説明

駆動モジュール及び電子機器

【課題】全体の外形サイズ自体を変更することなく、レンズ径の大径化を図ること。
【解決手段】レンズ枠6をベース基板9に固定された支持体5の軸方向に沿って往復移動させる駆動手段11を具備する駆動ユニット2と、該駆動ユニットを覆うカバー3と、を備え、カバーが、駆動ユニットを径方向の外側から覆い、該駆動ユニットのうち少なくとも形状記憶合金ワイヤ12が配設された側面を塞ぐ金属製の側方カバー部30と、駆動ユニット及び側方カバー部を上方から覆う樹脂製の天井カバー部40と、を備え、天井カバー部に、駆動ユニットに係止されて該駆動ユニットに対する位置決めがなされる係止部43が形成され、側方カバー部が天井カバー部とベース基板との間に挟まれて軸方向及び径方向にそれぞれ位置決めされた状態で固定される駆動モジュール1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動モジュール及び電子機器に関するものである。
特に、焦点位置調整を行ったり、アクチュエータとして用いたりするのに好適な駆動モジュール及び電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、カメラ機能付き携帯電話等の小型電子機器において、撮像レンズユニット等の被駆動体を駆動してオートフォーカスやズーム等を行うために、形状記憶合金ワイヤの伸縮を利用して駆動を行う駆動モジュールが種々提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1に記載された駆動モジュールは、ベース基板に固定されたモジュール枠(支持体)と、そのモジュール枠の内側に収容されたレンズ枠(被駆動体)と、そのレンズ枠をモジュール枠の軸方向に沿って往復移動させる駆動手段と、レンズ枠のコイル係合部に係合されてレンズ枠をモジュール枠の軸方向に沿って付勢するコイルスプリングと、それらモジュール枠、レンズ枠、駆動手段及びコイルスプリングを覆うカバーと、を備えている。
【0004】
駆動手段は、形状記憶合金ワイヤと、その形状記憶合金ワイヤの両端部をそれぞれ保持する一対のワイヤ端子部と、これらワイヤ端子部を介して形状記憶合金ワイヤに給電する給電部材と、を備えている。
レンズ枠の外周面にはガイド突起が突設され、そのガイド突起の係止部に形状記憶合金ワイヤの中間部が下方から掛けられている。ガイド突起の上面には、柱状のスプリング保持部が立設されており、そのスプリング保持部がコイルスプリングの内側に挿通されている。
【0005】
上記カバーは、モジュール枠の外周を覆う周壁部と、その周壁部の上端に連設された天壁部とで有底筒状に形成されている。そして、このカバーを組み付ける前に、予めスプリング保持部にコイルスプリングを嵌めて立てておき、カバーを被せる際に、カバーの天壁部の下面とガイド突起の上面とによってコイルスプリングを軸方向両側から挟んで圧縮変形させる。
【0006】
上記した従来の駆動モジュールによれば、形状記憶合金ワイヤに対する給電を操作して形状記憶合金ワイヤを伸縮変形させることで、レンズ枠がモジュール枠に対して相対的に往復移動する。これにより、レンズ枠に保持されたレンズユニットを動かしてオートフォーカスやズーム等を行うことができる。また、コイルスプリングの弾性力(付勢力)によってレンズ枠が下向きに付勢され、形状記憶合金ワイヤが周囲環境条件等により収縮してレンズ枠を上昇させようとする働きを抑制することを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−20177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、駆動モジュールを搭載した電子機器においてカメラ性能等、特に高画素化を向上させることが求められている。そのためには、駆動モジュールにおけるレンズ枠を大径化することが必要とされている。ここで、駆動モジュール自体の外形サイズを大きくすることが考えられるが、電子機器内部には駆動モジュールを含む各種の電子部品が無駄なく密に配設されていることが多く、十分なスペースの余裕がないのが現状である。そこで、駆動モジュール自体の外形サイズを変えずにレンズ枠の大径化を図るために、カバーの厚みを薄くすることが考えられる。
しかしながら、上記従来の駆動モジュールでは、カバーが樹脂製であるため所定の剛性を確保する観点から、ある程度の部品厚みが必要とされている。そのため、カバーの厚みを現状より薄くすることが難しく、それによってレンズ径を大径化させることが困難であった。
【0009】
一方、カバー自体を樹脂製ではなく金属製にすることが考えられるが、この場合には以下の問題が生じてしまう。
第1に、カバーにおける天壁部の内面形状は、カバーの高さ方向の位置決めやコイルスプリングの案内を行うため複雑な形状に形成されている。そのため、これら複雑な形状を金属で形成するのは煩雑であるうえ精度が劣ってしまい、カバーの高さ方向の位置決めやコイルスプリングの案内を行うことが困難となってしまう。
第2に、組み立て時において、形状記憶合金ワイヤをワイヤ保持部に保持させた後、形状記憶合金ワイヤの余剰部分を切断する作業を行うが、切断残りの部分がワイヤ端子部から飛び出し易い。そのため、カバーを被せた際に、この飛び出た切断残り部分とカバーの内面とが接触してショートする恐れがあった。
【0010】
本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、その目的は、全体の外形サイズ自体を変更することなく、レンズ径の大径化を図ることができる駆動モジュール、及びそれを備えた電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、前記課題を解決するために以下の手段を提供する。
(1)本発明に係る駆動モジュールは、ベース基板に固定された筒状の支持体、該支持体の内側に収容されたレンズ枠、及び該レンズ枠を支持体の軸方向に沿って往復移動させる駆動手段を具備する駆動ユニットと、該駆動ユニットに被着されて該駆動ユニットを覆う有頂筒状のカバーと、を備え、前記駆動手段が、両端部がワイヤ保持部に保持されると共に中間部がレンズ枠の引掛部に掛けられて、ワイヤ保持部を介して給電がなされる形状記憶合金ワイヤを備え、前記カバーが、前記駆動ユニットの外周を径方向の外側から覆い、該駆動ユニットのうち少なくとも前記形状記憶合金ワイヤが配設された側面を塞ぐ金属製の側方カバー部と、前記駆動ユニット及び前記側方カバー部を上方から覆う天井カバー部と、を備え、前記側方カバー部が、前記天井カバー部と前記ベース基板との間に挟まれて、前記軸方向及び前記径方向にそれぞれ位置決めされた状態で固定されることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る駆動モジュールによれば、側方カバー部と天井カバーとでカバーが構成され、そのうち駆動ユニットの外周を径方向の外側から覆う側方カバー部が金属製とされている。従って、従来の樹脂製のものに比べて厚みを薄く(例えば半分程度)したとしても、十分な剛性を確保することができる。そのため、側方カバー部の厚みを薄くすることができ、その分、駆動ユニットのサイズを径方向に大きくすることができる。つまり、駆動モジュール全体の外形サイズを変更することなく、レンズ枠を大径化することができ、該レンズ枠に保持されるレンズをサイズUPしてレンズ径の大径化を図ることができる。
また、上記側方カバー部は、駆動ユニットのうち少なくとも形状記憶合金ワイヤが配設された側面を塞ぐので、形状記憶合金ワイヤの露出を防ぐことができ、外部からの接触や塵埃等の付着を防止できる。
また、金属製の側方カバー部によって駆動ユニットの少なくとも一部分が塞がれるので、駆動ユニットに対する外部からの電磁場の影響を抑制できる。そのため、耐電磁シールド性の向上化を図ることができる。
【0013】
(2)上記本発明に係る駆動モジュールにおいて、前記天井カバー部には、前記駆動ユニットに係止されて該駆動ユニットに対する位置決めがなされる係止部が形成されていることが好ましい。
【0014】
この場合には、係止部を利用して天井カバー部を駆動ユニットに対してより正確に位置決めすることができる。従って、天井カバー部とベース基板との間に側方カバー部をより精度良く挟み込むことができ、側方カバー部を駆動ユニットに対して軸方向及び径方向のいずれに対しても正確に位置決めした状態で固定することができる。そのため、駆動ユニットに対するカバー全体の組み付け精度をより安定させ、さらに高品質な駆動モジュールとすることができる。
【0015】
(3)上記本発明に係る駆動モジュールにおいて、前記天井カバー部には、前記ワイヤ保持部を収容する収容部が形成されていることが好ましい。
【0016】
この場合には、天井カバー部の収容部内にワイヤ保持部を収容できるので、該ワイヤ保持部に保持された形状記憶合金ワイヤの端部(切断残り部分)についても収容部内に収容することができる。これにより、形状記憶合金ワイヤの端部と金属製の側方カバー部とが接触することによるショートの発生を抑えることができる。
【0017】
(4)上記本発明に係る駆動モジュールにおいて、前記ベース基板及び前記天井カバー部の外周縁部には、前記側方カバー部の上端側内面及び下端側内面が接する段差部がそれぞれ形成されていることが好ましい。
【0018】
この場合には、段差部に側方カバー部の上端側内面及び下端側内面を接触させることができるので、側方カバー部の撓み等を抑制してより安定した状態で位置決めすることができると共に、形状記憶合金ワイヤに対して接触し難くなる。
【0019】
(5)上記本発明に係る駆動モジュールにおいて、前記側方カバー部が、環状に形成され、前記駆動ユニットの外周を全周に亘って覆っていることが好ましい。
【0020】
この場合には、側方カバー部が駆動ユニットの外周を全周に亘って覆うので、駆動ユニットに対する外部からの接触や塵埃等の付着を効果的に防止でき、高品質化を図り易い。また、側方カバー部自体の剛性が高まるので、駆動ユニットに対してカバー全体をより安定して被着させ易い。更に、駆動ユニットに対する外部からの電磁場の影響をより効果的に抑制できるので、耐電磁シールド性をさらに高めることができる。
【0021】
(6)上記本発明に係る駆動モジュールにおいて、前記側方カバー部が、前記径方向に離反可能に互いに組み合わされる複数の分割体で構成され、組み合わせ後、複数の分割体の組み合わせ部分が固定手段で固定されていることが好ましい。
【0022】
この場合には、側方カバー部が複数の分割体で構成されているので、駆動ユニットに対してより組みつけ易くなり、カバーの組み付け作業をより効率良く行い易い。
【0023】
(7)上記本発明に係る駆動モジュールにおいて、前記支持体には、前記天井カバー部に向けて固定ピンが突設され、前記天井カバー部には、前記固定ピンが挿通される挿通孔が形成され、前記固定ピンの先端部には、前記挿通孔の径よりも拡径するように外方に張り出すと共に前記挿通孔の開口周縁部に係合して、該固定ピンが前記挿通孔内から抜けることを規制する張出部が形成されていることが好ましい。
【0024】
この場合には、ベース基板との間に側方カバー部を挟み込みながら駆動ユニットに対して天井カバー部を被せると、固定ピンが挿通孔内に挿通された後、固定ピンの先端部に形成された張出部が挿通孔の開口周縁部に係合する。これにより、駆動ユニットに対して天井カバー部を固定することができる。
特に、挿通孔に固定ピンを係合させるだけの簡便な方法で天井カバー部の固定を行えるので、駆動モジュールの組み立て作業の効率化を図ることができる。また、組み立て後において、仮に構成品に何らかの不具合等が生じたり、組み立て不良等が生じていたりしても、上記係合を解除しながら天井カバー部を容易に取り外すことが可能である。従って、速やかに対処することができるうえ、不具合が発生した構成品のみを除去できるので廃棄部品等の低減を図り易く、歩留まりを向上できる。
【0025】
(8)上記本発明に係る駆動モジュールにおいて、前記固定ピンには、前記先端部を該固定ピンの周方向に複数に分割するスリットが形成され、分割された前記各先端部には、前記張出部がそれぞれ形成されていることが好ましい。
【0026】
この場合には、固定ピンの先端部がスリットによって周方向に複数に分割されているので、分割された各先端部を該固定ピンの径方向に弾性変形によって移動させることができる。従って、固定ピンを挿通孔内にスムーズに挿通させることができるうえ、各先端部に形成された張出部を係合させ易い。これにより、組み立て作業がさらに容易になるうえ、天井カバー部の固定がより確実になる。
【0027】
(9)上記本発明に係る駆動モジュールにおいて、前記挿通孔は、第1挿通孔と、該第1挿通孔よりも拡径した第2挿通孔と、を有する段付き孔とされ、前記固定ピンにおける前記張出部は、前記第2挿通孔内に収容された状態で前記第1挿通孔の開口周縁部に係合されていることが好ましい。
【0028】
この場合には、段付き孔とされた挿通孔における第2挿通孔内に固定ピンの張出部が収容されるので、該張出部を目立ち難くすることができ、デザイン性を向上することができる。また、張出部が天井カバー部から突出することがないので、例えば駆動モジュールを実装した際に、他部品への干渉をなくすことができる。
【0029】
(10)上記本発明に係る駆動モジュールにおいて、前記張出部は、前記第2挿通孔内において加締められていることが好ましい。
【0030】
この場合には、固定ピンの張出部が、第2挿通孔内において熱や超音波等により潰されて加締められているので、駆動ユニットに対して天井カバー部をより強固に固定することができ、駆動モジュールの品質を高め易い。
【0031】
(11)上記本発明に係る駆動モジュールにおいて、前記天井カバー部は、樹脂製であることが好ましい。
【0032】
この場合には、天井カバー部が樹脂製であるので、複雑な形状に容易且つ高精度に成形することができ、駆動ユニットに対して正確に位置決めさせ易い。このため、天井カバー部とベース基板との間に側方カバー部を精度良く挟み込むことができ、側方カバー部を駆動ユニットに対して軸方向及び径方向のいずれに対しても正確に位置決めした状態で固定することができる。
これらのことから、駆動ユニットに対するカバー全体の組み付け精度を安定させることができ、高品質な駆動モジュールとすることができる。
【0033】
(12)本発明に係る電子機器は、上記本発明に係る駆動モジュールを備えていることを特徴とする。
【0034】
本発明に係る電子機器によれば、全体の外形サイズ自体を変更することなく、レンズ径の大径化を図ることができる駆動モジュールを備えているので、カメラ性能が向上した高品質な電子機器となる。また、耐電磁シールド性が向上した駆動モジュールでもあるので、外部からの電磁場に影響され難く電子機器自体の動作の信頼性が向上する。
【発明の効果】
【0035】
本発明に係る駆動モジュールによれば、金属製の側方カバー部及び天井カバー部でカバーが構成されているので、全体の外形サイズ自体を変更することなく、レンズ径の大径化を図ることができる。
また、本発明に係る電子機器によれば、上記駆動モジュールを備えているので、カメラ性能が向上した高品質な電子機器とすることができるうえ、外部からの電磁場に影響され難く、電子機器自体の動作の信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係る駆動モジュールの実施形態を示す外観斜視図である。
【図2】図1に示す駆動モジュールの分解斜視図である。
【図3】図2に示す駆動ユニットの分解斜視図である。
【図4】図2に示す天井カバー部の下面側から見た斜視図である。
【図5】図4に示す天井カバー部の下面側から見た平面図である。
【図6】図1に示す状態から側方カバー部を取り外した状態における駆動モジュールの斜視図である。
【図7】駆動モジュールの部分断面図である。
【図8】本発明に係る電子機器の実施形態を示す図であり、(a)はカメラ付き携帯電話の操作面側からの斜視図であり、(b)はカメラ付き携帯電話の裏面側からの斜視図であり、(c)はカメラ付き携帯電話のカメラ部分を模式的に表した断面図である。
【図9】本発明に係る変形例を示す駆動モジュールの外観斜視図である。
【図10】図9に示す駆動モジュールにおいて、側方カバー部を装着する直前の状態を示す斜視図である。
【図11】本発明に係る別の変形例を示す駆動モジュールの外観斜視図である。
【図12】図11に示す駆動モジュールにおいて、接着テープを装着する直前の状態を示す斜視図である。
【図13】本発明に係るさらに別の変形例を示す駆動モジュールの外観斜視図である。
【図14】図13に示す駆動モジュールにおいて、熱収縮テープを装着する直前の状態を示す斜視図である。
【図15】本発明に係るさらに別の変形例を示す駆動モジュールの外観斜視図である。
【図16】図15に示す駆動モジュールにおいて、熱収縮テープを装着する直前の状態を示す斜視図である。
【図17】本発明に係るさらに別の変形例を示す駆動モジュールの外観斜視図である。
【図18】図17に示す駆動モジュールの分解斜視図である。
【図19】図18に示す天井カバー部の部分断面図である。
【図20】図17に示す駆動モジュールの部分断面図である。
【図21】図20に示す固定ピンの張出部を加締めた場合における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明に係る駆動モジュール及び電子機器の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0038】
[駆動モジュール]
本実施形態では、カメラにおける図示せぬレンズユニットの駆動モジュールを例にして説明する。
【0039】
図1に示す本実施形態の駆動モジュール1は、全体として箱型に構成されている。
この駆動モジュール1は、組み立て完成後、駆動モジュール1に制御信号や電力を供給する図示せぬ基板上に固定されて電子機器等に取り付けられるものである。
駆動モジュール1の概略構成としては、図2に示すように、図示せぬアダプタ上に配設される駆動ユニット2と、駆動ユニット2に被着されて駆動ユニット2を覆う有頂筒状のカバー3と、後述する駆動ユニット2のレンズ枠6を付勢するコイルスプリング4と、を備えている。
【0040】
なお、図中の鎖線Oは、後述する駆動ユニット2のモジュール枠5の中心軸線を示しており、この軸線Oは、図示せぬレンズユニットの光軸に一致する駆動モジュール1の軸線である。そして、駆動モジュール1は、図示せぬレンズユニットを軸線Oに沿って駆動されるものである。
以下の説明では、分解された各構成品の説明においても、組立時の軸線Oとの位置関係に基づいて、位置や方向を参照する場合がある。例えば、構成品に明確な円、円筒面が存在しない場合でも、誤解の恐れのない限り、軸線Oに沿う方向を単に「軸方向」と称し、軸線Oを中心とする円の径方向を単に「径方向」と称し、軸線Oを中心とする円の周方向を単に「周方向」と称する場合がある。また、特に断らない限り、軸方向一方側(図1における上側)を「上」とし、軸方向他方側(図1における下側)を「下」とする。
【0041】
(駆動ユニット)
図3に示すように、駆動ユニット2には、筒状のモジュール枠(支持体)5と、モジュール枠5の内側に収容されてモジュール枠5と同軸に配設された筒状のレンズ枠6と、モジュール枠5及びレンズ枠6の上に配設された上板ばね7と、モジュール枠5及びレンズ枠6の下に配設された下板ばね8と、下板ばね8の下に配設されたモジュール下板9(ベース基板)と、モジュール下板9と下板ばね8との間に介在された中間部材10と、レンズ枠6をモジュール枠5に対して相対的に上下方向(モジュール枠5の軸方向)に沿って往復移動させる駆動手段11(図2参照)と、が備えられている。
【0042】
上記したレンズ枠6はモジュール枠5の内方に上下方向に移動可能に配設されている。そして、これらモジュール枠5及びレンズ枠6の上面には、下から順に上板ばね7、絶縁部材14及び一対の給電部材13A,13Bが積層されており、また、モジュール枠5及びレンズ枠6の下面には、上から順に下板ばね8、中間部材10及びモジュール下板9が積層されている。
また、上記した駆動手段11は、モジュール枠5の外周面に沿って延設されていると共にレンズ枠6に係合する図2に示す形状記憶合金(Shape Memory Alloy、以下、SMAと略称する)ワイヤ12と、上板ばね7の上方に配設された一対の給電部材13A,13Bと、を備えている。
【0043】
次に、上記した駆動ユニット2の各構成品について詳細に説明する。
モジュール枠5は、図3に示すように、内側にレンズ枠6を収容する環状部材であって、そのレンズ枠6を上板ばね7及び下板ばね8を介して支持する支持体である。モジュール枠5全体の外形は平面視矩形状に形成されており、このモジュール枠5の上端面(及び下端面)の四隅部分の近傍には、軸方向に沿って延在する固定ピン51(52)がそれぞれ突設されている。
また、モジュール枠5の上端面(下端面)のうち、モジュール枠5における一方の対角部分には、軸方向に沿って延在する位置決めピン54(55)がそれぞれ突設されている。また、モジュール枠5の上端面(及び下端面)のうち、モジュール枠5における他方の対角部分の片方、つまり、位置決めピン54(55)が突設されていない隅部には、軸方向に延在する切欠き部50が形成されている。
【0044】
また、モジュール枠5の内周部は平面視円形状に形成されている。そして、モジュール枠5の内周面には、モジュール枠5の下端面から上端面にかけて延在する4つの平面視略円弧状のガイド溝53が形成されている。これら4つのガイド溝53は、軸線O周りに略90度の間隔をおいて回転対称に配設されている。
【0045】
なお、モジュール枠5は、熱加締め又は超音波加締めが可能な熱可塑性樹脂、例えばポリカーボネート(PC)、液晶ポリマー(LCP)樹脂等により一体成形されている。
【0046】
レンズ枠6は、駆動手段11によって駆動される被駆動体であり、モジュール枠5に対して相対的に軸方向に往復移動可能とされた部材である。このレンズ枠6は、鏡筒の内側にレンズ又はレンズ群が保持された図示せぬレンズユニットを保持する筒状部材であり、全体として円筒形状に形成されている。このレンズ枠6の内周面には図示せぬ雌ねじが形成されており、この雌ねじに上記した鏡筒の外周面に形成された雄ねじが螺合されることでレンズ枠6の内側に上記したレンズユニットが装着される。
【0047】
レンズ枠6の外周面には、径方向外側に突出すると共に軸方向に沿って延在した4つの凸条部60が設けられている。これら4つの凸条部60は、モジュール枠5のガイド溝53に嵌め込まれるガイド部であり、レンズ枠6の外周面のうちのガイド溝53に対応する位置、つまり、軸線O周りに略90度の間隔をおいた4箇所に凸条部60がそれぞれ配設されている。
この凸条部60の上端面(下端面)はレンズ枠6の上端面(下端面)と面一に形成されており、その凸条部60の上端面(及び下端面)には、軸方向に沿って延在する固定ピン61(62)が突設されている。
【0048】
また、レンズ枠6の外周面には、レンズ枠6の径方向外側に突出した突出部63が突設されている。この突出部63は、レンズ枠6の移動方向を案内するガイド部であると共にコイルスプリング4の下端に係合してコイルスプリング4の反力を受けるコイル係合部である。
突出部63は、複数の凸条部60のうちの1つの凸条部60Aの側方から突出されており、モジュール枠5の切欠き部50の内側に嵌め込まれている。また、突出部63の上端面はレンズ枠6の上端面よりも下方に形成されており、突出部63の先端部はレンズ枠6の下端面よりも下方に垂下されている。
【0049】
上記した突出部63の先端面には、SMAワイヤ12の中間部を掛ける引掛部64が形成されている。引掛部64は下向きに開いた切り込み部であり、この引掛部64にはSMAワイヤ12の中間部が下方から引っ掛けられている。
また、突出部63の先端部の上端面には、コイルスプリング4の内側に挿通されるコイルガイドピン65が突設されている。このコイルガイドピン65は、軸方向に沿って延在する円柱形状のピンであり、コイルガイドピン65の先端部は上方に向かって漸次縮径された円錐台形状に形成されている。
なお、上記コイルスプリング4によって、SMAワイヤ12が周囲環境条件等により収縮してレンズ枠6を上昇させようとする動きを抑制することが可能とされている。
【0050】
なお、レンズ枠6は、熱加締め又は超音波加締めが可能な熱可塑性樹脂、例えばポリカーボネート(PC)や液晶ポリマー(LCP)樹脂等により成形されている。
【0051】
上板ばね7及び下板ばね8は、図3に示すように、レンズ枠6を軸方向に移動可能に弾性保持する平板状の板ばね部材であり、平面視略同一形状に打ち抜かれた例えばステンレス(SUS)鋼板等の金属板からなる。上板ばね7(下板ばね8)の外形は、モジュール枠5の上端部(下端部)の外形とほぼ同様な平面視略矩形状に形成されている。また、上板ばね7(下板ばね8)は、全体としてリング状に形成されており、上板ばね7(下板ばね8)の中央部には、軸線Oと同軸でレンズ枠6の内側より僅かに大きな円状の開口77(87)が形成されている。
【0052】
詳しく説明すると、上板ばね7(下板ばね8)は、モジュール枠5の上端面(下端面)に重ねて連結された枠状の枠体部70(80)と、その枠体部70(80)の径方向内側に配設された状態でレンズ枠6の上端面(下端面)に重ねて連結されたリング部71(81)と、枠体部70(80)とリング部71(81)とに両端部がそれぞれ接続され、両者を連結するばね部72(82)と、を備えている。
【0053】
枠体部70(80)の四隅部近傍には、モジュール枠5の上側の固定ピン51(下側の固定ピン52)の配置位置に対応して、各固定ピン51(52)がそれぞれ挿通可能な4つの貫通孔73(83)が形成されている。また、略矩形状の枠体部70(80)における一方の対角部分には、モジュール枠5の位置決めピン54(55)が挿通可能な位置決め孔74(84)がそれぞれ形成されている。
【0054】
リング部71(81)は、その外周から半径方向外側に張り出した4つの張出部75(85)を備えている。各張出部75(85)は、リング部71(81)の周方向に等角度間隔で配置されている。各張出部75(85)には、レンズ枠6の上側の固定ピン61(下側の固定ピン62)の配置位置に対応して、各固定ピン61(62)にそれぞれ挿通可能な貫通孔76(86)が形成されている。
【0055】
ばね部72(82)は、略円弧状に形成された帯状部であり、リング部71(81)と枠体部70(80)との間に配設されている。そして、ばね部72(82)の一端部は張出部75(85)においてリング部71(81)に接続され、他端部は隣接する張出部75(85)の近傍で枠体部70(80)に接続されている。
【0056】
上記した上板ばね7は、リング部71側の貫通孔76の内側にレンズ枠6の上側の固定ピン61を挿通させた状態でその固定ピン61の上端部を熱や超音波で潰して加締めることでレンズ枠6に固定されている。また、上記した下板ばね8は、リング部81側の貫通孔86の内側にレンズ枠6の下側の固定ピン62を挿通させた状態で固定ピン62の下端部を熱や超音波で潰して加締めることでレンズ枠6に固定されている。
【0057】
モジュール下板9は、図3に示すように、電気絶縁性及び遮光性を有する樹脂材料で形成された板材であり、その外形はモジュール枠5の外形よりも一回り大きい平面視矩形状に形成されている。また、モジュール下板9は、全体としてリング状に形成されており、その中央には図示せぬレンズユニットを出し入れ可能な大きさの平面視円形の開口90が形成されている。
【0058】
モジュール下板9の四隅には、モジュール枠5の下側の固定ピン52が挿入される貫通孔91と、レンズ枠6の下側の固定ピン62との干渉を回避する凹部92とが形成されている。また、略矩形状のモジュール下板9における一方の対角線の両端部には、モジュール枠5の下側の位置決めピン55と嵌合する一対の位置決め孔93が形成されている。また、モジュール下板9の四辺のうちの1辺における外縁部には、後述する外部接続端子131の先端部側を保持する保持溝94が形成されている。また、モジュール下板9の外周縁部には、後述する側方カバー部30の下端側内面が接する段差部95が全周に亘って形成されている。
なお、モジュール下板9の下面は、駆動モジュール1を実装する際の基準取付面として機能する。
【0059】
中間部材10は、図3に示すように、下板ばね8とモジュール下板9との間に介在された板材であり、その外形は下板ばね8の外形とほぼ同様な平面視矩形状に形成されている。また、中間部材10は、全体としてリング状に形成されており、中間部材10の中央部には、下板ばね8の開口87とほぼ同形状の開口101が形成されている。中間部材10の厚さは、下板ばね8の厚さより厚く形成されている。そして、モジュール下板9の硬度より中間部材10の硬度の方が下板ばね8の硬度に近くなるように、中間部材10が形成されている。
【0060】
本実施形態では、モジュール下板9が樹脂材料で形成されているのに対して、中間部材10および下板ばね8はともにステンレス等の金属材料で形成されている。すなわち中間部材10の硬度は、下板ばね8の硬度と同じであり、モジュール下板9の硬度より高くなっている。なお各部材の硬度は、日本工業規格(JIS)G0202に規定されたロックウエル硬さで定義することができる。
【0061】
また、中間部材10の内縁には、レンズ枠6の下側の固定ピン62との干渉を回避する平面視円弧状の切欠き部102が形成されている。この切欠き部102は、中間部材10の内縁のうちのレンズ枠6の下側の固定ピン62に対応する位置、つまり、軸線O周りに略90度の間隔をおいた4箇所にそれぞれ配設されている。
また、中間部材10の四隅部近傍には、モジュール枠5の下側の固定ピン52の配置位置に対応して、各固定ピン52がそれぞれ挿通可能な4つの貫通孔103が形成されている。また、中間部材10における一方の対角部分には、モジュール枠5の下側の位置決めピン55が挿通可能な位置決め孔104がそれぞれ形成されている。
【0062】
なお、上記した下板ばね8の枠体部80側の貫通孔83、中間部材10の貫通孔103及びモジュール下板9の貫通孔91はそれぞれ平面視において互いに一致する位置に配設されており、これらの貫通孔83,103,91は連通されている。そして、これらの貫通孔83,103,91の内側にモジュール枠5の下側の固定ピン52を挿通させた状態で、その固定ピン52の下端部を熱や超音波で潰して加締めることで、下板ばね8、中間部材10及びモジュール下板9が積層された状態で纏めてモジュール枠5に固定されている。
【0063】
一対の給電部材13A,13Bは、図2に示すように上板ばね7とカバー3との間に配設され、SMAワイヤ12に電力を供給すると共に該SMAワイヤ12の端部をそれぞれ保持する部材である。
これら給電部材13A,13Bは、図3に示すように上板ばね7及び絶縁部材14を間に挟んだ状態でモジュール枠5の上端面に積層された板状の導電板130A,130Bと、導電板130A,130Bに一体的に連設されると共にモジュール下板9に向けて略90度折曲された外部接続端子131と、導電板130A,130Bに一体的に連設されると共に上方(後述する天井カバー部40側)に向けて略90度折曲され、SMAワイヤ12の端部を保持するワイヤ保持端子132と、をそれぞれ備えている。
【0064】
本実施形態では、一対の給電部材13A,13Bの導電板130A,130Bの形状がそれぞれ異なっている。具体的には、一方の導電板130Aはモジュール枠5の上端面の形状に沿い、且つ大きく2回屈曲した平面視コ形状に形成され、他方の導電板130Bはモジュール枠5の上端面の形状に沿い、且つ屈曲の無い平面視ストレート形状に形成されている。
そして、これら一対の導電板130A,130Bは、モジュール枠5の上端面のうち、一方の対角部分を結ぶ対角線L(位置決めピン54A、54Bを結ぶ線)を挟んで略半分の領域側(切欠き部50が形成されていない側)だけに積層されている。
【0065】
一方の導電板130Aには、モジュール枠5における切欠き部50の対角側(切欠き部50に対して軸線Oを挟んで径方向の反対側)の隅部に位置する固定ピン51Aと、上記対角線L近傍に位置する一方の固定ピン51Bと、をそれぞれ貫通させる2つの貫通孔133が形成されていると共に、上記対角線L上に位置する一方の位置決めピン54Aを貫通させる位置決め孔134が形成されている。
他方の導電板130Bには、上記対角線L近傍に位置する他方の固定ピン51Cを貫通させる貫通孔133が形成されていると共に、上記対角線L上に位置する他方の位置決めピン54Bを貫通させる位置決め孔134が形成されている。そして、これら一対の導電板130A,130Bは、上述した各固定ピン51A〜51C(連結ピン)を利用してモジュール枠5に一体的に固定される。
【0066】
外部接続端子131は、周方向に間隔を開けて平行に並ぶように各導電板130A,130Bにそれぞれ連設されている。これら外部接続端子131は、モジュール枠5における切欠き部50の対角側の隅部と上記した他方の位置決めピン54Bが配設された隅部との間に位置するモジュール枠5の側壁部56Aの外面に接すると共に、その先端部がモジュール下板9の外縁部に形成された保持溝94内に入り込んで嵌合保持されている。
なお、外部接続端子131は、モジュール下板9よりも下方に突出するように長さ調整されている(図2参照)。
【0067】
ワイヤ保持端子132は、モジュール枠5の4つの側壁部56A〜56Dのうち切欠き部50を挟んで周方向に隣接する2の側壁部56B,56Cの上方に位置するように各導電板130A,130Bにそれぞれ連設されている。つまり、ワイヤ保持端子132は、位置決め孔54A,54B近傍にて導電板130A,130Bに連設されている。
また、ワイヤ保持端子132の先端部は、モジュール枠5の上端面よりも上方に突出した位置で折り返され、加締められることでSMAワイヤ12の端部を保持するワイヤ保持部132aとされている。
【0068】
絶縁部材14は、図3に示すように、上板ばね7と一対の導電板130A,130Bとの間に積層される絶縁シートであり、一対の導電板130A,130Bを2つ合わせた形状に形成されている。
そして、この絶縁部材14には、一対の導電板130A,130Bにそれぞれ形成された貫通孔133及び位置決め孔134に対応して、モジュール枠5の固定ピン51A〜51Cを貫通させる3つの貫通孔141と、2つの位置決めピン54A,54Bを貫通させる2つの位置決め孔142と、がそれぞれ形成されている。
【0069】
また、絶縁部材14には、カバー3を構成する側方カバー部30の被着に伴って折曲されて外部接続端子131と側方カバー部30との間に介在される折曲シート部144が形成されている。この折曲シート部144は、折曲前の状態において、一対の外部接続端子131の間の間隔よりも幅狭とされた連結部143を介して外部接続端子131よりも径方向外側に配設されており、これら連結部143及び折曲シート部144は、全体として平面視略T字状に形成されている。
そして、側方カバー部30の被着時に、一対の外部接続端子131のうちモジュール枠5の側壁部56Aの外面に接する部分を覆い隠して保護し、側方カバー部30と外部接続端子131との直接的な接触を規制している(図2参照)。
【0070】
SMAワイヤ12は、通電時の発熱によって収縮変形するワイヤであり、上記した一対のワイヤ保持部132aによって両端部が保持されていると共に、中間部がレンズ枠6の引掛部64に下方から係止されており、モジュール枠5の外周面に沿って略V字状に屈曲されている。
【0071】
(カバー)
図2に示すように、カバー3は、駆動ユニット2の外周を径方向の外側から全周に亘って覆う側方カバー部30と、モジュール枠5の軸方向上側に配設され、駆動ユニット2及び側方カバー部30を覆う樹脂製の天井カバー部40と、を備えている。
【0072】
側方カバー部30は、駆動ユニット2を内側に収容して、SMAワイヤ12が配設された2側面(モジュール枠5における側面56B、56Cに対応した面)及び残りの2側面(モジュール枠5における56A、56Dに対応した面)を塞ぐ角筒状の金属製部材であり、例えばステンレス(SUS)鋼板からなる。この側方カバー部30は、天井カバー部40と駆動ユニット2の下板モジュールとの間に挟まれて、軸方向及び径方向にそれぞれ位置決めされた状態で固定される。
なお、側方カバー部30の下端部の内側にモジュール下板9が位置している。また、側方カバー部30は、天井カバー部40及び下板モジュールの外周縁部にそれぞれ形成された段差部45、95に上端側内面及び下端側内面が接することで確実に位置決めがされている。
【0073】
天井カバー部40は、軸線Oに対して垂直に配設された平面視矩形状の樹脂製部材であり、例えばポリカーボネート(PC)、液晶ポリマー(LCP)樹脂等の熱可塑性樹脂からなる。詳細には、天井カバー部40は、その外形が角筒状の側方カバー部30と略同形状に形成され、その中央には図示せぬレンズユニットを出し入れ可能な大きさの平面視円形状の開口41が形成されている。
また、この開口41を径方向から挟む対角部分には、モジュール枠5の上側の4つの固定ピン51のうち、切欠き部50の近傍に位置する固定ピン51D及びこの固定ピン51Dに対して軸線Oを挟んで径方向の反対側に位置する固定ピン51Aの2本のピンの配置位置に対応してこれら固定ピン51A、51Dが挿通可能な2つの貫通孔42が形成されている。
【0074】
また、天井カバー部40の下面には、図2、図4及び図5に示すように、駆動ユニット2の上面に係止される係止部43が下向きに突設されている。これら係止部43は、天井カバー部40の四隅付近に配置されており、駆動ユニット2の上板ばね7の枠体部70に当接することで上記係止がなされる。この際、各係止部43は、モジュール枠5の上側の4つの固定ピン51に対して干渉が回避される位置に形成されている。
また、係止部43のうち、レンズ枠6のコイルガイドピン65に対応する部分に位置する係止部43には、コイルガイドピン65及びコイルスプリング4を収容するコイルガイド孔44が形成されている。このコイルガイド孔44は、平面視円形状の開口が形成された窪みである。
なお、上記貫通孔42は、係止部43を通じて上下に貫通している。
【0075】
天井カバー部40の外周縁部には、側方カバー部30の上端側内面が接する段差部45が全周に亘って形成されている。そして、係止部43における外面の一部分は、この段差部45に接した側方カバー部30の内面がさらに接してガイドされるガイド壁部として機能する。
天井カバー部40の下面には、レンズ枠6の上側の固定ピン51の配置位置に対応して4つの窪み部46が形成されている。これら窪み部46は、固定ピン51の加締められた部分との干渉を回避するための窪みである。
【0076】
更に、天井カバー部40の外周縁部には、SMAワイヤ12の両端部を保持する一対のワイヤ保持端子132におけるワイヤ保持部132aをそれぞれ収容する収容部47が形成されている。
この収容部47は、ワイヤ保持端子132の位置に対応する部分、つまり、平面視矩形状の天井カバー部40における対角部分の側面にそれぞれ形成されている。具体的には、天井カバー部40の隅部において、係止部43の外面に隣接した位置に平面視円弧状の壁部48が突設されている。これら壁部48は、係止部43よりもその高さが低く、コイルガイド孔44側に開口した状態で形成されている。そして、この壁部48と係止部43とで囲まれる空間部分が収容部47とされ、SMAワイヤ12の中間部側を前方とし、SMAワイヤ12の端側を後方とすると、ワイヤ保持部132aの後方、上方及び側方をそれぞれ囲うことが可能とされ、それによりワイヤ保持部132aを下方から嵌め込み可能となっている。(図6参照。なお図6は、図1に示す状態から側方カバー部30を取り外した状態を示す図である。)
【0077】
上記した構成の天井カバー部40は、係止部43の下面が駆動ユニット2の上面、即ち上板ばね7の枠体部70の上面に当接して係止されることで、駆動ユニット2に対する軸方向及び径方向の位置決めがなされる。そのため、天井カバー部40とモジュール下板9との間に挟まれる側方カバー部30についても、駆動ユニット2に対する軸方向及び径方向の位置決めがなされる。
【0078】
なお、上記した天井カバー部40の貫通孔42の内側にモジュール枠5の上側の2本の固定ピン51A、51Dを挿通させた状態で、それら固定ピン51A、51Dの上端部を熱や超音波で潰して加締めることで、図1に示すように、天井カバー部40は側方カバー部30を挟みこんだ状態でモジュール枠5に固定されている。
【0079】
(コイルスプリング)
コイルスプリング4は、レンズ枠6をモジュール枠5に対して相対的に軸方向に沿って付勢する付勢部材であり、軸方向に沿って延設された公知のコイルバネからなる。このコイルスプリング4は、図2、図6及び図7に示すように、上記したコイルガイド孔44の内側に挿通されており、その内側にはレンズ枠6のコイルガイドピン65が下方から挿入されている。また、コイルスプリング4の下端は、レンズ枠6の突出部63の先端部の上面に係止され、コイルスプリング4の上端は、天井カバー部40のコイルガイド孔44の奥壁部に係止されており、これら突出部63と奥壁部との間にコイルスプリング4が軸方向に圧縮された状態で介装されている。
なお、このコイルスプリング4は、図2に示すように、コイルガイドピン65内に挿入し、その後、天井カバー部40を被せることで突出部63とコイルガイド孔44の奥壁との間に介装される。
【0080】
[駆動モジュールの動作]
次に、上記した構成の駆動モジュール1の動作について説明する。
【0081】
はじめに、一対の給電部材13A,13Bの外部接続端子131に電力が供給されていない状態では、レンズ枠6に対してコイルスプリング4からの付勢力のみが作用している。このとき、レンズ枠6の下方への移動は、モジュール下板9によって規制されている。このコイルスプリング4の働きにより、周囲環境温度に起因してSMAワイヤ12が収縮したとしても、レンズ枠6の浮き上がりを抑制することができると共にレンズ枠6を駆動の基準位置に位置決めさせることができる。
【0082】
次に、一対の給電部材13A,13Bの外部接続端子131にスタンバイ用の電力を供給すると、SMAワイヤ12が所定温度に発熱して収縮する。これにより、レンズ枠6が上方に移動し、SMAワイヤ12の張力とコイルスプリング4の付勢力とが釣り合った所定位置(スタンバイ位置)で停止する。
続いて、給電部材13に駆動用の電力を供給すると、電力量に応じてSMAワイヤ12が発熱して伸縮する。これにより、コイルスプリング4、上板ばね7及び下板ばね8からの弾性復元力がSMAワイヤ12の張力と釣り合う位置まで、レンズ枠6を軸方向に移動させることができる。
【0083】
すなわち、給電部材13に電力を供給すると、SMAワイヤ12に電流が流れてジュール熱が発生し、SMAワイヤ12の温度が上昇する。そして、SMAワイヤ12の温度が変態開始温度を超えると、SMAワイヤ12が温度に応じた長さに収縮する。SMAワイヤ12の両端部が、モジュール枠5の上端面より上方に位置する一対の給電部材13A,13Bのワイヤ保持部132aにそれぞれ保持され、SMAワイヤ12の中間部が、レンズ枠6の突出部63に係止されているので、SMAワイヤ12の収縮によって突出部63に発生力(駆動力)を及ぼし、レンズ枠6を軸方向に沿って上方に移動させることができる。
【0084】
また、レンズ枠6が移動すると、コイルスプリング4、上板ばね7及び下板ばね8が変形し、この変形量に応じた弾性復元力がレンズ枠6に作用する。この弾性復元力がSMAワイヤ12の張力と釣り合う位置で、レンズ枠6の移動が停止する。そして、給電部材13への電力供給量を調整し、SMAワイヤ12の発熱量を制御することで、レンズ枠6を上下方向に移動させ、所定位置で停止させることができる。
【0085】
〔駆動モジュールの組み立て〕
次に、上記した駆動モジュール1の組立方法について、以下に説明する。
【0086】
まず、モジュール枠5の内側に下方からレンズ枠6を挿入し、モジュール枠5の上端面と、レンズ枠6の上端面とを同一高さに揃えた状態で、レンズ枠6とモジュール枠5とを仮固定しておく。
続いて、モジュール枠5の上端面及びレンズ枠6の上端面に上板ばね7を積層する。この際、レンズ枠6の上側の固定ピン61に上板ばね7のリング部71側の貫通孔76を挿通すると共に、モジュール枠5の上側の固定ピン51及び位置決めピン54に上板ばね7の枠体部70側の貫通孔73及び位置決め孔74をそれぞれ挿通しながら、上板ばね7を積層する。これにより、モジュール枠5及びレンズ枠6に対して、上板ばね7を正確に位置決めしながら積層できる。
【0087】
その後、上板ばね7の貫通孔76を貫通して上方に突き出されたレンズ枠6の上側の固定ピン61の先端部を加締め、レンズ枠6と上板ばね7とを組み合わせる。この際、レンズ枠6の上端面とモジュール枠5の上端面とは、同一平面上に整列されており、平板状の上板ばね7を変形させることなく配置して加締め作業を行うことができる。そのため、変形する上板ばね7を押さえる必要がないので、加締め作業を容易に行うことができると共に、上板ばね7の変形による浮き等の発生を防止することができる。
【0088】
続いて、モジュール枠5の下端面及びレンズ枠6の下端面に下板ばね8を積層する。この際、レンズ枠6の下側の固定ピン62に下板ばね8のリング部81側の貫通孔86を挿通させ、モジュール枠5の下側の固定ピン52に下板ばね8の枠体部80側の貫通孔83を挿通させ、モジュール枠5の下側の位置決めピン55に下板ばね8の位置決め孔84を挿通させながら、下板ばね8を積層する。これにより、モジュール枠5及びレンズ枠6に対して、下板ばね8を正確に位置決めしながら積層できる。
【0089】
その後、下板ばね8の貫通孔86を貫通して下方に突き出されたレンズ枠6の下側の固定ピン62の先端部を加締め、レンズ枠6と下板ばね8とを組み合わせる。この際、レンズ枠6の上端面と下端面との間の軸線方向距離と、モジュール枠5の上端面と下端面との間の軸線方向距離とは等しいため、モジュール枠5及びレンズ枠6の下端面同士は同一平面上に整列されており、平板状の下板ばね8を変形させることなく加締め作業を行える。
【0090】
続いて、レンズ枠6に組み合わされた下板ばね8に対して中間部材10及びモジュール下板9をさらに積層する。この際、下板ばね8の下方に突き出されたモジュール枠5の固定ピン52に中間部材10及びモジュール下板9の貫通孔103,91を挿通させ、下板ばね8の下方に突き出されたモジュール枠5の位置決めピン55に中間部材10及びモジュール下板9の位置決め孔104,93を挿通させながら、中間部材10及びモジュール下板9を積層する。これにより、モジュール枠5に対して、中間部材10及びモジュール下板9を正確に位置決めしながら積層できる。
【0091】
その後、モジュール下板9の貫通孔91を貫通して下方に突き出されたモジュール枠5の下側の固定ピン52の先端部を加締める。これにより、モジュール枠5と下板ばね8と中間部材10とモジュール下板9とを一体的に組み合わせることができる。
なお、モジュール下板9には凹部92が形成されているため、先ほど下板ばね8を固定するために加締められたレンズ枠6の下側の固定ピン62は、モジュール下板9に接触することがない。また、モジュール下板9の下面に凹部が形成され、その凹部内にモジュール下板9の貫通孔91の下端が開口されており、モジュール枠5の下側の固定ピン52の先端部が上記凹部内に収まっているため、加締め後の固定ピン52の先端部がモジュール下板9の下面よりも下方に突出することがない。
【0092】
続いて、レンズ枠6に組み合わされた上板ばね7に対して絶縁部材14及び一対の給電部材13A,13Bの導電板130A,130Bをさらに積層する。この際、上板ばね7の上方に突き出されたモジュール枠5の上側の固定ピン51に、絶縁部材14及び給電部材13A,13Bの貫通孔141,133を挿通させ、上板ばね7の上方に突き出されたモジュール枠5の上側の位置決めピン54に、絶縁部材14及び給電部材13A,13Bの位置決め孔142,134を挿通させながら絶縁部材14及び一対の導電板13A,13Bを積層する。
これにより、モジュール枠5に対して、絶縁部材14及び一対の給電部材13A,13Bを正確に位置決めしながら積層できる。この際、一対の給電部材13A,13Bの外部接続端子131の先端部は、モジュール下板9の外縁部に形成された保持溝94内に嵌め込んでおく。
【0093】
続いて、SMAワイヤ12の固定作業を行う前に、モジュール枠5の4つの固定ピン51のうち固定ピン51B、51Cを加締めて、一対の給電部材13A、13Bの導電板130A、130Bをそれぞれモジュール枠5に対して固定させる。
こうすることで、以下に説明するSMAワイヤ12の固定時にワイヤ保持部132aを安定させることができ、SMAワイヤ12の固定作業をスムーズに行い易い。特に、ワイヤ保持部132aと導電板130A、130Bとの連設部分近傍を固定できるので、ワイヤ保持部132aの安定化を図り易い。
【0094】
続いて、SMAワイヤ12の固定作業を行う。
具体的には、SMAワイヤ12の中間部をレンズ枠6の突出部63に形成された引掛部64に引っ掛けた状態で、SMAワイヤ12の端部をそれぞれ一対の給電部材13A,13Bのおけるワイヤ保持端子のワイヤ保持部132aに適宜巻きつける。この際、SMAワイヤ12が所定の張力となるようにテンション調整しながら行う。そして、ワイヤ保持部132aを加締めて、SMAワイヤ12の両端部を保持する。これにより、図2に示す状態となり、駆動ユニット2の組み立てが完了する。
【0095】
続いて、駆動ユニット2に対してカバー3を被着させる作業を行う。
まず、駆動ユニット2のコイルガイドピン65にコイルスプリング4を被せた後、駆動ユニット2に対して側方カバー部30を被せて、側方カバー部30とモジュール下板9とを組み合わせる。この際、モジュール下板9に段差部95が形成されているので、この段差部95に側方カバー部30の下端側内面が接し、安定した状態で側方カバー部30を被せることができる。また、側方カバー部30を被せることで、絶縁部材14の折曲シート部144が折り曲げられて、側方カバー部30と一対の外部接続端子131との間に介在する。そのため、金属製の側方カバー部30と外部接続端子131との直接的な接触が防止される。
【0096】
続いて、駆動ユニット2に対して天井カバー部40を被せて積層する。この際、上方に突き出されたモジュール枠5の上側の残り2本の固定ピン51A、51Dに、天井カバー部40の貫通孔42を挿通させると共に、コイルスプリング4及びコイルガイドピン65を天井カバー部40のコイルガイド孔44に挿通させながら天井カバー部40を積層する。天井カバー部40を被せることで、下方に突起した係止部43の外面が側方カバー部30の内面に接すると共に、天井カバー部40の段差部45に側方カバー部30の上端側内面が接する。これにより、側方カバー部30は、天井カバー部40とモジュール下板9との間に挟まれた状態となる。
また、天井カバー部40の上記係止部43が駆動モジュールの上板ばね7の枠体部70に当接して係止する。これにより、天井カバー部40が駆動ユニット2に対して確実に位置決めされ、それにより側方カバー部30も同様に駆動ユニット2に対して確実に位置決めされる。また、天井カバー部40を被せることで、SMAワイヤ12を保持しているワイヤ保持部132aが収容部47内に収容される。
【0097】
そして、天井カバー部40を被せた後、貫通孔42内を挿通された固定ピン51A、51Dの先端部を加締めて、天井カバー部40を固定する。これにより、駆動モジュール1の組み立てが完了し、図1に示す駆動モジュール1を得ることができる。
なお、駆動モジュール1を実装する場合には、モジュール下板9の下面に図示しないアダプタを取り付け、該アダプタを介して図示しない制御基板上等に実装すれば良い。制御基板上への取り付けは、接着、嵌め込み等の固定手段を採用することができる。
【0098】
[駆動モジュールの作用効果]
特に、本実施形態の駆動モジュール1によれば、下記の作用効果を奏効することができる。
側方カバー部30が金属製であるので、従来の樹脂製のものに比べて厚みを薄く(例えば半分程度)したとしても、十分な剛性を確保することができる。そのため、側方カバー部30の厚みを薄くすることができ、その分、駆動ユニット2のサイズを径方向に大きくすることができる。つまり、駆動モジュール1全体の外形サイズを変更することなく、レンズ枠6を大径化することができ、該レンズ枠6に保持されるレンズユニットをサイズUPしてレンズ径の大径化を図ることができる。
【0099】
また、側方カバー部30は駆動ユニット2の外周を全周に亘って覆うので、SMAワイヤ12の露出を防ぐことができると共に、駆動ユニット2に対する外部からの接触や塵埃等の付着を効果的に防止できる。また、駆動ユニット2に対する外部からの電磁場の影響を抑制できるので、電磁シールドの要求に対応でき、耐電磁シールド性の向上化を図ることができる。
【0100】
ところで、側方カバー部30とは異なり天井カバー部40については依然として樹脂製であるので、複雑な形状に容易且つ高精度に成形することができ、係止部43、コイルガイド孔44、窪み部46や収容部47等をそれぞれ精度良く形成することが可能である。
従って、係止部43を利用して天井カバー部40を駆動ユニット2に対して正確に位置決めすることができる。このため、天井カバー部40とモジュール下板9との間に側方カバー部30を精度良く挟み込むことができ、側方カバー部30を駆動ユニット2に対して軸方向及び径方向のいずれに対しても正確に位置決めした状態で固定できる。
これらの事から、駆動ユニット2に対するカバー3全体の組み付け精度を安定させることができ、高品質な駆動モジュール1とすることができる。
【0101】
特に、側方カバー3が筒状であるので、側方カバー部30自体の捩じれ等も生じ難く剛性が高まるので、駆動ユニット2に対してカバー3を被着させ易い。また、天井カバー部40及びモジュール下板9にそれぞれ形成された段差部95、45に側方カバー部30の上端側内面及び下端側内面を接触させることができるので、側方カバー部30の撓み等を抑制してより安定した状態で位置決めすることができると共に、SMAワイヤ12に対して接触し難くなる。
【0102】
また、本実施形態によれば、駆動ユニット2に対してカバー3を組み付ける際に、接着剤による接着作業を不要とすることができる。
従来、カバー3を固定する場合、モジュール下板9とカバー3との間に接着剤を塗布し、この接着剤の硬化による接着によってなされるものであった。しかしながらこの場合には、硬化した接着剤がカバー表面よりも凸となり易く、駆動モジュール1の外形サイズが規定値に収まらない場合があるうえ、接着剤の使用量や硬化時間等の各種の接着条件に応じて接着強度にばらつきが生じ易く、工程管理に手間がかかり易かった。
【0103】
この点、本実施形態の駆動モジュール1では、上記したように接着剤を用いることなくカバー3を被着できるので、上記した問題点を無くすことができ、駆動モジュール1の外形サイズを規定値に収め易いうえ、組み立て作業の効率化を図り易い。
【0104】
また、樹脂製の天井カバー部40の収容部47内にワイヤ保持部132aを収容できるので、これらワイヤ保持部132aから突出したSMAワイヤ12の端部(切断残り部分、図2に示す符号12a)についても収容部47内に収容して閉じ込めておくことができる。そのため、SMAワイヤ12の端部12aと金属製の側方カバー部30とが接触することによる電気的な不具合(ショート)を防止することができる。
【0105】
また、導電板130A,130Bに外部接続端子131及びワイヤ保持端子132がそれぞれ連設され、両端子131,132が一体化された給電部材13A,13Bを備えているので、効率良く製造組み立てを行うことができる。
つまり、製造組み立て段階にて、モジュール枠5の上端面に積層した導電板130A,130Bを、固定ピン51を利用して固定するだけで、モジュール枠5に対する外部接続端子131及びワイヤ保持端子132の組み付けが同時に終了する。従って、モジュール枠5等の姿勢を適宜変化させながら、外部接続端子131及びワイヤ保持端子132の組み付け作業をそれぞれ行う必要がない。よって、組立工程の低減化を図ることができ、効率の良い製造組み立てを行うことができる。
特に、モジュール枠5の姿勢変更が不要で、一方向(上方向)からの組み付けで外部接続端子131及びワイヤ保持端子132の組み付けを同時に行えるので、組立工程の低減化を効果的に奏効することができる。
【0106】
また、外部接続端子131とワイヤ保持端子132とが一体化されているので、部品点数の削減化を図ることができるうえ、両端子131,132の導通具合を注意しながら組み付け作業を行う必要もない。しかも、外部接続端子131とワイヤ保持端子132との導通が確実であるので、歩留まりの向上を期待することができる。
また、外部接続端子131は、モジュール枠5の側壁部56Aに接し、且つその先端部がモジュール下板9の保持溝94に保持されているので、ガタツキが少なく安定している。従って、外部との電気的接続の安定性を図り易く、作動信頼性を高めることができる。
【0107】
また、ワイヤ保持端子132と導電板130A,130Bとの連設部分近傍を固定ピン51で固定できるので、レンズ枠6の駆動時に、導電板130A,130Bの浮き上がりやワイヤ保持端子132の変形等を抑制することができる。従って、より安定してSMAワイヤ12の端部を保持でき、該SMAワイヤ12を高精度に伸縮させてレンズ枠6を正確に駆動させることができる。
【0108】
また、絶縁部材14により導電板130A,130Bと上板ばね7との直接的な接触を規制して両者が電気的接続してしまうことを防止しているので、接触に起因する電気的不具合が生じ難い。更に、折曲シート部144により外部接続端子131と側方カバー部30との直接的な接触を規制できるので、側方カバー部30の装着時に外部接続端子131に傷等が付き難いうえ、金属製の側方カバー部30と外部接続端子131との接触に起因する電気的不具合も生じ難い。
【0109】
[電子機器]
次に、本発明に係る電子機器の一実施形態について説明する。なお、本実施形態では、電子機器の一例として、上記実施形態の駆動モジュール1を備えたカメラ付き携帯電話を例に挙げて説明する。
【0110】
図8は、カメラ付き携帯電話300の説明図である。なお、図8(a)は、カメラ付き携帯電話300の表側(操作面側)の外観斜視図である。図8(b)は、カメラ付き携帯電話300の裏側の外観斜視図である。図8(c)は、図8(b)のA−A線における断面図である。
図8(a)に示すように、本実施形態のカメラ付き携帯電話300は、受話部310と、送話部320と、操作部330と、液晶表示部340と、アンテナ部350と、不図示の制御回路部等の周知の携帯電話の電子部と、をハウジング360内外に備えている。
【0111】
図8(b)に示すように、液晶表示部340が設けられた側の裏面側のハウジング360には、外光を透過させる窓361が設けられている。
そして、図8(c)に示すように、駆動モジュール1におけるカバー3の開口41が、ハウジング360の窓361を臨み、この窓361の法線方向に軸線Oが沿うように駆動モジュール1が設置されている。なお、駆動モジュール1は、基板370に機械的及び電気的に接続されている。基板370は、不図示の制御回路部に接続され、駆動モジュール1に電力を供給できるようになっている。
【0112】
このように構成されているので、窓361を透過した光を駆動モジュール1の不図示のレンズユニットで集光し、撮像素子380上に結像することができる。そして、駆動モジュール1に制御回路部から適宜の電力を供給することで、レンズユニットを軸方向に駆動し、焦点位置調整を行って、撮影を行うことができる。
【0113】
特に、本実施形態のカメラ付き携帯電話300は、全体の外形サイズを変更することなく、レンズ径の大径化を図ることができる駆動モジュール1を備えているので、カメラ性能が向上した高品質な携帯電話とすることができる。更に、電磁シールドの要求に対応可能とされ、耐電磁シールド性が向上した駆動モジュール1でもあるので、駆動モジュール1に対する外部からの電磁場の影響が遮断され、カメラ機能の動作の信頼性に優れたカメラ付き携帯電話300を提供することができる。
また、上記駆動モジュール1は、部品点数の削減化、歩留まりの向上化を図ることができると共に組立工程の低減化を図って効率良く製造することができ、且つ安定した実装を行えるものであるので、高品質で安価なカメラ付き携帯電話300とすることができる。
【0114】
以上、本発明に係る駆動モジュール及び電子機器の実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0115】
例えば、上記した実施形態では、駆動モジュール1を用いた電子機器として、カメラ付き携帯電話300の例で説明したが、電子機器の種類はこれに限定されない。例えば、デジタルカメラ、パソコン内蔵のカメラ等の光学機器に用いても良いし、情報読取記憶装置やプリンタ等の電子機器において、被駆動体を目標位置に移動させるアクチュエータとしても用いることができる。
【0116】
また、上記した実施形態において、側方カバー部30を径方向に離反可能に互いに組み合わされる複数の分割体で構成しても構わない。
例えば、図9及び図10に示すように、平面視コの字状に形成され、径方向に離反可能に互いに組み合わされる2つの分割体202、203で側方カバー部201を構成しても構わない。これら2つの分割体202、203は、側方カバー部201を径方向に半分に分割した形状とされている。
そのため、この場合の駆動モジュール200では、天井カバー部40を先に駆動ユニット2に固定したとしても、2つの分割体202、203を径方向にスライドさせながら駆動ユニット2に対して組み合わせることが可能とされ、両分割体202、203を互いに組み合わせることで側方カバー部201として機能させることが可能とされている。
【0117】
この際、天井カバー部40及びモジュール下板9にそれぞれ形成された段差部95、45と、天井カバー部40に形成された係止部43のガイド壁と、をガイドとして利用しながら分割体202、203をスライドさせることが可能であり、確実且つスムーズに分割体202、203の組み付け作業を行える。
また、両分割体202、203は、駆動モジュール200の側面の略中央部分で重なり合うように形成されている。この際、一方の分割体202の重なり合う部分(両側端部)202aは、駆動ユニット2側に若干折曲されている。これにより、2つの分割体202、203は、重なり合う部分が外側に膨出することなく組み合わせ可能とされている。
【0118】
また、2つの分割体202、203からなる側方カバー部200は、両分割体202、203の組み合わせ部分が溶接部(固定手段)204によって固定されている。なお、この溶接部204は表面が極力平坦となるように形成されており、外側に凸となることが極力抑制されている。
【0119】
このように構成された駆動モジュール200であっても、上述した駆動モジュール1と同様の作用効果を奏効することができる。それに加え、側方カバー部201が2つの分割体202、203で構成されているので、駆動ユニット2に対して組み付け易くなり、カバー3の組み付け作業を効率良く行い易い。
特に、天井カバー部40を先に固定した後でも、両分割体202、203を駆動ユニット2にスライドさせながら組み合わせて側方カバー部201とすることができるので、駆動ユニット2に対する天井カバー部40の取り付け状態を目視にて確認できる。例えば、駆動ユニット2に対する係止部43の係止具合等を確認できる。従って、組み付け精度がより向上した駆動モジュール200とすることができる。
【0120】
なお、この場合であっても、両分割体202、203を組み合わせて側方カバー部201とした後に、天井カバー部40を被せて固定し、最後に両分割体202、203の組み合わせ部分を溶接部204によって固定しても構わない。
【0121】
なお、上記駆動モジュール200において、分割体の数は2つに限定されるものではなく、3つ以上とされていても構わない。また、分割体202、203が2つであったとしても、同一形状ではなく、例えば一方の分割体202を駆動ユニット2の3つの側面を囲む平面視コ形状に形成し、他方の分割体203を駆動ユニット2の残り1つの側面を塞ぐプレート状に形成しても構わない。
【0122】
また、両分割体202、203の組み合わせ部分を固定する固定手段としては、溶接に限定されるものではなく、互いを係合し合うことで固定しても構わないし、図11及び図12に示すように、組み合わされた分割体202、203の周囲に帯状の接着テープ210を巻き付けることで固定しても構わないし、更には図13及び図14に示すように、組み合わされた分割体202、203の周囲に公知の環状の熱収縮テープ220を被せた後、該熱収縮テープ220に熱を加えて収縮させることで固定しても構わない。
特に、接着テープ210や熱収縮テープ220を利用した場合には、溶接時に比べて駆動ユニット2に対する熱の影響を遥かに低減できるので、より好ましい。
【0123】
また、上記した実施形態では、筒状に形成された側方カバー部30を利用して、駆動ユニット2の外周を全周に亘って覆う場合を例に挙げて説明したが、駆動ユニット2のうち少なくともSMAワイヤ12が配設された側面を塞ぐ構成とされていれば構わない。
具体的には、図15及び図16に示すように、平面視L字状に側方カバー部230が形成され、駆動ユニット2のうちSMAワイヤ12が配設された2つの側面を外側から覆って塞いでいる。
【0124】
この場合であっても、駆動モジュール250の全体の外形サイズを変更することなく、レンズ枠6を大径化することができ、同様にレンズ径の大径化を図ることができる。また、側方カバー部230が駆動ユニット2におけるSMAワイヤ12が配設された側面を塞ぐので、SMAワイヤ12の露出を防ぐことができ、外部からの接触や塵埃等の付着を防止できる。
【0125】
なお、この場合であっても、側方カバー部230は天井カバー部40とモジュール下板9との間に挟まれて固定されるが、側方カバー部230を補助的に固定する観点から、環状の熱収縮テープ220を側方カバー部230が組み合わされた駆動ユニット2の周囲に被せ、熱収縮テープ220を収縮させることで側方カバー部230をさらに固定することが好ましい。
この際、駆動ユニット2におけるモジュール枠5の隅部分に熱収縮テープ220をガイドするガイド部240を形成することが好ましい。これらガイド部240は、外面が天井カバー部40の係止部43の外面と略面一とされている。そのため、熱収縮テープ220を収縮させた際に、外周面がガイド壁として機能する係止部43と、ガイド部240とによって、熱収縮テープ220を位置決めでき、側方カバー部230で塞がれていない駆動ユニット2の残りの2つの側面に過度に接触することを防止できる。
また、側方カバー部230についても係止部43及びガイド部240に内面が接してガイドされるので、安定して固定がなされる。
【0126】
また、上記実施形態において、駆動ユニット2に対して天井カバー部40を着脱可能に固定しても構わない。
例えば、上述した固定ピン51A、51Dに変えて、図17及び図18に示すように、モジュール枠5の上端面から天井カバー部40に向けて2本の固定ピン261を突設させ、これら固定ピン261を天井カバー部40に形成された2つの挿通孔262に対して係合させることで、天井カバー部40を固定しても良い。
【0127】
上記固定ピン261の先端部261aには、スリット265が形成されており、固定ピン261の周方向に2分割されている。そして、2分割された各先端部261aには、挿通孔262における後述する第1挿通孔262aの径よりも拡径するように外方に張り出すと共に、第1挿通孔262aの開口周縁部に係合して、固定ピン261が挿通孔262内から抜けることを規制する張出部263がそれぞれ形成されている。
【0128】
一方、天井カバー部40に形成された挿通孔262は、図19に示すように、下面側に開口する第1挿通孔262aと、この第1挿通孔262aに連通すると共に上面側に開口し、且つ第1挿通孔262aよりも拡径した第2挿通孔262bと、を有する段付き孔とされている。
そして、固定ピン261における上記張出部263は、図20に示すように、第2挿通孔262b内に収容された状態で第1挿通孔262aの開口周縁部に係合されている。
【0129】
このように構成された駆動モジュール260によれば、モジュール下板9との間に側方カバー部30を挟み込みながら天井カバー部40を被せると、図20に示すように、固定ピン261が挿通孔262における第1挿通孔262a内に挿通された後、張出部263が第1挿通孔262aの開口周縁部に係合する。これにより、駆動ユニット2に対して天井カバー部40を固定することができ、図17に示す駆動モジュール260を得ることができる。
【0130】
特に、挿通孔262に固定ピン261を係合させるだけの簡便な方法で天井カバー部40の固定を行えるので、駆動モジュール260の組み立て作業の効率化を図ることができる。また、組み立て後において、仮に各構成品に何らかの不具合が生じたり、組み立て不良等が生じていたりしても、上記係合を解除しながら天井カバー部40を容易に取り外すことが可能である。従って、速やかに対処することができるうえ、不具合が発生した構成品のみを除去できるので廃棄部品等の低減を図り易く、歩留まりを向上できる。
【0131】
また、スリット265によって固定ピン261の先端部261aが周方向に2分割されているので、分割された各先端部261aを固定ピン261の径方向に弾性変形させることができる。従って、固定ピン261を第1挿通孔262a内にスムーズに挿通させることができるうえ、各先端部261aに形成された張出部263を係合させ易い。これにより、組み立て作業がさらに容易になるうえ、天井カバー部40の固定がより確実になる。
【0132】
更に、段付き孔とされた挿通孔262における第2挿通孔262b内に固定ピン261の張出部263が収容されるので、図17及び図20に示すように、該張出部263を目立ち難くすることができ、デザイン性を向上することができる。また、張出部263が天井カバー部40の上面から突出することがないので、例えば駆動モジュール260を実装した際に他部品への干渉をなくすことができる。
【0133】
なお、図17に示すように駆動モジュール260を構成した場合において、スリット265により固定ピン261の先端部261aを周方向に2分割したが、スリット265は必須ではなく具備しなくても良い。
但し、スリット265によって固定ピン261の先端部261aを周方向に複数分割することで、各先端部261aを固定ピン261の径方向に弾性変形させることができるので、天井カバー部40の組み立て作業が容易になり、好ましい。なお、スリット265を設ける場合、該スリット265を複数形成し、固定ピン261の先端部261aを周方向にさらに分割(例えば4分割、6分割)させても良い。
【0134】
また、天井カバー部40の挿通孔262を、第1挿通孔262a及び第2挿通孔262bからなる段付き孔としたが、単なるストレートの孔であっても良い。但し、段付き孔とすることで、張出部263を第2挿通孔262b内に収容できるので、デザイン性や他部品への干渉防止等の観点でより好ましい。
加えて、挿通孔262を段付き孔とする場合、図21に示すように、例えば駆動モジュール260の組み立て後の検査が終了した後に、第2挿通孔262b内に収容されている張出部263を含む先端部261a全体を熱や超音波等で潰して加締めても構わない。こうすることで、天井カバー部40をより強固に固定することができ、駆動モジュール260の品質を高め易い。
【0135】
その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0136】
1、200、250…駆動モジュール
2…駆動ユニット
3…カバー
5…モジュール枠(支持体)
6…レンズ枠
9…モジュール下板(ベース基板)
11…駆動手段
12…SMAワイヤ(形状記憶合金ワイヤ)
30、201、230…側方カバー部
40…天井カバー部
43…係止部
45…天井カバー部の段差部
47…収容部
64…引掛部
95…モジュール下板の段差部
132a…ワイヤ保持部
202、203…分割体
204…溶接部(固定手段)
210…接着テープ(固定手段)
220…熱収縮テープ(固定手段)
261…固定ピン
261a…固定ピンの先端部
262…挿通孔
262a…第1挿通孔
262b…第2挿通孔
263…固定ピンの張出部
265…スリット
300…カメラ付き携帯電話(電子機器)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース基板に固定された筒状の支持体、該支持体の内側に収容されたレンズ枠、及び該レンズ枠を支持体の軸方向に沿って往復移動させる駆動手段を具備する駆動ユニットと、
該駆動ユニットに被着されて該駆動ユニットを覆う有頂筒状のカバーと、を備え、
前記駆動手段は、
両端部がワイヤ保持部に保持されると共に中間部がレンズ枠の引掛部に掛けられて、ワイヤ保持部を介して給電がなされる形状記憶合金ワイヤを備え、
前記カバーは、
前記駆動ユニットの外周を径方向の外側から覆い、該駆動ユニットのうち少なくとも前記形状記憶合金ワイヤが配設された側面を塞ぐ金属製の側方カバー部と、
前記駆動ユニット及び前記側方カバー部を上方から覆う天井カバー部と、を備え、
前記側方カバー部は、前記天井カバー部と前記ベース基板との間に挟まれて、前記軸方向及び前記径方向にそれぞれ位置決めされた状態で固定されることを特徴とする駆動モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載された駆動モジュールにおいて、
前記天井カバー部には、前記駆動ユニットに係止されて該駆動ユニットに対する位置決めがなされる係止部が形成されていることを特徴とする駆動モジュール。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された駆動モジュールにおいて、
前記天井カバー部には、前記ワイヤ保持部を収容する収容部が形成されていることを特徴とする駆動モジュール。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載された駆動モジュールにおいて、
前記ベース基板及び前記天井カバー部の外周縁部には、前記側方カバー部の上端側内面及び下端側内面が接する段差部がそれぞれ形成されていることを特徴とする駆動モジュール。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載された駆動モジュールにおいて、
前記側方カバー部は、環状に形成され、前記駆動ユニットの外周を全周に亘って覆うことを特徴とする駆動モジュール。
【請求項6】
請求項5に記載された駆動モジュールにおいて、
前記側方カバー部は、前記径方向に離反可能に互いに組み合わされる複数の分割体で構成され、組み合わせ後、複数の分割体の組み合わせ部分が固定手段で固定されることを特徴とする駆動モジュール。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の駆動モジュールにおいて、
前記支持体には、前記天井カバー部に向けて固定ピンが突設され、
前記天井カバー部には、前記固定ピンが挿通される挿通孔が形成され、
前記固定ピンの先端部には、前記挿通孔の径よりも拡径するように外方に張り出すと共に前記挿通孔の開口周縁部に係合して、該固定ピンが前記挿通孔内から抜けることを規制する張出部が形成されていることを特徴とする駆動モジュール。
【請求項8】
請求項7に記載の駆動モジュールにおいて、
前記固定ピンには、前記先端部を該固定ピンの周方向に複数に分割するスリットが形成され、
分割された前記各先端部には、前記張出部がそれぞれ形成されていることを特徴とする駆動モジュール。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の駆動モジュールにおいて、
前記挿通孔は、第1挿通孔と、該第1挿通孔よりも拡径した第2挿通孔と、を有する段付き孔とされ、
前記固定ピンにおける前記張出部は、前記第2挿通孔内に収容された状態で前記第1挿通孔の開口周縁部に係合されていることを特徴とする駆動モジュール。
【請求項10】
請求項9に記載の駆動モジュールにおいて、
前記張出部は、前記第2挿通孔内において加締められていることを特徴とする駆動モジュール。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載の駆動モジュールにおいて、
前記天井カバー部は、樹脂製であることを特徴とする駆動モジュール。
【請求項12】
請求項1に記載の駆動モジュールを備えていることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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