説明

顕微鏡液浸観察用オイル分注器、顕微鏡液浸観察用オイル分注器用スタンド、顕微鏡液浸観察用オイル分注ユニット、及び顕微鏡液浸観察用オイル分注キット

【課題】周囲や培養容器、オイル分注器、更には使用者を汚染させることなく、液浸観察を行う顕微鏡へ適量を分注することの可能な顕微鏡液浸観察用オイル分注器、顕微鏡液浸観察用オイル分注器用スタンド、顕微鏡液浸観察用オイル分注ユニット、及び顕微鏡液浸観察用オイル分注キットを提供する。
【解決手段】顕微鏡による液浸観察のために用いる、25℃での動粘度が50〜500cStのイマージョンオイルを、顕微鏡対物レンズと観察対象物との間に分注するための顕微鏡液浸観察用オイル分注器であって、シリンジ部1と、シリンジ部1に接続するノズル部2を有し、シリンジ部1は、容積が1〜30ccであり、ノズル部2は、先端内径が500〜900μm、テーパ角が4〜10度である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顕微鏡液浸観察に用いるイマージョンオイルオイルを分注するための顕微鏡液浸観察用オイル分注器、顕微鏡液浸観察用オイル分注器用スタンド、顕微鏡液浸観察用オイル分注ユニット、及び顕微鏡液浸観察用オイル分注キットに関する。
【背景技術】
【0002】
顕微鏡による高倍率観察を行う場合、対物レンズと観察対象物との間に光学的な特性を補うために液体を介在させることが多い。対物レンズと観察対象物との間に介在させる液体としては、従来、水ないし光学的特性が考慮された低揮発性油(イマージョンオイル)が用いられてきた。イマージョンオイルは、特に光学特性に優れており、現在でも、開口率の大きい対物レンズを利用する場合における必須の液体である。
【0003】
ところで、顕微鏡の観察に用いるイマージョンオイルは、使用者の手ないし手袋に付着すると2次汚染を発生させ、周囲に不快なベタベタ感を与えるばかりでなく、皮膚についた場合には刺激を伴う。また、イマージョンオイルは、培養容器に多く用いられているポリスチレン(PS)などの一部の樹脂を腐食する性質を持っている。さらに、イマージョンオイルは、伸展性が高く1滴で広範囲を汚染することもあり、長期間放置した場合には広範囲に広がった後に揮発し、周囲の埃を集めて固着することがある。しかも、イマージョンオイルは、ティッシュペーパー等を用いた払拭のみでは、完全な除去が困難であり、イマージョンオイルの除去には、火災や毒性など潜在的な危険を伴う溶剤を用いるのが一般的である。このため、イマージョンオイルは、極力、最少量で使用することが望ましく、周囲を汚染しないように扱うことが重要である。
【0004】
しかるに、従来、イマージョンオイルを分注するための容器としては、例えば、次の非特許文献1に記載の容器等が使用されている。
【非特許文献1】広告チラシ掲載ホームページ、『ペンギン シャッター オイラー』、online、http://www.adachikosho.com/useful/petbottle_m.jpg、検索日2007.03.29
【0005】
図6は非特許文献1に記載されている容器の概略構成図である。
この種の容器は、容器本体51と容器本体51の先端に取付けられたノズル52を有し、ノズル52の先端が上方を向くように容器本体51を立てた状態で保管するように構成されている。容器本体51は、柔軟なプラスチックで製造されており、側面を押すと内圧によりイマージョンオイルをノズル52の先端から吐出する機構となっている。そして、使用時には、使用者は、容器本体51を把持し、ノズル52の先端が図示しない観察対象と対物レンズとの間に入るように傾けながら、イマージョンオイルを分注する。また、この種の容器には、分注を行わないときにノズル52の先端部を塞ぐためのキャップ(図示省略)を備えたものもある。
【0006】
しかし、この種の容器では、イマージョンオイルを分注する度に、上方を向いているノズル52の先端が下方に向くように容器本体51の向きを変える必要があり、このことがイマージョンオイルの垂れの原因となっていた。また、容器本体51の側面を押してイマージョンオイルを吐出するので、吐出量の制御も困難で適量を滴下するのが難しい。さらに、イマージョンオイルを分注し終える度に、ノズル52の先端を下方に向けた状態から上方に向くように向きを変える必要がある。このため、分注時にノズル52の先端に付着した低粘度で伸展性の強いイマージョンオイルが、ノズル52の先端を下方に向けた状態から上方に向くように向きを変えたときに、ノズル52の外壁を伝って広がっていき、容器全体を汚損し易いという問題があった。さらに、容器がイマージョンオイルで汚染されると、その容器を把持する使用者の手ないし手袋にイマージョンオイルが付着して、2次汚染し易いという問題があった。
【0007】
上述したように、容器がイマージョンオイルで一旦汚染されると、汚染されたイマージョンオイルを完全に除去することは困難であり、使用者に対して容器が不快なベタベタ感を与えるばかりか、容器に付着したイマージョンオイルが容器の設置場所や、使用者の手を介してさらに周囲を2次汚染することも多い。
【0008】
しかも、このイマージョンオイルは、細胞培養などに多く用いられるPSなどの樹脂を腐食する性質がある。このため、誤ってイマージョンオイルが付着した手でこれらPS製培養容器を扱った場合、表面に白濁が生じることがあった。さらに、イマージョンオイルで汚染された状態を長時間放置した場合には、イマージョンオイルが周囲の埃を集めて固着することがあるが、一度固着したものは除去が困難である。また、イマージョンオイルが皮膚へ付着した場合には刺激を伴うという問題がある。
【0009】
しかも、イマージョンオイルは、25℃における動粘度が50〜500cStであり、車両のギアオイル等に比べて、粘度が低く、イマージョンオイルを、車両のギアオイルの分注に一般に用いられているようなオイルシリンジに入れても、ノズルの先端を下方に傾けたときに、そのままノズルの先端からイマージョンオイルが流出してしまう。また、イマージョンオイルは、20〜50μl程度の少量を精度良く供給する必要がある。しかし、車両のギアオイルの分注に一般に用いられているようなオイルシリンジの容量は数十から数百mlであり、分注量も数から数百mlで供給量には精度は求められていない。このため、車両のギアオイルのオイルシリンジは、イマージョンオイルの分注容器に使用することができない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、周囲や培養容器、オイル分注器、更には使用者を汚染させることなく、液浸観察を行う顕微鏡へ適量を分注することの可能な顕微鏡液浸観察用オイル分注器、顕微鏡液浸観察用オイル分注器用スタンド、顕微鏡液浸観察用オイル分注ユニット、及び顕微鏡液浸観察用オイル分注キットを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明による顕微鏡液浸観察用オイル分注器は、顕微鏡による液浸観察のために用いる、25℃での動粘度が50〜500cStのイマージョンオイルを、顕微鏡対物レンズと観察対象物との間に分注するための顕微鏡液浸観察用オイル分注器であって、シリンジ部と、前記シリンジ部に接続するノズル部を有し、前記シリンジ部は、容積が1〜30ccであり、前記ノズル部は、先端内径が500〜900μm、テーパ角が4〜10度であることを特徴としている。
【0012】
また、本発明による顕微鏡液浸観察用オイル分注器は、顕微鏡による液浸観察のために用いる、25℃での動粘度が80〜350cStのイマージョンオイルを、顕微鏡対物レンズと観察対象物との間に分注するための顕微鏡液浸観察用オイル分注器であって、シリンジ部と、前記シリンジ部に接続するノズル部を有し、前記シリンジ部は、容積が1〜30ccであり、前記ノズル部は、先端内径が500〜900μm、テーパ角が4〜10度であることを特徴としている。
【0013】
また、本発明による顕微鏡液浸観察用オイル分注器は、顕微鏡による液浸観察のために用いる、25℃での動粘度が100〜150cStのイマージョンオイルを、顕微鏡対物レンズと観察対象物との間に分注するための顕微鏡液浸観察用オイル分注器であって、シリンジ部と、前記シリンジ部に接続するノズル部を有し、前記シリンジ部は、容積が1〜30ccであり、前記ノズル部は、先端内径が500〜900μm、テーパ角が4〜10度であることを特徴としている。
【0014】
また、本発明の顕微鏡液浸観察用オイル分注器においては、前記ノズル部のテーパ角が6〜8度であるのが好ましい。
【0015】
また、本発明の顕微鏡液浸観察用オイル分注器においては、前記ノズル部の先端内径が600〜650μmであるのが好ましい。
【0016】
また、本発明の顕微鏡液浸観察用オイル分注器においては、前記シリンジ部のピストンが、前記ノズル部を下側に向けられかつ該ピストンに外力が加えられないときには該シリンダ内で位置を保持するように該シリンダの内側面と密着し、該ピストンに外力が加えられたときには該シリンダの内側面に対して摺動する摺動部を有するのが好ましい。
【0017】
また、本発明の顕微鏡液浸観察用オイル分注器においては、前記ノズル部及びシリンジ部の材質が、耐油性の樹脂であるのが好ましい。
【0018】
また、本発明の顕微鏡液浸観察用オイル分注器においては、前記ノズル部が前記シリンジ部に対して着脱可能であるのが好ましい。
【0019】
また、本発明の顕微鏡液浸観察用オイル分注器においては、前記ノズル部が前記シリンジ部と一体に成形されているのが好ましい。
【0020】
また、本発明の顕微鏡液浸観察用オイル分注器においては、前記ノズル部の外周面における先端から所定長離れた部位に突部を有するのが好ましい。
【0021】
また、本発明の顕微鏡液浸観察用オイル分注器においては、前記突部が、所定間隔をあけて前記ノズル部の先端に向かうように配置された複数の突条で構成されているのが好ましい。
【0022】
また、本発明による顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンドは、上記本発明のいずれかの顕微鏡液浸観察用オイル分注器を、前記ノズル部を下方に向け且つ該ノズル部の先端とは非接触な状態で保持可能な保持部を有することを特徴としている。
【0023】
また、本発明の顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンドにおいては、前記保持部が、前記ノズル部を保持するのが好ましい。
【0024】
また、本発明の顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンドにおいては、前記保持部が、前記ノズル部の先端を挿入可能で、かつ、該ノズル部の外周面における先端から所定長離れた部位と当接する大きさの径の開口を有して構成されているのが好ましい。
【0025】
また、本発明の顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンドにおいては、前記保持部の開口が、所定長の奥行きを有し、かつ、奥に行くにしたがって径が狭くなるテーパを有するのが好ましい。
【0026】
また、本発明の顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンドにおいては、前記保持部が、前記開口の外側面で上記本発明の顕微鏡液浸観察用オイル分注器における前記突部を保持するのが好ましい。
【0027】
また、本発明の顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンドにおいては、前記保持部が、前記開口の外側面で上記本発明の顕微鏡液浸観察用オイル分注器における前記複数の突条の端部を保持するのが好ましい。
【0028】
また、本発明の顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンドにおいては、前記保持部が、前記開口の内側面で上記本発明の顕微鏡液浸観察用オイル分注器における前記突部を保持するのが好ましい。
【0029】
また、本発明の顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンドにおいては、前記保持部が、前記開口の内側面で上記本発明の顕微鏡液浸観察用オイル分注器における前記複数の突条の側面を保持するのが好ましい。
【0030】
また、本発明の顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンドにおいては、前記保持部が箱状部材に設けられ、前記箱状部材は、上記本発明のいずれかの顕微鏡液浸観察用オイル分注器が前記保持部で保持された状態において、該顕微鏡液浸観察用オイル分注器における前記ノズル部の先端に対向する面を該ノズル部の先端と非接触にする高さを持つのが好ましい。
【0031】
また、本発明の顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンドにおいては、前記保持部に保持された状態における上記本発明のいずれかの顕微鏡液浸観察用オイル分注器における前記ノズル部に対向する側にオイル受けを備えるのが好ましい。
【0032】
また、本発明による顕微鏡液浸観察用オイル分注ユニットは、上記本発明のいずれかの顕微鏡液浸観察用オイル分注器と、上記本発明のいずれかの顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンドとからなることを特徴としている。
【0033】
また、本発明による顕微鏡液浸観察用オイル分注キットは、25℃での動粘度が50〜500cStのイマージョンオイルが充填された上記本発明のいずれかの顕微鏡液浸観察用オイル分注器からなることを特徴としている。
【0034】
また、本発明による顕微鏡液浸観察用オイル分注キットは、25℃での動粘度が80〜350cStのイマージョンオイルが充填された上記本発明のいずれかの顕微鏡液浸観察用オイル分注器からなることを特徴としている。
【0035】
また、本発明による顕微鏡液浸観察用オイル分注キットは、25℃での動粘度が100〜150cStのイマージョンオイルが充填された上記本発明のいずれかの顕微鏡液浸観察用オイル分注器からなることを特徴としている。
【0036】
また、本発明による顕微鏡液浸観察用オイル分注キットは、25℃での動粘度が50〜500cStのイマージョンオイルが充填された上記本発明のいずれかの顕微鏡液浸観察用オイル分注器と、上記本発明のいずれかの顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンドとからなることを特徴としている。
【0037】
また、本発明による顕微鏡液浸観察用オイル分注キットは、25℃での動粘度が80〜350cStのイマージョンオイルが充填された上記本発明のいずれかの顕微鏡液浸観察用オイル分注器と、上記本発明のいずれかの顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンドとからなることを特徴としている。
【0038】
また、本発明による顕微鏡液浸観察用オイル分注キットは、25℃での動粘度が100〜150cStのイマージョンオイルが充填された上記本発明のいずれかの顕微鏡液浸観察用オイル分注器と、上記本発明のいずれかの顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンドとからなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、周囲や培養容器、オイル分注器、更には使用者を汚染させることなく、液浸観察を行う顕微鏡へ適量を分注することの可能な顕微鏡液浸観察用オイル分注器、顕微鏡液浸観察用オイル分注器用スタンド、顕微鏡液浸観察用オイル分注ユニット、及び顕微鏡液浸観察用オイル分注キットが得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
実施例の説明に先立ち、本発明の作用効果について説明する。
本発明の顕微鏡液浸観察用オイル分注器は、25℃での動粘度が50〜500cSt(好ましくは80〜350cSt、より好ましくは100〜150cSt)のイマージョンオイルを入れて分注するための容器として、容積が1〜30ccのシリンジ部と、シリンジ部に接続し、先端内径が500〜900μm(好ましくは600〜650μm)、テーパ角が4〜10度(好ましくは6〜8度)のノズル部を有して構成されている。このようにすれば、シリンジ部の内部(即ち、シリンダ)にオイルが充填された状態において、イマージョンオイルをシリンジ部の内部に好適に保持でき、ノズル部が下方を向くようにしても、イマージョンオイルがノズル部の先端から漏れないようにすることができる。
【0041】
また、シリンジ部のピストンは、ノズル部が下方に向けられかつ該ピストンに外力が加えられないときにはシリンダ内で位置を保持するように該シリンダの内側面と密着し、ピストンに外力が加えられたときにはシリンダの内側面に対して摺動する摺動部を有して構成して、ピストンをシリンダに装着してもピストンが自重で下がってこないようにするのが好ましい。このようにすれば、シリンジ部の内部(即ち、シリンダ)にオイルが充填された状態でノズル部が下方を向くようにした状態における、イマージョンオイルのノズル部の先端からの漏れを確実に防止することができる。
【0042】
また、本発明による顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンドは、分注を行わないときの顕微鏡液浸観察用オイル分注器を保持するスタンドであり、ノズル部が外部に接触しないように、ノズル部、好ましくはノズル部においてイマージョンオイルと非接触となりうる部位を保持して、ノズル部の先端を下方に向け且つノズル部の先端とは非接触な状態で顕微鏡液浸観察用オイル分注器を保持する保持部を有する。このようにすれば、イマージョンオイルと接触するノズル部が外部に接触しないので、イマージョンオイルによって容器が汚染されることがなく、使用者やその周囲をイマージョンオイルで汚染する危険性がなくなる。
【0043】
なお、顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンドは、保持部に保持された状態における顕微鏡液浸観察用オイル分注器のノズル部に対向する側にオイル受けがあるのが好ましい。このようにすれば、スタンドに保持された顕微鏡液浸観察用オイル分注器におけるシリンジ部のシリンダを使用者が誤って押することによって、ノズル部の先端からイマージョンオイルが吐出されるようなことがあっても、イマージョンオイルによる周囲への汚染を防止できる。
【0044】
また、本発明による顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンドを用いれば、常にノズル部野先端を下向きに維持したままで顕微鏡液浸観察用オイル分注器による分注及び保管を行うことができるので、従来の非特許文献1に記載の容器のようなノズル部の先端の向きを上下させることを原因とする顕微鏡液浸観察用オイル分注器本体へのイマージョンオイルの汚染をなくすことができる。
【0045】
しかも、本発明の顕微鏡液浸観察用オイル分注器によれば、分注時には、シリンジ部のシリンダを押すことにより適切な量のイマージョンオイルをノズル部から押し出すことができる。また、ノズル部先端からの液切れを十分に行うことができる。
【0046】
従って、本発明の顕微鏡液浸観察用オイル分注器によれば、径の細いノズルと液量制御に優れたシリンジを用いて吐出量を制御することで、対物レンズに対して出し過ぎることなく適量のイマージョンオイルを供給することができる。しかも、オイル容器がイマージョンオイルによって汚染されることがない。その結果、オイル容器自体がイマージョンオイルで汚染されることに伴う、周囲や培養容器、更には操作者への2次汚染を防止することができる。
【0047】
図1は本発明の一実施形態にかかる顕微鏡液浸観察用オイル分注器の構成を示す斜視図、図2は図1の顕微鏡液浸観察用オイル分注器におけるノズル部を先端側から見た平面図である。図3は本発明の一実施形態にかかる顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンドを、顕微鏡液浸観察用オイル分注器を保持した状態で示す概念図である。図4は図3の顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンドの保持部の開口と図1の顕微鏡液浸観察用オイル分注器におけるノズル部の突部との保持態様を例示する説明図で、(a)は保持部開口の外側面で突部の端部を保持する例、(b)は保持部開口の内側面で突部の側面を保持する例を示している。図5は図1の実施形態の変形例にかかる顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンドの説明図で、(a)は保持部の開口を示す平面図、(b)は顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンドを、顕微鏡液浸観察用オイル分注器を保持した状態で示す断面図である。
【0048】
本実施形態の顕微鏡液浸観察用オイル分注器は、図1に示すように、シリンジ部1と、シリンジ部1に接続するノズル部2を有して構成されている。
シリンジ部1は、シリンダ1aと、ピストン1bとで構成されている。シリンダ1aは、内部に、25℃での動粘度が50〜500cStのイマージョンオイルを1〜30cc収容可能な容積を有している。
ノズル部2は、テーパ角が4〜10度、先端2aの径が500〜900μmに形成されている。なお、テーパ角は、6〜8度程度がより望ましい。また、先端2aの径は、600〜650μmが好ましい。
【0049】
シリンジ部1のピストン1bは、ノズル部2が下方に向けられかつピストン1bに外力が加えられないときにはシリンダ1a内で位置を保持するようにシリンダ1aの内側面と密着し、ピストン1bに外力が加えられたときにはシリンダ1aの内側面に対して摺動する摺動部1b1を有している。これにより、シリンジ部1は、ピストン1bをシリンダ1aに装填した状態で下向きにしても、ピストン1bが自重で下がってこないようになっている。
【0050】
シリンジ部1と、ノズル部2は、PP(ポリプロピレン)ないしPE(ポリエチレン)樹脂で製造されている。なお、耐油性を持つ素材であれば、PP(ポリプロピレン)ないしPE(ポリエチレン)以外のものを用いてもよい。ただし、コスト面からみれば、樹脂であることが好ましく、特に、本実施形態のように、PP(ポリプロピレン)ないしPE(ポリエチレン)で製造するのが望ましい。
【0051】
また、ノズル部2は、シリンジ部1に対して着脱可能に構成されている。なお、ノズル部2は、シリンジ部1と一体成形されていてもよい。
【0052】
また、ノズル部2は、図1及び図2に示すように、外周面における先端2aから所定長離れた部位に突部2bを有している。突部2bは、所定間隔をあけてノズル部2の先端2aに向かうように配置された複数の突条2b1で構成されている。
【0053】
本実施形態の顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンドは、図3に示すように、本実施形態の顕微鏡液浸観察用オイル分注器を、ノズル部2を下方に向け且つノズル部2の先端2aとは非接触な状態で保持可能な保持部3aを有する箱状部材3で構成されている。
保持部3aは、箱状部材3に設けられた開口で構成されている。保持部3aの開口は、ノズル部2の先端2aを挿入可能で、かつ、ノズル部2の外周面における先端2aから所定長離れた部位と当接する大きさの径を有している。そして、図4(a)に示すように、保持部3aは、開口の外側面で、ノズル部2の外周面に配置されている複数の突条2b1の端部2b11を保持するように構成されている。なお、図4(b)に示すように、保持部3aが、開口の内側面で、複数の突条2b1の側部2b12を保持するようにしてもよい。
【0054】
なお、図3の例では、保持部3aでノズル部2の複数の突条部2b1を保持するように構成したが、保持部3aにおける開口の内側面で、複数の突条部等の突部を設けていないノズル部の側面を保持することも可能である。
さらには、保持部3aでシリンジ部1のノズル部2側の平面1cや側面1dを保持するように構成してもよい。
【0055】
また、箱状部材3は、本実施形態の顕微鏡液浸観察用オイル分注器が保持部3aで保持された状態において、顕微鏡液浸観察用オイル分注器におけるノズル部2の先端2aに対向する面をノズル部2の先端2aと非接触にする高さを有して形成されている。
【0056】
さらに、本実施形態の顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンドは、保持部3aに保持された状態における本実施形態の顕微鏡液浸観察用オイル分注器におけるノズル部2に対向する側にオイル受け4を備えている。
なお、オイル受け4は、箱状部材3と一体、別体のいずれで構成してもよい。
【0057】
また、本実施形態の顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンドは、図5(a),(b)に示すように、保持部3aの開口を、所定長の奥行きを有し、かつ、奥に行くにしたがって径が狭くなるテーパを有して構成してもよい。
【0058】
このように構成された本実施形態の顕微鏡液浸観察用オイル分注器によれば、シリンダ1aを、25℃での動粘度が50〜500cStのイマージョンオイルを1〜30cc収容可能な容積を有するようにし、且つ、ノズル部2を、テーパ角が4〜10度、先端2aの径が500〜900μmに形成したので、例えば、25℃での動粘度が135cStのイマージョンオイル等をシリンジ部1の内部に充填した場合、ノズル部2の先端2aからのイマージョンオイルの漏れはほとんど発生しない。特に、ノズル部2の先端2aの径を600−650μmとした場合には、イマージョンオイルの漏れは全く発生しない。
しかも、上述したように、シリンジ部1を、ピストン1bをシリンダ1aに装填した状態で下向きにしても、ピストン1bが自重で下がってこないようにしてある。
【0059】
このため、シリンジ部1の内部(シリンダ1a)にイマージョンオイルが充填された状態で、顕微鏡液浸観察用オイル分注器をノズル部2が下方に向くようにしても、シリンダ1aおよびノズル部2の内部に充填されたイマージョンオイルは、シリンジ部1の内部の十分な摩擦抵抗によって自然に流れ出ることなく、シリンジ部1に好適に保持される。
また、分注時にはシリンジ部1のピストン1bを押すことによってイマージョンオイルを少量ずつ分注することができる。
【0060】
また、本実施形態の顕微鏡液浸観察用オイル分注器によれば、シリンジ部1と、ノズル部2を、耐油性が高く、透明な材質のPP(ポリプロピレン)ないしPE(ポリエチレン)樹脂で構成したので、分注器がイマージョンオイルに腐食されることがなく、しかも、分注器内部のイマージョンオイルの残量を容易に確認することができる。
【0061】
また、本実施形態の顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンドによれば、箱状部材3の保持部3aの外周面が、顕微鏡液浸観察用オイル分注器の突条2bの端部2b11と当接して、顕微鏡液浸観察用オイル分注器を、ノズル部2を下方に向け且つノズル部2の先端2aが非接触な状態で保持する。
このため、オイル分注器を、使用時・保管時のいずれにおいても常にノズル部2を下方に向けた状態にすることができ、非特許文献1に記載の容器における使用時・保管時とで上下にノズルの先端の向きを変えることによって、保管時にノズルの先端に付着したイマージョンオイルが容器本体に向かって流れるような、オイル分注器への汚染がなくなる。
また、保管時にノズル部2を下方に向けた状態にすることができる結果、使用者がオイル分注器を使用し易くなる。更に、ノズル部2の先端にイマージョンオイルが少量残留していても、周囲や使用者に付着することがなくなる。
【0062】
また、外周面における先端2aから所定長離れた部位に箱状部材3の保持部3aの外周面が、顕微鏡液浸観察用オイル分注器の突条2bの端部2b11と当接するようにしたことにより、互いの当接面積を極力小さくすることができるため、イマージョンオイルによるノズル部2への汚染をより一層防止し易くなる。
【0063】
なお、図4(b)に示すように、保持部3aが、開口の内側面で、複数の突条2b1の側部2b12を保持するようにするようにすれば、顕微鏡液浸観察用オイル分注器のノズル部2の先端2aを、箱状部材3における保持部3aの開口に挿入し易くなる。このため、使用者が誤ってノズル部2の先端2aを保持部3aの開口以外の面に接触させてイマージョンオイルで汚染するようなことが少なくなる。
【0064】
また、本実施形態の顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンドによれば、保持部3aに保持された状態における本実施形態の顕微鏡液浸観察用オイル分注器におけるノズル部2に対向する側にオイル受け4を備えたので、顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンドに顕微鏡液浸観察用オイル分注器を保持した状態において、使用者の誤操作等により意図せずシリンジ部1のピストン1bが押されて、イマージョンオイルがノズル部2の先端2aから漏れ出ても、周囲や使用者を汚染することがない。
【0065】
また、本実施形態の顕微鏡液浸観察用オイル分注器によれば、オイル分注器にイマージョンオイルを充填する場合に、ノズル部2をシリンジ部1に対して着脱可能にしたので、ノズル部2を取り外しシリンジ部1のピストンを引くことによって速やかにイマージョンオイルを充填することができる。もちろん、イマージョンオイルがなくなった場合には、同様の操作により再充填することもできる。なお、その場合、取り外したノズル部2の先端2aは、イマージョンオイルで汚染されているので、周囲への2次汚染を防止するためには、ノズル部2をディスポーザブルなものとし、イマージョンオイルの再充填ごとに未使用のノズル部2をシリンジ部1に取付けるようにするとよい。
【0066】
また、ノズル部2とシリンジ部1とが一体形成された構成の場合は、顕微鏡液浸観察用オイル分注器自体をディスポーザブルなものとしてもよい。そのようにすれば、イマージョンオイルの汚染を防ぐことができる。
【0067】
なお、本実施形態の顕微鏡液浸観察用オイル分注器と本実施形態の顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンドとをセットにした一つのユニットとするとよい。
【0068】
さらに、本実施形態の顕微鏡液浸観察用オイル分注器、または本実施形態の顕微鏡液浸観察用オイル分注器と本実施形態の顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンドとをセットにした一つのユニットにおいて、顕微鏡液浸観察用オイル分注器の内部に予めイマージョンオイルを充填した状態にして顕微鏡液浸観察用オイル分注キットを構成してもよい。
そのようにすれば、使用者がイマージョンオイルを充填する必要がなくなり、より一層イマージョンオイルによる汚染を防止し易くなる。
【0069】
なお、上述したように、本発明の顕微鏡液浸観察用オイル分注器に使用できるオイルは、25℃での動粘度が50〜500cStが好ましく、80〜350cStであれば、更に好ましい。特に、100〜150cStが好ましい。
【0070】
実施例1
図1に実施形態に記載の顕微鏡液浸観察用オイル分注器及び顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンド(実施例1)と、非特許文献1に記載の容器と略同じタイプの容器(比較例1)のそれぞれを用いて、イマージョンオイルの漏れの試験を行った。なお、実施例1及び比較例1の容器において、注入するイマージョンオイルには、25℃での動粘度が135cStのものとして、オリンパス イマージョンオイル、AX9602に用いられているオイルを用いた。また、比較例1の容器としては、オリンパス イマージョンオイル、AX9602に用いられている容器を用いた。この容器は、非特許文献1に記載の容器と略同じ構成であって、さらにノズルの先端部を塞ぐためのキャップを備えている。
以下に、容器及びスタンドの数値データを示す。
実施例1(図1に実施形態に記載の顕微鏡液浸観察用オイル分注器及び顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンド)
シリンジ部の容積:3mm
シリンダの内径:10mm
ノズル部の長さ:40mm
ノズル部の先端内径:600μm
ノズル部のテーパ角:6°
ノズル部の突条位置:円周上に60°間隔
ノズル部の突条本数:6個
ノズル部の突条長:3mm
ノズル部の突条高さ:1mm
保持部の開口径:5mm
箱状部材の高さ:35mm
比較例1(非特許文献1に記載の容器と略同タイプの容器)
ノズル部の長さ:47mm
ノズル部の内径:1.1mm
容量:50ml
【0071】
試験内容及び結果
実施例1と比較例1の容器を用いて、液浸対物レンズに1滴ずつ分注を繰り返した。その際、10滴の分注ごとに所定時間のインターバルをおいた。分注ごとに容器からのイマージョンオイルの漏れ及び容器からの漏れを調べた。なお、実施例1の分注器については、分注ごとにスタンドに保持した場合と、スタンドに保持せず水平に寝かせた場合のそれぞれについて調べた。
その結果を次に示す。
実施例1の分注器(分注ごとにスタンドに保持した場合)
70回分注を繰り返したが、オイルの垂れは全く見られなかった。
実施例1の分注器(スタンドに保持せず水平に寝かせた場合)
70回分注を繰り返したが、オイルの垂れは全く見られなかった。
比較例1の分注器
10回分注時に、ノズル部にオイルの垂れが見られた。
30回分注時に、ノズル部の付け根部分までオイルの垂れが見られた。
70回分注時に、オイル容器の下までオイルの垂れが見られた。
【0072】
次いで、実施例1の容器(ノズル部の先端内径600μm)を用いて、動粘度の異なるオイルを用いて、使用感(途出量の制御の可否)について試験した。
なお、イマージョンオイルは動粘度のバリエーションが確保できないため、動粘度の異なるオイルとしては、イマージョンオイルの類似物質として均質且つ動粘度が良く制御されている次のシリコーンを代用した。
(シリコーン)
KF-96-359CS(信越化学工業(株))動粘度350cSt
KF-96-100CS(信越化学工業(株))動粘度100cSt
KF-96-30CS(信越化学工業(株))動粘度30cSt
(実験方法)
吸引により実施例1の容器のシリンジ内部にシリコーンを充填した後にノズルを装着し、スライドガラスに分注し、その際の使用感を記録した。
(実験結果)
動粘度30cStのシリコーン
慎重にピストンを押してもシリンダ内部のシリコーンが一気に大量に途出され、途出量の制御が困難であった。
動粘度100cStのシリコーン
途出量を制御でき、問題なく使用することができた。
動粘度350cStのシリコーン
途出量を制御でき、問題なく使用することができた。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、顕微鏡による高倍率観察を行うためにイマージョンオイルオイルを分注して顕微鏡液浸観察を行う分野に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の一実施形態にかかる顕微鏡液浸観察用オイル分注器の構成を示す斜視図である。
【図2】図1の顕微鏡液浸観察用オイル分注器におけるノズル部を先端側から見た平面図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンドを、顕微鏡液浸観察用オイル分注器を保持した状態で示す概念図である。
【図4】図3の顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンドの保持部の開口と図1の顕微鏡液浸観察用オイル分注器におけるノズル部の突部との保持態様を例示する説明図で、(a)は保持部開口の外側面で突部の端部を保持する例、(b)は保持部開口の内側面で突部の側面を保持する例を示している。
【図5】図1の実施形態の変形例にかかる顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンドの説明図で、(a)は保持部の開口を示す平面図、(b)は顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンドを、顕微鏡液浸観察用オイル分注器を保持した状態で示す断面図である。
【図6】非特許文献1に記載されている容器の概略構成図である。
【符号の説明】
【0075】
1 シリンジ部
1a シリンダ
1b ピストン
1c 平面
1d 側面
2 ノズル部
2a 先端
2b 突部
2b1 突条
2b11 突条の端部
2b12 突条の側部
3 箱状部材
3a 保持部
4 オイル受け
51 容器本体
52 ノズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顕微鏡による液浸観察のために用いる、25℃での動粘度が50〜500cStのイマージョンオイルを、顕微鏡対物レンズと観察対象物との間に分注するための顕微鏡液浸観察用オイル分注器であって、
シリンジ部と、前記シリンジ部に接続するノズル部を有し、
前記シリンジ部は、容積が1〜30ccであり、
前記ノズル部は、先端内径が500〜900μm、テーパ角が4〜10度であることを特徴とする顕微鏡液浸観察用オイル分注器。
【請求項2】
顕微鏡による液浸観察のために用いる、25℃での動粘度が80〜350cStのイマージョンオイルを、顕微鏡対物レンズと観察対象物との間に分注するための顕微鏡液浸観察用オイル分注器であって、
シリンジ部と、前記シリンジ部に接続するノズル部を有し、
前記シリンジ部は、容積が1〜30ccであり、
前記ノズル部は、先端内径が500〜900μm、テーパ角が4〜10度であることを特徴とする顕微鏡液浸観察用オイル分注器。
【請求項3】
顕微鏡による液浸観察のために用いる、25℃での動粘度が100〜150cStのイマージョンオイルを、顕微鏡対物レンズと観察対象物との間に分注するための顕微鏡液浸観察用オイル分注器であって、
シリンジ部と、前記シリンジ部に接続するノズル部を有し、
前記シリンジ部は、容積が1〜30ccであり、
前記ノズル部は、先端内径が500〜900μm、テーパ角が4〜10度であることを特徴とする顕微鏡液浸観察用オイル分注器。
【請求項4】
前記ノズル部のテーパ角が6〜8度であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の顕微鏡液浸観察用オイル分注器。
【請求項5】
前記ノズル部の先端内径が600〜650μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の顕微鏡液浸観察用オイル分注器。
【請求項6】
前記シリンジ部のピストンは、前記ノズル部が下方に向けられかつ該ピストンに外力が加えられないときには該シリンダ内で位置を保持するように該シリンダの内側面と密着し、該ピストンに外力が加えられたときには該シリンダの内側面に対して摺動する摺動部を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の顕微鏡液浸観察用オイル分注器。
【請求項7】
前記ノズル部及びシリンジ部の材質が、耐油性の樹脂であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の顕微鏡液浸観察用オイル分注器。
【請求項8】
前記ノズル部が前記シリンジ部に対して着脱可能であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の顕微鏡液浸観察用オイル分注器。
【請求項9】
前記ノズル部が前記シリンジ部と一体に成形されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の顕微鏡液浸観察用オイル分注器。
【請求項10】
前記ノズル部の外周面における先端から所定長離れた部位に突部を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の顕微鏡液浸観察用オイル分注器。
【請求項11】
前記突部が、所定間隔をあけて前記ノズル部の先端に向かうように配置された複数の突条で構成されていることを特徴とする請求項10に記載の顕微鏡液浸観察用オイル分注器。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれかに記載の顕微鏡液浸観察用オイル分注器を、前記ノズル部を下方に向け且つ該ノズル部の先端とは非接触な状態で保持可能な保持部を有することを特徴とする顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンド。
【請求項13】
前記保持部が、前記ノズル部を保持することを特徴とする請求項12に記載の顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンド。
【請求項14】
前記保持部が、前記ノズル部の先端を挿入可能で、かつ、該ノズル部の外周面における先端から所定長離れた部位と当接する大きさの径の開口を有して構成されていることを特徴とする請求項12又は13に記載の顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンド。
【請求項15】
前記保持部の開口が、所定長の奥行きを有し、かつ、奥に行くにしたがって径が狭くなるテーパを有することを特徴とする請求項14に記載の顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンド。
【請求項16】
前記保持部が、前記開口の外側面で請求項10に記載の顕微鏡液浸観察用オイル分注器における前記突部を保持することを特徴とする請求項14又は15に記載の顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンド。
【請求項17】
前記保持部が、前記開口の外側面で請求項11に記載の顕微鏡液浸観察用オイル分注器における前記複数の突条の端部を保持することを特徴とする請求項14又は15に記載の顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンド。
【請求項18】
前記保持部が、前記開口の内側面で請求項10に記載の顕微鏡液浸観察用オイル分注器における前記突部を保持することを特徴とする請求項14又は15に記載の顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンド。
【請求項19】
前記保持部が、前記開口の内側面で請求項11に記載の顕微鏡液浸観察用オイル分注器における前記複数の突条の側面を保持することを特徴とする請求項14又は15に記載の顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンド。
【請求項20】
前記保持部が箱状部材に設けられ、
前記箱状部材は、請求項1〜11のいずれかに記載の顕微鏡液浸観察用オイル分注器が前記保持部で保持された状態において、該顕微鏡液浸観察用オイル分注器における前記ノズル部の先端に対向する面を該ノズル部の先端と非接触にする高さを持つことを特徴とする請求項12〜19のいずれかに記載の顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンド。
【請求項21】
前記保持部に保持された状態における請求項1〜11のいずれかに記載の顕微鏡液浸観察用オイル分注器における前記ノズル部に対向する側にオイル受けを備えたことを特徴とする請求項12〜20のいずれかに記載の顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンド。
【請求項22】
請求項1〜11のいずれかに記載の顕微鏡液浸観察用オイル分注器と、
請求項12〜21のいずれかに記載の顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンドとからなることを特徴とする顕微鏡液浸観察用オイル分注ユニット。
【請求項23】
25℃での動粘度が50〜500cStのイマージョンオイルが充填された請求項1、請求項1に従属する請求項4〜11のいずれかに記載の顕微鏡液浸観察用オイル分注器からなることを特徴とする顕微鏡液浸観察用オイル分注キット。
【請求項24】
25℃での動粘度が80〜350cStのイマージョンオイルが充填された請求項2、請求項2に従属する請求項4〜11のいずれかに記載の顕微鏡液浸観察用オイル分注器からなることを特徴とする顕微鏡液浸観察用オイル分注キット。
【請求項25】
25℃での動粘度が100〜150cStのイマージョンオイルが充填された請求項3、請求項3に従属する請求項4〜11のいずれかに記載の顕微鏡液浸観察用オイル分注器からなることを特徴とする顕微鏡液浸観察用オイル分注キット。
【請求項26】
25℃での動粘度が50〜500cStのイマージョンオイルが充填された請求項1、請求項1に従属する請求項4〜11のいずれかに記載の顕微鏡液浸観察用オイル分注器と、
請求項12〜21のいずれかに記載の顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンドとからなることを特徴とする顕微鏡液浸観察用オイル分注キット。
【請求項27】
25℃での動粘度が80〜350cStのイマージョンオイルが充填された請求項2、請求項2に従属する請求項4〜11のいずれかに記載の顕微鏡液浸観察用オイル分注器と、
請求項12〜21のいずれかに記載の顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンドとからなることを特徴とする顕微鏡液浸観察用オイル分注キット。
【請求項28】
25℃での動粘度が100〜150cStのイマージョンオイルが充填された請求項3、請求項3に従属する請求項4〜11のいずれかに記載の顕微鏡液浸観察用オイル分注器と、
請求項12〜21のいずれかに記載の顕微鏡液浸観察用オイル分注器スタンドとからなることを特徴とする顕微鏡液浸観察用オイル分注キット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−20196(P2009−20196A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−181226(P2007−181226)
【出願日】平成19年7月10日(2007.7.10)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】