説明

飯の充填装置

【課題】小型でありながら、複数の食材に飯を効率的に充填可能な飯の充填装置を提供する。
【解決手段】 飯供給位置に複数の溝部が分割形成されたトレーを設けると共に、当該トレーの駆動手段を設け、上記トレーの溝部を上記飯供給位置に位置させた状態で飯供給手段から上記溝部に飯塊を供給する飯供給動作を、上記トレー駆動手段によって上記トレーを移動しながら、複数の上記溝部が上記飯供給位置に対応した位置で行うことにより、上記トレーの複数の溝部内に飯塊を供給し、飯押出手段を上記トレーの複数の溝部に対応する位置に設け、これらの飯押出手段により対応する複数の溝部に収容された各飯塊をコンベア方向に向けて押し出して、上記各飯塊をコンベア上の複数の食材に充填し得るように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば稲荷寿司用の油揚袋等の食材に飯を充填するための飯の充填装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、稲荷寿司へ飯を充填する装置としては、連続して送られてくる油揚袋を飯供給位置で停止させ、該停止位置において、油揚袋の開口側の上縁と下縁を上側クリップと下側クリップで掴んで上下方向に開口し、この開口タイミングで上記開口に対応する飯供給位置に上方の飯供給部から飯塊を落下供給し、その後、飯押出ピストンを上記開口方向に平行に押し出すことにより、上記飯塊を上記ピストンにより上記開口から油揚袋の内部に押し込む構成であった(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開平9−285261号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記飯の充填装置では、稲荷寿司の生産効率の向上のため、2つの油揚袋に同時に飯塊を供給する構成としていたが、そのために、飯供給ホッパー、回転溝車等からなる飯供給装置を2機並設する必要があり(特許文献1の図2、図8参照)、装置構成が大型化するという課題がある。
【0005】
本発明は、2つの油揚袋等の2つの食材に同時に飯を充填可能であって、装置構成を簡略化して小型化を実現した飯充填装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記課題を解決するために、
第1に、食材を載置した状態で間歇駆動する食材搬送コンベアと、所定量の飯塊を上記コンベア近傍の飯供給位置に供給し得る飯供給手段と、上記飯供給位置に供給された飯塊を上記コンベア方向に向けて移動することにより上記コンベア上の食材に飯を充填する飯押出手段とを具備した飯の充填装置において、上記飯供給位置に複数の溝部が分割形成されたトレーを設けると共に、当該トレーの各溝部が上記飯供給位置に対応して位置し得るように当該トレーを移動し得るトレー駆動手段を設け、上記トレーの溝部を上記飯供給位置に位置させた状態で上記飯供給手段から上記溝部に飯塊を供給する飯供給動作を、上記トレー駆動手段によって上記トレーを移動しながら、複数の上記溝部が上記飯供給位置に対応した位置で行うことにより、上記トレーの複数の溝部内に飯塊を供給し得るように構成し、かつ上記飯押出手段を上記トレーの複数の溝部に対応する位置に設け、これらの飯押出手段により対応する複数の溝部に収容された各飯塊を上記コンベア方向に向けて押し出して、上記各飯塊を上記コンベア上の複数の食材に充填し得るように構成したものであることを特徴とする飯の充填装置により構成されるものである。
【0007】
食材は例えば稲荷寿司用の油揚袋(7)であるが、これに限定されずその他飯が充填される食材であれば良い。食材搬送コンベアは例えば直線搬送コンベア(6)であるが、食材を搬送する機能を有するものであれば、例えば水平回転円盤であってその外周面上に食材を載置し搬送するようなものも含む概念である。飯供給手段は、例えば飯送り機函(9)、回転溝車(16,16’)、シャッター(18)等の飯を飯供給位置(20)に供給する定量飯供給機構10等により構成することができる。飯供給位置は、実施形態では符号20で示される位置をいう。飯押出手段は例えば飯押出ピストン(29a,29b)により構成し得る。トレーは例えば上面開口分割トレー(21)により構成し得る。トレー駆動手段は、例えばステッピングモータ(M2)、ベルト(28)、ローラ(27,27’)等により構成し得る。複数の溝部に対応する位置は、例えば図5でいえばトレー(21)の溝部(22d,22c)に対応する位置である。従って、トレー駆動手段によりトレーを移動することにより複数の溝部に飯塊を供給し、複数の溝部に供給された飯塊を飯押出手段によりコンベア上の食材に充填し得るので、単一の飯供給手段でありながらコンベア上の複数の食材に同時に飯塊を充填することができる。また、例えば単一の飯供給手段により、2個或はそれ以上の溝部に飯塊を供給し、さらに2個或はそれ以上の溝部内の飯塊を飯押出手段により2個或はそれ以上の食材に同時に充填することができる。
【0008】
第2に、上記食材は稲荷寿司用の油揚袋であり、上記複数の溝部に対応する飯押出手段により、上記コンベア上の複数の油揚袋内に上記飯塊を充填し得るように構成したものであることを特徴とする上記第1記載の飯の充填装置により構成されるものである。
【0009】
例えば、飯押出手段として2つの飯押出ピストン(29a,29b)を設け、これにより2つの溝部(例えば22d,22c)の飯塊を同時に油揚袋に充填することができる。
【0010】
第3に、上記コンベアにおけるコンベアベルトの各食材載置部に透孔を設けると共に、当該透孔を挟んだコンベアベルトの上方及び下方に上挟持手段及び下挟持手段を上下方向に移動可能に設け、上記飯塊の充填前に上記上下挟持手段により上記油揚袋の上下皮を挟持してその開口端を上下方向に開口し得るように構成したものであることを特徴とする上記第2記載の飯の充填装置により構成されるものである。
【0011】
上下の挟持手段は例えば上下クリップ(43,43’、44、44’)により構成することができる。
【0012】
第4に、上記トレーは少なくとも4箇所の溝部を有しており、その内3箇所の溝部に上記飯供給手段により飯塊を供給した後、上記飯押出手段により2箇所の溝部内の飯塊を上記コンベア上の2つの食材に充填し得るように構成し、その後上記トレー駆動手段により上記トレーを駆動して飯塊の存在しない2箇所の溝部内に、上記飯供給手段を以って飯塊を供給することにより3箇所の溝部に飯塊が供給された状態とし、その後は飯塊の供給された上記3箇所の溝部中の2箇所の飯塊を上記飯押出手段により押し出して上記コンベア上の2つの食材に充填する動作を繰り返し実行し得るように構成したものであることを特徴とする上記第1〜3の何れかに記載の飯の充填装置により構成されるものである。
【0013】
このように構成すると、単一の飯供給手段であっても、コンベア上の複数の食材に効率的に飯塊を供給していくことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、単一の飯供給手段でありながら、コンベア上の複数の食材に同時に飯塊を充填していくことができ、小型でありながら極めて効率的な飯の充填装置を実現することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下本発明の一実施形態を詳細に説明する。
【0016】
まず図1、図2において、本発明の飯充填装置1の全体的構成を説明する。本発明の飯充填装置は、図1、図2に示すように、機枠F1の後方に上下方向レール3が設けられており、該レール3に沿って飯収容バット4を上下昇降させ、該バット4を上端のレール屈曲部3aに沿って反転させることにより上部の飯搬送機函5に飯を供給する(図1矢印P参照)。
【0017】
当該装置1は下部機枠F2に各種の駆動系機構(後述)が収納され、該機枠F2の上部前方位置に、左右方向に直線状搬送ベルトコンベア6が固定されている。F3は上記コンベア6の下方位置全域に設けられた汁受けであり、同じく上記機枠F2に固定されている。このベルトコンベア6は一端の駆動モータM1により間歇的に駆動されるものであり、そのコンベアベルト6aの表面には一定間隔で仕切用リブ6”により仕切られた載置部6’が設けられており、図2中左端から上記載置部6’に稲荷寿司用の油揚袋7が開口7’を後方に向けた状態で順次載置されていく(図5(イ))。上記コンベアベルト6aは図5(イ)に示すように載置部6’毎にその後方側の縁部に沿って長円形の透孔6bが貫設されており、上記油揚袋7は、その開口7’が後方向きで(図5(ロ)参照)、かつ上記開口7’が上記透孔6b上に位置するように上記載置部6’上に載置される。
【0018】
上記コンベア6の略中央部の後方には、上記油揚袋7に飯塊Rを充填するための飯充填機構8(後述)が設置されている。また、上記機枠F2上には、さらに機枠F4が設けられており、上記飯充填機構8の上側位置における上記機枠F4には、上記飯搬送機函5から供給された飯を解しながらさらに下方に供給する飯送り機函9、該飯送り機函9から供給された飯を所定幅tの飯塊Rに成形して上記飯充填機構8の所定位置に供給する定量飯供給機構10が上下方向に順に設置されている。
【0019】
上記上下方向レール3に沿って上昇し反転する飯収容バット4から飯が上記飯搬送機函5の飯搬送コンベア11上に供給され、当該コンベア11により当該飯は左方(矢印A方向)に搬送され、前端部の回転飯解し器12により解されながら下方の飯送り機函9の飯送りローラコンベア13上に落下供給される。上記ローラコンベア13上に落下供給された飯は複数のローラ13’により前方(矢印B方向)に送られ、前端の回転解し器14によりさらに解されながら、上記機枠F4に固定された飯案内筒15を介して上記定量飯供給機構10に落下供給されていく。
【0020】
この定量飯供給機構10は、図3に示すように、飯間歇下降用の一対の回転溝車16,16’が各溝部16a,16a’を近接した状態で上記飯案内筒15下部に軸支16”されており、かつこれら回転溝車16,16’の対向溝間下方の飯出口17下部に水平方向開閉シャッター18が開閉自在に設けられている。これらの溝車16,16’はその外周に飯通路となる溝部16a,16a’が凹設されており、互いに対向する方向(矢印C,C’方向)に間歇的に回転することで、上部から落下供給される飯を、両溝車16,16’間の溝部16a、16a’の幅である所定の幅tに圧縮しながら下方に供給していく。これら溝車16,16’間の飯の出口である飯出口17下方に水平方向に互いに近接離間する一対のシャッター18が設けられており、上記溝車16,16’が所定の回転角度回転する際に、互いに離間する方向に移動してシャッター18が開き、上記溝車16,16’の上記回転角度に対応する量の飯が当該溝車16,16’で圧縮されながら下方の上面開口分割トレー21(後述)の所定の溝部(例えば溝部22a)に供給され、その後上記シャッター18が閉鎖されることにより、上記上面開口分割トレー21の所定の溝部(上記溝部22a)に上記溝車16,16’の回転角度に対応する定量の飯塊Rが落下供給される。
【0021】
上記シャッター18の開閉動作と上記溝車16、16’の間歇回動動作は連動して行われ、上記シャッター18が開状態のときに上記溝車16,16’が一定時間回転して飯が開状態のシャッター18を介して上記上面開口分割トレー19の所定の溝部(例えば溝部22a)に供給され、その後上記シャッター18が閉鎖されることにより上記飯が当該シャッター18により切断され、所定量の飯塊Rとして上記溝部22aに供給される。
【0022】
次に、上記飯充填機構8を説明する。尚、ここで、上記シャッター18の左右のシャッター板が接合する位置の下方の位置で、定量の飯塊Rが供給される位置を飯供給位置20という(図5(イ)参照)。尚、この飯供給位置20は図3では溝部22aの位置となる。
【0023】
この飯供給位置20には、上記上面開口分割トレー21が左右方向(矢印D,E方向)に移動可能に設けられている。この上記上面開口分割トレー21は、図6に示すように、基板21a上に5つの起立壁21b,・・・を並設することにより、上記基板21a上に4つの前後方向溝部22a,22b、22c,22dを構成しており、当該上面開口分割トレー21は各溝部22a〜22dの上面開口が上記飯供給位置20に各々位置し得るように左右方向(矢印D,E方向、コンベア6の進行方向に沿う方向)に移動可能にベルトコンベア28(図3参照)に支持されている。
【0024】
具体的には、この上面開口分割トレー21は、水平ベース板23の上に固設されており、該ベース板23の下面には案内ガイド板24が下方向きに設けられており、該ガイド板24の下端の係合部24aが、水平に支持された機台25の上に設置された左右方向レール26に摺動自在に嵌合している。上記機台25は上記機枠F2に支持された左右の支柱25a,25a’により水平に支持されている。
【0025】
さらに、上記機台25上の左右端部には支持アングル26,26’が設けられ、これらアングル26,26’に各々ローラ27,27’が回転自在に軸支され、かつ両ローラ27,27’間にベルト28が張設されており、かつ上記案内ガイド板24側面と上記ベルト28が接続固定されている。上記一方のローラ27の支軸27aは正逆回転ステッピングモータM2の出力軸に接続されており、当該モータM2を正逆方向に駆動することにより、上記ベルト28を介して上記トレー21を左右方向(矢印D,E方向)に移動し得るようになっている。
【0026】
上記上面開口分割トレー21の移動は、具体的には図4に示す動きを行う。尚、図4は説明の便宜上上記トレー21の矢印D,E方向(左右方向)の動きを(a)乃至(g)で示すように順番に並列に示したものである。まず前後方向溝部22aが上記飯供給位置20に位置している状態で(図4(a)の位置)、上記定量飯供給機構10から飯塊Rが当該溝部22aに供給され、次に上記ステッピングモータM2を駆動して上記トレー21を矢印D方向に移動させ、1つの溝部22cを飛び越して右端の溝部22bが上記飯供給位置20に位置するところで当該トレー21を一時停止させる(図4(b)の位置)。この時点で上記定量飯供給機構10から飯塊Rが溝部22bに供給され、次に上記モータM2を駆動して上記トレー21を矢印E方向に移動させ、飛び越した上記溝部22cが上記飯供給位置20に位置するところで当該トレー21を一時停止させる。この時点で上記定量飯供給機構10から飯塊Rが上記溝部22cに供給される(図4(c)の位置)。ここで、飯押出ピストン29a,29b(後述)により、上記溝部22aと22bに存在する飯塊Rが前方に押し出され、コンベア6上の油揚袋7,7内にその開口7’、7’から充填される(図7(ロ)参照)。
【0027】
次に、上記モータM2を駆動して上記トレー21を矢印E方向に移動させ、左端の溝部22dが上記飯供給位置20に位置するところで当該トレー21を一事停止させ(図4(d)の位置)、この時点で上記定量供給機構10から飯塊Rが溝部22dに供給される。次に上記モータM2を矢印D方向に駆動して最初の溝部22aが上記飯供給位置20に位置するところで当該トレー21を一時停止させ(図4(e)の位置)、この時点で上記定量飯供給機構10から飯塊Rが上記溝部22aに供給される。ここで、上記飯押出ピストン29a,29bにより、上記溝部22cと22dに存在する飯塊Rが前方に押し出され、コンベア6上の油揚袋7,7内にその開口7’、7’から充填される(図7(ロ)参照)。
【0028】
その後は、同様に図4(f)、図4(g)の順に同様の動作が繰り返される。即ち、上面開口分割トレー21の3箇所に飯塊Rが供給された時点で、中央の飯塊Rを除く左右の溝部内の飯塊Rを飯押出ピストン29a,29bにより、コンベア6上の2つの油揚袋7,7内にその開口7’、7’から各々充填するという動作が繰り返し行われる。
【0029】
さらに、飯充填機構8のその他の構成について説明する。図5に示すように、上記上面開口分割トレー21の後方側において、当該トレー21が図4(a)(図5(イ))に位置するタイミングで、溝部22cと溝部22dの溝に挿通可能な位置に、各々飯押出ピストン29a,29bが前後方向(矢印F,G方向)に水平移動可能に設けられている。この飯押出ピストン29a,29bは、通常は図9の後退位置にあるが、上記溝部22cと22dに飯塊Rが供給されたタイミングで、上記後退位置から矢印F方向に前進し、上記溝部22cと溝部22dに供給された飯塊Rを押し出しながら、当該ピストン29a,29bが図5(イ)の二点鎖線の位置(図7(ロ)の実線位置)に至り、上記コンベア6上の一対の油揚袋7,7内に上記飯塊R、Rを充填する(図7(ロ)参照)。
【0030】
上記飯押出ピストン29a,29bは(図8参照)、その後端のベース部30が上記機枠F2上に支持された水平レール31に沿って前後方向に摺動することで、矢印F,G方向に水平摺動可能となっている。上記ベース部30の下部にはアーム32が軸支されており、さらに該アーム32に、支軸33を中心に矢印H,I方向に回動可能なく字状アーム35の一端が軸支され、さらに該アーム35の他端に昇降杆34が軸支され、該昇降杆34の下端に昇降回動レバー36の先端が軸支されている。また、モータM3の出力軸37に装着されたカム板38の板面に上記昇降回動レバー36の側面の突出ピン36aが係合しており、上記カム板38を回転させることにより、上記レバー36をその支軸36bを中心に上下昇降し、当該運動を上記昇降杆34、屈曲アーム35、接続アーム32を介して上記飯押出ピストン29a,29bに伝達することにより、これらピストン29a,29bを同一タイミングで上記前後方向(矢印F,G方向)に水平スライド駆動し得るように構成している。
【0031】
上記上面開口分割トレー21の前面側には、上記飯押出ピストン29a,29bの移動通路に沿う位置に、各々コ字型溝37a、37bが前後方向(矢印F,G方向)に移動可能に設けられ(図5参照)、かつ、これら各コ字型溝37a,37bの前端には開閉嘴38a、38bが接続されている。これらコ字型溝37a,37bと開閉嘴38a,38bは、上記飯押出ピストン29a,29bの前後移動に併せて前後方向(矢印F,G方向)に移動し得るものであり、上記ピストン29a,29bが矢印F方向に移動してきたときに、図5(イ)の実線位置(図7(イ)の位置)から図5(イ)二点鎖線位置(図7(ロ)の位置)まで前進する。
【0032】
上記開閉嘴38a,38bは、図7に示すようにその前進の途中で、上記機枠F2上に取付アングル40aによって固設されたピン40に上記開閉嘴38a,38bの側面の開閉支軸39が当接し(図7(ロ))、該支軸39が矢印G方向に押されることにより、上下の嘴が支軸41、41’を支点に上下方向に回動して図7(ロ)に示すように開状態となる。そして、そのタイミングで矢印F方向に水平移動してきた上記ピストン29a、29bの先端が上記開状態の嘴38a,38bの先端部まで到達する(図7(ロ)参照)。このとき、上記ピストン29a,29bの先端部に対応する位置に上記コンベア6上の油揚袋7,7の開口7’、7’が位置しており、当該開口7’、7’から飯塊R、Rが上記ピストン29a,29bにより押されて上記油揚袋7,7内に充填される(図7(ロ)参照)。尚、コンベアベルト6a上における上記飯塊R、Rが充填される位置を飯充填位置20’、20”という(図2、図5(イ)等参照)。
【0033】
上記コ字型溝37a,37bと上記開閉嘴38a,38bは一体的に移動するものであり(図8)、その下部に設けられた取付アングル70の上面に固定されている。この取付アングル70下端には水平杆71が接続されており、該杆71の後端には支軸72aを中心に回動し得るL型アーム72の一端が軸支され、該アーム72の他端には昇降杆73が軸支され、該杆73の下端が上記支軸68を中心に上下昇降する昇降回動杆74の先端に軸支されており、上記回動杆74の側面に突出するピン(図示せず)が上記カム板38に係合している。よって、上記カム板38が回転すると、上記作動杆74が上記支軸68を中心に昇降回動し、それにより上記コ字型溝37a、37b及び開閉嘴38a,38bを上記前後方向(矢印F,G方向)に駆動し得るように構成している。
【0034】
さらに上記飯充填機構8は以下の構成を有している(図9、図10参照)、上記コンベア6の上側移行部の上方及び下方であって、上記透孔6bに対応する互いに対向する位置に上下クリップ43、43’並びに上下クリップ44,44’が設けられている。これらクリップ43,43’及び44,44’の設置位置は、図9に示すように、上記開閉嘴38a,38bの前方位置における上記コンベア6上の飯充填位置20’,20”に対応する位置であり、飯充填位置20”の上下に上記クリップ43,43’が、上記飯充填位置20’の上下に上記クリップ44,44’が設けられている。
【0035】
上側のクリップ43、44は、水平取付杆45に固定されており、該水平取付杆45と共に図9の上位置と、クリップ先端部が上記コンベア6に近接し、飯充填位置20’、20”における油揚袋7、7の開口7’、7’各上側を挟持し得る下位置(図9の二点鎖線位置)との間を上下方向(J,K方向)に昇降可能となっている。下側のクリップ43’、44’は水平取付杆46に固定されており、該取付杆46と共に図9の上位置、即ち、上記コンベア6上の油揚袋7,7の開口7’、7’の各下側を上記透孔6b、6bを介して挟持し得る上位置と、当該位置からさらに下側に移動した位置(図9の二点鎖線位置)との間を上下方向(矢印J,K方向)に昇降可能となっている。
【0036】
さらに上記各クリップ43,43’、44,44’はその回転軸48を回転中心として常時閉鎖方向に発条(図示せず)により附勢されており、当該クリップ43、44等の上端後方側にはローラ49が各々設けられている。そして、上記クリップ43、43’、44,44’の各ローラ49に対向する後方側には、直立した押板50が前後方向(矢印F,G方向)に移動可能に設けられており、当該押板50が矢印F方向に前進して、上記ローラ49に当接し当該ローラ49を矢印F方向に押圧することで、閉鎖状態の上記各クリップ43,43’、44,44’を開状態に設定し得るように構成されている。尚、上記ローラ49から上記押板50が離れると、上記発条により上記各クリップは閉鎖状態となる。
【0037】
上記下側クリップ43’、44’は、その取付杆46の後端部下側に接続されたL型アーム51及び該L型アーム51後端下面に接続された昇降杆52によってトグル53に軸支されており、該トグル53の板面に設けられたピン(図示せず)が上記カム板38に係合している。よって、上記下側クリップ43’、44’はカム板38の回転によりトグル53が支軸54を中心として上下方向に回動することにより、上記昇降動作を行うように構成されている。上記上側クリップ43,44はその取付杆45の後端部下側にアーム55が設けられ、さらに該アーム55に昇降杆56が接続され、該昇降杆56下端がトグル57に軸支されている。そしてトグル57の板面に設けられたピン(図示せず)が上記カム板38に係合している。よって、上記上側クリップ43、44はカム板38の回転によりトグル57が支軸54を中心として上下方向に回動することにより、上記昇降動作を行うように構成されている。
【0038】
さらに上記押板50の下部後方には水平アーム58が接続され、該アーム58に垂直杆59が接続され、該垂直杆59下端に支軸を以って水平杆60が支軸され、該水平杆60の一端に、支軸61aを中心として回動するカム部材61の一端が軸支され、該カム部材61の他端に昇降杆62が支軸され、該昇降杆62の下端がトグル63に軸支され、かつトグル63の板面に設けられたピン(図示せず)が上記カム板38に係合している。よって上記押板50は、カム板38の回転によりトグル63が支軸54を中心として上下方向に回動することにより、上記カム部材61が矢印L、M方向に回動し、これにより上記水平杆60、水平アーム58等を介して上記前後方向動作を行って上記上下クリップを開閉し得るように構成されている。
【0039】
図2において、上記コンベア6の飯充填機構8より上流側に検出センサーS1,S2が設けられている。このセンサーS1,S2は、コンベア6の上側に発光部75,75、コンベア6の下側に受光部75’,75’が位置しており、上記発光部75,75からの光が上記コンベア6の透孔6bを介して受光部75’,75’に至るように構成している。従って、上記コンベア6の各載置部に油揚袋7が載置されている場合は、上記発光部75,75の光が油揚袋7により遮断されるので、これに基づいて制御部80(後述)にて油揚袋7,7の存在を検出し、その後の飯充填動作を行うように構成されている。よって、上記2つのセンサーS1,S2の何れか又は両方が油揚袋7,7の存在を確認できない場合は、上記制御部80は飯の油揚袋7,7への充填動作を行わない。
【0040】
図8において64は支持板であり、上記飯充填位置20’、20”に対応するコンベア6前方位置上方に各々設けられている。上記支持板64は、上記飯押出ピストン29a,29bで飯塊Rを上記油揚袋7内に充填する際、矢印G方向(後方)に摺動して上記飯充填位置20’、20”にある油揚袋7、7の前面側を押さえる機能を有するものである。これにより、上記油揚袋7、7に飯塊Rを安定して充填可能となる。尚、上記支持板64は、前後摺動杆65により前後方向に駆動されるものであり、該杆65はその後端に垂直杆66が接続されており、該垂直杆66は、その下端に軸支された水平杆67を介して、支軸68により回動可能なL型アーム69の一端に軸支されている。さらに、このL型アーム69の他端は作動杆69’により上記昇降回動レバー36のピン36aに支軸されており、上記レバー36の昇降に伴って上記L型アーム69が回動することにより、上記飯押出ピストン29a,29bが前方(矢印F方向)に移動したタイミングで、上記支持板64が後方(矢印G方向)に移動して、上記各油揚袋7,7の後方を支持するように構成されている。
【0041】
図12は、本発明の電気的構成の概略を示すものであり、本発明の飯の充填装置1は、センサーS1,S2、コンベアの駆動モータM1、ステッピングモータM2及び定量飯供給機構10、飯充填機構8が接続された制御部80を有している。この制御部80は例えばプログラマブルコントローラ、或はCPUを中心とする制御回路により構成されており、図11の動作手順に従って以下に説明する飯充填動作を行うものである。即ち、コンベアM1を間歇駆動しながら、センサーS1,S2における検出動作に基づいて、定量飯供給機構10及び飯充填機構8を駆動して飯充填動作を行わせ、同時にステッピングモータM2の動作を制御して、1つの飯供給装置(定量飯供給機構10)を使用して2つの油揚袋7,7への飯の充填動作を行わせるものである。
【0042】
本発明は上述のように構成されるものであるから、次に、本発明の動作手順を示す図11と共にその動作を説明する。
【0043】
まず、飯送り機函5から飯送り機函9に飯が供給され、該機函9から飯案内筒15内に所定量の飯が供給されているものとする。かかる状態において、ベルトコンベア6の載置部6’上に図2の左端から油揚袋7を1枚ずつ、その開口7を後方に向けて載置していく。コンベア6はモータM1により矢印N方向に間歇的に駆動される。そして、上記コンベア6上の油揚袋7、7がセンサーS1、S2の下方に至り、両センサーS1,S2が共に油揚袋7、7の存在を検知すると、当該検知に基づいて、制御部80は上記油揚袋7,7が上記飯充填位置20’、20”に至るまでコンベア6を間歇駆動し、飯充填機構8、定量飯供給機構10に以下の飯充填動作を行わせる。尚、上記センサーS1,S2の何れか又は両方において油揚袋7,7の存在が確認できなかった場合は、上記制御部80はその時点でコンベア6の駆動を停止し、以下の飯充填動作は行わない。
【0044】
上記油揚袋7、7が上記飯充填位置20’、20”に位置すると、モータM3の駆動に基づいてカム板38が所定角度回転することによりトグル63が昇降し(図9参照)、これに基づいて押板50が矢印F方向に移動して上下クリップ43、43’、44、44’のローラ49を押圧して各クリップ先端を開状態とする。
【0045】
その後、上記カム板38のさらなる回転に基づいてトグル53及びトグル57が昇降し、これに基づいて下クリップ43’、44’が下位置から上位置に上昇してそのクリップ先端が上記コンベアベルト6aの透孔6bからコンベア6上の油揚袋7,7の開口7’、7’近傍下側に当接し、上クリップ43、44は上位置から下位置に移動してそのクリップ先端が上記コンベア6上の油揚袋7の開口7’,7’近傍上側に当接し、その後、上記トグル63の昇降により上記押板50が後退(矢印G方向)し、これにより上記上下各クリップ先端が閉鎖され、各クリップ先端は上記コンベア6上の油揚袋7,7の開口7近傍の上下の皮を各々挟持する。その後、上記トグル57の昇降により上記上クリップ44,43だけが上昇して上位置に至り、これにより図9に示すように油揚袋7、7の開口7’、7’を上記上下クリップ43,43’、44,44’により挟持して、開口7’、7’が後方向けて開いた状態となる。
【0046】
このとき上面開口分割トレー21は、図4(a)の位置(図3の位置)、即ち溝部22aが飯出口17下方の飯供給位置20に位置しているものとする(図3の位置、図11P1’)。この状態でシャッター18が開き、溝車16,16’が矢印C,C’方向に一定角度(又は一定時間)駆動され、これにより上記トレー21の溝部22a内に飯が供給され、さらにシャッター18が閉鎖されることにより一定量の飯塊Rが上記溝部22aに供給される(図4(a)の「△」印参照、図11P1、P2)。
【0047】
次にステッピングモータM2が所定角度回転駆動され、上記上面開口分割トレー21の溝部22bが上記飯出口17下方の飯供給位置20に位置するまで上記トレー21を矢印D方向に移動させる(図4(b)の状態、図11P3’)。この状態でシャッター18が開き、溝車16,16が矢印C,C’方向に一定角度(又は一定時間)駆動され、これにより上記トレー21の溝部22b内に飯が供給され、さらにシャッター18が閉鎖されることにより一定量の飯塊Rが上記溝部22bに供給される(図4(b)の「△」印参照、図11P3、P4)。
【0048】
次にステッピングモータM2が所定角度回転駆動され、上記上面開口分割トレー21の溝部22cが上記飯出口17下方の飯供給位置20に位置するまで上記トレー21を矢印E方向に移動させる(図4(c)の状態、図11P5’)。この状態でシャッター18が開き、溝車16,16が矢印C,C’方向に一定角度(又は一定時間)駆動され、これにより上記トレー21の溝部22c内に飯が供給され、さらにシャッター18が閉鎖されることにより一定量の飯塊Rが上記溝部22cに供給される(図4(c)の「×」印参照、図11P5、P6)。
【0049】
次に、カム板38が所定角度回転駆動され、これに伴って飯押出ピストン29a,29bが矢印F方向に水平移動すると共に、コ字型溝37a,37b並びに開閉嘴38a,38bも矢印F方向に水平移動する(図11P7)。このとき、開閉嘴38a,38bはその水平移動の途中でその支軸39がピン40に当接することにより開状態となり、前方に移動することで、上記開状態の嘴38a,38bは、各々コンベア6上で後方に向けて開口されている油揚袋7,7の各開口7’、7’に近接した位置まで移動した状態となる(図7(イ)から(ロ)参照、図11P8、図5の飯押出ピストン29a,29bの二点鎖線位置参照)。
【0050】
上記押出ピストン29a,29bは、上記矢印F方向への前方移動の過程において、それらの先端で上記溝部29a,29b内にある飯塊R、Rを後方から前方に押し出しながら、当該飯塊R、Rを上記コ字型溝37a,37bを介して前方に移動していき、上記開状態の開閉嘴38a,38bの先端部位置まで移動する(図7(ロ)、図5参照)。よって、上記溝部29a,29b内にあった飯塊R、Rは上記油揚袋の開口7’、7’から油揚袋7,7内部に充填される(図11P9、図7(ロ))。尚、上記飯押出ピストン29a,29bが前方へ移動して油揚袋7,7内に飯を充填する際、コンベアベルト6a前方の押え板64が前方(油揚袋7、7方向)に移動して油揚袋7,7の各前方を押さえる。これにより、油揚袋7,7内に安定して飯塊R,Rを充填し得る。
【0051】
以上により、コンベアベルト6a上の一対の油揚袋7,7内に飯塊R,Rの充填作業が完了した。その後、次の2つの油揚袋7,7が上記飯充填位置20’、20”に位置するまでコンベア6が駆動される(図11P10)。このとき、上記と同様の動作により上下クリップ43、43’、44、44’により、上記コンベア6上の上記飯充填位置20’、20”に位置する油揚袋7,7の開口7’、7’が開状態とされる。尚、上記飯押し出しピストン29a,29b及びコ字型溝37a,37b及び開閉嘴38a,38bは後方に移動して初期位置に戻る。
【0052】
次にステッピングモータM2が所定角度回転駆動され、上記上面開口分割トレー21の溝部22dが上記飯出口17下方の飯供給位置20に位置するまで上記トレー21を矢印E方向に移動させる(図4(d)の状態、図11P11’)。この状態でシャッター18が開き、溝車16,16が矢印C,C’方向に一定角度(又は一定時間)駆動され、これにより上記トレー21の溝部22d内に飯が供給され、さらにシャッター18が閉鎖されることにより一定量の飯塊Rが上記溝部22dに供給される(図4(d)の「×」印、図11P11、P12)。
【0053】
次にステッピングモータM2が所定角度回転駆動され、上記上面開口分割トレー21の溝部22aが上記飯出口17下方の飯供給位置20に位置するまで上記トレー21を矢印D方向に移動させる(図4(e)の状態、図11P13’)。この状態でシャッター18が開き、溝車16,16が矢印C,C’方向に一定角度(又は一定時間)駆動され、これにより上記トレー21の溝部22a内に飯が供給され、さらにシャッター18が閉鎖されることにより一定量の飯塊Rが上記溝部22aに供給される(図4(e)の「○」印参照、図11P13、P14)。
【0054】
次に、カム板38が所定角度回転駆動され、これに伴って飯押出ピストン29a,29bが矢印F方向に水平移動すると共に、コ字型溝37a,37b並びに開閉嘴38a,38bも矢印F方向に水平移動する(図11P15)。このとき、開閉嘴38a,38bは同様に、その水平移動の途中でその支軸39がピン41に当接することにより開状態となり、前方に移動することで、上記開状態の嘴38a,38bは、各々コンベア6上で後方に向けて開口されている油揚袋7,7の各開口7’、7’に近接した位置まで移動した状態となる(図7(ロ)参照、図11P16)。
【0055】
上記押出ピストン29a,29bは、上記矢印F方向への前方移動の過程において、それらの先端で上記溝部22d,22c内にある飯塊R,Rを後方から前方に押し出しながら、当該飯塊R,Rを上記コ字型溝37a,37bを介して前方に移動していき、上記開状態の開閉嘴38a,38bの先端部位置まで移動する(図7(ロ))。よって、上記溝部22d,22c内にあった飯塊R,Rは上記油揚袋の開口7’、7’から油揚袋7,7内部に充填される(図11P17、図7(ロ)参照)。尚、このとき同様に押え板64が油揚袋7,7方向に移動する。これにより、コンベアベルト6a上の一対の油揚袋7,7内に飯の充填作業が完了した。その後、次の2つの油揚袋7,7が上記飯充填位置20’、20”に位置するまでコンベア6が駆動される(図11P18)。このとき、上記と同様の動作により上下クリップ43,43’,44,44’により上記コンベア6上の油揚袋7,7の開口7’、7’が開状態とされる。尚、上記飯押し出しピストン29a,29b及びコ字型溝37a,37b及び開閉嘴38a,38bは後方に移動して初期位置に戻る。
【0056】
その後は、ステッピングモータM2が所定角度回転駆動され、上記上面開口分割トレー21の溝部22bが上記飯出口17下方の飯供給位置20に位置するまで上記トレー21を矢印D方向に移動させる(図4(f)の状態、図11P3’)。この状態で同様に、溝車16,16が矢印C,C’方向に一定角度(又は一定時間)駆動され上記トレー21の溝部22b内に飯が供給され、さらにシャッター18が閉鎖されることにより一定量の飯塊Rが上記溝部22bに供給される(図4(f)の状態、図11P3、P4)。以降は、上記トレー21が図4(g)の位置に移動して、さらに飯塊Rが溝部22cに供給され、溝部22a,22bの飯塊R,Rが油揚袋7,7に充填され、ステップP5以降の同様の動作が繰り返される。
【0057】
以上のように、本発明は、飯供給位置において上面開口分割トレー21を左右方向に移動させ、当該トレー21の複数の溝部に飯塊を供給可能とし、これらの複数の飯塊を飯押出ピストンにより同時にコンベア上の複数の食材に充填可能としたので、単一の飯供給手段(定量飯供給機構10)でありながら、コンベア6上の複数の食材に同時に飯塊Rを充填していくことができ、小型でありながら極めて効率的な飯の充填装置を実現することができるものである。
【0058】
即ち、コンベア6上の2箇所の油揚袋7,7に同時に飯塊R,Rを供給していくことができ、しかも大きな場所をとる飯供給装置(定量飯供給機構10)は1機で良いため、高い生産効率を維持しながら、装置の小型化を実現し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明に係る飯の充填装置の側面断面図である。
【図2】同上装置の内部構造を示す正面図である。
【図3】同上装置の食材供給部近傍の内部構造を示す正面図である。
【図4】(a)乃至(g)は同上装置の上面開口分割トレーへの飯の供給順序を示す平面図である。
【図5】(イ)は同上装置の飯の供給部近傍を示す平面図、(ロ)は油揚袋の斜視図である。
【図6】同上装置における上面開口分割トレーの斜視図である。
【図7】(イ)は油揚袋への飯の充填機構を示す開閉嘴近傍の側面図であり、飯の充填前を示すもの、(ロ)は油揚袋への飯の供給機構を示す開閉嘴近傍の側面図であり、飯の充填後を示すものである。
【図8】同上装置における飯押出ピストン、開閉嘴等の駆動機構を示す側面断面図である。
【図9】同上装置における上下クリップ等の駆動機構を示す側面断面図である。
【図10】同上装置における上下クリップ近傍の正面図である。
【図11】同上装置の制御部における動作手順を示すフローチャートである。
【図12】同上装置の電気的構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0060】
1 飯の充填装置
6 直線搬送コンベア
6a コンベアベルト
6b 透孔
7 油揚袋
7’ 開口
10 定量供給機構
16,16’ 回転溝車
18 シャッター
20 飯供給位置
21 上面開口分割トレー
22a乃至22d溝部
27,27’ ローラ
28 ベルト
29a,29b 飯押出ピストン
37a,37b コ字型溝
38a,38b 開閉嘴
43,43’ 上下クリップ
44,44’ 上下クリップ
80 制御部
M2 ステッピングモータ
R 飯塊

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食材を載置した状態で間歇駆動する食材搬送コンベアと、所定量の飯塊を上記コンベア近傍の飯供給位置に供給し得る飯供給手段と、上記飯供給位置に供給された飯塊を上記コンベア方向に向けて移動することにより上記コンベア上の食材に飯を充填する飯押出手段とを具備した飯の充填装置において、
上記飯供給位置に複数の溝部が分割形成されたトレーを設けると共に、当該トレーの各溝部が上記飯供給位置に対応して位置し得るように当該トレーを移動し得るトレー駆動手段を設け、
上記トレーの溝部を上記飯供給位置に位置させた状態で上記飯供給手段から上記溝部に飯塊を供給する飯供給動作を、上記トレー駆動手段によって上記トレーを移動しながら、複数の上記溝部が上記飯供給位置に対応した位置で行うことにより、上記トレーの複数の溝部内に飯塊を供給し得るように構成し、
かつ上記飯押出手段を上記トレーの複数の溝部に対応する位置に設け、これらの飯押出手段により対応する複数の溝部に収容された各飯塊を上記コンベア方向に向けて押し出して、上記各飯塊を上記コンベア上の複数の食材に充填し得るように構成したものであることを特徴とする飯の充填装置。
【請求項2】
上記食材は稲荷寿司用の油揚袋であり、上記複数の溝部に対応する飯押出手段により、上記コンベア上の複数の油揚袋内に上記飯塊を充填し得るように構成したものであることを特徴とする請求項1記載の飯の充填装置。
【請求項3】
上記コンベアにおけるコンベアベルトの各食材載置部に透孔を設けると共に、当該透孔を挟んだコンベアベルトの上方及び下方に上挟持手段及び下挟持手段を上下方向に移動可能に設け、
上記飯塊の充填前に上記上下挟持手段により上記油揚袋の上下皮を挟持してその開口端を上下方向に開口し得るように構成したものであることを特徴とする請求項2記載の飯の充填装置。
【請求項4】
上記トレーは少なくとも4箇所の溝部を有しており、その内3箇所の溝部に上記飯供給手段により飯塊を供給した後、上記飯押出手段により2箇所の溝部内の飯塊を上記コンベア上の2つの食材に充填し得るように構成し、
その後上記トレー駆動手段により上記トレーを駆動して飯塊の存在しない2箇所の溝部内に、上記飯供給手段を以って飯塊を供給することにより3箇所の溝部に飯塊が供給された状態とし、
その後は飯塊の供給された上記3箇所の溝部中の2箇所の飯塊を上記飯押出手段により押し出して上記コンベア上の2つの食材に充填する動作を繰り返し実行し得るように構成したものであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の飯の充填装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−215456(P2007−215456A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−38328(P2006−38328)
【出願日】平成18年2月15日(2006.2.15)
【出願人】(000236746)不二精機株式会社 (48)
【Fターム(参考)】