン性界面活性剤も含み得る。適当な陽イオン性界面活性剤は、R1N(CH3)3+X-、R1R2N(CH3)2+X-、R1R2R3N(CH3)+X-またはR1R2R3R4N+X-のタイプの置換されているもしくは置換されていない、直鎖状もしくは分枝状の第四アンモニウム塩である。好ましくは、これらの基R1、R2、R3及びR4は、互いに独立して、8〜24個、特に10〜18個の炭素原子の鎖長を有する置換されていないアルキル、約1〜約4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル、フェニル、C2-C18-アルケニル、C7-C24-アラルキル、(C2H4O)xH(この際、xは約1〜約3である)、一つまたはそれ以上のエステル基を含むアルキル基または環状第四アンモニウム塩であり得る。Xは適当なアニオンである。
【0046】
本発明に含まれ得る更に別の洗剤及び洗浄剤成分には、水の硬度を低下させるための無機系及び/または有機系のビルダーが包含される。
【0047】
このビルダーは、該洗剤及び洗浄剤組成物中に約5〜約80%の重量割合で含まれ得る。無機ビルダーには、例えば、ポリリン酸塩のアルカリ-、アンモニウム-及びアルカノールアンモニウム塩、例えばトリポリリン酸塩、ピロリン酸塩及びガラス質のポリマー性メタリン酸塩のこのような塩、ホスホン酸塩、ケイ酸塩、重炭酸塩及びセスキ炭酸塩も包含する炭酸塩、硫酸塩及びアルミノケイ酸塩が包含される。
【0048】
ケイ酸塩系ビルダーの例は、アルカリ金属ケイ酸塩、特に1.6:1〜3.2:1のSiO2:Na2O比を有するこのようなケイ酸塩、並びに層状ケイ酸塩であり、例えば、Clariant GmbHからSKS(R)、SKS-6(R)の名称で入手できる、米国特許第4,664,839号に記載されるような層状ケイ酸ナトリウムが特に好ましい層状ケイ酸塩ビルダーである。
【0049】
アルミノケイ酸塩ビルダーは、本発明において特に好ましい。これは、特に、式Naz[(AlO2)z(SiO2)y]・xH2O(式中、z及びyは少なくとも6の整数であり、z:yの比率は1.0〜約0.5の間であり、そしてxは約15〜約264の整数を意味する)で表されるゼオライトである。
【0050】
アルミノケイ酸塩に基づく適当なイオン交換体は市販されている。このアルミノケイ酸塩は結晶質構造もしくは非晶質構造であることができる。またこのアルミノケイ酸塩は、天然に存在するものでも、合成して製造したものでもよい。アルミノケイ酸塩に基づくイオン交換体の製造方法は、米国特許第3,985,669号及び米国特許第4,605,509号に記載されている。合成結晶質アルミノケイ酸塩に基づく好ましいイオン交換体は、ゼオライトA、ゼオライトP(B)(ヨーロッパ特許出願公開第0 384 070号に開示されているものも包含される)及びゼオライトXの名称で入手することができる。好ましいものは、0.1〜10μmの粒径を有するアルミノケイ酸塩である。
【0051】
適当な有機系ビルダーには、ポリカルボキシル化合物、例えば、米国特許第3,128,287号及び米国特許第3,635,830号に記載されるような、エーテルポリカルボキシレート及びオキシジスクシネートが包含される。同様に、米国特許第4,663,071号に記載の“TMS/TDS”-ビルダーにも言及しておく。
【0052】
他の適当なビルダーには、エーテルヒドロキシポリカルボキシレート、マレイン酸無水物とエチレンもしくはビニルメチルエーテルとのコポリマー、1,3,5-トリヒドロキシベンゼン-2,4,6-トリスルホン酸及びカルボキシメチルオキシコハク酸、ポリ酢酸のアルカリ-、アンモニウム-及び置換されたアンモニウム塩、例えばエチレンジアミンテトラ酢酸及びニトリロトリ酢酸のこのような塩、並びにポリカルボン酸、例えばメリット酸、コハク酸、オキシジコハク酸、ポリマレイン酸、ベンゼン-1,3,5-トリカルボン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、並びにこれらの可溶性塩が包含される。
【0053】
クエン酸塩に基づくビルダー、例えばクエン酸及びこれの可溶性塩、特にナトリウム塩は、粒状化した調合物中で、特にゼオライト及び/または層状ケイ酸塩と一緒に使用することもできる好ましいポリカルボン酸ビルダーである。
【0054】
更に別の適当なビルダーは、米国特許第4,566,984号に開示されている、3,3-ジカルボキシ-4-オキサ-1,6-ヘキサンジオエート及びこれと類似の化合物である。
【0055】
リンをベースとするビルダーが使用可能な場合、特に人手による洗濯のための固形石鹸を調合する場合は、様々なアルカリ金属リン酸塩、例えばトリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム及びオルトリン酸ナトリウムを使用できる。また同様に、ホスホン酸塩系のビルダー、例えばエタン-1-ヒドロキシ-1,1-ジホスホネート、及び例えば米国特許第3,159,581号、米国特許第3,213,030号、米国特許第3,422,021号、米国特許第3,400,148号及び米国特許第3,422,137号に開示されるような他の公知のホスホン酸塩も使用できる。
【0056】
本発明の好ましい態様の一つでは、慣用の洗浄剤構成分を、洗浄剤に典型的な成分、例えば表面活性物質及びビルダーから選択することができる。場合によっては、この洗浄剤構成分は、洗浄効果を強め、また洗浄する物品の処理またはケアに役立つかあるいは洗浄剤組成物の使用特性を変化させる、一種またはそれ以上の洗浄助剤または他の材料を含み得る。洗浄剤組成物中に適当な洗浄助剤には、米国特許第3,936,537号に記載の物質が包含される。本発明の洗浄剤組成物中に使用できる洗浄助剤には、例えば、酵素、特にプロテアーゼ類、リパーゼ類及びセルラーゼ類、発泡剤、抑泡剤、曇り防止剤及び/または腐食防止剤、沈殿防止剤、着色剤、フィラー、蛍光増白剤、消毒剤、アルカリ、ヒドロトロープ化合物、酸化防止剤、酵素安定化剤、香料、溶剤、可溶化剤、再付着防止剤、分散剤、色移り防止剤、例えばポリアミン-N-オキシド、例えばポリ-(4-ビニルピリジン-N-オキシド)、ポリビニルピロリドン、ポリ-N-ビニル-N-メチルアセトアミド、及びN-ビニルイミダゾールとN-ビニルピロリドンとのコポリマー、加工処理助剤、柔軟剤及び帯電防止助剤が包含される。
【0057】
本発明の洗剤及び洗浄剤組成物は、場合によっては、一種またはそれ以上の慣用の漂白剤、並びに本発明のソイルリリースオリゴエステルと反応しない活性化剤もしくは安定化剤、特にパーオキシ酸を含むことができる。一般的に、使用される漂白剤が洗浄剤構成分と相容性であることを確実にしなければならない。このためには、慣用の試験方法、例えば、貯蔵時間に対する、調合した洗浄剤の漂白活性の変化を求める方法を使用することができる。
【0058】
パーオキシ酸は、遊離のパーオキシ酸でもよいし、無機パーオキシ酸塩、例えば過ホウ酸ナトリウムもしくは過炭酸ナトリウムと有機パーオキシ酸前駆体の組み合わせでもよい。この際、この有機パーオキシ酸前駆体は、上記パーオキシ酸塩とパーオキシ酸前駆体との組み合わせ物が水中に溶解した時にパーオキシ酸に転化される。この有機パーオキシ酸前駆体は、当技術分野においてしばしば漂白活性化剤とも呼ばれる。
【0059】
適当な有機パーオキシ酸の例は、米国特許第4,374,035号、米国特許第4,681,592号、米国特許第4,634,551号、米国特許第4,686,063号、米国特許第4,606,838号及び米国特許第4,671,891号に開示されている。過ホウ酸塩漂白剤及び活性化剤を含み、洗濯物を漂白するのに適した組成物の例は、米国特許第4,412,934号、米国特許第4,536,314号、米国特許第4,681,695号及び米国特許第4,539,130号に記載されている。
【0060】
本発明に使用するのに好ましいパーオキシ酸の例には、パーオキシドデカン二酸(DPDA)、パーオキシコハク酸のノニルアミド(NAPSA)、パーオキシアジピン酸のノニルアミド(NAPAA)及びデシルジパーオキシコハク酸(DDPSA)が包含される。このパーオキシ酸は、好ましくは、米国特許第4,374,035号から公知の方法により、可溶性粒状物中に含有させる。好ましい漂白剤粒状物は、重量%単位で、発熱溶解性の化合物、例えばホウ酸1%〜50%; パーオキシ酸と相容性の表面活性有効物質、例えばC13LAS 1%〜25%; 一種またはそれ以上のキレート安定化剤、例えばピロリン酸ナトリウム0.1%〜10%; 及び水溶性塩、例えば硫酸ナトリウム10%〜70%を含む。
【0061】
このパーオキシ酸含有漂白剤は、約0.1%〜約10%、好ましくは約0.5%〜約5%、特に約1%〜4%の量で有効酸素を与えるような割合で使用される。これらの百分率の数値は、洗浄剤組成物の総重量を基準とするものである。
【0062】
本発明による洗浄剤組成物の単位投入量(15〜60℃の水を約65リットル含む典型的な洗液に使用されるような単位投入量)を基準とした、パーオキシ酸含有漂白剤の好適な量は、約1ppm〜約150ppmの有効酸素、好ましくは約2ppm〜約20ppmの有効酸素を与える。この洗液は、十分な漂白の成果を得るために、7〜11、好ましくは7.5〜10.5のpH値を有するべきである。ここで、米国特許第4,374,035号明細書の第6欄の第1行〜第10行の記載を引用しておく。
【0063】
また、漂白剤組成物は、水性アルカリ性溶液中で過酸化水素と反応した際に上記のパーオキシ酸のうちの一つを生成する適当な有機パーオキシ酸前駆体を含むこともできる。過酸化水素の発生源は、水溶液中で過酸化水素を遊離するものであればいかなる無機過酸化物でもよく、これには、例えば過ホウ酸ナトリウム(一水和物及び四水和物)及び過炭酸ナトリウムなどがある。
【0064】
本発明による洗浄剤組成物中での過酸化物含有漂白剤の割合は、約0.1重量%〜約95重量%、好ましくは約1重量%〜約60重量%である。この漂白剤組成物が、完全に調合された洗浄剤組成物でもある場合は、この過酸化物含有漂白剤の割合は約1重量%〜約20重量%であることが好ましい。
【0065】
本発明によるソイルリリースオリゴエステルと一緒に使用することができる漂白活性化剤の量は、通常、0.1〜60重量%、好ましくは0.5〜40重量%である。使用される漂白剤組成物が、同時に、完全に調合された洗浄剤組成物でもある場合は、それに含まれる漂白活性化剤の量は、好ましくは、約0.5〜20重量%である。
【0066】
パーオキシ酸及び本発明によるソイルリリースオリゴエステルは、好ましくは、このパーオキシ酸から生ずる有効酸素:本発明のソイルリリースオリゴエステルの約4:1〜約1:30、特に約2:1〜約1:15、とりわけ約1:1〜約1:7.5の重量比で使用される。このコンビネーションは、完全に調合された製品としても、また洗剤に対する添加物としても使用できる。
【0067】
本発明の洗剤及び洗浄剤は、本発明のソイルリリースオリゴエステルと反応しない一種またはそれ以上の慣用の酵素を含むことができる。特に好ましい酵素の一つはセルラーゼである。ここで使用されるセルラーゼは、バクテリアもしくはカビから得ることができ、5〜9.5の最適なpH範囲を有するべきである。適当なセルラーゼは米国特許第4,435,307号に開示されている。これらは、ヒュミコーラ・インソレンス(Humicola insolens)の株、特にヒュミコーラ DSM 1800の株、あるいはエーロモナス属に属する他のセルラーゼ-212-生成菌から作られるセルラーゼ、並びにある種の海洋の軟体動物のヘパトパンクレアス(Hepatopankreas)から抽出されるセルラーゼである。適当なセルラーゼは、同様に、イギリス特許出願公開第2,075,028号、イギリス特許出願公開第2,085,275号及びドイツ特許出願公開第2,247,832号に開示されている。
【0068】
好ましいセルラーゼは、国際特許出願公開第91/17243号に記載されている。本発明の洗浄剤組成物は、その1g当たり約50mgまで、好ましくは約0.01mg〜約10mgの量で酵素を含む。本発明のソイルリリースオリゴエステルを含む洗剤及び洗浄剤組成物の重量に基づき、酵素の割合は、少なくとも0.001重量%、好ましくは約0.001重量%〜約5重量%、特に約0.001重量%〜約1重量%、とりわけ約0.01重量%〜約1重量%である。
【実施例】
【0069】
例1
1000gの第二アルカンスルホネート(市販製品 (R)Hostapur SAS 93ペレット)を10gのステアリン酸カルシウムと激しく混合し、次いで内部部材を持たないビーターウィール粉砕機により55kg/hの処理率で粉砕した。これにより、以下の粒度分布を有する易流動性の顆粒物が得られた。
0.1 〜 0.6mm 18%
0.6 〜 1.0mm 34%
1.0 〜 2.0mm 33%
>2.0mm 15%

例2
例1と同じ第二アルカンスルホネート1000gを、シリカ(Sipernat(R) 22 S)10gと激しく混合し、次いで内部部材を持たないビーターウィール粉砕機により60kg/hの処理率で粉砕した。これにより、以下の粒度分布を有する易流動性の顆粒物が得られた。
0.1 〜 0.6mm 25%
0.6 〜 1.0mm 46%
1.0 〜 2.0mm 19%
>2.0mm 10%

例3
例1と同じ第二アルカンスルホネート1000gをステアリン酸カルシウム10gと激しく混合し、次いでベンチ・スクリーン・ケイジ(bench screen cage)粉砕機(クロスビーターを持つユニバーサルミル)により70kg/hの処理率で粉砕した。その籠型のろ網の穴の直径は6mmであった。
【0070】
これにより、519g/Lの嵩密度及び以下の粒度分布を有する易流動性の顆粒物が得られた。
0.1 〜 0.6mm 43%
0.6 〜 1.0mm 48%
1.0 〜 2.0mm 9%

例4
例3を繰り返すが、但しステアリン酸カルシウムの代わりにステアリン酸マグネシウムを添加物として使用した。得られた易流動性の顆粒物は、519g/Lの嵩密度及び以下の粒度分布を有していた。
0.1 〜 0.6mm 26%
0.6 〜 1.0mm 64%
1.0 〜 2.0mm 10%

例5
例1と同じ第二アルカンスルホネート1000gを、酸化マグネシウム及びケイ酸マグネシウム(比率=1:1)からなる予め作製した混合物20gと混合した。このように処理したペレットを、穴の幅が8mmで40kg/hの処理率を持つベンチ・スクリーン・ケイジ粉砕機により粉砕した。これにより、以下の粒度分布を有する易流動性の顆粒物が得られた。
0.1 〜 1.0mm 39%
1.0 〜 2.0mm 58%
>12mm 3%

例6
例1と同じ第二アルカンスルホネート5000gを、疎水性シリカ(Sipernat D 17)50gと予め混合し、そして穴の幅が6mmで60kg/hの処理率を持つベンチ・スクリーン・ケイジ粉砕機により粉砕した。得られた顆粒物は、以下の粒度分布を有していた。
0.1 〜 1.0mm 81%
1.0 〜 2.0mm 19%

例7
例1と同じ第二アルカンスルホネート5000gを、親水性シリカ(Sipernat(R) 22 S)100gで処理し、そして例3に記載のように粉砕した。得られた易流動性の顆粒物の嵩密度は532g/Lであった。篩分析は以下の粒度分布を与えた。
0.1 〜 1.0mm 88%
1.0 〜 2.0mm 12%

例8
第二アルカンスルホネートを、1重量%の量のシリカ(Sipernat D 17)と混合し、そしてPallmann粉砕機(籠型のろ網及びタービンを有するPallmann PP6型粉砕機)により粉砕した。その籠型のろ網は、6mmの矩形の穴を有する穴あき板からなる。材料の処理率は500kg/hであった。得られた易流動性顆粒物の嵩密度は590g/Lであった。篩分析は以下の粒度分布を与えた。
0.1 〜 1.0mm 95%
1.0 〜 2.0 mm 5%

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微細な固体第二アルカンスルホネートと、疎水性に変性されたシリカを含む添加物とから本質的に構成される、顆粒状第二アルカンスルホネート。
【請求項2】
第二アルカンスルホネートの量を基準として、0.1〜10重量%の量で上記添加物を含む、請求項1の顆粒状第二アルカンスルホネート。
【請求項3】
請求項1または2の顆粒状第二アルカンスルホネートを含む、粉末状洗剤もしくは洗浄剤。
【請求項4】
請求項1または2の顆粒状第二アルカンスルホネートを含む、押出品、プレス加工品もしくは圧縮加工品。
【請求項5】
微細な固形第二アルカンスルホネート及び添加物から本質的になる顆粒状第二アルカンスルホネートを製造する方法であって、フレークまたはペレットの形の第二アルカンスルホネートを添加物と一緒に粉砕することを含み、かつ前記添加物が疎水性に変性されたシリカを含む、上記方法。
【請求項6】
第二アルカンスルホネートが、それの量を基準にして0.1〜10重量%の量の添加物と一緒に粉砕される、請求項5の方法。
【請求項7】
第二アルカンスルホネートを界面活性剤として含む粉末状洗剤もしくは洗浄剤を製造する方法であって、
a) フレークまたはペレットの形の第二アルカンスルホネートを添加物と一緒に粉砕することによって、微細な固形第二アルカンスルホネート及び添加物から本質的になる顆粒状第二アルカンスルホネートを用意する段階、但しこの際、前記添加物は、疎水性に変性されたシリカを含むものであり、及び
b) 段階a)からの顆粒状第二アルカンスルホネートを、他の慣用の洗剤または洗浄剤成分と組み合わせる段階、
を含む、前記方法。
【請求項8】
第二アルカンスルホネートを界面活性剤として含む押出品、プレス加工品または圧縮加工品を製造する方法であって、
a) フレークまたはペレットの形の第二アルカンスルホネートを添加物と一緒に粉砕することによって、微細な固形第二アルカンスルホネート及び添加物から本質的になる顆粒状第二アルカンスルホネートを用意する段階、但しこの際、前記添加物は、疎水性に変性されたシリカを含むものであり、及び
b) 段階a)からの顆粒状第二アルカンスルホネートを、他の慣用の洗剤または洗浄剤成分と一緒に押出し、プレスまたは圧縮する段階、
を含む、前記方法。

【公開番号】特開2008−285683(P2008−285683A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−191737(P2008−191737)
【出願日】平成20年7月25日(2008.7.25)
【分割の表示】特願平10−533629の分割
【原出願日】平成10年1月9日(1998.1.9)
【出願人】(597109656)クラリアント・プロドゥクテ・(ドイチュラント)・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (115)
【Fターム(参考)】