駆動回路、液晶表示装置、および電子情報機器
【課題】液晶表示装置100において、液晶表示パネルの駆動回路から液晶表示パネルに出力される表示データの周波数成分を拡散させて、不要輻射を低減させる。
【解決手段】液晶表示パネル101を表示データおよび制御信号に基づいて駆動する駆動回路102〜109において、入力された制御信号を遅延する遅延回路120を備えるとともに、入力された表示データを、遅延された制御信号が生成するタイミングで該液晶表示装置101にロードするデータロード部としてホールド回路部117、D/Aコンバータ回路部118および出力バッファ部119を備え、該遅延回路120は、該制御信号を、該表示データが該液晶表示パネルにロードされるロードタイミングが、一定周期(1水平同期期間)により決まる固定タイミングに対して変動するよう遅延させる。
【解決手段】液晶表示パネル101を表示データおよび制御信号に基づいて駆動する駆動回路102〜109において、入力された制御信号を遅延する遅延回路120を備えるとともに、入力された表示データを、遅延された制御信号が生成するタイミングで該液晶表示装置101にロードするデータロード部としてホールド回路部117、D/Aコンバータ回路部118および出力バッファ部119を備え、該遅延回路120は、該制御信号を、該表示データが該液晶表示パネルにロードされるロードタイミングが、一定周期(1水平同期期間)により決まる固定タイミングに対して変動するよう遅延させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動回路、液晶表示装置、および電子情報機器に関し、特に、液晶表示パネル等の表示パネルを駆動する駆動回路においてピーク電流を分散させるよう構成したもの、このような駆動回路を搭載した液晶表示装置、およびこのような液晶表示装置を含む電子情報機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、液晶表示装置等の平面表示装置は、液晶表示パネルなどの表示パネル、その表示パネルを駆動するドライバ、及びドライバを制御する制御回路とを備えている。
【0003】
ところで、近年、このような表示装置の大型化、高精細化、高速駆動化に伴い、表示パネルに表示データとして出力する表示信号(階調電圧)の出力周波数や、出力する表示信号の数も増大し、表示パネルの駆動用データドライバにおいては、データ出力時に発生する不要輻射が問題となってきている。
【0004】
以下、従来の表示パネルを駆動するデータドライバを挙げて具体的に説明する。
【0005】
図14は、従来のデータドライバの構成を説明するブロック図である。
【0006】
図14に示すデータドライバ901は、n本の信号出力端子911−1〜911−nを有し、それぞれの出力端子から、p階調の表示データを示す表示信号を表示パネルのデータラインに出力可能なものである。
【0007】
つまり、このデータドライバ901は、外部からの信号を入力するための信号入力端子として、クロック入力端子902と、複数の階調データ入力端子903と、制御信号入力端子904と、基準電源端子905〜909とを備えている。またデータドライバ901は、液晶表示パネルへの信号出力用として、n個の信号出力端子911−1〜911−nを備えている。
【0008】
また、データドライバ901は、内部に設けられる回路として、基準電源補正回路921と、クロック信号CLKに基づいて動作するポインタ用シフトレジスタ923と、表示データをサンプルラッチするラッチ回路部924と、サンプルラッチされた表示データをホールドラッチするホールド回路部925と、ホールドラッチされた表示データをDA変換するD/Aコンバータ(Digital Analog Converter)部926と、DA変換された表示データを出力する出力バッファ部927とを備えている。
【0009】
ここで、ポインタ用シフトレジスタ回路923は、n段のシフトレジスタ923−1〜923−nを有している。ラッチ回路部924は、n個のラッチ回路924−1〜924−nを有している。ホールド回路部925は、n個のホールド回路925−1〜925−nを有している。D/Aコンバータ部926は、n個のD/Aコンバータ回路926−1〜926−nを有している。出力バッファ部927は、オペアンプにより構成されるn個の出力バッファ927−1〜927−nを有している。
【0010】
次に動作について説明する。
【0011】
このような構成のデータドライバ901では、このドライバ901を制御する制御回路(図示せず)から表示データDATA、データ制御信号LOAD、およびクロック信号CLKが入力されると、ポインタ用シフトレジスタ回路部923は、クロック入力端子902に入力されたクロック信号CLKに応じて、ラッチ回路924−1〜924−nのうち1つのラッチ回路を選択する。この状態で、階調データDATAが階調データ入力端子903から入力されると、ラッチ回路部924では、選択されたラッチ回路に階調データのサンプリング値が格納される。
【0012】
また、ポインタ用シフトレジスタ回路923から出力されるラッチ回路選択信号は、クロック入力端子902から入力されるクロック信号により第1段のラッチ回路924−1から第n段のラッチ回路924−nまで順次選択する。よって、n個のクロックが入力された場合、全てのラッチ回路924−1〜924−nに階調データを記憶させることができる。また、ラッチ回路924−1〜924−nに記憶された階調データは、制御信号LOADにより、それぞれ対応するn個のホールド回路925−1〜925−nへ転送され、D/Aコンバータ926−1〜926−nのデジタル入力データとなる。
【0013】
D/Aコンバータ回路926〜926−nは、上記デジタル入力データにより、入力されるp種類の階調電圧から1つを選択して出力する。p種類の階調電圧は、基準電源端子905〜909からそれぞれ入力された基準電圧V0〜V4に基いて、基準電源補正回路921によって生成される。
【0014】
さらに、D/Aコンバータ回路926−1〜926−nから出力された階調電圧は、出力バッファ部927でインピーダンス変換されて、それぞれの信号出力端子911−1〜911−nから液晶表示パネル(図示せず)の駆動信号として、該液晶表示パネルの各データ線に出力される。
【0015】
このような構成の従来のデータドライバ901では、上記のように、制御信号LOADにより一括してホールド回路からD/Aコンバータ回路へのデータ転送が行われるため、D/Aコンバータ回路926−1〜926−nから出力される階調電圧が同時に変化する。このため、データドライバ901に瞬間的に大電流が発生する。この電流は、信号出力端子911−1〜911−nの個数が増加したことと、出力バッファ部927の駆動能力が増大したことにより、非常に大きな値となってきている。それゆえ、データドライバ901の消費電流が増大するだけではなく、この電流により発生する不要輻射が問題になる。
【0016】
そこで、電流集中によるピーク電流の増大を防ぐための手法として、従来から特許文献1などに開示の方法が提案されている。
【0017】
図15は、この文献に開示のデータドライバの構成を示している。
【0018】
このデータドライバ300は、図14に示すデータドライバにおけるホールド回路、D/Aコンバータ回路、および出力バッファに相等する回路ブロックCB1〜CB4は、複数のグループCG1〜CGnにグループ化されている。つまり、各グループにおける回路ブロックCB1〜CB4は、それぞれ液晶表示パネルの各データラインに対応し、対応するデータラインに表示データを出力するものである。
【0019】
また、このデータドライバ300では、第1の回路グループCG1には、入力保護回路(E)30を介して入力された制御信号LOADが直接入力され、また、第2の回路グループCG2には、入力保護回路(E)30からの制御信号LOADは、第1の遅延回路31a1を介して入力され、第3の回路グループCG3には、第1および第2の遅延回路31a1および31a2を介して入力される。つまり、第nの回路グループCGnには、第1〜第n−1の遅延回路31a1〜31anを介して入力される。
【0020】
従って、このようなデータドライバを搭載した液晶表示装置では、回路グループCG間に遅延回路Dを有しているため、遅延回路Dの遅延時間だけずれて、各回路グループCGから表示出力信号(階調電圧)が出力される。
【0021】
これにより、表示出力信号が回路グループCGごとに分散されて出力されるために、高精細化や高画面化により信号数の数が増大しても電源線に流れるピーク電流が分散されて流れることになり、不要輻射も低減される。
【0022】
また、特許文献2にはデータドライバ間で階調データをホールド回路に取り込むタイミングを異ならせるものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【特許文献1】特開平8−22267号公報
【特許文献2】特開2008−262132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
上述したように、特許文献1に記載のデータドライバでは、各回路グループCGからは表示出力信号(階調電圧)が遅延回路Dの遅延時間だけずれて出力されるが、各回路グループから表示信号が出力される周期は一定であるため、駆動信号の周波数成分の拡散が十分ではなく、表示装置が大画面化、高精細化、高速化されるにつれ、不要輻射が大きくなるという問題がある。
【0025】
また特許文献2に開示の液晶表示装置においても、特許文献1に記載のデータドライバと同様の問題がある。
【0026】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、液晶表示装置などの表示装置を駆動する駆動信号の周波数成分を拡散させ、不要輻射を低減させることができる駆動回路、およびこのような駆動回路を搭載した液晶表示装置、並びにこのような液晶表示装置を備えた電子情報機器を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明に係る駆動回路は、表示装置を表示データおよび制御信号に基づいて駆動する駆動回路であって、入力された制御信号を遅延する遅延回路と、入力された表示データを、遅延された制御信号が生成するタイミングで該表示装置にロードするデータロード部とを備え、該遅延回路は、該制御信号を、該表示データが該表示装置にロードされるロードタイミングが、一定周期により決まる固定タイミングに対して変動するよう遅延させるものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0028】
本発明は、上記駆動回路において、前記入力された制御信号は、前記一定周期で前記固定タイミングを生成する信号であり、前記遅延回路は、前記一定周期の整数倍の期間が経過する度に、前記ロードタイミングを前記固定タイミングから一定の遅延時間だけ遅らせる前記制御信号の遅延処理を、該ロードタイミングの遅延時間の制限内で繰り返すことが好ましい。
【0029】
本発明は、上記駆動回路において、前記表示データおよび前記制御信号は、前記表示装置に供給される映像信号に含まれており、前記一定周期は該映像信号の水平同期期間に基づいたものであることが好ましい。
【0030】
本発明は、上記駆動回路において、前記遅延回路は、前記入力された制御信号が生成する固定タイミングをカウントするカウント回路と、該カウント回路のカウント出力をデコードするデコーダとを備え、該デコーダの出力に基づいて、前記制御信号の遅延量を決定するものであることが好ましい。
【0031】
本発明は、上記駆動回路において、前記遅延回路は、直列接続の複数の遅延素子と、前記デコーダの出力に基づいて、前記制御信号が、該複数の遅延素子のうちの、直列接続の所定数の遅延素子で遅延されるよう信号経路を切り替える複数のスイッチとを備えていることが好ましい。
【0032】
本発明は、上記駆動回路において、前記遅延回路は、前記入力された制御信号により生成される固定タイミングに基づいてシフト動作するシフトレジスタと、直列接続の複数の遅延素子と、該シフトレジスタの出力に基づいて、前記制御信号が、該複数の遅延素子のうちの、直列接続の所定数の遅延素子で遅延されるよう該制御信号の信号経路を切り替える複数のスイッチとを備えていることが好ましい。
【0033】
本発明は、上記駆動回路において、前記表示装置としての液晶表示パネルの複数のデータラインを駆動するデータドライバと、前記液晶表示パネルの複数の走査ラインを駆動する走査ドライバと、入力された映像信号に基づいて、該データドライバに供給する前記表示データを生成するとともに、前記制御信号として、該データドライバに供給するデータ制御信号、および前記走査ドライバに供給する走査制御信号を生成するタイミングコントローラとを備え、前記遅延回路は、該データドライバを構成するものであり、該遅延回路は、該データドライバに入力された前記制御信号を、該データドライバから該液晶表示パネルのデータラインに前記表示データが出力されるタイミングが、水平同期信号に対して決まる固定タイミングに対して1水平走査ライン毎に変化するよう遅延させるものであることが好ましい。
【0034】
本発明は、上記駆動回路において、前記表示装置としての液晶表示パネルの複数のデータラインを駆動するデータドライバと、前記液晶表示パネルの複数の走査ラインを駆動する走査ドライバと、入力された映像信号に基づいて、該データドライバに供給する前記表示データを生成するとともに、前記制御信号として、該データドライバに供給するデータ制御信号、および前記走査ドライバに供給する走査制御信号を生成するタイミングコントローラとを備え、前記遅延回路は、該タイミングコントローラを構成するものであり、該遅延回路は、該タイミングコントローラで該映像信号に基づいて生成された前記制御信号を、該データドライバから該液晶表示パネルのデータラインに前記表示データが出力されるタイミングが、水平同期信号に対して決まる固定タイミングに対して1水平走査ライン毎に変化するよう遅延させるものであることが好ましい。
【0035】
本発明は、上記駆動回路において、前記表示装置としての液晶表示パネルの複数のデータラインを駆動するデータドライバを備え、前記遅延回路は、該データドライバを構成し、該データドライバに入力された制御信号を遅延するものであり、該データドライバは、該液晶表示パネルのデータライン毎に設けられ、対応するデータラインを駆動する、複数のグループにグループ分けされた複数のドライバ回路と、同一のグループのドライバ回路が、同一タイミングで前記表示データを該データラインに供給し、かつ、異なるグループのドライバ回路が、異なるタイミングで前記表示データを該データラインに供給するよう、各グループのドライバ回路に供給される制御信号を遅延する信号遅延部とを備えていることが好ましい。
【0036】
本発明は、上記駆動回路において、前記信号遅延部は、複数段に直列に接続された複数の遅延部を備え、初段の遅延部は、前記遅延回路から出力される制御信号を遅延するものであり、2段目以降の遅延部は、前段の遅延部から出力される制御信号を遅延するものであることが好ましい。
【0037】
本発明は、上記駆動回路において、前記信号遅延部を構成する遅延部は、それぞれ入力される制御信号を所定量だけ遅延するものであることが好ましい。
【0038】
本発明は、上記駆動回路において、前記複数の遅延部は、前記入力された制御信号が生成する固定周期のタイミングをカウントするカウント回路と、該カウント回路のカウント出力をデコードするデコーダとを備え、該デコーダの出力に基づいて、前記制御信号の遅延量を決定するものであることが好ましい。
【0039】
本発明は、上記駆動回路において、前記複数の遅延部は、直列接続の複数の遅延素子と、前記デコーダの出力に基づいて、前記制御信号が、該複数の遅延素子のうちの、直列接続の所定数の遅延素子で遅延されるよう信号経路を切り替える複数のスイッチとを備えていることが好ましい。
【0040】
本発明は、上記駆動回路において、前記遅延回路は、前記入力された制御信号により生成される固定周期のタイミングに基づいてシフト動作するシフトレジスタと、直列接続の複数の遅延素子と、該シフトレジスタの出力に基づいて、前記制御信号が、該複数の遅延素子のうちの、直列接続の所定数の遅延素子で遅延されるよう該制御信号の信号経路を切り替える複数のスイッチとを備えていることが好ましい。
【0041】
本発明に係る液晶表示装置は、液晶表示パネルを有し、映像信号に基づいて該液晶表示パネルに画像を表示する液晶表示装置であって、該映像信号に基づいて該液晶表示パネルを駆動する駆動装置を備え、該駆動装置は、上述した本発明に係る駆動回路を有するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0042】
本発明に係る電子情報機器は、液晶表示装置を備えた電子情報機器であって、該液晶表示装置は、上述した本発明に係る液晶表示装置であり、そのことにより上記目的が達成される。
【0043】
以下、本発明の作用について説明する。
【0044】
本発明においては、入力された制御信号を遅延する遅延回路と、入力された表示データを、遅延された制御信号が生成するタイミングで表示装置にロードするデータロード部とを備え、該制御信号を、該表示データが該表示装置にロードされるロードタイミングが、一定周期により決まる固定タイミングに対して変動するよう遅延させるので、従来技術では不十分であった不要輻射低減の効果が得られる。
【0045】
本発明においては、制御信号の遅延により、固定タイミングに対する制御信号のロードタイミングを時系列に複数作り出すので、制御信号のロードタイミングを複数作り出す回路規模が大きくならず、コスト低減につながる。
【0046】
本発明においては、上記駆動回路において、制御信号のパルス立ち上がりをカウントするカウンタ回路を持つことで、1水平期間毎にロードタイミングを変化させることのできる遅延回路を回路規模を増大させることなく構成でき、コスト低減につながる。
【0047】
本発明においては、駆動回路を構成する、各データ信号線毎に対応する複数の回路ブロックを、所定数のデータ信号線を単位としてグループ化することで、固定タイミングに対する制御信号のロードタイミングを時系列で複数持つことにより、駆動回路内で発生する駆動信号の周波数成分を拡散をさせ、不要輻射を低減できるだけでなく、複数の回路グループ毎にロードするタイミングをずらすことができるため、更なる不要輻射低減が実現できる。
【発明の効果】
【0048】
以上のように、本発明によれば、液晶表示装置などの表示装置を駆動する駆動信号の周波数成分を拡散させ、不要輻射を低減させることができる駆動回路、およびこのような駆動回路を搭載した液晶表示装置、並びにこのような液晶表示装置を備えた電子情報機器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】図1は、本発明の実施形態1による駆動回路を含む表示装置の構成を示す図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態1による駆動回路であるデータドライバを示すブロック図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態1による駆動回路(データドライバ)を構成する遅延回路を示すブロック図である。
【図4】図4は、本発明の実施形態1による遅延回路の動作を説明する図であり、遅延されたロード信号(制御信号)をタイミングチャートで示している。
【図5】図5は、本発明の実施形態2によるタイミングコントローラを含む表示装置の構成を示す図である。
【図6】図6は、本発明の実施形態2によるタイミングコントローラを示すブロック図である。
【図7】図7は、本発明の実施形態3による駆動回路を含む表示装置の構成を示す図である。
【図8】図8は、本発明の実施形態3による駆動回路であるデータドライバを示すブロック図である。
【図9】図9は、本発明の実施形態3による駆動回路(データドライバ)を構成する遅延回路を示すブロック図である。
【図10】図10は、本発明の実施形態4による駆動回路を含む表示装置の構成を示す図である。
【図11】図11は、本発明の実施形態4による駆動回路であるデータドライバを示すブロック図である。
【図12】図12は、本発明の実施形態4による駆動回路(データドライバ)を構成する遅延回路を示すブロック図である。
【図13】図13は、本発明の実施形態5による駆動回路(データドライバ)を示すブロック図である。
【図14】図14は、従来の駆動回路の構成の一例を示すブロック図である。
【図15】図15は、従来の他の駆動回路の構成の一例として特許文献1に開示のものを示すブロック図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
以下、本発明の実施形態について説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1による駆動回路を含む液晶表示装置の構成を示す図である。
【0051】
本実施形態1の液晶表示装置100は、映像信号に基づいて画像表示を行う液晶表示パネル101と、液晶表示パネルのデータ信号ラインを駆動する複数のデータドライバ102〜109と、液晶表示パネルの走査信号ラインを駆動する複数の走査ドライバ110〜113と、映像信号から表示データ、データ制御信号、および走査制御信号を生成し、表示データおよびデータ制御信号によりデータドライバ102〜109を制御し、走査制御信号により走査ドライバ110を制御するタイミングコントローラ114とを備えている。
【0052】
具体的には、データドライバ102〜109は、液晶表示パネル101のデータ信号ラインに接続され、タイミングコントローラ114からの表示データおよびデータ制御信号に基づいてデータ信号ラインを駆動する。また、データドライバ102〜109は、半導体集積回路で構成されたドライバチップが、COF(Chip On Film)のような実装構造としてフィルム基板上に実装されることにより構成されている。また、走査ドライバ110〜113は、表示パネル101の走査信号ラインに接続され、タイミングコントローラ114からの走査制御信号により走査信号ラインを駆動する。この走査ドライバ110〜113も、半導体集積回路で構成されたドライバチップがCOF(Chip On Film)のような実装構造でフィルム基板上に実装されることにより構成されている。また、タイミングコントローラ114は、データドライバ102〜109の内少なくとも一つ、及び走査ドライバ110〜113の内少なくとも一つに信号線を介して接続されており、データドライバ102〜109の内少なくとも一つ、及び走査ドライバ110〜113の内少なくとも一つをコントロールすることにより、液晶表示パネル101に映像データを表示させる。つまり、タイミングコントローラ114と、各データドライバおよび各走査ドライバとがデータバスにより直接接続されていても、あるいはタイミングコントローラ114には、初段のデータドライバおよび初段の走査ドライバが接続され、次段以降のデータドライバおよび次段以降の走査ドライバには、初段のデータドライバおよび初段の走査ドライバからタイミングコントローラからの信号を伝えるようにしてもよい。
【0053】
図2は、上記データドライバ102の構成を示している。なお、データドライバ103〜109は、データドライバ102と同様な構成を有しているため、その説明を省略する。
【0054】
図2に示すように、データドライバ102は、クロック信号CLKに基づいてシフト動作するポインタ用シフトレジスタ回路部115と、表示データDATAをサンプルラッチするラッチ回路部116と、サンプルラッチされた表示データをホールドラッチするホールド回路部117と、ホールドラッチされた表示データをDA変換するD/Aコンバータ部118と、DA変換された表示データを出力する出力バッファ部119とを有している。
【0055】
ここで、ポインタ用シフトレジスタ回路115は、n段のシフトレジスタ115−1〜115−nを有している。ラッチ回路部116は、n個のラッチ回路116−1〜116−nを有している。ホールド回路部117は、n個のホールド回路117−1〜117−nを有している。D/Aコンバータ部118は、n個のD/Aコンバータ回路118−1〜118−nを有している。出力バッファ部119は、オペアンプにより構成されるn個の出力バッファ119−1〜119−nを有している。
【0056】
また、このデータドライバ102は、データ制御信号を遅延する遅延回路120と、入力された基準電圧V0〜V4に基づいてm種類の階調電圧を生成する基準電源補正回路121とを備えている。
【0057】
また、データドライバ102は、入力端子として、クロック入力端子122と、表示データ入力端子123と、制御信号入力端子124と、基準電源端子125〜129とを備えている。
【0058】
また、データドライバ102は、液晶表示パネル101への信号出力のために設けられる出力端子として、n個の信号出力端子130−1〜130−nを備えている。これらの信号出力端子130−1〜130−nは、それぞれ前述の液晶表示パネル101のデータ信号ラインと個々に接続されている。
【0059】
ここで、クロック入力端子122は、ポイント用シフトレジスタ回路115に与えるクロック信号CLKを入力するために設けられている。表示データ入力端子123は、複数ビットの階調データの各ビットに対応した複数の信号入力端子からなる。制御信号入力端子124は、遅延回路120を介してホールド回路部117に接続され、データロード信号LOADを入力されるために設けられている。このデータロード信号は、ホールド回路部117がラッチ回路部116でラッチされた表示データを保持するための制御信号として用いられる。基準電源端子125〜129は、それぞれ基準電圧補正回路121に与えられる基準電圧V0〜V4を入力するために設けられている。
【0060】
信号出力端子130−1〜130−nは、出力バッファ部119を構成するn個の出力バッファ119−1〜119−nから出力された階調電圧を液晶表示パネル101に出力するために設けられている。
【0061】
次に動作について説明する。
【0062】
本実施形態1の液晶表示装置100では、外部から映像信号が入力されると、タイミングコントローラ114はこの映像信号から表示データDATA、データ制御信号LOAD、走査制御信号およびクロック信号CLKを生成する。表示データDATA、データ制御信号LOAD、およびクロック信号CLKがデータドライバ102〜109に供給されると、データドライバ102〜109は、表示データおよびデータ制御信号に基づいてデータ信号ラインを駆動する。また、走査制御信号が走査ドライバ110〜113に供給されると、走査ドライバ110〜113は、この走査制御信号に基づいて走査信号ラインを駆動する。これにより液晶表示パネルには映像信号に応じて画像表示が行われる。
【0063】
このとき、データドライバ102では、タイミングコントローラ114からの表示データDATA、データ制御信号LOAD、およびクロック信号CLKがそれぞれの入力端子に供給されると、ポインタ用シフトレジスタ回路部115は、クロック入力端子122に入力されたクロック信号CLKを各段のシフトレジスタ115−1〜115−nによってシフトさせて、各段のシフトレジスタよりラッチ回路選択信号を出力する。つまりポインタ用シフトレジスタ回路部115は、ラッチ回路選択信号によって、ラッチ回路部116を構成する1段目のラッチ回路116−1からn段目のラッチ回路116−nまでを順次選択する。
【0064】
ラッチ回路部116のn個のラッチ回路116−1〜116−nは、上記ラッチ回路選択信号が入力されると、表示データ入力端子123から入力された表示データDATAを記憶可能なアクティブな状態となる。この状態では、ラッチ回路116−1〜116−nにそれぞれ異なる値のデータを記憶することが可能である。よってポインタ用シフトレジスタ回路部115にクロック信号のn個のクロックが入力された場合、全てのラッチ回路116−1〜116−nが各データラインに対応した表示データを記憶できる。各ラッチ回路がデータを記憶可能な状態で、表示データDATAが、表示データ入力端子123から入力されると、表示データDATAの各データラインに対応する値が、対応するラッチ回路116−1〜116−nにそれぞれ選択されて格納される。
【0065】
n個のホールド回路117−1〜117−nは、それぞれに対応するラッチ回路116−1〜116−nに記憶されているデータを、ロード信号(データ制御信号)LOADがアクティブ(例えばHレベル)となるタイミングで一斉に取り込んで保持する。ホールド回路116−1〜116−nに保持されたデータは、D/Aコンバータ118−1〜118−nに入力されるデジタルデータになる。
【0066】
ここでデータ制御信号LOADは、タイミングコントローラ114から出力され、信号線を介して制御信号入力端子124から入力された後、遅延回路120を介してホールド回路部117に入力されるので、遅延回路120で所定時間だけ遅延されてホールド回路部117に入力される。
【0067】
D/Aコンバータ回路118−1〜118−nは、上記デジタルデータに基づいて、基準電圧補正回路121から入力されるp種類の階調電圧から1つを選択して出力する。このようなD/Aコンバータ回路118−1〜118−nの詳細については、例えば、特開2003−130921号公報に記載されているので、ここではその説明を省略する。
【0068】
出力バッファ119−1〜119−nは、D/Aコンバータ118−1〜118−nからそれぞれ出力された階調電圧をインピーダンス変換して出力する。出力バッファ119−1〜119−nから出力された階調電圧は、それぞれ信号出力端子130−1〜130−nから階調データ(駆動データ)として液晶表示パネル101の対応するデータ信号ラインに出力される。
【0069】
なお、以上説明した動作はデータドライバ102の動作であるが、その他のデータドライバ103〜109もデータドライバ102と同様に動作する。
【0070】
次に、本実施形態1の駆動回路(データドライバ)120における遅延回路120について詳しく説明する。
【0071】
図3は、本実施形態1による駆動回路(データドライバ)120を構成する遅延回路を示すブロック図である。
【0072】
この遅延回路120は、制御入力端子124に接続された2ビットカウンタ131と、カウンタ131の出力をデコードする4出力デコーダ132と、デコーダ132に接続された4個のスイッチ133と、スイッチ133に接続された遅延素子Deとを有している。
【0073】
具体的には、この遅延回路120では、第1〜第4のスイッチ133−0〜133−3と、3つの遅延素子を直列接続してなる遅延部134aと、2つの遅延素子を直列接続してなる遅延部134bと、1つの遅延素子からなる遅延部134cとを有し、遅延回路120の入力ノード(制御入力端子124)と、その出力ノードとの間には、入力ノード側から順に第4のスイッチ133−3と上記遅延部134a〜134cが直列に接続されている。
【0074】
ここで、第3のスイッチ133−2は、第4のスイッチ133−3と上記遅延部134aとの直列接続体に並列に接続され、第2のスイッチ133−1は、第4のスイッチ133−3、遅延部134a、および遅延部134bの直列接続体に並列に接続され、第1のスイッチ133−1は、第4のスイッチ133−3、遅延部134a、遅延部134b、および遅延部134cの直列接続体に並列に接続されている。
【0075】
このような遅延回路120では、カウンタ131は、外部から制御入力端子124に入力されたパルス信号としての制御信号LOAD(IN)(図4参照)のパルス数をカウントし、デコーダ132は、このカウント数に応じてその出力Y0〜Y3を順次アクティブ状態とする。ここで、制御信号は映像信号の水平同期信号に同期したパルス信号であり、従って、1水平同期期間が経過する毎に、オン状態となるスイッチが、上記第1〜第4のスイッチ133−0〜133−3の順次切り換わり、このスイッチの切替りは、4水平同期期間で繰り替えされる。
【0076】
つまり、制御信号LOADは、カウント数に応じて、制御信号が通過する経路が、3つの遅延部134a〜134cを通過する経路と、2つの遅延部134bおよび134cを通過する経路と、1つの遅延部134cを通過する経路と、いずれの遅延部も通過しない経路のいずれかに切替られ、カウント数に応じた経路を介してホールド回路117に入力される。
【0077】
この時、第1のスイッチ133−0を通った制御信号は遅延されずに出力ノードLOAD(OUT)から出力され、第2のスイッチ133−1を通った制御信号は、遅延素子Deを1個経由して出力され、第3のスイッチ133−2を通った制御信号は、遅延素子Deを3個経由して出力され、第4のスイッチ133−3を通った制御信号は、遅延素子Deを6個経由して出力される。
【0078】
このため、1水平同期期間を1H、1個の遅延素子Deでの遅延時間をαとすると、ホールド117に入力される制御信号LOAD(OUT)のパルス立ち上がりタイミングは、1水平期間毎に、1水平同期期間を基準とする固定の周期により決まるタイミングに対して遅延時間1H+α、1H+2α、1H+3α、0だけ遅れたものとなる。言い換えると、制御信号における各パルスは、直前のパルス立ち上がりタイミングから時間1H+α、1H+2α、1H+3α、1H―6αが経過した後に立ち上がることとなり、図4に示すように、1H+α、1H+2α、1H+3α、1H―6αの4通りの周期を持つということができる。
【0079】
これにより、データドライバ回路内の制御信号の周波数が拡散され、不要輻射が低減される。
【0080】
このように本実施形態1では、液晶表示パネル101を表示データおよび制御信号に基づいて駆動する駆動回路102〜109において、入力された制御信号を遅延する遅延回路120を備えるとともに、入力された表示データを、遅延された制御信号が生成するタイミングで該液晶表示装置101にロードするデータロード部としてホールド回路部117、D/Aコンバータ回路部118および出力バッファ部119を備え、該遅延回路120は、該制御信号を、該表示データが該液晶表示パネルにロードされるロードタイミングが、一定周期(1水平同期期間)により決まる固定タイミングに対して変動するよう遅延させるので、駆動回路がデータをロードする出力タイミングを、一水平同期期間毎に周期的に変動させることが可能となる。これにより、液晶表示パネルに出力される表示データの周波数成分を拡散させて、不要輻射を低減させることができる。
【0081】
なお、上記実施形態1では、駆動回路がデータをロードする出力タイミングを、一水平同期期間毎に周期的に変動させているが、駆動回路がデータをロードする出力タイミングは、2以上の水平同期期間毎に周期的に変動させるようにしてもよい。
(実施形態2)
図5は、本発明の実施形態2によるタイミングコントローラを含む液晶表示装置の構成を示す図である。
【0082】
この実施形態2の液晶表示装置100aは、実施形態1の液晶表示装置100におけるタイミングコントローラ114に代えて、実施形態1の遅延回路120と同一構成の遅延回路14bを搭載したタイミングコントローラ114aを備えたものであり、この実施形態2の液晶表示装置100aでは、データドライバ102、103、109は、従来のデータドライバ901と同一構成としたものである。なお、この実施形態2の液晶表示装置におけるその他の構成は、実施形態1の液晶表示装置と同一である。
【0083】
図6は、本発明の実施形態2によるタイミングコントローラを示している。
【0084】
この実施形態2のタイミングコントローラ114aは、液晶表示装置100aの外部から供給される映像信号に基づいて表示データ、データ制御信号、クロック信号、および走査制御信号を生成する制御部14aと、この制御部14aから出力されたデータ制御信号LOADを遅延する遅延回路14bとを備えている。この遅延回路14bは実施形態1のデータドライバ102に含まれる遅延回路120と同一の構成を有している。
【0085】
このような構成の実施形態2の液晶表示装置100aでは、タイミングコントローラ114aを、データ制御信号を遅延する遅延回路14bを有する構成としたので、遅延回路114aから各データドライバ102〜109に供給される制御信号は、該表示データが該液晶表示パネルにロードされるロードタイミングが、一定周期(1水平同期期間)により決まる固定タイミングに対して変動するよう遅延したものとなる。これにより、駆動回路がデータを液晶表示パネルにロードする出力タイミングを、一水平同期期間毎に周期的に変動させることが可能となる。これにより、液晶表示パネルに出力される表示データの周波数成分を拡散させて、不要輻射を低減させることができる。
(実施形態3)
図7は、本発明の実施形態3による駆動回路を含む液晶表示装置の構成を示す図であり、図8は、本発明の実施形態3による駆動回路であるソースドライバを示す図である。
【0086】
この実施形態3の液晶表示装置100bは、実施形態1の液晶表示装置100における、遅延回路120を有するソースドライバ102a〜109aに代えて、該遅延回路120とは回路構成の異なる遅延回路120bを備えたソースドライバ102b〜109bを備えたものであり、この実施形態3の液晶表示装置におけるその他の構成は、実施形態1の液晶表示装置と同一である。
【0087】
図9は、本発明の実施形態3による駆動回路(データドライバ)を構成する遅延回路120bを示すブロック図である。
【0088】
この遅延回路120bは、実施形態1のデータドライバ102を構成する遅延回路120におけるカウンタ131およびデコーダ132に代えてシフトレジスタ132aを備えたものであり、その他の構成は、実施形態1の遅延回路120と同一である。
【0089】
つまり、この実施形態3のデータドライバ102bにおける遅延回路120bは、入力された制御信号LOADにより生成される固定タイミングに基づいてシフト動作するシフトレジスタ132aと、直列接続の複数の遅延素子Deと、前記シフトレジスタの出力に基づいて、前記制御信号が、該複数の遅延素子のうちの、直列接続の所定数の遅延素子で遅延されるよう該制御信号の信号経路を切り替える複数のスイッチ133−0〜133−3とを備えている。ここで、遅延素子Deおよびスイッチ133−0〜133−3は、実施形態1の遅延回路120と同一のものである。
【0090】
このような構成の遅延回路120bでは、シフトレジスタ132aは、外部から制御入力端子124に入力されたパルス信号としての制御信号LOAD(IN)(図4参照)のパルスが立ち上がるたびに、その出力Y0〜Y3を順次アクティブ状態とする。ここで、制御信号は映像信号の水平同期信号に同期したパルス信号であり、従って、1水平同期期間が経過する毎に、オン状態となるスイッチが、上記第1〜第4のスイッチ133−0〜133−3の順次切り換わり、このスイッチの切替りは、4水平同期期間で繰り替えされる。
【0091】
この時、実施形態1の遅延回路120と同様に、第1のスイッチ133−0を通った制御信号は遅延されずに出力ノードLOAD(OUT)から出力され、第2のスイッチ133−1を通った制御信号は、遅延素子Deを1個経由して出力され、第3のスイッチ133−2を通った制御信号は、遅延素子Deを3個経由して出力され、第4のスイッチ133−3を通った制御信号は、遅延素子Deを6個経由して出力される。
【0092】
このため、1水平同期期間を1H、1個の遅延素子Deでの遅延時間をαとすると、ホールド117に入力される制御信号LOAD(OUT)のパルス立ち上がりタイミングは、1水平期間毎に、1水平同期期間を基準とする固定の周期により決まるタイミングに対して遅延時間1H+α、1H+2α、1H+3α、0だけ遅れたものとなる。
【0093】
これにより、データドライバ回路内の制御信号の周波数成分が拡散され、不要輻射が低減される。
(実施形態4)
図10は、本発明の実施形態4による駆動回路を含む表示装置の構成を示す図である。
【0094】
この実施形態4の液晶表示装置200は、実施形態1の液晶表示装置100におけるデータドライバ102a〜109aに代えて、これとは構成の異なるデータドライバ202〜209を備えたものである。
【0095】
具体的には、この実施形態4のデータドライバ202は、実施形態1のデータドライバ102aの構成に加えて、n個の全データ信号ラインのうちの所定数(ここではk個)のデータ信号ライン毎に、シフトレジスタ、ラッチ回路、ホールド岐路、D/Aコンバータ回路、出力バッファを、m個のグループ20a1〜20amにグループ化し、各グループの前段にグループに対応する遅延時間固定の遅延回路24a1〜24amを備えたものである。
【0096】
また、この遅延回路24a1〜24amは、実施形態1の遅延回路120と同一構成の遅延量可変の遅延回路220からの制御信号が順次一定時間だけ遅延するよう直列に接続されており、各グループ20a1〜20akのホールド回路には、各グループの前段に設けられた遅延量固定の遅延回路24a1〜24akの出力が供給されるようになっている。
【0097】
従って、この実施形態4の液晶表示装置200におけるタイミングコントローラ214、走査ドライバ210〜213、および液晶表示パネル201は、実施形態1の液晶表示装置100におけるタイミングコントローラ114、走査ドライバ102a〜109a、および液晶表示パネル101と同一のものである。
【0098】
つまり、データドライバ202〜209は、液晶表示パネル201のデータ信号ラインに接続され、データ信号ラインを駆動する。また、データドライバ202〜209は、半導体集積回路で構成されたドライバチップがCOF(Chip On Film)のような実装構造でフィルム基板上に実装されることにより構成されている。走査ドライバ210〜213は、表示パネル201の走査信号ラインに接続され、走査信号ラインを駆動する。また、走査ドライバ210〜213は、半導体集積回路で構成されたドライバチップがCOF(Chip On Film)のような実装構造でフィルム基板上に実装されることにより構成されている。タイミングコントローラ214は、データドライバ202〜209の内少なくとも一つ、及び走査ドライバ210〜213の内少なくとも一つに信号線を介して接続されており、データドライバ202〜209の内少なくとも一つ、及び走査ドライバ210〜213の内少なくとも一つをコントロールすることにより、液晶表示パネル201に映像データを表示させる。
【0099】
また、図11は、本発明の実施形態4による駆動回路であるデータドライバを示すブロック図であり、データドライバ202の構成を示している。なお、データドライバ203〜209については、データドライバ202と同様の構成を有するので、説明を省略する。
【0100】
データドライバ202は、実施形態1のデータドライバ102と同様に、ポインタ用シフトレジスタ回路部215と、ラッチ回路部216と、ホールド回路部217と、D/Aコンバータ部218と、出力バッファ部219とを有している。
【0101】
ただし、このデータドライバ202では、k本のデータ信号ライン毎に、ポインタ用シフトレジスタ回路部215を構成するシフトレジスタ215−1〜215−nがグループ化されている。また、ラッチ回路部216を構成するラッチ回路216−1〜216−nと、ホールド回路部217を構成するホールド回路217−1〜217−nと、D/Aコンバータ部218を構成するD/Aコンバータ218−1〜218−nと、出力バッファ部219を構成する出力バッファ219−1〜219−nとがグループ化されている。
【0102】
各グループ20a1〜20amは、ポインタ用シフトレジスタ回路部215を構成するシフトレジスタ215−1〜215−kと、ラッチ回路部216を構成するラッチ回路216−1〜216−kと、ホールド回路部217を構成するホールド回路217−1〜217−kと、D/Aコンバータ部218を構成するD/Aコンバータ218−1〜218−kと、出力バッファ部219を構成する出力バッファ219−1〜219−kを含んでいる。
【0103】
また、データドライバ202は、遅延回路220と、基準電源補正回路221とを備えている。また、データドライバ202は、入力端子として、クロック入力端子222と、表示データ入力端子223と、制御信号入力端子224と、基準電源端子225〜229とを備えている。また、データドライバ202は、液晶表示パネル201への信号出力のために設けられる出力端子として、n個の信号出力端子230−1〜230−nを備えている。信号出力端子230−1〜230−nは、それぞれ前述の液晶表示パネル201のデータ信号ラインと個々に接続されている。
【0104】
クロック入力端子222は、ポイント用シフトレジスタ回路215に与えるクロック信号CLKを入力するために設けられている。表示データ入力端子223は、複数ビットの階調データの各ビットに対応した複数の信号入力端子からなる。制御信号入力端子224は、遅延回路220を介してホールド回路部217に接続され、制御信号を入力されるために設けられている。この制御信号は、ホールド217がラッチ回路部216でラッチされた表示データを保持するための信号として用いられる。基準電源端子225〜229は、それぞれ基準電圧補正回路221に与えられる基準電圧V0〜V4を入力するために設けられている。
【0105】
信号出力端子230−1〜230−nは、出力バッファ219を構成する219−1〜219−nから出力された階調電圧を液晶表示パネル201に出力するために設けられている。
【0106】
図12は、本実施形態4による駆動回路(データドライバ)を構成する遅延回路を示すブロック図である。
【0107】
この実施形態4の遅延回路220は実施形態1における図3に示す遅延回路120と同一の構成を有している。
【0108】
この遅延回路220は、制御入力端子224に接続された2ビットカウンタ231と、カウンタ231に接続された4出力デコーダ232と、デコーダ232に接続された4個のスイッチ233と、スイッチ233に接続された遅延素子Deとで構成されている。ここで、2ビットカウンタ231、4出力デコーダ232、スイッチ233、遅延素子Deを含む遅延部134a〜134cは、実施形態1の遅延回路におけるものと同一である。
【0109】
次に動作について説明する。
【0110】
本実施形態4の液晶表示装置200では、外部から映像信号が入力されると、タイミングコントローラ214はこの映像信号から表示データDATA、データ制御信号LOAD、走査制御信号およびクロック信号CLKを生成する。表示データDATA、データ制御信号LOAD、およびクロック信号CLKがデータドライバ202〜209に供給されると、データドライバ202〜209は、表示データおよびデータ制御信号に基づいてデータ信号ラインを駆動する。また、走査制御信号が走査ドライバ210〜213に供給されると、走査ドライバ210〜213は、この走査制御信号に基づいて走査信号ラインを駆動する。これにより液晶表示パネルには映像信号に応じて画像表示が行われる。
【0111】
このとき、データドライバ202では、タイミングコントローラ214からの表示データDATA、データ制御信号LOAD、およびクロック信号CLKがそれぞれの入力端子に供給されると、ポインタ用シフトレジスタ回路部215は、クロック入力端子222に入力されたクロック信号CLKを各段のシフトレジスタによってシフトさせて、各段のシフトレジスタ215−1〜215−nよりラッチ回路選択信号を出力する。ポインタ用シフトレジスタ回路部215は、ラッチ回路選択信号によって、ラッチ回路部216を構成する1段目のラッチ216−1からn段目のラッチ回路216−nまでを順次選択する。
【0112】
ラッチ回路216−1〜216−nは、上記ラッチ回路選択信号が入力されると、表示データ入力端子223から入力された表示データを記憶可能なアクティブな状態とする。この状態では、ラッチ回路216−1〜216−nにそれぞれ異なる値のデータを記憶することが可能である。よってポインタ用シフトレジスタ回路部215にクロック信号のn個のクロックが入力された場合、全てのラッチ回路216−1〜216−nが各データラインに対応した表示データを記憶できる。この状態で、表示データは、表示データ入力端子223から入力されると、対応するラッチ回路216−1〜216−nにそれぞれ選択されて格納される。
【0113】
ホールド回路部217は、n個のホールド回路217−1〜217−nによって構成され、複数(m個)のグループに分かれている。グループ分けの個数は特に限定されるものではないが、具体的には4グループや8グループなどに分けることができる。
【0114】
またホールド回路部217を構成する、グループ分けされた各グループのホールド回路には、遅延量固定の遅延回路24a1〜24anが、各グループに応じて、入力される制御信号が通過する遅延量固定の遅延回路24a1〜24anの個数が異なるように接続されいる。これにより、制御信号を、各グループのホールド回路毎に所定の遅延時間だけ遅延させる。
【0115】
ホールド回路部217を構成するホールド回路217−1〜217−nは、それぞれに対応するラッチ回路216−1〜216−nに記憶されているデータを、複数グループ(m個)毎に設定された所定の遅延時間だけ遅延された制御信号がアクティブ(例えばHレベル)となるタイミングで複数グループ毎に取り込んで保持する。ホールド回路216−1〜216−nに保持されたデータは、D/Aコンバータ218−1〜218−nに入力されるデジタルデータになる。
【0116】
ここで制御信号は、タイミングコントローラ214から出力され、信号線を介して制御信号入力端子224から入力された後、遅延回路220を介してホールド回路に入力されるので、遅延回路220で所定時間だけ遅延されてホールド回路217に入力される。したがって、タイミングコントローラ214から出力された制御信号タイミングに対して、ホールド回路217内のデータ取り込みタイミングは、遅延量可変の遅延回路220と遅延量固定の遅延回路24a1〜24anで遅延される時間の合計分だけ遅延されることになる。
【0117】
また、D/Aコンバータ回路218−1〜218−nは、上記デジタルデータに基づいて、基準電圧補正回路221から入力されるp種類の階調電電圧から1つを選択して出力する。D/Aコンバータ回路218−1〜218−nの詳細については、例えば特開2003−130921号公報に記載されているので、ここではその説明を省略する。
【0118】
出力バッファ219−1〜219−nは、D/Aコンバータ218−1〜218−nからそれぞれ出力された階調電圧をインピーダンス変換する。出力バッファ219−1〜219−nから出力された階調電圧は、それぞれ信号出力端子230−1〜230−nから階調データ(駆動データ)として液晶表示パネル201に出力される。
【0119】
また、遅延回路220では、外部から制御入力端子224に入力された信号をカウンタ231でカウントし、制御信号はカウント数に応じて遅延素子Deで遅延され、ホールド回路217に入力される。この時、スイッチ233−0を通った信号は遅延されずにLOAD(OUT)から出力され、スイッチ233−1を通った信号は遅延素子Deを1個経由して出力され、スイッチ233−2を通った信号は遅延素子Deを3個経由して出力され、スイッチ233−3を通った信号は、遅延素子Deを6個経由して出力されるため、1水平同期期間を1H、1個の遅延素子Deでの遅延時間をαとすると、ホールド217に入力される信号周期は、図4に示すように、1H+α、1H+2α、1H+3α、1H―6αの4通りの周期を持つこととなる。
【0120】
これにより、制御信号の周波数が拡散され、更にグループ毎にデータロードタイミングが異なるため、不要輻射が低減される。
【0121】
なお、実施形態4では、タイミングコントローラから出力された制御信号をデータドライバ内で遅延回路にて遅延させることにより制御信号のロードタイミングとして複数周期のタイミングを作り出し、駆動回路で発生する駆動信号の周波数成分を拡散させたが、実施形態2で説明したように、タイミングコントローラ内に遅延回路を設け、制御信号の遅延処理により、制御信号としてそのパルス立ち上がりタイミングが、一定周期で決まる固定タイミングに対して変化する信号を作り出し、このような遅延処理を施した制御信号をタイミングコントローラから出力させ、データドライバ内での遅延を行わない手法であっても良い。
【0122】
また、上記実施形態4では、データドライバにおけるラッチ回路216−1〜216−n、ホールド回路217−1〜217−n、D/Aコンバータ218−1〜218−n、出力バッファ219−1〜219−nがすべてグループ分けされている構成を示したが、データドライバは、ホールド回路217−1〜217−nのみグループ分けしたものでもよい。
(実施形態5)
図13は、本発明の実施形態5による駆動回路(データドライバ)を示すブロック図である。
【0123】
この実施形態5の駆動回路は、実施形態4のデータドライバにおける各グループに対応する遅延量固定の遅延回路を、制御信号のカウント数に基づいて遅延量を変化させる図12に示す遅延回路と同一の回路構成としたものであり、その他の構成は、実施形態4のデータドライバと同一である。
【0124】
このような構成の実施形態5のデータドライバでは、実施形態4の効果に加えて、各グループ毎により細かく制御信号の遅延量を変化させることができる効果がある。
【0125】
なお、上記実施形態4および5では、1つのソースドライバ内でグループ分けした複数のグループの回路間で、表示データを液晶表示パネルにロードするタイミングを異なるタイミングとしているが、複数のソースドライバの間で表示データを液晶表示パネルにロードするタイミングを異なるタイミングとしてもよい。
【0126】
これにより、不要輻射を低減させた複数の駆動回路(ソースドライバ)間で、表示データのロードタイミングをずらすことにより、表示装置全体での不要輻射を更に低減できる。
【0127】
また、上記実施形態5では、駆動回路として、実施形態4のデータドライバにおける各グループに対応する遅延量固定の遅延回路を、図12に示す遅延回路と同一の回路構成としたものを示したが、実施形態4のデータドライバにおける各グループに対応する遅延量固定の遅延回路は、図9に示す遅延回路と同一の回路構成としてもよい。
また、上記実施形態1〜5で示した駆動回路を備えた液晶表示装置は、携帯電話、パーソナルコンピュータ、テレビジョンセットなどの電子情報機器のディスプレイ装置として利用されるものである。
【0128】
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0129】
本発明は、駆動回路、液晶表示装置、および電子情報機器の分野において、駆動回路の出力タイミングを一水平同期期間毎、あるいは複数水平同期期間毎に周期的に変動させることにより、周波数を拡散させ、不要輻射を低減させることができる駆動回路、およびこのような駆動回路を搭載した液晶表示装置、並びにこのような液晶表示装置を備えた電子情報機器を提供することができる。
【符号の説明】
【0130】
14a 制御部
14b、120、120b、220、D 遅延回路
20a1〜20am 回路ブロック
24a1〜24am、24b1〜24bm ブロック遅延回路
100、100a、100b、200 液晶表示装置
101、201、901 液晶表示パネル
102、102b、〜109、202〜209、LS1 データドライバ
110〜113、210〜213 走査ドライバ
114、114a、214 タイミングコントローラ
115、215、923 シフトレジスタ部
115−1〜115−n、215−1〜215−k シフトレジスタ
116、216、924 ラッチ回路部
116−1〜116−n、216−1〜216−k ラッチ回路
117、217、925 ホールド回路部
117−1〜117−n、217−1〜217−k ホールド回路
118、218、926 D/Aコンバータ部
118−1〜118−n、218−1〜218−k D/Aコンバータ
119、219、927 出力バッファ部
119−1〜119−n、219−1〜219−k 出力バッファ
121、221 基準電圧補正回路
122、222、902 クロック入力端子
123、223、903 データ入力端子
124、224、904 制御入力端子
125〜129、225〜229、905〜909 基準電圧入力端子
130、230、911 出力端子部
130−1〜130−n 出力端子
131、231 カウンタ
132、232 デコーダ
133−1〜130−4 スイッチ
134a、134b、 134c 遅延部
De 遅延素子
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動回路、液晶表示装置、および電子情報機器に関し、特に、液晶表示パネル等の表示パネルを駆動する駆動回路においてピーク電流を分散させるよう構成したもの、このような駆動回路を搭載した液晶表示装置、およびこのような液晶表示装置を含む電子情報機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、液晶表示装置等の平面表示装置は、液晶表示パネルなどの表示パネル、その表示パネルを駆動するドライバ、及びドライバを制御する制御回路とを備えている。
【0003】
ところで、近年、このような表示装置の大型化、高精細化、高速駆動化に伴い、表示パネルに表示データとして出力する表示信号(階調電圧)の出力周波数や、出力する表示信号の数も増大し、表示パネルの駆動用データドライバにおいては、データ出力時に発生する不要輻射が問題となってきている。
【0004】
以下、従来の表示パネルを駆動するデータドライバを挙げて具体的に説明する。
【0005】
図14は、従来のデータドライバの構成を説明するブロック図である。
【0006】
図14に示すデータドライバ901は、n本の信号出力端子911−1〜911−nを有し、それぞれの出力端子から、p階調の表示データを示す表示信号を表示パネルのデータラインに出力可能なものである。
【0007】
つまり、このデータドライバ901は、外部からの信号を入力するための信号入力端子として、クロック入力端子902と、複数の階調データ入力端子903と、制御信号入力端子904と、基準電源端子905〜909とを備えている。またデータドライバ901は、液晶表示パネルへの信号出力用として、n個の信号出力端子911−1〜911−nを備えている。
【0008】
また、データドライバ901は、内部に設けられる回路として、基準電源補正回路921と、クロック信号CLKに基づいて動作するポインタ用シフトレジスタ923と、表示データをサンプルラッチするラッチ回路部924と、サンプルラッチされた表示データをホールドラッチするホールド回路部925と、ホールドラッチされた表示データをDA変換するD/Aコンバータ(Digital Analog Converter)部926と、DA変換された表示データを出力する出力バッファ部927とを備えている。
【0009】
ここで、ポインタ用シフトレジスタ回路923は、n段のシフトレジスタ923−1〜923−nを有している。ラッチ回路部924は、n個のラッチ回路924−1〜924−nを有している。ホールド回路部925は、n個のホールド回路925−1〜925−nを有している。D/Aコンバータ部926は、n個のD/Aコンバータ回路926−1〜926−nを有している。出力バッファ部927は、オペアンプにより構成されるn個の出力バッファ927−1〜927−nを有している。
【0010】
次に動作について説明する。
【0011】
このような構成のデータドライバ901では、このドライバ901を制御する制御回路(図示せず)から表示データDATA、データ制御信号LOAD、およびクロック信号CLKが入力されると、ポインタ用シフトレジスタ回路部923は、クロック入力端子902に入力されたクロック信号CLKに応じて、ラッチ回路924−1〜924−nのうち1つのラッチ回路を選択する。この状態で、階調データDATAが階調データ入力端子903から入力されると、ラッチ回路部924では、選択されたラッチ回路に階調データのサンプリング値が格納される。
【0012】
また、ポインタ用シフトレジスタ回路923から出力されるラッチ回路選択信号は、クロック入力端子902から入力されるクロック信号により第1段のラッチ回路924−1から第n段のラッチ回路924−nまで順次選択する。よって、n個のクロックが入力された場合、全てのラッチ回路924−1〜924−nに階調データを記憶させることができる。また、ラッチ回路924−1〜924−nに記憶された階調データは、制御信号LOADにより、それぞれ対応するn個のホールド回路925−1〜925−nへ転送され、D/Aコンバータ926−1〜926−nのデジタル入力データとなる。
【0013】
D/Aコンバータ回路926〜926−nは、上記デジタル入力データにより、入力されるp種類の階調電圧から1つを選択して出力する。p種類の階調電圧は、基準電源端子905〜909からそれぞれ入力された基準電圧V0〜V4に基いて、基準電源補正回路921によって生成される。
【0014】
さらに、D/Aコンバータ回路926−1〜926−nから出力された階調電圧は、出力バッファ部927でインピーダンス変換されて、それぞれの信号出力端子911−1〜911−nから液晶表示パネル(図示せず)の駆動信号として、該液晶表示パネルの各データ線に出力される。
【0015】
このような構成の従来のデータドライバ901では、上記のように、制御信号LOADにより一括してホールド回路からD/Aコンバータ回路へのデータ転送が行われるため、D/Aコンバータ回路926−1〜926−nから出力される階調電圧が同時に変化する。このため、データドライバ901に瞬間的に大電流が発生する。この電流は、信号出力端子911−1〜911−nの個数が増加したことと、出力バッファ部927の駆動能力が増大したことにより、非常に大きな値となってきている。それゆえ、データドライバ901の消費電流が増大するだけではなく、この電流により発生する不要輻射が問題になる。
【0016】
そこで、電流集中によるピーク電流の増大を防ぐための手法として、従来から特許文献1などに開示の方法が提案されている。
【0017】
図15は、この文献に開示のデータドライバの構成を示している。
【0018】
このデータドライバ300は、図14に示すデータドライバにおけるホールド回路、D/Aコンバータ回路、および出力バッファに相等する回路ブロックCB1〜CB4は、複数のグループCG1〜CGnにグループ化されている。つまり、各グループにおける回路ブロックCB1〜CB4は、それぞれ液晶表示パネルの各データラインに対応し、対応するデータラインに表示データを出力するものである。
【0019】
また、このデータドライバ300では、第1の回路グループCG1には、入力保護回路(E)30を介して入力された制御信号LOADが直接入力され、また、第2の回路グループCG2には、入力保護回路(E)30からの制御信号LOADは、第1の遅延回路31a1を介して入力され、第3の回路グループCG3には、第1および第2の遅延回路31a1および31a2を介して入力される。つまり、第nの回路グループCGnには、第1〜第n−1の遅延回路31a1〜31anを介して入力される。
【0020】
従って、このようなデータドライバを搭載した液晶表示装置では、回路グループCG間に遅延回路Dを有しているため、遅延回路Dの遅延時間だけずれて、各回路グループCGから表示出力信号(階調電圧)が出力される。
【0021】
これにより、表示出力信号が回路グループCGごとに分散されて出力されるために、高精細化や高画面化により信号数の数が増大しても電源線に流れるピーク電流が分散されて流れることになり、不要輻射も低減される。
【0022】
また、特許文献2にはデータドライバ間で階調データをホールド回路に取り込むタイミングを異ならせるものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【特許文献1】特開平8−22267号公報
【特許文献2】特開2008−262132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
上述したように、特許文献1に記載のデータドライバでは、各回路グループCGからは表示出力信号(階調電圧)が遅延回路Dの遅延時間だけずれて出力されるが、各回路グループから表示信号が出力される周期は一定であるため、駆動信号の周波数成分の拡散が十分ではなく、表示装置が大画面化、高精細化、高速化されるにつれ、不要輻射が大きくなるという問題がある。
【0025】
また特許文献2に開示の液晶表示装置においても、特許文献1に記載のデータドライバと同様の問題がある。
【0026】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、液晶表示装置などの表示装置を駆動する駆動信号の周波数成分を拡散させ、不要輻射を低減させることができる駆動回路、およびこのような駆動回路を搭載した液晶表示装置、並びにこのような液晶表示装置を備えた電子情報機器を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明に係る駆動回路は、表示装置を表示データおよび制御信号に基づいて駆動する駆動回路であって、入力された制御信号を遅延する遅延回路と、入力された表示データを、遅延された制御信号が生成するタイミングで該表示装置にロードするデータロード部とを備え、該遅延回路は、該制御信号を、該表示データが該表示装置にロードされるロードタイミングが、一定周期により決まる固定タイミングに対して変動するよう遅延させるものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0028】
本発明は、上記駆動回路において、前記入力された制御信号は、前記一定周期で前記固定タイミングを生成する信号であり、前記遅延回路は、前記一定周期の整数倍の期間が経過する度に、前記ロードタイミングを前記固定タイミングから一定の遅延時間だけ遅らせる前記制御信号の遅延処理を、該ロードタイミングの遅延時間の制限内で繰り返すことが好ましい。
【0029】
本発明は、上記駆動回路において、前記表示データおよび前記制御信号は、前記表示装置に供給される映像信号に含まれており、前記一定周期は該映像信号の水平同期期間に基づいたものであることが好ましい。
【0030】
本発明は、上記駆動回路において、前記遅延回路は、前記入力された制御信号が生成する固定タイミングをカウントするカウント回路と、該カウント回路のカウント出力をデコードするデコーダとを備え、該デコーダの出力に基づいて、前記制御信号の遅延量を決定するものであることが好ましい。
【0031】
本発明は、上記駆動回路において、前記遅延回路は、直列接続の複数の遅延素子と、前記デコーダの出力に基づいて、前記制御信号が、該複数の遅延素子のうちの、直列接続の所定数の遅延素子で遅延されるよう信号経路を切り替える複数のスイッチとを備えていることが好ましい。
【0032】
本発明は、上記駆動回路において、前記遅延回路は、前記入力された制御信号により生成される固定タイミングに基づいてシフト動作するシフトレジスタと、直列接続の複数の遅延素子と、該シフトレジスタの出力に基づいて、前記制御信号が、該複数の遅延素子のうちの、直列接続の所定数の遅延素子で遅延されるよう該制御信号の信号経路を切り替える複数のスイッチとを備えていることが好ましい。
【0033】
本発明は、上記駆動回路において、前記表示装置としての液晶表示パネルの複数のデータラインを駆動するデータドライバと、前記液晶表示パネルの複数の走査ラインを駆動する走査ドライバと、入力された映像信号に基づいて、該データドライバに供給する前記表示データを生成するとともに、前記制御信号として、該データドライバに供給するデータ制御信号、および前記走査ドライバに供給する走査制御信号を生成するタイミングコントローラとを備え、前記遅延回路は、該データドライバを構成するものであり、該遅延回路は、該データドライバに入力された前記制御信号を、該データドライバから該液晶表示パネルのデータラインに前記表示データが出力されるタイミングが、水平同期信号に対して決まる固定タイミングに対して1水平走査ライン毎に変化するよう遅延させるものであることが好ましい。
【0034】
本発明は、上記駆動回路において、前記表示装置としての液晶表示パネルの複数のデータラインを駆動するデータドライバと、前記液晶表示パネルの複数の走査ラインを駆動する走査ドライバと、入力された映像信号に基づいて、該データドライバに供給する前記表示データを生成するとともに、前記制御信号として、該データドライバに供給するデータ制御信号、および前記走査ドライバに供給する走査制御信号を生成するタイミングコントローラとを備え、前記遅延回路は、該タイミングコントローラを構成するものであり、該遅延回路は、該タイミングコントローラで該映像信号に基づいて生成された前記制御信号を、該データドライバから該液晶表示パネルのデータラインに前記表示データが出力されるタイミングが、水平同期信号に対して決まる固定タイミングに対して1水平走査ライン毎に変化するよう遅延させるものであることが好ましい。
【0035】
本発明は、上記駆動回路において、前記表示装置としての液晶表示パネルの複数のデータラインを駆動するデータドライバを備え、前記遅延回路は、該データドライバを構成し、該データドライバに入力された制御信号を遅延するものであり、該データドライバは、該液晶表示パネルのデータライン毎に設けられ、対応するデータラインを駆動する、複数のグループにグループ分けされた複数のドライバ回路と、同一のグループのドライバ回路が、同一タイミングで前記表示データを該データラインに供給し、かつ、異なるグループのドライバ回路が、異なるタイミングで前記表示データを該データラインに供給するよう、各グループのドライバ回路に供給される制御信号を遅延する信号遅延部とを備えていることが好ましい。
【0036】
本発明は、上記駆動回路において、前記信号遅延部は、複数段に直列に接続された複数の遅延部を備え、初段の遅延部は、前記遅延回路から出力される制御信号を遅延するものであり、2段目以降の遅延部は、前段の遅延部から出力される制御信号を遅延するものであることが好ましい。
【0037】
本発明は、上記駆動回路において、前記信号遅延部を構成する遅延部は、それぞれ入力される制御信号を所定量だけ遅延するものであることが好ましい。
【0038】
本発明は、上記駆動回路において、前記複数の遅延部は、前記入力された制御信号が生成する固定周期のタイミングをカウントするカウント回路と、該カウント回路のカウント出力をデコードするデコーダとを備え、該デコーダの出力に基づいて、前記制御信号の遅延量を決定するものであることが好ましい。
【0039】
本発明は、上記駆動回路において、前記複数の遅延部は、直列接続の複数の遅延素子と、前記デコーダの出力に基づいて、前記制御信号が、該複数の遅延素子のうちの、直列接続の所定数の遅延素子で遅延されるよう信号経路を切り替える複数のスイッチとを備えていることが好ましい。
【0040】
本発明は、上記駆動回路において、前記遅延回路は、前記入力された制御信号により生成される固定周期のタイミングに基づいてシフト動作するシフトレジスタと、直列接続の複数の遅延素子と、該シフトレジスタの出力に基づいて、前記制御信号が、該複数の遅延素子のうちの、直列接続の所定数の遅延素子で遅延されるよう該制御信号の信号経路を切り替える複数のスイッチとを備えていることが好ましい。
【0041】
本発明に係る液晶表示装置は、液晶表示パネルを有し、映像信号に基づいて該液晶表示パネルに画像を表示する液晶表示装置であって、該映像信号に基づいて該液晶表示パネルを駆動する駆動装置を備え、該駆動装置は、上述した本発明に係る駆動回路を有するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0042】
本発明に係る電子情報機器は、液晶表示装置を備えた電子情報機器であって、該液晶表示装置は、上述した本発明に係る液晶表示装置であり、そのことにより上記目的が達成される。
【0043】
以下、本発明の作用について説明する。
【0044】
本発明においては、入力された制御信号を遅延する遅延回路と、入力された表示データを、遅延された制御信号が生成するタイミングで表示装置にロードするデータロード部とを備え、該制御信号を、該表示データが該表示装置にロードされるロードタイミングが、一定周期により決まる固定タイミングに対して変動するよう遅延させるので、従来技術では不十分であった不要輻射低減の効果が得られる。
【0045】
本発明においては、制御信号の遅延により、固定タイミングに対する制御信号のロードタイミングを時系列に複数作り出すので、制御信号のロードタイミングを複数作り出す回路規模が大きくならず、コスト低減につながる。
【0046】
本発明においては、上記駆動回路において、制御信号のパルス立ち上がりをカウントするカウンタ回路を持つことで、1水平期間毎にロードタイミングを変化させることのできる遅延回路を回路規模を増大させることなく構成でき、コスト低減につながる。
【0047】
本発明においては、駆動回路を構成する、各データ信号線毎に対応する複数の回路ブロックを、所定数のデータ信号線を単位としてグループ化することで、固定タイミングに対する制御信号のロードタイミングを時系列で複数持つことにより、駆動回路内で発生する駆動信号の周波数成分を拡散をさせ、不要輻射を低減できるだけでなく、複数の回路グループ毎にロードするタイミングをずらすことができるため、更なる不要輻射低減が実現できる。
【発明の効果】
【0048】
以上のように、本発明によれば、液晶表示装置などの表示装置を駆動する駆動信号の周波数成分を拡散させ、不要輻射を低減させることができる駆動回路、およびこのような駆動回路を搭載した液晶表示装置、並びにこのような液晶表示装置を備えた電子情報機器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】図1は、本発明の実施形態1による駆動回路を含む表示装置の構成を示す図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態1による駆動回路であるデータドライバを示すブロック図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態1による駆動回路(データドライバ)を構成する遅延回路を示すブロック図である。
【図4】図4は、本発明の実施形態1による遅延回路の動作を説明する図であり、遅延されたロード信号(制御信号)をタイミングチャートで示している。
【図5】図5は、本発明の実施形態2によるタイミングコントローラを含む表示装置の構成を示す図である。
【図6】図6は、本発明の実施形態2によるタイミングコントローラを示すブロック図である。
【図7】図7は、本発明の実施形態3による駆動回路を含む表示装置の構成を示す図である。
【図8】図8は、本発明の実施形態3による駆動回路であるデータドライバを示すブロック図である。
【図9】図9は、本発明の実施形態3による駆動回路(データドライバ)を構成する遅延回路を示すブロック図である。
【図10】図10は、本発明の実施形態4による駆動回路を含む表示装置の構成を示す図である。
【図11】図11は、本発明の実施形態4による駆動回路であるデータドライバを示すブロック図である。
【図12】図12は、本発明の実施形態4による駆動回路(データドライバ)を構成する遅延回路を示すブロック図である。
【図13】図13は、本発明の実施形態5による駆動回路(データドライバ)を示すブロック図である。
【図14】図14は、従来の駆動回路の構成の一例を示すブロック図である。
【図15】図15は、従来の他の駆動回路の構成の一例として特許文献1に開示のものを示すブロック図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
以下、本発明の実施形態について説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1による駆動回路を含む液晶表示装置の構成を示す図である。
【0051】
本実施形態1の液晶表示装置100は、映像信号に基づいて画像表示を行う液晶表示パネル101と、液晶表示パネルのデータ信号ラインを駆動する複数のデータドライバ102〜109と、液晶表示パネルの走査信号ラインを駆動する複数の走査ドライバ110〜113と、映像信号から表示データ、データ制御信号、および走査制御信号を生成し、表示データおよびデータ制御信号によりデータドライバ102〜109を制御し、走査制御信号により走査ドライバ110を制御するタイミングコントローラ114とを備えている。
【0052】
具体的には、データドライバ102〜109は、液晶表示パネル101のデータ信号ラインに接続され、タイミングコントローラ114からの表示データおよびデータ制御信号に基づいてデータ信号ラインを駆動する。また、データドライバ102〜109は、半導体集積回路で構成されたドライバチップが、COF(Chip On Film)のような実装構造としてフィルム基板上に実装されることにより構成されている。また、走査ドライバ110〜113は、表示パネル101の走査信号ラインに接続され、タイミングコントローラ114からの走査制御信号により走査信号ラインを駆動する。この走査ドライバ110〜113も、半導体集積回路で構成されたドライバチップがCOF(Chip On Film)のような実装構造でフィルム基板上に実装されることにより構成されている。また、タイミングコントローラ114は、データドライバ102〜109の内少なくとも一つ、及び走査ドライバ110〜113の内少なくとも一つに信号線を介して接続されており、データドライバ102〜109の内少なくとも一つ、及び走査ドライバ110〜113の内少なくとも一つをコントロールすることにより、液晶表示パネル101に映像データを表示させる。つまり、タイミングコントローラ114と、各データドライバおよび各走査ドライバとがデータバスにより直接接続されていても、あるいはタイミングコントローラ114には、初段のデータドライバおよび初段の走査ドライバが接続され、次段以降のデータドライバおよび次段以降の走査ドライバには、初段のデータドライバおよび初段の走査ドライバからタイミングコントローラからの信号を伝えるようにしてもよい。
【0053】
図2は、上記データドライバ102の構成を示している。なお、データドライバ103〜109は、データドライバ102と同様な構成を有しているため、その説明を省略する。
【0054】
図2に示すように、データドライバ102は、クロック信号CLKに基づいてシフト動作するポインタ用シフトレジスタ回路部115と、表示データDATAをサンプルラッチするラッチ回路部116と、サンプルラッチされた表示データをホールドラッチするホールド回路部117と、ホールドラッチされた表示データをDA変換するD/Aコンバータ部118と、DA変換された表示データを出力する出力バッファ部119とを有している。
【0055】
ここで、ポインタ用シフトレジスタ回路115は、n段のシフトレジスタ115−1〜115−nを有している。ラッチ回路部116は、n個のラッチ回路116−1〜116−nを有している。ホールド回路部117は、n個のホールド回路117−1〜117−nを有している。D/Aコンバータ部118は、n個のD/Aコンバータ回路118−1〜118−nを有している。出力バッファ部119は、オペアンプにより構成されるn個の出力バッファ119−1〜119−nを有している。
【0056】
また、このデータドライバ102は、データ制御信号を遅延する遅延回路120と、入力された基準電圧V0〜V4に基づいてm種類の階調電圧を生成する基準電源補正回路121とを備えている。
【0057】
また、データドライバ102は、入力端子として、クロック入力端子122と、表示データ入力端子123と、制御信号入力端子124と、基準電源端子125〜129とを備えている。
【0058】
また、データドライバ102は、液晶表示パネル101への信号出力のために設けられる出力端子として、n個の信号出力端子130−1〜130−nを備えている。これらの信号出力端子130−1〜130−nは、それぞれ前述の液晶表示パネル101のデータ信号ラインと個々に接続されている。
【0059】
ここで、クロック入力端子122は、ポイント用シフトレジスタ回路115に与えるクロック信号CLKを入力するために設けられている。表示データ入力端子123は、複数ビットの階調データの各ビットに対応した複数の信号入力端子からなる。制御信号入力端子124は、遅延回路120を介してホールド回路部117に接続され、データロード信号LOADを入力されるために設けられている。このデータロード信号は、ホールド回路部117がラッチ回路部116でラッチされた表示データを保持するための制御信号として用いられる。基準電源端子125〜129は、それぞれ基準電圧補正回路121に与えられる基準電圧V0〜V4を入力するために設けられている。
【0060】
信号出力端子130−1〜130−nは、出力バッファ部119を構成するn個の出力バッファ119−1〜119−nから出力された階調電圧を液晶表示パネル101に出力するために設けられている。
【0061】
次に動作について説明する。
【0062】
本実施形態1の液晶表示装置100では、外部から映像信号が入力されると、タイミングコントローラ114はこの映像信号から表示データDATA、データ制御信号LOAD、走査制御信号およびクロック信号CLKを生成する。表示データDATA、データ制御信号LOAD、およびクロック信号CLKがデータドライバ102〜109に供給されると、データドライバ102〜109は、表示データおよびデータ制御信号に基づいてデータ信号ラインを駆動する。また、走査制御信号が走査ドライバ110〜113に供給されると、走査ドライバ110〜113は、この走査制御信号に基づいて走査信号ラインを駆動する。これにより液晶表示パネルには映像信号に応じて画像表示が行われる。
【0063】
このとき、データドライバ102では、タイミングコントローラ114からの表示データDATA、データ制御信号LOAD、およびクロック信号CLKがそれぞれの入力端子に供給されると、ポインタ用シフトレジスタ回路部115は、クロック入力端子122に入力されたクロック信号CLKを各段のシフトレジスタ115−1〜115−nによってシフトさせて、各段のシフトレジスタよりラッチ回路選択信号を出力する。つまりポインタ用シフトレジスタ回路部115は、ラッチ回路選択信号によって、ラッチ回路部116を構成する1段目のラッチ回路116−1からn段目のラッチ回路116−nまでを順次選択する。
【0064】
ラッチ回路部116のn個のラッチ回路116−1〜116−nは、上記ラッチ回路選択信号が入力されると、表示データ入力端子123から入力された表示データDATAを記憶可能なアクティブな状態となる。この状態では、ラッチ回路116−1〜116−nにそれぞれ異なる値のデータを記憶することが可能である。よってポインタ用シフトレジスタ回路部115にクロック信号のn個のクロックが入力された場合、全てのラッチ回路116−1〜116−nが各データラインに対応した表示データを記憶できる。各ラッチ回路がデータを記憶可能な状態で、表示データDATAが、表示データ入力端子123から入力されると、表示データDATAの各データラインに対応する値が、対応するラッチ回路116−1〜116−nにそれぞれ選択されて格納される。
【0065】
n個のホールド回路117−1〜117−nは、それぞれに対応するラッチ回路116−1〜116−nに記憶されているデータを、ロード信号(データ制御信号)LOADがアクティブ(例えばHレベル)となるタイミングで一斉に取り込んで保持する。ホールド回路116−1〜116−nに保持されたデータは、D/Aコンバータ118−1〜118−nに入力されるデジタルデータになる。
【0066】
ここでデータ制御信号LOADは、タイミングコントローラ114から出力され、信号線を介して制御信号入力端子124から入力された後、遅延回路120を介してホールド回路部117に入力されるので、遅延回路120で所定時間だけ遅延されてホールド回路部117に入力される。
【0067】
D/Aコンバータ回路118−1〜118−nは、上記デジタルデータに基づいて、基準電圧補正回路121から入力されるp種類の階調電圧から1つを選択して出力する。このようなD/Aコンバータ回路118−1〜118−nの詳細については、例えば、特開2003−130921号公報に記載されているので、ここではその説明を省略する。
【0068】
出力バッファ119−1〜119−nは、D/Aコンバータ118−1〜118−nからそれぞれ出力された階調電圧をインピーダンス変換して出力する。出力バッファ119−1〜119−nから出力された階調電圧は、それぞれ信号出力端子130−1〜130−nから階調データ(駆動データ)として液晶表示パネル101の対応するデータ信号ラインに出力される。
【0069】
なお、以上説明した動作はデータドライバ102の動作であるが、その他のデータドライバ103〜109もデータドライバ102と同様に動作する。
【0070】
次に、本実施形態1の駆動回路(データドライバ)120における遅延回路120について詳しく説明する。
【0071】
図3は、本実施形態1による駆動回路(データドライバ)120を構成する遅延回路を示すブロック図である。
【0072】
この遅延回路120は、制御入力端子124に接続された2ビットカウンタ131と、カウンタ131の出力をデコードする4出力デコーダ132と、デコーダ132に接続された4個のスイッチ133と、スイッチ133に接続された遅延素子Deとを有している。
【0073】
具体的には、この遅延回路120では、第1〜第4のスイッチ133−0〜133−3と、3つの遅延素子を直列接続してなる遅延部134aと、2つの遅延素子を直列接続してなる遅延部134bと、1つの遅延素子からなる遅延部134cとを有し、遅延回路120の入力ノード(制御入力端子124)と、その出力ノードとの間には、入力ノード側から順に第4のスイッチ133−3と上記遅延部134a〜134cが直列に接続されている。
【0074】
ここで、第3のスイッチ133−2は、第4のスイッチ133−3と上記遅延部134aとの直列接続体に並列に接続され、第2のスイッチ133−1は、第4のスイッチ133−3、遅延部134a、および遅延部134bの直列接続体に並列に接続され、第1のスイッチ133−1は、第4のスイッチ133−3、遅延部134a、遅延部134b、および遅延部134cの直列接続体に並列に接続されている。
【0075】
このような遅延回路120では、カウンタ131は、外部から制御入力端子124に入力されたパルス信号としての制御信号LOAD(IN)(図4参照)のパルス数をカウントし、デコーダ132は、このカウント数に応じてその出力Y0〜Y3を順次アクティブ状態とする。ここで、制御信号は映像信号の水平同期信号に同期したパルス信号であり、従って、1水平同期期間が経過する毎に、オン状態となるスイッチが、上記第1〜第4のスイッチ133−0〜133−3の順次切り換わり、このスイッチの切替りは、4水平同期期間で繰り替えされる。
【0076】
つまり、制御信号LOADは、カウント数に応じて、制御信号が通過する経路が、3つの遅延部134a〜134cを通過する経路と、2つの遅延部134bおよび134cを通過する経路と、1つの遅延部134cを通過する経路と、いずれの遅延部も通過しない経路のいずれかに切替られ、カウント数に応じた経路を介してホールド回路117に入力される。
【0077】
この時、第1のスイッチ133−0を通った制御信号は遅延されずに出力ノードLOAD(OUT)から出力され、第2のスイッチ133−1を通った制御信号は、遅延素子Deを1個経由して出力され、第3のスイッチ133−2を通った制御信号は、遅延素子Deを3個経由して出力され、第4のスイッチ133−3を通った制御信号は、遅延素子Deを6個経由して出力される。
【0078】
このため、1水平同期期間を1H、1個の遅延素子Deでの遅延時間をαとすると、ホールド117に入力される制御信号LOAD(OUT)のパルス立ち上がりタイミングは、1水平期間毎に、1水平同期期間を基準とする固定の周期により決まるタイミングに対して遅延時間1H+α、1H+2α、1H+3α、0だけ遅れたものとなる。言い換えると、制御信号における各パルスは、直前のパルス立ち上がりタイミングから時間1H+α、1H+2α、1H+3α、1H―6αが経過した後に立ち上がることとなり、図4に示すように、1H+α、1H+2α、1H+3α、1H―6αの4通りの周期を持つということができる。
【0079】
これにより、データドライバ回路内の制御信号の周波数が拡散され、不要輻射が低減される。
【0080】
このように本実施形態1では、液晶表示パネル101を表示データおよび制御信号に基づいて駆動する駆動回路102〜109において、入力された制御信号を遅延する遅延回路120を備えるとともに、入力された表示データを、遅延された制御信号が生成するタイミングで該液晶表示装置101にロードするデータロード部としてホールド回路部117、D/Aコンバータ回路部118および出力バッファ部119を備え、該遅延回路120は、該制御信号を、該表示データが該液晶表示パネルにロードされるロードタイミングが、一定周期(1水平同期期間)により決まる固定タイミングに対して変動するよう遅延させるので、駆動回路がデータをロードする出力タイミングを、一水平同期期間毎に周期的に変動させることが可能となる。これにより、液晶表示パネルに出力される表示データの周波数成分を拡散させて、不要輻射を低減させることができる。
【0081】
なお、上記実施形態1では、駆動回路がデータをロードする出力タイミングを、一水平同期期間毎に周期的に変動させているが、駆動回路がデータをロードする出力タイミングは、2以上の水平同期期間毎に周期的に変動させるようにしてもよい。
(実施形態2)
図5は、本発明の実施形態2によるタイミングコントローラを含む液晶表示装置の構成を示す図である。
【0082】
この実施形態2の液晶表示装置100aは、実施形態1の液晶表示装置100におけるタイミングコントローラ114に代えて、実施形態1の遅延回路120と同一構成の遅延回路14bを搭載したタイミングコントローラ114aを備えたものであり、この実施形態2の液晶表示装置100aでは、データドライバ102、103、109は、従来のデータドライバ901と同一構成としたものである。なお、この実施形態2の液晶表示装置におけるその他の構成は、実施形態1の液晶表示装置と同一である。
【0083】
図6は、本発明の実施形態2によるタイミングコントローラを示している。
【0084】
この実施形態2のタイミングコントローラ114aは、液晶表示装置100aの外部から供給される映像信号に基づいて表示データ、データ制御信号、クロック信号、および走査制御信号を生成する制御部14aと、この制御部14aから出力されたデータ制御信号LOADを遅延する遅延回路14bとを備えている。この遅延回路14bは実施形態1のデータドライバ102に含まれる遅延回路120と同一の構成を有している。
【0085】
このような構成の実施形態2の液晶表示装置100aでは、タイミングコントローラ114aを、データ制御信号を遅延する遅延回路14bを有する構成としたので、遅延回路114aから各データドライバ102〜109に供給される制御信号は、該表示データが該液晶表示パネルにロードされるロードタイミングが、一定周期(1水平同期期間)により決まる固定タイミングに対して変動するよう遅延したものとなる。これにより、駆動回路がデータを液晶表示パネルにロードする出力タイミングを、一水平同期期間毎に周期的に変動させることが可能となる。これにより、液晶表示パネルに出力される表示データの周波数成分を拡散させて、不要輻射を低減させることができる。
(実施形態3)
図7は、本発明の実施形態3による駆動回路を含む液晶表示装置の構成を示す図であり、図8は、本発明の実施形態3による駆動回路であるソースドライバを示す図である。
【0086】
この実施形態3の液晶表示装置100bは、実施形態1の液晶表示装置100における、遅延回路120を有するソースドライバ102a〜109aに代えて、該遅延回路120とは回路構成の異なる遅延回路120bを備えたソースドライバ102b〜109bを備えたものであり、この実施形態3の液晶表示装置におけるその他の構成は、実施形態1の液晶表示装置と同一である。
【0087】
図9は、本発明の実施形態3による駆動回路(データドライバ)を構成する遅延回路120bを示すブロック図である。
【0088】
この遅延回路120bは、実施形態1のデータドライバ102を構成する遅延回路120におけるカウンタ131およびデコーダ132に代えてシフトレジスタ132aを備えたものであり、その他の構成は、実施形態1の遅延回路120と同一である。
【0089】
つまり、この実施形態3のデータドライバ102bにおける遅延回路120bは、入力された制御信号LOADにより生成される固定タイミングに基づいてシフト動作するシフトレジスタ132aと、直列接続の複数の遅延素子Deと、前記シフトレジスタの出力に基づいて、前記制御信号が、該複数の遅延素子のうちの、直列接続の所定数の遅延素子で遅延されるよう該制御信号の信号経路を切り替える複数のスイッチ133−0〜133−3とを備えている。ここで、遅延素子Deおよびスイッチ133−0〜133−3は、実施形態1の遅延回路120と同一のものである。
【0090】
このような構成の遅延回路120bでは、シフトレジスタ132aは、外部から制御入力端子124に入力されたパルス信号としての制御信号LOAD(IN)(図4参照)のパルスが立ち上がるたびに、その出力Y0〜Y3を順次アクティブ状態とする。ここで、制御信号は映像信号の水平同期信号に同期したパルス信号であり、従って、1水平同期期間が経過する毎に、オン状態となるスイッチが、上記第1〜第4のスイッチ133−0〜133−3の順次切り換わり、このスイッチの切替りは、4水平同期期間で繰り替えされる。
【0091】
この時、実施形態1の遅延回路120と同様に、第1のスイッチ133−0を通った制御信号は遅延されずに出力ノードLOAD(OUT)から出力され、第2のスイッチ133−1を通った制御信号は、遅延素子Deを1個経由して出力され、第3のスイッチ133−2を通った制御信号は、遅延素子Deを3個経由して出力され、第4のスイッチ133−3を通った制御信号は、遅延素子Deを6個経由して出力される。
【0092】
このため、1水平同期期間を1H、1個の遅延素子Deでの遅延時間をαとすると、ホールド117に入力される制御信号LOAD(OUT)のパルス立ち上がりタイミングは、1水平期間毎に、1水平同期期間を基準とする固定の周期により決まるタイミングに対して遅延時間1H+α、1H+2α、1H+3α、0だけ遅れたものとなる。
【0093】
これにより、データドライバ回路内の制御信号の周波数成分が拡散され、不要輻射が低減される。
(実施形態4)
図10は、本発明の実施形態4による駆動回路を含む表示装置の構成を示す図である。
【0094】
この実施形態4の液晶表示装置200は、実施形態1の液晶表示装置100におけるデータドライバ102a〜109aに代えて、これとは構成の異なるデータドライバ202〜209を備えたものである。
【0095】
具体的には、この実施形態4のデータドライバ202は、実施形態1のデータドライバ102aの構成に加えて、n個の全データ信号ラインのうちの所定数(ここではk個)のデータ信号ライン毎に、シフトレジスタ、ラッチ回路、ホールド岐路、D/Aコンバータ回路、出力バッファを、m個のグループ20a1〜20amにグループ化し、各グループの前段にグループに対応する遅延時間固定の遅延回路24a1〜24amを備えたものである。
【0096】
また、この遅延回路24a1〜24amは、実施形態1の遅延回路120と同一構成の遅延量可変の遅延回路220からの制御信号が順次一定時間だけ遅延するよう直列に接続されており、各グループ20a1〜20akのホールド回路には、各グループの前段に設けられた遅延量固定の遅延回路24a1〜24akの出力が供給されるようになっている。
【0097】
従って、この実施形態4の液晶表示装置200におけるタイミングコントローラ214、走査ドライバ210〜213、および液晶表示パネル201は、実施形態1の液晶表示装置100におけるタイミングコントローラ114、走査ドライバ102a〜109a、および液晶表示パネル101と同一のものである。
【0098】
つまり、データドライバ202〜209は、液晶表示パネル201のデータ信号ラインに接続され、データ信号ラインを駆動する。また、データドライバ202〜209は、半導体集積回路で構成されたドライバチップがCOF(Chip On Film)のような実装構造でフィルム基板上に実装されることにより構成されている。走査ドライバ210〜213は、表示パネル201の走査信号ラインに接続され、走査信号ラインを駆動する。また、走査ドライバ210〜213は、半導体集積回路で構成されたドライバチップがCOF(Chip On Film)のような実装構造でフィルム基板上に実装されることにより構成されている。タイミングコントローラ214は、データドライバ202〜209の内少なくとも一つ、及び走査ドライバ210〜213の内少なくとも一つに信号線を介して接続されており、データドライバ202〜209の内少なくとも一つ、及び走査ドライバ210〜213の内少なくとも一つをコントロールすることにより、液晶表示パネル201に映像データを表示させる。
【0099】
また、図11は、本発明の実施形態4による駆動回路であるデータドライバを示すブロック図であり、データドライバ202の構成を示している。なお、データドライバ203〜209については、データドライバ202と同様の構成を有するので、説明を省略する。
【0100】
データドライバ202は、実施形態1のデータドライバ102と同様に、ポインタ用シフトレジスタ回路部215と、ラッチ回路部216と、ホールド回路部217と、D/Aコンバータ部218と、出力バッファ部219とを有している。
【0101】
ただし、このデータドライバ202では、k本のデータ信号ライン毎に、ポインタ用シフトレジスタ回路部215を構成するシフトレジスタ215−1〜215−nがグループ化されている。また、ラッチ回路部216を構成するラッチ回路216−1〜216−nと、ホールド回路部217を構成するホールド回路217−1〜217−nと、D/Aコンバータ部218を構成するD/Aコンバータ218−1〜218−nと、出力バッファ部219を構成する出力バッファ219−1〜219−nとがグループ化されている。
【0102】
各グループ20a1〜20amは、ポインタ用シフトレジスタ回路部215を構成するシフトレジスタ215−1〜215−kと、ラッチ回路部216を構成するラッチ回路216−1〜216−kと、ホールド回路部217を構成するホールド回路217−1〜217−kと、D/Aコンバータ部218を構成するD/Aコンバータ218−1〜218−kと、出力バッファ部219を構成する出力バッファ219−1〜219−kを含んでいる。
【0103】
また、データドライバ202は、遅延回路220と、基準電源補正回路221とを備えている。また、データドライバ202は、入力端子として、クロック入力端子222と、表示データ入力端子223と、制御信号入力端子224と、基準電源端子225〜229とを備えている。また、データドライバ202は、液晶表示パネル201への信号出力のために設けられる出力端子として、n個の信号出力端子230−1〜230−nを備えている。信号出力端子230−1〜230−nは、それぞれ前述の液晶表示パネル201のデータ信号ラインと個々に接続されている。
【0104】
クロック入力端子222は、ポイント用シフトレジスタ回路215に与えるクロック信号CLKを入力するために設けられている。表示データ入力端子223は、複数ビットの階調データの各ビットに対応した複数の信号入力端子からなる。制御信号入力端子224は、遅延回路220を介してホールド回路部217に接続され、制御信号を入力されるために設けられている。この制御信号は、ホールド217がラッチ回路部216でラッチされた表示データを保持するための信号として用いられる。基準電源端子225〜229は、それぞれ基準電圧補正回路221に与えられる基準電圧V0〜V4を入力するために設けられている。
【0105】
信号出力端子230−1〜230−nは、出力バッファ219を構成する219−1〜219−nから出力された階調電圧を液晶表示パネル201に出力するために設けられている。
【0106】
図12は、本実施形態4による駆動回路(データドライバ)を構成する遅延回路を示すブロック図である。
【0107】
この実施形態4の遅延回路220は実施形態1における図3に示す遅延回路120と同一の構成を有している。
【0108】
この遅延回路220は、制御入力端子224に接続された2ビットカウンタ231と、カウンタ231に接続された4出力デコーダ232と、デコーダ232に接続された4個のスイッチ233と、スイッチ233に接続された遅延素子Deとで構成されている。ここで、2ビットカウンタ231、4出力デコーダ232、スイッチ233、遅延素子Deを含む遅延部134a〜134cは、実施形態1の遅延回路におけるものと同一である。
【0109】
次に動作について説明する。
【0110】
本実施形態4の液晶表示装置200では、外部から映像信号が入力されると、タイミングコントローラ214はこの映像信号から表示データDATA、データ制御信号LOAD、走査制御信号およびクロック信号CLKを生成する。表示データDATA、データ制御信号LOAD、およびクロック信号CLKがデータドライバ202〜209に供給されると、データドライバ202〜209は、表示データおよびデータ制御信号に基づいてデータ信号ラインを駆動する。また、走査制御信号が走査ドライバ210〜213に供給されると、走査ドライバ210〜213は、この走査制御信号に基づいて走査信号ラインを駆動する。これにより液晶表示パネルには映像信号に応じて画像表示が行われる。
【0111】
このとき、データドライバ202では、タイミングコントローラ214からの表示データDATA、データ制御信号LOAD、およびクロック信号CLKがそれぞれの入力端子に供給されると、ポインタ用シフトレジスタ回路部215は、クロック入力端子222に入力されたクロック信号CLKを各段のシフトレジスタによってシフトさせて、各段のシフトレジスタ215−1〜215−nよりラッチ回路選択信号を出力する。ポインタ用シフトレジスタ回路部215は、ラッチ回路選択信号によって、ラッチ回路部216を構成する1段目のラッチ216−1からn段目のラッチ回路216−nまでを順次選択する。
【0112】
ラッチ回路216−1〜216−nは、上記ラッチ回路選択信号が入力されると、表示データ入力端子223から入力された表示データを記憶可能なアクティブな状態とする。この状態では、ラッチ回路216−1〜216−nにそれぞれ異なる値のデータを記憶することが可能である。よってポインタ用シフトレジスタ回路部215にクロック信号のn個のクロックが入力された場合、全てのラッチ回路216−1〜216−nが各データラインに対応した表示データを記憶できる。この状態で、表示データは、表示データ入力端子223から入力されると、対応するラッチ回路216−1〜216−nにそれぞれ選択されて格納される。
【0113】
ホールド回路部217は、n個のホールド回路217−1〜217−nによって構成され、複数(m個)のグループに分かれている。グループ分けの個数は特に限定されるものではないが、具体的には4グループや8グループなどに分けることができる。
【0114】
またホールド回路部217を構成する、グループ分けされた各グループのホールド回路には、遅延量固定の遅延回路24a1〜24anが、各グループに応じて、入力される制御信号が通過する遅延量固定の遅延回路24a1〜24anの個数が異なるように接続されいる。これにより、制御信号を、各グループのホールド回路毎に所定の遅延時間だけ遅延させる。
【0115】
ホールド回路部217を構成するホールド回路217−1〜217−nは、それぞれに対応するラッチ回路216−1〜216−nに記憶されているデータを、複数グループ(m個)毎に設定された所定の遅延時間だけ遅延された制御信号がアクティブ(例えばHレベル)となるタイミングで複数グループ毎に取り込んで保持する。ホールド回路216−1〜216−nに保持されたデータは、D/Aコンバータ218−1〜218−nに入力されるデジタルデータになる。
【0116】
ここで制御信号は、タイミングコントローラ214から出力され、信号線を介して制御信号入力端子224から入力された後、遅延回路220を介してホールド回路に入力されるので、遅延回路220で所定時間だけ遅延されてホールド回路217に入力される。したがって、タイミングコントローラ214から出力された制御信号タイミングに対して、ホールド回路217内のデータ取り込みタイミングは、遅延量可変の遅延回路220と遅延量固定の遅延回路24a1〜24anで遅延される時間の合計分だけ遅延されることになる。
【0117】
また、D/Aコンバータ回路218−1〜218−nは、上記デジタルデータに基づいて、基準電圧補正回路221から入力されるp種類の階調電電圧から1つを選択して出力する。D/Aコンバータ回路218−1〜218−nの詳細については、例えば特開2003−130921号公報に記載されているので、ここではその説明を省略する。
【0118】
出力バッファ219−1〜219−nは、D/Aコンバータ218−1〜218−nからそれぞれ出力された階調電圧をインピーダンス変換する。出力バッファ219−1〜219−nから出力された階調電圧は、それぞれ信号出力端子230−1〜230−nから階調データ(駆動データ)として液晶表示パネル201に出力される。
【0119】
また、遅延回路220では、外部から制御入力端子224に入力された信号をカウンタ231でカウントし、制御信号はカウント数に応じて遅延素子Deで遅延され、ホールド回路217に入力される。この時、スイッチ233−0を通った信号は遅延されずにLOAD(OUT)から出力され、スイッチ233−1を通った信号は遅延素子Deを1個経由して出力され、スイッチ233−2を通った信号は遅延素子Deを3個経由して出力され、スイッチ233−3を通った信号は、遅延素子Deを6個経由して出力されるため、1水平同期期間を1H、1個の遅延素子Deでの遅延時間をαとすると、ホールド217に入力される信号周期は、図4に示すように、1H+α、1H+2α、1H+3α、1H―6αの4通りの周期を持つこととなる。
【0120】
これにより、制御信号の周波数が拡散され、更にグループ毎にデータロードタイミングが異なるため、不要輻射が低減される。
【0121】
なお、実施形態4では、タイミングコントローラから出力された制御信号をデータドライバ内で遅延回路にて遅延させることにより制御信号のロードタイミングとして複数周期のタイミングを作り出し、駆動回路で発生する駆動信号の周波数成分を拡散させたが、実施形態2で説明したように、タイミングコントローラ内に遅延回路を設け、制御信号の遅延処理により、制御信号としてそのパルス立ち上がりタイミングが、一定周期で決まる固定タイミングに対して変化する信号を作り出し、このような遅延処理を施した制御信号をタイミングコントローラから出力させ、データドライバ内での遅延を行わない手法であっても良い。
【0122】
また、上記実施形態4では、データドライバにおけるラッチ回路216−1〜216−n、ホールド回路217−1〜217−n、D/Aコンバータ218−1〜218−n、出力バッファ219−1〜219−nがすべてグループ分けされている構成を示したが、データドライバは、ホールド回路217−1〜217−nのみグループ分けしたものでもよい。
(実施形態5)
図13は、本発明の実施形態5による駆動回路(データドライバ)を示すブロック図である。
【0123】
この実施形態5の駆動回路は、実施形態4のデータドライバにおける各グループに対応する遅延量固定の遅延回路を、制御信号のカウント数に基づいて遅延量を変化させる図12に示す遅延回路と同一の回路構成としたものであり、その他の構成は、実施形態4のデータドライバと同一である。
【0124】
このような構成の実施形態5のデータドライバでは、実施形態4の効果に加えて、各グループ毎により細かく制御信号の遅延量を変化させることができる効果がある。
【0125】
なお、上記実施形態4および5では、1つのソースドライバ内でグループ分けした複数のグループの回路間で、表示データを液晶表示パネルにロードするタイミングを異なるタイミングとしているが、複数のソースドライバの間で表示データを液晶表示パネルにロードするタイミングを異なるタイミングとしてもよい。
【0126】
これにより、不要輻射を低減させた複数の駆動回路(ソースドライバ)間で、表示データのロードタイミングをずらすことにより、表示装置全体での不要輻射を更に低減できる。
【0127】
また、上記実施形態5では、駆動回路として、実施形態4のデータドライバにおける各グループに対応する遅延量固定の遅延回路を、図12に示す遅延回路と同一の回路構成としたものを示したが、実施形態4のデータドライバにおける各グループに対応する遅延量固定の遅延回路は、図9に示す遅延回路と同一の回路構成としてもよい。
また、上記実施形態1〜5で示した駆動回路を備えた液晶表示装置は、携帯電話、パーソナルコンピュータ、テレビジョンセットなどの電子情報機器のディスプレイ装置として利用されるものである。
【0128】
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0129】
本発明は、駆動回路、液晶表示装置、および電子情報機器の分野において、駆動回路の出力タイミングを一水平同期期間毎、あるいは複数水平同期期間毎に周期的に変動させることにより、周波数を拡散させ、不要輻射を低減させることができる駆動回路、およびこのような駆動回路を搭載した液晶表示装置、並びにこのような液晶表示装置を備えた電子情報機器を提供することができる。
【符号の説明】
【0130】
14a 制御部
14b、120、120b、220、D 遅延回路
20a1〜20am 回路ブロック
24a1〜24am、24b1〜24bm ブロック遅延回路
100、100a、100b、200 液晶表示装置
101、201、901 液晶表示パネル
102、102b、〜109、202〜209、LS1 データドライバ
110〜113、210〜213 走査ドライバ
114、114a、214 タイミングコントローラ
115、215、923 シフトレジスタ部
115−1〜115−n、215−1〜215−k シフトレジスタ
116、216、924 ラッチ回路部
116−1〜116−n、216−1〜216−k ラッチ回路
117、217、925 ホールド回路部
117−1〜117−n、217−1〜217−k ホールド回路
118、218、926 D/Aコンバータ部
118−1〜118−n、218−1〜218−k D/Aコンバータ
119、219、927 出力バッファ部
119−1〜119−n、219−1〜219−k 出力バッファ
121、221 基準電圧補正回路
122、222、902 クロック入力端子
123、223、903 データ入力端子
124、224、904 制御入力端子
125〜129、225〜229、905〜909 基準電圧入力端子
130、230、911 出力端子部
130−1〜130−n 出力端子
131、231 カウンタ
132、232 デコーダ
133−1〜130−4 スイッチ
134a、134b、 134c 遅延部
De 遅延素子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置を表示データおよび制御信号に基づいて駆動する駆動回路であって、
入力された制御信号を遅延する遅延回路と、
入力された表示データを、遅延された制御信号が生成するタイミングで該表示装置にロードするデータロード部とを備え、
該遅延回路は、該制御信号を、該表示データが該表示装置にロードされるロードタイミングが、一定周期により決まる固定タイミングに対して変動するよう遅延させる、駆動回路。
【請求項2】
請求項1に記載の駆動回路において、
前記入力された制御信号は、前記一定周期で前記固定タイミングを生成する信号であり、
前記遅延回路は、前記一定周期の整数倍の期間が経過する度に、前記ロードタイミングを前記固定タイミングから一定の遅延時間だけ遅らせる前記制御信号の遅延処理を、該ロードタイミングの遅延時間の制限内で繰り返す、駆動回路。
【請求項3】
請求項2に記載の駆動回路において、
前記表示データおよび前記制御信号は、前記表示装置に供給される映像信号に含まれており、
前記一定周期は該映像信号の水平同期期間に基づいたものである、
駆動回路。
【請求項4】
請求項1に記載の駆動回路において、
前記遅延回路は、
前記入力された制御信号が生成する固定タイミングをカウントするカウント回路と、
該カウント回路のカウント出力をデコードするデコーダとを備え、
該デコーダの出力に基づいて、前記制御信号の遅延量を決定するものである、駆動回路。
【請求項5】
請求項4に記載の駆動回路において、
前記遅延回路は、
直列接続の複数の遅延素子と、
前記デコーダの出力に基づいて、前記制御信号が、該複数の遅延素子のうちの、直列接続の所定数の遅延素子で遅延されるよう信号経路を切り替える複数のスイッチとを備えている、駆動回路。
【請求項6】
請求項1に記載の駆動回路において、
前記遅延回路は、
前記入力された制御信号により生成される固定タイミングに基づいてシフト動作するシフトレジスタと、
直列接続の複数の遅延素子と、
該シフトレジスタの出力に基づいて、前記制御信号が、該複数の遅延素子のうちの、直列接続の所定数の遅延素子で遅延されるよう該制御信号の信号経路を切り替える複数のスイッチとを備えている、駆動回路。
【請求項7】
請求項3に記載の駆動回路において、
前記表示装置としての液晶表示パネルの複数のデータラインを駆動するデータドライバと、
前記液晶表示パネルの複数の走査ラインを駆動する走査ドライバと、
入力された映像信号に基づいて、該データドライバに供給する前記表示データを生成するとともに、前記制御信号として、該データドライバに供給するデータ制御信号、および前記走査ドライバに供給する走査制御信号を生成するタイミングコントローラとを備え、
前記遅延回路は、該データドライバを構成するものであり、
該遅延回路は、該データドライバに入力された前記制御信号を、該データドライバから該液晶表示パネルのデータラインに前記表示データが出力されるタイミングが、水平同期信号に対して決まる固定タイミングに対して1水平走査ライン毎に変化するよう遅延させるものである、駆動回路。
【請求項8】
請求項3に記載の駆動回路において、
前記表示装置としての液晶表示パネルの複数のデータラインを駆動するデータドライバと、
前記液晶表示パネルの複数の走査ラインを駆動する走査ドライバと、
入力された映像信号に基づいて、該データドライバに供給する前記表示データを生成するとともに、前記制御信号として、該データドライバに供給するデータ制御信号、および前記走査ドライバに供給する走査制御信号を生成するタイミングコントローラとを備え、
前記遅延回路は、該タイミングコントローラを構成するものであり、
該遅延回路は、該タイミングコントローラで該映像信号に基づいて生成された前記制御信号を、該データドライバから該液晶表示パネルのデータラインに前記表示データが出力されるタイミングが、水平同期信号に対して決まる固定タイミングに対して1水平走査ライン毎に変化するよう遅延させるものである、駆動回路。
【請求項9】
請求項1に記載の駆動回路において、
前記表示装置としての液晶表示パネルの複数のデータラインを駆動するデータドライバを備え、
前記遅延回路は、該データドライバを構成し、該データドライバに入力された制御信号を遅延するものであり、
該データドライバは、
該液晶表示パネルのデータライン毎に設けられ、対応するデータラインを駆動する、複数のグループにグループ分けされた複数のドライバ回路と、
同一のグループのドライバ回路が、同一タイミングで前記表示データを該データラインに供給し、かつ、異なるグループのドライバ回路が、異なるタイミングで前記表示データを該データラインに供給するよう、各グループのドライバ回路に供給される制御信号を遅延する信号遅延部とを備えている、駆動回路。
【請求項10】
請求項9に記載の駆動回路において、
前記信号遅延部は、複数段に直列に接続された複数の遅延部を備え、初段の遅延部は、前記遅延回路から出力される制御信号を遅延するものであり、2段目以降の遅延部は、前段の遅延部から出力される制御信号を遅延するものである、駆動回路。
【請求項11】
請求項10に記載の駆動回路において、
前記信号遅延部を構成する遅延部は、それぞれ入力される制御信号を所定量だけ遅延するものである、駆動回路。
【請求項12】
請求項10に記載の駆動回路において、
前記複数の遅延部は、
前記入力された制御信号が生成する固定周期のタイミングをカウントするカウント回路と、
該カウント回路のカウント出力をデコードするデコーダとを備え、
該デコーダの出力に基づいて、前記制御信号の遅延量を決定するものである、駆動回路。
【請求項13】
請求項12に記載の駆動回路において、
前記複数の遅延部は、
直列接続の複数の遅延素子と、
前記デコーダの出力に基づいて、前記制御信号が、該複数の遅延素子のうちの、直列接続の所定数の遅延素子で遅延されるよう信号経路を切り替える複数のスイッチとを備えている、駆動回路。
【請求項14】
請求項10に記載の駆動回路において、
前記遅延回路は、
前記入力された制御信号により生成される固定周期のタイミングに基づいてシフト動作するシフトレジスタと、
直列接続の複数の遅延素子と、
該シフトレジスタの出力に基づいて、前記制御信号が、該複数の遅延素子のうちの、直列接続の所定数の遅延素子で遅延されるよう該制御信号の信号経路を切り替える複数のスイッチとを備えている、駆動回路。
【請求項15】
液晶表示パネルを有し、映像信号に基づいて該液晶表示パネルに画像を表示する液晶表示装置であって、
該映像信号に基づいて該液晶表示パネルを駆動する駆動装置を備え、
該駆動装置は、請求項1〜14のいずれかに記載の駆動回路を有する、液晶表示装置。
【請求項16】
液晶表示装置を備えた電子情報機器であって、
該液晶表示装置は、請求項15に記載の液晶表示装置である、電子情報機器。
【請求項1】
表示装置を表示データおよび制御信号に基づいて駆動する駆動回路であって、
入力された制御信号を遅延する遅延回路と、
入力された表示データを、遅延された制御信号が生成するタイミングで該表示装置にロードするデータロード部とを備え、
該遅延回路は、該制御信号を、該表示データが該表示装置にロードされるロードタイミングが、一定周期により決まる固定タイミングに対して変動するよう遅延させる、駆動回路。
【請求項2】
請求項1に記載の駆動回路において、
前記入力された制御信号は、前記一定周期で前記固定タイミングを生成する信号であり、
前記遅延回路は、前記一定周期の整数倍の期間が経過する度に、前記ロードタイミングを前記固定タイミングから一定の遅延時間だけ遅らせる前記制御信号の遅延処理を、該ロードタイミングの遅延時間の制限内で繰り返す、駆動回路。
【請求項3】
請求項2に記載の駆動回路において、
前記表示データおよび前記制御信号は、前記表示装置に供給される映像信号に含まれており、
前記一定周期は該映像信号の水平同期期間に基づいたものである、
駆動回路。
【請求項4】
請求項1に記載の駆動回路において、
前記遅延回路は、
前記入力された制御信号が生成する固定タイミングをカウントするカウント回路と、
該カウント回路のカウント出力をデコードするデコーダとを備え、
該デコーダの出力に基づいて、前記制御信号の遅延量を決定するものである、駆動回路。
【請求項5】
請求項4に記載の駆動回路において、
前記遅延回路は、
直列接続の複数の遅延素子と、
前記デコーダの出力に基づいて、前記制御信号が、該複数の遅延素子のうちの、直列接続の所定数の遅延素子で遅延されるよう信号経路を切り替える複数のスイッチとを備えている、駆動回路。
【請求項6】
請求項1に記載の駆動回路において、
前記遅延回路は、
前記入力された制御信号により生成される固定タイミングに基づいてシフト動作するシフトレジスタと、
直列接続の複数の遅延素子と、
該シフトレジスタの出力に基づいて、前記制御信号が、該複数の遅延素子のうちの、直列接続の所定数の遅延素子で遅延されるよう該制御信号の信号経路を切り替える複数のスイッチとを備えている、駆動回路。
【請求項7】
請求項3に記載の駆動回路において、
前記表示装置としての液晶表示パネルの複数のデータラインを駆動するデータドライバと、
前記液晶表示パネルの複数の走査ラインを駆動する走査ドライバと、
入力された映像信号に基づいて、該データドライバに供給する前記表示データを生成するとともに、前記制御信号として、該データドライバに供給するデータ制御信号、および前記走査ドライバに供給する走査制御信号を生成するタイミングコントローラとを備え、
前記遅延回路は、該データドライバを構成するものであり、
該遅延回路は、該データドライバに入力された前記制御信号を、該データドライバから該液晶表示パネルのデータラインに前記表示データが出力されるタイミングが、水平同期信号に対して決まる固定タイミングに対して1水平走査ライン毎に変化するよう遅延させるものである、駆動回路。
【請求項8】
請求項3に記載の駆動回路において、
前記表示装置としての液晶表示パネルの複数のデータラインを駆動するデータドライバと、
前記液晶表示パネルの複数の走査ラインを駆動する走査ドライバと、
入力された映像信号に基づいて、該データドライバに供給する前記表示データを生成するとともに、前記制御信号として、該データドライバに供給するデータ制御信号、および前記走査ドライバに供給する走査制御信号を生成するタイミングコントローラとを備え、
前記遅延回路は、該タイミングコントローラを構成するものであり、
該遅延回路は、該タイミングコントローラで該映像信号に基づいて生成された前記制御信号を、該データドライバから該液晶表示パネルのデータラインに前記表示データが出力されるタイミングが、水平同期信号に対して決まる固定タイミングに対して1水平走査ライン毎に変化するよう遅延させるものである、駆動回路。
【請求項9】
請求項1に記載の駆動回路において、
前記表示装置としての液晶表示パネルの複数のデータラインを駆動するデータドライバを備え、
前記遅延回路は、該データドライバを構成し、該データドライバに入力された制御信号を遅延するものであり、
該データドライバは、
該液晶表示パネルのデータライン毎に設けられ、対応するデータラインを駆動する、複数のグループにグループ分けされた複数のドライバ回路と、
同一のグループのドライバ回路が、同一タイミングで前記表示データを該データラインに供給し、かつ、異なるグループのドライバ回路が、異なるタイミングで前記表示データを該データラインに供給するよう、各グループのドライバ回路に供給される制御信号を遅延する信号遅延部とを備えている、駆動回路。
【請求項10】
請求項9に記載の駆動回路において、
前記信号遅延部は、複数段に直列に接続された複数の遅延部を備え、初段の遅延部は、前記遅延回路から出力される制御信号を遅延するものであり、2段目以降の遅延部は、前段の遅延部から出力される制御信号を遅延するものである、駆動回路。
【請求項11】
請求項10に記載の駆動回路において、
前記信号遅延部を構成する遅延部は、それぞれ入力される制御信号を所定量だけ遅延するものである、駆動回路。
【請求項12】
請求項10に記載の駆動回路において、
前記複数の遅延部は、
前記入力された制御信号が生成する固定周期のタイミングをカウントするカウント回路と、
該カウント回路のカウント出力をデコードするデコーダとを備え、
該デコーダの出力に基づいて、前記制御信号の遅延量を決定するものである、駆動回路。
【請求項13】
請求項12に記載の駆動回路において、
前記複数の遅延部は、
直列接続の複数の遅延素子と、
前記デコーダの出力に基づいて、前記制御信号が、該複数の遅延素子のうちの、直列接続の所定数の遅延素子で遅延されるよう信号経路を切り替える複数のスイッチとを備えている、駆動回路。
【請求項14】
請求項10に記載の駆動回路において、
前記遅延回路は、
前記入力された制御信号により生成される固定周期のタイミングに基づいてシフト動作するシフトレジスタと、
直列接続の複数の遅延素子と、
該シフトレジスタの出力に基づいて、前記制御信号が、該複数の遅延素子のうちの、直列接続の所定数の遅延素子で遅延されるよう該制御信号の信号経路を切り替える複数のスイッチとを備えている、駆動回路。
【請求項15】
液晶表示パネルを有し、映像信号に基づいて該液晶表示パネルに画像を表示する液晶表示装置であって、
該映像信号に基づいて該液晶表示パネルを駆動する駆動装置を備え、
該駆動装置は、請求項1〜14のいずれかに記載の駆動回路を有する、液晶表示装置。
【請求項16】
液晶表示装置を備えた電子情報機器であって、
該液晶表示装置は、請求項15に記載の液晶表示装置である、電子情報機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−8286(P2012−8286A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−143187(P2010−143187)
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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