説明

飲料製品を加熱して泡立たせる装置

【課題】改良形泡立てプロセスを可能にし、かつ、改善された泡を供給する、飲料製品を加熱して泡立たせる装置を提供する。
【解決手段】本発明は、飲料製品、特にミルクを加熱して泡立たせる装置であって、蒸気発生器と、圧縮空気源と、圧縮空気源から蒸気発生器に空気を供給するために圧縮空気源に接続された給気導管と、蒸気発生器から飲料製品に蒸気/空気混合体を供給するために蒸気発生器に接続された蒸気/空気導管とを備えることを特徴とする装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にカプチーノ、ラテ・マッキアートまたは類似の温かい飲み物の準備に向けて飲料製品、たとえば、ミルクを加熱して泡立たせる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ミルクを泡立たせる装置は、たとえば、欧州特許第1501398号明細書から知られている。この欧州特許明細書に説明されている装置においては、いわゆるコンベヤ管の開放端は、ミルクを含む容器内に浸漬される。蒸気発生器は、第1の管によりコンベヤ管に接続され、圧縮空気源は、第2の管によりコンベヤ管に接続される。両方の管は、共に合わせられ、その後、コンベヤ管に至り、それで、蒸気/空気混合体は、コンベヤ管を通って容器内に含まれたミルク内に導かれる。
【0003】
ミルクを泡立たせる泡立て装置は、独国特許第4445436号明細書からも知られている。この泡立て装置においては、蒸気は、蒸気発生器から蒸気供給導管を通って導かれ、ミルクは、ミルク供給導管を通って導かれ、空気は、給気導管を通って、蒸気とミルクが混合される混合室に導かれ、その後、ミルクが泡立たされる泡立て室(frothing chamber)に圧入される。
【0004】
他の泡立て装置も、たとえば、独国特許第102009025986号明細書、欧州特許第2025270号明細書、欧州特許第1747743号明細書、または、国際公開第2004/089173号パンフレットから知られている。
【0005】
先行技術において知られている泡立て装置には、蒸気導管および混合室への冷風の注入により蒸気の高凝縮化が生じ、その結果として、泡立てプロセスの劣化に至るという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許第1501398号明細書
【特許文献2】独国特許第4445436号明細書
【特許文献3】欧州特許第2025270号明細書
【特許文献4】欧州特許第1747743号明細書
【特許文献5】国際公開第2004/089173号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、したがって、改良形泡立てプロセスを可能にし、かつ、改善された泡を供給する、飲料製品を加熱して泡立たせる装置を提供する目的に基づく。この目的は、請求項1に記載の内容により達成される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、飲料製品を加熱して泡立たせる装置であって、蒸気発生器と、圧縮空気源と、圧縮空気源から蒸気発生器に空気を供給するために圧縮空気源に接続された給気導管と、蒸気発生器から飲料製品に蒸気/空気混合体を供給するために蒸気発生器に接続された蒸気/空気導管とを備えることを特徴とする装置を提供する。
【0009】
圧縮空気が従来技術と違って蒸気発生器に圧縮空気源から導かれるという事実のために、被加熱蒸気/空気混合体はすでに蒸気発生器内に供給されており、これにより、下流側蒸気導管内の水の凝縮の低減となる。これにより、泡立たせている結果が良くなりかつ、泡(泡沫)が良くなる。
【0010】
飲料製品は、ミルクを含む飲料製品、特にミルクであってもよい。
【0011】
給気導管は、特に直接に圧縮空気源に接続してもよい。それは、間接的に又は直接的に蒸気発生器に接続してもよい。具体的には、流体接続部を各々の場合に設置してもよい。接続部が直接的なものである場合、導管は、それぞれ圧縮空気源および蒸気発生器に通じる。
【0012】
蒸気発生器は、熱湯の蒸発に適合させてもよく、かつ、熱湯領域と蒸気領域とを含んでもよい。給気導管は、ここでは、蒸気領域および/または熱湯領域に接続してもよい。具体的には、給気導管は、蒸気領域および/または熱湯領域に通じてもよい。給気導管は、蒸気発生器の熱湯抜き開口部または熱湯抜き導管に接続するかまたは通じてもよい。当該の熱湯抜き開口部および熱湯抜き導管は、たとえば、洗浄手順用および/または茶または他の熱湯飲料の準備用熱湯を抜くために使用される。前述の代案により、結果として空気および蒸気の非常にすばらしい混合が得られる。
【0013】
具体的には、蒸気発生器は、蒸気ボイラであってもよい。
【0014】
説明する装置(泡立て装置)は、蒸気発生器に水を供給するために蒸気発生器に接続される導水管を含んでもよく、給気導管は導水管に通じる。蒸気が後に生成される水に空気を供給することにより、蒸気発生器の上流側にて、たとえば、エアポンプにより引き起こされた圧縮空気供給中の圧力変動の不利な影響が低減される。
【0015】
導水管は、冷水の供給のための冷水供給導管であってもよい。具体的には、この冷水供給導管は、蒸気発生器に直接に接続してもよい。このようにすれば、空気は、その後、冷水とともに蒸気発生器に供給される。あるいは、この冷水供給導管は、ボイラまたは熱湯装置にも通じてもよく、そこから、熱湯は、その後、熱湯導管を通って蒸気発生器に供給される。圧縮空気がこのような冷水導管に供給される場合、ボイラを介して蒸気発生器に流れる。あるいは、前述の導水管は、熱湯供給用熱湯供給導管であってもよく、熱湯は、たとえば、ボイラから蒸気発生器に流れてもよい。この場合、給気導管が熱湯供給導管に通じることも可能である。
【0016】
導水管は、(直接、間接を問わず)水源に接続してもよい。水源は、たとえば水タンクの形の水栓または受水槽を介した水接続部であってもよい。水源は、冷水源および/または熱湯源であってもよい。
【0017】
説明する装置は、空気導管上の空気遮断部材および/または蒸気/空気導管上の蒸気遮断部材を含んでもよい。気流または蒸気/空気混合体の流れは、これらの遮断部材を開閉することにより制御または調節することができる。遮断部材は、特に遮断弁であってもよい。遮断部材は、遠隔操作してもよい。遮断部材は、電磁的、電気的、空圧的および/または油圧的で作動可能であってもよい。
【0018】
説明する装置は、飲料製品、特にミルクを泡立たせる泡立て室を含んでもよく、蒸気/空気導管は、泡立て室に接続される。蒸気/空気導管は、直接、間接を問わず泡立て室に接続してもよい。具体的には、それは泡立て室に通じてもよい。このような泡立て室においては、蒸気、空気および飲料製品は特に十分混合されて乳状となり、結果として特に良好な泡粘稠度が得られる。
【0019】
装置は、泡立て室に飲料製品を供給するために泡立て室に接続される飲料製品供給導管を含んでもよい。飲料製品供給導管は、直接、間接を問わず泡立て室に接続することができる。したがって、ミルクが使用される場合、供給導管は、ミルク供給導管となる。
【0020】
先述した装置は、飲料製品コンベヤを含んでもよい。具体的には、飲料製品コンベヤは、ミルク、特に低温ミルクを搬送するようにしてもよい。飲料製品コンベヤは、飲料製品を泡立て室に搬送するようにしてもよい。或いは又は更に、飲料製品コンベヤは、被加熱飲料製品および/または飲料製品泡を搬送するようにしてもよい。飲料製品コンベヤは、泡および/または被加熱飲料製品が分給される同じ容器から飲料製品を搬送するようにしてもよい。あるいは、飲料製品コンベヤは、飲料製品泡および/または被加熱飲料製品が分給される容器より別の容器から飲料製品を搬送するようにしてもよい。
【0021】
前述の飲料製品供給導管は、飲料製品コンベヤに接続する、特に飲料製品コンベヤに通じてもよい。
【0022】
具体的には、飲料製品コンベヤは、飲料製品を吸い込むベンチュリ室を含む。このようにすると、清涼飲料製品、高温飲料製品または飲料製品泡を吸い込み、したがってベンチュリ効果により搬送してもよい。具体的には、ベンチュリ室は、蒸気/空気導管に接続してもよい(間接的または直に)。ベンチュリ効果用負圧は、蒸気/空気の流れにより生成することができる。あるいは、飲料製品コンベヤは、ポンプを含んでもよい。
【0023】
上記の装置は、1つの開放端を有する供給装置をさらに含んでもよい。開放端は、容器に浸漬してもよい。具体的には、開放端は、飲料製品を含む容器に浸漬してもよい。供給装置は、容器に蒸気/空気混合体、被加熱飲料製品および/または飲料製品泡を供給するようにしてもよい。蒸気/空気混合体を供給することにより、容器内の飲料製品を泡立たせることを可能である。被加熱飲料製品および/または飲料製品泡が供給される場合、供給装置は、泡立て室内で生成された泡および/または被加熱飲料製品を容器に供給するように、たとえば、泡立て室、特にその出口に接続することができる(間接的にまたは直に)。
【0024】
供給装置は、開放端から蒸気/空気混合体、被加熱飲料製品および/または飲料製品泡を分給するために蒸気/空気導管に接続してもよい。好ましくは、供給装置は、蒸気/空気混合体を分給するために蒸気/空気導管に直に接続することができる。
【0025】
泡立て室は、飲料製品泡、特にミルク泡を容器に分給する泡出口開口部または泡出口導管を含んでもよい。飲料製品導管および/または飲料製品コンベヤは、容器から泡立て室に飲料製品または飲料製品泡を導いて搬送するようにしてもよい。すでに分給された飲料製品またはすでに分給された飲料製品が再びまたは繰り返し泡立てた場合、改善された泡粘稠度を取得してもよい。
【0026】
供給装置は、飲料製品を受け取る入口開口部を含んでもよい。具体的には、供給装置は、容器から飲料製品を受け取る入口開口部を含むことができる。供給装置は、たとえば、先述したように、飲料製品供給導管を含んでもよい。或いは又は更に、飲料製品供給導管または飲料製品供給導管は、入口開口部に通じてもよい。供給装置は、泡立て室および/または飲料製品を搬送する飲料製品コンベヤを含んでもよい。供給装置が泡立て室を含む場合、飲料製品は、供給装置内で泡立てられる。このように設置された泡立て室は、すでに先述したように、飲料製品供給導管および/または飲料製品コンベヤに接続してもよい。供給装置は、たとえば、飲料製品供給導管により泡立て室に接続される飲料製品入口開口部を含むことができる。飲料製品入口開口部および/または泡立て室は、容器内に含まれた飲料製品に浸漬されるように供給装置上にまたはその中に配置してもよい。
【0027】
具体的には、供給装置内またはその上に設置された飲料製品コンベヤは、飲料製品を吸い込むベンチュリ室を含んでもよい。
【0028】
上記の装置は、被加熱飲料製品および/または飲料製品泡の温度を検出する温度検出装置を含んでもよい。温度検出装置は、どの部材があるかによって、飲料製品供給導管、供給装置の開放端、供給装置の入口開口部、飲料製品コンベヤおよび/または泡立て室と接続および/またはそれらの上に配置された温度センサを含んでもよい。したがって、たとえば、飲料製品温度は、飲料製品供給導管上またはその中で、供給装置の開放端にてまたはその中で、供給装置の入口開口部にてまたはその中で、飲料製品コンベヤ内で、および、泡立て室内でそれぞれ検出することができる。温度センサは、飲料製品供給導管、泡立て室、飲料製品コンベヤおよび/または容器内の(飲料製品および/または泡の)温度を検出するようにしてもよい。
【0029】
具体的には、容器は、たとえば、供給装置の開放端が浸漬される、飲料製品を含む容器であってもよい。
【0030】
また、温度検出装置は、前述の装置または要素の1つ上に各々配設されるいくつかの温度センサを含んでもよい。
【0031】
上記の装置は、蒸気発生器、圧縮空気源、空気遮断部材、蒸気遮断部材および/または飲料製品供給コンベヤを自動制御および/または調節するための制御装置を含んでもよい。たとえば、遠隔制御可能な空気遮断部材および/または蒸気遮断部材が設置される場合、これらの部材は、制御装置により遠隔制御することができる。制御装置は、温度検出装置に、特に温度検出装置の1つまたは複数の温度センサに接続して、かつ、検出温度に応答して制御および/または調節するようにしてもよい。
【0032】
制御装置は、所望の飲料製品温度、泡温度および/または泡粘稠度を予め定義し、かつ、予め定義された飲料製品温度、泡温度および/または泡粘稠度に応答して制御および/または調節を達成するようにしてもよい。具体的には、蒸気発生器、圧縮空気源、空気遮断部材、蒸気遮断部材および/または飲料製品コンベヤの特定の制御は、複数の予め定義可能な飲料製品温度、泡温度および/または泡粘稠度について制御装置内でプログラムしてもよい。このようにすると、たとえば、ユーザは所望の泡温度および/または泡粘稠度を入力することができ、そこで、必要な装置および/または部材が自動的に制御される。
【0033】
上記の装置においては、空気遮断部材および/または蒸気遮断部材は、互いに別々に制御装置により制御可能であってもよい。これにより、複数の異なる温度にておよび異なる泡粘稠度での泡の生成が可能である。
【0034】
上記の装置は、清涼飲料製品容器、特に低温ミルク容器および清涼飲料製品容器用冷却装置を含んでもよい。
【0035】
説明する装置は、蒸気発生器内の圧力を検出する圧力センサ、および/または、蒸気発生器内の温度を検出する温度センサを含んでもよく、圧縮空気源および/または空気遮断部材は、検出圧力および/または検出温度に応答して制御される。このようにすると、圧縮空気供給を蒸気発生器内の状況に適合させることが可能であり、このより、結果的に、安定した均一な水蒸気発生が得られる。
【0036】
本発明は、さらに、飲料製品、特にミルクを加熱して泡立たせる先述した装置の1つを含むコーヒーメーカーを提供する。
【0037】
本発明の例示的な実施形態を図面によって以下にさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】ミルクを加熱して泡立たせる装置の第1の実施形態の概略図である。
【図2】供給装置下部の概略断面図である。
【図3】ミルクを加熱して泡立たせる装置の第2の実施形態の概略図である。
【図4】ミルクを加熱して泡立たせる装置の別の実施形態の概略図である。
【図5】ミルクを加熱して泡立たせる装置の別の実施形態の概略図である。
【図6】ミルクを加熱して泡立たせる装置の別の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図は、いくつかの実施形態を示す。図に示しおよび/または以下で説明する異なる態様の他の組み合わせも可能である。
【0040】
図1に概略的に示すように、ミルクを加熱して泡立たせる装置の実施形態は、蒸気発生器101を含む。蒸気発生器101は、たとえば、水が蒸発する蒸気ボイラとすることができる。この例および以下の例においては、泡立たせるべき飲料製品はミルクである。他の飲料製品の使用も可能である。
【0041】
泡立て装置は、圧縮空気源102をさらに含む。圧縮空気源102は、たとえば、圧縮エアポンプまたは圧縮ガスカートリッジとすることができる。給気導管103は、蒸気発生器101に圧縮空気源102から圧縮空気を導くように圧縮空気源102から蒸気発生器101に至る。この例においては、弁104の形の遮断部材は、給気導管103に沿って設置され、これにより、蒸気発生器101への空気供給の調節が可能である。具体的には、遮断部材は、空気供給を中断するために閉じてもよい。弁104は、例えば、電磁弁または逆止弁とすることができる。
【0042】
蒸気発生器101は、図示する例において水栓の形で設置される水源105により水を供給される。水源105は、導水管106により蒸気発生器101に直接に接続される。水圧を適切に調節するオリフィスプレートまたは減圧弁107を導水管106に沿って設置してもよい。また、水流を制御および/または調節する導水管に沿って弁を設置してもよい。
【0043】
水栓105により有効水ネットワークに導水管を接続する代わりに、水が次に対応するコンベヤにより蒸気発生器に搬送される、例えば水タンクの形の受水槽、例えばコーヒーメーカーを提供してもよい。蒸気発生器101への容器からの送水は、この場合、重力によって、または能動的な運搬により、例えばポンプにより達成することができる。
【0044】
図示する例においては、蒸気発生器101には、冷水が供給され、冷水は、その後、蒸気発生器101内で加熱されて蒸発する。あるいは、温水ボイラが蒸気発生器101の上流側に接続されてもよく、すなわち、温水ボイラは、そのため水源105と蒸気発生器101の間に接続される。この場合、温水ボイラは、冷水供給導管を介して冷水源から冷水を供給される。冷水は、温水ボイラ内で加熱され、熱湯供給導管を介して蒸気発生器に供給され、そこで蒸発する。
【0045】
圧縮空気は蒸気発生器内(たとえば、熱湯領域または蒸気領域内に)に入り、まず蒸気発生器から分岐する蒸気導管に(または空気と蒸気とを混合する、蒸気発生器の下流側にて接続された混合室に)は入らないという事実のために、均質な蒸気/空気混合体が、すでに蒸気発生器内で生成されている。この蒸気/空気混合体は、蒸気発生器から離れた蒸気/空気導管108を通ってかつ泡立てるべきミルク109に導かれる。蒸気/空気混合体の流れを制御しておよび/または調節する逆止弁110を蒸気/空気導管に沿って設置してもよい。
【0046】
蒸気/空気導管108は、供給装置111に直接に接続されている。供給装置は、ミルク109を含む容器112に浸漬してもよい1つの開放端を(その下端部にて)含む。供給装置は、たとえば、管として形成することができ、蒸気/空気チャネルは、その中を通って開放端へ、したがって、ミルクの中に通じる。給気導管108は、その後、供給装置111の蒸気/空気チャネルに(流体的に)接続される。説明する例においては、容器112内に供給されたミルク109に開放端を介して蒸気/空気混合体を分給することが可能であり、これにより、ミルクがその後容器内で加熱されて泡立てられる。
【0047】
従来のエアポンプは、構造に関係した脈動、即ち、多少なりとも蒸気の噴出で不連続的に空気を供給するが、それでもなお空気および蒸気の均質な混合物を保証することができ、その理由は、空気がすでに蒸気発生器内に供給されており、これにより、ほぼ均質な泡が発生するからである。
【0048】
さらに、開放端の領域内で、即ち、供給装置111の下部領域内で供給装置に接続されかつその上に配置された温度センサ113を含む温度検出装置が、図示する例で提示されている。温度センサ113は、容器112内に供給されたミルク109の温度(および、作業中にはミルク泡の温度も)の検出または測定を可能にする。供給装置111が、たとえば、管の形において設計されている場合、温度センサ113は、たとえば、温度センサ113の少なくとも一部、たとえば、先端が供給装置から突出した状態で部分的にパイプ内に位置するように配置してもよい。
【0049】
説明する泡立て装置は、異なる部分または全体として泡立て装置の自動制御および/または調節用制御装置114をさらに含む。図示する例においては、制御装置は、特に、蒸気発生器101、圧縮空気源102、弁104および110ならびに温度センサ113に接続されている。制御装置114は、水源105または導水管106に沿って配置された弁にさらに接続してもよい。
【0050】
圧縮空気弁104および/または蒸気/空気弁110は、制御装置114により遠隔制御することができ、かつ、要件に従った開閉することができる。
【0051】
基本的に、ユーザは、泡立て装置内の所望のミルクまたは泡温度を入力することができる。同様に、所望の泡粘稠度を入力してもよい。たとえば、ユーザが選択をすることができる泡について異なる度合いの粘稠度があるとすることができる。あるいは、泡立て装置および制御装置が予め定義された泡温度および/または予め定義された泡粘稠度について設定およびプログラムされる可能性もある。予め定義されたかまたはユーザが選択した泡粘稠度を取得するために、制御装置114は、空気および/または蒸気の必要な量についてプログラムしてもよい。泡立てプロセス中において、圧縮空気源102および/または弁104は、利用可能な泡粘稠度に必要とされる圧縮空気量を成すようにその後制御される。蒸気発生器101および/または弁110は、温度センサ113により供給された情報に基づいて制御装置114により制御することができる。したがって、たとえば、弁110は、ユーザにより所望される泡温度を下回る所定の温度になると閉じることができる。また、正に温度センサ113が所望の泡温度を測定するときに弁110を閉じることが可能である。
【0052】
弁104および110ならびに蒸気発生器101(特に蒸気発生器内に含まれた発熱体)自体を制御するために、温度センサおよび/または圧力センサも、蒸気発生器101内に設置してもよい。ダルトンの法則(分圧の法則)を用いることにより、蒸気発生器内の圧力および温度から、導入された圧縮空気の分圧を検出することが可能である。これに基づいて、制御装置114は、所望の利用可能な泡粘稠度に必要な空気量を供給するように、弁104の開閉を誘導することができる。
【0053】
図2は、蒸気ボイラの形の蒸気発生器201の例を概略的に示す。図示する蒸気ボイラは、温水ボイラである。蒸気発生器201において、発熱体214が設置され、発熱体214により、供給された水が加熱されて蒸発する。水は、導水管206を介して供給され、導水管206は冷水供給導管または熱湯供給導管でもよい。蒸発に向けて発熱体214により加熱された水は、蒸気ボイラ、いわゆる熱湯領域215の下部領域内に位置する。蒸気216は、液体上に形成される。したがって、蒸気は、蒸気発生器の蒸気領域内に位置する。
【0054】
図示する例においては、圧縮空気は、給気導管203を通って介蒸気発生器の蒸気領域に導かれ、すなわち蒸気になる。したがって、空気は、蒸気領域内の蒸気と細かく混ぜ合せられて一様に配分される。熱蒸気のために、導入された空気は同時に殺菌される。蒸気/空気混合体は、その後、蒸気発生器から離れた蒸気/空気導管218を通ってミルクの方に、たとえば供給装置に導かれる。
【0055】
図示する例においては、給気導管は、蒸気領域内に蒸気発生器に直接に通じる。あるいは、給気導管は、別の位置にて蒸気発生器に通じてもよい。たとえば、給気導管は、熱湯領域215に通じることができる。別の例により、熱湯抜き導管216は、蒸気発生器上に設置される。抜かれた熱湯は、たとえば、洗浄を目的として、または他の高温飲料、たとえば茶の準備に使用することができる。このような場合、給気導管は、熱湯抜き導管216にも接続して、たとえば、熱湯抜き導管216に通じてもよい。給気導管は、熱湯抜き開口部に通じることができる。
【0056】
通常、熱湯または熱蒸気より温度が低い空気が導入されたとき、かつ、蒸気発生器から分岐する蒸気導管に圧縮空気を注入することと比較して、温度上昇による空気の膨張は、蒸気発生器内の比較的大きいバッファ容量により補正される。さらに、供給された空気の圧力は、より良い方法で水発生器または蒸気発生器に調節することができ、その理由は、蒸気発生器内の圧力は、より大きい容量のために蒸気導管内より安定しているからである。
【0057】
たとえば、図1にも図示するような供給装置については、複数の可能な例示的な実施形態がある。一例を図3に概略的に示す。断面図で示す供給装置311は、蒸気/空気チャネル317が通る管の形にて設計されている。この蒸気/空気チャネル317は、蒸気発生器から来る蒸気/空気導管に、たとえば直接に(流体的に)接続することができる。図示する例においては、供給装置311は、ミルク309を含む容器312に浸漬された2つの開放端318を含む。さらに、温度センサ313が設置されており、温度センサ313は、供給装置311の軸に沿って配置され、供給装置311のまわりに蒸気/空気チャネルが設置されている。
【0058】
図示する例においては、供給装置は、2つのベンチュリ室319およびこれに接続された2つの泡立て室322を備える。ベンチュリ室319は、一方が蒸気/空気路317に、他方がそれぞれの泡立て室に接続されている。蒸気/空気の流れは、各ベンチュリ室319内で負圧を生成し、それによって、ミルク309は、ベンチュリ効果により、入口開口部320およびミルク供給導管321を通って対応する泡立て室322内に吸い込まれ、そこで、泡立たされると、再び、開放端318を介して容器312に分給される。泡立つミルクが吸い込まれていた同じ容器に分給されると、ミルクは、ベンチュリ室内で泡立てプロセスを繰り返し受けてもよく、これにより、さらにより良好な泡粘稠度が得られる。
【0059】
代替においては、ベンチュリ室でなくミルク供給導管321を設置することも可能である。ミルクは、その後、能動的な搬送がなくても泡立て室に流れ、そこで、泡立てが、供給装置内で行われる。
【0060】
あるいは、泡立て室を設置する代わりに、蒸気/空気路317は、直に供給装置311の開放端318に通じることもでき、それで、蒸気/空気混合体は、容器312内に存在するミルク309に直に供給装置311から分給され、泡立ては、その後、容器内で行われ。供給装置311内に設置された泡立て室で行われない。
【0061】
図4は、泡立て装置の別の実施形態を概略的に示す。この例に示す泡立て装置も、蒸気発生器401と圧縮空気源402とを含み、圧縮空気は、蒸気発生器401に給気導管403を介して供給される。弁404が、給気導管403に沿って設置されている。給気導管403は、蒸気発生器401内に通じる。図2に関連してすでに説明したように、給気導管403は、たとえば、蒸気領域においてまたは熱湯領域における異なる位置にて、蒸気発生器に通じてもよい。冷水は、減圧弁407が上に配置されている導水管406を介して冷水源405から蒸気発生器に導かれる。すでに先述したように、この実施形態においても、水栓の代わりに水タンクを設置してもよくおよび/または熱湯領域は、蒸気発生器401の上流側で接続してもよい。
【0062】
蒸気発生器401から、遮断弁410が上に配置されている蒸気/空気導管408は、供給装置411内の泡立て室422に至り、そこで、ミルクは泡立てられる。
【0063】
本明細書で図示する例においては、ミルク409は、低温ミルク容器423内に設置されている。この低温ミルク容器423は、たとえば、冷却装置、たとえば、冷蔵庫内に配置することができる。ミルク温度をモニタするために、温度センサ424が設置されており、温度センサ424は、制御装置414に接続されている。基本的に、この例の制御装置414も、すでに先述したように、制御および/または調節することができる泡立て装置の一部の要素にまたは全ての要素にさえ接続することができる。
【0064】
ミルクコンベヤ425、たとえば、ポンプにより、ミルク409は、低温ミルク容器からミルク供給導管421を通って供給装置411に、そこで、泡立て室422内に搬送される。泡立て室422内で、ミルクは、蒸気/空気導管408からの蒸気/空気混合体と混合されて蒸気/空気混合体により泡立たされ、その後、ミルク出口426の形の供給装置411の2つの開放端を介して分給される。
【0065】
温度センサ413は、泡立つミルクの温度を検出するために泡立て室422内に設置されている。異なる弁、圧縮空気源および/または蒸気発生器は、ユーザにより予め定義された泡温度および/または泡粘稠度、および、温度センサ413により測定された温度に基づいて制御および/または調節してもよい。図示する供給装置411の代わりに、たとえば、図1または図3に示すような供給装置も使用してもよい。
【0066】
図5は、泡立て装置の別の例示的な実施形態を概略的に示す。図4の場合の同じ要素は、類似した参照番号で指定され、第1の桁は、1つ増え、すなわち5である。たとえば、蒸気発生器は、501と指定され、圧縮空気源は、502と指定されている。図示する実施形態は、ミルク搬送は、ポンプによってではなく供給装置511内に設置されているベンチュリ室519により達成され、一方が蒸気/空気導管508に、他方が泡立て室522に接続されているという点において図4の代替と異なる。ベンチュリ効果のために、蒸気/空気の流れは、ベンチュリ室519において負圧を生成し、それで、ミルク509は、ミルク供給導管521を介して低温ミルク容器523から吸い込まれる。図4と同様に、蒸気/空気混合体は、その後泡立たされて泡立て室内でミルクと共に乳状化される。ミルクは、その後、供給装置511の2つの開放端526を通ってカップ527へ泡として分給される。
【0067】
図6は、別の例示的な実施形態を概略的に示しており、先の図にすでに示した要素は、6で始まる類似した参照番号で同様に指定されている。この例示的な実施形態は、まず、圧縮空気が蒸気発生器601に導かれずに冷水導管606に導かれるという点において先行する実施形態と異なる。圧縮空気源602は、給気導管603により冷水導管606に接続されて冷水導管606に通じる。したがって、空気/水混合体は、開口点(opening point)から蒸気発生器601に導かれ、そこで、加熱され、かつ、そこで、蒸気/空気混合体がしたがって生成される。
【0068】
図示する例においては、冷水は、蒸気発生器601に供給されている。すでに先述したように、温水ボイラは蒸気発生器の上流側に接続してもよい。この場合、給気導管603は、冷水源605と温水ボイラとの間の冷水供給導管に、または、温水ボイラと蒸気発生器間の熱湯供給導管に通じてもよい。いずれの場合も、蒸気発生器には、空気/水混合体が供給される。
【0069】
例えば、図1による実施形態の場合と同様に、泡立たせるべきミルク609は、容器612内に含まれている。この容器612から、ミルク609は、ミルク供給導管621を通って泡立て室622に搬送される。図5の例の場合と同様に、この例のコンベヤは、ベンチュリ室619である。ベンチュリ室619は、したがって蒸気/空気導管608、ミルク供給導管621および泡立て室622に接続される。
【0070】
開放端618を有する泡チャンネル628は、泡立て室から同じ容器612に再び通じる。ベンチュリ室619、泡立て室622、ミルク供給導管621ならびに泡チャンネル628は、供給装置611の一部として供給される。泡立たせるべきミルクまたは泡立つミルクの温度をそれぞれ検出する2つの温度センサ624および613が更に設置されている。両方の温度センサは、一方または両方の計測済みの温度値に基づいて泡立て装置の異なる要素を制御および/または調節することを可能にするように制御装置614に接続されている。基本的に、2つの温度センサの1つのみを設置することも可能である。この実施形態においても、ミルクは、繰り返し泡立ってもよく、その理由としては、ミルク泡は、ミルク導管621を介して泡立て室にもう一度吸い込むことができるからである。
【0071】
図示すると共に説明する実施形態の異なる要素および態様は、基本的に随意的な方法で互いに組み合わせることができることが認識されるであろう。たとえば、開示する異なる供給装置は、例示的な実施形態の各々の1つにおいて使用してもよい。同じことが、異なる形式の空気供給、すなわち、蒸気発生器への(蒸気領域または熱湯領域への)、または蒸気発生器に至る冷水または熱湯供給導管への直接的供給に適用される。挿入温水ボイラの有無を問わず異なる形式の給水(たとえば、水栓または受水槽による給水)も各実施形態において使用してもよい。基本的に、また、ミルクは、たとえば、ポンプまたはベンチュリ効果により各実施形態において随意的に搬送することもできる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料製品、特にミルクを加熱して泡立たせる装置であって、
蒸気発生器(101;201;401;501;601)と、
圧縮空気源(102;402;502;602)と、
前記圧縮空気源から前記蒸気発生器に空気を供給するために前記圧縮空気源に接続された給気導管(103;203;403;503;603)と、
前記蒸気発生器から前記飲料製品内に蒸気/空気混合体を供給するために前記蒸気発生器に接続された蒸気/空気導管(108;208;408;508;608)と
を備えることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記蒸気発生器は、熱湯の蒸発に適合されて熱湯領域と蒸気領域とを含み、前記給気導管は、前記蒸気領域および/または前記熱湯領域に接続され、前記熱湯領域に通じることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記蒸気発生器に水を供給しおよび/または前記蒸気発生器から水を排出するために前記蒸気発生器に接続された導水管(106;206;406;506;606)を備え、前記給気導管は、前記導水管に通じることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記導水管は、熱湯を供給する給湯導管、熱湯を排出する熱湯抜き導管、または、冷水を供給する冷水供給導管であることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記空気導管上に空気遮断部材(104;404;504;604)および/または前記蒸気/空気導管上に蒸気遮断部材(110;410;510;610)を備えることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記飲料製品を泡立たせる泡立て室(322;422;522;622)を備え、前記蒸気/空気導管は、前記泡立て室に接続され、特に前記泡立て室に通じることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記泡立て室に前記飲料製品を供給するために前記泡立て室に接続される飲料製品供給導管(321、421;521;621)を備えることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記泡立て室に前記飲料製品を搬送する飲料製品コンベヤ(319;425;519;619)を備えることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記飲料製品コンベヤは、前記飲料製品を吸い込むベンチュリ室またはポンプを含むことを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
特に飲料製品を含む容器に特に浸漬することができる、1つの開放端を有する供給装置(111;311;411;511;611)をさらに備えることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記供給装置は、前記容器に蒸気/空気混合体、被加熱飲料製品および/または飲料製品泡を供給するようになっていることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記供給装置は、前記開放端から蒸気/空気混合体、被加熱飲料製品および/または飲料製品泡を分給することを可能にするために前記蒸気/空気導管に接続されることを特徴とする請求項10または請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記供給装置は、特に前記容器から飲料製品を受け取る入口開口部を含む請求項10〜請求項12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
前記供給装置は、泡立て室および/または飲料製品を搬送する飲料製品コンベヤを含む請求項10〜請求項13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
前記被加熱飲料製品および/または前記飲料製品泡の温度を検出する温度検出装置を備えることを特徴とする請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載の装置。
【請求項16】
前記温度検出装置は、前記飲料製品供給導管、前記供給装置の前記開放端、前記供給装置の前記入口開口部、前記飲料製品コンベヤおよび/または前記泡立て室に接続されおよび/またはそれらの上に配置される温度センサを含むことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記温度センサは、前記飲料製品供給導管、前記泡立て室、前記飲料製品コンベヤおよび/または前記容器内の温度を検出するようになっていることを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記蒸気発生器、前記圧縮空気源、前記空気遮断部材、前記蒸気遮断部材および/または前記飲料製品コンベヤの前記自動制御および/または調節用制御装置を備えることを特徴とする請求項1〜請求項17のいずれか1項に記載の装置。
【請求項19】
前記制御装置は、前記温度検出装置に接続され、かつ、検出温度に応答して制御および/または調節するようになっていることを特徴とする請求項18に記載の装置。
【請求項20】
所望の飲料製品温度、泡温度および/または泡粘稠度は、予め定義可能であり、前記制御および/または調節することは、前記予め定義された飲料製品温度、泡温度および/または泡粘稠度に応答して達成されることを特徴とする請求項18または請求項19に記載の装置。
【請求項21】
清涼飲料製品容器と前記清涼飲料製品容器用冷却装置とを備えることを特徴とする請求項1〜請求項20のいずれか1項に記載の装置。
【請求項22】
前記蒸気発生器内の圧力を検出する圧力センサおよび/または前記蒸気発生器内の温度を検出する温度センサを備え、前記圧縮空気源および/または前記空気遮断部材は、検出圧力および/または検出温度に応答して制御されることを特徴とする請求項1〜請求項21のいずれか1項に記載の装置。
【請求項23】
請求項1〜請求項22のいずれか1項に記載の装置を備えることを特徴とするコーヒーメーカー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−593(P2013−593A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−133354(P2012−133354)
【出願日】平成24年6月13日(2012.6.13)
【出願人】(512154770)ヴェーエムエフ ヴュルテンベルキッシュ メタルヴァーレンファブリーク アーゲー (1)
【Fターム(参考)】