食器棚型の家具
本発明は、側壁(2)を備える食器棚型の家具(1)であって、各側壁2は、蓋(7)を移動するように構成された位置決め装置(4)を備えており、この双方の位置決め装置(4)はこれらの動作を同期化するために同期化ロッド(10)によって連結されている食器棚型の家具に関する。この同期化ロッド(10)の端部の少なくとも一方の領域において、前記同期化ロッド(10)は、この同期化ロッド(10)を前記位置決め装置(4)の回転部(17)に取り外し可能に連結するための固定機構(22)を備えており、この同期化ロッド(10)は、前記回転部(17)が食器棚(1)の側壁(2)に既に固定されている場合にこの回転部(17)に連結することができることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、側壁を備える食器棚であって、各側壁は、蓋を移動するように構成された位置決め装置を備えており、双方の位置決め装置はこれらの動作を同期化するために同期化ロッドによって連結されており、この同期化ロッドの端部の少なくとも一方の領域において、前記同期化ロッドは、この同期化ロッドを前記位置決め装置の回転部に取り外し可能に連結するための固定機構を備える食器棚に関する。
【0002】
本発明は更に、この種の同期化ロッドを食器棚の対向する側壁に取り付けられた位置決め装置に装着する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
上記の位置決め装置は、家具−特に頭上の食器棚−の蓋又は開き戸を開位置から閉位置もしくは閉位置から開位置に移動するために好ましくは使用される。
【0004】
重い蓋及び/又は大きな表面積を有する蓋の場合に、この種の位置決め装置は、各直立側壁に配置されており、各位置決め装置は架設された同期化ロッドによって他方の位置決め装置に連結されている。
【0005】
一方では、これによって2つの位置決め装置が共に調整されるようにし、他方では、同期化ロッドは、双方の位置決め装置の同期的な回転動作を提供し、蓋の均一な動作を提供するために与えられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、幅広い調整性を備えた、冒頭で記載したタイプの同期化ロッドを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これは、本発明の有益な構成によってなされ、固定機構は、回転部が家具の側壁に既に固定されている場合に同期化ロッドが回転部に連結することができるように構成されている。
【0008】
本発明の構成により、同期化ロッドは、必要であれば取り外すことができるように、回転部に取り外し可能に取り付けることができる。
【0009】
特定の利点は、2つの位置決め装置をまず蓋に容易に装着することができ、この後に同期化ロッドを装着することができることである。これにより、取り付けにおいて僅かな誤差及び他の取り付け交差を補償することができる。
【0010】
更なる利点は、同期化ロッドの長さが調整可能になされた場合、様々な幅を有する様々な家具に使用することができ、この同期化ロッドの用途が大変広がる。論理的な利点としては、各部品、つまり位置決め装置及び同期化ロッドを別々に梱包することができるため、梱包サイズを減少することができることである。
【0011】
本発明の好適な実施例は、同期化ロッドはその各端部領域において、各位置決め装置上の回転部に取り外し可能に連結されるように固定機構を組み込んでいる。
【0012】
位置決め装置の「回転部」は、例えば、蓋又は別の部品もしくは軸受け部品を移動するための位置決めアームであってもよく、動作中に蓋の動作に協働する。この構成において、回転部が家具の側壁に直接予め組み立てられているか、位置決め装置を介して間接的に側壁に取り付けられているか、又は位置決め装置の筐体部を介して間接的に家具の壁部に取り付けられているかには関係しない。
【0013】
本発明の好適な実施例は、少なくとも一つの固定機構がネジ込み式接続部を備えるようになされている。あるいは、もしくはこれに加えて、少なくとも一つの固定機構が機械的ラッチ接続部を有する場合にも有益となり得る。機械的ラッチ接続部は、互いに係合する2つのラッチ部品を備え、一方のラッチ部品が他方に掛かっており、枢着によってラッチ止めされるようになされてもよい。これにより、同期化ロッドを回転部に容易にカチッとはめることができる。
【0014】
選択的に、又はこれに加えて、少なくとも一つの固定機構が、同期化ロッドを位置決め装置にツイストロック接続するための相互接続部を有する場合にも有益となり得る。この実際的な構成は、同期化ロッドの少なくとも一端が、位置決め装置の回転部にある対応する開口部に挿入可能な非円形断面を備える場合である。
【0015】
公知の全ての蓋用ステー又は位置決め具を本位置決め装置を構成するために使用することができる。
【0016】
実際的な一実施例は、位置決め装置が、蓋を移動するために備えられる位置決めアームを有するものである。この位置決めアームは、バネ装置の形態であり得る位置決め装置によって通常は作動する。例えば、このバネ装置は、開位置において重い蓋を支持することができるように設計・配置されている。この構成において、位置決め装置は、開位置と閉位置との間で第1のスイベルピンを中心に旋回することができるように側壁又は筐体に取り付けられており、第2のスイベルピンを中心に旋回することができるように蓋又はこの蓋上の取り付け具に連結されている場合に有益となり得る。この点で、この実施例は、同期化ロッドを位置決めアームの第1のスイベルピンに固定することができるように配置することができる。しかしながら、本発明の範囲には、同期化ロッドが好ましくは公知の制御カムの近くで取り外し可能に固定されるものも含まれる。
【0017】
本発明の更なる有益な実施例では、装着された状態の同期化ロッドが、位置決め装置の回転部と共に同軸で回転する。位置決め装置と同期化ロッドとの間の堅固な接続によって、位置決め装置の一方のトルクが他方に直接伝達し、蓋の開閉運動を調和させることを可能にする。
【0018】
異なる幅を有する家具に同じ同期化ロッドを装着できるようにこの同期化ロッドを形成する好適な方法は、好ましくは入れ子式に互いに押し込むことができるか、又は互いに取り付けるこができる、少なくとも2つの部品で同期化ロッドを構成することである。
【0019】
実際的な実施例において、これらの部品は、これら両方の部品を離すバネ力によって作用されるように構成することができ、同期化ロッドが装着された状態でその両端で支持され、外向きの力によって適所に保持される。同期化ロッドの相対的な長さが予め決定されている場合、固定手段、好ましくは偏心クランプによってこの2つの部品の相対的な位置を共に固定することが有益である。
【0020】
本発明の別の好適な実施例において、同期化ロッドの外観を良くするために固定機構をスリーブ部品で覆うことが有益となり得る。このスリーブ部品が、同期化ロッドに沿って‐好ましくは長手方向に‐摺動することができるように同期化ロッド上に配置されていることが好ましい。これにより、例えば工具が届くように固定機構を露出することができる。一旦この操作が終了すると、このスリーブ部品は、固定機構を完全に覆う位置に戻される。
【0021】
食器棚の2つの対向する側壁に配置されるべき位置決め装置の動作の同期化を確実にするために構成され、少なくとも一つの位置決め装置が蓋を移動するための少なくとも一つの回転部を有する同期化ロッドを組み立てるための本発明による方法は、
−前記回転部は、第1の組立工程において食器棚の側壁に固定されることと、
−前記同期化ロッドは、第2の組立工程において回転部に固定されることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の他の利点及び詳細は、添付の図を参照にし、下記に詳細に記載される。
【0023】
図1は、側壁2と食器棚上板3とを備える食器棚1を示している。
【0024】
側壁2の上部は、これに固定された位置決め装置4を備えており、この位置決め装置4は、2つの位置決めアーム5及び5’によって蓋上の取付具6に蝶着されている。取手を備えており上方に開く蓋7は、取付具6に固定されており、家具本体を後方に振り上げることができるように固定されている。大きく平らな又は重い蓋は、食器棚1の2つの側壁2に位置決め装置4を備えることによって移動させることができ、これらの側壁2は同期化ロッド10によって連結されており、双方の位置決め装置4の同期化された動作を確実にする。同期化ロッド10の横断面は、例示目的のみであって、他の図面でより詳細に示される。
【0025】
図2aは、位置決め装置4の斜視図を示しており、図2bは、本発明のこの実施例の分解図である。位置決め装置4は、ベースプレート又は筐体11を備えており、この筐体11内において、バネ装置といったアクチュエータ(図示されず)が位置決めアーム5及び5’に作用するように組み込まれている。枢支された制御カム14は、筐体11内に配置されており、前記アーム及び中間レバー9が取付具6に固定された蓋7を移動させる。位置決め装置4との回転運動を同期化するために、同期化ロッド10は、取り外し可能な固定機構12を介して位置決めアーム5に堅固に固定されている。
【0026】
図2bにおいて、同期化ロッド10の軸方向に沿って摺動可能なスリーブ部13は、固定機構12を覆っている。図2bにおいて、回転部17がネジによって取り付けられていることが分かる。この回転部17は、カップ状であって、外面に凹部17’を有しており、この凹部17’には、同期化ロッド10の非円形断面部10’が挿入される。非円形断面部10’は、軸方向に対して直角に走る穴で貫通しており、この穴は回転部17にねじ込まれるネジ15を受け入れる。最後に、管状スリーブ形状のスリーブ部13は、固定機構12の外周にはめ込まれる。
【0027】
図3は、位置決め装置4の詳細な拡大図である。回転部17はネジ16によって位置決めアーム5にネジ止めされている。同期化ロッド10の非円形断面部10’は開口部17’に挿入されて、この図では、同期化ロッド10はこのツイストロック接続によって好ましくは保持される。同期化ロッド10が回転部17から抜け落ちるのを防ぐために、スリーブ部13は、回転部17の外周にはめ込まれる。
【0028】
図4a〜4cは、位置決め装置4を様々な態様において示す。
【0029】
図4aは、図2a及び2bに既に示した位置決め装置4の側面図である。
【0030】
図4bは、図4aの線A−Aにおける断面図である。
【0031】
図4cは、図4bのB部の拡大図である。図4cによると、回転部17は、ネジ16によって、筐体11に対して位置決めアーム5に固定されている。同期化ロッド10の非円形断面部10’は、回転部17に垂直に挿入されたネジ15によって固定されている。次にスリーブ部13が固定機構12の外周にはめ込まれる。
【0032】
図5aは、筐体11と取付具6とを備える位置決め装置4の一実施例の上面図である。図5bは、図5aの線C−Cにおける断面図である。同期化ロッド10の非円形断面部10’は投影10”を有しており、この投影10”は、回転部17の凹部に嵌合する。これらの部品の両方は互いに回転するように固定されているので、組立状態において同期化ロッド10は位置決め装置の回転部17と共に同軸で回転する。
【0033】
図6は、長手方向に調整可能な同期化ロッド10を備える本発明の別の実施例を示す。このロッドは、2つの部品10a及び10bを備えており、これらの部品は共に摺動する。よって、同期化ロッド10は食器棚1の枠の任意の幅に適合するように構成されている。2つの位置決め装置4を連結するために長さが調整される場合、2つの部品10a及び10bの相対的な位置は偏心留め具からなる固定具18を使用して固定することができる。この偏心留め具は、凸部18’に挿入されて、部品10a及び10bの両方を係止する。回転部17は、組立体及び寸法公差の僅かな誤差を補償するために、位置決め装置4及び位置決めアーム5に対して半径方向及び回転方向の運動の一定量を許す機構(例えば細長い孔)(図示されず)を有している。
【0034】
図7は、本発明の一実施例を示しており、同期化ロッド10の両端部が非円形断面部10’(図では多角形である)を有しており、固定機構12の一部をなす。非円形断面部10’の長手方向断面図は、僅かに先細りであって、回転部17に挿入する場合にほとんど遊びが無い。更に、偏心留め具18は同期化ロッド10の部品10aに挿入され、よって部品10a及び10bの両方の相対位置が固定されることが分かる。管状スリーブ部13は、固定機構12上で摺動する。
【0035】
図8aは、同期化ロッド10の取り外し可能な連結の一例を示しており、これは工具が要らず、回転部17に組み込まれた機械的ラッチ接続部20からなっており、回転部17は位置決めアーム5上に配置されているか又は位置決めアーム5内に形成されている。図8bは、図8aのラッチ止めされた同期化ロッド10を備える回転部17を通る縦断面を示す。第1の組立作業において、位置決め装置4は食器棚1の2つの対向する側壁2のそれぞれに組み付けられる。同期化ロッド10は、好ましくは調整可能であって、回転部17の回転軸に対して直角に回転部17内に又はこの上に前方からスライドされる。機械的ラッチ接続部20は、回転部17内に少なくとも部分的にネジ止めされたピン20aを備えており、ボール20c(好ましくはバネ荷重式)がピン20aの底面に配置されており、ボール20cは同期化ロッド10に設けられたくぼみ20b内に圧入することができ、よって同期化ロッド10が位置決め装置4の回転部17にラッチ止めされる。本発明の一実施例によると、組立状態において、同期化ロッド10の長手方向軸は回転部の回転軸と実質的に同一線上である。家具の前方に立つユーザが自分のほうに同期化ロッド10を単に引き出すことによってこの同期化ロッド10を容易に移動できる。
【0036】
図9a及び9bは、同期化ロッド10と位置決めアーム5の回転部17との間の取り外し可能な構成の更なる実施例を示す。図示されるようにネジ22が備えられ、同期化ロッド10にネジ止めすると、2つの掴み具21a及び21bが回転部17内で放射状に広がり、同期化ロッド10と回転部17との間で圧力嵌めを形成する。回転部17の回転軸Mにも注目すると、同期化ロッド10が回転軸Mに対して垂直に(すなわち矢印X方向に)回転部17において摺動することができる。これにより、位置決め装置を取り付けられた後、又は位置決めアーム5が取り付けられた後に、同期化ロッド10の単純な組立体が構成される。
【0037】
図9bは、同期化ロッド10を備える図9aに示された構成の水平方向断面図を示す。
【0038】
図10は、食器棚1の斜視図であって、位置決め装置4及び4’が蓋7(図1)(他の構成がよく分かるようにここでは図示していない)を移動するために2つの対向する側壁2のそれぞれに配置されている。図示されるように、蓋7は上方に開き、閉位置では垂直である。蓋7の安定した動作を提供するために、同期化ロッド10によって位置決め装置4及び4’の同期化がなされる。この同期化ロッド10はその少なくとも一端、好ましくは両端を、予め取り付けられた回転部17に取り外し可能に連結する。食器棚上板3の一部がより分かりやすくするために切り取られている。同期化ロッド10は、予め取り付けられた回転部17の回転軸に対して直角に(すなわち位置決め装置4及び4’のそれぞれの回転部17内へ又は回転部17外へ両方の矢印Xの方向へ)移動することが容易で、好ましくは共にラッチ止め及び/又はネジ止めすることができる。
【0039】
本発明は、例示された実施例に限定されるものではなく、添付の請求の範囲に当てはまる全ての変形及び技術的均等物を含み、かつ、これらに及ぶ。
【0040】
更に、本明細書で選択された上、下といった位置的な用語は、位置決め装置4の一般的な設置場所又は図面に関しており、位置が変更された場合、係る用語は新しい位置において同じ意味で解釈される。同期化ロッド10と回転部17との間の連結は、当業者に知られている手段(例えば、様々なラッチ及び/又はネジ止めされた連結)によってなされることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明による家具の一実施例の側面図である。
【図2a】横方向に延在する同期化ロッドを備える位置決め装置の斜視図と、この位置決め装置の分解図である。
【図2b】横方向に延在する同期化ロッドを備える位置決め装置の斜視図と、この位置決め装置の分解図である。
【図3】回転部及び同期化ロッドの拡大詳細図である。
【図4a】位置決め装置の様々な図である。
【図4b】位置決め装置の様々な図である。
【図4c】位置決め装置の様々な図である。
【図5a】位置決め装置の平面図と、図5aの線C−Cにおける断面図である。
【図5b】位置決め装置の平面図と、図5aの線C−Cにおける断面図である。
【図6】同期化ロッドの長さを調節可能な本発明の別の実施例である。
【図7】同期化ロッドの固定部品を備える図6の実施例である。
【図8a】機械的ラッチ結合によって、同期化ロッドを、予め取り付けられた位置決め装置に連結する手段の一例である。
【図8b】機械的ラッチ結合によって、同期化ロッドを、予め取り付けられた位置決め装置に連結する手段の一例である。
【図9a】ネジ込み式接続手段によって、同期化ロッドを、予め取り付けられた位置決め装置に連結する手段の一例である。
【図9b】ネジ込み式接続手段によって、同期化ロッドを、予め取り付けられた位置決め装置に連結する手段の一例である。
【図10】予め取り付けられた位置決め装置と、これらに取り外し可能に連結された同期化ロッドとを備える食器棚の斜視図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、側壁を備える食器棚であって、各側壁は、蓋を移動するように構成された位置決め装置を備えており、双方の位置決め装置はこれらの動作を同期化するために同期化ロッドによって連結されており、この同期化ロッドの端部の少なくとも一方の領域において、前記同期化ロッドは、この同期化ロッドを前記位置決め装置の回転部に取り外し可能に連結するための固定機構を備える食器棚に関する。
【0002】
本発明は更に、この種の同期化ロッドを食器棚の対向する側壁に取り付けられた位置決め装置に装着する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
上記の位置決め装置は、家具−特に頭上の食器棚−の蓋又は開き戸を開位置から閉位置もしくは閉位置から開位置に移動するために好ましくは使用される。
【0004】
重い蓋及び/又は大きな表面積を有する蓋の場合に、この種の位置決め装置は、各直立側壁に配置されており、各位置決め装置は架設された同期化ロッドによって他方の位置決め装置に連結されている。
【0005】
一方では、これによって2つの位置決め装置が共に調整されるようにし、他方では、同期化ロッドは、双方の位置決め装置の同期的な回転動作を提供し、蓋の均一な動作を提供するために与えられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、幅広い調整性を備えた、冒頭で記載したタイプの同期化ロッドを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これは、本発明の有益な構成によってなされ、固定機構は、回転部が家具の側壁に既に固定されている場合に同期化ロッドが回転部に連結することができるように構成されている。
【0008】
本発明の構成により、同期化ロッドは、必要であれば取り外すことができるように、回転部に取り外し可能に取り付けることができる。
【0009】
特定の利点は、2つの位置決め装置をまず蓋に容易に装着することができ、この後に同期化ロッドを装着することができることである。これにより、取り付けにおいて僅かな誤差及び他の取り付け交差を補償することができる。
【0010】
更なる利点は、同期化ロッドの長さが調整可能になされた場合、様々な幅を有する様々な家具に使用することができ、この同期化ロッドの用途が大変広がる。論理的な利点としては、各部品、つまり位置決め装置及び同期化ロッドを別々に梱包することができるため、梱包サイズを減少することができることである。
【0011】
本発明の好適な実施例は、同期化ロッドはその各端部領域において、各位置決め装置上の回転部に取り外し可能に連結されるように固定機構を組み込んでいる。
【0012】
位置決め装置の「回転部」は、例えば、蓋又は別の部品もしくは軸受け部品を移動するための位置決めアームであってもよく、動作中に蓋の動作に協働する。この構成において、回転部が家具の側壁に直接予め組み立てられているか、位置決め装置を介して間接的に側壁に取り付けられているか、又は位置決め装置の筐体部を介して間接的に家具の壁部に取り付けられているかには関係しない。
【0013】
本発明の好適な実施例は、少なくとも一つの固定機構がネジ込み式接続部を備えるようになされている。あるいは、もしくはこれに加えて、少なくとも一つの固定機構が機械的ラッチ接続部を有する場合にも有益となり得る。機械的ラッチ接続部は、互いに係合する2つのラッチ部品を備え、一方のラッチ部品が他方に掛かっており、枢着によってラッチ止めされるようになされてもよい。これにより、同期化ロッドを回転部に容易にカチッとはめることができる。
【0014】
選択的に、又はこれに加えて、少なくとも一つの固定機構が、同期化ロッドを位置決め装置にツイストロック接続するための相互接続部を有する場合にも有益となり得る。この実際的な構成は、同期化ロッドの少なくとも一端が、位置決め装置の回転部にある対応する開口部に挿入可能な非円形断面を備える場合である。
【0015】
公知の全ての蓋用ステー又は位置決め具を本位置決め装置を構成するために使用することができる。
【0016】
実際的な一実施例は、位置決め装置が、蓋を移動するために備えられる位置決めアームを有するものである。この位置決めアームは、バネ装置の形態であり得る位置決め装置によって通常は作動する。例えば、このバネ装置は、開位置において重い蓋を支持することができるように設計・配置されている。この構成において、位置決め装置は、開位置と閉位置との間で第1のスイベルピンを中心に旋回することができるように側壁又は筐体に取り付けられており、第2のスイベルピンを中心に旋回することができるように蓋又はこの蓋上の取り付け具に連結されている場合に有益となり得る。この点で、この実施例は、同期化ロッドを位置決めアームの第1のスイベルピンに固定することができるように配置することができる。しかしながら、本発明の範囲には、同期化ロッドが好ましくは公知の制御カムの近くで取り外し可能に固定されるものも含まれる。
【0017】
本発明の更なる有益な実施例では、装着された状態の同期化ロッドが、位置決め装置の回転部と共に同軸で回転する。位置決め装置と同期化ロッドとの間の堅固な接続によって、位置決め装置の一方のトルクが他方に直接伝達し、蓋の開閉運動を調和させることを可能にする。
【0018】
異なる幅を有する家具に同じ同期化ロッドを装着できるようにこの同期化ロッドを形成する好適な方法は、好ましくは入れ子式に互いに押し込むことができるか、又は互いに取り付けるこができる、少なくとも2つの部品で同期化ロッドを構成することである。
【0019】
実際的な実施例において、これらの部品は、これら両方の部品を離すバネ力によって作用されるように構成することができ、同期化ロッドが装着された状態でその両端で支持され、外向きの力によって適所に保持される。同期化ロッドの相対的な長さが予め決定されている場合、固定手段、好ましくは偏心クランプによってこの2つの部品の相対的な位置を共に固定することが有益である。
【0020】
本発明の別の好適な実施例において、同期化ロッドの外観を良くするために固定機構をスリーブ部品で覆うことが有益となり得る。このスリーブ部品が、同期化ロッドに沿って‐好ましくは長手方向に‐摺動することができるように同期化ロッド上に配置されていることが好ましい。これにより、例えば工具が届くように固定機構を露出することができる。一旦この操作が終了すると、このスリーブ部品は、固定機構を完全に覆う位置に戻される。
【0021】
食器棚の2つの対向する側壁に配置されるべき位置決め装置の動作の同期化を確実にするために構成され、少なくとも一つの位置決め装置が蓋を移動するための少なくとも一つの回転部を有する同期化ロッドを組み立てるための本発明による方法は、
−前記回転部は、第1の組立工程において食器棚の側壁に固定されることと、
−前記同期化ロッドは、第2の組立工程において回転部に固定されることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の他の利点及び詳細は、添付の図を参照にし、下記に詳細に記載される。
【0023】
図1は、側壁2と食器棚上板3とを備える食器棚1を示している。
【0024】
側壁2の上部は、これに固定された位置決め装置4を備えており、この位置決め装置4は、2つの位置決めアーム5及び5’によって蓋上の取付具6に蝶着されている。取手を備えており上方に開く蓋7は、取付具6に固定されており、家具本体を後方に振り上げることができるように固定されている。大きく平らな又は重い蓋は、食器棚1の2つの側壁2に位置決め装置4を備えることによって移動させることができ、これらの側壁2は同期化ロッド10によって連結されており、双方の位置決め装置4の同期化された動作を確実にする。同期化ロッド10の横断面は、例示目的のみであって、他の図面でより詳細に示される。
【0025】
図2aは、位置決め装置4の斜視図を示しており、図2bは、本発明のこの実施例の分解図である。位置決め装置4は、ベースプレート又は筐体11を備えており、この筐体11内において、バネ装置といったアクチュエータ(図示されず)が位置決めアーム5及び5’に作用するように組み込まれている。枢支された制御カム14は、筐体11内に配置されており、前記アーム及び中間レバー9が取付具6に固定された蓋7を移動させる。位置決め装置4との回転運動を同期化するために、同期化ロッド10は、取り外し可能な固定機構12を介して位置決めアーム5に堅固に固定されている。
【0026】
図2bにおいて、同期化ロッド10の軸方向に沿って摺動可能なスリーブ部13は、固定機構12を覆っている。図2bにおいて、回転部17がネジによって取り付けられていることが分かる。この回転部17は、カップ状であって、外面に凹部17’を有しており、この凹部17’には、同期化ロッド10の非円形断面部10’が挿入される。非円形断面部10’は、軸方向に対して直角に走る穴で貫通しており、この穴は回転部17にねじ込まれるネジ15を受け入れる。最後に、管状スリーブ形状のスリーブ部13は、固定機構12の外周にはめ込まれる。
【0027】
図3は、位置決め装置4の詳細な拡大図である。回転部17はネジ16によって位置決めアーム5にネジ止めされている。同期化ロッド10の非円形断面部10’は開口部17’に挿入されて、この図では、同期化ロッド10はこのツイストロック接続によって好ましくは保持される。同期化ロッド10が回転部17から抜け落ちるのを防ぐために、スリーブ部13は、回転部17の外周にはめ込まれる。
【0028】
図4a〜4cは、位置決め装置4を様々な態様において示す。
【0029】
図4aは、図2a及び2bに既に示した位置決め装置4の側面図である。
【0030】
図4bは、図4aの線A−Aにおける断面図である。
【0031】
図4cは、図4bのB部の拡大図である。図4cによると、回転部17は、ネジ16によって、筐体11に対して位置決めアーム5に固定されている。同期化ロッド10の非円形断面部10’は、回転部17に垂直に挿入されたネジ15によって固定されている。次にスリーブ部13が固定機構12の外周にはめ込まれる。
【0032】
図5aは、筐体11と取付具6とを備える位置決め装置4の一実施例の上面図である。図5bは、図5aの線C−Cにおける断面図である。同期化ロッド10の非円形断面部10’は投影10”を有しており、この投影10”は、回転部17の凹部に嵌合する。これらの部品の両方は互いに回転するように固定されているので、組立状態において同期化ロッド10は位置決め装置の回転部17と共に同軸で回転する。
【0033】
図6は、長手方向に調整可能な同期化ロッド10を備える本発明の別の実施例を示す。このロッドは、2つの部品10a及び10bを備えており、これらの部品は共に摺動する。よって、同期化ロッド10は食器棚1の枠の任意の幅に適合するように構成されている。2つの位置決め装置4を連結するために長さが調整される場合、2つの部品10a及び10bの相対的な位置は偏心留め具からなる固定具18を使用して固定することができる。この偏心留め具は、凸部18’に挿入されて、部品10a及び10bの両方を係止する。回転部17は、組立体及び寸法公差の僅かな誤差を補償するために、位置決め装置4及び位置決めアーム5に対して半径方向及び回転方向の運動の一定量を許す機構(例えば細長い孔)(図示されず)を有している。
【0034】
図7は、本発明の一実施例を示しており、同期化ロッド10の両端部が非円形断面部10’(図では多角形である)を有しており、固定機構12の一部をなす。非円形断面部10’の長手方向断面図は、僅かに先細りであって、回転部17に挿入する場合にほとんど遊びが無い。更に、偏心留め具18は同期化ロッド10の部品10aに挿入され、よって部品10a及び10bの両方の相対位置が固定されることが分かる。管状スリーブ部13は、固定機構12上で摺動する。
【0035】
図8aは、同期化ロッド10の取り外し可能な連結の一例を示しており、これは工具が要らず、回転部17に組み込まれた機械的ラッチ接続部20からなっており、回転部17は位置決めアーム5上に配置されているか又は位置決めアーム5内に形成されている。図8bは、図8aのラッチ止めされた同期化ロッド10を備える回転部17を通る縦断面を示す。第1の組立作業において、位置決め装置4は食器棚1の2つの対向する側壁2のそれぞれに組み付けられる。同期化ロッド10は、好ましくは調整可能であって、回転部17の回転軸に対して直角に回転部17内に又はこの上に前方からスライドされる。機械的ラッチ接続部20は、回転部17内に少なくとも部分的にネジ止めされたピン20aを備えており、ボール20c(好ましくはバネ荷重式)がピン20aの底面に配置されており、ボール20cは同期化ロッド10に設けられたくぼみ20b内に圧入することができ、よって同期化ロッド10が位置決め装置4の回転部17にラッチ止めされる。本発明の一実施例によると、組立状態において、同期化ロッド10の長手方向軸は回転部の回転軸と実質的に同一線上である。家具の前方に立つユーザが自分のほうに同期化ロッド10を単に引き出すことによってこの同期化ロッド10を容易に移動できる。
【0036】
図9a及び9bは、同期化ロッド10と位置決めアーム5の回転部17との間の取り外し可能な構成の更なる実施例を示す。図示されるようにネジ22が備えられ、同期化ロッド10にネジ止めすると、2つの掴み具21a及び21bが回転部17内で放射状に広がり、同期化ロッド10と回転部17との間で圧力嵌めを形成する。回転部17の回転軸Mにも注目すると、同期化ロッド10が回転軸Mに対して垂直に(すなわち矢印X方向に)回転部17において摺動することができる。これにより、位置決め装置を取り付けられた後、又は位置決めアーム5が取り付けられた後に、同期化ロッド10の単純な組立体が構成される。
【0037】
図9bは、同期化ロッド10を備える図9aに示された構成の水平方向断面図を示す。
【0038】
図10は、食器棚1の斜視図であって、位置決め装置4及び4’が蓋7(図1)(他の構成がよく分かるようにここでは図示していない)を移動するために2つの対向する側壁2のそれぞれに配置されている。図示されるように、蓋7は上方に開き、閉位置では垂直である。蓋7の安定した動作を提供するために、同期化ロッド10によって位置決め装置4及び4’の同期化がなされる。この同期化ロッド10はその少なくとも一端、好ましくは両端を、予め取り付けられた回転部17に取り外し可能に連結する。食器棚上板3の一部がより分かりやすくするために切り取られている。同期化ロッド10は、予め取り付けられた回転部17の回転軸に対して直角に(すなわち位置決め装置4及び4’のそれぞれの回転部17内へ又は回転部17外へ両方の矢印Xの方向へ)移動することが容易で、好ましくは共にラッチ止め及び/又はネジ止めすることができる。
【0039】
本発明は、例示された実施例に限定されるものではなく、添付の請求の範囲に当てはまる全ての変形及び技術的均等物を含み、かつ、これらに及ぶ。
【0040】
更に、本明細書で選択された上、下といった位置的な用語は、位置決め装置4の一般的な設置場所又は図面に関しており、位置が変更された場合、係る用語は新しい位置において同じ意味で解釈される。同期化ロッド10と回転部17との間の連結は、当業者に知られている手段(例えば、様々なラッチ及び/又はネジ止めされた連結)によってなされることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明による家具の一実施例の側面図である。
【図2a】横方向に延在する同期化ロッドを備える位置決め装置の斜視図と、この位置決め装置の分解図である。
【図2b】横方向に延在する同期化ロッドを備える位置決め装置の斜視図と、この位置決め装置の分解図である。
【図3】回転部及び同期化ロッドの拡大詳細図である。
【図4a】位置決め装置の様々な図である。
【図4b】位置決め装置の様々な図である。
【図4c】位置決め装置の様々な図である。
【図5a】位置決め装置の平面図と、図5aの線C−Cにおける断面図である。
【図5b】位置決め装置の平面図と、図5aの線C−Cにおける断面図である。
【図6】同期化ロッドの長さを調節可能な本発明の別の実施例である。
【図7】同期化ロッドの固定部品を備える図6の実施例である。
【図8a】機械的ラッチ結合によって、同期化ロッドを、予め取り付けられた位置決め装置に連結する手段の一例である。
【図8b】機械的ラッチ結合によって、同期化ロッドを、予め取り付けられた位置決め装置に連結する手段の一例である。
【図9a】ネジ込み式接続手段によって、同期化ロッドを、予め取り付けられた位置決め装置に連結する手段の一例である。
【図9b】ネジ込み式接続手段によって、同期化ロッドを、予め取り付けられた位置決め装置に連結する手段の一例である。
【図10】予め取り付けられた位置決め装置と、これらに取り外し可能に連結された同期化ロッドとを備える食器棚の斜視図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
側壁(2)を備える食器棚(1)であって、
各側壁2は、蓋(7)を移動するように構成された位置決め装置(4)を備えており、この双方の位置決め装置(4)は、これらの動作を同期化するために同期化ロッド(10)によって連結されており、
この同期化ロッド(10)の端部の少なくとも一方の領域において、前記同期化ロッド(10)は、この同期化ロッド(10)を前記位置決め装置(4)の回転部(17)に取り外し可能に連結するための固定機構(22)を備えており、
この同期化ロッド(10)は、前記回転部(17)が食器棚(1)の側壁(2)に既に固定されている場合にこの回転部(17)に連結することができることを特徴とする食器棚。
【請求項2】
同期化ロッド(10)は、各端部の領域において、この同期化ロッド(10)と各位置決め装置(4、4’)の回転部(17)との間の取り外し可能な接続を提供するために固定機構(12)を組み込むことを特徴とする請求項1に記載の食器棚。
【請求項3】
同期化ロッド(10)は、工具を使用すること無く、少なくとも一つの位置決め装置(4)の回転部(17)に組付けるか、又はこの回転部(17)から取り外すことができることを特徴とする請求項1又は2に記載の食器棚。
【請求項4】
同期化ロッド(10)は、回転部(17)の回転軸(M)に対して直角にこの予め取り付けられた回転部(17)に好ましくは摺動するように連結することができる請求項1〜3のいずれかに記載の食器棚。
【請求項5】
同期化ロッド(10)の長手方向軸は、その組付けられた状態において、回転部(17)の回転軸と実質的に同一線上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の食器棚。
【請求項6】
少なくとも一つの固定機構(12)は、ネジ(22)を使用した込み式接続であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の食器棚。
【請求項7】
少なくとも一つの固定機構(12)は、機械的ラッチ接続部(20)であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の食器棚。
【請求項8】
機械的ラッチ接続部(20)は、嵌合ラッチ部(20b)と相互作用する好ましくはボールからなるバネ状の又はバネ荷重式の留め具(20c)であり、前記嵌合ラッチ部(20b)は好ましくはくぼみであることを特徴とする請求項7に記載の食器棚。
【請求項9】
機械的ラッチ接続部(20)は、互いに係合する2つのラッチ部を備えており、一方が他方に掛かっており、枢着によりこの他方にラッチ止めされることを特徴とする請求項7に記載の食器棚。
【請求項10】
少なくとも一つの固定機構(12)は、同期化ロッド(10)を位置決め装置(4)に連結するツイストロックを形成するために相互連結部を備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の食器棚。
【請求項11】
同期化ロッド(10)の端部のうち少なくとも一方が非円形断面部(10’)を有しており、この非円形断面部(10’)は、位置決め装置(4)の回転部(17)の対応する開口部(17’)に挿入することができることを特徴とする請求項10に記載の食器棚。
【請求項12】
位置決め装置(4)は、蓋(7)を移動するために備えられた、少なくとも一つの位置決めアーム(5)を有することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の食器棚。
【請求項13】
位置決めアーム(5)は、開位置と閉位置との間で第1のスイベルピンを中心に旋回することができるように側壁(2)又は筐体(11)に取り付けられており、かつ、第2のスイベルピンを中心に旋回することができるように蓋(7)又はこの蓋上の取付具(6)に連結されていることを特徴とする請求項12に記載の食器棚。
【請求項14】
同期化ロッド(10)は、位置決めアーム(5)の第1のスイベルピンに固定することができることを特徴とする請求項13に記載の食器棚。
【請求項15】
取り付けられた状態の同期化ロッド(10)は、位置決め装置(4)の回転部(17)と共に同軸で回転することを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の食器棚。
【請求項16】
回転部(17)は、位置決め装置(4)に対して相対的移動を可能にする機構を有しており、この機構は好ましくは長形の穴であることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の食器棚。
【請求項17】
同期化ロッド(10)は、好ましくは入れ子式に互いに押し込むことができるか、又は互いに取り付けることができる少なくとも二つの部品(10a、10b)を備えていることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の食器棚。
【請求項18】
部品(10a、10b)は、これら両方の部品を離すバネ力によって作用されるように構成することができることを特徴とする請求項17に記載の食器棚。
【請求項19】
2つの部品(10a、10b)の互いに対する相対位置は、固定手段(18、18’)によって固定されており、この固定手段(18、18’)は好ましくは偏心留め具であることを特徴とする請求項17又は18に記載の食器棚。
【請求項20】
固定機構(12)は、スリーブ部(13)によって覆われていることを特徴とする請求項1〜19のいずれかに記載の食器棚。
【請求項21】
スリーブ部(13)は、同期化ロッド(10)に沿って、好ましくは長手方向に、摺動することができるように同期化ロッド(10)上に配置されていることを特徴とする請求項20に記載の食器棚。
【請求項22】
食器棚(1)の2つの対向する側壁(2)に配置されるべき位置決め装置(4)の動作の同期化を確実にするために構成され、少なくとも一つの位置決め装置(4)が蓋を移動するための少なくとも一つの回転部(17)を有する同期化ロッド(10)の組立方法であって、
前記回転部(17)は、第1の組立工程において食器棚(1)の側壁(2)に固定され、
前記同期化ロッド(10)は、第2の組立工程において回転部(17)に固定されることを特徴とする組立方法。
【請求項1】
側壁(2)を備える食器棚(1)であって、
各側壁2は、蓋(7)を移動するように構成された位置決め装置(4)を備えており、この双方の位置決め装置(4)は、これらの動作を同期化するために同期化ロッド(10)によって連結されており、
この同期化ロッド(10)の端部の少なくとも一方の領域において、前記同期化ロッド(10)は、この同期化ロッド(10)を前記位置決め装置(4)の回転部(17)に取り外し可能に連結するための固定機構(22)を備えており、
この同期化ロッド(10)は、前記回転部(17)が食器棚(1)の側壁(2)に既に固定されている場合にこの回転部(17)に連結することができることを特徴とする食器棚。
【請求項2】
同期化ロッド(10)は、各端部の領域において、この同期化ロッド(10)と各位置決め装置(4、4’)の回転部(17)との間の取り外し可能な接続を提供するために固定機構(12)を組み込むことを特徴とする請求項1に記載の食器棚。
【請求項3】
同期化ロッド(10)は、工具を使用すること無く、少なくとも一つの位置決め装置(4)の回転部(17)に組付けるか、又はこの回転部(17)から取り外すことができることを特徴とする請求項1又は2に記載の食器棚。
【請求項4】
同期化ロッド(10)は、回転部(17)の回転軸(M)に対して直角にこの予め取り付けられた回転部(17)に好ましくは摺動するように連結することができる請求項1〜3のいずれかに記載の食器棚。
【請求項5】
同期化ロッド(10)の長手方向軸は、その組付けられた状態において、回転部(17)の回転軸と実質的に同一線上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の食器棚。
【請求項6】
少なくとも一つの固定機構(12)は、ネジ(22)を使用した込み式接続であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の食器棚。
【請求項7】
少なくとも一つの固定機構(12)は、機械的ラッチ接続部(20)であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の食器棚。
【請求項8】
機械的ラッチ接続部(20)は、嵌合ラッチ部(20b)と相互作用する好ましくはボールからなるバネ状の又はバネ荷重式の留め具(20c)であり、前記嵌合ラッチ部(20b)は好ましくはくぼみであることを特徴とする請求項7に記載の食器棚。
【請求項9】
機械的ラッチ接続部(20)は、互いに係合する2つのラッチ部を備えており、一方が他方に掛かっており、枢着によりこの他方にラッチ止めされることを特徴とする請求項7に記載の食器棚。
【請求項10】
少なくとも一つの固定機構(12)は、同期化ロッド(10)を位置決め装置(4)に連結するツイストロックを形成するために相互連結部を備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の食器棚。
【請求項11】
同期化ロッド(10)の端部のうち少なくとも一方が非円形断面部(10’)を有しており、この非円形断面部(10’)は、位置決め装置(4)の回転部(17)の対応する開口部(17’)に挿入することができることを特徴とする請求項10に記載の食器棚。
【請求項12】
位置決め装置(4)は、蓋(7)を移動するために備えられた、少なくとも一つの位置決めアーム(5)を有することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の食器棚。
【請求項13】
位置決めアーム(5)は、開位置と閉位置との間で第1のスイベルピンを中心に旋回することができるように側壁(2)又は筐体(11)に取り付けられており、かつ、第2のスイベルピンを中心に旋回することができるように蓋(7)又はこの蓋上の取付具(6)に連結されていることを特徴とする請求項12に記載の食器棚。
【請求項14】
同期化ロッド(10)は、位置決めアーム(5)の第1のスイベルピンに固定することができることを特徴とする請求項13に記載の食器棚。
【請求項15】
取り付けられた状態の同期化ロッド(10)は、位置決め装置(4)の回転部(17)と共に同軸で回転することを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の食器棚。
【請求項16】
回転部(17)は、位置決め装置(4)に対して相対的移動を可能にする機構を有しており、この機構は好ましくは長形の穴であることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の食器棚。
【請求項17】
同期化ロッド(10)は、好ましくは入れ子式に互いに押し込むことができるか、又は互いに取り付けることができる少なくとも二つの部品(10a、10b)を備えていることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の食器棚。
【請求項18】
部品(10a、10b)は、これら両方の部品を離すバネ力によって作用されるように構成することができることを特徴とする請求項17に記載の食器棚。
【請求項19】
2つの部品(10a、10b)の互いに対する相対位置は、固定手段(18、18’)によって固定されており、この固定手段(18、18’)は好ましくは偏心留め具であることを特徴とする請求項17又は18に記載の食器棚。
【請求項20】
固定機構(12)は、スリーブ部(13)によって覆われていることを特徴とする請求項1〜19のいずれかに記載の食器棚。
【請求項21】
スリーブ部(13)は、同期化ロッド(10)に沿って、好ましくは長手方向に、摺動することができるように同期化ロッド(10)上に配置されていることを特徴とする請求項20に記載の食器棚。
【請求項22】
食器棚(1)の2つの対向する側壁(2)に配置されるべき位置決め装置(4)の動作の同期化を確実にするために構成され、少なくとも一つの位置決め装置(4)が蓋を移動するための少なくとも一つの回転部(17)を有する同期化ロッド(10)の組立方法であって、
前記回転部(17)は、第1の組立工程において食器棚(1)の側壁(2)に固定され、
前記同期化ロッド(10)は、第2の組立工程において回転部(17)に固定されることを特徴とする組立方法。
【図1】
【図2a】
【図2b】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図5a】
【図5b】
【図6】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図9a】
【図9b】
【図10】
【図2a】
【図2b】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図5a】
【図5b】
【図6】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図9a】
【図9b】
【図10】
【公表番号】特表2008−538938(P2008−538938A)
【公表日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−508017(P2008−508017)
【出願日】平成18年4月14日(2006.4.14)
【国際出願番号】PCT/AT2006/000152
【国際公開番号】WO2006/113953
【国際公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(597140501)ジュリウス ブルム ゲゼルシャフト エム.ビー.エイチ. (122)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月14日(2006.4.14)
【国際出願番号】PCT/AT2006/000152
【国際公開番号】WO2006/113953
【国際公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(597140501)ジュリウス ブルム ゲゼルシャフト エム.ビー.エイチ. (122)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]