説明

養殖用照明装置

【課題】養殖槽内での海藻類の育苗の度合いが均一になるようにする。
【解決手段】海藻類を養殖するための海水が入った養殖槽2の中に配置された養殖用基盤4であり海藻類の幼芽が付着した養殖用基盤4を照明する養殖用照明装置3であって、前記養殖槽2の上面開口から養殖用基盤4を照らす自然光を補うための光を発するランプ光源と、前記ランプ光源を収容するケース体と、前記ケース体に設けられ、前記ランプ光源から発する光を前記養殖用基盤4の下側から当該養殖用基盤4に向けて照射する照射手段としての導光装置31とを具備する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海藻類の養殖に用いられる養殖用照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
海藻類の養殖の一つに、海藻類の幼芽等を付着させた養殖用基盤を陸上に設置した養殖槽内に沈め、この養殖槽内で海藻類を育苗し、その後、養殖用基盤を養殖槽から自然海水域に移設し、この自然海水域で育成養殖するという手法が知られている。また、この手法においては、養殖槽内で育苗する過程では、自然の太陽光を養殖用基盤に照射して育苗するのが一般的である。
また、太陽光が当たらない建造物の中での育苗を可能にし、季節や気候による日照時間変動の影響を受け難くするために、LEDを光源とした照明装置により養殖用基盤の幼芽に光を照射する技術も知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−178947号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、光源を用いることで、養殖基盤に対する日照不足を補うことが可能になるものの、養殖基盤上で光が届かない箇所が生じ、幼芽の育苗の度合いに差が生じる、という問題がある。また、すべての幼芽をある程度育苗するまで養殖基盤を自然海水に移すことができないため、結果として養殖期間が延びてしまうという問題も生じる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、養殖槽内での海藻類の育苗の度合いを均一にすることができる養殖用照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明は、海藻類を養殖するための海水が入った養殖槽の中に配置された養殖用基盤であり海藻類の幼芽が付着した養殖用基盤を照明する養殖用照明装置であって、前記養殖槽の上面開口から養殖用基盤を照らす自然光を補うための光を発する光源と、前記光源を収容するケース体と、前記ケース体に設けられ、前記光源から発する光を前記養殖用基盤の下側から当該養殖用基盤に向けて照射する照射手段とを具備することを特徴とする。
【0005】
また本発明は、上記発明において、前記ケース体を前記養殖槽の外に設け、前記照射手段には、前記ケース体に収容した光源が発する光を前記養殖槽の海水中に導き、前記養殖用基盤に向けて照射する導光材を設けたことを特徴とする。
【0006】
また本発明は、上記発明において、前記導光材の端部に、導光された光を前記養殖用基盤に向けて反射するための反射材、及び、前記反射材により反射されて出射する光を散乱する散乱部を設けたことを特徴とする。
【0007】
また本発明は、上記発明において、前記光源は、前記照射手段が照射する光の照度が、海藻類の育苗に必要な少なくとも1lx以上となる光量を発することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、自然光を補うための光が光源から発せられ、養殖用基盤の下側から当該養殖用基盤に向けて照射されるため、自然光が届き難い養殖用基盤の下側部分が光源の光によって照らされることにより、養殖用基盤における照射光量を均一にすることができる。これにより、養殖槽内での海藻類の育苗の度合いを均一にすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る海藻類養殖装置1の構成を示す図であり、(A)は全体の斜視図を示し、(B)は平面図を示す。この図に示すように、海藻類養殖装置1は、例えばモズク等の海藻類を養殖するための海水を蓄える養殖槽2と、多数の養殖用照明装置3とを備え、この養殖槽2の海水中に、海藻類の幼芽等を付着させた養殖用基盤4が配置され、また、各養殖用照明装置3が養殖用基盤4を照明して海藻類の養殖が行われる。
【0010】
さらに詳述すると、養殖槽2は、幅Wが約2M(M:メートル)、長さLが約7M、高さが約0.6Mの上面が矩形に開口した直方型に構成され、その材料には例えば剛性、耐久性及び腐食性に優れたコンクリート等が用いられている。このような養殖槽2は、当該養殖槽2の上面全体を自然光たる太陽光S(図2(B)参照)で照らせる程度の大きさの採光窓が天面に設けられた建物内、或いは、天面全体が耐久性に優れたビニルシート等の透過性材料によって構成されたビニルハウス内に設置され、日中には、自然光である太陽光によって養殖槽2の内部の養殖用基盤4が上面から照らされるようになっている。このとき、この養殖槽2の側面は不透明であるため、側面から内部への太陽光Sの入射は生じない。
【0011】
図2は海藻類養殖装置1の断面を示す図であり、(A)は図1(B)のX−X線における断面を示す図、(B)は図1(B)のY−Y線における断面を示す図である。
図1(B)に示すように、養殖槽2の内部には、長さLの方向に延びる3本の載置用支柱5が幅Wの方向に略等間隔に配置され、また、載置用支柱5のそれぞれが、図2(A)、及び、図2(B)に示すように、養殖槽2の長さLの方向に略等間隔に立設された支持脚6により養殖槽2の底面2Aから所定の高さHaに配置されている。この高さHaは、養殖槽2に蓄えられる海水の水位8よりも低い位置に設定されており、これら3本の載置用支柱5の上に養殖用基盤4を載置することで、養殖用基盤4が養殖槽2の底面2Aから離間した状態で海水中に保持されることとなる。
【0012】
養殖用基盤4は、例えば1M×1M寸法の矩形の板状に形成された基盤の表裏面に、海藻類の胞子を付着させることができる藻床7A、7Bを貼り付けて形成されている。この藻床7A、7Bは、例えば天然繊維や合成繊維から形成された布状体、或いは、網状態で形成されており、その網目に海藻類の胞子が混入され幼芽が定着することとなる。このような藻床7A、7Bが貼り付けられる基盤は、海水中での浮きを防止可能な程度の質量を有して構成される。そして、このような養殖用基盤4が図1(B)、図2(A)に示すように、養殖槽2内に、適宜の間隔で海水中に沈められ載置用支柱5に載置される。
【0013】
また、養殖槽2の底面2Aには、塩化ビニル製の複数本のエア供給用パイプ9(図2(B)参照)が敷設されている。これらのエア供給用パイプ9には多数の孔が穿設されていると共に、養殖槽2の外に設置されたエア供給用ポンプ(不図示)から空気が導入されており、海藻類の養殖時にはエア供給用パイプ9から海水中に適宜に空気が供給されるようになっている。
【0014】
ここで、例えば図2(B)に示すように、養殖槽2の載置用支柱5に養殖用基盤4を載置した状態においては、養殖槽2の上面開口から入射する太陽光Sによって養殖用基盤4の上面(上面開口に臨む面)側の藻床7Aを照らすことができるものの、太陽光Sが養殖用基盤4の下面(底面2Aと対向する面)の藻床7Bを照らすことはできない。すなわち、下面の藻床7Bにおいては日照不足となり、上面側の藻床7Aと下面側の藻床7Bとの間で日照バランスが崩れ、育苗の度合い(成長の速さ)に差が生じる。そこで、従来においては、養殖用基盤4の上下面を一定期間ごとに手作業で入れ替えて日照バランスを維持するか、或いは、下面側には藻床7Bを設けずに上面側の藻床7Aでのみ養殖を行っているが、手作業で養殖用基盤4を上下入れ替えるには手間がかかり、また、養殖用基盤4の片面側だけを用いた養殖では生産性が悪いといった問題がある。
【0015】
そこで、本実施形態においては、養殖用照明装置3によって養殖用基盤4の下面側の藻床7Bを照らすことで、上面側の藻床7Aとの間の日照バランスを補うこととしており、かかる養殖用照明装置3の構成について以下に詳述する。
【0016】
図3は養殖用照明装置3の概略構成を示す図であり、(A)は全体を示す斜視図であり、(B)は側面から見た図である。
この図に示すように、養殖用照明装置3は、本体ボックス30と、導光装置(照射手段)31とを有している。本体ボックス30は、金属板等を用いて構成した箱型のケース体32と、このケース体32に収容されるランプ光源33と、ランプ光源33が発する光を反射する反射板34とを有し、さらに、ケース体32の底面32Aには、ランプ光源33が発する光を外部に導出するための複数の導出口35が形成されている。
【0017】
ランプ光源33は、養殖槽2の上面開口から養殖用基盤4を照らす太陽光Sを補うための光を発するものであり、柱状のHID(High Intensity Discharge)ランプが用いられている。このランプ光源33は、ケース体32の底面32Aに対して略並行に左右に延びる姿勢で保持され、また、ランプ光源33の上方に反射板34が配置されることで、ケース体32の底面32Aに形成された導出口35のそれぞれに光が略均等に十分な光量を入射できるようになされている。なお、上記本体ボックス30には、ランプ光源33及び反射板34の他にも、このランプ光源33の安定器等が収納されている。
【0018】
導光装置31は、ランプ光源33が発した光を養殖槽2の海水中に導き、養殖用基盤4の下面側の藻床7Bに向けて出射するものであり、上記導出口35の各々から鉛直方向に延びる3本のライトガイド(導光材)36を有している。
ライトガイド36は、例えばアクリル樹脂を角柱状に形成してなるものであり、一端部37が上記導出口35に嵌め込まれ、略鉛直に延びた姿勢でケース体32に取り付け固定されている。このライトガイド36の全長Laは、前掲図2(b)に示すように、養殖用照明装置3を養殖槽2の縁部に設置した際に、ライトガイド36の先端部38が、養殖槽2の底面2A近傍に位置する程度の長さに形成されており、少なくとも養殖用基盤4よりも下方に位置するようになっている。
【0019】
このライトガイド36の先端部38の端面38Aは、図3(B)に示すように、先端部38から出射する出射光Mが斜め上方に向かうように所定の傾斜角θでカットされると共に、その端面38Aには、高反射率を有する例えばアルミ製の反射箔39が取り付けられており、ライトガイド36によって先端部38に導かれた光が反射箔39で反射され、当該先端部38から養殖用基盤4に向かって出射される。なお、反射箔39に代えてアルミ金属を先端部38の端面38Aに蒸着して反射面を構成しても良い。
また、ライトガイド36の先端部38には、上記反射箔39で反射された光に散乱を生じさせるための手段としての梨地部40が形成されている。この梨地部40は、ライトガイド36の先端部38において光が出射される箇所の表面に梨地加工(表面に粗い凹凸を形成する加工)を施して形成されている。
【0020】
このような構成のライトガイド36により、ケース体32のランプ光源33が発する光が導出口35から各ライトガイド36に入射し、ライトガイド36内を先端部38に向かって進み、この先端部38に設けた反射箔39により反射される。この反射された光が先端部38の端面38Aの傾斜角θによって規定される方向に向かって出射される。このとき、先端部38から出射される光は梨地部40により反射光に散乱が生じるため、出射光Mにはある程度の拡がりが生じ、比較的広いエリアを均一に照射することが可能となる。また、反射箔39を先端部38に設けているため、この先端部38からの漏れ光を防止し、当該先端部38に導かれた光の全量が反射されることとなり、照射光量の損失が抑制される。
【0021】
なお、上記先端部38の傾斜角θは、ライトガイド36の出射光が養殖用基盤4の下面の藻床7Bを照らすように、ライトガイド36と養殖用基盤4との相対位置関係により予め設計等により求められている。
また、本実施形態では、ライトガイド36を角柱状としたがこれに限らず円柱状としても良い。さらに、これら複数本の柱状のライトガイド36の代わりに、扁平な板状のライトガイドとしても良い。また、ライトガイド36の材料としては、アクリル樹脂に限らず、光透過率が良い材料であれば任意のものを用いることができる。
【0022】
以上のように構成された養殖用照明装置3は、例えば前掲図1に示すように、養殖槽2の両サイドに所定の間隔で複数配置され、固定具20により養殖槽2に固定される。なお、本実施形態では、養殖槽2の両サイドに養殖用照明装置3を対向配置しているが、これに限らず、千鳥配置としても良く、また、養殖用基盤4の下面の藻床7B全体を照射可能であれば、一方のサイド側にのみ養殖用照明装置3を配置する構成としても良い。
【0023】
このように養殖槽2に設置された養殖用照明装置3の各々には、図示せぬ電源ケーブルを介して電力が供給され、この電力供給に伴って各養殖用照明装置3が点灯する。
養殖用照明装置3への電力供給は、太陽光による日照に合わせて行われる。具体的には、例えば、その日の日の出時刻に電力供給を開始し、日の入り時刻に電力供給を停止する電源制御装置や、その日の日照時間をカウントしてオン/オフするタイマ装置、或いは、照度センサと連動し、太陽光が養殖槽2を照らしている間だけ電力供給を行う電源制御装置等が用いられている。
【0024】
また、養殖用照明装置3のランプ光源33は、点灯時、ライトガイド36の先端部38から出射方向に沿って約100mm離れた点での出射光Mによる照度が約5000lx(ルクス)程度となるだけの光量の光を発生し、このような強さの出射光Mで養殖用基盤4の下側の藻床7Bが照射される。海藻類においては、光合成量と呼吸量が等しくなる光の強さである光補償点が最も光補償点が低い海藻類でも1lx程度であるため、海水中での光の減衰を考慮しても、光合成に十分な強さの光で藻床7Bが照らされることとなる。
なお、ランプ光源33は、少なくとも1lux以上の照度で養殖用基盤4の下側の藻床7Bを照らせる程度の光量の光を発するものであればよい。
また、養殖用照明装置3による表職用基盤4の下側の藻床7Bの照度が、太陽光の照射による上側の藻床7Aの照度よりも高くなる場合には、藻床7Bの育苗の度合いを藻床7Aと合わせるために、点灯時間を短縮するか、或いは、ランプ光源33の出力を下げることになる。
【0025】
次いで、海藻類養殖装置1を用いた海藻類の養殖について説明する。なお、以下では、海藻類の一例たるモズクを日本の気候に合わせて養殖する場合の一例について説明する。
モズク養殖業者は、例えば秋(9月下旬〜10月上旬)にモズクの母藻を採取し、この母藻を、養殖用の海水で満たした養殖槽2に養殖用基盤4と共に入れる。そして、エア供給用パイプ9に空気を供給しながら通気培養を数日間行うことで母藻から胞子が放出され、この胞子が養殖用基盤4の藻床7A、7Bに着生し種付けが完了する。養殖用基盤4への種付け期間においては、養殖のために光照射を行う必要がないため、養殖用照明装置3への通電は行われない。
【0026】
上記種付けの後、1mmほどの芽生えが養殖用基盤4の藻床7A、7Bに出現するまで中間育成を行い(例えば20日間)、そして、この幼芽が数cmの藻体になるまで、略20日の間、養殖槽2内で25〜26℃の育成温度(水温)で養殖を行う。この養殖期間においては、養殖用照明装置3による照射が行われ、また、養殖用基盤4の上側の藻床7Aと下側の藻床7Bとの間で光照射量が略同一になるように養殖用照明装置3の照射量が適宜に制御される。この結果、藻床7Aと藻床7Bとの間で幼芽の成長の速度がほぼ同じとなる。なお、養殖用照明装置3を点灯させることで発熱が生じるが、この発熱による養殖槽2内の海水の温度上昇は僅か(約1℃程度)であり育苗に問題にならない程度である事が発明者らの実験により明らかにされている。
そして、幼芽が藻体になった後に、例えば沖合いへ養殖用基盤4を移設し、3月から5月にかけて藻体が20〜30cmほどに伸びたときに、ポンプを用いて養殖用基盤4の藻床7A、7Bを吸引してモズクを採取する。
【0027】
以上説明したように、本実施形態によれば、養殖用照明装置3が備えるランプ光源33が発する光を、養殖用基盤4の下側から当該養殖用基盤4に向けて照射する構成としたため、養殖槽2の上面開口から養殖用基盤4を照らす太陽光Sが当該養殖用基盤4の下側(裏面側)の藻床7Bに届かなくとも、養殖用照明装置3により補光されるため、養殖用基盤4の上側の藻床7Aと下側の藻床7Bとの間での光照射量を等しくし育苗の度合いの均一化を図ることが可能となる。
【0028】
また、これにより、太陽光Sが届かない下側の藻床7Bだけ海藻類の成長が遅くなる事もないため、日照不足により養殖期間が延びてしまう事もない。
さらに、養殖用照明装置3は、育苗に必要な全ての光を賄うものではなく、あくまでも太陽光Sの補光を行うものであるため、その補光に必要な程度の出力のランプ光源33を有すれば良く、ランプ光源33の小型化、低発熱、及び、省電力化を図りつつ、養殖期間の遅延を防止することができる。
【0029】
また、本実施形態によれば、養殖用照明装置3を養殖槽2の外に設け、この養殖用照明装置3に設けたライトガイド36により、ランプ光源33が発する光を養殖槽2の海水中に導き、養殖用基盤4に向けて照射する構成としため、養殖用照明装置3を養殖槽2の中に設ける構成に比べ、養殖用照明装置3に対するメンテナンス作業が容易となり、また、養殖用照明装置3に防水対策を施す必要もない。さらに、ライトガイド36の形状を変えることで養殖用照明装置3を任意の場所に設置することが可能となり、また、養殖槽2の任意の箇所をターゲットとしてランプ光源33の光を照射することが容易に可能になる。
【0030】
また、本実施形態によれば、ライトガイド36の先端部38の端面38Aに、当該ライトガイド36によって導光された光を養殖用基盤4に向けて反射するための反射箔39を設けると共に、反射箔39により反射されて出射する光を散乱する散乱部としての梨地部40を設ける構成とした。これにより、先端部38に導かれた光を効率よく出射光Mとして取り出すことが可能になると共に、この出射光Mにより比較的広いエリアを均一に照射することが可能となる。
【0031】
また、本実施形態によれば、ランプ光源33は、ライトガイド36から藻床7Bに照射される光の照度が、海藻類の育苗に必要な少なくとも略1lx以上となる光量を発するため、海藻類が十分に光合成することができる。
【0032】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
例えば、上述した実施形態では、略矩形の板状の養殖用基盤4を用いる構成としたが、養殖用基盤4には、例えば円柱状(ロール型)といった任意の形状のものを用いることが可能である。そして、いかなる形状の養殖用基盤4であっても、太陽光Sが届き難い養殖用基盤4の下側を、養殖用照明装置3により効率よく照らし、養殖用基盤4における照射光量の均一化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施形態に係る海藻類養殖装置の構成を示す図であり、(A)は全体の斜視図を示し、(B)は平面図を示す。
【図2】海藻類養殖装置の断面を示す図であり、(A)は図1(B)のX−X線における断面を示す図、(B)は図1(B)のY−Y線における断面を示す図である。
【図3】養殖用照明装置の概略構成を示す図であり、(A)は全体を示す斜視図であり、(B)は側面から見た図である。
【符号の説明】
【0034】
1 海藻類養殖装置
2 養殖槽
3 養殖用照明装置
4 養殖用基盤
7A、7B 藻床
30 本体ボックス
31 導光装置
32 ケース体
33 ランプ光源
36 ライトガイド
38 先端部
38A 端面
39 反射箔
40 梨地部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
海藻類を養殖するための海水が入った養殖槽の中に配置された養殖用基盤であり海藻類の幼芽が付着した養殖用基盤を照明する養殖用照明装置であって、
前記養殖槽の上面開口から養殖用基盤を照らす自然光を補うための光を発する光源と、 前記光源を収容するケース体と、
前記ケース体に設けられ、前記光源から発する光を前記養殖用基盤の下側から当該養殖用基盤に向けて照射する照射手段と
を具備することを特徴とする養殖用照明装置。
【請求項2】
請求項1に記載の養殖用照明装置において、
前記ケース体を前記養殖槽の外に設け、前記照射手段には、前記ケース体に収容した光源が発する光を前記養殖槽の海水中に導き、前記養殖用基盤に向けて照射する導光材を設けたことを特徴とする養殖用照明装置。
【請求項3】
請求項2に記載の養殖用照明装置において、
前記導光材の端部に、導光された光を前記養殖用基盤に向けて反射するための反射材、及び、前記反射材により反射されて出射する光を散乱する散乱部を設けたことを特徴とする養殖用照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−22198(P2009−22198A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−187827(P2007−187827)
【出願日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(000000192)岩崎電気株式会社 (533)
【Fターム(参考)】