説明

首振り機構および暖房器具

【課題】首振り運動を的確に実行する機能、および首振り運動を停止させたり回転機構に対して及ぶ負荷を軽減したりする機能を長期に亘って良好に維持する。
【解決手段】クランク機構を構成する第1アーム51には、アーム長方向に伸縮させる向き力が加わったときに、回転軸31の回転時における第1アーム51の回転面に沿って弾性変形する板バネ61が設けられ、第1アーム51の一端部には、取付け用部材32の周面に設けられた平面43aに係合する係合機構が設けられ、係合機構は、平面43aに係合する係合用部材と、係合用部材を平面43aに向けて付勢する付勢部材とを構成する板バネ61,62を備えると共に、板バネ61,62の弾性変形によって平面43aに対する板バネ61,62自体の係合が解除され、かつ、板バネ61,62の弾性復帰によって平面43aに対する板バネ61,62の係合が復元されるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベース部に取り付けられた首振り対象体を首振り動作させる首振り機構、および首振り機構を備えて構成された暖房器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の首振り機構および暖房器具として、首振り装置を備えた熱風機が特許第2639762号公報に開示されている。この熱風機は、燃料タンクと、燃焼室を収容する本体ケースと、燃料タンクの上に配設されて本体ケースを首振り動作させる首振り装置とを備えて構成されている。また、首振り装置は、本体ケース(燃焼室等)を載置可能な旋回ベースを備え、この旋回ベースが、燃料タンクを覆うようにして配設されたベースプレートに対して旋回支持ボルトを介して取り付けられている。さらに、ベースプレートと旋回ベースとの間には、上記の旋回支持ボルトを挿通させるようにして、旋回シート、可動固定ベースおよびリテーナプレートが下側からこの順で配設されている。
【0003】
この場合、この首振り装置では、可動固定ベースとベースプレートとの間に旋回シートを配設することによって、可動固定ベースとベースプレートとの間に摩擦係合力を生じさせ、これにより、ベースプレートに対する可動固定ベースの回動を規制する構成が採用されている。また、この首振り装置では、駆動モータが旋回ベースに固定されると共に、クランクアームが駆動モータの回転軸に固定されている。さらに、クランクアームの先端部には、可動固定ベースに連結された連接棒が取り付けられている。これにより、この首振り装置では、駆動モータおよび可動固定ベースの間に、クランクアームおよび連接棒からなるリンク機構が構成されている。
【0004】
この首振り装置では、駆動モータによってクランクアームが回転させられることで連接棒が長手方向に沿って進退動させられるのに伴い、連接棒が連結されている旋回ベースが旋回支持ボルトを中心として首振り運動させられる。これにより、この熱風機では、旋回ベース上に載置されている本体ケース(燃焼室等)が、旋回ベースの首振り運動によってベースプレート(すなわち、弁両タンク)に対して首振り運動させられる構成が採用されている。一方、従来の首振り装置では、首振り運動に際して、旋回ベースや、旋回ベース上に載置されている本体ケースが障害物に当接したときに、旋回シートの存在によって生じている上記の摩擦係合力に抗して可動固定ベースがベースプレートに対して回動する。これにより、従来の首振り装置では、旋回ベース等が障害物に当接したときに、旋回ベース等がそれ以上回動させられる事態が回避される(首振り運動が停止する)と共に、駆動モータに及ぶ過負荷が吸収される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第2639762号公報(第2−4頁、第1−10図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、従来の熱風機、およびその首振り装置には、以下の問題点が存在する。すなわち、従来の首振り装置では、可動固定ベースとベースプレートとの間に旋回シートを配設することで、ベースプレートと可動固定ベースとの間に摩擦係合力を生じさせることにより、常態においては、摩擦係合力によってベースプレートに対する可動固定ベースの回動を規制すると共に、首振り運動に際して旋回ベースや本体ケースが障害物に当接したときには、可動固定ベースが摩擦係合力に抗してベースプレートに対して回動する構成が採用されている。しかしながら、従来の首振り装置では、長期に亘る使用に伴って、ベースプレートと可動固定ベースとの間に生じている摩擦係合力が大きく変化する。
【0007】
具体的には、ベースプレートに対する旋回シートの相対的な摺動や、旋回シートに対する可動固定ベースの相対的な摺動が複数回に亘って実行されたときには、ベースプレート、旋回シートおよび可動固定ベースのいずれか(または、全て)に摩耗が生じて、ベースプレートと旋回シートとの間の静止摩擦係数や、旋回シートと可動固定ベースとの間の静止摩擦係数が小さくなる。このような状態においては、ベースプレートと可動固定ベースとの間に生じている摩擦係合力が、熱風機(首振り装置)の使用開始当初よりも小さくなって、ベースプレートに対する可動固定ベースの回動を規制するのが困難となり、結果として、首振り装置が空回りして、ベースプレートに対して旋回ベース(本体ケース)が首振り運動しない状態を招くおそれがある。
【0008】
一方、ベースプレートと旋回シートとの間や、旋回シートと可動固定ベースとの間に塵埃が侵入したときには、ベースプレートと旋回シートとの間の静止摩擦係数や、旋回シートと可動固定ベースとの間の静止摩擦係数が大きくなる。このような状態においては、ベースプレートと可動固定ベースとの間に生じている摩擦係合力が、熱風機(首振り装置)の使用開始当初よりも大きくなって、ベースプレートに対して可動固定ベースを回動させる(摺動させる)のが困難となる。このため、首振り運動に際して、旋回ベースや、旋回ベース上に載置されている本体ケースが障害物に当接したときに、首振り運動を停止させるのが困難となり、駆動モータに及ぶ過負荷を吸収するのも困難となる。
【0009】
このように、従来の熱風機に搭載された首振り装置では、長期に亘る使用に伴って、ベースプレートと可動固定ベースとの間に生じている摩擦係合力が変化することに起因して、ベースプレートに対して旋回ベース(本体ケース)が首振り運動しない状態を招いたり、首振り運動に際して旋回ベース等が障害物に当接したときに、首振り運動が継続されて、熱風機の転倒を招いたり、駆動モータに過負荷が及んだりすることがあるという問題点が存在する。
【0010】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、常態における首振り運動を的確に実行する機能、および首振り対象体が障害物に当接したときなどに首振り運動を停止させたり回転機構に対して及ぶ負荷を軽減したりする機能を長期に亘って良好に維持し得る首振り機構および暖房器具を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成すべく、請求項1記載の首振り機構は、回転機構およびクランク機構を備えて、ベース部に取り付けられた首振り対象体を首振り動作させる首振り機構であって、前記回転機構は、前記ベース部および前記首振り対象体のいずれか一方に取り付けられ、前記クランク機構は、前記回転機構における回転軸、および当該回転軸に固定された取付け用部材のいずれか一方に一端部が取り付けられた第1アームと、前記ベース部および前記首振り対象体の他方に一端部が軸着された第2アームとを備えて、当該第1アームの他端部および当該第2アームの他端部が相互に軸着されて構成されると共に、前記回転機構の回転運動を、前記第2アームの前記一端部および前記回転軸のいずれか一方を他方に対して接離動させる向きの往復運動に変換し、前記第1アームおよび前記第2アームの少なくとも一方には、当該一方のアームに対してアーム長方向に伸縮させる向き力が加わったときに、前記回転軸の回転時における当該第1アームの回転面に沿って弾性変形する弾性変形部が設けられ、前記第1アームの一端部には、前記回転軸および前記取付け用部材のいずれかの周面に設けられた被係合部に係合する係合機構が設けられ、前記係合機構は、前記被係合部に係合する係合用部材と、当該係合用部材を前記被係合部に向けて付勢する付勢部材とを備えると共に、当該付勢部材の弾性変形によって前記被係合部に対する前記係合用部材の係合が解除され、かつ、当該付勢部材の弾性復帰によって当該被係合部に対する当該係合用部材の係合が復元されるように構成されている。
【0012】
また、請求項2記載の首振り機構は、請求項1記載の首振り機構において、前記第1アームは、前記一端部および前記他端部を連結するようにして前記弾性変形部が配設されると共に、前記第2アームとの軸着部位の軸中心、および前記回転軸の軸中心の少なくとも一方が、平面視における前記弾性変形部の延在方向に対してオフセットされている。
【0013】
さらに、請求項3記載の首振り機構は、請求項1または2記載の首振り機構において、前記第2アームは、前記一端部および前記他端部を連結するようにして前記弾性変形部が配設されると共に、前記第1アームとの軸着部位の軸中心と、前記ベース部および前記首振り対象体の前記他方との少なくとも一方が、平面視における前記弾性変形部の延在方向に対してオフセットされている。
【0014】
また、請求項4記載の首振り機構は、請求項1から3のいずれかに記載の首振り機構において、前記係合用部材を複数備え、当該各係合用部材は、前記回転軸の軸中心に対して等角度間隔で位置するように配設されている。
【0015】
また、請求項5記載の首振り機構は、請求項1から4のいずれかに記載の首振り機構において、前記被係合部が複数設けられ、当該各被係合部は、前記回転軸の軸中心に対して等角度間隔で位置するように設けられている。
【0016】
さらに、請求項6記載の首振り機構は、請求項1から5のいずれかに記載の首振り機構において、前記弾性変形部は板バネで構成されている。
【0017】
また、請求項7記載の暖房器具は、請求項1から6のいずれかに記載の首振り機構と、前記首振り対象体としての発熱機構とを備え、前記首振り機構が前記発熱機構を首振り動作させる。
【発明の効果】
【0018】
請求項1記載の首振り機構によれば、アーム長方向に伸縮させる向きの力が加わったときに、回転軸の回転時における第1アームの回転面に沿って弾性変形部が弾性変形することにより、首振り対象体からクランク機構を介して回転機構の回転軸に向かって伝達される力が、弾性変形部の弾性変形によって減衰すると共に、回転軸を回転させる向きで回転軸に対して伝達されるため、回転軸を偏心させようとする向きの強い力が回転軸に対して伝達される事態を回避することができる結果、回転機構の破損を回避して、常態における首振り運動を的確に実行する機能を長期間に亘って良好に維持することができる。
【0019】
また、請求項1記載の首振り機構によれば、首振り動作中にその動作を妨げる力が加わったときや、首振り動作中、および首振り動作の停止中を問わず、首振り対象体を首振りの向きに回動させようとする強い外力が加わったときに、係合機構における付勢部材が弾性変形して、回転軸および取付け用部材のいずれかの周面に設けられた被係合部に対する係合用部材の係合が解除されることにより、首振り動作中に、クランク機構の動作(第1アームの回転)が阻止されたとしても、回転軸を継続して回転させることができるため、回転機構に加わる負担を十分に低減することができると共に、首振り動作を停止中に首振り対象体を回動させようとする強い外力が加わったとしても、停止中の回転機構における回転軸が第1アームと共に回転させられる事態を回避することができるため、このような状態においても回転機構に加わる負担を十分に低減することができる。また、従来の熱風機に搭載された首振り装置とは異なり、回転軸、または、取付け用部材に対して第1アームが係合した状態、および係合が解除された状態を繰り返したとしても、回転軸、または、取付け用部材に対して第1アームを係合させる力(付勢部材の付勢力)が大きく低下することがないため、首振り運動を的確に実行する機能を長期に亘って良好に維持することができると共に、多少の塵埃が侵入したとしても、取付け用部材に対して第1アームを係合させる力が過剰に大きくなることがないため、首振り対象体が障害物に当接したときなどに首振り運動を停止させたり、回転機構に対して及ぶ負荷を軽減したりする機能を長期に亘って良好に維持することができる。
【0020】
さらに、請求項2記載の首振り機構によれば、第2アームとの軸着部位の軸中心、および回転軸の軸中心の少なくとも一方を、平面視における弾性変形部の延在方向に対してオフセットして第1アームを構成したことにより、第1アームに対して加わる力の向きが第1アームをアーム長方向に伸縮させる向きであったとしても、弾性変形部の弾性変形によって、その力を十分に減衰させたうえで、回転軸を回転させる向きで回転軸に対して伝達することができるため、回転機構の破損を確実に回避することができる。
【0021】
さらに、請求項3記載の首振り機構によれば、第1アームとの軸着部位の軸中心と、ベース部および首振り対象体のいずれかへの軸着部位の軸中心との少なくとも一方を、平面視における弾性変形部の延在方向に対してオフセットして第2アームを構成したことにより、第2アームに対して加わる力の向きが第2アームをアーム長方向に伸縮させる向きであったとしても、弾性変形部の弾性変形によって、その力を十分に減衰させるたうえで第1アームを介して回転軸に対して伝達することができるため、回転機構の破損を確実に回避することができる。
【0022】
また、請求項4記載の首振り機構では、回転軸の軸中心に対して等角度間隔で位置するように複数の係合用部材が配設され、請求項5記載の首振り機構では、回転軸の軸中心に対して等角度間隔で位置するように複数の被係合部が設けられている。したがって、請求項4,5記載の首振り機構によれば、被係合部および係合用部材の双方を回転軸の1周当りにそれぞれ1つだけ設けた構成とは異なり、回転軸、または、取付け用部材に対して第1アームが係合する箇所を回転軸の1周当りに複数設ける(被係合部に対して係合用部材が係合する状態を、回転軸、または、第1アームの1回転当りに複数回生じさせる)ことができる。このため、回転軸、または、取付け用部材に対して第1アームが係合した状態から、弾性変形部の弾性変形によって第1アームの係合が解除されたとしても、回転軸が回転したときに、または、回転軸に対して第1アームがさらに回転させられたときに、回転軸や第1アームが1回転する前に、回転軸、または、取付け用部材に対して第1アームが係合した状態に短時間で復帰させることができる。
【0023】
さらに、請求項6記載の首振り機構によれば、弾性変形部を板バネで構成したことにより、弾性変形部の弾性力を長期に亘って維持することができると共に、複雑な構成を採用した弾性変形部よりも板バネが安価であることから、第1アームを安価に製造することができる。
【0024】
また、請求項7記載の暖房器具によれば、請求項1から6のいずれかに記載の首振り機構によって首振り対象体としての発熱機構を首振り動作させることにより、長期間に亘って使用したとしても、首振り対象体を確実に首振り動作させることができると共に、首振り対象体が障害物に当接したときなどに首振り運動を確実に停止させることができ、しかも、回転機構に対して及ぶ負荷を十分に軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施の形態に係る暖房器具1の正面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る暖房器具1における首振り機構3および本体部4の外観斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る首振り機構3の平面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る首振り機構3におけるモータ24、第1アーム51および第2アーム52の位置関係を説明するための正面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る首振り機構3における取付け用部材32および第1アーム51を一体化した状態の外観斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る首振り機構3における取付け用部材32、および分解した状態の第1アーム51の外観斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る首振り機構3における取付け用部材32および第1アーム51の平面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る首振り機構3におけるヘッド部22を図3に示す矢印D1の向きで回動させた(首振り動作させた)状態の平面図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る首振り機構3におけるヘッド部22を図8に示す矢印D2の向きで回動させた(首振り動作させた)状態の平面図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る首振り機構3におけるヘッド部22を図9に示す矢印D2の向きで回動させた(首振り動作させた)状態の平面図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る首振り機構3における取付け用部材32、および板バネ61が弾性変形した状態の第1アーム51の平面図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る首振り機構3における取付け用部材32、および板バネ61が弾性変形した状態の第1アーム51の他の平面図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る首振り機構3における取付け用部材32に対する第1アーム51の係合が解除された状態の平面図である。
【図14】板バネ61の延在方向(一点鎖線L)と、回動軸63aの軸中心および挿通用孔41の中心(回転軸31の軸中心)との位置関係について説明するための説明図である。
【図15】回転軸31に対して加わる力について説明するための説明図である。
【図16】本発明の他の実施の形態に係る首振り機構の取付け用部材32Aおよび第1アーム51Aの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る首振り機構および暖房器具の実施の形態について説明する。
【0027】
図1に示す暖房器具1は、一例として、燃焼型の赤外線ヒータであって、燃料タンク2、首振り機構3、本体部4およびフレーム5を備えて構成されている。燃料タンク2は、暖房器具1による暖房に際して、本体部4における燃焼機構4a(「発熱機構」の一例)において燃焼させる燃料(一例として、灯油)を貯留可能に構成された容器体であって、暖房器具1を移動させる際に使用する車輪11および取っ手12が取り付けられて構成されている。首振り機構3は、燃料タンク2に対して本体部4を首振り動作させるための機構であって、ベース部21に対してヘッド部22が回動軸23を介して取り付けられている。
【0028】
ベース部21は、図2に示すように、側面視コ字状に形成されて、図1に示すように、燃料タンク2の上方部位に装着可能に構成されている。ヘッド部22は、図1に示すように、フレーム5を介して本体部4を取り付け可能に底面開口箱状に形成されると共に、図2に示すように、ベース部21に対して矢印D1,D2の向きに回動可能に回動軸23を介して取り付けられている。このヘッド部22は、単体でも「首振り対象体」を構成すると共に、フレーム5を介して本体部4が取り付けられた状態においても、本体部4およびフレーム5と相まって「首振り対象体」を構成する。なお、図2においては、フレーム5の図示を省略している。
【0029】
また、図3,4に示すように、首振り機構3は、「回転機構」に相当するモータ24と、クランク機構25とを備えている。この場合、本例の首振り機構3では、ヘッド部22にモータ24が固定されている(「回転機構」が「「首振り対象体」に取り付けられた構成の例)。また、本例の首振り機構3では、モータ24の回転軸31に取付け用部材32が固定され(「回転機構」が「取付け用部材」を備えて構成された例)、この取付け用部材32を介して回転軸31にクランク機構25が取り付けられている。
【0030】
なお、取付け用部材32を介して回転軸31にクランク機構25を取り付ける構成に代えて、モータ24(回転軸31)によって、図示しないドライブシャフトを回転させると共に、このドライブシャフトに対して直接、または、取付け用部材32を介してクランク機構25を取り付ける構成を採用することもできる。このような構成においては、モータ24およびドライブシャフトが相まって「回転機構」を構成し、ドライブシャフトが「回転軸」に相当する。
【0031】
この場合、取付け用部材32は、図5〜7に示すように、回転軸31を挿通可能な挿通用孔41が形成されると共に、一対の被係合部43,43が鍔部42を挟んで上下に設けられている。この取付け用部材32は、一例として、挿通用孔41に回転軸31が圧入されると共に、図示しない固定用ねじによって回転軸31に対して一体的に固定されている。なお、この取付け用部材32の形状等については、後に詳細に説明する。
【0032】
クランク機構25は、図3,4に示すように、取付け用部材32に一端部が取り付けられた第1アーム51と、ベース部21に取り付けられた回動軸26を介して一端部がベース部21に軸着された第2アーム52(「第2アーム」が「ベース部」に軸着された構成の例)とを備えて構成されている。このクランク機構25は、第1アーム51および第2アーム52が相互に軸着されて(連結されて)、モータ24の回転運動を、第2アーム52におけるベース部21への軸着部位(「第2アームの一端部」の一例:この例では、回動軸26の軸中心)を回転軸31に対して接離動させる向きの相対的な往復運動(本例では、後述するように、第2アーム52の一端部に対して回転軸31を接離動させる向きの往復運動)に変換する。
【0033】
また、本例の首振り機構3では、アーム長方向に伸縮させる向きの強い力が第1アーム51に加わったときに、回転軸31の回転時における第1アーム51の回転面に沿って弾性変形する「弾性変形部」を備えて第1アーム51が構成されている。具体的には、図5,6に示すように、第1アーム51は、板バネ61,62および連結用軸部63の3つの部材を備えて構成されている。この場合、板バネ61,62は、上記の「弾性変形部」を構成すると共に、前述した取付け用部材32に係合するための「係合機構」を構成する。
【0034】
板バネ61は、全体として平板状に形成されると共に、板バネ62を係止するための係止用孔61aと、板バネ61,62を一体化させるための図示しない固定用ボルトを挿通可能な挿通用孔61bと、連結用軸部63を取り付けるための図示しない固定用ボルトを挿通可能な挿通用孔61cと、前述した取付け用部材32の鍔部42を係合させるための係合用孔61dとが形成されて構成されている。板バネ62は、長手方向の中央部を平面視V字状に折り曲げると共に、板バネ61の係止用孔61aに挿通可能な係止用爪部62aと、板バネ61,62を一体化させるための図示しない固定用ボルトを挿通可能な挿通用孔62bと、前述した取付け用部材32の鍔部42を係合させるための係合用孔62cとが形成されて構成されている。連結用軸部63は、第2アーム52を軸着するための回動軸63aと、板バネ61に取り付けるための図示しない固定用ボルトを挿通可能な挿通用孔63bとが形成されて構成されている。
【0035】
この場合、図5〜7に示すように、取付け用部材32の被係合部43には、第1アーム51の板バネ61,62を係合させる(この例では、面的に接触させる)ための平面43aが、挿通用孔41の中心(すなわち、回転軸31の軸中心)を中心として、平面視において120°の等角度間隔で3箇所に形成されている(「被係合部」が等角度間隔で複数設けられた構成の例)。また、第1アーム51では、板バネ61の係止用孔61aに板バネ62の係止用爪部62aを挿入すると共に、板バネ61,62の挿通用孔61b,62bに固定用ボルトを挿通させてボルト止めすることで、板バネ61,62を一体化させた状態において、図5,7に示すように、板バネ61における長手方向の中央部、および板バネ62におけるV字状の折り曲げ部位が取付け用部材32における上記の各平面43aにそれぞれ面的に接するように構成されている。
【0036】
この場合、本例の第1アーム51では、板バネ61における長手方向の中央部(図5,7において3つの平面43aのうちの1つに面的に接している部位)、および板バネ62におけるV字状の折り曲げ部位(図5,7において3つの平面43aのうちの他の2つにそれぞれ面的に接している部位)が「係合用部材」を構成すると共に、板バネ61,62において「係合用部材」を構成する部位の近傍の部位が「付勢部材」を構成する(「係合用部材」および「付勢部材」が一体的に構成された例)。なお、この第1アーム51では、上記の「係合用部材」を構成する部位が、挿通用孔41の中心(すなわち、回転軸31の軸中心)を中心として、平面視において120°の等角度間隔で位置するように構成されている(「係合用部材」が等角度間隔で複数配設された構成の例)。
【0037】
この第1アーム51では、常態においては、板バネ61,62における上記の「付勢部材」を構成する部位の付勢力によって、板バネ61,62における上記の「係合用部材」を構成する部位が取付け用部材32の被係合部43における各平面43aに向けて押し付けられることで、第1アーム51が取付け用部材32に係合した状態が維持される。また、後述するように、モータ24の回転軸31に対して大きな負荷を加えるおそれがある状態となったときには、板バネ61,62が平面43aに対して面的に接した状態が解除されることで、第1アーム51が取付け用部材32に係合した状態が解除される。
【0038】
さらに、第1アーム51は、上記の「係合機構」を構成する部位と、連結用軸部63が取り付けられている側の部位とを連結するようにして「弾性変形部」として機能する板バネ61が配設されている。また、この第1アーム51では、図7に示すように、連結用軸部63における回動軸63aの軸中心(「第2アームとの軸着部位の軸中心」の一例)、および取付け用部材32における挿通用孔41の中心(すなわち、回転軸31の軸中心)の双方が、平面視における「弾性変形部(本例では、板バネ61)の延在方向に対してオフセットされるように構成されている。
【0039】
この場合、図14に示すように、本例の第1アーム51では、回動軸63aの軸中心、および挿通用孔41の中心を同じ側(一例として板バネ61の両表面のうちの取付け用部材32に対向する面の側:同図における下側)に位置させることで板バネ61の延在方向(同図に示す一点鎖線L)に対してそれぞれオフセットしたが、同図に実線で示すように回動軸63aを位置させると共に同図に破線で示すように挿通用孔41を位置させたり、同図に破線で示すように回動軸63aを位置させると共に同図に実線で示すように挿通用孔41を位置させたりする(回動軸63aおよび挿通用孔41を板バネ61の別々の面の側に位置させる)ことで板バネ61の延在方向に対して互いに異なる側にオフセットしてもよい。
【0040】
一方、図3,4に示すように、第2アーム52は、上記の第1アーム51よりも長尺に形成されると共に、第1アーム51における連結用軸部63の回動軸63aを挿通可能な軸孔52aと、ベース部21に取り付けられた回動軸26を挿通可能な軸孔52bとが形成されて構成されている。
【0041】
この暖房器具1では、燃料タンク2から供給された燃料を本体部4の燃焼機構4aにおいて燃焼させることにより、本体部4(燃焼機構4a)から発せられる赤外線によって、暖房器具1の周囲を暖房する構成が採用されている。また、この暖房器具1では、図示しない操作部の操作スイッチを操作することによって、燃料タンク2(首振り機構3のベース部21)に対して本体部4(首振り機構3のヘッド部22)を首振り動作させることができるように構成されている。
【0042】
具体的には、操作スイッチの操作に伴って首振り機構3に電源が供給されたときに、モータ24の回転軸31が、図3に示す矢印Aの向きに回転させられる。これに伴い、取付け用部材32を介して回転軸31に取り付けられている第1アーム51が、回転軸31の軸中心を中心として矢印Aの向きで回転させられる。この際には、第1アーム51の回転に伴い、回動軸63aを介して第1アーム51に軸着されている第2アーム52が、モータ24の回転軸31に対して矢印B1の向きに相対的に移動させられる。この場合、この首振り機構3では、前述したように、第2アーム52の軸孔52bが回動軸26を介してベース部21に軸着されると共に、モータ24が固定されているヘッド部22が、回動軸23を介してベース部21に対して回動可能に取り付けられている。
【0043】
したがって、モータ24の回転軸31に対する矢印B1の向きへの第2アーム52の相対的な移動は、第2アーム52の軸孔52bに向けて回転軸31が引き寄せられる動作に変換されて(「クランク機構」によって、「回転機構の回転運動」が「第2アームの一端部に対して回転軸を接離動させる向きの往復運動」に変換された状態の一例)、回転軸31が回動軸23の軸中心を中心として矢印C1の向きで回動軸26(すなわち、ベース部21)に対して移動させられる。これにより、ヘッド部22、およびヘッド部22に固定されている本体部4が、回動軸23の軸中心を中心として矢印D1の向きで回動軸26(すなわち、ベース部21)に対して回動させられ(首振り動作させられ)て、図8に示すように、ヘッド部22(本体部4)がベース部21(燃料タンク2)に対して正面向かって右側を向いた状態となる。
【0044】
また、モータ24における回転軸31の回転に伴い、図8に示す矢印Aの向きで第1アーム51が回転軸31の軸中心を中心としてさらに回転させられたときには、第2アーム52がモータ24の回転軸31に対して矢印B2の向きに相対的に移動させられる。この際には、モータ24の回転軸31に対する矢印B2の向きへの第2アーム52の相対的な移動が、第2アーム52の軸孔52bに対して回転軸31を遠避ける向きへの動作に変換されて(「クランク機構」によって、「回転機構の回転運動」が「第2アームの一端部に対して回転軸を接離動させる向きの往復運動」に変換された状態の他の一例)、回転軸31が回動軸23の軸中心を中心として矢印C2の向きで回動軸26(すなわち、ベース部21)に対して移動させられる。これにより、ヘッド部22、およびヘッド部22に固定されている本体部4が、回動軸23の軸中心を中心として矢印D2の向きで回動軸26(すなわち、ベース部21)に対して回動させられて(首振り動作させられて)、図9に示すように、ヘッド部22(本体部4)がベース部21(燃料タンク2)に対して正面を向いた状態となる。
【0045】
さらに、モータ24における回転軸31の回転に伴い、図9に示す矢印Aの向きで第1アーム51が回転軸31の軸中心を中心としてさらに回転させられたときには、第2アーム52がモータ24の回転軸31に対して矢印B2の向きにさらに相対的に移動させられる。この際には、モータ24の回転軸31に対する矢印B2の向きへの第2アーム52の相対的な移動が、第2アーム52の軸孔52bに対して回転軸31を遠避ける向きへの動作に変換されて(「クランク機構」によって、「回転機構の回転運動」が「第2アームの一端部に対して回転軸を接離動させる向きの往復運動」に変換された状態のさらに他の一例)、回転軸31が回動軸23の軸中心を中心として矢印C2の向きで回動軸26(すなわち、ベース部21)に対して移動させられる。これにより、ヘッド部22、およびヘッド部22に固定されている本体部4が、回動軸23の軸中心を中心として矢印D2の向きで回動軸26(すなわち、ベース部21)に対してさらに回動させられて(首振り動作させられて)、図10に示すように、ヘッド部22(本体部4)がベース部21(燃料タンク2)に対して正面向かって左側を向いた状態となる。
【0046】
また、モータ24における回転軸31の回転に伴い、図10に示す矢印Aの向きで第1アーム51が回転軸31の軸中心を中心としてさらに回転させられたときには、第2アーム52がモータ24の回転軸31に対して矢印B1の向きに相対的に移動させられる。この際には、モータ24の回転軸31に対する矢印B1の向きへの第2アーム52の相対的な移動が、第2アーム52の軸孔52bに対して回転軸31を引き寄せる向きへの動作に変換されて(「クランク機構」によって、「回転機構の回転運動」が「第2アームの一端部に対して回転軸を接離動させる向きの往復運動」に変換された状態のさらに他の一例)、回転軸31が回動軸23の軸中心を中心として矢印C1の向きで回動軸26(すなわち、ベース部21)に対して移動させられる。これにより、ヘッド部22、およびヘッド部22に固定されている本体部4が、回動軸23の軸中心を中心として矢印D1の向きで回動軸26(すなわち、ベース部21)に対して回動させられて(首振り動作させられて)、図3に示すように、ヘッド部22(本体部4)がベース部21(燃料タンク2)に対して正面を向いた状態となる。
【0047】
このように、この首振り機構3では、モータ24における回転軸31の回転運動が、クランク機構25によって回動軸26を回転軸31に対して接離動させる向きの相対的な往復運動(本例では、回転軸31を回動軸26に対して接離動させる向きの往復運動)に変換されることで、回転軸31が回動軸23の軸中心を中心として左右両方向に回動させられる。これにより、ヘッド部22(本体部4)がベース部21(燃料タンク2)に対して首振り動作させられる。したがって、本体部4の燃焼機構4aにおいて発生した赤外線を、暖房器具1の正面向かって左右方向の広い範囲に照射することが可能となっている。
【0048】
一方、首振り機構3が動作している状態、および停止している状態を問わず、ヘッド部22(本体部4)をベース部21(燃料タンク2)に対して矢印D1または矢印D2に相対的に回動させようとする力が加わったとき(例えば、本体部4に人や物が当接したとき)には、この力が、クランク機構25を介して回転軸31に伝達されることとなる。また、例えば、図8,10に示すように、モータ24における回転軸31の軸中心(取付け用部材32における挿通用孔41の中心)、第1アーム51における回動軸63aの軸中心(第2アーム52における軸孔52aの中心)、および第2アーム52における軸孔52bの中心(回動軸26の軸中心)が一直線上に位置している状態、すなわち、クランク機構25の第2アーム52が、第1アーム51の回転運動における「死点」に位置した状態において上記のような力が加わったときには、クランク機構25からの力が回転軸31の軸中心に向かう向き、または、回転軸31の軸中心から外側に向かう向きで回転軸31に伝達されることとなる。
【0049】
この場合、図15に示すように、回転軸31の軸中心からずれた部位(例えば、位置P)に向かって矢印E1の向きで外力が加えられたときには、その外力が、回転軸31の矢印F1の向きへの回転運動に変換されて、回転軸31を偏心させようとする向きで回転軸31に作用する力が弱くなる。また、回転軸31の軸中心からずれた部位(例えば、位置P)から外側に向かって矢印E2の向きで外力が加えられたときには、その外力が、回転軸31の矢印F2の向きへの回転運動に変換されて、回転軸31を偏心させようとする向きで回転軸31に作用する力が弱くなる。
【0050】
しかしながら、回転軸31の軸中心に向かう向き、または、回転軸31の軸中心から外側に向かう向きで回転軸31に外力が加えられたときには、その外力が回転軸31の回転運動に変換されないため、回転軸31を偏心させようとする向きで回転軸31に作用する力が弱くなることなく、外力のすべてが回転軸31を偏心させようとする向きで回転軸31に作用することとなる。このような現象は、クランク機構25の第2アーム52が、第1アーム51の回転運動における「死点」に位置した状態だけでなく、第2アーム52が「死点」の近傍に位置している状態においても同様にして生じる。
【0051】
一方、前述したように、この首振り機構3では、取付け用部材32を介して第1アーム51が取り付けられている回転軸31の軸中心、および第2アーム52に対する軸着部位(本例では、回動軸63a)の双方が、板バネ61の延在方向(図14に示す一点鎖線L)に対してそれぞれオフセットされて第1アーム51が構成されている。
【0052】
したがって、例えば、図11に示す矢印E1の向きで回転軸31の軸中心に向かう力(回転軸31に対して回動軸63aを接近させようとする力)が加えられたとき(例えば、図8に示す状態においてベース部21に対してヘッド部22を矢印D2の向きで回動させようとする力が加えられたときや、図10に示す状態においてベース部21に対してヘッド部22を矢印D1の向きで回動させようとする力が加えられたとき)に、第1アーム51の板バネ61が図11に示すように弾性変形する。この際には、矢印E1の向きで加えられた力の一部が板バネ61を変形させる力に変換されて、加えられた力が減衰する。また、板バネ61の変形に伴い、矢印E1の向きの力が矢印E1aの向きの力(回転軸31の軸中心からずれた部位に向かう向きの力)として回転軸31に加わることとなる。このため、回転軸31に対して矢印E1aの向きで加わった力が回転軸31を矢印F1の向きに回転させる力に変換される結果、回転軸31を偏心させようとする向きで回転軸31に作用する力が十分に小さくなる。
【0053】
また、例えば、図12に示す矢印E2の向きで回転軸31の軸中心から外側に向かう力(回転軸31に対して回動軸63aを離間させようとする力)が加えられたとき(例えば、図8に示す状態からベース部21に対してヘッド部22が矢印D2の向きに僅かに首振り動作させられた状態においてベース部21に対してヘッド部22を矢印D1の向きで回動させようとする力が加えられたときや、図10に示す状態からベース部21に対してヘッド部22が矢印D1の向きに僅かに首振り動作させられた状態においてベース部21に対してヘッド部22を矢印D2の向きで回動させようとする力が加えられたとき)に、第1アーム51の板バネ61が図12に示すように弾性変形する。この際には、矢印E2の向きで加えられた力の一部が板バネ61を変形させる力に変換されて、加えられた力が減衰する。また、板バネ61の変形に伴い、矢印E2の向きの力が矢印E2aの向きの力(回転軸31の軸中心からずれた部位から外側に向かう向きの力)として回転軸31に加わることとなる。このため、回転軸31に対して矢印E2aの向きで加わった力が回転軸31を矢印F2の向きに回転させる力に変換される結果、回転軸31を偏心させようとする向きで回転軸31に作用する力が十分に小さくなる。
【0054】
さらに、この首振り機構3では、図7に示すように、常態においては、取付け用部材32の被係合部43における各平面43aに第1アーム51の板バネ61,62が面的に接して、取付け用部材32に第1アーム51が係合した状態が維持される。これにより、この首振り機構3では、前述したように、モータ24(回転軸31)の回転に伴って第1アーム51が回転させられて、ベース部21に対してヘッド部22が首振り動作させられると共に、モータ24が停止させられた状態においては、ヘッド部22のベース部21に対する回動が規制される。また、この首振り機構3では、例えば、首振り動作中に本体部4が人や物に当接して首振り動作が妨げられたときや、首振り機構3が動作している状態、および停止している状態を問わず、本体部4に人や物に当接して、ベース部21(燃料タンク2)に対してヘッド部22(本体部4)を回動させようとする強い力が加わったときに、取付け用部材32に対する第1アーム51の係合が解除されて回転軸31が空転する(または、回転軸31に対して第1アーム51が空転する)構成が採用されている。
【0055】
具体的には、一例として、首振り動作中に本体部4が壁面等に当接して首振り動作が妨げられたときには、クランク機構25のクランク運動が阻止される結果、第2アーム52の回転が阻止される。このような状態においても、図7に示す矢印Aの向きで、モータ24が回転軸31および取付け用部材32を回転させ続ける。したがって、取付け用部材32に対する第1アーム51の係合部位(各平面43aに対して板バネ61,62が面的に接している部位)に対して、回転軸31の回転に伴って板バネ61,62の付勢力を超える力が加わったときに、図13に示すように、板バネ61,62が弾性変形して、被係合部43における各平面43aに対して板バネ61,62が面的に接した状態が解除され、取付け用部材32に対する第1アーム51の係合が解除される(「付勢部材の弾性変形によって被係合部に対する係合用部材の係合が解除され」との状態の一例)。これにより、第2アーム52の回転が阻止されたときにモータ24(回転軸31)の回転までもが阻止されてモータ24が損傷する事態が回避される。
【0056】
また、図13に示す状態において回転軸31(取付け用部材32)が矢印Aの向きでさらに回転させられたときには、板バネ61,62が弾性復帰して、図7に示すように、被係合部43における各平面43aに対して板バネ61,62が面的に接した状態となり、取付け用部材32に対する第1アーム51の係合が復元される(「付勢部材の弾性復帰によって被係合部に対する係合用部材の係合が復元される」との状態の一例)。これにより、例えば、首振り動作が妨げられていることに気付いた利用者が暖房器具1を移動させるなどして、首振り動作を妨げる要因が排除されたときには、モータ24(回転軸31)の回転に伴って第1アーム51が回転させられて、ベース部21に対してヘッド部22が首振り動作させられる。
【0057】
この場合、この首振り機構3では、前述したように、被係合部43の平面43aが回転軸31の軸中心を中心として120°の等角度間隔で設けられると共に、各平面43aに対して面的に接触させられる板バネ61,62が回転軸31の軸中心を中心として120°の等角度間隔で配設されている。したがって、1つの平面43aに対して板バネ61が面的に接触している状態においては、他の2つの平面43aに対して板バネ62がそれぞれ面的に接触した状態となり、取付け用部材32に対して第1アーム51が3箇所で係合した状態となる。
【0058】
また、平面43aに対して板バネ61,62が面的に接触した状態(取付け用部材32に対して第1アーム51が係合した状態)から板バネ61,62の弾性変形によって、平面43aに対する板バネ61,62の面的な接触(取付け用部材32に対する第1アーム51の係合)が解除されたとしても、回転軸31が回転したとき、または、回転軸31に対して第1アーム51がさらに回転させられたときに、各平面43aに対して板バネ61,62が面的に接触した状態(取付け用部材32に対して第1アーム51が係合した状態)が復元される。これにより、回転軸31によって第1アーム51を回転させることでヘッド部22(本体部4)を首振り動作させることが可能となる。
【0059】
このように、この首振り機構3によれば、アーム長方向に伸縮させる向きの力が第1アーム51に加わったときに、回転軸31の回転時における第1アーム51の回転面に沿って板バネ61が弾性変形することにより、ヘッド部22(本体部4)からクランク機構25を介して回転軸31(モータ24)に向かって伝達される力が、板バネ61の弾性変形によって減衰すると共に、回転軸31を回転させる向きで回転軸31に対して伝達されるため、回転軸31を偏心させようとする向きの強い力が回転軸31に対して伝達される事態を回避することができる結果、モータ24の破損を回避して、常態における首振り運動を的確に実行する機能を長期間に亘って良好に維持することができる。
【0060】
また、この首振り機構3によれば、首振り動作中にその動作を妨げる力が加わったときや、首振り動作中、および首振り動作の停止中を問わず、ヘッド部22(本体部4)を首振りの向きに回動させようとする強い外力が加わったときに、第1アーム51における板バネ61,62が弾性変形して、取付け用部材32の周面に設けられた被係合部43の各平面43aに対する板バネ61,62の係合が解除されることにより、首振り動作中に、クランク機構25の動作(第1アーム51の回転)が阻止されたとしても、回転軸31を継続して回転させることができるため、モータ24に加わる負担を十分に低減することができると共に、首振り動作を停止中にヘッド部22(本体部4)を回動させようとする強い外力が加わったとしても、停止中のモータ24における回転軸31が第1アーム51と共に回転させられる事態を回避することができるため、このような状態においてもモータ24に加わる負担を十分に低減することができる。また、従来の熱風機に搭載された首振り装置とは異なり、取付け用部材32に対して第1アーム51が係合した状態、および係合が解除された状態を繰り返したとしても、取付け用部材32に対して第1アーム51を係合させる力(本例では、板バネ61の付勢力)が大きく低下することがないため、首振り運動を的確に実行する機能を長期に亘って良好に維持することができると共に、多少の塵埃が侵入したとしても、取付け用部材32に対して第1アーム51を係合させる力が過剰に大きくなることがないため、ヘッド部22(本体部4)が障害物に当接したときなどに首振り運動を停止させたり、モータ24に対して及ぶ負荷を軽減したりする機能を長期に亘って良好に維持することができる。
【0061】
さらに、この首振り機構3によれば、第2アーム52との軸着部位(本例では、回動軸63a)の軸中心、および回転軸31の軸中心の少なくとも一方を、平面視における板バネ61の延在方向に対してオフセットして第1アーム51を構成したことにより、第1アーム51に対して加わる力の向きが第1アーム51をアーム長方向に伸縮させる向きであったとしても、板バネ61の弾性変形によって、その力を十分に減衰させたうえで、回転軸31を回転させる向きで回転軸31に対して伝達することができるため、モータ24の破損を確実に回避することができる。
【0062】
また、この首振り機構3では、第1アーム51における板バネ61,62において被係合部43の各平面43a(被係合部)に係合する部位(係合用部材)が回転軸31の軸中心に対して等角度間隔で位置するように複数配設されている。また、この首振り機構3では、被係合部43の各平面43a(被係合部)が回転軸31の軸中心に対して等角度間隔で位置するように複数設けられている。したがって、この首振り機構3によれば、被係合部43の平面43a、および第1アーム51における板バネ61,62において被係合部43の各平面43aに係合する部位の双方を回転軸31の1周当りにそれぞれ1つだけ設けた構成とは異なり、取付け用部材32に対して第1アーム51が係合する箇所を回転軸31の1周当りに複数設ける(「被係合部」に対して「係合用部材」が係合する状態を、回転軸31、または、第1アーム51の1回転当りに複数回生じさせる)ことができる。このため、取付け用部材32に対して第1アーム51が係合した状態から、板バネ61,62の弾性変形によって第1アーム51の係合が解除されたとしても、回転軸31が回転したときに、または、回転軸31に対して第1アーム51がさらに回転させられたときに、回転軸31や第1アーム51が1回転する前に、取付け用部材32に対して第1アーム51が係合した状態に短時間で復帰させることができる。
【0063】
さらに、この首振り機構3によれば、「弾性変形部」を板バネ61で構成したことにより、「弾性変形部」の弾性力を長期に亘って維持することができると共に、複雑な構成を採用した「弾性変形部」よりも板バネ61が安価であることから、第1アーム51を安価に製造することができる。
【0064】
また、この暖房器具1によれば、上記の首振り機構3によって「首振り対象体」としての本体部4(燃焼機構4a)を首振り動作させることにより、長期間に亘って使用したとしても、本体部4(燃焼機構4a)を確実に首振り動作させることができると共に、本体部4(本体部4)が障害物に当接したときなどに首振り運動を確実に停止させることができ、しかも、モータ24に対して及ぶ負荷を十分に軽減することができる。
【0065】
なお、「首振り機構(暖房器具)」の構成は、上記した首振り機構3(暖房器具1)の構成に限定されるものではない。例えば、「第2アーム」を「ベース部」に対して軸着する構成は、上記の首振り機構3(暖房器具1)のように、ベース部21側に回動軸26を設けて第2アーム52の軸孔52bに挿通させる構成に限定されず、「第2アーム」に回動軸を設けると共に、「ベース部」に軸孔を形成して、これらによって「第2アーム」を「ベース部」に対して軸着する構成(図示せず)を採用することもできる。また、「第1アーム」および「第2アーム」を相互に軸着する構成は、上記の首振り機構3(暖房器具1)のように、第1アーム51の回動軸63aを第2アーム52の軸孔52aに挿通させる構成に限定されず、「第1アーム」に軸孔を形成すると共に、「第2アーム」に回動軸を設けて、これらによって「第1アーム」および「第2アーム」を相互に軸着する構成(図示せず)を採用することもができる。このような構成を採用した場合においても、上記の首振り機構3と同様の効果を奏することができる。
【0066】
さらに、第2アーム52との軸着部位(本例では、回動軸63a)の軸中心、および回転軸31の軸中心の双方を、平面視における板バネ61の延在方向に対してオフセットして第1アーム51を構成した例について説明したが、「第2アームとの軸着部位」の軸中心、および「回転軸の軸中心」のいずれか一方だけを、平面視における「弾性変形部」の延在方向に対してオフセットして「第1アーム」を構成することもできる。このような構成においても、上記の第1アーム51を有する首振り機構3と同様の効果を奏することができる。
【0067】
また、「係合機構」の構成は、上記の例に限定されない。例えば、図16に示すクランク機構25Aの第1アーム51Aは、板バネ81、係合用部材82および連結用軸部63を備え、「係合機構」を構成する係合用部材82が、回転軸31に対して第1アーム51Aを取り付けるための取付け用部材32Aに対して係合可能な「ボールラッチ機構」を備えて構成されている。なお、前述したクランク機構25と同様の機能を有するクランク機構25Aの構成要素については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。また、第1アーム51Aにおける連結用軸部63は、前述した第1アーム51の連結用軸部63と同様に構成されているため、重複する説明を省略する。
【0068】
この場合、取付け用部材32Aは、モータ24の回転軸31を挿通可能な挿通用孔71が形成されると共に、その周面には、挿通用孔71の中心(すなわち、回転軸31の軸中心)を中心として120°の等角度間隔で3つの係合用凹部72(「被係合部」の他の一例)が形成されている。
【0069】
一方、板バネ81は「弾性変形部」の他の一例であって、係合用部材82および連結用軸部63を相互に連結すると共に、前述した第1アーム51における板バネ61と同様にして、アーム長方向に伸縮させる向きの強い力が第1アーム51Aに加わったときに、回転軸31の回転時における第1アーム51Aの回転面に沿って弾性変形する。係合用部材82は、「係合用部材」に相当するボール82a、およびボール82aを係合用凹部72に向けて付勢する「付勢部材」に相当する弦巻バネ82bを備えて構成されている。この場合、この係合用部材82では、取付け用部材32Aに対して第1アーム51Aを取り付けた状態において、各ボール82aが各係合用凹部72に対してそれぞれ係合するように、ボール82aおよび弦巻バネ82bが取付け用部材32Aにおける挿通用孔71の中心(すなわち、回転軸31の軸中心)を中心として120°の等角度間隔で配置されている。
【0070】
この第1アーム51Aでは、常態においては、弦巻バネ82bの付勢力によって、ボール82aが取付け用部材32Aの係合用凹部72に向けて押し付けられてボール82aが係合用凹部72に係合することで、第1アーム51Aが取付け用部材32Aに係合した状態に維持される。また、モータ24の回転軸31に対して大きな負荷が加わるおそれがある状態となったときには、弦巻バネ82bが縮長方向に弾性変形して、係合用凹部72に対するボール82aの係合が解除されて、第1アーム51Aが取付け用部材32Aに係合する状態が解除される。したがって、このような「係合機構」を備えて構成された第1アーム51Aにおいても、前述した第1アーム51と同様の効果を奏することができる。
【0071】
さらに、回転軸31に固定した取付け用部材32に取り付ける第1アーム51を備えたクランク機構25、および回転軸31に固定した取付け用部材32Aに取り付ける第1アーム51Aを備えたクランク機構25Aを例に挙げて説明したが、回転軸31の周面に取付け用部材32における各平面43aと同様の平面を形成することで、第1アーム51を回転軸31に直接取り付ける構成や、回転軸31の周面に取付け用部材32Aにおける各係合用凹部72と同様の平面を形成することで、第1アーム51Aを回転軸31に直接取り付ける構成を採用することもできる。
【0072】
また、「弾性変形部」を板バネ61で構成した第1アーム51や、板バネ81で構成した第1アーム51Aを例に挙げて説明したが、「板バネ」以外の各種弾性部材(例えば、弦巻バネ)で「弾性変形部」を構成することもできる。さらに、「第1アーム(上記の例では、第1アーム51,51A」に「弾性変形部」を設けた例について説明したが、このような構成に代えて(または、このような構成に加えて)「第2アーム」に「弾性変形部」を設けてもよい(図示せず)。「第2アーム」に「弾性変形部」を設けた構成においても、「第1アーム」に「弾性変形部」を設けた構成と同様にして、「首振り対象体」から「回転機構の回転軸」に向かって伝達される力を「弾性変形部」の弾性変形によって減衰させることができるため、「第1アーム」に「弾性変形部」を設けた構成と同様の効果を奏することができる。
【0073】
この場合、「第2アーム」に「弾性変形部」を設けた構成において、「第1アームとの軸着部位」の軸中心と、「ベース部および首振り対象体のいずれかへの軸着部位」の軸中心との少なくとも一方を、平面視における「弾性変形部」の延在方向に対してオフセットして「第2アーム」を構成することにより、「第2アーム」に対して加わる力の向きが「第2アーム」をアーム長方向に伸縮させる向きであったとしても、「弾性変形部」の弾性変形によって、その力を十分に減衰させたうえで「第1アーム」を介して「回転軸」に伝達することができるため、「回転機構」の破損を確実に回避することができる。
【0074】
また、「回転機構」を「ベース部」に固定すると共に、「第2アーム」の一端部を「首振り対象体」に対して軸着してもよい。このような構成においても、上記の例と同様の効果を奏することができる。このような構成においては、「クランク機構」が「回転機構の回転運動」を、「第2アームの一端部を回転軸に対して接離動させる向きの往復運動」に変換することで、「首振り対象体」が首振り動作させられる。
【0075】
さらに、「回転軸」の軸中心に対して等角度間隔で位置するように配設された複数の「係合用部材」、および「回転軸」の軸中心に対して等角度間隔で位置するように設けられた複数の「被係合部」を備えた例について説明したが、「係合用部材」および「被係合部」のいずれか一方を1つだけ備えると共に、他方を複数備えて構成することもできる。このような構成を採用した場合においても、「回転軸」の1周当りに、「被係合部」に対して「係合用部材」が係合する箇所を複数設けることができる。
【0076】
加えて、「発熱機構」としての燃焼機構4aを備えた暖房器具1を例に挙げて説明したが、「発熱機構」としての赤外線ランプ(図示せず)を備えた暖房器具(電気式の赤外線ヒータ:図示せず)に「首振り機構」を搭載して首振り動作させる構成を採用することができる。また、「発熱機構」と「送風機」とを備えた暖房器具(温風器)に「首振り機構」を搭載して首振り動作させる構成を採用することもできる。さらに、扇風機や照明器具などの各種の首振り対象物を「首振り機構」によって首振り動作させる構成を採用することができる。
【符号の説明】
【0077】
1 暖房器具
2 燃料タンク
3 首振り機構
4 本体部
4a 燃焼機構
21 ベース部
22 ヘッド部
23 回動軸
24 モータ
25,25A クランク機構
26,63a 回動軸
31 回転軸
32,32A 取付け用部材
41 挿通用孔
43 被係合部
43a 平面
51,51A 第1アーム
52 第2アーム
52a,52b 軸孔
61,62,81 板バネ
61a,62a 係止用爪部
61b,61c,62b,63b,71 挿通用孔
61d,62c 係合用孔
63 連結用軸部
72 係合用凹部
82 係合用部材
82a ボール
82b 弦巻バネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転機構およびクランク機構を備えて、ベース部に取り付けられた首振り対象体を首振り動作させる首振り機構であって、
前記回転機構は、前記ベース部および前記首振り対象体のいずれか一方に取り付けられ、
前記クランク機構は、前記回転機構における回転軸、および当該回転軸に固定された取付け用部材のいずれか一方に一端部が取り付けられた第1アームと、前記ベース部および前記首振り対象体の他方に一端部が軸着された第2アームとを備えて、当該第1アームの他端部および当該第2アームの他端部が相互に軸着されて構成されると共に、前記回転機構の回転運動を、前記第2アームの前記一端部および前記回転軸のいずれか一方を他方に対して接離動させる向きの往復運動に変換し、
前記第1アームおよび前記第2アームの少なくとも一方には、当該一方のアームに対してアーム長方向に伸縮させる向き力が加わったときに、前記回転軸の回転時における当該第1アームの回転面に沿って弾性変形する弾性変形部が設けられ、
前記第1アームの一端部には、前記回転軸および前記取付け用部材のいずれかの周面に設けられた被係合部に係合する係合機構が設けられ、
前記係合機構は、前記被係合部に係合する係合用部材と、当該係合用部材を前記被係合部に向けて付勢する付勢部材とを備えると共に、当該付勢部材の弾性変形によって前記被係合部に対する前記係合用部材の係合が解除され、かつ、当該付勢部材の弾性復帰によって当該被係合部に対する当該係合用部材の係合が復元されるように構成されている首振り機構。
【請求項2】
前記第1アームは、前記一端部および前記他端部を連結するようにして前記弾性変形部が配設されると共に、前記第2アームとの軸着部位の軸中心、および前記回転軸の軸中心の少なくとも一方が、平面視における前記弾性変形部の延在方向に対してオフセットされている請求項1記載の首振り機構。
【請求項3】
前記第2アームは、前記一端部および前記他端部を連結するようにして前記弾性変形部が配設されると共に、前記第1アームとの軸着部位の軸中心と、前記ベース部および前記首振り対象体の前記他方との少なくとも一方が、平面視における前記弾性変形部の延在方向に対してオフセットされている請求項1または2記載の首振り機構。
【請求項4】
前記係合用部材を複数備え、当該各係合用部材は、前記回転軸の軸中心に対して等角度間隔で位置するように配設されている請求項1から3のいずれかに記載の首振り機構。
【請求項5】
前記被係合部が複数設けられ、当該各被係合部は、前記回転軸の軸中心に対して等角度間隔で位置するように設けられている請求項1から4のいずれかに記載の首振り機構。
【請求項6】
前記弾性変形部は板バネで構成されている請求項1から5のいずれかに記載の首振り機構。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の首振り機構と、前記首振り対象体としての発熱機構とを備え、前記首振り機構が前記発熱機構を首振り動作させる暖房器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−19611(P2013−19611A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−153866(P2011−153866)
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(000103921)オリオン機械株式会社 (450)
【Fターム(参考)】