説明

風呂給湯装置

【課題】追焚きの入浴感を向上することができる風呂給湯装置を提供する。
【解決手段】熱源15を作動状態とするか非作動状態とするかを切り替える切替手段19と、所定のインターバル時間毎に切替手段19を熱源非作動状態として浴槽水を循環させて浴槽水の温度を確認し、目標温度に達していなかったら切替手段19を熱源作動状態に切り替えて浴槽水を加熱する確認追焚き運転か、所定のインターバル時間毎に切替手段19を熱源作動状態としてから風呂循環ポンプ17を作動し浴槽水の温度を確認する前に浴槽水を加熱する即時追焚き運転の何れか一方の運転を行わせる制御手段41と、浴槽水が冷めやすい状況か否かを判別する判別手段42とを備え、制御手段41は、判別手段42が冷めやすい状況であると判別していた場合は、即時追焚き運転を行い、判別手段42が冷めやすくない状況であると判別していた場合は、確認追焚き運転を行うようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽水を追焚きする風呂給湯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりこの種の風呂給湯装置においては、特許文献1のように、浴槽水を加熱するための熱源と、浴槽と熱源とを浴槽水が循環可能に接続する風呂循環回路と、熱源を作動状態とするか非作動状態とするかを切り替える切替手段と、風呂循環回路途中に設けられ浴槽水を循環させるための風呂循環ポンプと、風呂循環回路の熱源上流側に設けられ浴槽水温度を検出する風呂温度センサとを備え、所定のインターバル時間毎に、切替手段を熱源非作動状態としたまま風呂循環ポンプを作動し浴槽水を循環させて浴槽水の温度を確認し、目標温度に達していなかったら切替手段を熱源作動状態に切り替えて浴槽水を加熱する追焚き運転を行うようにしたものが知られていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−2606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、この従来のものでは、必ず浴槽水温度を確認してから追焚き加熱を開始しているため、明らかに浴槽水温度が低下している場合には昇温開始までに時間を要すると共に、浴槽水を加熱することなく風呂循環回路を循環させるため、浴槽水温度が低下していなかった場合には風呂循環回路で浴槽水を冷ましてしまうこととなり、入浴感が良くないという問題があった。
【0005】
対策として、浴槽水温度温度を確認することなく即座に追焚き加熱を開始することで、昇温開始までに要する時間を短縮できるものの、浴槽水温度があまり低下していなかった場合にも追焚きされるため、目標温度を上回って追焚きされてしまい、これもまた入浴感が良くないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、追焚きの入浴感を向上することができる風呂給湯装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記課題を解決するため、浴槽水を加熱するための熱源と、浴槽と前記熱源とを浴槽水が循環可能に接続する風呂循環回路と、前記熱源を作動状態とするか非作動状態とするかを切り替える切替手段と、前記風呂循環回路途中に設けられ浴槽水を循環させるための風呂循環ポンプと、前記風呂循環回路の前記熱源上流側に設けられ浴槽水温度を検出する風呂温度センサと、所定のインターバル時間毎に前記切替手段を前記熱源非作動状態として前記風呂循環ポンプを作動し浴槽水を循環させて浴槽水の温度を確認し、目標温度に達していなかったら前記切替手段を前記熱源作動状態に切り替えて浴槽水を加熱する確認追焚き運転か、所定のインターバル時間毎に前記切替手段を熱源作動状態としてから前記風呂循環ポンプを作動し浴槽水の温度を確認する前に浴槽水を加熱する即時追焚き運転の何れか一方の運転を行わせる制御手段と、浴槽水が冷めやすい状況か否かを判別する判別手段とを備え、前記制御手段は、前記判別手段が冷めやすい状況であると判別していた場合は、前記即時追焚き運転を行い、前記判別手段が冷めやすくない状況であると判別していた場合は、前記確認追焚き運転を行うようにした。
【0008】
また、前記判別手段は、前記即時追焚き運転時に浴槽水の温度が目標温度より所定温度高い温度以上であると、浴槽水が冷めやすくない状況であると判別するようにした。
【0009】
また、前記判別手段は、前記即時追焚き運転の開始または終了から所定時間以内に差し水スイッチの操作による差し水要求があった場合は、浴槽水が冷めやすくない状況であると判別するようにした。
【0010】
また、前記判別手段は、前記確認追焚き運転の開始時に浴槽水の温度が目標温度より所定温度低い温度以下であった場合は、浴槽水が冷めやすい状況であると判別するようにした。
【0011】
また、前記判別手段は、追焚きスイッチの操作による追焚き要求があった場合は、浴槽水が冷めやすい状況であると判別するようにした。
【0012】
また、冬季とそれ以外の季節を判定する季節判定手段を設け、前記判別手段は、前記季節判定手段が冬季と判定していると、浴槽水が冷めやすい状況であると判別するようにした。
【0013】
また、前記季節判定手段は、外気温度、給水温度、カレンダー機能の何れかによって冬季とそれ以外の季節を判定するようにした。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、浴槽水が冷めやすい状況であれば、即時追焚き運転を行うので、追焚き開始から直ぐに昇温が開始され、浴槽水が冷めやすくない状況であれば、確認追焚き運転を行うので、浴槽水の温度を無用に昇温してしまうことがなく、追焚きの入浴感を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態の概略構成図
【図2】同一実施形態の作動を説明するための状態遷移図
【図3】同一実施形態の追焚き運転の作動を説明するためのフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の風呂給湯装置の一実施形態を図1に示す貯湯式風呂給湯装置に基づいて説明する。
1は湯水を貯湯する貯湯タンク、2は貯湯タンク1に給水する給水管、3は給水管2に設けられ給水圧を減圧する減圧弁、4は貯湯タンク1上部から出湯する出湯管、5は出湯管4に設けられ過圧を逃がす過圧逃がし弁、6は減圧弁3の下流側の給水管2から分岐した給水バイパス管、7は出湯管4からの湯水と給水バイパス管6からの水とを混合する給湯混合弁、8は給湯混合弁7からの湯水を給湯する給湯管、9は給湯管8に設けられた給湯温度センサ、10は給湯管8に設けられた給湯流量センサ、11は貯湯タンク1の側面上下に複数設けられ貯湯温度を検出する貯湯温度センサ、12は給水温度を検出する給水温度センサ、13は給湯栓である。
【0017】
14は浴槽、15は貯湯タンク1内の上部に設けた風呂熱交換器(浴槽水を加熱する熱源に相当)、16は浴槽14と風呂熱交換器15とを浴槽水が循環可能に接続している風呂循環回路、17は風呂循環回路16途中に設けられた風呂循環ポンプ、18は風呂循環回路16の風呂熱交換器15上流側かつ風呂循環ポンプ17下流側から分岐されて風呂熱交換器15下流側へ接続する風呂熱交バイパス管、19は浴槽水を風呂熱交換器15へ循環させるか風呂熱交バイパス管18へ循環させるかを切り替える切替弁、20は浴槽14から風呂熱交換器15へ戻る浴槽水の温度を検出する風呂温度センサ、21は給湯管8から分岐されて風呂循環回路16へ接続された湯張り管、22は湯張り管21の開閉を行う湯張り電磁弁である。ここで風呂循環回路16、風呂熱交バイパス管18、切替弁19によって熱源を作動状態とするか非作動状態とするかを切り替える切替手段を構成している。
【0018】
23は冷媒を圧縮する圧縮機、24は冷媒と湯水を熱交換する給湯熱交換器、25は冷媒を減圧する減圧手段、26は低温冷媒を蒸発させる蒸発器としての空気熱交換器、27は空気熱交換器26に外気を送風する送風ファンであり、これら圧縮機23、給湯熱交換器24、減圧手段25、空気熱交換器26を冷媒配管28で環状に接続し、貯湯タンク1内の湯水を沸き上げるヒートポンプ加熱手段29を構成している。
【0019】
30は貯湯タンク1の下部と給湯熱交換器24の入口とを接続し、給湯熱交換器24の出口と貯湯タンク1の上部とを接続する加熱循環回路、31は給湯熱交換器24入口側の加熱循環回路30に設けられ貯湯タンク1下部から取り出した湯水を給湯熱交換器24を介して貯湯タンク1上部に循環させる加熱循環ポンプ、32は給湯熱交換器24に流入する湯水の温度を検出する入水温度センサ、33は給湯熱交換器24から流出する湯水の温度を検出する沸き上げ温度センサ、34は外気温度を検出する外気温度センサである。
【0020】
35は給湯温度や各種必要な設定を行うためのリモートコントローラで、給湯設定温度や風呂設定温度を表示する表示部36と、給湯設定温度および風呂設定温度を設定する温度設定スイッチ37と、浴槽14への所定湯量の湯張りに続いて所定の保温時間だけ保温運転を行わせるフロスイッチ38と、浴槽水を加熱する追焚き動作を行わせる追焚きスイッチ39と、浴槽14に差し水動作を行わせる差し水スイッチ40とを備えている。
【0021】
41はこの貯湯式風呂給湯装置の作動を制御する制御手段で、予め作動を制御するためのプログラムが記憶されていると共に、演算、比較、記憶機能、カレンダ機能付き時計機能を有し、給湯温度センサ9、給湯流量センサ10、貯湯温度センサ11、給水温度センサ12、風呂温度センサ20、入水温度センサ32、沸き上げ温度センサ33、外気温度センサ34、にて検出される値が入力され、給湯混合弁7、風呂循環ポンプ17、切替弁19、湯張り電磁弁22、圧縮機23、減圧手段25、送風ファン27、加熱循環ポンプ31の駆動を制御するもので、リモートコントローラ35と通信可能に接続されているものである。
【0022】
制御手段41には、浴槽水が冷めやすい状況か否かを判別する判別手段42と冬季とそれ以外の季節を判定する季節判定手段43とが設けられていると共に、制御手段41は、浴槽14への湯張りが行われた後に、浴槽水が冷めやすい状況である場合には、所定のインターバル時間毎に浴槽水温度を確認する前に追焚きを行う即時追焚き運転を実施し、浴槽水が冷めやすくない状況である場合には、所定のインターバル時間毎(例えば20分間毎)に浴槽水温度を確認し、浴槽水温度が風呂設定温度(目標温度)に達していなかったら追焚きを行う確認追焚き運転を実施するようにしているものである。
【0023】
判別手段42は、図2に示すように、有る条件を満たすことで冷めやすい状況と冷めやすくない状況の状態が遷移するようにして状況を判別するもので、確認追焚き運転の開始時の浴槽水温度が風呂設定温度より所定温度α℃(例えば1.5℃)低い温度以下である場合か、リモートコントローラ35の追焚きスイッチ39がオン操作されたことがあった場合、または、季節判定手段43が冬季であると判定している場合に、判別手段42は浴槽水が冷めやすい状況であると判別し、即時追焚き運転の開始から終了までの間において浴槽水温度が風呂設定温度より所定温度β℃(例えば1.5℃)高い温度以上となった場合、または、即時追焚き運転の開始または終了から一定時間(例えば5分間)以内にリモートコントローラ35の差し水スイッチ40がオン操作されたことが複数回検出された場合に、判別手段42は浴槽水が冷めやすくない状況であると判別するようにしている。
【0024】
季節判定手段43は、外気温度センサ34で検出する特定時刻の外気温度の1週間の平均気温が所定温度(例えば10℃)未満であると冬季と判定し、所定温度以上であると冬季以外であると判定するようにしている。ここで、特定時刻は、例えばヒートポンプ加熱手段29の沸き上げ動作によって送風ファン27が作動するであろう深夜時間帯の特定時刻(例えば深夜3時)が好ましく、送風ファン27の作動によって毎日同じ条件で外気温度を検出することができる。この季節判定手段43は、外気温度以外にも、給水温度センサ12で検出する給水温度の1週間の平均値や、最下部の貯湯温度センサ11で検出する給水温度と見なせる温度の1週間の平均値、または、カレンダー機能の現在日付によって冬季と判定するようにしてもよいものである。
【0025】
そして、夜中の所定時間帯の開始時刻になると制御手段40は前日までの給湯負荷量に見合う湯量を沸き上げ開始するべく、圧縮機23と減圧手段25と送風ファン27と加熱循環ポンプ31を駆動開始して貯湯タンク1下部から取り出した湯水を給湯熱交換器24で沸き上げ設定温度まで加熱して貯湯タンク1上部へ戻し、貯湯タンク1上部から沸き上げ設定温度の湯を積層状に貯湯し、最下部の貯湯温度センサ11が所定の沸き上げ終了判定温度を検出すると、沸き上げ運転を終了する。
【0026】
そして、給湯栓13が開かれ、給湯流量センサ10が給湯開始と見なせる量以上の流量を検出すると、制御手段41は給湯温度センサ9で検出する給湯温度がリモートコントローラ35で設定した給湯設定温度となるように給湯混合弁10の開度を調節し、出湯管4からの湯と給水バイパス管9からの水とを混合して給湯設定温度の湯を給湯する。
【0027】
次に、リモートコントローラ35のフロスイッチ38がオンされた場合について説明すると、制御手段41は湯張り電磁弁22を開き、給湯温度センサ9で検出する給湯温度がリモートコントローラ35で設定した風呂設定温度となるように給湯混合弁10の開度を調節して風呂設定温度の湯を湯張りし、給湯流量センサ10が検出する湯張り電磁弁22を開いてからの流量積算値が予めリモートコントローラ35等で設定した所定湯量に達すると湯張り電磁弁22を閉じる。
【0028】
そして、切替弁19を風呂熱交バイパス管18側状態として風呂循環ポンプ17を駆動し、風呂温度センサ20で検出する浴槽水温度が風呂設定温度未満であれば切替弁19を風呂熱交換器15側状態として浴槽水を加熱し、風呂設定温度以上を検出すると、風呂循環ポンプ17を停止して湯張り運転を完了する。
【0029】
次に、湯張り運転を完了すると制御手段41は所定の保温時間(例えば2時間)の保温運転を行う。なお、湯張り運転の完了から所定の保温時間が経過すると、浴槽水の保温運転を行わないようにしている。
【0030】
図3のフローチャートに基づいてこの保温運転について説明すると、制御手段41は、湯張り運転を完了したと同時にインターバルタイマで時間をカウント開始し、所定のインターバル時間が経過すると(ステップS1でYes)、ステップS2でインターバルタイマをリセットし、ステップS3で判別手段42が浴槽水が冷めやすい状況と判別しているか否かを確認する。
【0031】
判別手段42が浴槽水が冷めやすい状況と判別している場合には(ステップS3でYes)、即時追焚き運転を行うべく、ステップS4で切替弁19を風呂熱交換器15側状態として熱源作動状態とし、続くステップS5風呂循環ポンプ17を駆動開始して、浴槽水温度を確認する前に追焚きを開始する。
【0032】
そして、風呂循環ポンプ17を駆動開始してから風呂循環ポンプ17の作動が安定し浴槽14内にあった浴槽水が循環してくるであろう時間(ここでは30秒間)が経過したら、ステップS6で風呂温度センサ20で検出する浴槽水温度が風呂設定温度以上であるか否かを判定し、浴槽水温度が風呂設定温度以上であることを確認すると、ステップS7で風呂循環ポンプ17の駆動を停止して追焚きを終了し、再度ステップS1へ戻る。
【0033】
一方、前記ステップS3で浴槽水が冷めやすくない状況であると、確認追焚き運転を行うべく、ステップS8で切替弁19を風呂熱交バイパス管18側状態として熱源非作動状態とし、続くステップS8で風呂循環ポンプ17を駆動開始して、風呂温度センサ20で浴槽水温度を確認する(ステップS10)。
【0034】
浴槽水温度が風呂設定温度以上あれば、ステップS7へ進み風呂循環ポンプ17を停止して再度ステップS1へ戻り、浴槽水温度が風呂設定温度未満であれば、ステップS11で切替弁19を風呂熱交換器15側状態へ切り替えて熱源作動状態とし、追焚きを開始し、ステップS12で風呂温度センサ20で検出する浴槽水温度が風呂設定温度以上であるか否かを判定し、浴槽水温度が風呂設定温度以上であることを確認すると、ステップS7で風呂循環ポンプ17の駆動を停止して追焚きを終了し、再度ステップS1へ戻る。
【0035】
ここで、判別手段42は、確認追焚き運転の開始時、好ましくは浴槽水温度の確認時(ステップS10の時点)の浴槽水温が風呂設定温度より所定温度α℃低い温度以下である場合は、所定のインターバル時間の経過によって浴槽水温度が想定以上に低下しているため、浴槽水が冷めやすい状況にあることが確実に判別でき、また、追焚きスイッチ39がオン操作された場合は、所定のインターバル時間毎の追焚きでは浴槽水の温度が不十分であると入浴者が思っていると考えられるため、浴槽水が冷めやすい状況にあると推定できるものである。
【0036】
また、判別手段42は、即時追焚き運転の開始から終了までの間(ステップS4からステップS7までの間で、好ましくはステップS6の時点)において、浴槽水温度が風呂設定温度より所定温度β℃高い温度以上となった場合は、所定のインターバル時間毎の即時追焚き運転では浴槽水温度が目標温度よりも高くなりすぎているため、浴槽水が冷めやすくない状況にあることが確実に判別でき、また、即時追焚き運転の開始または終了から一定時間以内に差し水スイッチ40がオン操作されたことが所定期間内(例えば三日間)に複数回(例えば三回)検出された場合は、所定のインターバル時間での追焚き運転では浴槽水の温度が高いと入浴者が思っていると考えられるため、浴槽水が冷めやすくない状況にあると推定できる。
【0037】
このように判別手段42は、追焚きスイッチ39または差し水スイッチ40の操作による入浴者の意向も加味した上で確実に浴槽水が冷めやすい状況か、冷めやすくない状況かを判別することができるものである。
【0038】
さらに、季節判定手段43によって冬季を確実に判定できるため、判別手段42は、季節判定手段43が冬季であると判定している場合は、他の条件によって浴槽水が冷めにくい状況であると判別していたとしても浴槽水が冷めやすい状況であるので、他の条件に優先して浴槽水が冷めやすい状況であると判別するようにしているものである。
【0039】
このように、浴槽水が冷めやすい状況であれば、即時追焚き運転を行うので、追焚き開始から直ぐに昇温が開始され、温かな湯が素早く供給され入浴感を向上できると共に、熱源非作動状態にて浴槽水の温度確認を行うことによる放熱ロスを減少でき、さらに、風呂循環ポンプ17の駆動電力も節約できる。
【0040】
また、浴槽水が冷めやすくない状況であれば、確認追焚き運転を行うので、浴槽水の温度を無用に昇温してしまうことがなく、追焚きの入浴感を向上することができると共に、浴槽水が冷めていない場合は追焚き運転が行われないので、無駄な熱や電気をロスすることがない。
【0041】
なお、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲での改変が可能で、例えば、本実施形態では熱源として貯湯タンク1内の風呂熱交換器15を例示したが、貯湯タンク外に風呂熱交換器を配置する公知の構成や、ガス燃料や石油燃料によって燃焼加熱するバーナ方式の公知の構成で熱源を構成してもよく、その場合、熱源の作動、非作動も公知の構成により実現可能なものである。
【符号の説明】
【0042】
14 浴槽
15 風呂熱交換器(熱源)
16 風呂循環回路
17 風呂循環ポンプ
18 風呂熱交バイパス管(切替手段)
19 切替弁(切替手段)
20 風呂温度センサ
39 追焚きスイッチ
40 差し水スイッチ
41 制御手段
42 判別手段
43 季節判定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽水を加熱するための熱源と、浴槽と前記熱源とを浴槽水が循環可能に接続する風呂循環回路と、前記熱源を作動状態とするか非作動状態とするかを切り替える切替手段と、前記風呂循環回路途中に設けられ浴槽水を循環させるための風呂循環ポンプと、前記風呂循環回路の前記熱源上流側に設けられ浴槽水温度を検出する風呂温度センサと、所定のインターバル時間毎に前記切替手段を前記熱源非作動状態として前記風呂循環ポンプを作動し浴槽水を循環させて浴槽水の温度を確認し、目標温度に達していなかったら前記切替手段を前記熱源作動状態に切り替えて浴槽水を加熱する確認追焚き運転か、所定のインターバル時間毎に前記切替手段を熱源作動状態としてから前記風呂循環ポンプを作動し浴槽水の温度を確認する前に浴槽水を加熱する即時追焚き運転の何れか一方の運転を行わせる制御手段と、浴槽水が冷めやすい状況か否かを判別する判別手段とを備え、前記制御手段は、前記判別手段が冷めやすい状況であると判別していた場合は、前記即時追焚き運転を行い、前記判別手段が冷めやすくない状況であると判別していた場合は、前記確認追焚き運転を行うようにしたことを特徴とする風呂給湯装置。
【請求項2】
前記判別手段は、前記即時追焚き運転時に浴槽水の温度が目標温度より所定温度高い温度以上であると、浴槽水が冷めやすくない状況であると判別するようにしたことを特徴とする請求項1記載の風呂給湯装置。
【請求項3】
前記判別手段は、前記即時追焚き運転の開始または終了から所定時間以内に差し水スイッチの操作による差し水要求があった場合は、浴槽水が冷めやすくない状況であると判別するようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の風呂給湯装置。
【請求項4】
前記判別手段は、前記確認追焚き運転の開始時に浴槽水の温度が目標温度より所定温度低い温度以下であった場合は、浴槽水が冷めやすい状況であると判別するようにしたことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の風呂給湯装置。
【請求項5】
前記判別手段は、追焚きスイッチの操作による追焚き要求があった場合は、浴槽水が冷めやすい状況であると判別するようにしたことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の風呂給湯装置。
【請求項6】
冬季とそれ以外の季節を判定する季節判定手段を設け、前記判別手段は、前記季節判定手段が冬季と判定していると、浴槽水が冷めやすい状況であると判別するようにしたことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の風呂給湯装置。
【請求項7】
前記季節判定手段は、外気温度、給水温度、カレンダー機能の何れかによって冬季とそれ以外の季節を判定するようにしたことを特徴とする請求項6記載の風呂給湯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−88002(P2012−88002A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−236326(P2010−236326)
【出願日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(000000538)株式会社コロナ (753)
【Fターム(参考)】