説明

飴及びその製造方法

【課題】口腔及び咽喉内を殺菌、消臭できる飴及びその製造方法を提供する。
【解決手段】飴原料に、二酸化チタン粒子を添加する。この飴は、飴原料を混合し120〜190℃の温度範囲で煮詰めるステップと、前記飴原料に二酸化チタン粒子を添加し攪拌するステップと、前記二酸化チタン粒子を添加した飴原料を冷却して固化させるステップにより製造する。さらに、前記二酸化チタン粒子はアパタイトとの複合体粒子とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飴及びその製造方法に関し、特に、二酸化チタンとアパタイトの複合体を含有し、口腔及び咽喉内の殺菌、消臭効果を有する飴及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、咳や痰、炎症等による喉の荒れ、声枯れ、痛み、不快感を癒すものとして、様々なタイプの喉飴が市販されている。
【0003】
一方、喉飴に二酸化チタンとアパタイトの複合体を応用させたものはこれまでになかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような従来の市販の喉飴の中には、メントールや生薬、ハーブエキス等で喉に清涼感や潤いを与え、すっきりさせる程度の効果しか有しておらず、殺菌作用はほとんど期待できないというものも多かった。
【0005】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みて、二酸化チタンとアパタイトの複合体を含有し、口腔及び咽喉内における高い殺菌、消臭効果を有する飴及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
尚、本発明に係る二酸化チタン粒子とアパタイトの複合体を含有する飴材料は、チューインガムに添加して使用してもよい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために、飴原料に、二酸化チタン粒子が添加されたことを特徴とする飴を提供する。
【0008】
また、本発明は、上記課題を解決するために、飴原料を混合し120〜190℃の温度範囲で煮詰めるステップと、前記飴原料に二酸化チタン粒子を添加し攪拌するステップと、前記二酸化チタン粒子を添加した飴原料を冷却して固化させるステップと、の各ステップを具備することを特徴とする飴の製造方法を提供する。
【0009】
ここで、前記二酸化チタン粒子は、アパタイトとの複合体粒子とする。さらに、前記複合体粒子は、アパタイトにより前記二酸化チタン粒子が被覆された複合体粒子とする。なお、前記アパタイトは、フルオロアパタイトまたはハイドロキシアパタイトとする。
【0010】
また、前記飴原料は、少なくとも砂糖と水飴からなるようにする。もしくは、前記飴原料が、砂糖より低カロリーの甘味料またはノンカロリーの甘味料を含むようにする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、通常の喉飴が有している、唾液の分泌を促進して喉の乾燥を和らげ口内の酸を中和する効果に加え、高い殺菌力により口腔及び咽喉内の細菌を除去する。これにより、咳や痰、炎症等による喉の荒れ、声枯れ、喉の痛み、不快感を取り除き、虫歯、歯周病の予防や口内の消毒に役立つ。さらに、口臭を除去、予防する効果も有する。また、本発明に係る二酸化チタン粒子とアパタイトの複合体を含有する飴材料は、チューインガムに添加して使用しても上記効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の飴の各製造工程を示すフローチャートである。
図1に示すように、まず、砂糖(例えば、グラニュー糖)と水飴を混合し、約120〜190℃程度で煮詰める(ステップS1)。次いで、これに二酸化チタンとアパタイトの複合体を加え、よく攪拌する(ステップS2)。次いで、これを冷却して固める(ステップS3)。
【0014】
ステップ3では、各々の型に入れてから冷却しても良いし、冷却後程よく固まったところでカット等を行い一口大のサイズにしても良い。
【0015】
ここで、摂取カロリーを軽減するため、砂糖及び水飴に代えて低カロリー甘味料(またはノンカロリー甘味料)を用いても良い。具体的には、水飴に代えて還元水飴またはマルチトール水飴を用いる。また、砂糖に代えて、キシリトールやエリスリトール等の糖アルコールや、パラチノース(登録商標)、アセスルファムK等を用いる。上記のような甘味料を砂糖及び水飴の代わりに用いることにより、低カロリーまたはノンカロリーの飴とすることができる。
【0016】
また、必要に応じて適宜香料や果汁、ハーブエキス、酸味料、着色料等を加えて、香りや味、色を整えても良い。
【0017】
本発明は、二酸化チタンとアパタイトの複合体の殺菌、消臭効果を利用するものであるが、この二酸化チタンは食品添加物としても認められている物質であり、また、アパタイトも人の歯や骨の主成分となる物質で、共に人体には無害かつ安全である。
【0018】
このように本発明によれば、通常の喉飴が有している、唾液の分泌を促進して喉の乾燥を和らげ口内の酸を中和する効果に加え、高い殺菌力により口腔及び咽喉内の細菌を除去する。これにより、咳や痰、炎症等による喉の荒れ、声枯れ、喉の痛み、不快感を取り除き、虫歯、歯周病の予防や口内炎時の消毒に役立つ。さらに、口臭を除去、予防する効果も有する。
【0019】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。ここで、本発明に係る二酸化チタン粒子とアパタイトの複合体を含有する飴材料は、チューインガムに添加して使用しても上記効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明は、飴及びその製造方法に関し、特に、二酸化チタンとアパタイトの複合体を含有し、口腔及び咽喉内の殺菌、消臭効果を有する飴及びその製造方法に関するものであり産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の飴の各製造工程を示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飴原料に、二酸化チタン粒子が添加されたことを特徴とする飴。
【請求項2】
前記二酸化チタン粒子が、アパタイトとの複合体粒子であることを特徴とする請求項1記載の飴。
【請求項3】
前記複合体粒子は、アパタイトにより前記二酸化チタン粒子が被覆された複合体粒子であることを特徴とする請求項2に記載の飴。
【請求項4】
前記アパタイトが、フルオロアパタイトまたはハイドロキシアパタイトであることを特徴とする請求項2または3に記載の飴。
【請求項5】
前記飴原料が、少なくとも砂糖と水飴からなることを特徴とする請求項1に記載の飴。
【請求項6】
前記飴原料が、砂糖より低カロリーの甘味料またはノンカロリーの甘味料を含むことを特徴とする請求項1に記載の飴。
【請求項7】
飴原料を混合し、120〜190℃の温度範囲で煮詰めるステップと、
前記飴原料に二酸化チタン粒子を添加し、攪拌するステップと、
前記二酸化チタン粒子を添加した飴原料を冷却して固化させるステップと、
の各ステップを具備することを特徴とする飴の製造方法。
【請求項8】
前記二酸化チタン粒子が、アパタイトとの複合体粒子であることを特徴とする請求項7記載の飴の製造方法。
【請求項9】
前記複合体粒子は、アパタイトにより前記二酸化チタン粒子が被覆された複合体粒子であることを特徴とする請求項8に記載の飴の製造方法。
【請求項10】
前記アパタイトが、フルオロアパタイトまたはハイドロキシアパタイトであることを特徴とする請求項8または9に記載の飴の製造方法。
【請求項11】
前記飴原料が、少なくとも砂糖と水飴からなることを特徴とする請求項7に記載の飴の製造方法。
【請求項12】
前記飴原料が、砂糖より低カロリーの甘味料またはノンカロリーの甘味料を含むことを特徴とする請求項7に記載の飴の製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2009−207399(P2009−207399A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−52823(P2008−52823)
【出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【出願人】(505425878)
【出願人】(592248835)日本エー・シー・ピー株式会社 (56)
【Fターム(参考)】