香炉用断熱部材
【課題】香を自然に焚く際に用いる香炉の断熱部材に関するものである。香炉が小型化されても熱による不具合を低減し、当初必要とする灰を軽減する。
【解決手段】香を自然に焚く際に用いる上部を香の煙の開放部とした器状の香炉2において、香炉2に必要な灰3を少量化せしめ、熱による弊害を減じることを目的した、香炉2に載置する難燃性からなる断熱部材1を発明した。
【解決手段】香を自然に焚く際に用いる上部を香の煙の開放部とした器状の香炉2において、香炉2に必要な灰3を少量化せしめ、熱による弊害を減じることを目的した、香炉2に載置する難燃性からなる断熱部材1を発明した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は香を自然に焚く際に用いる香炉の断熱部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
仏事や葬儀において、香炉に細かな灰を内部に入れておき、その灰の上に火のついた炭を配置して、粒状の香を焚いたりする。また、炭を使うことなく、線香などの端部を燃焼させて、横にねかせて、香炉内部で燃焼させたりもする。宗派によっては、線香を灰に差し込んで、垂直に立てて燃焼させる場合もある。最近では、垂直に限らず、斜めに支持する方法も見受けられる。このような葬祭用具に関わる香炉に関わるものである。
【0003】
前述のように技術範囲の香炉は、熱を用いた利用形態であるため、香炉の下部が熱を待ちやすい。その弊害を減じるために、従来から香炉の形状は底部中央部分の外面部を開放部とした、三つ足や四つ足などで支持される形式のものが多い。また、熱対策のために、陶器類を分厚くして作成した香炉も考案されているが、陶器類の性質上重く持ち運びなどが、不便であった。
【0004】
昨今では、住宅環境の事情により、特に仏事に用いる香炉などは小型化されてきている。そのため、火気部との距離が近いため、器が熱くなって、やけどをしたり、香炉を置いた場所が変色したりするなど、熱による弊害の対処に苦慮している。特に香炉の器が金属製である場合には顕著であった。
【0005】
また、当初より灰を挿入しておく必要があるために、灰を多量に入れて置く手間が必要であった。特に小型の器では灰も入れづらく、火気部との距離を遠ざける必要から、厚みをますように、多くの質のよい高級な灰をいれておく必要があった。
【0006】
一方、大型香炉で、下記特許文献による耐熱性断熱材を利用した香炉が提案されている。
【0007】
本発明の説明にあたって、不明確であると推定される用語に関して、明確化しておく。香炉に関してで、あるが、「香を自然に焚く際に用いる香炉」とは、通常の葬祭に関わるさいに用いる炭火などを用いて、香を焚いたり、線香においては端部に火をつけて、自然に薫香を得る香炉を示しており、強制的に電気熱やバーナーなどにより、燃焼させる香炉とは異なるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】公開実用新案公報 昭62−193489
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたものであり、香炉が小型化されても熱による不具合を低減し、当初必要とする灰を軽減するのが、目的である。特許文献1による方法も便利で画期的であるが、大型の香炉に限られ、操作性も不便であり、小型化した香炉には利用しづらい形態であった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
香を自然に焚く際に用いる上部を香の煙の開放部とした器状の香炉において、香炉に必要な灰を少量化せしめ、熱による弊害を減じることを目的した、香炉底部に載置する難燃性からなる断熱部材を発明した。
【0011】
これによると、香炉底部に難燃性からなる断熱部材を配置することで、熱による弊害が減じられ、金属製でできた香炉などにじかに触れても、やけどをすることもない。また、香炉の外側の底部中央部分の外面を開放した熱対策用空間部分を設ける必要もなくなり、香炉の設計にデザイン的な自由度が増える。
【0012】
もちろん、主な目的は前記の熱による弊害を軽減することや、灰を少量で済ませるためのいわゆる灰のボリューム材としての利用であるが、本発明の断熱部材に線香などを差し込み保持するための中空部などの空間からなる保持部を設けることで、最初から灰を用いることもなく、線香などが、利用可能である。もちろん、断熱性のために少量の灰で十分に用を足すので、灰を併用することを否定するものではない。香や線香、炭火などの灰が自然と積みまされたあとは、従前どおりの利用をしていけば、よい。
【0013】
また、香炉の内面の底部に段差などをもちいた載置位置を決める装着用載置部を設けて、本発明の断熱部材をはめ込みやすく、位置決めしやすくすると、便利である。
【0014】
本発明の断熱部材に底上げ手段を用いると、全体的に軽量になって利便性が高まるうえに、通気性がよくなり、香の燃焼性が高まって好ましい。
【0015】
また本発明の断熱部材の上部と下部とを貫く、中空部などの空間部を1以上複数持たせることで、軽量化と香の燃焼性が高まる。もちろん、前期底上げ手段とを併用すると更に燃焼効果は高まる。
【0016】
断熱部材を用途に応じて、複数組み合わせて、用いてもよい。組み合わせの方法は特に問わないが、単純な凹凸を利用して、位置決めしたり、嵌め合わせて、組み合わせる通常利用される形態が簡便で好ましい。また、断熱部材は平坦な板でなくてもよく、湾曲していてもよい。
【0017】
断熱部材の難燃性材は、セラミックであると、燃えることもなく、便利である。また、空間部を多く有する形状であると、通気性がよく、好ましい。
【0018】
前記の難燃性体が、珪藻土を主成分としたことを特徴としたものであると、湿度調整やある程度のにおいの吸引性を有しているうえに、熱の遮断性に優れ、有益である。
【0019】
前記の線香などを挿入して保持する保持形態であるが、研究の結果、線香保持部に隣接した通気性を有する空間部を設けると効果的な燃焼性が得られることが判明した。水平方向の断面図からみて線香を保持する線香保持部の接点をなるべく少なくするような形状に保持する形態にすると、線香が燃えやすい。
【発明の効果】
【0020】
香を自然に焚く際に用いる香炉の底部に本発明の簡易に装着できる断熱部材を用い載置すると、従来の香炉のように香炉の底部中央部分の外面部を開放部とした空間を設けることなく、熱のよる弊害を軽減できる。また、灰を分厚く用いて、熱源を香炉下部に伝わらないように苦労なく断熱処置ができるので、灰が少量もしくは、当初から不要であってもよい。
【0021】
また、灰が少量で済むことで、適宜、必要な灰を準備するだけでよく、簡便である。
従来から使用している香炉にも、香炉下部に収容するだけでよいので、簡便に装着することができて、便利である。香炉が軽量であっても、熱によって、やけどをしたりすることもない。以前より、葬祭などで、長く香炉がさめるのを待って、移動するなどの手間も不用になる。軽量であるため、老人など筋力の弱い人でも軽いので、扱いやすくなる。
【0022】
本発明の断熱部材に線香などを差し込み保持するための中空部などの空間からなる保持部を設けることは、最初から灰を用いることもなく、線香などが、簡便に利用可能であり便利である。
【0023】
前記保持部が空間部を多く有している、通気性がよいものであると、線香が燃えやすく、利便性が高い。
【0024】
また、香炉の内部の底部に段差などをもちいた載置するための装着用載置部を設けて、本発明の断熱部材をはめ込みやすく、位置決めしやすくすると、便利である。
【0025】
断熱部材に底上げ手段を用いると、全体的に軽量になって利便性が高まるうえに、通気性がよくなり、香の燃焼性が高まって好ましい。
【0026】
本発明の断熱部材の上部と下部とを貫く、中空部などの空間部を1以上複数付帯していることで、軽量化と香の燃焼性が高まって、このましい。もちろん、前期底上げ手段とを併用すると更に燃焼効果は高まる。もちろん中空部などの空間部の一部もしくは全体を線香などの保持にも利用できる形態にすると便利で、使いがってがよい。
【0027】
断熱部材を用途に応じて、複数組み合わせて、用いる方法によると。様々な組み合わせが可能になって、例えば、断熱部材を底部以外の側部にも適宜用いて、香炉側部の熱など気になる部分を遮断するように組み合わせてることもできる。また、底部専用の断熱部材と、線香など保持を兼ね備えた断熱部材とを適宜用途に応じて、組み合わせることができれば、コスト削減にもなるし、香炉の形態によって、使いように幅が出る。
【0028】
断熱部材の難燃性体は、セラミックであると、燃えることもなく、便利である。また、空間部を多く有する断熱部材であると、通気性がよく、好ましい。
【0029】
難燃性体が、珪藻土を主成分としたことを特徴としたものであると、湿度調整やある程度のにおいの吸引性を有しているうえに、熱の遮断性に優れ、有益である。香による種類によって、匂いが異なり、好みがあるために、この匂いを吸着する効果は大きい。
また、難燃性体が珪藻土を主成分としたことを特徴としたものであると、横に保持した形態にしても、最後まで、燃えるやすい特徴を備えている。水分などの吸湿性に優れているために、香炉が汗をかいた場合なのにおける水分が発生しても、灰を健全に保ちやすい。
【0030】
前記の線香などを挿入して保持する保持形態において、線香側部に通気性を有するようにして、水平方向の断面図からみて側部の接点をなるべく少なくするように、保持する形態にすると、線香が燃焼しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態を示す説明断面図である。
【図2】本発明の実施形態を示す説明断面図である。
【図3】本発明の実施形態を示す説明断面図である。
【図4】本発明の実施形態を示す説明断面図である。
【図5】本発明の実施形態を示す説明断面図である。
【図6】本発明の実施形態を示す説明断面図である。
【図7】本発明の実施形態を示す説明断面図である。
【図8】本発明の実施形態を示す説明断面図である。
【図9】本発明の実施形態を示す説明断面図である。
【図10】本発明の実施形態を示す水平方向の部分拡大説明断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図面によって実施形態を説明する。簡略のため、説明断面図する。
図1は香炉(2)の底部に載置された断熱部材(1)である。灰(3)が置かれた上に、炭火(5)がおかれ、香などを炭火(5)において、祭事を行うものである。
【0033】
図2においては、上面まで、断熱部材(1)により、載置されている形態である。灰(3)は必要に応じて、使えばよく、場合によっては、最初に準備しておかなくてもよい。
【0034】
図3においては香炉(2)底部に段差を設けて、断熱部材(1)載置されやすい載置部(2−1)を設けたものである。載置部(2)の形式は自由な形態でよく、特に問わない。もちろん、断熱部材(1)の形状は図4のように香炉(2)側部を保護するような形状であってもよい。あるいは、図5のように断熱材(1)と上げ底手段(6)を用いた断熱部材(1−1)との組み合わせであってもよい。組み合わせによっては図6の形態や図7の形態など自由に組み合わせることができる。香炉(1)の材質は問わないが、金属製のものであると本発明と相まって、薄く軽量に作成できるため、好ましい。
【0035】
図8は中空などの空間部(7)と上げ底手段(6)を有した断熱部材(1)の説明断面図である。これによると通空性がよいうえに、線香などを保持する保持部(8)との共有が可能である。空間部(7)はテーパー部によって、様々な線香の太さに対応できるようになっている。本図面で表示されている空間部(7)は縦軸を中心とした回転体であるが、必ずしも回転体でなくてもよい。
【0036】
図9は実際に線香を差し込んで使用した実施形態の一部である。断熱部材(1)と図8で説明した形態の断熱部材(1-1)を組み合わせたものである。
【0037】
図10は保持部(8)の好ましい形態を説明するもので、水平方向を面とした拡大した部分断面図である。線香(4)を保持する保持部(8)が図のように、線香(4)が接する部分が少なくなるようにしている。線香側部に通気性を有するような空間部(8−1)に隣接して、水平方向の断面図からみて線香側部の接点をなるべく少なくするように、保持する形態にすると、線香が燃焼しやすい。
【0038】
断熱部材(1)はセラミックなどでもよいが、珪藻土を主材料とした断熱部材であるものが、好ましい。線香を横にねかせても、不具合なく、燃焼する。
本発明は香炉の底部に用いるのが好ましいが、灰を下にして、本発明の断熱部材を用いてもよく、場合によっては、複数の断熱部材を板状にして、灰をサンドイッチのように挟み込むように用いてもよい。本発明は葬祭用具としての利用であるが、他のアロマとしてのお香の手段として、用いてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 断熱部材
1−1 断熱部材
1−2 断熱部材
2 香炉
2−1 載置部
3 灰
4 線香
5 炭
6 上げ底手段
7 空間部
8 保持部
8−1 空間部
【技術分野】
【0001】
本発明は香を自然に焚く際に用いる香炉の断熱部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
仏事や葬儀において、香炉に細かな灰を内部に入れておき、その灰の上に火のついた炭を配置して、粒状の香を焚いたりする。また、炭を使うことなく、線香などの端部を燃焼させて、横にねかせて、香炉内部で燃焼させたりもする。宗派によっては、線香を灰に差し込んで、垂直に立てて燃焼させる場合もある。最近では、垂直に限らず、斜めに支持する方法も見受けられる。このような葬祭用具に関わる香炉に関わるものである。
【0003】
前述のように技術範囲の香炉は、熱を用いた利用形態であるため、香炉の下部が熱を待ちやすい。その弊害を減じるために、従来から香炉の形状は底部中央部分の外面部を開放部とした、三つ足や四つ足などで支持される形式のものが多い。また、熱対策のために、陶器類を分厚くして作成した香炉も考案されているが、陶器類の性質上重く持ち運びなどが、不便であった。
【0004】
昨今では、住宅環境の事情により、特に仏事に用いる香炉などは小型化されてきている。そのため、火気部との距離が近いため、器が熱くなって、やけどをしたり、香炉を置いた場所が変色したりするなど、熱による弊害の対処に苦慮している。特に香炉の器が金属製である場合には顕著であった。
【0005】
また、当初より灰を挿入しておく必要があるために、灰を多量に入れて置く手間が必要であった。特に小型の器では灰も入れづらく、火気部との距離を遠ざける必要から、厚みをますように、多くの質のよい高級な灰をいれておく必要があった。
【0006】
一方、大型香炉で、下記特許文献による耐熱性断熱材を利用した香炉が提案されている。
【0007】
本発明の説明にあたって、不明確であると推定される用語に関して、明確化しておく。香炉に関してで、あるが、「香を自然に焚く際に用いる香炉」とは、通常の葬祭に関わるさいに用いる炭火などを用いて、香を焚いたり、線香においては端部に火をつけて、自然に薫香を得る香炉を示しており、強制的に電気熱やバーナーなどにより、燃焼させる香炉とは異なるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】公開実用新案公報 昭62−193489
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたものであり、香炉が小型化されても熱による不具合を低減し、当初必要とする灰を軽減するのが、目的である。特許文献1による方法も便利で画期的であるが、大型の香炉に限られ、操作性も不便であり、小型化した香炉には利用しづらい形態であった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
香を自然に焚く際に用いる上部を香の煙の開放部とした器状の香炉において、香炉に必要な灰を少量化せしめ、熱による弊害を減じることを目的した、香炉底部に載置する難燃性からなる断熱部材を発明した。
【0011】
これによると、香炉底部に難燃性からなる断熱部材を配置することで、熱による弊害が減じられ、金属製でできた香炉などにじかに触れても、やけどをすることもない。また、香炉の外側の底部中央部分の外面を開放した熱対策用空間部分を設ける必要もなくなり、香炉の設計にデザイン的な自由度が増える。
【0012】
もちろん、主な目的は前記の熱による弊害を軽減することや、灰を少量で済ませるためのいわゆる灰のボリューム材としての利用であるが、本発明の断熱部材に線香などを差し込み保持するための中空部などの空間からなる保持部を設けることで、最初から灰を用いることもなく、線香などが、利用可能である。もちろん、断熱性のために少量の灰で十分に用を足すので、灰を併用することを否定するものではない。香や線香、炭火などの灰が自然と積みまされたあとは、従前どおりの利用をしていけば、よい。
【0013】
また、香炉の内面の底部に段差などをもちいた載置位置を決める装着用載置部を設けて、本発明の断熱部材をはめ込みやすく、位置決めしやすくすると、便利である。
【0014】
本発明の断熱部材に底上げ手段を用いると、全体的に軽量になって利便性が高まるうえに、通気性がよくなり、香の燃焼性が高まって好ましい。
【0015】
また本発明の断熱部材の上部と下部とを貫く、中空部などの空間部を1以上複数持たせることで、軽量化と香の燃焼性が高まる。もちろん、前期底上げ手段とを併用すると更に燃焼効果は高まる。
【0016】
断熱部材を用途に応じて、複数組み合わせて、用いてもよい。組み合わせの方法は特に問わないが、単純な凹凸を利用して、位置決めしたり、嵌め合わせて、組み合わせる通常利用される形態が簡便で好ましい。また、断熱部材は平坦な板でなくてもよく、湾曲していてもよい。
【0017】
断熱部材の難燃性材は、セラミックであると、燃えることもなく、便利である。また、空間部を多く有する形状であると、通気性がよく、好ましい。
【0018】
前記の難燃性体が、珪藻土を主成分としたことを特徴としたものであると、湿度調整やある程度のにおいの吸引性を有しているうえに、熱の遮断性に優れ、有益である。
【0019】
前記の線香などを挿入して保持する保持形態であるが、研究の結果、線香保持部に隣接した通気性を有する空間部を設けると効果的な燃焼性が得られることが判明した。水平方向の断面図からみて線香を保持する線香保持部の接点をなるべく少なくするような形状に保持する形態にすると、線香が燃えやすい。
【発明の効果】
【0020】
香を自然に焚く際に用いる香炉の底部に本発明の簡易に装着できる断熱部材を用い載置すると、従来の香炉のように香炉の底部中央部分の外面部を開放部とした空間を設けることなく、熱のよる弊害を軽減できる。また、灰を分厚く用いて、熱源を香炉下部に伝わらないように苦労なく断熱処置ができるので、灰が少量もしくは、当初から不要であってもよい。
【0021】
また、灰が少量で済むことで、適宜、必要な灰を準備するだけでよく、簡便である。
従来から使用している香炉にも、香炉下部に収容するだけでよいので、簡便に装着することができて、便利である。香炉が軽量であっても、熱によって、やけどをしたりすることもない。以前より、葬祭などで、長く香炉がさめるのを待って、移動するなどの手間も不用になる。軽量であるため、老人など筋力の弱い人でも軽いので、扱いやすくなる。
【0022】
本発明の断熱部材に線香などを差し込み保持するための中空部などの空間からなる保持部を設けることは、最初から灰を用いることもなく、線香などが、簡便に利用可能であり便利である。
【0023】
前記保持部が空間部を多く有している、通気性がよいものであると、線香が燃えやすく、利便性が高い。
【0024】
また、香炉の内部の底部に段差などをもちいた載置するための装着用載置部を設けて、本発明の断熱部材をはめ込みやすく、位置決めしやすくすると、便利である。
【0025】
断熱部材に底上げ手段を用いると、全体的に軽量になって利便性が高まるうえに、通気性がよくなり、香の燃焼性が高まって好ましい。
【0026】
本発明の断熱部材の上部と下部とを貫く、中空部などの空間部を1以上複数付帯していることで、軽量化と香の燃焼性が高まって、このましい。もちろん、前期底上げ手段とを併用すると更に燃焼効果は高まる。もちろん中空部などの空間部の一部もしくは全体を線香などの保持にも利用できる形態にすると便利で、使いがってがよい。
【0027】
断熱部材を用途に応じて、複数組み合わせて、用いる方法によると。様々な組み合わせが可能になって、例えば、断熱部材を底部以外の側部にも適宜用いて、香炉側部の熱など気になる部分を遮断するように組み合わせてることもできる。また、底部専用の断熱部材と、線香など保持を兼ね備えた断熱部材とを適宜用途に応じて、組み合わせることができれば、コスト削減にもなるし、香炉の形態によって、使いように幅が出る。
【0028】
断熱部材の難燃性体は、セラミックであると、燃えることもなく、便利である。また、空間部を多く有する断熱部材であると、通気性がよく、好ましい。
【0029】
難燃性体が、珪藻土を主成分としたことを特徴としたものであると、湿度調整やある程度のにおいの吸引性を有しているうえに、熱の遮断性に優れ、有益である。香による種類によって、匂いが異なり、好みがあるために、この匂いを吸着する効果は大きい。
また、難燃性体が珪藻土を主成分としたことを特徴としたものであると、横に保持した形態にしても、最後まで、燃えるやすい特徴を備えている。水分などの吸湿性に優れているために、香炉が汗をかいた場合なのにおける水分が発生しても、灰を健全に保ちやすい。
【0030】
前記の線香などを挿入して保持する保持形態において、線香側部に通気性を有するようにして、水平方向の断面図からみて側部の接点をなるべく少なくするように、保持する形態にすると、線香が燃焼しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態を示す説明断面図である。
【図2】本発明の実施形態を示す説明断面図である。
【図3】本発明の実施形態を示す説明断面図である。
【図4】本発明の実施形態を示す説明断面図である。
【図5】本発明の実施形態を示す説明断面図である。
【図6】本発明の実施形態を示す説明断面図である。
【図7】本発明の実施形態を示す説明断面図である。
【図8】本発明の実施形態を示す説明断面図である。
【図9】本発明の実施形態を示す説明断面図である。
【図10】本発明の実施形態を示す水平方向の部分拡大説明断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図面によって実施形態を説明する。簡略のため、説明断面図する。
図1は香炉(2)の底部に載置された断熱部材(1)である。灰(3)が置かれた上に、炭火(5)がおかれ、香などを炭火(5)において、祭事を行うものである。
【0033】
図2においては、上面まで、断熱部材(1)により、載置されている形態である。灰(3)は必要に応じて、使えばよく、場合によっては、最初に準備しておかなくてもよい。
【0034】
図3においては香炉(2)底部に段差を設けて、断熱部材(1)載置されやすい載置部(2−1)を設けたものである。載置部(2)の形式は自由な形態でよく、特に問わない。もちろん、断熱部材(1)の形状は図4のように香炉(2)側部を保護するような形状であってもよい。あるいは、図5のように断熱材(1)と上げ底手段(6)を用いた断熱部材(1−1)との組み合わせであってもよい。組み合わせによっては図6の形態や図7の形態など自由に組み合わせることができる。香炉(1)の材質は問わないが、金属製のものであると本発明と相まって、薄く軽量に作成できるため、好ましい。
【0035】
図8は中空などの空間部(7)と上げ底手段(6)を有した断熱部材(1)の説明断面図である。これによると通空性がよいうえに、線香などを保持する保持部(8)との共有が可能である。空間部(7)はテーパー部によって、様々な線香の太さに対応できるようになっている。本図面で表示されている空間部(7)は縦軸を中心とした回転体であるが、必ずしも回転体でなくてもよい。
【0036】
図9は実際に線香を差し込んで使用した実施形態の一部である。断熱部材(1)と図8で説明した形態の断熱部材(1-1)を組み合わせたものである。
【0037】
図10は保持部(8)の好ましい形態を説明するもので、水平方向を面とした拡大した部分断面図である。線香(4)を保持する保持部(8)が図のように、線香(4)が接する部分が少なくなるようにしている。線香側部に通気性を有するような空間部(8−1)に隣接して、水平方向の断面図からみて線香側部の接点をなるべく少なくするように、保持する形態にすると、線香が燃焼しやすい。
【0038】
断熱部材(1)はセラミックなどでもよいが、珪藻土を主材料とした断熱部材であるものが、好ましい。線香を横にねかせても、不具合なく、燃焼する。
本発明は香炉の底部に用いるのが好ましいが、灰を下にして、本発明の断熱部材を用いてもよく、場合によっては、複数の断熱部材を板状にして、灰をサンドイッチのように挟み込むように用いてもよい。本発明は葬祭用具としての利用であるが、他のアロマとしてのお香の手段として、用いてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 断熱部材
1−1 断熱部材
1−2 断熱部材
2 香炉
2−1 載置部
3 灰
4 線香
5 炭
6 上げ底手段
7 空間部
8 保持部
8−1 空間部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
香を自然に焚く際に用いる上部を香の煙の開放部とした器状の香炉において、香炉に必要な灰を少量化せしめ、熱による弊害を減じることを目的した、香炉に載置する難燃性からなる断熱部材。
【請求項2】
断熱部材がセラミックであることを特徴とした請求項1に記載の断熱部材
【請求項3】
断熱部材が珪藻土を主材料としたことを特徴とした請求項1に記載の断熱部材
【請求項4】
請求項1、2、3に記載の断熱部材を載置したことを特徴とした香炉
【請求項5】
香炉の内面の底部に段差などをもちいた載置位置を決める装着用載置部を設け、請求項1に記載の断熱部材を載置することための手段を特徴とした請求項4に記載の香炉
【請求項6】
香炉が金属製であることを特徴とした請求項4,5に記載の香炉
【請求項7】
断熱部材に空間部を1以上複数付帯したことを特徴とした請求項1,2,3に記載の断熱部材
【請求項8】
断熱部材に線香の保持部を有することを特徴とした請求項1,2,3に記載の断熱部材
【請求項9】
請求項8に記載の保持部の保持形態が水平方向断面からみて、保持部に隣接する通気性を有する空間部を有することを特徴とした請求項8に記載の断熱部材
【請求項10】
請求項1、2、3、6、7、8、9に記載の断熱部材を組み合わせて、用いたことを特徴とした請求項1に記載の断熱部材
【請求項1】
香を自然に焚く際に用いる上部を香の煙の開放部とした器状の香炉において、香炉に必要な灰を少量化せしめ、熱による弊害を減じることを目的した、香炉に載置する難燃性からなる断熱部材。
【請求項2】
断熱部材がセラミックであることを特徴とした請求項1に記載の断熱部材
【請求項3】
断熱部材が珪藻土を主材料としたことを特徴とした請求項1に記載の断熱部材
【請求項4】
請求項1、2、3に記載の断熱部材を載置したことを特徴とした香炉
【請求項5】
香炉の内面の底部に段差などをもちいた載置位置を決める装着用載置部を設け、請求項1に記載の断熱部材を載置することための手段を特徴とした請求項4に記載の香炉
【請求項6】
香炉が金属製であることを特徴とした請求項4,5に記載の香炉
【請求項7】
断熱部材に空間部を1以上複数付帯したことを特徴とした請求項1,2,3に記載の断熱部材
【請求項8】
断熱部材に線香の保持部を有することを特徴とした請求項1,2,3に記載の断熱部材
【請求項9】
請求項8に記載の保持部の保持形態が水平方向断面からみて、保持部に隣接する通気性を有する空間部を有することを特徴とした請求項8に記載の断熱部材
【請求項10】
請求項1、2、3、6、7、8、9に記載の断熱部材を組み合わせて、用いたことを特徴とした請求項1に記載の断熱部材
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−85801(P2012−85801A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−234746(P2010−234746)
【出願日】平成22年10月19日(2010.10.19)
【出願人】(392031790)株式会社小泉製作所 (49)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月19日(2010.10.19)
【出願人】(392031790)株式会社小泉製作所 (49)
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