説明

駆動用集積回路の温度センサ取付構造

【課題】 実装面積を向上した駆動用集積回路の温度センサ取付構造を提供する。
【解決手段】 駆動用集積回路5の温度センサ取付構造は、プリント基板1と、駆動用集積回路5と、温度センサ2とを備えている。プリント基板1は、パターン8を有する。駆動用集積回路5は、集積回路本体10および複数本のリードピン9を有する。複数本のリードピン9は、集積回路本体10から延びる。少なくとも1本のリードピン9は、プリント基板1のパターン8に接触している。温度センサ2は、リードピン9からの熱の影響を受ける範囲に、集積回路本体10から離間して設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動用集積回路の温度センサ取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、基板に実装された駆動用集積回路の過熱を防止するために、駆動用集積回路の本体に温度監視用の温度センサが取り付けられている(特許文献1参照)。
特許文献1記載の取付構造では、駆動用集積回路の本体は、一方の面が基板と対向し、他方の面が放熱フィンに接触した状態になっている。放熱フィンは、駆動用集積回路の本体の他方の面全体を被覆している。温度センサは、基板に開けられた貫通孔(図7〜8の貫通孔31参照)に挿入され、駆動用集積回路に接触させた状態で取り付けられている。
【特許文献1】特開2004−151009号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1記載の取付構造の場合、図7〜8に示されるように、温度センサを駆動用集積回路の本体に取り付けるために、基板に貫通孔を開ける必要がある。このため、基板の実装面積が減少するという問題がある。このため、高集積度の実装の達成も困難になる。
また、駆動用集積回路の温度を監視するために、駆動用集積回路と非接触の状態で基板上に配置された輻射センサを用いることも考えられるが、輻射センサはサーミスタ等の既存の温度センサと比較して高価であるため、実用的ではない。
【0004】
本発明の課題は、実装面積を向上した駆動用集積回路の温度センサ取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1発明の駆動用集積回路の温度センサ取付構造は、プリント基板と、駆動用集積回路と、温度センサとを備えている。プリント基板は、パターンを有する。駆動用集積回路は、集積回路本体および複数本のリードピンを有する。複数本のリードピンは、集積回路本体から延びる。少なくとも1本のリードピンは、プリント基板のパターンに接触している。温度センサは、リードピンからの熱の影響を受ける範囲に、集積回路本体から離間して設けられている。
ここでは、温度センサが駆動用集積回路のリードピンからの熱の影響を受ける範囲に集積回路本体から離間して設けられているので、基板に貫通孔を開ける必要がなくなり、基板の実装面積が拡大する。
【0006】
第2発明の駆動用集積回路の温度センサ取付構造は、第1発明の温度センサ取付構造であって、温度センサは、リードピンがパターンに接触する部分の近傍に設けられている。
ここでは、リードピンがパターンに接触する部分の近傍に温度センサが設けられているので、リードピンの温度をパターンを介して間接的に検出することが可能になる。しかも、温度センサの設置可能な範囲が拡大する。
【0007】
第3発明の駆動用集積回路の温度センサ取付構造は、第1発明の温度センサ取付構造であって、温度センサは、リードピンの外周面の近傍に設けられている。
ここでは、温度センサがリードピンの外周面の近傍に設けられているので、基板に貫通孔を開ける必要がなく、基板の実装面積が拡大する。
【0008】
第4発明の駆動用集積回路の温度センサ取付構造は、第1発明から第3発明のいずれかの温度センサ取付構造であって、シリコンをさらに備えている。シリコンは、温度センサとプリント基板またはリードピンとの隙間を埋める。
ここでは、シリコンが温度センサとプリント基板またはリードピンとの隙間を埋めるので、温度センサによる検出温度のばらつきが低減される。
【0009】
第5発明の駆動用集積回路の温度センサ取付構造は、第1発明の温度センサ取付構造であって、温度センサは、駆動用集積回路が取り付けられたプリント基板の第1面と反対側の第2面に設けられている。
ここでは、駆動用集積回路が取り付けられたプリント基板の第1面と反対側の第2面に温度センサが設けられているので、駆動用集積回路と干渉することなく温度センサの実装が可能になり、温度センサの自動実装がさらに容易になる。
【0010】
第6発明の駆動用集積回路の温度センサ取付構造は、第1発明の温度センサ取付構造であって、熱伝導手段をさらに備えている。熱伝導手段は、リードピンからの熱を温度センサへ伝導させる。
ここでは、リードピンからの熱を温度センサへ伝導させる熱伝導手段をさらに備えているので、プリント基板のパターンに制限を与えることなく、温度センサを任意の位置に設置することが可能である。
【0011】
第7発明の駆動用集積回路の温度センサ取付構造は、第6発明の温度センサ取付構造であって、熱伝導手段は、ジャンパ線である。ジャンパ線は、少なくとも一部がプリント基板のパターンから空中に離間している。
ここでは、熱伝導手段がジャンパ線であるので、温度センサの設置自由度がさらに向上する。
【0012】
第8発明の駆動用集積回路の温度センサ取付構造は、第6発明の温度センサ取付構造であって、熱伝導手段は、プリント基板のパターンの材料よりも熱伝導性が高い材料で製造されている。
【0013】
ここでは、熱伝導手段がプリント基板のパターンの材料よりも熱伝導性が高い材料で製造されているので、温度センサへの熱伝導性がよくなり、測定精度が向上する。
【発明の効果】
【0014】
第1発明によれば、基板に貫通孔を開ける必要がなくなり、基板の実装面積が拡大する。
第2発明によれば、リードピンの温度をパターンを介して間接的に検出することができる。しかも、温度センサの設置可能な範囲が拡大する。
第3発明によれば、基板に貫通孔を開ける必要がなく、基板の実装面積が拡大する。
【0015】
第4発明によれば、温度センサによる検出温度のばらつきが低減される。
第5発明によれば、駆動用集積回路と干渉することなく温度センサの実装が可能になり、温度センサの自動実装がさらに容易になる。
第6発明によれば、プリント基板のパターンに制限を与えることなく、温度センサを任意の位置に設置することが可能である。
【0016】
第7発明によれば、温度センサの設置自由度がさらに向上する。
第8発明によれば、温度センサへの熱伝導性がよくなり、測定精度が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
〔第1実施形態〕
つぎに、図面を参照しながら、本発明の駆動用集積回路の温度センサ取付構造を説明する。図1〜図3に示される駆動用集積回路が実装されたプリント基板1は、空調機の室外機に搭載された電力変換用のパワーモジュールであり、インバータ制御など種々の電力制御を行う。
【0018】
<温度センサ取付構造の構成>
図1〜図3に示される駆動用集積回路の温度センサ取付構造は、プリント基板1と、駆動用集積回路であるインテリジェントパワーモジュール(以下、IPMという)5と、温度センサ2と、シリコン3とを備えている。また、プリント基板1には、IPM5および温度センサ2の部品の他に、コンデンサ6およびシャント抵抗7など多数の部品が実装されている。
【0019】
プリント基板1は、パターン8を有する。パターン8は、基板上に形成された配線パターンであり、銅箔からなる。プリント基板1の第1面1aおよび第2面1bの両面には、自動実装機を用いて、多数の部品が実装されている。ここで、図1〜図3では、第1面1aには、IPM5が取り付けられ、第1面1aの反対側の第2面1bには、温度センサ2、コンデンサ6およびシャント抵抗7が取り付けられている。また、第2面1bには、パターン8が形成されている。
【0020】
IPM5は、複数本のリードピン9およびIPM本体10を有している。複数本のリードピン9は、IPM本体10から延びる。複数のリードピン9は、プリント基板1を貫通して、第2面1bのパターン8にはんだ付けされている。
また、IPM本体10におけるプリント基板1に対向する面と反対側の面には、放熱フィン4が接触した状態で取り付けられている。
【0021】
シリコン3は、検出温度のばらつきを低減するために、温度センサ2とプリント基板1との隙間を埋める。なお、シリコン3は、シャント抵抗7の一部を被覆している。
温度センサ2は、熱源に接触または接近して温度を検出センサであり、ガラスで封止されたサーミスタなどからなる。
温度センサ2は、リードピン9からの熱の影響を受ける範囲に、IPM本体10から離間して設けられている。このため、プリント基板1に貫通孔を設ける必要がない。
【0022】
また、温度センサ2は、リードピン9がパターン8にはんだ付けにより接触する部分9aの近傍に設けられている。このため、リードピン9の温度をパターン8を介して間接的に検出することが可能になる
温度センサ2は、プリント基板1において、IPM5が取り付けられた第1面1aと反対側の第2面1bに設けられている。したがって、温度センサ2の実装時にIPM5との干渉のおそれがない。
【0023】
<温度センサ取付構造の比較例の説明>
一方、本発明の比較例として、図7〜8に示される温度センサ取付構造では、駆動用集積回路25の本体の一方の面は、プリント基板21と対向している。その反対側の面には、放熱フィン24が設けられている。温度センサ22は、プリント基板21に開けられた貫通孔31に挿入され、駆動用集積回路25に接触させた状態で取り付けられている。さらに、温度センサ22は、シリコン23で封止されている。なお、図7〜8において、27はシャント抵抗、28はパターン、29はリードピンをそれぞれ示す。
【0024】
図7〜8に示される取付構造の場合、駆動用集積回路25の本体における放熱フィン24と反対側の面に温度センサ22を取り付けるために、プリント基板21に貫通孔31が開けられている。そのため、基板の実装面積が減少している。また、プリント基板21の貫通孔31に温度センサ22を挿入して取り付けているので、温度センサ22の自動実装が困難になっており、かつ、温度センサ22の交換も難しい。
【0025】
<IPM5の過熱防止方法>
第1実施形態における温度センサ2がIPM5の動作可能温度(100℃程度)に近い温度である所定の温度(例えば、80〜90℃程度)よりも高くなったことを検知したときには、IPM5の過熱を防止するために、プリント基板9が取り付けられている機器のファンまたは他の送風手段を作動させて、IPM5の冷却を開始する。例えば、プリント基板9が空調機の室外機に取り付けられる場合には、温度センサ2が所定の温度以上の温度を検知したときには、室外機のファンの運転を開始または回転数を上げるように、室外機の制御部が制御を行う。ここで、空調機が再熱ドライ運転をしている時には、室外機のコンプレッサは作動しているが、ファンは低回転もしくは停止状態になっている。その場合、温度センサ2が所定の温度以上の温度を検知したときには、IPM5を過熱から保護するために、室外機のファンの回転数を上げるもしくは運転を開始させるように制御する。
【0026】
<第1実施形態の特徴>
(1)
第1実施形態の温度センサ2の取付構造では、温度センサ2は、リードピン9からの熱の影響を受ける範囲にIPM本体10から離間して設けられている。したがって、図7〜8に示されるような従来の温度センサ22をIPM25に接触させた構造に必要だったプリント基板21の貫通孔31が不要になる。このため、第1実施形態では、プリント基板1の実装面積が拡大し、高集積度の実装の達成が可能になる。また、図1〜2に示されるように、IPM5の近傍に配置するのが好ましいコンデンサ6などの部品も、IPM5の近傍に配置することが可能になる。
【0027】
また、温度センサ2がリードピン9からの熱の影響を受ける範囲にIPM本体10から離間して設けられているので、従来行われていた温度センサを貫通孔に挿入した後にはんだ付けするなどの複雑な取付作業が不要になるので、自動実装機を用いた温度センサ2の自動実装が可能になる。
さらに、温度センサ2がリードピン9からの熱の影響を受ける範囲にIPM本体10から離間して設けられているので、温度センサ2の交換が容易になる。また、IPM5の取外しまたは交換は、温度センサ2の取外しまたは交換と独立して行うことが可能である。
【0028】
(2)
第1実施形態の温度センサ2の取付構造では、温度センサ2は、リードピン9がパターン8にはんだ付けにより接触する部分9aの近傍に設けられている。このため、リードピン9の温度をパターン8を介して間接的に検出することが可能になる。しかも、温度センサ2は、リードピン9からの熱の影響を受ける範囲のパターン8に設置すればよいので、温度センサ2の設置可能な範囲が拡大する。
【0029】
(3)
第1実施形態の温度センサ2の取付構造では、温度センサ2とプリント基板1との隙間を埋めるシリコン3をさらに備えているので、温度センサ2による検出温度のばらつきが低減される。
(4)
第1実施形態の温度センサ2の取付構造では、温度センサ2は、IPM5が取り付けられたプリント基板1の第1面1aと反対側の第2面1bに設けられている。したがって、IPM5と干渉することなく温度センサ2の実装が可能になるので、温度センサ2の自動実装がさらに容易になる。
【0030】
<変形例>
(A)
第1実施形態では、温度センサ2は、パターン8に接触したリードピン9の近傍に配置されているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明の変形例として、温度センサ2をパターン8に接触していないフリーのリードピン9の近傍に配置し、このフリーのリードピン9からの熱について温度を検出するようにしても、上記実施形態と同様の作用効果を奏することが可能である。
【0031】
〔第2実施形態〕
第1実施形態では、温度センサ2は、リードピン9がパターン8にはんだ付けにより接触する部分9aの近傍に設けられているが、本発明はこれに限定されるものではない。
第2実施形態における温度センサ12の取付構造では、図4に示されるように、温度センサ12がリードピン9の外周面の近傍に設けられている。温度センサ12は、IPM5が設けられている側、すなわち、プリント基板1の第1面1aに設けられている。温度センサ12は、リードピン9の側面に接触するように配置され、リードピン9の一部とともにシリコン13によって被覆されている。
【0032】
<第2実施形態の特徴>
(1)
第2実施形態の温度センサ12の取付構造では、温度センサ12は、リードピン9からの熱の影響を受ける範囲であってIPM本体10から離間した位置として、リードピン9の外周面の近傍に設けられている。したがって、第1実施形態と同様に、プリント基板の貫通孔が不要になる。このため、プリント基板1の実装面積が拡大し、高集積度の実装の達成が可能になる。また、IPM5の近傍に配置するのが好ましいコンデンサ6などの部品も、IPM5の近傍に配置することが可能になる。さらに、自動実装機を用いて、温度センサ12をリードピン9の外周面近傍に自動実装することも可能になり、温度センサ12の交換も容易になる。
(2)
第2実施形態の温度センサ12の取付構造では、温度センサ12とリードピン9との隙間を埋めるシリコン13をさらに備えているので、温度センサ12による検出温度のばらつきが低減される。
【0033】
<変形例>
(A)
第2実施形態では、温度センサ12は、パターン8に接触したリードピン9の近傍に配置されているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明の変形例として、温度センサ12をパターン8に接触していないフリーのリードピン9の近傍に配置し、このフリーのリードピン9からの熱について温度を検出するようにしても、上記実施形態と同様の作用効果を奏することが可能である。
【0034】
〔第3実施形態〕
第1実施形態では、温度センサ2は、リードピン9がパターン8にはんだ付けにより接触する部分9aの近傍に設けられているが、本発明はこれに限定されるものではない。
第3実施形態における温度センサ2の取付構造は、図5に示されるように、プリント基板1と、IPM5と、温度センサ2と、シリコン3とを備えている点では、第1実施形態の取付構造と共通している。第3実施形態における温度センサ2の取付構造は、さらに、リードピン9からの熱を温度センサ2へ伝導させるジャンパ線14を備えている。ジャンパ線14は、少なくとも一部がプリント基板1のパターン8から空中に離間している。
【0035】
図5に示される温度センサ2は、パターン8から離れた位置に配置されているが、ジャンパ線14を介してリードピン9に接続されている。このため、リードピン9の温度をジャンパ線14を介して間接的に検出することが可能になる。また、温度センサ2は、ジャンパ線14に接触するように配置され、ジャンパ線14の一部とともにシリコン3によって被覆されている。
ジャンパ線14は、プリント基板1のパターン8の材料(銅箔)よりも熱伝導性が高い材料(例えば、銀線など)で製造されている。
【0036】
<第3実施形態の特徴>
(1)
第3実施形態の温度センサ2の取付構造では、温度センサ2は、パターン8から離れていても、ジャンパ線14に接続していることによって、リードピン9からの熱の影響を受ける範囲であってIPM本体10から離間した位置になっている。したがって、第1実施形態と同様に、プリント基板の貫通孔が不要になる。このため、プリント基板1の実装面積が拡大し、高集積度の実装の達成が可能になる。また、IPM5の近傍に配置するのが好ましいコンデンサ6などの部品も、IPM5の近傍に配置することが可能になる。さらに、自動実装機を用いて、温度センサ2をプリント基板1に自動実装することも可能になり、温度センサ2の交換も容易になる。
【0037】
(2)
第3実施形態の温度センサ2の取付構造では、温度センサ2は、少なくとも一部がパターン8から空中に離間したジャンパ線14に接続されているので、プリント基板のパターンに制限を与えることなく、温度センサを任意の位置に設置することが可能である。
(3)
第3実施形態の温度センサ2の取付構造では、ジャンパ線14がプリント基板1のパターン8の材料よりも熱伝導性が高い材料で製造されているので、温度センサ2への熱伝導性がよくなり、測定精度が向上する。
【0038】
(4)
第3実施形態の温度センサ2の取付構造では、第1および第2実施形態と同様に、温度センサ2とジャンパ線14との隙間を埋めるシリコン3をさらに備えているので、温度センサ2による検出温度のばらつきが低減される。
(A)
第3実施形態では、熱伝導手段として、ジャンパ線14を例にあげて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の熱伝導手段を用いてもよい。
【0039】
〔第4実施形態〕
第4実施形態における温度センサ15の取付構造は、図6に示されるように、プリント基板1と、IPM5と、温度センサ15とを備えている点では、第1実施形態の取付構造と共通している。
第4実施形態における温度センサ15は、パターン8の接地側(GND)の部分であるGND部分8aと検出電圧側(Vcc)の部分であるVcc部分8bとの間に接続されたチップサーミスタである。温度センサ15の一方の端子15aは、GND部分8aに接続されている。温度センサ15の他方の端子15bは、抵抗(図示せず)を介してVcc部分8bに接続されている。
また、第1実施形態と同様に、温度センサ15とプリント基板1との隙間をシリコンで埋めれば、温度センサ15による検出温度のばらつきが低減される。
【0040】
<第4実施形態の特徴>
(1)
第4実施形態の温度センサ15の取付構造では、チップサーミスタからなる温度センサ15がパターン8に接続されているので、リードピン9からの熱の影響を受ける範囲であってIPM本体10から離間した位置に温度センサ15を配置することが可能である。したがって、第1実施形態と同様に、プリント基板の貫通孔が不要になる。このため、プリント基板1の実装面積が拡大し、高集積度の実装の達成が可能になる。また、IPM5の近傍に配置するのが好ましいコンデンサ6などの部品も、IPM5の近傍に配置することが可能になる。さらに、自動実装機を用いて、温度センサ15をプリント基板1に自動実装することも可能になり、温度センサ15の交換も容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の第1実施形態に係わる駆動用集積回路の温度センサ取付構造の平面図。
【図2】図1の温度センサ取付構造の側面図。
【図3】図1の温度センサの拡大図。
【図4】本発明の第2実施形態に係わる駆動用集積回路の温度センサ取付構造の側面図。
【図5】本発明の第3実施形態に係わる駆動用集積回路の温度センサ取付構造の側面図。
【図6】本発明の第4実施形態に係わる駆動用集積回路の温度センサ取付構造の平面図。
【図7】本発明の比較例である基板に貫通孔を有する場合の温度センサ取付構造の平面図。
【図8】図7の温度センサ取付構造の側面図。
【符号の説明】
【0042】
1 プリント基板
2、12、15 温度センサ
3、13 シリコン
5 IPM(駆動用集積回路)
8 パターン
9 リードピン
10 IPM本体(集積回路本体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パターン(8)を有するプリント基板(1)と、
集積回路本体(10)および前記集積回路本体(10)から延びる複数本のリードピン(9)を有し、少なくとも1本の前記リードピン(9)が前記プリント基板(1)のパターン(8)に接触した駆動用集積回路(5)と、
前記リードピン(9)からの熱の影響を受ける範囲に、前記集積回路本体(10)から離間して設けられた温度センサ(2、12、15)と
を備えている、
駆動用集積回路(5)の温度センサ取付構造。
【請求項2】
前記温度センサ(2、12、15)は、前記リードピン(9)が前記パターン(8)に接触する部分(9a)の近傍に設けられている、
請求項1に記載の駆動用集積回路(5)の温度センサ取付構造。
【請求項3】
前記温度センサ(2、12、15)は、前記リードピン(9)の外周面の近傍に設けられている、
請求項1に記載の駆動用集積回路(5)の温度センサ取付構造。
【請求項4】
前記温度センサ(2、12、15)と前記プリント基板(1)または前記リードピン(9)との隙間を埋めるシリコン(3、13)をさらに備えている、
請求項1から3のいずれかに記載の駆動用集積回路(5)の温度センサ取付構造。
【請求項5】
前記温度センサ(2、12、15)は、前記駆動用集積回路(5)が取り付けられた前記プリント基板(1)の第1面(1a)と反対側の第2面(1b)に設けられている、
請求項1に記載の駆動用集積回路(5)の温度センサ取付構造。
【請求項6】
前記リードピン(9)からの熱を前記温度センサ(2、12、15)へ伝導させる熱伝導手段をさらに備えている、
請求項1に記載の駆動用集積回路(5)の温度センサ取付構造。
【請求項7】
前記熱伝導手段は、少なくとも一部が前記プリント基板(1)のパターン(8)から空中に離間したジャンパ線(14)である、
請求項6に記載の駆動用集積回路(5)の温度センサ取付構造。
【請求項8】
前記熱伝導手段は、前記プリント基板(1)のパターン(8)の材料よりも熱伝導性が高い材料で製造されている、
請求項6に記載の駆動用集積回路(5)の温度センサ取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−40786(P2007−40786A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−224102(P2005−224102)
【出願日】平成17年8月2日(2005.8.2)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】