説明

顔料系インクのための3成分樹脂

【課題】高温で固体インク中の顔料粒子を安定化するのに有用な組成物と適合するか、このような組成物として有用な樹脂状化合物を提供する。
【解決手段】インク媒剤と、下式の樹脂状化合物、


またはその塩とを含む固体インク。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に、インク、例えば、固体インクまたは固体インクジェットインクに関する。より詳細には、本開示は、樹脂状化合物に関し、特に、高温で固体インク中の顔料粒子を安定化するのに有用な組成物と適合するか、このような組成物として有用な樹脂状化合物に関する。一実施形態は、固体インク中の顔料粒子を安定化するために、少なくとも10個の炭素原子を有する長鎖を含む樹脂状化合物を含み、さらに、顔料粒子表面に吸着させるためのアミンを含む、インクに関する。
【背景技術】
【0002】
顔料は、一般的に、染料よりも良好な染色堅牢性を付与し、染料よりも比重が低く、移動に対し大きな耐性を示すことを特徴とする。それに加え、顔料系インクは、染料系インクよりもロバスト性が高く、染料着色剤、特にカスタム染料着色剤と比べて比較的それほど高価ではない。しかし、固体インクジェットインク組成物の多くは、顔料系インクを現像する際の課題を克服することが困難であるため、顔料着色剤の代わりに染料着色剤を含む。この課題には、インクに顔料粒子を適切に分散させること、顔料粒子が印刷ヘッドを詰まらせることなく、インクを信頼性高く吐出することができることが含まれる。
【0003】
顔料は、凝集して大きな構造になる傾向があるため、ほとんどの媒体に分散させることが困難であることが知られている。それに加え、印刷ヘッドは、典型的には、高温(例えば、115℃〜120℃)で操作され、顔料分散物を不安定化させる影響を有している。
【0004】
市販のポリマー分散剤の多くは、水系インク用または溶媒系インク用に設計されており、したがって、疎水性ワックス系固体インクには適合しない。さらに、これらのポリマー分散剤は、液体またはペーストの形態であり、したがって、プリンター内の過度な温度に長期間耐えることができない。最後に、固体インク中でポリマーを使用することは、望ましくない。なぜなら、a)ポリマーは、レオロジー特性に悪い影響を与え、非ニュートン挙動が起こり、粘度が上昇するため、b)ポリマーは、繊維状のものを形成する傾向があり、これにより、吐出中のインク液滴の生成に影響を与えるため(すなわち、インクの小さな液滴が生成)。
【0005】
化学的に安定であり、固体インク配合物と適合性であり、高温で、固体インク内で顔料粒子を効果的に分散させ、長期間安定化することが可能な、樹脂状化合物を安定化する顔料の必要性が存在する。
【0006】
上に定義した問題を解決するために、本開示は、固体インク中で顔料粒子を利他知的に安定化し、顔料粒子表面に吸着(または固定)させることが可能な樹脂状化合物を記載している。
【0007】
図1は、顔料を安定化する樹脂状化合物2が、顔料粒子1に固定されていることを示す。顔料を安定化する樹脂状化合物(または樹脂状化合物、または3成分樹脂)2は、2成分(すなわち、分子の尾部に、固体インク中の顔料粒子を立体的に安定化するために、ブラシとして知られるか、または尾部を安定化する炭化水素またはポリマー長鎖、分子の中央部に鎖伸長部)を含有するワックス状の鎖を含む。安定化する尾部をもっと長くすると、固体インク中の顔料の安定化が向上するため、薬伸長剤が、ワックス状鎖の長さを伸ばすのに役立つ。したがって、主にポリエチレンワックスから構成される固体インクの場合、ある実施形態では、適切なブラシは、ポリエチレンワックスなどに由来していてもよいが、ブラシのために他の材料を用いてもよい。顔料を安定化する樹脂状化合物(または樹脂状化合物または3成分樹脂)2は、さらに、官能基5を含み、限定されないが、水素結合によって顔料粒子表面に強く吸着(または固定)し、顔料を安定化することが可能な種々のアミンが挙げられ、その結果、顔料は、ほとんどの固体インクプリンターで使用される高温(>100℃)に耐えることができる。インクの顔料粒子の安定化などに関するいくつかの場合では、安定化する樹脂状化合物2を顔料粒子1に吸着させることによって安定化し、安定化する樹脂状化合物2の官能基5が、顔料に固定されることによって、顔料粒子が安定化されることが有益な場合がある。安定化する樹脂状化合物2のワックス状鎖3および/または4は、分子量およびインクキャリアとの混和性の両方について、安定化する樹脂状化合物が顔料粒子の凝集を防ぐのに有効な立体障壁を与えるような様式で、最適になるように選択される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本実施形態は、インク媒剤と、下式の樹脂状化合物、
【化1】


またはその塩とを含むインク組成物に関し、式中、
は、−XC(O)OR、−XOC(O)Rまたは−XOHであり、
は、R、−C(O)R、−C(O)XC(O)OR、または−C(O)XOC(O)Rであり、
は、炭素原子を10〜80個有するアルキルであり、
は、独立して、炭素原子を2〜40個有するアルキルであり、
およびRは、それぞれ独立して、水素、アルキル、アリールアルキルまたはアルキルアリールであり、Rが、Rと同じ窒素原子に接続している場合、Rと接続して環を形成していてもよく、
各Rおよび各Rは、独立して、水素またはアルキルであり、
は、式(CRt1を有する直鎖または分枝鎖のアルキレン基、または式(CRt2−Ar−(CRt3を有する直鎖または分枝鎖の芳香族アルキレン基であり、
は、式(CR10u1を有する直鎖または分枝鎖のアルキレン基、または式(CR10u2−Ar−(CR10u3を有する直鎖または分枝鎖の芳香族アルキレン基であり、
t1は、1〜20の整数であり、
t2およびt3は、独立して、0〜20の整数であり、
u1は、1〜30の整数であり、
u2およびu3は、独立して、0〜30の整数であり、
各Rおよび各Rは、独立して、水素、アルキル、アルコキシルであり、
各Rおよび各R10は、独立して、水素、アルキルまたはアルコキシルであり、
Arは、置換されているか、または置換されていない芳香族部分であり、
pは、1〜5の整数であり、
qは、1〜12の整数である。
【0009】
一実施形態では、Gは、−XC(O)ORである。一実施形態では、Gは、−XOC(O)Rである。一実施形態では、Gは、−C(O)Rである。一実施形態では、Gは、−C(O)XC(O)ORである。一実施形態では、Gは、−C(O)XOC(O)Rである。
【0010】
ある特定の実施形態では、Rは、炭素原子を30〜50個含むアルキルである。ある特定の実施形態では、Rは、炭素原子を4〜20個含むアルキルである。ある特定の実施形態では、Xは、式(CRt1を有する直鎖または分枝鎖のアルキレン基である。ある特定の実施形態では、Xは、式(CR10u1を有する直鎖または分枝鎖のアルキレン基である。一実施形態では、各Rは、水素である。一実施形態では、Gは、Rである。一実施形態では、各Rおよび各Rは、水素である。一実施形態では、pは、2〜3の整数である。一実施形態では、qは、1〜8の整数である。
【0011】
ある特定の実施形態では、インク組成物は、下式を有するか、
【化2】


またはその塩であり、式中、
は、炭素原子を10〜80個有するアルキルであり、
およびRは、それぞれ独立して、水素、アルキル、アリールアルキルまたはアルキルアリールであり、Rが、Rと同じ窒素原子に接続している場合、Rと接続して環を形成していてもよく、
各Rおよび各Rは、独立して、水素またはアルキルであり、
は、式(CRt1を有する直鎖または分枝鎖のアルキレン基、または式(CRt2−Ar−(CRt3を有する直鎖または分枝鎖の芳香族アルキレン基であり、
t1は、1〜20の整数であり、
t2およびt3は、独立して、0〜20の整数であり、
各Rおよび各Rは、独立して、水素、アルキル、アルコキシルであり、
Arは、置換されているか、または置換されていない芳香族部分であり、
pは、1〜5の整数であり、
qは、1〜12の整数である。
【0012】
ある特定の実施形態では、式Iの樹脂状化合物は、インク中に、インクの約0.1重量%〜約30重量%の量で存在する。ある特定の実施形態では、インク媒剤は、ポリエチレンワックス、イソシアネート系樹脂およびワックス、エステルワックス、脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪酸アミド、アルコキシル化ワックスからなる群から選択されるワックスを含む。ある特定の実施形態では、インク媒剤は、インク中に、インクの約0.01重量%〜約30重量%の量で存在する分岐トリアミドをさらに含む。ある特定の実施形態では、インク媒剤は、インク中に、インクの約0.5重量%〜70重量の量で存在するステアリルステアロアミドをさらに含む。ある特定の実施形態では、インク組成物は、インク中に、インクの約0.1重量%〜50重量%の量で存在する水素化アビエチン酸トリグリセリドをさらに含む。
【0013】
ある特定の実施形態では、インク組成物であって、インク媒剤と、下式の樹脂状化合物の塩、
【化3】


とを含み、式中、
は、−XC(O)OR、−XOC(O)R、または−XOHであり、
は、R12、−C(O)R、−C(O)XC(O)OR、または−C(O)XOC(O)Rであり、
は、炭素原子を10〜80個有するアルキルであり、
は、炭素原子を2〜40個有するアルキルであり、
各Rは、独立して、水素、アルキル、アリールアルキルまたはアルキルアリールであり、
11およびR12は、それぞれ独立して、アルキル、アリールアルキル、アルキルアリールであるか、または、R11とR12とをあわせて環を形成していてもよく、
各Rおよび各Rは、独立して、水素または低級アルキルであり、
は、式(CRt1を有する直鎖または分枝鎖のアルキレン基、または式(CRt2−Ar−(CRt3を有する直鎖または分枝鎖の芳香族アルキレン基であり、
は、式(CR10u1を有する直鎖または分枝鎖のアルキレン基、または式(CR10u2−Ar−(CR10u3を有する直鎖または分枝鎖の芳香族アルキレン基であり、
t1は、1〜20の整数であり、
t2およびt3は、独立して、0〜20の整数であり、
u1は、1〜30の整数であり、
u2およびu3は、独立して、0〜30の整数であり、
各Rおよび各Rは、独立して、水素、アルキル、またはアルコキシルであり、
各Rおよび各R10は、独立して、水素、アルキルまたはアルコキシルであり、
Arは、置換されているか、または置換されていない芳香族部分であり、
pは、1〜5の整数であり、
qは、1〜12の整数であり、
は、Cl、Br、I、HSO、HSO、CHSO、NO、HCOO、CHCOO、HPO、SCN、BF、ClO、SSO、PF、SbClからなる群から選択され、
Jは、アルキル、アリールアルキル、またはアルキルアリールである。一実施形態では、Jは、メチルである。
ある特定の実施形態では、R11およびR12は、独立して、メチルまたはエチルである。
ある特定の実施形態では、樹脂状化合物は、顔料をさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】顔料粒子に固定している顔料を安定化する樹脂状化合物を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(定義)
用語「アルキレン」は、直鎖または分枝鎖の鎖である炭化水素基を指す。アルキレン基は、場合により、例えば、ヒドロカルビル置換基またはヘテロヒドロカルビル置換基で置換されていてもよい。用語「ヒドロカルビル」は、1個以上の炭素原子と、1個以上の水素原子とを有する置換基を指し、用語「ヘテロヒドロカルビル」は、1個以上の炭素原子と、1個以上の水素原子と、1個以上のヘテロ原子(すなわち、炭素でもなく、水素でもない1個以上の原子)とを有する置換基を指す。用語「芳香族アルキレン」は、芳香族部分を含む、直鎖または分枝鎖の鎖である炭化水素基を指す。「場合により置換された」基の置換基としては、限定されないが、以下の基または特定の示されている基の群からなる群から独立して選択される1個以上の置換基が挙げられる。低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、低級アルカノイル、低級ヘテロアルキル、低級ヘテロシクロアルキル、低級ハロアルキル、低級ハロアルケニル、低級ハロアルキニル、低級ペルハロアルキル、低級ペルハロアルコキシ、低級シクロアルキル、フェニル、アリール、アリールオキシ、低級アルコキシ、低級ハロアルコキシ、オキソ、低級アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、低級アルキルカルボニル、低級カルボキシエステル、低級カルボキサミド、シアノ、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、アリールアミノ、アミド、ニトロ、チオール、低級アルキルチオ、アリールチオ、低級アルキルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、アリールチオ、スルホネート、スルホン酸、三置換シリル、N、SH、SCH、C(O)CH、COCH、COH、ピリジニル、チオフェン、フラニル、低級カルバメート、低級尿素。
【0016】
用語「脂肪族」は、芳香族ではなく、芳香族成分を含まない化学部分を記述する。脂肪族鎖は、直鎖、分岐、環状、飽和または部分的に不飽和のヒドロカルビル基であってもよく、アルキレン基、例えば、ポリメチレン基(例えば、−(CH−)(nは、1〜約100の整数である)、シクロアルキレン基が挙げられる。アルキレン基は、置換されていてもよく、置換されていなくてもよい。適切なアルキレン置換基としては、ヒドロキシル基およびハロゲン基(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)が挙げられる。また、アルキレン基は、場合により、1箇所以上で、酸素原子、窒素原子または硫黄原子のようなヘテロ原子で中断されていてもよい。また、脂肪族スペーサー基は、部分的に不飽和な基であってもよく、例えば、置換されているか、または置換されていないC〜C100アルケニレン基、または1箇所以上でヘテロ原子によって中断されているC〜C100アルケニレン基であってもよい。
【0017】
用語「アルキル」は、直鎖または分枝鎖のアルキル基を指す。アルキル基は、本明細書に定義されているように、場合により置換されていてもよい。用語「低級アルキル」は、炭素原子が1〜8個、または1〜6個、または1〜3個の直鎖または分枝鎖のアルキル基を指す。
【0018】
用語「アリールアルキル」は、アルキル基を介して親分子部分に接続するアリール基を指す。
【0019】
用語「アルキルアリール」は、アリールを介して親分子部分に接続するアルキル基を指す。
【0020】
用語「芳香族」は、単独で、または別の基の一部分として本明細書で使用される場合、場合により置換されたホモ環またはヘテロ環の芳香族基を示す。これらの芳香族基は、環部分に5〜12個の原子を含む単環基または二環基であってもよい。用語「芳香族」は、以下に定義される「アリール」基および「ヘテロアリール」基を包含する。
【0021】
用語「アリール」は、単独で、または別の基の一部分として本明細書で使用される場合、場合により置換されたホモ環の芳香族基を示し、好ましくは、環部分に5〜12個の原子を含む単環基または二環基を示す(例えば、フェニル、ビフェニル、ナフチル、置換フェニル、置換ビフェニルまたは置換ナフチル)。
【0022】
式IまたはIIの化合物は、インク中に、インクの約0.1重量%〜約30重量%、約0.5重量%〜約20重量%、または約1重量%〜約10重量%の量で存在する。
【0023】
本実施形態のインク組成物は、顔料を含有する。特に限定されず、任意の一般的に市販される有機顔料および無機顔料、染料で染色された樹脂粒子などを用いてもよい。さらに、市販の顔料分散物または表面処理された顔料(例えば、顔料を不溶性樹脂に分散したものなど)は、本実施形態の効果が失われない限り、表面などにグラフト結合した樹脂を含む分散媒体または顔料として用いてもよい。
【0024】
これらの顔料の例としては、例えば、『顔料の事典』、伊藤征司郎編集(2000)、W.Herbst、K.Hunger、Industrial Organic Pigments、特開第2002−12607号、特開第2002−188025号、特開第2003−26978号、特開第2003−342503号に記載される顔料が挙げられる。
【0025】
本実施形態で使用可能な有機顔料および無機顔料の特定の例としては、黄色を示すものとして、モノアゾ顔料、例えば、CI Pigment Yellow 1およびCI Pigment Yellow 74、ジスアゾ顔料、例えば、CI Pigment Yellow 12 and CI Pigment Yellow 17、ベンジジンを含まないアゾ顔料、例えば、CI Pigment Yellow 180およびC.I. Pigment Yellow 200、アゾレーキ顔料、例えば、CI Pigment Yellow 100、縮合アゾ顔料、例えば、CI Pigment Yellow 95、酸性染料レーキ顔料、例えば、CI Pigment Yellow 115、塩基性染料レーキ顔料、例えば、CI Pigment Yellow 18、アントラキノン顔料、例えば、Flavanthrone Yellow(Y−24)、イソインドリノン顔料、例えば、Isoindolinone Yellow 3RLT(Y−110)、キノフタロン顔料、例えば、Quinophthalone Yellow(Y−138)、イソインドリン顔料、例えば、Isoindoline Yellow(Y−139)、ニトロソ顔料、例えば、CI Pigment Yellow 153、金属錯体アゾメチン顔料、例えば、CI Pigment Yellow 117が挙げられる。
【0026】
赤色またはマゼンタ色を示す顔料の例として、モノアゾ顔料、例えば、CI Pigment Red 3、ジスアゾ顔料、例えば、CI Pigment Red 38、アゾレーキ顔料、例えば、CI Pigment Red 53:1およびCI Pigment Red 57:1、縮合アゾ顔料、例えば、CI Pigment Red 144、酸性染料レーキ顔料、例えば、CI Pigment Red 174、塩基性染料レーキ顔料、例えば、CI Pigment Red 81、アントラキノン顔料、例えば、CI Pigment Red 177、チオインジゴ顔料、例えば、CI Pigment Red 88、ペリノン顔料、例えば、CI Pigment Red 194、ペリレン顔料、例えば、CI Pigment Red 149、キナクリドン顔料、例えば、CI Pigment violet 19およびCI Pigment Red 122、イソインドリノン顔料、例えば、CI Pigment Red 180、アリザリンレーキ顔料、例えば、CI Pigment Red 83が挙げられる。
【0027】
青色またはシアン色を示す顔料の例として、ジスアゾ顔料、例えば、CI Pigment Blue 25、フタロシアニン顔料、例えば、CI Pigment Blue 15およびCI Pigment Blue 15:3、酸性染料レーキ顔料、例えば、CI Pigment Blue 24、塩基性染料レーキ顔料、例えば、CI Pigment Blue 1、アントラキノン顔料、例えば、CI Pigment Blue 60、アルカリ青色顔料、例えば、CI Pigment Blue 18が挙げられる。
【0028】
緑色を示す顔料の例としては、フタロシアニン顔料、例えば、CI Pigment Green 7およびCI Pigment Green 36、アゾ金属錯体顔料、例えば、CI Pigment Green 8が挙げられる。
【0029】
橙色を示す顔料の例としては、イソインドリン顔料、例えば、CI Pigment Orange 66、アントラキノン顔料、例えば、CI Pigment Orange 51が挙げられる。
【0030】
黒色を示す顔料の例としては、カーボンブラック、チタニウムブラック、アニリンブラックが挙げられる。カーボンブラックの例としては、SPECIAL BLACK 250が挙げられる。
【0031】
使用可能な白色顔料の特定の例としては、塩基性炭酸鉛(2PbCOPb(OH)、シルバーホワイトとしても知られる)、酸化亜鉛(ZnO、ジンクホワイトとしても知られる)、酸化チタン(TiO、チタニウムホワイトとしても知られる)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO、チタンストロンチウムホワイトとしても知られる)が挙げられる。
【0032】
本実施形態のインク中に存在する顔料は、望ましい色または色相を得るのに望ましいか、または有効な任意の量であってもよい。いくつかの実施形態では、顔料は、インク中に、インクの約0.1重量%〜約50重量%、約0.2重量%〜約20重量%、または約0.5重量%〜約10重量%の量で存在する。
【0033】
インク媒剤組成物は、直接印刷モードまたは間接印刷モードまたはオフセット印刷転写システムのいずれかで使用するように設計されていてもよい。任意の望ましいインク媒剤組成物または有効なインク媒剤組成物を用いてもよい。本実施形態のインク中に存在するインク媒剤の合計量は、インクの約25重量%〜約99重量%、約50重量%〜約95重量%、または約70重量%〜約90重量%の量であり得る。
【0034】
適切なインク媒剤材料としては、パラフィン、微晶質ワックス、ポリエチレンワックス、イソシアネート系樹脂およびワックス、エステルワックス、脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪酸アミド、アルコキシル化ワックスおよび他のワックス状材料、スルホンアミド材料、異なる天然源(例えば、トールオイルロジン、ロジンエステル)から作られる樹脂状材料、多くの合成樹脂、オリゴマー、ポリマー、コポリマー、およびこれらの混合物が挙げられる。アルコキシル化ワックスは、1個または多数の(アルコキシ)基を含むワックス材料である。
【0035】
インク媒剤材料として適切な脂肪酸アミドの例としては、モノアミド、テトラアミド、これらの混合物などが挙げられる。適切な脂肪酸アミドインク媒剤材料の特定の例としては、ステアリルステアロアミド(例えば、KEMAMIDE S−180は、Chemtura Corporationから得た)、ダイマー酸、エチレンジアミン、ステアリン酸などの反応生成物であるテトラアミドに由来するダイマー酸、およびこれらの混合物が挙げられる。一実施形態では、モノアミド(例えば、ステアリルステアロアミド)は、インク中に、インクの約0.01重量%〜約90重量%、0.5重量%〜約70重量%、または1重量%〜約50重量%の量で存在する。
【0036】
インク媒剤材料として適切なイソシアネート系樹脂およびワックスの例としては、ウレタンイソシアネート系材料、尿素イソシアネート系材料、ウレタン/尿素イソシアネート系材料など、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0037】
インク媒剤材料として適切なオリゴマー、ポリマー、コポリマーの例としては、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、エチレン/アクリル酸コポリマー、エチレン/酢酸ビニル/アクリル酸コポリマー、アクリル酸とポリアミドとのコポリマーなど、イオノマーなど、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0038】
インク媒剤材料として適切なポリエチレンワックスの非限定的な特定例としては、PE 500(例えば、蒸留したポリエチレンであるX−1197)およびPE 655(Baker Petrolite,Tulsa,Okla.から入手可能)、Fischer−Tropschワックス(Sasol Wax Americas,Inc.,Shelton,Connから入手可能)が挙げられる。インク媒剤は、分岐型トリアミドを含んでいてもよい。このような分岐型トリアミドのある特定の例は、Tri−A−37である。一実施形態では、分岐型トリアミドは、インク中に、インクの約0.01重量%〜約30重量%、約0.03重量%〜約20重量%、または約0.05重量%〜約15重量%の量で存在する。
【0039】
一実施形態では、インク媒剤は、3当量のステアリルイソシアネートと、米国特許第6,309,453号の実施例4に記載されているように調製したグリセロール系アルコールとの付加物であるウレタン樹脂を含んでいてもよい。存在する場合、この樹脂は、インク中に、インクの約0.01重量%〜約30重量%、約0.03重量%〜約20重量%、または約0.05重量%〜約10重量%の量で存在する。
【0040】
インクは、場合により、酸化防止剤を含んでいてもよい。インク組成物の任意要素である酸化防止剤は、画像が酸化するのを防止し、さらに、インク調製プロセスの加熱段階で、インク成分が酸化するのを防ぐことができる。適切な酸化防止剤の特定の例としては、NAUGUARD(登録商標)635、NAUGUARD(登録商標)A、NAUGUARD(登録商標)I−403、NAUGUARD(登録商標)959(Crompton Corporation、Middlebury、Conn.から市販されている)、NAUGUARD(登録商標)524、NAUGUARD(登録商標)76、NAUGUARD(登録商標)445(Chemtura Corporationから市販されている)、NAUGUARD(登録商標)512(Chemtura Corporationから市販されている)、IRGANOX(登録商標)1010(Ciba Geigyから市販されている)など、およびこれらの混合物が挙げられる。存在する場合、任意成分の酸化防止剤は、インク中に、任意の望ましい量または任意の有効な量で存在する。いくつかの実施形態では、任意成分である酸化防止剤は、インク中に、インクの約0.01重量%〜約20重量%、約0.1重量%〜約10重量%、または約0.25重量%〜約5重量%の量で存在する。
【0041】
インクは、場合により、粘度調整剤を含んでいてもよい。適切な粘度調整剤の例としては、脂肪族ケトン、例えば、ステアロンなどが挙げられる。存在する場合、任意成分の粘度調整剤は、インク中に、任意の望ましい量または任意の有効な量で存在する。いくつかの実施形態では、任意成分の粘度調整剤は、インク中に、インクの約0.1重量%〜約90重量%、約0.5重量%〜約30重量%、または約1重量%〜約15重量%の量で存在する。
【0042】
インクは、場合により、インクに対する添加剤を含んでいてもよい。適切な添加剤の例としては、インクの約0.01〜約98重量%、約0.1〜約50重量%、または約5〜約10重量%の量の、浄化剤、例えば、UNION CAMP(登録商標)X37−523−235(Union Campから市販されている)、インクの約0.01重量%〜約98重量%、約0.1重量%〜約50重量%、または約5重量%〜約10重量%の量の、粘着付与剤、例えば、FORAL(登録商標)85、水素化アビエチン(ロジン)酸のグリセロールエステル(Herculesから市販されている)、FORAL(登録商標)105、ヒドロアビエチン(ロジン)酸のペンタエリスリトールエステル(Herculesから市販されている)、CELLOLYN(登録商標)21、フタル酸のヒドロアビエチン(ロジン)酸のアルコールエステル(Herculesから市販されている)、ARAKAWA KE−311樹脂、水素化アビエチン(ロジン)酸のトリグリセリド(荒川化学工業株式会社から市販されている)、KE−100樹脂、水素化アビエチン(ロジン)酸のトリグリセリド(荒川化学工業株式会社から市販されている)、合成ポリテルペン樹脂、例えば、NEVTAC(登録商標)2300、NEVTAC(登録商標)100、NEVTAC(登録商標)80(Neville Chemical Companyから市販されている)、WINGTACK(登録商標)86、改変された合成ポリテルペン樹脂(Goodyearから市販されている)など、インクの約0.1重量%〜約98重量%、約3重量%〜約50重量%、または約5重量%〜約10重量%の量の、接着剤、例えば、VERSAMID(登録商標)757、759または744(Henkelから市販されている)、インクの約0.1重量%〜約50重量%、約1重量%〜約30重量%、または約2重量%〜約10重量%の量の、可塑剤、例えば、UNIPLEX(登録商標)250(Uniplexから市販されている)、Monsantoから商品名SANTICIZER(登録商標)で市販されているフタル酸エステル可塑剤、例えば、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸アルキルベンジル(SANTICIZER(登録商標)278)、トリフェニルホスフェート(Monsantoから市販されている)、KP−140(登録商標)、トリブトキシエチルホスフェート(FMC Corporationから市販されている)、MORFLEX(登録商標)150、フタル酸ジシクロヘキシル(Morflex Chemical Company Inc.から市販されている)、トリメリット酸トリオクチル(Eastman Kodak Co.から市販されている)などが挙げられる。
【0043】
また、インクは、場合により、他の材料を含んでいてもよい。
【0044】
本実施形態のインク組成物は、100℃〜約150℃の温度で、平均粒径が約100nm〜約500nm、約100nm〜約200nm、または約250〜約400nmである。この実施形態の3成分樹脂を含むインクは、長期間にわたって(例えば、1週間よりも長い期間にわたって)良好な粒径熱安定性の特性を有しており、この結果は、顔料は同じであるが、市販の分散剤で分散されているもの、例えば、SOLSPERSE 17000およびSOLSPERSE 13940とは対照的である。
【0045】
インク組成物は、任意の望ましい方法または任意の適切な方法によって調製することができる。いくつかの実施形態では、インク成分をともに混合した後、約100℃〜約140℃の温度まで加熱し、均一なインク組成物が得られるまで撹拌した後、インクを周囲温度(典型的には、約20〜約25℃)まで冷却してもよい。インクは、周囲温度で固体である。特定の実施形態では、上述の生成プロセスの間、溶融状態のインクを型に流し、次いで、冷却し、固化させてインクスティックを作成する。
【0046】
本実施形態のインクを、直接的に印刷するインクジェットプロセスのための装置、および間接的な(オフセット)印刷インクジェット用途で使用してもよい。本実施形態の別の実施形態は、本実施形態のインクをインクジェット印刷装置に組み込むことと、このインクを溶融させることと、溶融したインクの液滴を、記録基板の上に画像になるようなパターンで吐出することとを含むプロセスに関する。本実施形態のさらに別の実施形態は、本実施形態のインクをインクジェット印刷装置に組み込むことと、このインクを溶融させることと、溶融したインクの液滴を、中間転写体の上に画像パターンになるように吐出することと、この画像パターンのインクを中間転写体から最終的な記録基板に転写することとを含むプロセスに関する。これらの特定の実施形態では、中間転写体を、最終記録シートの温度よりも高い温度で、印刷装置中の溶融したインクの温度よりも低い温度まで加熱する。一特定の実施形態では、印刷装置は、圧電振動要素の振動によってインク液滴を画像パターンになるように吐出する圧電式印刷プロセスを使用する。本実施形態のインクは、他のホットメルト印刷プロセス(例えば、ホットメルト音響インクジェット印刷、ホットメルト熱インクジェット印刷、ホットメルト連続流式インクジェット印刷または偏向インクジェット印刷など)を利用してもよい。本実施形態の転相インクを、ホットメルトインクジェット印刷プロセス以外の印刷プロセスで使用することもできる。
【0047】
普通紙、例えば、XEROX(登録商標)4024紙、XEROX(登録商標)Image Series紙、Courtland 4024 DP紙、罫線付きノート紙、ボンド紙、シリカでコーティングされた紙、例えば、Sharp Companyシリカコーティング紙、JuJo紙、Hammermill Laserprint Paperなど、透明材料、布地、繊維製品、プラスチック、ポリマー膜、無機基板(例えば、金属および木材)などを含む、任意の適切な基板または記録シートを使用してもよい。
(実施例)
【0048】
種々の樹脂状化合物を、上に記載した方法に従って調製した。
【0049】
固体インク調製法を用いた顔料
以下の顔料:Pigment Red 57:1、特に、Permanent Rubine L5B 01(PR57:1)、Pigment Yellow 180、Pigment Yellow 139(PY39)を、マゼンタ色および黄色のインクを調製するために使用した。
【0050】
(黄色顔料系固体インクの調製)
(実施例1)
(インク番号1の調製)
120℃にあらかじめ加熱しておいたUnion Process 01磨砕機に、あらかじめ120℃に加熱しておいた1800gの1/8インチ440 C Grade 25ステンレス鋼球(Hoover Precision Products,Incorporatedから入手可能)を入れた。この鋼ショットの上から、68.4gのトリアミドワックス、62.4gのS−180、15.36gの化合物番号1、19.2gのPigment yellow 139を含む溶融した混合物を注いだ。次いで、この磨砕機に多段階インペラを取り付け、速度を約300rpmに調節した。顔料系混合物を一晩19時間かけて磨砕し、得られたインクを濃縮すると、自由に流動する優れた挙動を示し、これを溶融状態で鋼球から取り出し、分離した。単離した顔料濃縮物を含むビーカーを120℃に維持し、次いで、濃縮物を、X1197(Baker Petroliteから入手可能)224.5g、KEMAMIDE S−180(Chemtura Corporationから入手可能)6g、KE−100(Arakawa Corporationから入手可能)58.08g、3当量のステアリルイソシアネートと、U.S.6,309,453号の実施例4に記載されているように調製したグリセロール系アルコールとの付加物であるウレタン樹脂7.2gと、0.96gのNAUGARD 445(Chemtura Corporationから入手可能)を含む溶融した樹脂混合物を用い、60分かけて希釈した。得られたインクを120℃で90分間撹拌し、1ミクロンのフィルターで濾過した。
【0051】
(実施例2)
(インク番号2の調製)
120℃にあらかじめ加熱しておいたUnion Process 01磨砕機に、あらかじめ120℃に加熱しておいた1800gの1/8インチ440 C Grade 25ステンレス鋼球(Hoover Precision Products,Incorporatedから入手可能)を入れた。この鋼ショットの上から、68.4gのトリアミドワックス(米国特許第6,860,930号に記載されているトリアミド)、62.4gのS−180、15.36gの化合物番号3(表2を参照)、19.2gのPigment yellow 180を含む溶融した混合物を注いだ。次いで、この磨砕機に多段階インペラを取り付け、速度を約300rpmに調節した。顔料系混合物を一晩19時間かけて磨砕し、得られたインクを濃縮すると、自由に流動する優れた挙動を示し、これを溶融状態で鋼球から取り出し、分離した。単離した顔料濃縮物を含むビーカーを120℃に維持し、次いで、濃縮物を、X1197(Baker Petroliteから入手可能)244.5g、KEMAMIDE S−180(Chemtura Corporationから入手可能)6g、KE−100(Arakawa Corporationから入手可能)58.08g、3当量のステアリルイソシアネートと、U.S.6,309,453号の実施例4に記載されているように調製したグリセロール系アルコールとの付加物であるウレタン樹脂7.2gと、0.96gのNAUGARD 445(Chemtura Corporationから入手可能)を含む溶融した樹脂混合物を用い、60分かけて希釈した。得られたインクを120℃で90分間撹拌し、1ミクロンのフィルターで濾過した。
【0052】
(マゼンタ顔料系固体インクの調製)
(実施例3)
(インク番号4の調製)
120℃にあらかじめ加熱しておいたUnion Process 01磨砕機に、あらかじめ120℃に加熱しておいた1800gの1/8インチ440 C Grade 25ステンレス鋼球(Hoover Precision Products,Incorporatedから入手可能)を入れた。この鋼ショットの上から、X1197(Baker Petroliteから入手可能)49.3g、29.7gのトリアミドワックストリアミドワックス(米国特許第6,860,930号に記載されているトリアミド)、29.7gのKEMAMIDE S−180(Chemtura Corporationから入手可能)、29.7gのKE−100(Arakawa Corporationから入手可能)、3当量のステアリルイソシアネートと、米国特許第6,309,453号(開示内容を本明細書の記載の一部としてここに引用する)の実施例4に記載されているように調製したグリセロール系アルコールとの付加物であるウレタン樹脂8.9g、Foral 85(Hercules Incorporatedから入手可能)0.9g、0.3gのN445、5.2gの化合物番号1(表2を参照)を含む溶融した混合物を注いだ。これに、7.8gのPigment Red 57:1(Clariant Corporationから入手可能)をゆっくりと加えた。次いで、この磨砕機に多段階インペラを取り付け、速度を約250rpmに調節した。顔料系混合物を一晩19時間かけて磨砕し、得られたインクを濃縮すると、自由に流動する優れた挙動を示し、これを溶融状態で鋼球から取り出し、分離した。この単離した顔料濃縮物の一部分を、顔料系固体インクを製造するために使用した。103.3gの単離した溶融顔料濃縮物を含むビーカーを120℃に維持し、次いで、約30分間かけ、X1197(Baker Petroliteから入手可能)76.0g、5.0gのトリアミドワックス(米国特許第6,860,930号に記載されているトリアミド)、KEMAMIDE S−180(Chemtura Corporationから入手可能)13.2g、KE−100(Arakawa Corporationから入手可能)5.2g、NAUGARD 445(Chemtura Corporationから入手可能)0.2gを含む溶融した樹脂混合物を用いてゆっくりと希釈した。このインクを120℃でさらに約2時間撹拌し、次いで、1ミクロンフィルターで濾過した。一定量のインクを採取し、Malvern Nanosizer HT装置を用いて粒径を決定した。表1に見いだされる粒径熱安定性の特性は、インクを120℃で一定期間エージングして評価した。
【0053】
(実施例4)
(インク番号5の調製)
濃縮物およびインクを、インク番号4について実施例3に記載した手順にしたがって調製したが、但し、化合物番号2を化合物番号1の代わりに用いた(表2を参照)。一定量のインクを採取し、Malvern Nanosizer HT装置を用いて粒径を決定した。表1に見いだされる粒径熱安定性の特性は、インクを120℃で一定期間エージングして評価した。
【0054】
(表1.黄色インク(インク番号1および2)およびマゼンタ色インク(インク番号4および5)の粒径および熱安定性)
【表1】

【0055】
(表2.インクで使用する樹脂状化合物の例)
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
インク組成物であって、インク媒剤と、下式の樹脂状化合物、
【化1】


またはその塩とを含み、式中、
は、−XC(O)OR、−XOC(O)R、または−XOHであり、
は、R、−C(O)R、−C(O)XC(O)OR、または−C(O)XOC(O)Rであり、
は、炭素原子を10〜80個有するアルキルであり、
は、炭素原子を2〜40個有するアルキルであり、
およびRは、それぞれ独立して、水素、アルキル、アリールアルキルまたはアルキルアリールであり、Rが、Rと同じ窒素原子に接続している場合、Rと接続して環を形成していてもよく、
各Rおよび各Rは、独立して、水素またはアルキルであり、
は、式(CRt1を有する直鎖または分枝鎖のアルキレン基、または式(CRt2−Ar−(CRt3を有する直鎖または分枝鎖の芳香族アルキレン基であり、
は、式(CR10u1を有する直鎖または分枝鎖のアルキレン基、または式(CR10u2−Ar−(CR10u3を有する直鎖または分枝鎖の芳香族アルキレン基であり、
t1は、1〜20の整数であり、
t2およびt3は、独立して、0〜20の整数であり、
u1は、1〜30の整数であり、
u2およびu3は、独立して、0〜30の整数であり、
各Rおよび各Rは、独立して、水素、アルキル、またはアルコキシルであり、
各Rおよび各R10は、独立して、水素、アルキルまたはアルコキシルであり、
Arは、置換されているか、または置換されていない芳香族部分であり、
pは、1〜5の整数であり、
qは、1〜12の整数である、インク組成物。
【請求項2】
下式を有するか、
【化2】


またはその塩であり、
は、炭素原子を10〜80個有するアルキルであり、
およびRは、それぞれ独立して、水素、アルキル、アリールアルキルまたはアルキルアリールであり、Rが、Rと同じ窒素原子に接続している場合、Rと接続して環を形成していてもよく、
各Rおよび各Rは、独立して、水素またはアルキルであり、
は、式(CRt1を有する直鎖または分枝鎖のアルキレン基、または式(CRt2−Ar−(CRt3を有する直鎖または分枝鎖の芳香族アルキレン基であり、
t1は、1〜20の整数であり、
t2およびt3は、独立して、0〜20の整数であり、
各Rおよび各Rは、独立して、水素、アルキル、またはアルコキシルであり、
Arは、置換されているか、または置換されていない芳香族部分であり、
pは、1〜5の整数であり、
qは、1〜12の整数である、請求項1に記載のインク組成物。
【請求項3】
顔料をさらに含む、請求項1に記載のインク組成物。
【請求項4】
式Iの前記樹脂状化合物が、前記インク中に、インクの約0.1重量%〜約30重量%の量で存在する、請求項1に記載のインク組成物。
【請求項5】
前記インク媒剤が、ポリエチレンワックス、イソシアネート系樹脂およびワックス、エステルワックス、脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪酸アミド、アルコキシル化ワックスからなる群から選択されるワックスを含む、請求項1に記載のインク組成物。
【請求項6】
前記インク媒剤が、前記インク中に、インクの約0.01重量%〜約30重量%の量で存在する分岐トリアミドをさらに含む、請求項5に記載のインク組成物。
【請求項7】
前記インク媒剤が、前記インク中に、インクの約0.5重量%〜70重量の量で存在するステアリルステアロアミドをさらに含む、請求項5に記載のインク組成物。
【請求項8】
前記インク中に、インクの約0.1重量%〜50重量の量で存在する水素化アビエチン酸トリグリセリドをさらに含む、請求項1に記載のインク組成物。
【請求項9】
インク組成物であって、インク媒剤と、下式の樹脂状化合物の塩、
【化3】


とを含み、式中、
は、−XC(O)OR、−XOC(O)R、または−XOHであり、
は、R12、−C(O)R、−C(O)XC(O)OR、または−C(O)XOC(O)Rであり、
は、炭素原子を10〜80個有するアルキルであり、
は、炭素原子を2〜40個有するアルキルであり、
各Rは、独立して、水素、アルキル、アリールアルキルまたはアルキルアリールであり、
11およびR12は、それぞれ独立して、アルキル、アリールアルキル、アルキルアリールであるか、または、R11とR12とをあわせて環を形成していてもよく、
各Rおよび各Rは、独立して、水素または低級アルキルであり、
は、式(CRt1を有する直鎖または分枝鎖のアルキレン基、または式(CRt2−Ar−(CRt3を有する直鎖または分枝鎖の芳香族アルキレン基であり、
は、式(CR10u1を有する直鎖または分枝鎖のアルキレン基、または式(CR10u2−Ar−(CR10u3を有する直鎖または分枝鎖の芳香族アルキレン基であり、
t1は、1〜20の整数であり、
t2およびt3は、独立して、0〜20の整数であり、
u1は、1〜30の整数であり、
u2およびu3は、独立して、0〜30の整数であり、
各Rおよび各Rは、独立して、水素、アルキル、またはアルコキシルであり、
各Rおよび各R10は、独立して、水素、アルキルまたはアルコキシルであり、
Arは、置換されているか、または置換されていない芳香族部分であり、
pは、1〜5の整数であり、
qは、1〜12の整数であり、
は、Cl、Br、I、HSO、HSO、CHSO、NO、HCOO、CHCOO、HPO、SCN、BF、ClO、SSO、PF、SbClからなる群から選択され、
Jは、アルキル、アリールアルキル、またはアルキルアリールである、インク組成物。
【請求項10】
がHSOである、請求項9に記載のインク組成物。

【図1】
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【公開番号】特開2012−72401(P2012−72401A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−199813(P2011−199813)
【出願日】平成23年9月13日(2011.9.13)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】