説明

飾り鏡餅体

【課題】 作業員が重ねた鏡餅上面部に葉柄を有する橙材を手によって載置する作業工程上の困難さを克服して短時間のうちに完成品の仕上げを行う要求に応えられる構造に飾り鏡餅体を用意する。
【解決手段】 飾り橙体2の平面中央部に突出形の通孔部を設けるとともに通孔部周囲を橙体の周面弧形状に対し平面状に形成し、前記橙体の周面弧形部の一部に任意形状の突起6を形成し、適当大きさから成る葉体9の基端部に開口部を設け、この葉体の開口部は前記橙体の突出形通孔部に嵌合し、前記葉体の開口部及び橙体の突出形通孔部に挿入する摘み付き挿入子12を設け、このように成る橙体を鏡餅体上に被套するキャップ体14の一側部に前記橙体一側面部の突起が嵌合する凹部15を設けるとともにキャップ体の上面中央部に前記挿入子が嵌合する凹部16を設け、前記キャップ体は橙体及び鏡餅器体1の上部分を被套するように成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飾り鏡餅体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
わが国民の各家庭における伝統の新年の飾り鏡餅やその包装体に関する特許発明等については、従来種々のものが公知となっているところ、次に挙げるものが例示できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2961141号公報
【特許文献2】特許第3010286号公報
【特許文献3】特許第3070597号公報
【特許文献4】特許第3730990号公報
【特許文献5】特許第3964633号公報
【特許文献6】特開2001−270295号公報
【特許文献7】特開2004−34535号公報
【0004】
これらのうち、本発明が特に開発の対象とした公知技術は特許文献3と特許文献4に係るものである。
【0005】
即ち、特許文献3は、鏡餅包装物の上部に橙などの飾りを止め付ける保持具であり、鏡餅包装物の上段部用の被覆部と鏡餅飾り用の保持部が設けられ、前記被覆部には凸条部が設けられているものであり、特許文献4は、中空状の飾り果実体と葉部を突設した枝柄を模した柄部から成る蔕部材と前記果実体の外側面に突設した連結突起に被さるように嵌合する連結孔を柄部に、飾り果実体に開口した嵌込孔に嵌入するピンを葉部に設けた連結手段から成る飾り用模擬果実である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、これらの公知技術にあっても、作業員が重ねた鏡餅上面部に葉柄を有する橙材を手によって載置する作業工程においては、橙材上の葉柄を正常な正面位に配置することが困難であることから、作業工程時の困難さを克服して短時間のうちに完成品の仕上げを行うことが要求されていた。
【0007】
そこで、本発明は、このような要望に応えることができる構造に飾り鏡餅体を用意することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、飾り橙体の平面中央部に突出形の通孔部を設けるとともに通孔部周囲を橙体の周面弧形状に対し平面状に形成し、前記橙体の周面弧形部の一部に任意形状の突起を形成し、また適当大きさから成る葉体の基端部に開口部を設け、この葉体の開口部は前記橙体の突出形通孔部に嵌合し、前記葉体の開口部及び橙体の突出形通孔部に挿入する摘み付き挿入子を設け、このように成る橙体を鏡餅体上に被套するキャップ体の一側部に前記橙体一側面部の突起が嵌合する凹部を設けるとともにキャップ体の上面中央部に前記挿入子が嵌合する凹部を設け、前記キャップ体は橙体及び鏡餅器体の上部分を被套するように成るものである。
【発明の効果】
【0009】
第1に、橙体の周面部の一部に突設した突起は橙体及び鏡餅体を被套するキャップ体の一部に設けた凹部に嵌着状態になるから、組立て作業工程において予め鏡餅体上の定位置に橙体を載置固定することができ、作業員にとっても使用者にとってもきわめて有難い状態に鏡餅体と橙体との関係を保持することができるようになる。
【0010】
この時、葉体の方向も、その葉体蓋端部の開口部に挿入子が挿入しかつ橙体の突出形通口部に嵌着状態になるから、常に定位置に保持固定できるようになっている。
【0011】
第2に、前記橙体の突出形通口部の周囲は平面状に形成しているから、扇体その他の飾り部材の水平片部を前記周囲平面形部の任意位置に接着固定することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】要部の分離状態を示す平面図
【図2】図1の正面図
【図3】組立時の全体の正断面図
【図4】図3の平面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
飾り用の橙体を鏡餅体の上面部に一体に載置しかつ両者を固定する組立て作業工程において、作業員は橙体の側面部の突起にキャップ体の側面部の凹部を嵌合するという作業を行うことにより、両体の関係は常に定位置において固定されることになり、作業員は短時間のうちに多数個の飾り鏡餅体を組立てるという作業ラインを構築するようになる。
【0014】
これによって、橙体の上面部に取付ける葉体も定位置に確実に固定されることになるから、流通過程でディーラーがその取付け位置の移動を気にしたり、ユーザーが混乱を起すようなことはなくなる。
【実施例】
【0015】
1は鏡餅器体で、この器体内部には生餅が上下二段に収容される。
【0016】
2は前記鏡餅器体1上に載置する飾り用の橙体で、この橙体の形状はその周囲面部3は円弧状に成るが、その平面部4及び底面部5は水平状に成る。
【0017】
6は前記橙体2の周囲面部3の一部に外方に突設した突起で、図面では縦長の扁平形状に成る。
【0018】
7は前記橙体2の平面部中央に突設した通孔部で、この通孔部の周囲には凹溝8を形成する。
【0019】
9は基端部に開口部10を設けた適当大きさに成る葉体で、この葉体の開口部は前記橙体2の平面部に突設した突出通孔部7に嵌合する。
【0020】
11は前記葉体開口部10の下面周囲に設けた脚部で、この脚部は前記橙体2の突出通孔部7の周囲の凹溝8に係着する。
【0021】
12は摘み13を設けた挿入子で、この挿入子は摘みを指先で摘んで前記葉体9の開口部10に挿入するとともに前記橙体2の突出通孔部7に挿入し嵌着する。
【0022】
14は全体の上側部が前記橙体2を,下側部が前記鏡餅体1を被套する透明性のキャップ体で、このキャップ体の上側部一部には一側方に突設する凹部15を設け、この凹部には前記橙体2の周囲面部に設けた突起6が嵌合するようになる。(図4においては、透明性のキャップ体14が橙体2及び鏡餅体1に被套した状態下で、その内部全体が透視できるような表現にしている。)
【0023】
16は前記キャップ体14の上面部中央に外方に突設した凹部で、この凹部は前記橙体の突出通孔部7に嵌着する挿入子12の摘み13を被嵌するようになる。
【0024】
17は前記鏡餅器体1の底板である。
【0025】
以上における鏡餅器体1,橙体2及びキャップ体14はいずれも合成樹脂材にて構成する。
【0026】
なお、図示していないが、橙体2の平面部に形成している水平面部には、例えば扇子体などの飾り具の底面板中央に設けた接着部を介して接着するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0027】
1 鏡餅器体
2 橙体
3 周囲面部
4 平面部
5 底面部
6 突起
7 突出通孔部
8 凹溝
9 葉体
10 開口部
11 脚部
12 挿入子
13 摘み
14 キャップ体
15 凹部
16 凹部
17 底板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飾り橙体の平面中央部に突出形の通孔部を設けるとともにこの通孔部周囲を橙体の周面弧形状に対し平面状に形成し、前記橙体の周面弧形部の一部に任意形状の突起を形成し、また適当大きさから成る葉体の基端部に開口部を設け、この葉体の開口部は前記橙体の突出形通孔部に嵌合し、前記葉体の開口部及び橙体の突出形通孔部に挿入する摘み付き挿入子を設け、このように成る橙体を鏡餅体上に被套するキャップ体の一側部に,橙体一側面部の突起が嵌合する凹部を設けるとともにキャップ体の上面中央部に,前記挿入子が嵌合する凹部を設けて成るもので、前記キャップ体は橙体及び鏡餅器体の上部分を被套するように成ることを特徴とする飾り鏡餅体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−279473(P2010−279473A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−133911(P2009−133911)
【出願日】平成21年6月3日(2009.6.3)
【出願人】(596143037)マルシン食品株式会社 (2)
【出願人】(509156044)株式会社宏和 (3)