説明

風呂敷

【課題】 被包装物を手で下げてバランス良く持ち運びのできる包装状態の得られる風呂敷を提供する。
【解決手段】 一方の相対する両隅部1a,1aを被包装物を存して互いに結ぶ方形状シート1主体の他の一方の相対する両隅部に、該他の一方の両隅部間方向と直交する方向に長い窓口3を設けて隅部端側を把手2とする。そして、把手2には、該把手同士間で互いに吸着させるそれぞれ一対の磁石片6,6を装置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は風呂敷に関するものである。
【0002】
風呂敷は、対向線上の両隅部を互いに結んで被包装物を包んで該被包装物を持ち運こぶために用いるため、手に下げての持ち運こびができない、という欠点がある。
【0003】
この欠点を回避するために、隅部に切目を設けて該切目を指先挿通用の孔に転用させて手で下げる為の孔を設けた構成のもの(例えば、特許文献1)や、隅部に紐体をリング状にして取付け、該紐体を把手として適用するようにした構造のものがある(例えば、特許文献2)。
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3015622号公報
【特許文献2】実用新案登録第3092393号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来例は、シート主体に切目を設けたり、紐体をリング状にして取付けたりして、把手に供して手で下げて物品を持ち運こびすることを期待するものではあるが、切目等に指先を入れて手に下げたときは、被包装物の荷重が構造的に一点に集中し易く、耐荷重性に問題があり、また、持ち運こび(携帯)時にバランスがとりにくく、手で下げて持ち運こぶために供するには必ずしも実用的ではない。
【0006】
本発明は斯様な従来例の欠点に着目し、被包装物を手で下げて持ち運こぶためのものとしても不都合なく適用することのできる風呂敷を提供すべく創案したものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一方の相対する両隅部を被包装物を存して互いに結ぶ方形状シート主体の他の一方の相対する両隅部に、該他の一方の両隅部間方向と直交する方向に長い窓口を設けて隅部端側を把手と成し、該把手には、該把手同士を互いに吸着させる磁石を装置した構成としたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、一方の相対する両隅部を結んだ後、他の一方の相対する両隅部に設けた把手部を互いに吸着させることにより、把手付バッグのように被包装物を手で下げて持ち運ぶ状態を得られ、磁石を利用して把手部同士を一体的にして包装状態とするものであるから、把手部同士を近接させるだけで当該状態を得られ、従って、暗がりでも包装作業を不都合なく行うことができる。
【0009】
なおまた、把手部の芯材に一対の磁石片を、把手部間において互いに一致させて配置した構成にすることにより、把手部同士は2点で互いに吸着されることになるから、把手部同士を自動的に正位置に一体的にして配することができ、使い勝手上好適である。
【実施例】
【0010】
図面は本発明に係る風呂敷の一実施例を示し、図1は平面図、図2は図1の一部欠截拡大図、図3は図2のa−a線拡大断面図、図4は芯材の一部分解斜視図、図5は手提げ状態時の斜視図である。
【0011】
図示1は、本発明に係る風呂敷Aの方形状シート主体で、主体1は、互いに色や模様を違えた片面側の布シート1´と他の片面側の布シート1´を縫着して、表裏自在に選択していわゆるリバーシブルに適用できるようにしたもので、一方の相対する(対角線上の)両隅部1a,1aを被包装物bを介して互いに結び合わせ、他の一方の相対する(対角線上の)両隅部1b,1bに設けた把手2を互いに重ね合わせ、該把手2を手で下げて被包装物bの持ち運びをできるようにしたものである。
【0012】
把手2は、シート主体1の一方の相対する両隅部1b,1b側に該隅部1b,1b間方向と直交する方向に長い窓口3を指先を挿通できる程度にして設け、この窓口3と該窓口3と平行する前記隅部1bの直縁状の隅部端縁1b´間によって構成したもので、シート主体1を構成する前記布シート1´,1´の一部で成る表面材4,4間に帯板(扁平長板)状の芯材5を介在させ、該芯材5に把手2,2間で互いに吸着する一対の磁石片6,6を装着したものである。
【0013】
磁石片6は、前記窓口3の長手方向に沿う両側にして芯材5に設けた装着孔7,7に係合し、芯材5の両面に金属片8を貼着して装着孔7を塞ぐようにして芯材5に装着したもので、把手片2,2の対向面側を互いに吸着する磁極としてある(一方の把手片2側をN極としたとき、他方をS極とするように)。
【0014】
なお、シート状の金属片8は磁石片6の磁力を増大させるもので、他の材質のシート片を用いて前記装着孔7を塞ぐようにしても良い。
【0015】
図示、9は、布シート1´より厚手の布シートで、図3で示すように布シート1´に貼着して、把手片2部を含んだ窓口3の周辺部を補強したもので、10はこれら布シート1´、布シート9に縫着した窓口3の縁取り材(布シート製の)である。
【0016】
しかして、シート主体1の中央部に被包装物bを載置し、相対する一方の両隅部1a,1aを該包装物bを介して互いに結び、他の一方の相対する両隅部1b,1b側の把手2,2を互いに近接させると、把手2,2に互いに吸着する方向に配した磁石片6,6によって両把手2,2は互いに吸着され、しかも、それぞれの把手片2に備えた一対の磁石片6,6が把手片2,2間において吸着されるので(いわば、2点で吸着されるので)、把手2,2同士は互いに一致する位置関係で一体的になり、把手2を手提げとする包装状態を簡単に得られるのである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】平面図。
【図2】図1の一部欠截拡大図。
【図3】図2のa−a線拡大断面図。
【図4】芯材の一部分解斜視図。
【図5】手提げ状態時の斜視図。
【符号の説明】
【0018】
1 シート主体
1a,1b 隅部
2 把手
3 窓口
6 磁石片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の相対する両隅部を被包装物を存して互いに結ぶ方形状シート主体の他の一方の相対する両隅部に、該他の一方の両隅部間方向と直交する方向に長い窓口を設けて隅部端側を把手と成し、該把手には、該把手同士を互いに吸着させる磁石を装置した、風呂敷。
【請求項2】
把手部の芯材に一対の磁石片を、把手部間において互いに一致させて配置した、請求項1記載の風呂敷。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−89079(P2006−89079A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−276647(P2004−276647)
【出願日】平成16年9月24日(2004.9.24)
【出願人】(391063248)株式会社ゲンタ デザイン (1)
【Fターム(参考)】