説明

飲料用容器

【課題】 複数の液体を個別に貯留可能であり、かつ液体を貯留するボトルボディごとに容易に結合および分離可能な飲料用容器を提供する。
【解決手段】 飲料用容器100は、飲料用の液体を貯留するキャビティ11、21を形成するボトルボディ1およびボトルボディ2などから構成される。ボトルボディ1の外壁には凸状の第1凸部17が形成され、ボトルボディ2の外壁には第1凸部17が嵌合する凹状の第1凹部27が形成されている。また、ボトルボディ1の外壁には凹状の第2凹部18が形成され、ボトルボディ2の外壁には第2凹部18に嵌合する凸状の第2凸部28が形成される。ボトルボディ1、2を結合するとき、第1凸部17を第1凹部27に嵌合するとともに、第2凸部28を第2凹部18に嵌合する。これにより、ボトルボディ1およびボトルボディ2は容易に結合することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料用容器に関し、より詳しくは、複数のキャビティおよび複数の開口を有する飲料用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の飲料用容器は、図12に示すように、ボトルボディ4を備え、内部に充填空間41を形成する。ボトルボディ4の上下には開口42を有する。下側の開口に設けられるフィルタ43は充填空間41へ向かって延びように設けられ、2つの開口42には上蓋部44および下蓋部45がそれぞれ設けられる。下蓋部45はフィルタ43を下側の開口42の縁部に当接させ固定する。しかしながら、1種類の液体しか入れられず、複数の異なる液体を入れることができない。
【0003】
また、特許文献2に記載の容器の組合せ構造は、図13に示すように複数のガス注入式容器5を備える。各ガス注入式容器5の内部には、収納空間51および収納空間51を覆うガス注入空間52が形成される。各ガス注入式容器5のガス注入空間52の間には相互に連通するチャンネル53が設けられ、各ガス注入式容器5は一体に設けられる。
【0004】
しかしながら、特許文献2に記載の容器の組合せ構造では、各容器の収納空間51を利用して異なる種類の液体を入れることができるが、容器を分離させることができないため、容器を洗浄するとき洗浄しにくい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】台湾特許出願公開第M263862号明細書
【特許文献2】台湾特許出願公開第M318347号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、複数の液体を個別に貯留可能であり、かつ液体を貯留するボトルボディごとに容易に結合および分離可能な飲料用容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の飲料用容器は、液体を貯留する貯留空間、貯留空間と外部とを連通する一方の開口、一方の開口とは反対側で貯留空間と外部とを連通する他方の開口を有する複数のボトルボディと、複数の一方の開口を塞ぐ複数の一方の蓋部材と、複数の他方の開口を塞ぐ複数の他方の蓋部材と、を備える。複数のボトルボディに形成される複数の貯留空間は非連通であり、複数のボトルボディの外壁にはボトルボディどうしを結合または分離可能な結合部が形成されることを特徴とする。
【0008】
本発明の飲料用容器は、複数の貯留空間を有することで複数の異なる種類の液体を貯留することができる。複数の貯留空間を形成する複数のボトルボディには、一つのボトルボディと他のボトルボディとの結合または分離を可能にする結合部が設けられる。
【0009】
本発明によれば、各容器を分離できるため、容器を洗浄するとき容易に貯留空間内を洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1実施形態による飲料用容器の斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態による飲料用容器の分解斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態による飲料用容器の側面図である。
【図4】本発明の第1実施形態による飲料用容器の上面図である。
【図5】本発明の第2実施形態による飲料用容器の斜視図である。
【図6】本発明の第2実施形態による飲料用容器の上面図である。
【図7】本発明の第2実施形態による飲料用容器の分解斜視図である。
【図8】本発明の第2実施形態による飲料用容器の分解斜視図であって、図6とは異なる方向に分解したときの分解斜視図ある。
【図9】本発明の第3実施形態による飲料用容器の斜視図である。
【図10】本発明の第3実施形態による飲料用容器の分解斜視図である。
【図11】本発明の第3実施形態による飲料用容器の部分断面図である。
【図12】従来の飲料用容器の部分断面図である。
【図13】図12とは異なる従来の飲料用容器の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明の複数の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
(第1実施形態)
第1実施形態による飲料用容器について図1〜4に基づいて説明する。なお、図1〜4において、紙面の上側を「上」、紙面の下側を「下」とする。
飲料用容器100は、2つのボトルボディ1およびボトルボディ2などから構成される。ボトルボディ1、2の内部には飲料用の液体を貯留する「貯留空間」としてのキャビティ11、21がそれぞれ形成される。キャビティ11、21は互いに連通していない。ボトルボディ1、2には「一方の開口」としての上側開口12、22が上方に向けて形成される。上側開口12、22には上側開口12、22を塞ぐ「一方の蓋部材」としての上側蓋部材14、24が設けられる。また、ボトルボディ1、2には「他方の開口」としての下側開口13、23が下方へ向けて形成される。下側開口13、23には下側開口13、23を塞ぐ「他方の蓋部材」としての下側蓋部材16、26が設けられる。
【0012】
第1実施形態では、ボトルボディ1、2の下側開口23にはキャビティ11、21へ向けて延びるようにフィルタ25が設けられる。フィルタ25は、下側蓋部材26に当接し、下側開口23を形成する縁部に固定される。ボトルボディ1、2の下側にはボトルボディ1、2を床面に対して垂直に支持し、転倒を防ぐ支持板19、29がそれぞれ設けられる。
【0013】
ボトルボディ1の外壁には凸状の第1凸部17が形成されるとともに、ボトルボディ2の外壁には第1凸部17が嵌合する凹状の第1凹部27が形成されている。また、ボトルボディ1の外壁には凹状の第2凹部18が形成されるとともに、ボトルボディ2の外壁には第2凹部18に嵌合する凸状の第2凸部28が形成される。第1凸部17および第1凹部27は、特許請求の範囲に記載の「結合部」に相当する。また、第2凹部18および第2凸部28は、特許請求の範囲に記載の「補助結合部」に相当する。
【0014】
ボトルボディ1、2を結合するとき、ボトルボディ1に対するボトルボディ2の移動方向は、第2凹部18と第2凸部28との嵌合方向に平行である。これにより、ボトルボディ1の第1凸部17は対応するボトルボディ2の第1凹部27に位置調整され、ボトルボディ1、2は水平方向に同じ高さで平行移動しながら相互に近づき、ボトルボディ1、2を結合することができる。
【0015】
また、ボトルボディ1、2を分離する場合、ボトルボディ1、2に第2凹部18と第2凸部28との嵌合方向とは反対の方向に力を加えることにより、ボトルボディ1、2を分離することができる。
【0016】
(第2実施形態)
次に本発明の第2実施形態による飲料用容器について図5〜8に基づいて説明する。第2実施形態は、第1実施形態と異なり、結合部および補助結合部の形状が異なる。なお、第1実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0017】
第2実施形態の飲料用容器200では、ボトルボディ2の外壁の上端から下端には第1凹部27Bが形成されるとともに、ボトルボディ1の外壁の上端から下端には第1凹部27Bに嵌合する第1凸部17Bが形成されている。また、ボトルボディ1の外壁の上端から下端には第2凹部18Bが形成されるとともに、ボトルボディ2の外壁の上端から下端には第2凹部18Bに嵌合する第2凸部28Bが形成される。第1凸部17Bおよび第1凹部27Bは、特許請求の範囲に記載の「結合部」に相当する。また、第2凹部18Bおよび第2凸部28Bは、特許請求の範囲に記載の「補助結合部」に相当する。
【0018】
第2実施形態の飲料用容器200では、第1凸部17Bと第1凹部27Bとの当接面積、および、第2凹部18Bと第2凸部28Bとの当接面積が第1実施形態の飲料用容器100に比べて増加することにより、ボトルボディ1、2を確実に結合することができる。また、飲料用容器200では、第1凸部17B、第1凹部27B、第2凹部18Bおよび第2凸部28Bの形状に対応し、2つのボトルボディ1、2を図7に示すように水平方向に移動して結合するか、または、図8に示すように鉛直方向に移動して結合することができる。
【0019】
(第3実施形態)
次に本発明の第3実施形態による飲料用容器300について図9〜11に基づいて説明する。第3実施形態は、第1実施形態と異なり、結合部が形成される位置および形状が異なる。なお、第1実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0020】
第3実施形態による飲料用容器300では、ボトルボディ1、2は共通の下側蓋部材36を有する。下側蓋部材36の内壁には内向きに第3ねじ溝361および第4ねじ溝362が形成される。
【0021】
ボトルボディ1の下側開口13側の外壁には外向きに第1ねじ溝131が形成される。また、ボトルボディ2の下側開口23側の外壁には外向きに第2ねじ溝231が形成される。
【0022】
ボトルボディ1、2は、第1ねじ溝131と第3ねじ溝361とが係合し、第2ねじ溝231と第4ねじ溝362とが係合することにより、図10に示すように下側どうしが向かい合わせになって結合される。また、ボトルボディ1とボトルボディ2とを分離する場合、下側蓋部材36に対してボトルボディ1またはボトルボディ2を緩めることにより、容易に分離することができる。
【0023】
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
【符号の説明】
【0024】
1 ・・・ボトルボディ、
2 ・・・ボトルボディ、
11 ・・・キャビティ、
12 ・・・上側開口、
13 ・・・下端開口、
131 ・・・第1ねじ溝、
14 ・・・上側蓋部材、
16 ・・・下側蓋部材、
17 ・・・第1凸部(結合部)、
17B ・・・第1凸部(結合部)、
18 ・・・第2凹部(補助結合部)、
18B ・・・第2凹部(補助結合部)、
19 ・・・支持板、
21 ・・・キャビティ、
22 ・・・上側開口、
23 ・・・下端開口、
231 ・・・第2ねじ溝、
24 ・・・上側蓋部材、
25 ・・・フィルタ、
26 ・・・下側蓋部材、
29 ・・・支持板、
27 ・・・第1凹部(結合部)、
27B ・・・第1凹部(結合部)、
28 ・・・第2凸部(補助結合部)、
28B ・・・第2凸部(補助結合部)、
36 ・・・下側蓋部材、
361 ・・・第3ねじ溝、
362 ・・・第4ねじ溝、
100、200、300・・・飲料用容器、
4 ・・・ボトルボディ、
41 ・・・充填空間、
42 ・・・開口、
43 ・・・フィルタ、
44 ・・・上蓋部、
45 ・・・下蓋部、
5 ・・・容器、
51 ・・・収納空間、
52 ・・・ガス注入空間、
53 ・・・チャンネル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を貯留する貯留空間、前記貯留空間と外部とを連通する一方の開口、および前記一方の開口とは反対側で前記貯留空間と外部とを連通する他方の開口を有する複数のボトルボディと、
複数の前記一方の開口を塞ぐ複数の一方の蓋部材と、
複数の前記他方の開口を塞ぐ複数の他方の蓋部材と、
を備え、
複数の前記ボトルボディに形成される複数の前記貯留空間は非連通であり、
前記ボトルボディの外壁には前記ボトルボディどうしを結合または分離可能な結合部が形成されることを特徴とする飲料用容器。
【請求項2】
複数の前記ボトルボディは、前記結合部により同じ高さで結合されることを特徴とする請求項1に記載の飲料用容器。
【請求項3】
複数の前記ボトルボディのうち、一つのボトルボディの結合部は凸状に形成され、前記一つのボトルボディに結合する他のボトルボディの結合部は前記一つのボトルボディの結合部が嵌合するように凹状に形成されることを特徴とする請求項2に記載の飲料用容器。
【請求項4】
複数の前記ボトルボディの外壁には更に補助結合部が設けられ、
前記一つのボトルボディの補助結合部は凹状に形成され、前記他のボトルボディの補助結合部は前記一つのボトルボディの補助結合部に嵌合するように凸状に形成され、
複数の前記ボトルボディの結合方向は前記補助結合部どうしの嵌合方向に平行であることを特徴とする請求項3に記載の飲料用容器。
【請求項5】
前記一方の開口を形成する一方の縁部または前記他方の開口を形成する他方の縁部に前記貯留空間へ向けて延びるようにフィルタが設けられることを特徴とする請求項1に記載の飲料用容器。
【請求項6】
前記フィルタは、前記一方の蓋部材または前記他方の蓋部材に当接し、前記一方の縁部または前記他方の縁部に固定されることを特徴とする請求項5に記載の飲料用容器。
【請求項7】
複数の前記ボトルボディのうち、一つのボトルボディの他方の開口を塞ぐ一つのボトルボディの他方の蓋部材と、前記一つのボトルボディとは異なる他方のボトルボディの他方の開口を塞ぐ他方のボトルボディの他方の蓋部材とは、一体に形成され、
前記一つのボトルボディの前記他方の開口側の外壁には第1ねじ溝が形成され、
前記他方のボトルボディの前記他方の開口側の外壁には第2ねじ溝が形成され、
前記一体に形成される他方の蓋部材の前記一つのボトルボディ側の内壁には第3ねじ溝が形成され、
前記一体に形成される他方の蓋部材の前記他方のボトルボディ側の内壁には第4ねじ溝が形成され、
前記第1ねじ溝と前記第3ねじ溝とが係合しかつ前記第2ねじ溝と前記第4ねじ溝とが係合することにより、前記一つのボトルボディと前記他方のボトルボディとが結合することを特徴とする請求項1に記載の飲料用容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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