説明

飲料製造方法

抽出組立体(1)であって、−抽出室(10)が、2台の粉砕部(14、15)を有する粉砕装置(3)の漏斗(19)の出口(21)に面した入口(11)を有し、それぞれの粉砕部(14、15)を選択的に作動させて、出口(21)の対応するそれぞれのアクティブ部分(21a、21b)を通して、抽出室(10)に粉末を供給することができ、−粉末が分配されるときに、抽出室(10)が、出口(21)のそのときにアクティブな部分(21a、21b)の方へ動かされる抽出組立体(1)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は飲料製造方法に関する。
【0002】
本発明は、より具体的には、2つの粉砕部を備えた粉砕装置の内部で粉砕され、水平軸まわりに振動するように取り付けられた抽出室に漏斗によって直接供給された粉末から、抽出組立体によって、飲料、特にコーヒーを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
抽出飲料(brewed beverage)を製造するためには、通常、特性の異なる粉末を抽出室に選択的に供給するために2つの粉砕部が使用され、漏斗は、通常、各粉砕部にそれぞれ接続された2つの入口を上端に有する中央カップと、1つの出口を下端に有する1つの鉛直流出導管とを備える。あるいは、中央鉛直仕切りによって、中央カップ、流出導管および出口が、各入口とそれぞれ連通する別個の2つの部分に分けられる。
【0004】
公知技術に従って抽出飲料を調製する場合は、抽出室の入口が漏斗の出口の下に直接に配置された任意の装填位置、通常は鉛直の装填位置に抽出室をセットすることによって、抽出室に粉末が装填される。
【0005】
漏斗のタイプや2つの粉砕部のうちのどちらを使用するかにより異なる抽出室内における粉末の配置、ひいては、その結果得られる飲料の特性のため、この方法はいくつかの欠点を有する。
【0006】
この欠点をなくすため、粉砕部と抽出室の間に追加のバッフル(baffle)装置を挿入して、粉末の落下経路を必要に応じて補正することが提案されている。
【0007】
抽出室内における粉末の最適な配置を達成することには成功したものの、上記の解決策は、設計を非常に複雑にし、そのため、抽出組立体の製造コストを増大させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、抽出組立体の抽出室内における粉末の最適な配置を、抽出組立体の設計を複雑にすることなく達成するように設計された、抽出組立体を使用する飲料製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、請求項1に記載された飲料製造方法、好ましくは、請求項1に直接または間接的に従属する後続の請求項のうちの任意の1つの請求項に記載された飲料製造方法が提供される。
【0010】
次に、添付図面を参照して、本発明の非限定のいくつかの実施形態を例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る方法を実現する抽出組立体の好適な第1の実施形態の各動作位置における横断面図である。
【図2】本発明に係る方法を実現する抽出組立体の好適な第1の実施形態の各動作位置における横断面図である。
【図3】本発明に係る方法を実現する抽出組立体の好ましい第2の実施形態の各動作位置における横断面図である。
【図4】本発明に係る方法を実現する抽出組立体の好ましい第2の実施形態の各動作位置における横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付図面中の符号1は、粉砕装置3の下に配置された抽出装置2を備える抽出組立体の全体を指し、図示の例では、粉砕装置3が、コーヒー豆(図示せず)を粉砕してコーヒー粉末にするための装置であり、このコーヒー粉末は、コーヒー飲料を製造するために抽出装置2に供給される。
【0013】
抽出装置2は、作動装置7の制御下で水平軸6を軸に振動するように取り付けられた、縦軸5を有するカップ形状体4を備えた公知のタイプの抽出装置であり、作動装置7は、モータ8と、モータ8をカップ形状態4に接続する変速装置9とを備えている。
【0014】
軸6は、図1から図4のそれぞれの図の平面と一致する平面P1に対して垂直であり、鉛直平面P2内にあり、カップ形状体4は、その凹側を上に向けて配置され、上端の入口11を介して外部と連通した抽出室10を形成する。抽出室10は排出ピストン12を収容する。排出ピストン12は、通常、抽出室10の底に配置され、粉末かすを抽出室10から放出するために、図示されていない公知の制御装置によって入口11に向かって移動することができる。
【0015】
抽出装置2は、さらに、軸6に関して径方向に配置された圧力ピストン13を備え、カップ形ボディ4が軸6まわりに動かされて、カップ形状体4が圧力ピストン13と同軸である抽出位置へ移動したときに、圧力ピストン13は、公知の方式で軸方向に動かされて入口11と係合する。
【0016】
採用される粉砕装置3は、2つの粉砕部14、15を備え、粉砕部14、15は、平面P1内において平面P2の両側に並んで配置され、各流出導管16、17を有し、流出導管16、17は、下に行くにつれて平面P2に向かって次第に細くなり、漏斗19のカップ18の上縁に一体に接続される。カップ18から抽出装置2に向かって、略鉛直の流出導管20が鉛直に下方へ延び、流出導管20は、平面P1と平面P2の交線と一致した軸と、出口21とを有し、出口21は、平面P2によって2つの部分21a、21bに分けられ、部分21aは、平面P2に関して流出導管16と同じ側に位置する。
【0017】
実際の使用において、粉砕部14は、作動させると、粉末コーヒー(powdered coffee)の流れを分配し、分配された粉末コーヒーは、カップ18内を流下し、流出導管20に入ると、平面P2を貫いて流れ、出口21の部分21bを通って流出する傾向がある。したがって、これにより、粉砕部14に関しては、部分21bが出口21の「アクティブ部分」となり、同じ原理によって、粉砕部15に関しては、部分21aが出口21の「アクティブ部分」となる。
【0018】
コーヒー(または他の抽出飲料)を製造するために抽出組立体1をセットする際には、抽出装置2は、通常、カップ形状体4の縦軸5が平面P1と平面P2の交線と一致した待機位置にセットされ、抽出室10に供給する粉末コーヒーを生成するために、粉砕部14、15のいずれか一方が作動される。
【0019】
使用する粉砕部は、いくつかの基準に基づいて選択され得るが、2つの粉砕部が、異なる種類のコーヒー豆を含むかどうか、および/または、コーヒー豆を別の挽き方で粉砕するかどうかは、通常、使用者の選択の問題である。いずれにせよ、選択がなされると、作動装置7は、選択された粉砕部14または15のアクティブ部分21b(図1)または21a(図2)に向かって、軸6まわりにカップ形状体4を回転するように操作される。この回転は、出口21を、抽出室10の入口11の上に、直接かつ完全に維持することが好ましい。
【0020】
さもなければ抽出室10の側面に当たり、抽出室10の片側に集積するはずの粉末の流れが、こうして底までまっすぐに落下し、抽出室10内においてより均一に散らばる。
【0021】
図3および4の変形実施形態では、平面P2内にあるとともに漏斗19の全長を延伸する仕切り22により、部分21aおよび21bが物理的に形成される。この場合、粉末はもはや平面P2を貫いて流れることができないため、粉砕部14に関しては、部分21aが出口21の「アクティブ部分」となり、粉砕部15に関しては、部分21bが出口21の「アクティブ部分」となり、そのため、粉砕部14を作動させる際には、カップ形状体4の入口11が部分21aの方へ動かされ、粉砕部15を作動させるときには部分21bの方へ動かされる。
【0022】
示された両方の実施形態では、カップ形状体4は、それを軸6まわりに回転させることによって動かされるが、カップ形状体4を全く回転させず、抽出装置2の全体を平面P1に平行などちらかの方向へ動かすことによっても、同様の結果を達成することができることは明らかである。
【符号の説明】
【0023】
1 抽出組立体
2 抽出装置
3 粉砕装置
4 カップ形状体
5 カップ形状体の縦軸
6 水平軸
7 作動装置
8 モータ
9 変速装置
10 抽出室
11 抽出室の入口
12 排出ピストン
13 圧力ピストン
14 粉砕部
15 粉砕部
16 粉砕部の流出導管
17 粉砕部の流出導管
18 漏斗のカップ
19 漏斗
20 流出導管
21 流出導管の出口
21a 流出導管の出口の部分
21b 流出導管の出口の部分
22 仕切り
P1 平面
P2 平面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抽出室(10)が、複数の粉砕部(14、15)を有する粉砕装置(3)の漏斗(19)の出口(21)の下に対向して配置された入口(11)を有する抽出組立体(1)を提供することと、
前記粉砕部(14、15)を選択的に作動させて、前記出口(21)の各アクティブ部分(21a、21b)を介して、前記抽出室(10)に粉末を供給することと、
を含む飲料製造方法、特に、コーヒーを淹れるための飲料製造方法であって、
前記粉砕部(14、15)のうちの1つによって前記粉末が分配される際に、これに対応する前記出口(21)の前記アクティブ部分(21a;21b)の方へ向かう任意の運動を前記抽出室(10)に与えることを含む飲料製造方法。
【請求項2】
第1の鉛直平面(P1)内において、前記第1の平面(P1)に直交する第2の鉛直平面(P2)の両側に並列して配置された2つの粉砕部(14、15)を使用することと、前記出口(21)を2つの部分(21a、21b)に分割することと、を含み、該2つの部分(21a、21b)が、各前記粉砕部(14;15)の前記アクティブ部分(21a;21b)であり、前記運動が、前記第1の平面(P1)内の運動である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記運動は、水平な回転軸(6)まわりの回転である請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記回転軸(6)は、前記第2の平面(P2)内にある請求項2および3に記載の方法。
【請求項5】
各粉砕部(14;15)及びこれに対応する出口(21)のアクティブ部分(21a;21b)は、前記第2の平面(P2)の反対側に配置されている請求項2から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記漏斗(19)が、前記第2の平面(P2)内にある中央仕切り(22)を備え、各粉砕部(14;15)及びこれに対応する前記出口(21)のアクティブ部分(21a;21b)は、前記第2の平面(P2)に対して同じ側に配置されている請求項2から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記抽出室(10)に与えられる前記運動が、前記出口(21)を、前記抽出室(10)の前記入口(11)の上に、直接かつ完全に維持する程度の運動である請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−525188(P2012−525188A)
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−507835(P2012−507835)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【国際出願番号】PCT/IB2010/000933
【国際公開番号】WO2010/125438
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(511243543)エヌアンドダブル グローバル ヴェンディング エッセ.ピ.ア. (3)
【Fターム(参考)】