駆動バルブデューティによる空気圧出力の制御
様々な実施形態では、外科コンソールは、外科コンソールに連結された空気圧工具を駆動すべく空気圧バルブを含むことができる。コンソールは、バルブデューティサイクルに従ってバルブの開/閉サイクル時間を制御し且つ調整するように作動可能なコントローラを更に含むことができる。バルブは、全バルブ時間がバルブの開時間にバルブの閉時間を足した時間にほぼ等しいように、ポート間(第1ポートについてのバルブ開時間及び第2ポートについてのバルブの閉時間)を切り換えることができる。バルブデューティサイクルは、コントローラが、開くようにバルブに信号を送るための、全バルブ時間のうちのパーセンテージを示し、且つ、バルブの開位置及び/又は閉位置の信号のタイミングに対応する調整を含むことができ、この調整は、予め定められた閾値を超えた開作動圧力及び閉作動圧力をもたらすであろう。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本願は、発明の名称が「駆動バルブデューティサイクルの較正による空気圧出力の制御」であり且つその発明者がJiansheng Zhou、Kurt Leukanech、及びDan Teodorescuである、2009年8月31日に出願された米国仮特許出願シリアル番号61/238431の優先権の利益を主張し、この出願は、その全体があたかも本明細書において十分且つ完全に説明されたかのように参照によって本明細書の一部を構成する。
【0002】
本発明は概して較正に関する。限定されるものではないが、本発明は特に空気圧外科システムについての較正に関する。
【背景技術】
【0003】
硝子体網膜手術は、視力を修復し、保ち且つ高めるべく行われる様々な外科手術を含む。硝子体網膜手術は、眼の後部の多くの深刻な疾患を処理するのに適切である。硝子体網膜手術は、加齢黄斑変性症(AMD)、糖尿病性網膜症、糖尿病性硝子体出血、黄斑円孔、網膜剥離、網膜上膜、CMV網膜炎、及び他の多くの眼疾患のような疾患を処理する。
【0004】
硝子体は、眼の中央を満たす通常透明なゲル状の物質である。硝子体は眼の容積の約2/3を占め且つ生前にその形状が与えられる。眼の後部に影響する所定の問題は硝子体茎切除術又は硝子体の外科的除去を必要としうる。
【0005】
硝子体茎切除術は、眼から血及び破片を取り除くように行われて、瘢痕組織を除去し又は網膜における牽引を軽減することができる。血、炎症細胞、破片、及び瘢痕組織は光が眼を通るときに網膜への光を遮り、このことによって視力障害がもたらされる。硝子体はその通常の位置から網膜を引っ張り又は牽引している場合にも除去される。硝子体茎切除術を必要とする最も一般的な眼の疾患のいくつかは、網膜剥離又は網膜出血のような糖尿病性網膜症からの合併症、黄斑円孔、網膜剥離、網膜前膜線維症、眼内出血(硝子体出血)、損傷、感染症、及び眼の既往手術に関する所定の問題を含む。硝子体茎切除術は眼の前部又は後部において実行されうる。前方の硝子体茎切除術は、外傷性白内障の除去又は第二のIOL(眼内レンズ)の設置のような状況において実行される計画された手術であるが、硝子体が後嚢の破裂後に前区(anterior segment)内に不意に脱出しているときの白内障手術に対する未計画な追加処置であることも多い。
【0006】
網膜の外科医は、顕微鏡と、眼の後部の鮮明な画像を提供すべく設計された特殊レンズとで硝子体茎切除術を行う。長さがたった数ミリメートルのいくつかの微小な切開創が強膜上に作られる。網膜の外科医は、眼の内部を照明すべく切開創を通して光ファイバー光源のような顕微外科器具を挿入し、手術中に眼の形状を維持すべく灌流ラインを挿入し、且つ硝子体を切断して除去するための器具を挿入する。
【0007】
硝子体茎切除術では、外科医は三つの別個の器具のために眼内に三つの微小な切開創を作り出す。これら切開創は眼の毛様体扁平部において設置され、眼の毛様体扁平部は虹彩の直後であるが網膜の前方に配置される。これら切開創を通る器具は、ライトパイプ、灌流ポート、及び硝子体茎切除術用切断装置を含む。ライトパイプは、眼内において使用される極微の高輝度フラッシュライトの均等物である。灌流ポートは、眼内の流体を取り替えるのに必要とされ、眼内において適切な圧力を維持する。硝子体切除術装置又は切断装置は、制御された方法において硝子体ゲルを除去すべく極微の振動カッターを用いて微小なギロチンのように働く。このことによって、硝子体の除去の間、網膜における顕著な牽引が妨げられる。
【0008】
硝子体茎切除術並びに眼の前方及び/後方における他の外科手術を実行するのに使用される外科機械は非常に複雑である。典型的には、斯かる眼科外科機械はメインコンソールを含み、非常に多くの異なる工具がメインコンソールに取り付けられる。メインコンソールは、取り付けられた工具に動力を提供し、且つ、取り付けられた工具の作動を制御する。メインコンソールは水晶体超音波乳化吸引術のような他の眼科処置を実行するために使用されてもよい。
【0009】
取り付けられた工具は、典型的には、プローブ、剪刀、鉗子、照明器、硝子体切除装置、及び灌流ラインを含む。これら工具の各々は典型的にはメイン外科コンソールに取り付けられる。メイン外科コンソール内のコンピュータがこれら工具の作動を監視し且つ制御する。また、これら工具はメイン外科コンソールからそれらの動力を得る。これら工具のいくつかは電気的に動力が供給されるが、他の工具は空気圧で動力が供給される。
【0010】
空気圧の動力を様々な工具に供給すべく、メイン外科コンソールは空気圧モジュール又は空気分配モジュールを有する。この空気圧モジュールは、工具に動力を供給すべく加圧空気又は加圧ガスを適当な状態にして供給する。典型的には、空気圧モジュールはシリンダーに接続され、シリンダーは加圧ガスを含む。空気圧モジュールは、取り付けられた工具を適切に作動すべく適切なガス圧力を提供することができる。
【発明の概要】
【0011】
様々な実施形態では、外科コンソールが、外科コンソールに連結された空気圧工具(例えば硝子体茎切除術用プローブ)を駆動すべく加圧ガスを交互に提供するように作動可能な少なくとも二つのポートを備えた空気圧バルブ(例えば四方ソレノイドバルブ)を含むことができる。外科コンソールは、バルブデューティサイクルに従ってバルブの開/閉時間を制御し且つ調整するように作動可能なコントローラを更に含むことができる。バルブは、全バルブ時間がバルブの開時間にバルブの閉時間を足した時間にほぼ等しいように、ポート間(第1ポートについてのバルブの開時間及び第2ポートについてのバルブの閉時間)を切り換えることができる。バルブデューティサイクルは、コントローラが、開くようにバルブに信号を送るための、全バルブ時間のうちのパーセンテージ(例えば50%)を示しうる。
【0012】
バルブの異なる開/閉タイミングが作動圧力の損失を引き起こしうるので、バルブの開位置及び/又は閉位置についての信号タイミングが、予め定められた閾値を超えた開作動圧力及び閉作動圧力をもたらすように、バルブデューティサイクルに対して調整がなされうる。例えば、調整されたバルブデューティサイクルは前のバルブデューティサイクル+(((abs(開圧力)−abs(閉圧力))/2)×(バルブデューティサイクルΔ/差圧変化Δ))にほぼ等しく、ここで、前のバルブデューティサイクルは試験中のバルブデューティサイクルであり、開圧力と閉圧力とはバルブの一つのサイクル中の開時間におけるポートについての差圧と閉時間におけるポートについての差圧とであり、バルブデューティサイクルΔ/差圧変化Δが、(例えばバルブの開圧力における)結果として生じる差圧変化に対するバルブデューティサイクルの変化の比率である。新しいバルブデューティサイクルを計算するために、ポートについての開圧力及び閉圧力は空気圧システムについての最低特性点(例えば、開圧力と閉圧力との間の絶対値の圧力差が、(abs(開圧力)+abs(閉圧力))が測定された圧力データについて最小であるように最も低いとき)において採られうる。バルブデューティサイクルは、一旦決定されると、コントローラによってアクセス可能なメモリ上にその後の使用のために記憶されうる。
【0013】
いくつかの実施形態では、バルブデューティサイクルは一連のディップスイッチの設定を通してシステム内に入力されうる。例えば、外科コンソールは、ディップスイッチが抵抗器ネットワークにおいて一つ以上の抵抗器を組み合わせるように構成可能であるように、互いに連結されたディップスイッチ及び抵抗器を含むことができる。ディップスイッチは、抵抗器ネットワークに入力電圧が印加されると抵抗器ネットワークの出力電圧がバルブデューティサイクルを示すように設定されうる。いくつかの実施形態では、外科コンソールは、出力電圧をデジタル値に変換するように作動可能なアナログ・デジタル変換器を具備することができ、外科コンソール上で実行するソフトウェアが、(例えばデジタル値と、関連するバルブデューティサイクルとを関連付ける参照テーブルの使用を通して)バルブデューティサイクルを決定するのに使用されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、一つの実施形態に係る外科コンソールを示す。
【図2】図2は、一つの実施形態に係る空気圧システムの図表を示す。
【図3】図3は、一つの実施形態に係る空気圧バルブのためのコントローラを示す。
【図4】図4は、空気圧工具の一つの実施形態の図表を示す。
【図5a】図5aは、ディップスイッチ及び抵抗器ネットワークの一つの実施形態を示す。
【図5b】図5bは、ディップスイッチ及び抵抗器ネットワークの一つの実施形態を示す。
【図5c】図5cは、ディップスイッチ及び抵抗器ネットワークの一つの実施形態を示す。
【図5d】図5dは、ディップスイッチ及び抵抗器ネットワークの一つの実施形態を示す。
【図6】図6は、ディップスイッチ及び抵抗器ネットワークの一つの実施形態を示す。
【図7】図7は、一つの実施形態に係る空気圧システムを較正するための方法のフローチャートを示す。
【図8a】図8aは、一つの実施形態に係る空気圧バルブについての圧力データを示す。
【図8b】図8bは、一つの実施形態に係る空気圧バルブについての圧力データを示す。
【図9】図9は、一つの実施形態に係る較正テーブルを示す。
【0015】
本発明のより完全な理解のために、添付の図面と併せて以下の記述が参照される。上記の一般的な記述及び以下の詳細な記述の両方は、模範的なものであり且つ説明のためにのみあり、特許請求の範囲に記載の本発明の更なる説明を提供することを意図していることが理解されるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
発明の名称が「硝子体切除装置のための空気圧システム」であり且つDenis Turner、Robert Palino、Argelio Olivera、及びMark Hopkinsによって2006年12月21日に出願された米国特許出願公開第20080149197号明細書(シリアル番号11/614678)が、その全体があたかも本明細書において十分且つ完全に説明されたかのように参照によって本明細書の一部を構成する。
【0017】
図1は、空気圧で動力が供給される眼科外科機械についての外科コンソール101の一つの実施形態を示す。外科コンソール101は、水晶体超音波乳化吸引術及び硝子体茎切除術のような様々な眼科外科処置の実行において外科医を補助すべく作動することができる。外科コンソール101は、内部監視システム、一つ以上のコントローラ(例えば比例制御機)、及び(水晶体超音波乳化吸引術用工具及び/又は空気圧工具103を含みうる)工具を含むことができる。空気圧工具103は、例えば剪刀、硝子体切除装置、鉗子、及び注入モジュール又は摘出モジュールを含むことができる。他の工具103が使用されてもよい。窒素のような圧縮ガスは、空気圧工具103に動力を提供することができる。圧縮ガスは、一つ以上の比例制御機への一つ以上のマニホールドと、工具103への追加のマニホールド及び/又は管とを通して、ガス圧力監視システムを通過することができる。
【0018】
図2は、一つの実施形態に係る、空気圧で動力が供給される硝子体茎切除術用機械についての空気圧システムの概略図である。図2では、空気圧システムは、ポンプベントバルブ205と、出力バルブ210と、マフラー225、230、251、253と、マニホールド235と、空気圧工具103に動力を供給するためのそれぞれの空気圧チャネルについての出力ポートA及びBとを含むことができる(例えば図4参照)。
【0019】
いくつかの実施形態では、ポンプベントバルブ205は四方バルブである。バルブ205は、少なくとも二つの位置のうちの一方の位置にバルブを動かすように作動するソレノイドを含むことができる。一方の位置では、加圧ガスがポンプベントバルブ205を通過してマフラー230から出ることができる。別の位置では、ポンプベントバルブ205によって、加圧ガスが、工具103に動力を提供すべくポンプベントバルブ205を通過することができるようになる。ポンプベントバルブ205はコントローラ(例えば図3において見られるようなコントローラ300)によって制御されうる。
【0020】
いくつかの実施形態では、出力バルブ210は四方バルブである。バルブ210は、少なくとも二つの位置のうちの一方の位置にバルブを動かすように作動するソレノイドを含むことができる。一方の位置では、バルブ210は出力ポートAに加圧ガスを提供して出力ポートBから加圧ガスを排気することができる(すなわち「閉」位置)。この位置では、加圧ガスは出力ポートAに向かって出力バルブ210を通過して出力ポートAにおいて空気圧の動力を工具103に提供することができる。加圧ガスは出力バルブ210及びマフラー225を通過してマフラーにおいて大気に排出されることもできる。別の位置(すなわち「開」位置)では、出力バルブ210は、加圧ガスが出力ポートBに向かってバルブ265を通過して出力ポートBにおいて空気圧の動力を工具103に提供することを可能とする。加圧ガスはマフラー225に向かって出力バルブ210を通過してマフラー225において大気に排出されることもできる。出力バルブ210はコントローラ300によって制御されてもよい。いくつかの実施形態では、コントローラ300は、閉位置において閉じるようにソレノイドバルブに信号を送り(ソレノイドは、空気を逸らしてポートAを通すべくバルブを動かすように作用しうる)、信号が中断されると(又は開信号が送られると)バネ(又は他の作動機構)がバルブを開位置に戻すことができる(開位置ではバルブは、空気をポートBに逸らすように位置する)。50%のバルブデューティサイクルにおいて、コントローラは、信号が中断され(開位置)又は開信号が適用される時間とほぼ同じ量の時間の間、閉信号を適用しうる。
【0021】
いくつかの実施形態ではマニホールド組立体235はアルミニウムのような金属又はプラスチックから機械加工されうる。他の材料も考えられる。マニホールド組立体235は、気密であり、様々な接続具及び連結具を含み、且つ比較的高いガス圧に耐えるように設計されうる。マニホールド組立体235は個々の部材を収集して製造され又は単一部材として製造されうる。例えば、マニホールド組立体235はアルミニウムの単一部材から機械加工されてもよい。マフラー225、230、251、及び253は、漏洩ガス(escaping gas)によって作られる騒音を抑制することができる。
【0022】
図3は、一つの実施形態に係る、空気圧で動力が供給される硝子体茎切除術用機械についてのコントローラ300並びにバルブ205、210、261、263、及び265の概略図を示す。いくつかの実施形態では、コントローラ300は、バルブをコントローラに連結するインターフェースを介して、バルブ205、210、261、263、及び265に制御信号を送ることができる。インターフェースは、電線、バス、配線(trace)等のような導電体を含むことができる。コントローラ300は、ロジック機能を実行することができる集積回路でありうる。コントローラ300は、電源、入力ピン、及び出力ピンを備えた集積回路パッケージを含むことができる。様々な実施形態では、コントローラ300はバルブ又はターゲット装置のコントローラである。斯かる場合、コントローラ300は、バルブのような特定の装置に対するターゲットとされる特定の制御機能を実行することができる。いくつかの実施形態では、コントローラ300はマイクロプロセッサである。コントローラ300は、バルブ及び機械の他の構成要素を制御すべく機能することができるようにプログラム制御されうる。いくつかの実施形態では、コントローラ300は、種々の機能を実行する種々のバルブを制御するように構成された特定の目的のコントローラである。
【0023】
図4は(硝子体切除装置のような)工具103の一つの実施形態を示し、工具103は、切断装置として作用すべく出力ポートA及びBに取り付けられうる。カッター403がシリンダーによって動かされ、次いでシリンダーは加圧ガスによって動かされる。シリンダーは、加圧ガスが出力ポートA及びBに交互に向けられると上下動することができる。斯かる硝子体茎切除術用装置は、様々な切断率(例えば1分間当たり1000切断、1分間当たり2500切断、1分間当たり5000切断等)において作動するように設計されうる。他の切断率も考えられる。ポートA及びポートBは、工具103を駆動するために別個の空気圧チャネル(及び二つのチャネル間の差圧)を提供することができる。交流の圧力パルスが、二つのチャネル間の圧力出力を循環させる四方ソレノイドバルブ(例えば硝子体茎切除術用カッター制御バルブ210)によって発生せしめられることができる。図4において見られるように、圧力差は、結合されたプローブカッター403を工具103上で動かすべく工具103(例えばプローブ)の内側にダイアフラム401を相互に(reciprocally)動かすことができる。(例えばバルブの開位置又は閉位置においてより高い圧力差をもたらす)二つの空気圧チャネルにおける圧力バイアスが工具103の機能及び/又は特性に影響しうる。様々な要因(例えばバルブ毎の変動及び二つのチャネルにおける流れ制限/流れ抵抗のコンソール毎の変動)のせいで圧力差は種々のコンソール101における種々のバルブ210間で異なることがあり、このことは、不変の作動圧力差を提供する困難性をもたらす。二つの空気圧チャネルの出力の圧力差を制御すべく、ソフトウェアが、ソレノイドバルブ210の(バルブデューティサイクルとしても知られている)開/閉タイミングを制御するのに使用されうる。バルブデューティサイクルは、バルブの開/閉位置の両方における差圧のバランスをとるべく較正を通して調整されることができる。バルブデューティサイクルを調整することによって、より滑らかな工具の作動のためにバルブサイクルを通じてより不変の圧力差を実現すべく、バルブの開/閉サイクルにおける各空気圧チャネルに加圧ガスを供給するための時間が長くされ又は短くされうる。
【0024】
例えば1分間当たり2500切断のプローブ率において、バルブ210は1サイクル当たり約24msの率においてポートA及びポートBに交互に加圧空気を提供することができる。1分間当たり2500切断の切断率を得るべく、二つの空気圧チャネルは24ms(2500切断/分又は1分/2500切断×60秒/1分=0.024秒/切断=24ms/切断)毎にオン/オフを循環させることができ、このことによって各チャネルは12ms開かれうる。いくつかの実施形態では、チャネルを実際に開閉するための移行時間がサイクル時間の一部を使用しうる。例えば、空気圧チャネル1(すなわち制御バルブ210のポートAを介する)は、24msのサイクルにつき6msの全移行時間について、開く(一方、空気圧チャネル2は閉じている)のに4msかかり且つ閉じる(一方、空気圧チャネル2は開いている)のに2msかかる。他の移行時間も考えられる。移行時間のせいで、実際にバルブは、チャネル2に対して閉じられている間にチャネル1に対して8ms(12ms−4ms)開かれることができ、且つチャネル2に対して開いている間にチャネル1に対して10ms(12ms−2ms)閉じられることができる。チャネル1及びチャネル2に加圧空気を提供する際の8ms対10msのバルブのこのタイミング差は二つのチャネルにおいてアンバランスな圧力差をもたらしうる。いくつかの実施形態では、二つのチャネルの開時間の持続時間がほぼ同じである(例えば2500切断/分の場合、約(24ms−6ms)/2=9ms実際に開かれる)ことが望ましい。移行タイミングが全てのバルブ210について一定である場合、その後ソフトウェア制御は、両チャネルについてほぼ等しい実際の開時間の持続時間を実現すべくバルブデューティサイクルを調整することができる。この例では、ソフトウェアは公称開時間(nominal open time)をチャネル1について13msに調整し且つチャネル2について11msに調整することができる。このため、この例について、移行時間を除くと、チャネル1の実際の開時間は13ms−4ms=9msであり、チャネル2の実際の開時間は(チャネル1と同様に)11ms−2ms=9msである。しかしながら、移行時間が様々なバルブ210の間で(例えばバルブ210における製造ばらつきのせいで)変化しうるので、固定されたタイミングオフセットは不均衡をうまく無効にすることができない。例えば、別のバルブは、チャネル1を開く(一方、空気圧チャネル2は閉じている)のに(4msの代わりに)3msかかり、且つチャネル1を閉じる(一方、空気圧チャネル2は開いている)のに2msかかる。同じソフトウェア制御のバルブデューティサイクル(例えばチャネル1について13msの公称開時間およびチャネル2について11msの公称開時間)を適用すると、空気圧チャネル1についての実際の開時間は13ms−3ms=10msであり、チャネル2についての実際の開時間は11ms−2ms=9msである。このため、この例では、空気圧チャネル1は実際に空気圧チャネル2よりも1ms又は11%長く開いたままである。この差は二つの空気圧チャネル間に不均衡な出力バランスをもたらすことがあり、このことは、より低い有効切断率/有効出力をもたらすことがある。同様に、固定されたタイミングオフセットは、二つのチャネルにおける流れ制限/流れ抵抗のコンソール毎の変動によって引き起こされる不均衡をうまく無効にすることができない。
【0025】
いくつかの実施形態では、バルブデューティサイクルは(例えば様々なバルブの種々の移行時間及び様々なコンソールの流れ制限/流れ抵抗の変動を補償すべく)個々のバルブ及び/又はコンソールベースについて調整されうる。調整されたバルブデューティサイクルを空気圧チャネルについてのサイクル時間に適用することによって、空気圧チャネルは、全サイクル時間の間、ほぼ等しい実際の開時間を有するように作動されうる。上記されたように、50%のバルブデューティサイクルは、信号が適用されない(開位置に対応する)時間とほぼ同じ量の時間の間、バルブを閉じるように信号を適用することに対応する。1%の調整は51%のバルブデューティサイクルをもたらすことができ、51%のバルブデューティサイクルは、全サイクル時間の約51%の間バルブを閉じるように信号を適用する(且つ全時間の49%の間バルブを開くように、信号が適用されない(又は開信号が適用される))ことに対応する。このため、より長い51%のバルブデューティサイクルは、例えば、開くことよりも閉じるのにより長い時間がかかるバルブ、及び/又はバルブの閉位置に接続するチャネルにおいてより高い流れ制限/流れ抵抗を有するコンソールを補償することができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、バルブ210についてのバルブデューティサイクル値はコンソール101又は工具103上のメモリ303において記憶されうる。メモリ303は、ディップスイッチ(デュアル・インライン・パッケージスイッチ)、可変抵抗、デジタルポテンショメータ、又はEEPROM(電気的に消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ)を含むことができる。いくつかの実施形態では、バルブデューティサイクルは試行錯誤を通して決定され且つ(例えば製造において)メモリ303内にプログラムされ若しくは書き込まれ又は(例えばコンソール101のグラフィカル・ユーザー・インターフェース107内に入力される値のような)例えばコンソール101と使用者とのインタラクションを通して受信されうる。その後、バルブデューティサイクルは、バルブ210の開/閉時間を制御すべく外科コンソール101(例えば外科コンソール101内のコントローラ300)によって使用される。
【0027】
図5a〜図6において見られるように、一つ以上のディップスイッチS1、S2、S3等が抵抗器のネットワークに接続されうる(抵抗器のネットワークの各々は、別の抵抗器を有することができる)。図5a及び図5cは5個のディップスイッチを備えた実施形態を示し、図5b及び図6は6個のディップスイッチを備えた実施形態を示す。図5dはn個のディップスイッチを備えた実施形態を示す。各ディップスイッチは、その対応する抵抗器を電流が通ることを可能とし又はその対応する抵抗器から電流を遮るべく1又は0(スイッチオン又はスイッチオフ)でプログラムされうる。抵抗器のネットワーク及びディップスイッチは、ディップスイッチの設定に基づく全ての抵抗を有することができる。例えば、(各々対応する抵抗器を備えた)6個のディップスイッチを用いて、抵抗器のネットワークは、26=64の可能な抵抗から選択された抵抗を有するように構成されうる。したがって、ディップスイッチの設定の組合せによって抵抗器ネットワークの種々の抵抗値を生成することができる。例えば、抵抗の倍数(resistance multiple)(例えばキロオーム)の例が図5a〜図6において各抵抗器の上に位置する(他の抵抗も可能である)。図5aにおいて見られるように、ネットワーク抵抗の例は、5つのディップスイッチの設定に基づいて1、2、3、4、5、6、7、8、9,10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20である(示される形態では、32個のディップスイッチの組合せが、12個の重複に加えて1の増分の20個のネットワーク抵抗値を生成することができる)。他の形態(例えば別の抵抗値、別のディップスイッチ配置等)も可能である。図5bにおいて示された実施形態では、64個のディップスイッチの組合せが、24個の重複に加えて0.5の増分の40個のネットワーク抵抗値を生成することができる(例えば1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、20、及び20.5のネットワーク抵抗値)。図5cにおいて見られるように、5個のディップスイッチの抵抗器ネットワークが、重複がない1の増分の32個のネットワーク抵抗値を生成すべく32個のディップスイッチの組合せを含むことができる(例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31及び32の抵抗値)。図5dにおいて見られるように、n個のディップスイッチの抵抗器ネットワークが、重複がないRの増分の2n個のネットワーク抵抗値を生成すべく2n個のディップスイッチの組合せを含むことができる(例えば抵抗値はR、2R、3R、4R、5R、・・・、2nRである)。公知の電圧(例えば5ボルト)が抵抗器ネットワークに(例えば電圧源501によって)印加されることができ、結果として生じる電圧がアナログ/デジタル変換器509によってデジタルカウント511に変換されうる。外科コンソール上で実行するソフトウェアは、対応するバルブデューティサイクルを決定するのにデジタルカウント511を使用することができる。例えば、対応するバルブデューティサイクルの値を決定すべくテーブル参照がデジタルカウント上において実行されうる。いくつかの実施形態では、較正テーブル901(例えば図9参照)がデジタルカウント及び対応するバルブデューティサイクル値を備えてコンソールにおいて記憶されうる。
【0028】
上記されたように、(例えば一組のディップスイッチ503における)ディップスイッチは、抵抗器のネットワーク505において選択された抵抗を組み合わせるべく様々なオン/オフ(1/0)位置においてプログラムされうる。抵抗器のネットワークは、ネットワークに印加された第1電圧の結果として第2電圧を出力すべく電圧分割器として作用することができる。ADC509は第2電圧をデジタルカウント511に変換することができる。例えば、電圧2は、(2.183ボルトの電圧に対応する)447のデジタルカウントをもたらす。外科コンソール上で実行するソフトウェアは、対応するバルブデューティサイクル(この場合49.5%)を決定すべく447のデジタルカウントを使用することができる。例えば、図9において見られるように、参照テーブルが、デジタルカウントに対応するバルブデューティサイクルを決定すべくアクセスされうる。いくつかの実施形態では、バルブデューティサイクルは決定されて書き込み可能なメモリ(例えばEEPROM)において記憶されうる。その後の外科コンソールの使用の間、ディップスイッチの使用を通してバルブデューティサイクルを決定する代わりにEEPROMが読み込まれうる。その後の使用についてEEPROMを使用することはバルブデューティサイクルのより迅速な決定を可能とする。EEPROMを使用することは、ディップスイッチが、うっかり切り換えられ、ぶつけられ、又は権限のない人員によって設定されることに関連する偽値を防ぐこともできる。いくつかの実施形態では、外科コンソールが、新しい値が決定されているという指示を受信すると、新しい値のデューティサイクルがEEPROM内に読み込まれうる(例えば、使用者は、使用者認証すべくユーザー・インターフェースにおいてパスワードを入力して新しいバルブデューティサイクルを受信するためにコンソールを設定し、又はスイッチを設定し若しくは(例えばディップスイッチから決定されるような)新しい値のデューティサイクルを検出してEEPROM内に記憶するように外科コンソールに指示するディップスイッチの近くのボタンを押すことができる)。
【0029】
図7は、バルブ210を較正するためにバルブデューティサイクルを決定するための方法を示す。フローチャートにおいて提供される要素は単に説明のために存在する。提供される様々な要素を省略することができ、追加要素を追加することができ、且つ/又は以下に提供される順序とは異なる順序において様々な要素を実行することができる。
【0030】
701において、較正されるべきバルブ210の空気圧ポートが、バルブ210の作動中の各ポートの圧力(又はポート間の差圧)を測定するために一つ以上の圧力センサに連結されうる。例えば、別個の圧力センサが各ポート(A及びB)に連結されることができ又は差圧センサがポートA及びポートBの両方に連結されてもよい。各ポートにおいて別個の圧力センサを使用する場合、差圧は、各ポートからの圧力データを使用して計算されうる。図1において見られるように、工具103は、ポート105を介してポートA及び/又はポートBに連結している一つ以上の圧力センサを備えた圧力トランスデューサボックスであってもよい。いくつかの実施形態では、バルブ210は、外科コンソールに連結された状態で試験されうる(例えば圧力センサは外科コンソール101の出力空気圧ポート105に連結されうる)。いくつかの実施形態では、1分間当たりの切断の設定(例えば1分間当たり2500切断)はバルブについて設定されうる。
【0031】
703において、空気圧システムのバルブデューティサイクルがデフォルト値に設定されうる(例えば較正用ディップスイッチが50%のバルブデューティサイクルに設定され、このことによってバルブの開/閉タイミングにオフセットが適用されない)。ディップスイッチの設定は、較正テーブル901を使用して設定されることができ、較正テーブル901はバルブデューティサイクルに対するディップスイッチの設定に関する。
【0032】
705において、(バルブ210を含む)空気圧システムは、与えられた量の時間(例えば10秒)の間、作動されうる。空気圧システムの作動の間、運転についての圧力データが圧力センサを通して検出されうる。いくつかの実施形態では、フットスイッチペダルが、空気圧システムを始動すべく押し下げられてもよい。いくつかの実施形態では、空気圧システムは、特に空気圧システム及び/又はコンソールが新しい場合、長時間(例えば1〜2時間)の間作動されうる。較正前の長期の作動によって、システム及び/又はコンソールが、製造、摩擦点、及び他の構成要素の相互作用点(interaction point)によるバルブの初期変動を解決できるようになる(例えば、新しい部品が長期間他の部品と相互作用するので、新しい部品における初期摩擦がすり減らされうる)。いくつかの実施形態では、空気圧システムが、初期運転後に中断されて、その後、圧力データを採る前に別の設定量の時間(例えば5〜10秒)の間再び作動されてもよい。いくつかの実施形態では、待ち時間(例えば5〜10秒)が空気圧システムの運転の間に適用されてもよい。
【0033】
707において、バルブの開位置と閉位置との間の圧力差及び圧力範囲が決定されうる。図8aは、空気圧システムについて、時間に対する可能な圧力差のプロットを示す。図8aにおいて示されるように、サイクルインターバル時間(cycle interval time)(T)において圧力差は開位置において+68950Pa((+10psi(ポンド毎平方インチ))であり且つ閉位置において−89640Pa(−13psi)でありうる(このことは約158600Pa(23psi)の圧力範囲801をもたらす)。最低特性点は、開圧力と閉圧力との間の差圧の差が最小であるとき(すなわち(abs(開圧力)+abs(閉圧力))が圧力データについて最小であるとき)のサイクルインターバル時間でありうる。図8aにおいて示される場合、サイクルインターバル時間(T)において開位置についての圧力及び閉位置についての圧力の顕著な下落がある。
【0034】
709において、圧力バイアスを補償するためのバルブデューティサイクルが決定されうる。図8aにおいて示される圧力データでは、サイクルインターバル時間(T)において、圧力バイアスは(+68950Pa(+10psi)の数値よりも上の−89640Pa(−13psi)の数値に関連付けられる)約20690Pa(3psi)であるように見える。(例えばサイクルインターバル時間(T)において約+79300Pa(+11.5psi)の開圧力値及び−79300Pa(−11.5psi)の閉圧力値を得ることを目的として)圧力差をほぼ中心にすることをもたらしうるバルブデューティサイクルが決定されうる。空気圧システムの最低特性点において圧力差を中心にすべくバルブデューティサイクルを決定することは、空気圧システムが、その最低特性点において開位置及び閉位置の両方において作動するのに十分な圧力を有することを保証することができる(バルブデューティサイクルは空気圧システムの他の作動点における改善された特性ももたらすことができる)。本明細書のいくつかの例では最低特性点付近においてバルブデューティサイクルが決定されるが、バルブデューティサイクルは、圧力データにおける他の点を使用して決定されてもよい。バルブデューティサイクルの決定は以下のように計算されうる。
【0035】
新しいバルブデューティサイクル=前のバルブデューティサイクル+(((abs(開圧力)−abs(閉圧力))/2)×(バルブデューティサイクルΔ/差圧変化Δ))
【0036】
ここで、開圧力及び閉圧力は空気圧システムについて最低特性の時間(例えば今回の例における時間T)において採られ、ここで、abs()は絶対値を表す。いくつかの実施形態では、圧力差の調整率に対するバルブデューティサイクルは数学的に又は試行錯誤を通して決定されうる。例えば、比率は5930Pa(0.86psi)(差圧変化Δ)に対して1%(バルブデューティサイクルΔ)である。
【0037】
今回の例では:
新しいバルブデューティサイクル=50%+(((89640Pa(13psi)−68950Pa(10psi))/2×(1%/5930Pa(0.86psi)))
新しいバルブデューティサイクル=50%+(10340Pa(1.5psi)×(1%/5930Pa(0.86psi)))
新しいバルブデューティサイクル=50%+1.744%=51.744%
【0038】
このため、閉じた側における圧力(ここでは+68950Pa(+10psi))は、51.744%(68950Pa(10psi)+1.744%×(5930Pa(0.86psi)/1%)=79300Pa(11.5psi))の新しいバルブデューティサイクルを用いて79300Pa(11.5psi)に増加せしめられ、開いた側は−79300Pa(−11.5psi)(−89640Pa(−13psi)+1.744%×(5930Pa(0.86psi)/1%)=−79300Pa(−11.5psi))にシフトされうる。いくつかの実施形態では、バルブデューティサイクルは最も近い増分に丸められる(例えば、最も近い増分の0.5%に丸める場合、51.5%に丸められる)。
【0039】
711において、空気圧システムが新しいバルブデューティサイクルを用いてプログラムされうる。例えば、(オン/オフ又は1/0の選択肢を備えた物理的にアクセス可能なスイッチであってもよい)ディップスイッチはオン/オフシーケンス(on/off sequence)において設定されることができ、オン/オフシーケンスは、決定されたバルブデューティサイクルに対応する電圧を生成するであろう。いくつかの実施形態では、新しいバルブデューティサイクルは外科コンソールによって算出され且つ/又は外科コンソールのグラフィカル・ユーザー・インターフェース内に入力されうる。
【0040】
713において、空気圧システムが再び(例えば5〜10秒間)作動されうる。空気圧システムの作動の間、運転についての圧力データが圧力センサを通して検出されうる。いくつかの実施形態では、空気圧システムは、最初の運転後に中断されて、その後、圧力データを採る前に別の設定量の時間(例えば5〜10秒)の間再び運転する。いくつかの実施形態では、待ち時間(例えば5〜10秒)が空気圧システムの運転の間に適用されうる。
【0041】
715において、バルブの開位置と閉位置との間の圧力差及び圧力範囲が再び決定されうる。図8bは、新しいバルブデューティサイクルを適用した後の圧力データの可能なプロットを示す。図8bにおいて見られるように、圧力差は、閉位置における圧力差が閉位置についての最低特性点において約79300Pa(11.5psi)であり且つ開位置における最低特性点について約−79300Pa(−11.5psi)であるように、ほぼ0Pa(0psi)付近に中心が合わせられうる。
【0042】
717において、圧力差、圧力範囲、及び/又は圧力バイアスが許容可能な制限値と比較されうる。いくつかの実施形態では、圧力差(例えば、修正された場合、圧力差は、図8bにおいて見られるように約+79300Pa(+11.5psi)及び約−79300Pa(−11.5psi)である)は、作動について予め定められた閾値と比較されうる(例えば圧力差の絶対値が約68950Pa(10psi)の閾値と比較される)。図8bにおいて示される修正された場合、差圧(比較目的のための絶対値)は68950Pa(10psi)の閾値よりも大きい。いくつかの実施形態では、圧力バイアス(二つのチャネル間の圧力差)が、決定されて、予め定められた許容可能な制限値と比較されてもよい。例えば、圧力バイアスはabs(閉圧力)−abs(開圧力)に等しい。較正後、6895Pa(1psi)の予め定められた許容可能な圧力バイアスの制限値が使用されてもよい(他の圧力バイアスが、空気圧システムの較正に応じて使用されてもよい)。別の例として、全圧力範囲(abs(開圧力)+abs(閉圧力))が、予め定められた許容可能な制限値(例えば最小148900Pa(21.6psi)の範囲)と比較される。いくつかの実施形態では、空気圧システムについての最低特性の点における全圧力範囲が、空気圧システムが漏れ又は制限を有するかどうか判定すべく許容可能な全圧力範囲と比較されてもよい。例えば、全圧力範囲が148900Pa(21.6psi)よりも小さい場合、システムにおいて漏れ又は制限がある場合がある。他の全圧力範囲が使用されてもよい(別の空気圧システムの形態が別の圧力及び圧力範囲において作動しうる)。最低特性点における全圧力範囲が最小の許容可能な制限値を満たさない場合、バルブが取り替えられ且つ/又は空気圧システムが検査されうる。また、圧力波の形態のエッジが、滑らかでないが波形であり、若しくはシフトを有し、又は最低特性点後の両側において大きくならない場合、バルブは、取り替えられる必要がある場合がある。
【0043】
719において、全圧力範囲又は圧力バイアスが許容可能な範囲から逸脱している場合、新しいバルブデューティサイクルが使用されうる。いくつかの実施形態では、新しいバルブデューティサイクルが再計算されうる。
【0044】
例えば:
新しいバルブデューティサイクル=前のバルブデューティサイクル+(((abs(開圧力)−abs(閉圧力))/2)×(バルブデューティサイクルΔ/圧力変化Δ))
【0045】
ここでは、開圧力及び閉圧力は空気圧システムについての最低特性の時間における差圧でありうる。いくつかの実施形態では、方程式を使用する代わりに、前のバルブデューティサイクルよりも上又は下の増分1のバルブデューティサイクルが試されてもよい。(開位置の方に向かって圧力バイアスを減少させるべく)前の閉圧力が増加せしめられる必要がある場合、バルブデューティサイクルは次の増分(例えば51%から51.5%)に増加せしめられ又は逆も同様である。いくつかの実施形態では、新しいバルブデューティサイクルは外科コンソールによって決定され且つ/又は外科コンソールのグラフィカル・ユーザー・インターフェース内に入力されうる。いくつかの実施形態では、ディップスイッチは、決定された新しいバルブデューティサイクルに対応するように設定されうる。その後、新しいバルブデューティサイクルは(例えば要素713〜719を実行することによって)試験されうる。
【0046】
721において、バルブが時間の設定数(例えば二回)よりも多く試験され且つ全圧力範囲又は圧力バイアスがそれでもなお許容可能な範囲から逸脱している場合、別のバルブ/モジュールが設置されうる。いくつかの実施形態では、新しいバルブデューティサイクルを決定する追加の回(round)が実行されてもよい(又はディップスイッチは前の値よりも上又は下の別のバルブデューティサイクルに対応するように動かされてもよい)。
【0047】
723において、717からの全圧力範囲及び圧力バイアスが許容可能な範囲内にある場合、較正プロセスが完了されうる。外科コンソールは、決定されたバルブデューティサイクルを使用することができる。いくつかの実施形態では、ディップスイッチ及び抵抗器ネットワークが作動中に(特有の電圧を通して)所望のバルブデューティサイクルをシステムコンソールに中継することができる。例えば、抵抗器ネットワークからの電圧がアナログ/デジタル変換器509を通してデジタルカウントに変換される。デジタルカウントは、外科コンソール上で実行するソフトウェアによって処理されることができ、対応するバルブデューティサイクルが、決定されて、バルブ特性を修正するのに使用されうる。いくつかの実施形態では、較正プロセスは、決定されたバルブデューティサイクルを有する較正結果の再現性を保証すべく複数回実行されてもよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、硝子体茎切除術用システムは一つ以上のプロセッサ(例えばコントローラ300)を含んでもよい。コントローラ300は単一の処理装置又は複数の処理装置を含むことができる。斯かる処理装置は、マイクロプロセッサ、(マイクロコントローラでありうる)コントローラ、デジタル・シグナル・プロセッサ、マイクロコンピュータ、中央演算処理ユニット、フィールド・プログラマブル・ケート・アレイ、プログラマブル・ロジック・デバイス、ステートマシン、論理回路、制御回路、アナログ回路、デジタル回路、及び/又は操作指令に基づいて(アナログ及び/又はデジタル)信号を操作する任意の装置である。プロセッサに連結され且つ/又は組み込まれたメモリは単一のメモリ装置又は複数のメモリ装置である。斯かるメモリ装置は、ROM、RAM、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、スタティックメモリ、ダイナミックメモリ、フラッシュメモリ、キャッシュメモリ、及び/又はデジタル情報を記憶する任意の装置である。プロセッサが、ステートマシン、アナログ回路、デジタル回路、及び/又はロジック回路を介してその一つ以上の機能を実施するとき、対応する操作指令を記憶するメモリが、ステートマシン、アナログ回路、デジタル回路、及び/又はロジック回路を含む回路内に又は回路の外部に組み込まれうることに留意されたい。例えば図7に関連して示され且つ記述された要素の少なくともいくつかに対応する操作指令を、メモリが記憶してプロセッサが実行することができる。
【0049】
与えられた実施形態に対して様々な修正が当業者によってなされうる。本明細書及び例が単なる模範例としてみなされ、本発明の真の範囲及び思想が以下の特許請求の範囲及びその均等物によって示されることが意図されている。
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本願は、発明の名称が「駆動バルブデューティサイクルの較正による空気圧出力の制御」であり且つその発明者がJiansheng Zhou、Kurt Leukanech、及びDan Teodorescuである、2009年8月31日に出願された米国仮特許出願シリアル番号61/238431の優先権の利益を主張し、この出願は、その全体があたかも本明細書において十分且つ完全に説明されたかのように参照によって本明細書の一部を構成する。
【0002】
本発明は概して較正に関する。限定されるものではないが、本発明は特に空気圧外科システムについての較正に関する。
【背景技術】
【0003】
硝子体網膜手術は、視力を修復し、保ち且つ高めるべく行われる様々な外科手術を含む。硝子体網膜手術は、眼の後部の多くの深刻な疾患を処理するのに適切である。硝子体網膜手術は、加齢黄斑変性症(AMD)、糖尿病性網膜症、糖尿病性硝子体出血、黄斑円孔、網膜剥離、網膜上膜、CMV網膜炎、及び他の多くの眼疾患のような疾患を処理する。
【0004】
硝子体は、眼の中央を満たす通常透明なゲル状の物質である。硝子体は眼の容積の約2/3を占め且つ生前にその形状が与えられる。眼の後部に影響する所定の問題は硝子体茎切除術又は硝子体の外科的除去を必要としうる。
【0005】
硝子体茎切除術は、眼から血及び破片を取り除くように行われて、瘢痕組織を除去し又は網膜における牽引を軽減することができる。血、炎症細胞、破片、及び瘢痕組織は光が眼を通るときに網膜への光を遮り、このことによって視力障害がもたらされる。硝子体はその通常の位置から網膜を引っ張り又は牽引している場合にも除去される。硝子体茎切除術を必要とする最も一般的な眼の疾患のいくつかは、網膜剥離又は網膜出血のような糖尿病性網膜症からの合併症、黄斑円孔、網膜剥離、網膜前膜線維症、眼内出血(硝子体出血)、損傷、感染症、及び眼の既往手術に関する所定の問題を含む。硝子体茎切除術は眼の前部又は後部において実行されうる。前方の硝子体茎切除術は、外傷性白内障の除去又は第二のIOL(眼内レンズ)の設置のような状況において実行される計画された手術であるが、硝子体が後嚢の破裂後に前区(anterior segment)内に不意に脱出しているときの白内障手術に対する未計画な追加処置であることも多い。
【0006】
網膜の外科医は、顕微鏡と、眼の後部の鮮明な画像を提供すべく設計された特殊レンズとで硝子体茎切除術を行う。長さがたった数ミリメートルのいくつかの微小な切開創が強膜上に作られる。網膜の外科医は、眼の内部を照明すべく切開創を通して光ファイバー光源のような顕微外科器具を挿入し、手術中に眼の形状を維持すべく灌流ラインを挿入し、且つ硝子体を切断して除去するための器具を挿入する。
【0007】
硝子体茎切除術では、外科医は三つの別個の器具のために眼内に三つの微小な切開創を作り出す。これら切開創は眼の毛様体扁平部において設置され、眼の毛様体扁平部は虹彩の直後であるが網膜の前方に配置される。これら切開創を通る器具は、ライトパイプ、灌流ポート、及び硝子体茎切除術用切断装置を含む。ライトパイプは、眼内において使用される極微の高輝度フラッシュライトの均等物である。灌流ポートは、眼内の流体を取り替えるのに必要とされ、眼内において適切な圧力を維持する。硝子体切除術装置又は切断装置は、制御された方法において硝子体ゲルを除去すべく極微の振動カッターを用いて微小なギロチンのように働く。このことによって、硝子体の除去の間、網膜における顕著な牽引が妨げられる。
【0008】
硝子体茎切除術並びに眼の前方及び/後方における他の外科手術を実行するのに使用される外科機械は非常に複雑である。典型的には、斯かる眼科外科機械はメインコンソールを含み、非常に多くの異なる工具がメインコンソールに取り付けられる。メインコンソールは、取り付けられた工具に動力を提供し、且つ、取り付けられた工具の作動を制御する。メインコンソールは水晶体超音波乳化吸引術のような他の眼科処置を実行するために使用されてもよい。
【0009】
取り付けられた工具は、典型的には、プローブ、剪刀、鉗子、照明器、硝子体切除装置、及び灌流ラインを含む。これら工具の各々は典型的にはメイン外科コンソールに取り付けられる。メイン外科コンソール内のコンピュータがこれら工具の作動を監視し且つ制御する。また、これら工具はメイン外科コンソールからそれらの動力を得る。これら工具のいくつかは電気的に動力が供給されるが、他の工具は空気圧で動力が供給される。
【0010】
空気圧の動力を様々な工具に供給すべく、メイン外科コンソールは空気圧モジュール又は空気分配モジュールを有する。この空気圧モジュールは、工具に動力を供給すべく加圧空気又は加圧ガスを適当な状態にして供給する。典型的には、空気圧モジュールはシリンダーに接続され、シリンダーは加圧ガスを含む。空気圧モジュールは、取り付けられた工具を適切に作動すべく適切なガス圧力を提供することができる。
【発明の概要】
【0011】
様々な実施形態では、外科コンソールが、外科コンソールに連結された空気圧工具(例えば硝子体茎切除術用プローブ)を駆動すべく加圧ガスを交互に提供するように作動可能な少なくとも二つのポートを備えた空気圧バルブ(例えば四方ソレノイドバルブ)を含むことができる。外科コンソールは、バルブデューティサイクルに従ってバルブの開/閉時間を制御し且つ調整するように作動可能なコントローラを更に含むことができる。バルブは、全バルブ時間がバルブの開時間にバルブの閉時間を足した時間にほぼ等しいように、ポート間(第1ポートについてのバルブの開時間及び第2ポートについてのバルブの閉時間)を切り換えることができる。バルブデューティサイクルは、コントローラが、開くようにバルブに信号を送るための、全バルブ時間のうちのパーセンテージ(例えば50%)を示しうる。
【0012】
バルブの異なる開/閉タイミングが作動圧力の損失を引き起こしうるので、バルブの開位置及び/又は閉位置についての信号タイミングが、予め定められた閾値を超えた開作動圧力及び閉作動圧力をもたらすように、バルブデューティサイクルに対して調整がなされうる。例えば、調整されたバルブデューティサイクルは前のバルブデューティサイクル+(((abs(開圧力)−abs(閉圧力))/2)×(バルブデューティサイクルΔ/差圧変化Δ))にほぼ等しく、ここで、前のバルブデューティサイクルは試験中のバルブデューティサイクルであり、開圧力と閉圧力とはバルブの一つのサイクル中の開時間におけるポートについての差圧と閉時間におけるポートについての差圧とであり、バルブデューティサイクルΔ/差圧変化Δが、(例えばバルブの開圧力における)結果として生じる差圧変化に対するバルブデューティサイクルの変化の比率である。新しいバルブデューティサイクルを計算するために、ポートについての開圧力及び閉圧力は空気圧システムについての最低特性点(例えば、開圧力と閉圧力との間の絶対値の圧力差が、(abs(開圧力)+abs(閉圧力))が測定された圧力データについて最小であるように最も低いとき)において採られうる。バルブデューティサイクルは、一旦決定されると、コントローラによってアクセス可能なメモリ上にその後の使用のために記憶されうる。
【0013】
いくつかの実施形態では、バルブデューティサイクルは一連のディップスイッチの設定を通してシステム内に入力されうる。例えば、外科コンソールは、ディップスイッチが抵抗器ネットワークにおいて一つ以上の抵抗器を組み合わせるように構成可能であるように、互いに連結されたディップスイッチ及び抵抗器を含むことができる。ディップスイッチは、抵抗器ネットワークに入力電圧が印加されると抵抗器ネットワークの出力電圧がバルブデューティサイクルを示すように設定されうる。いくつかの実施形態では、外科コンソールは、出力電圧をデジタル値に変換するように作動可能なアナログ・デジタル変換器を具備することができ、外科コンソール上で実行するソフトウェアが、(例えばデジタル値と、関連するバルブデューティサイクルとを関連付ける参照テーブルの使用を通して)バルブデューティサイクルを決定するのに使用されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、一つの実施形態に係る外科コンソールを示す。
【図2】図2は、一つの実施形態に係る空気圧システムの図表を示す。
【図3】図3は、一つの実施形態に係る空気圧バルブのためのコントローラを示す。
【図4】図4は、空気圧工具の一つの実施形態の図表を示す。
【図5a】図5aは、ディップスイッチ及び抵抗器ネットワークの一つの実施形態を示す。
【図5b】図5bは、ディップスイッチ及び抵抗器ネットワークの一つの実施形態を示す。
【図5c】図5cは、ディップスイッチ及び抵抗器ネットワークの一つの実施形態を示す。
【図5d】図5dは、ディップスイッチ及び抵抗器ネットワークの一つの実施形態を示す。
【図6】図6は、ディップスイッチ及び抵抗器ネットワークの一つの実施形態を示す。
【図7】図7は、一つの実施形態に係る空気圧システムを較正するための方法のフローチャートを示す。
【図8a】図8aは、一つの実施形態に係る空気圧バルブについての圧力データを示す。
【図8b】図8bは、一つの実施形態に係る空気圧バルブについての圧力データを示す。
【図9】図9は、一つの実施形態に係る較正テーブルを示す。
【0015】
本発明のより完全な理解のために、添付の図面と併せて以下の記述が参照される。上記の一般的な記述及び以下の詳細な記述の両方は、模範的なものであり且つ説明のためにのみあり、特許請求の範囲に記載の本発明の更なる説明を提供することを意図していることが理解されるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
発明の名称が「硝子体切除装置のための空気圧システム」であり且つDenis Turner、Robert Palino、Argelio Olivera、及びMark Hopkinsによって2006年12月21日に出願された米国特許出願公開第20080149197号明細書(シリアル番号11/614678)が、その全体があたかも本明細書において十分且つ完全に説明されたかのように参照によって本明細書の一部を構成する。
【0017】
図1は、空気圧で動力が供給される眼科外科機械についての外科コンソール101の一つの実施形態を示す。外科コンソール101は、水晶体超音波乳化吸引術及び硝子体茎切除術のような様々な眼科外科処置の実行において外科医を補助すべく作動することができる。外科コンソール101は、内部監視システム、一つ以上のコントローラ(例えば比例制御機)、及び(水晶体超音波乳化吸引術用工具及び/又は空気圧工具103を含みうる)工具を含むことができる。空気圧工具103は、例えば剪刀、硝子体切除装置、鉗子、及び注入モジュール又は摘出モジュールを含むことができる。他の工具103が使用されてもよい。窒素のような圧縮ガスは、空気圧工具103に動力を提供することができる。圧縮ガスは、一つ以上の比例制御機への一つ以上のマニホールドと、工具103への追加のマニホールド及び/又は管とを通して、ガス圧力監視システムを通過することができる。
【0018】
図2は、一つの実施形態に係る、空気圧で動力が供給される硝子体茎切除術用機械についての空気圧システムの概略図である。図2では、空気圧システムは、ポンプベントバルブ205と、出力バルブ210と、マフラー225、230、251、253と、マニホールド235と、空気圧工具103に動力を供給するためのそれぞれの空気圧チャネルについての出力ポートA及びBとを含むことができる(例えば図4参照)。
【0019】
いくつかの実施形態では、ポンプベントバルブ205は四方バルブである。バルブ205は、少なくとも二つの位置のうちの一方の位置にバルブを動かすように作動するソレノイドを含むことができる。一方の位置では、加圧ガスがポンプベントバルブ205を通過してマフラー230から出ることができる。別の位置では、ポンプベントバルブ205によって、加圧ガスが、工具103に動力を提供すべくポンプベントバルブ205を通過することができるようになる。ポンプベントバルブ205はコントローラ(例えば図3において見られるようなコントローラ300)によって制御されうる。
【0020】
いくつかの実施形態では、出力バルブ210は四方バルブである。バルブ210は、少なくとも二つの位置のうちの一方の位置にバルブを動かすように作動するソレノイドを含むことができる。一方の位置では、バルブ210は出力ポートAに加圧ガスを提供して出力ポートBから加圧ガスを排気することができる(すなわち「閉」位置)。この位置では、加圧ガスは出力ポートAに向かって出力バルブ210を通過して出力ポートAにおいて空気圧の動力を工具103に提供することができる。加圧ガスは出力バルブ210及びマフラー225を通過してマフラーにおいて大気に排出されることもできる。別の位置(すなわち「開」位置)では、出力バルブ210は、加圧ガスが出力ポートBに向かってバルブ265を通過して出力ポートBにおいて空気圧の動力を工具103に提供することを可能とする。加圧ガスはマフラー225に向かって出力バルブ210を通過してマフラー225において大気に排出されることもできる。出力バルブ210はコントローラ300によって制御されてもよい。いくつかの実施形態では、コントローラ300は、閉位置において閉じるようにソレノイドバルブに信号を送り(ソレノイドは、空気を逸らしてポートAを通すべくバルブを動かすように作用しうる)、信号が中断されると(又は開信号が送られると)バネ(又は他の作動機構)がバルブを開位置に戻すことができる(開位置ではバルブは、空気をポートBに逸らすように位置する)。50%のバルブデューティサイクルにおいて、コントローラは、信号が中断され(開位置)又は開信号が適用される時間とほぼ同じ量の時間の間、閉信号を適用しうる。
【0021】
いくつかの実施形態ではマニホールド組立体235はアルミニウムのような金属又はプラスチックから機械加工されうる。他の材料も考えられる。マニホールド組立体235は、気密であり、様々な接続具及び連結具を含み、且つ比較的高いガス圧に耐えるように設計されうる。マニホールド組立体235は個々の部材を収集して製造され又は単一部材として製造されうる。例えば、マニホールド組立体235はアルミニウムの単一部材から機械加工されてもよい。マフラー225、230、251、及び253は、漏洩ガス(escaping gas)によって作られる騒音を抑制することができる。
【0022】
図3は、一つの実施形態に係る、空気圧で動力が供給される硝子体茎切除術用機械についてのコントローラ300並びにバルブ205、210、261、263、及び265の概略図を示す。いくつかの実施形態では、コントローラ300は、バルブをコントローラに連結するインターフェースを介して、バルブ205、210、261、263、及び265に制御信号を送ることができる。インターフェースは、電線、バス、配線(trace)等のような導電体を含むことができる。コントローラ300は、ロジック機能を実行することができる集積回路でありうる。コントローラ300は、電源、入力ピン、及び出力ピンを備えた集積回路パッケージを含むことができる。様々な実施形態では、コントローラ300はバルブ又はターゲット装置のコントローラである。斯かる場合、コントローラ300は、バルブのような特定の装置に対するターゲットとされる特定の制御機能を実行することができる。いくつかの実施形態では、コントローラ300はマイクロプロセッサである。コントローラ300は、バルブ及び機械の他の構成要素を制御すべく機能することができるようにプログラム制御されうる。いくつかの実施形態では、コントローラ300は、種々の機能を実行する種々のバルブを制御するように構成された特定の目的のコントローラである。
【0023】
図4は(硝子体切除装置のような)工具103の一つの実施形態を示し、工具103は、切断装置として作用すべく出力ポートA及びBに取り付けられうる。カッター403がシリンダーによって動かされ、次いでシリンダーは加圧ガスによって動かされる。シリンダーは、加圧ガスが出力ポートA及びBに交互に向けられると上下動することができる。斯かる硝子体茎切除術用装置は、様々な切断率(例えば1分間当たり1000切断、1分間当たり2500切断、1分間当たり5000切断等)において作動するように設計されうる。他の切断率も考えられる。ポートA及びポートBは、工具103を駆動するために別個の空気圧チャネル(及び二つのチャネル間の差圧)を提供することができる。交流の圧力パルスが、二つのチャネル間の圧力出力を循環させる四方ソレノイドバルブ(例えば硝子体茎切除術用カッター制御バルブ210)によって発生せしめられることができる。図4において見られるように、圧力差は、結合されたプローブカッター403を工具103上で動かすべく工具103(例えばプローブ)の内側にダイアフラム401を相互に(reciprocally)動かすことができる。(例えばバルブの開位置又は閉位置においてより高い圧力差をもたらす)二つの空気圧チャネルにおける圧力バイアスが工具103の機能及び/又は特性に影響しうる。様々な要因(例えばバルブ毎の変動及び二つのチャネルにおける流れ制限/流れ抵抗のコンソール毎の変動)のせいで圧力差は種々のコンソール101における種々のバルブ210間で異なることがあり、このことは、不変の作動圧力差を提供する困難性をもたらす。二つの空気圧チャネルの出力の圧力差を制御すべく、ソフトウェアが、ソレノイドバルブ210の(バルブデューティサイクルとしても知られている)開/閉タイミングを制御するのに使用されうる。バルブデューティサイクルは、バルブの開/閉位置の両方における差圧のバランスをとるべく較正を通して調整されることができる。バルブデューティサイクルを調整することによって、より滑らかな工具の作動のためにバルブサイクルを通じてより不変の圧力差を実現すべく、バルブの開/閉サイクルにおける各空気圧チャネルに加圧ガスを供給するための時間が長くされ又は短くされうる。
【0024】
例えば1分間当たり2500切断のプローブ率において、バルブ210は1サイクル当たり約24msの率においてポートA及びポートBに交互に加圧空気を提供することができる。1分間当たり2500切断の切断率を得るべく、二つの空気圧チャネルは24ms(2500切断/分又は1分/2500切断×60秒/1分=0.024秒/切断=24ms/切断)毎にオン/オフを循環させることができ、このことによって各チャネルは12ms開かれうる。いくつかの実施形態では、チャネルを実際に開閉するための移行時間がサイクル時間の一部を使用しうる。例えば、空気圧チャネル1(すなわち制御バルブ210のポートAを介する)は、24msのサイクルにつき6msの全移行時間について、開く(一方、空気圧チャネル2は閉じている)のに4msかかり且つ閉じる(一方、空気圧チャネル2は開いている)のに2msかかる。他の移行時間も考えられる。移行時間のせいで、実際にバルブは、チャネル2に対して閉じられている間にチャネル1に対して8ms(12ms−4ms)開かれることができ、且つチャネル2に対して開いている間にチャネル1に対して10ms(12ms−2ms)閉じられることができる。チャネル1及びチャネル2に加圧空気を提供する際の8ms対10msのバルブのこのタイミング差は二つのチャネルにおいてアンバランスな圧力差をもたらしうる。いくつかの実施形態では、二つのチャネルの開時間の持続時間がほぼ同じである(例えば2500切断/分の場合、約(24ms−6ms)/2=9ms実際に開かれる)ことが望ましい。移行タイミングが全てのバルブ210について一定である場合、その後ソフトウェア制御は、両チャネルについてほぼ等しい実際の開時間の持続時間を実現すべくバルブデューティサイクルを調整することができる。この例では、ソフトウェアは公称開時間(nominal open time)をチャネル1について13msに調整し且つチャネル2について11msに調整することができる。このため、この例について、移行時間を除くと、チャネル1の実際の開時間は13ms−4ms=9msであり、チャネル2の実際の開時間は(チャネル1と同様に)11ms−2ms=9msである。しかしながら、移行時間が様々なバルブ210の間で(例えばバルブ210における製造ばらつきのせいで)変化しうるので、固定されたタイミングオフセットは不均衡をうまく無効にすることができない。例えば、別のバルブは、チャネル1を開く(一方、空気圧チャネル2は閉じている)のに(4msの代わりに)3msかかり、且つチャネル1を閉じる(一方、空気圧チャネル2は開いている)のに2msかかる。同じソフトウェア制御のバルブデューティサイクル(例えばチャネル1について13msの公称開時間およびチャネル2について11msの公称開時間)を適用すると、空気圧チャネル1についての実際の開時間は13ms−3ms=10msであり、チャネル2についての実際の開時間は11ms−2ms=9msである。このため、この例では、空気圧チャネル1は実際に空気圧チャネル2よりも1ms又は11%長く開いたままである。この差は二つの空気圧チャネル間に不均衡な出力バランスをもたらすことがあり、このことは、より低い有効切断率/有効出力をもたらすことがある。同様に、固定されたタイミングオフセットは、二つのチャネルにおける流れ制限/流れ抵抗のコンソール毎の変動によって引き起こされる不均衡をうまく無効にすることができない。
【0025】
いくつかの実施形態では、バルブデューティサイクルは(例えば様々なバルブの種々の移行時間及び様々なコンソールの流れ制限/流れ抵抗の変動を補償すべく)個々のバルブ及び/又はコンソールベースについて調整されうる。調整されたバルブデューティサイクルを空気圧チャネルについてのサイクル時間に適用することによって、空気圧チャネルは、全サイクル時間の間、ほぼ等しい実際の開時間を有するように作動されうる。上記されたように、50%のバルブデューティサイクルは、信号が適用されない(開位置に対応する)時間とほぼ同じ量の時間の間、バルブを閉じるように信号を適用することに対応する。1%の調整は51%のバルブデューティサイクルをもたらすことができ、51%のバルブデューティサイクルは、全サイクル時間の約51%の間バルブを閉じるように信号を適用する(且つ全時間の49%の間バルブを開くように、信号が適用されない(又は開信号が適用される))ことに対応する。このため、より長い51%のバルブデューティサイクルは、例えば、開くことよりも閉じるのにより長い時間がかかるバルブ、及び/又はバルブの閉位置に接続するチャネルにおいてより高い流れ制限/流れ抵抗を有するコンソールを補償することができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、バルブ210についてのバルブデューティサイクル値はコンソール101又は工具103上のメモリ303において記憶されうる。メモリ303は、ディップスイッチ(デュアル・インライン・パッケージスイッチ)、可変抵抗、デジタルポテンショメータ、又はEEPROM(電気的に消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ)を含むことができる。いくつかの実施形態では、バルブデューティサイクルは試行錯誤を通して決定され且つ(例えば製造において)メモリ303内にプログラムされ若しくは書き込まれ又は(例えばコンソール101のグラフィカル・ユーザー・インターフェース107内に入力される値のような)例えばコンソール101と使用者とのインタラクションを通して受信されうる。その後、バルブデューティサイクルは、バルブ210の開/閉時間を制御すべく外科コンソール101(例えば外科コンソール101内のコントローラ300)によって使用される。
【0027】
図5a〜図6において見られるように、一つ以上のディップスイッチS1、S2、S3等が抵抗器のネットワークに接続されうる(抵抗器のネットワークの各々は、別の抵抗器を有することができる)。図5a及び図5cは5個のディップスイッチを備えた実施形態を示し、図5b及び図6は6個のディップスイッチを備えた実施形態を示す。図5dはn個のディップスイッチを備えた実施形態を示す。各ディップスイッチは、その対応する抵抗器を電流が通ることを可能とし又はその対応する抵抗器から電流を遮るべく1又は0(スイッチオン又はスイッチオフ)でプログラムされうる。抵抗器のネットワーク及びディップスイッチは、ディップスイッチの設定に基づく全ての抵抗を有することができる。例えば、(各々対応する抵抗器を備えた)6個のディップスイッチを用いて、抵抗器のネットワークは、26=64の可能な抵抗から選択された抵抗を有するように構成されうる。したがって、ディップスイッチの設定の組合せによって抵抗器ネットワークの種々の抵抗値を生成することができる。例えば、抵抗の倍数(resistance multiple)(例えばキロオーム)の例が図5a〜図6において各抵抗器の上に位置する(他の抵抗も可能である)。図5aにおいて見られるように、ネットワーク抵抗の例は、5つのディップスイッチの設定に基づいて1、2、3、4、5、6、7、8、9,10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20である(示される形態では、32個のディップスイッチの組合せが、12個の重複に加えて1の増分の20個のネットワーク抵抗値を生成することができる)。他の形態(例えば別の抵抗値、別のディップスイッチ配置等)も可能である。図5bにおいて示された実施形態では、64個のディップスイッチの組合せが、24個の重複に加えて0.5の増分の40個のネットワーク抵抗値を生成することができる(例えば1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、20、及び20.5のネットワーク抵抗値)。図5cにおいて見られるように、5個のディップスイッチの抵抗器ネットワークが、重複がない1の増分の32個のネットワーク抵抗値を生成すべく32個のディップスイッチの組合せを含むことができる(例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31及び32の抵抗値)。図5dにおいて見られるように、n個のディップスイッチの抵抗器ネットワークが、重複がないRの増分の2n個のネットワーク抵抗値を生成すべく2n個のディップスイッチの組合せを含むことができる(例えば抵抗値はR、2R、3R、4R、5R、・・・、2nRである)。公知の電圧(例えば5ボルト)が抵抗器ネットワークに(例えば電圧源501によって)印加されることができ、結果として生じる電圧がアナログ/デジタル変換器509によってデジタルカウント511に変換されうる。外科コンソール上で実行するソフトウェアは、対応するバルブデューティサイクルを決定するのにデジタルカウント511を使用することができる。例えば、対応するバルブデューティサイクルの値を決定すべくテーブル参照がデジタルカウント上において実行されうる。いくつかの実施形態では、較正テーブル901(例えば図9参照)がデジタルカウント及び対応するバルブデューティサイクル値を備えてコンソールにおいて記憶されうる。
【0028】
上記されたように、(例えば一組のディップスイッチ503における)ディップスイッチは、抵抗器のネットワーク505において選択された抵抗を組み合わせるべく様々なオン/オフ(1/0)位置においてプログラムされうる。抵抗器のネットワークは、ネットワークに印加された第1電圧の結果として第2電圧を出力すべく電圧分割器として作用することができる。ADC509は第2電圧をデジタルカウント511に変換することができる。例えば、電圧2は、(2.183ボルトの電圧に対応する)447のデジタルカウントをもたらす。外科コンソール上で実行するソフトウェアは、対応するバルブデューティサイクル(この場合49.5%)を決定すべく447のデジタルカウントを使用することができる。例えば、図9において見られるように、参照テーブルが、デジタルカウントに対応するバルブデューティサイクルを決定すべくアクセスされうる。いくつかの実施形態では、バルブデューティサイクルは決定されて書き込み可能なメモリ(例えばEEPROM)において記憶されうる。その後の外科コンソールの使用の間、ディップスイッチの使用を通してバルブデューティサイクルを決定する代わりにEEPROMが読み込まれうる。その後の使用についてEEPROMを使用することはバルブデューティサイクルのより迅速な決定を可能とする。EEPROMを使用することは、ディップスイッチが、うっかり切り換えられ、ぶつけられ、又は権限のない人員によって設定されることに関連する偽値を防ぐこともできる。いくつかの実施形態では、外科コンソールが、新しい値が決定されているという指示を受信すると、新しい値のデューティサイクルがEEPROM内に読み込まれうる(例えば、使用者は、使用者認証すべくユーザー・インターフェースにおいてパスワードを入力して新しいバルブデューティサイクルを受信するためにコンソールを設定し、又はスイッチを設定し若しくは(例えばディップスイッチから決定されるような)新しい値のデューティサイクルを検出してEEPROM内に記憶するように外科コンソールに指示するディップスイッチの近くのボタンを押すことができる)。
【0029】
図7は、バルブ210を較正するためにバルブデューティサイクルを決定するための方法を示す。フローチャートにおいて提供される要素は単に説明のために存在する。提供される様々な要素を省略することができ、追加要素を追加することができ、且つ/又は以下に提供される順序とは異なる順序において様々な要素を実行することができる。
【0030】
701において、較正されるべきバルブ210の空気圧ポートが、バルブ210の作動中の各ポートの圧力(又はポート間の差圧)を測定するために一つ以上の圧力センサに連結されうる。例えば、別個の圧力センサが各ポート(A及びB)に連結されることができ又は差圧センサがポートA及びポートBの両方に連結されてもよい。各ポートにおいて別個の圧力センサを使用する場合、差圧は、各ポートからの圧力データを使用して計算されうる。図1において見られるように、工具103は、ポート105を介してポートA及び/又はポートBに連結している一つ以上の圧力センサを備えた圧力トランスデューサボックスであってもよい。いくつかの実施形態では、バルブ210は、外科コンソールに連結された状態で試験されうる(例えば圧力センサは外科コンソール101の出力空気圧ポート105に連結されうる)。いくつかの実施形態では、1分間当たりの切断の設定(例えば1分間当たり2500切断)はバルブについて設定されうる。
【0031】
703において、空気圧システムのバルブデューティサイクルがデフォルト値に設定されうる(例えば較正用ディップスイッチが50%のバルブデューティサイクルに設定され、このことによってバルブの開/閉タイミングにオフセットが適用されない)。ディップスイッチの設定は、較正テーブル901を使用して設定されることができ、較正テーブル901はバルブデューティサイクルに対するディップスイッチの設定に関する。
【0032】
705において、(バルブ210を含む)空気圧システムは、与えられた量の時間(例えば10秒)の間、作動されうる。空気圧システムの作動の間、運転についての圧力データが圧力センサを通して検出されうる。いくつかの実施形態では、フットスイッチペダルが、空気圧システムを始動すべく押し下げられてもよい。いくつかの実施形態では、空気圧システムは、特に空気圧システム及び/又はコンソールが新しい場合、長時間(例えば1〜2時間)の間作動されうる。較正前の長期の作動によって、システム及び/又はコンソールが、製造、摩擦点、及び他の構成要素の相互作用点(interaction point)によるバルブの初期変動を解決できるようになる(例えば、新しい部品が長期間他の部品と相互作用するので、新しい部品における初期摩擦がすり減らされうる)。いくつかの実施形態では、空気圧システムが、初期運転後に中断されて、その後、圧力データを採る前に別の設定量の時間(例えば5〜10秒)の間再び作動されてもよい。いくつかの実施形態では、待ち時間(例えば5〜10秒)が空気圧システムの運転の間に適用されてもよい。
【0033】
707において、バルブの開位置と閉位置との間の圧力差及び圧力範囲が決定されうる。図8aは、空気圧システムについて、時間に対する可能な圧力差のプロットを示す。図8aにおいて示されるように、サイクルインターバル時間(cycle interval time)(T)において圧力差は開位置において+68950Pa((+10psi(ポンド毎平方インチ))であり且つ閉位置において−89640Pa(−13psi)でありうる(このことは約158600Pa(23psi)の圧力範囲801をもたらす)。最低特性点は、開圧力と閉圧力との間の差圧の差が最小であるとき(すなわち(abs(開圧力)+abs(閉圧力))が圧力データについて最小であるとき)のサイクルインターバル時間でありうる。図8aにおいて示される場合、サイクルインターバル時間(T)において開位置についての圧力及び閉位置についての圧力の顕著な下落がある。
【0034】
709において、圧力バイアスを補償するためのバルブデューティサイクルが決定されうる。図8aにおいて示される圧力データでは、サイクルインターバル時間(T)において、圧力バイアスは(+68950Pa(+10psi)の数値よりも上の−89640Pa(−13psi)の数値に関連付けられる)約20690Pa(3psi)であるように見える。(例えばサイクルインターバル時間(T)において約+79300Pa(+11.5psi)の開圧力値及び−79300Pa(−11.5psi)の閉圧力値を得ることを目的として)圧力差をほぼ中心にすることをもたらしうるバルブデューティサイクルが決定されうる。空気圧システムの最低特性点において圧力差を中心にすべくバルブデューティサイクルを決定することは、空気圧システムが、その最低特性点において開位置及び閉位置の両方において作動するのに十分な圧力を有することを保証することができる(バルブデューティサイクルは空気圧システムの他の作動点における改善された特性ももたらすことができる)。本明細書のいくつかの例では最低特性点付近においてバルブデューティサイクルが決定されるが、バルブデューティサイクルは、圧力データにおける他の点を使用して決定されてもよい。バルブデューティサイクルの決定は以下のように計算されうる。
【0035】
新しいバルブデューティサイクル=前のバルブデューティサイクル+(((abs(開圧力)−abs(閉圧力))/2)×(バルブデューティサイクルΔ/差圧変化Δ))
【0036】
ここで、開圧力及び閉圧力は空気圧システムについて最低特性の時間(例えば今回の例における時間T)において採られ、ここで、abs()は絶対値を表す。いくつかの実施形態では、圧力差の調整率に対するバルブデューティサイクルは数学的に又は試行錯誤を通して決定されうる。例えば、比率は5930Pa(0.86psi)(差圧変化Δ)に対して1%(バルブデューティサイクルΔ)である。
【0037】
今回の例では:
新しいバルブデューティサイクル=50%+(((89640Pa(13psi)−68950Pa(10psi))/2×(1%/5930Pa(0.86psi)))
新しいバルブデューティサイクル=50%+(10340Pa(1.5psi)×(1%/5930Pa(0.86psi)))
新しいバルブデューティサイクル=50%+1.744%=51.744%
【0038】
このため、閉じた側における圧力(ここでは+68950Pa(+10psi))は、51.744%(68950Pa(10psi)+1.744%×(5930Pa(0.86psi)/1%)=79300Pa(11.5psi))の新しいバルブデューティサイクルを用いて79300Pa(11.5psi)に増加せしめられ、開いた側は−79300Pa(−11.5psi)(−89640Pa(−13psi)+1.744%×(5930Pa(0.86psi)/1%)=−79300Pa(−11.5psi))にシフトされうる。いくつかの実施形態では、バルブデューティサイクルは最も近い増分に丸められる(例えば、最も近い増分の0.5%に丸める場合、51.5%に丸められる)。
【0039】
711において、空気圧システムが新しいバルブデューティサイクルを用いてプログラムされうる。例えば、(オン/オフ又は1/0の選択肢を備えた物理的にアクセス可能なスイッチであってもよい)ディップスイッチはオン/オフシーケンス(on/off sequence)において設定されることができ、オン/オフシーケンスは、決定されたバルブデューティサイクルに対応する電圧を生成するであろう。いくつかの実施形態では、新しいバルブデューティサイクルは外科コンソールによって算出され且つ/又は外科コンソールのグラフィカル・ユーザー・インターフェース内に入力されうる。
【0040】
713において、空気圧システムが再び(例えば5〜10秒間)作動されうる。空気圧システムの作動の間、運転についての圧力データが圧力センサを通して検出されうる。いくつかの実施形態では、空気圧システムは、最初の運転後に中断されて、その後、圧力データを採る前に別の設定量の時間(例えば5〜10秒)の間再び運転する。いくつかの実施形態では、待ち時間(例えば5〜10秒)が空気圧システムの運転の間に適用されうる。
【0041】
715において、バルブの開位置と閉位置との間の圧力差及び圧力範囲が再び決定されうる。図8bは、新しいバルブデューティサイクルを適用した後の圧力データの可能なプロットを示す。図8bにおいて見られるように、圧力差は、閉位置における圧力差が閉位置についての最低特性点において約79300Pa(11.5psi)であり且つ開位置における最低特性点について約−79300Pa(−11.5psi)であるように、ほぼ0Pa(0psi)付近に中心が合わせられうる。
【0042】
717において、圧力差、圧力範囲、及び/又は圧力バイアスが許容可能な制限値と比較されうる。いくつかの実施形態では、圧力差(例えば、修正された場合、圧力差は、図8bにおいて見られるように約+79300Pa(+11.5psi)及び約−79300Pa(−11.5psi)である)は、作動について予め定められた閾値と比較されうる(例えば圧力差の絶対値が約68950Pa(10psi)の閾値と比較される)。図8bにおいて示される修正された場合、差圧(比較目的のための絶対値)は68950Pa(10psi)の閾値よりも大きい。いくつかの実施形態では、圧力バイアス(二つのチャネル間の圧力差)が、決定されて、予め定められた許容可能な制限値と比較されてもよい。例えば、圧力バイアスはabs(閉圧力)−abs(開圧力)に等しい。較正後、6895Pa(1psi)の予め定められた許容可能な圧力バイアスの制限値が使用されてもよい(他の圧力バイアスが、空気圧システムの較正に応じて使用されてもよい)。別の例として、全圧力範囲(abs(開圧力)+abs(閉圧力))が、予め定められた許容可能な制限値(例えば最小148900Pa(21.6psi)の範囲)と比較される。いくつかの実施形態では、空気圧システムについての最低特性の点における全圧力範囲が、空気圧システムが漏れ又は制限を有するかどうか判定すべく許容可能な全圧力範囲と比較されてもよい。例えば、全圧力範囲が148900Pa(21.6psi)よりも小さい場合、システムにおいて漏れ又は制限がある場合がある。他の全圧力範囲が使用されてもよい(別の空気圧システムの形態が別の圧力及び圧力範囲において作動しうる)。最低特性点における全圧力範囲が最小の許容可能な制限値を満たさない場合、バルブが取り替えられ且つ/又は空気圧システムが検査されうる。また、圧力波の形態のエッジが、滑らかでないが波形であり、若しくはシフトを有し、又は最低特性点後の両側において大きくならない場合、バルブは、取り替えられる必要がある場合がある。
【0043】
719において、全圧力範囲又は圧力バイアスが許容可能な範囲から逸脱している場合、新しいバルブデューティサイクルが使用されうる。いくつかの実施形態では、新しいバルブデューティサイクルが再計算されうる。
【0044】
例えば:
新しいバルブデューティサイクル=前のバルブデューティサイクル+(((abs(開圧力)−abs(閉圧力))/2)×(バルブデューティサイクルΔ/圧力変化Δ))
【0045】
ここでは、開圧力及び閉圧力は空気圧システムについての最低特性の時間における差圧でありうる。いくつかの実施形態では、方程式を使用する代わりに、前のバルブデューティサイクルよりも上又は下の増分1のバルブデューティサイクルが試されてもよい。(開位置の方に向かって圧力バイアスを減少させるべく)前の閉圧力が増加せしめられる必要がある場合、バルブデューティサイクルは次の増分(例えば51%から51.5%)に増加せしめられ又は逆も同様である。いくつかの実施形態では、新しいバルブデューティサイクルは外科コンソールによって決定され且つ/又は外科コンソールのグラフィカル・ユーザー・インターフェース内に入力されうる。いくつかの実施形態では、ディップスイッチは、決定された新しいバルブデューティサイクルに対応するように設定されうる。その後、新しいバルブデューティサイクルは(例えば要素713〜719を実行することによって)試験されうる。
【0046】
721において、バルブが時間の設定数(例えば二回)よりも多く試験され且つ全圧力範囲又は圧力バイアスがそれでもなお許容可能な範囲から逸脱している場合、別のバルブ/モジュールが設置されうる。いくつかの実施形態では、新しいバルブデューティサイクルを決定する追加の回(round)が実行されてもよい(又はディップスイッチは前の値よりも上又は下の別のバルブデューティサイクルに対応するように動かされてもよい)。
【0047】
723において、717からの全圧力範囲及び圧力バイアスが許容可能な範囲内にある場合、較正プロセスが完了されうる。外科コンソールは、決定されたバルブデューティサイクルを使用することができる。いくつかの実施形態では、ディップスイッチ及び抵抗器ネットワークが作動中に(特有の電圧を通して)所望のバルブデューティサイクルをシステムコンソールに中継することができる。例えば、抵抗器ネットワークからの電圧がアナログ/デジタル変換器509を通してデジタルカウントに変換される。デジタルカウントは、外科コンソール上で実行するソフトウェアによって処理されることができ、対応するバルブデューティサイクルが、決定されて、バルブ特性を修正するのに使用されうる。いくつかの実施形態では、較正プロセスは、決定されたバルブデューティサイクルを有する較正結果の再現性を保証すべく複数回実行されてもよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、硝子体茎切除術用システムは一つ以上のプロセッサ(例えばコントローラ300)を含んでもよい。コントローラ300は単一の処理装置又は複数の処理装置を含むことができる。斯かる処理装置は、マイクロプロセッサ、(マイクロコントローラでありうる)コントローラ、デジタル・シグナル・プロセッサ、マイクロコンピュータ、中央演算処理ユニット、フィールド・プログラマブル・ケート・アレイ、プログラマブル・ロジック・デバイス、ステートマシン、論理回路、制御回路、アナログ回路、デジタル回路、及び/又は操作指令に基づいて(アナログ及び/又はデジタル)信号を操作する任意の装置である。プロセッサに連結され且つ/又は組み込まれたメモリは単一のメモリ装置又は複数のメモリ装置である。斯かるメモリ装置は、ROM、RAM、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、スタティックメモリ、ダイナミックメモリ、フラッシュメモリ、キャッシュメモリ、及び/又はデジタル情報を記憶する任意の装置である。プロセッサが、ステートマシン、アナログ回路、デジタル回路、及び/又はロジック回路を介してその一つ以上の機能を実施するとき、対応する操作指令を記憶するメモリが、ステートマシン、アナログ回路、デジタル回路、及び/又はロジック回路を含む回路内に又は回路の外部に組み込まれうることに留意されたい。例えば図7に関連して示され且つ記述された要素の少なくともいくつかに対応する操作指令を、メモリが記憶してプロセッサが実行することができる。
【0049】
与えられた実施形態に対して様々な修正が当業者によってなされうる。本明細書及び例が単なる模範例としてみなされ、本発明の真の範囲及び思想が以下の特許請求の範囲及びその均等物によって示されることが意図されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科コンソールであって、
バルブと、
該バルブに連結された少なくとも第1及び第2のポートであって、前記バルブが、当該外科コンソールに連結された空気圧工具を駆動すべく該第1ポート及び第2ポートの各々に交互に加圧ガスを提供するように構成される、少なくとも第1及び第2のポートと、
前記バルブに連結されたコントローラであって、前記バルブの開時間および閉時間を制御すべく作動可能であり、該バルブの開時間が前記第1ポートを開くための時間に対応し、該バルブの閉時間が前記第1ポートを閉じるための時間に対応し、前記第1ポートを閉じることが、加圧空気が前記バルブによって前記第1ポート又は第2ポートを通して向けられるように該第2ポートを開くことと一致する、コントローラと
を具備する、外科コンソールにおいて、
前記コントローラが、バルブデューティサイクルに従って前記バルブの開/閉時間を調整するように構成され、
前記バルブデューティサイクルが、前記バルブの開位置及び閉位置についての作動圧力データを分析することと、予め定められた閾値を超えた開作動の差圧及び閉作動の差圧をもたらすであろう、前記バルブの開時間及び閉時間のうちの少なくとも一方についての調整を決定することとによって決定される調整に対応する、外科コンソール。
【請求項2】
前記バルブが四方ソレノイドバルブである、請求項1に記載の外科コンソール。
【請求項3】
当該外科コンソールに連結された空気圧工具であって、硝子体茎切除術用カッターである空気圧工具を更に具備する、請求項1に記載の外科コンソール。
【請求項4】
前記バルブデューティサイクルが前記コントローラによってアクセス可能なメモリ上に記憶される、請求項1に記載の外科コンソール。
【請求項5】
全バルブ時間がバルブサイクルについて前記バルブの開時間に前記バルブの閉時間を足した時間にほぼ等しく、前記バルブデューティサイクルは、前記コントローラが、ガスを前記第1ポートを通して向けるように前記バルブに信号を送るための、前記全バルブ時間のうちのパーセンテージである、請求項1に記載の外科コンソール。
【請求項6】
新しいバルブデューティサイクルが、前記外科コンソールの試験中の圧力データを使用して決定され、且つ前のバルブデューティサイクル+(((abs(開圧力)−abs(閉圧力))/2)×(バルブデューティサイクルΔ/差圧変化Δ))にほぼ等しく、ここで、前記前のバルブデューティサイクルが試験中のバルブデューティサイクルであり、開圧力及び閉圧力が前記バルブの一つのサイクルについての前記ポートについての差圧であり、前記バルブデューティサイクルΔ/差圧変化Δが、結果として生じる差圧変化に対するバルブデューティサイクルの変化の比率である、請求項1に記載の外科コンソール。
【請求項7】
前記ポートについての前記開圧力及び閉圧力が前記空気圧システムについての最低特性点において採られる、請求項6に記載の外科コンソール。
【請求項8】
前記最低特性点は、前記開圧力と前記閉圧力との間の絶対値の差圧の差が、(abs(開圧力)+abs(閉圧力))が前記測定された圧力データについて最小であるように最も低いときの点である、請求項7に記載の外科コンソール。
【請求項9】
複数のディップスイッチ及び複数の抵抗器を更に具備し、前記ディップスイッチは、抵抗器ネットワークに入力電圧が印加されると該抵抗器ネットワークの出力電圧がバルブデューティサイクルを示すように、該抵抗器ネットワークにおいて一つ以上の前記複数の抵抗器を組み合わせるように構成可能である、請求項1に記載の外科コンソール。
【請求項10】
前記出力電圧をデジタル値に変換すべくアナログ・デジタル変換器を更に具備し、当該外科コンソール上で実行するソフトウェアが、参照テーブルを通して前記デジタルカウントに対応するバルブデューティサイクルを決定するように作動可能である、請求項9に記載の外科コンソール。
【請求項11】
外科空気圧システムを較正する方法において、
開位置と閉位置との間を循環するように構成された空気圧バルブを具備する空気圧システムを作動させるステップであって、加圧ガスが、前記バルブが前記開位置にあるときに第1ポートに向けられ且つ前記バルブが前記閉位置にあるときに第2ポートに向けられる、ステップと、
前記空気圧バルブによる圧力出力を測定するステップであって、該測定された圧力データが、前記開位置における前記第1ポートと前記第2ポートとの間の差圧に対応する開差圧と、前記閉位置における前記第1ポートと前記第2ポートとの間の差圧に対応する閉差圧とを含む、ステップと、
新しいバルブデューティサイクルを計算するステップであって、該新しいバルブデューティサイクルが前のバルブデューティサイクル+(((abs(開圧力)−abs(閉圧力))/2)×(バルブデューティサイクルΔ/圧力差変化Δ))にほぼ等しく、ここで、前記前のバルブデューティサイクルが、前記圧力を測定している間における前記空気圧システムの作動中の前記バルブデューティサイクルであり、開圧力と閉圧力とが、前記バルブの一つのサイクルの対応する開位置において前記ポートについて測定された差圧と、対応する閉位置において前記ポートについて測定された差圧とであり、前記バルブデューティサイクルΔ/差圧変化Δが、結果として生じる差圧変化に対するバルブデューティサイクルの変化の比率である、ステップと
を含む、方法。
【請求項12】
前記ポートについての前記開圧力及び閉圧力が、前記空気圧システムについて測定された圧力における最低特性点において採られる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記バルブの開位置のタイミングを修正すべく前記新しいバルブデューティサイクルを使用するステップを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記空気圧システムを作動して前記空気圧バルブによる圧力出力を測定するステップと、
全圧力範囲を計算するステップであって、該全圧力範囲が前記開圧力及び閉圧力の絶対値の合計にほぼ等しい、ステップと、
前記全圧力範囲が、予め定められた全圧力範囲の制限値よりも大きいかどうか判定するステップと
を更に含む、請求項3に記載の方法。
【請求項15】
前記空気圧システムを作動して前記空気圧バルブによる圧力出力を測定するステップと、
圧力バイアスを計算するステップであって、該圧力バイアスがabs(閉圧力)−abs(開圧力)にほぼ等しい、ステップと、
前記圧力バイアスが、予め定められた圧力バイアスの制限値よりも小さいどうか判定するステップと
を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記開圧力及び閉圧力が圧力測定中の最低特性点における前記差圧である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記最低特性点は、前記開圧力と前記閉圧力との間の圧力差が、(abs(開圧力)+abs(閉圧力))が前記測定された圧力データについて最小であるように最も低いときの点である、請求項16に記載の方法。
【請求項1】
外科コンソールであって、
バルブと、
該バルブに連結された少なくとも第1及び第2のポートであって、前記バルブが、当該外科コンソールに連結された空気圧工具を駆動すべく該第1ポート及び第2ポートの各々に交互に加圧ガスを提供するように構成される、少なくとも第1及び第2のポートと、
前記バルブに連結されたコントローラであって、前記バルブの開時間および閉時間を制御すべく作動可能であり、該バルブの開時間が前記第1ポートを開くための時間に対応し、該バルブの閉時間が前記第1ポートを閉じるための時間に対応し、前記第1ポートを閉じることが、加圧空気が前記バルブによって前記第1ポート又は第2ポートを通して向けられるように該第2ポートを開くことと一致する、コントローラと
を具備する、外科コンソールにおいて、
前記コントローラが、バルブデューティサイクルに従って前記バルブの開/閉時間を調整するように構成され、
前記バルブデューティサイクルが、前記バルブの開位置及び閉位置についての作動圧力データを分析することと、予め定められた閾値を超えた開作動の差圧及び閉作動の差圧をもたらすであろう、前記バルブの開時間及び閉時間のうちの少なくとも一方についての調整を決定することとによって決定される調整に対応する、外科コンソール。
【請求項2】
前記バルブが四方ソレノイドバルブである、請求項1に記載の外科コンソール。
【請求項3】
当該外科コンソールに連結された空気圧工具であって、硝子体茎切除術用カッターである空気圧工具を更に具備する、請求項1に記載の外科コンソール。
【請求項4】
前記バルブデューティサイクルが前記コントローラによってアクセス可能なメモリ上に記憶される、請求項1に記載の外科コンソール。
【請求項5】
全バルブ時間がバルブサイクルについて前記バルブの開時間に前記バルブの閉時間を足した時間にほぼ等しく、前記バルブデューティサイクルは、前記コントローラが、ガスを前記第1ポートを通して向けるように前記バルブに信号を送るための、前記全バルブ時間のうちのパーセンテージである、請求項1に記載の外科コンソール。
【請求項6】
新しいバルブデューティサイクルが、前記外科コンソールの試験中の圧力データを使用して決定され、且つ前のバルブデューティサイクル+(((abs(開圧力)−abs(閉圧力))/2)×(バルブデューティサイクルΔ/差圧変化Δ))にほぼ等しく、ここで、前記前のバルブデューティサイクルが試験中のバルブデューティサイクルであり、開圧力及び閉圧力が前記バルブの一つのサイクルについての前記ポートについての差圧であり、前記バルブデューティサイクルΔ/差圧変化Δが、結果として生じる差圧変化に対するバルブデューティサイクルの変化の比率である、請求項1に記載の外科コンソール。
【請求項7】
前記ポートについての前記開圧力及び閉圧力が前記空気圧システムについての最低特性点において採られる、請求項6に記載の外科コンソール。
【請求項8】
前記最低特性点は、前記開圧力と前記閉圧力との間の絶対値の差圧の差が、(abs(開圧力)+abs(閉圧力))が前記測定された圧力データについて最小であるように最も低いときの点である、請求項7に記載の外科コンソール。
【請求項9】
複数のディップスイッチ及び複数の抵抗器を更に具備し、前記ディップスイッチは、抵抗器ネットワークに入力電圧が印加されると該抵抗器ネットワークの出力電圧がバルブデューティサイクルを示すように、該抵抗器ネットワークにおいて一つ以上の前記複数の抵抗器を組み合わせるように構成可能である、請求項1に記載の外科コンソール。
【請求項10】
前記出力電圧をデジタル値に変換すべくアナログ・デジタル変換器を更に具備し、当該外科コンソール上で実行するソフトウェアが、参照テーブルを通して前記デジタルカウントに対応するバルブデューティサイクルを決定するように作動可能である、請求項9に記載の外科コンソール。
【請求項11】
外科空気圧システムを較正する方法において、
開位置と閉位置との間を循環するように構成された空気圧バルブを具備する空気圧システムを作動させるステップであって、加圧ガスが、前記バルブが前記開位置にあるときに第1ポートに向けられ且つ前記バルブが前記閉位置にあるときに第2ポートに向けられる、ステップと、
前記空気圧バルブによる圧力出力を測定するステップであって、該測定された圧力データが、前記開位置における前記第1ポートと前記第2ポートとの間の差圧に対応する開差圧と、前記閉位置における前記第1ポートと前記第2ポートとの間の差圧に対応する閉差圧とを含む、ステップと、
新しいバルブデューティサイクルを計算するステップであって、該新しいバルブデューティサイクルが前のバルブデューティサイクル+(((abs(開圧力)−abs(閉圧力))/2)×(バルブデューティサイクルΔ/圧力差変化Δ))にほぼ等しく、ここで、前記前のバルブデューティサイクルが、前記圧力を測定している間における前記空気圧システムの作動中の前記バルブデューティサイクルであり、開圧力と閉圧力とが、前記バルブの一つのサイクルの対応する開位置において前記ポートについて測定された差圧と、対応する閉位置において前記ポートについて測定された差圧とであり、前記バルブデューティサイクルΔ/差圧変化Δが、結果として生じる差圧変化に対するバルブデューティサイクルの変化の比率である、ステップと
を含む、方法。
【請求項12】
前記ポートについての前記開圧力及び閉圧力が、前記空気圧システムについて測定された圧力における最低特性点において採られる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記バルブの開位置のタイミングを修正すべく前記新しいバルブデューティサイクルを使用するステップを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記空気圧システムを作動して前記空気圧バルブによる圧力出力を測定するステップと、
全圧力範囲を計算するステップであって、該全圧力範囲が前記開圧力及び閉圧力の絶対値の合計にほぼ等しい、ステップと、
前記全圧力範囲が、予め定められた全圧力範囲の制限値よりも大きいかどうか判定するステップと
を更に含む、請求項3に記載の方法。
【請求項15】
前記空気圧システムを作動して前記空気圧バルブによる圧力出力を測定するステップと、
圧力バイアスを計算するステップであって、該圧力バイアスがabs(閉圧力)−abs(開圧力)にほぼ等しい、ステップと、
前記圧力バイアスが、予め定められた圧力バイアスの制限値よりも小さいどうか判定するステップと
を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記開圧力及び閉圧力が圧力測定中の最低特性点における前記差圧である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記最低特性点は、前記開圧力と前記閉圧力との間の圧力差が、(abs(開圧力)+abs(閉圧力))が前記測定された圧力データについて最小であるように最も低いときの点である、請求項16に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【図6】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【図6】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図9】
【公表番号】特表2013−503024(P2013−503024A)
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−527889(P2012−527889)
【出願日】平成22年8月11日(2010.8.11)
【国際出願番号】PCT/US2010/045136
【国際公開番号】WO2011/025658
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(508185074)アルコン リサーチ, リミテッド (160)
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月11日(2010.8.11)
【国際出願番号】PCT/US2010/045136
【国際公開番号】WO2011/025658
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(508185074)アルコン リサーチ, リミテッド (160)
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