説明

駐車ナビゲーションシステム

【課題】駐車ナビゲーションシステムにおいて、個別の駐車操作ナビゲーション映像を取り扱えるものとする。
【解決手段】表示制御部62が、映像表示手段63の表示領域を分割して、その分割して得られた2つの表示領域D1,D2に表示する映像は、カメラ映像処理部15により得られた俯瞰画像Q1と、予め準備された駐車操作ナビゲーション映像Niまたは運転者の操作によって個別に記録された駐車操作ナビゲーション映像Niとであり、記録再生切替SW44によって記録モードとしたときは、個別の駐車操作ナビゲーション映像Niを記録し、記録再生切替SW44によって再生モードとしたときは、予め準備されまたは記録された駐車操作ナビゲーション映像を再生可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車ナビゲーションシステムに関し、詳細には、車両の駐車操作の支援における使用者への情報提示の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の駐車操作を補助するための駐車支援装置が実用化されている。
【0003】
この駐車支援装置は、例えば車両の後部等に設置されたカメラにより、車両後方の映像を撮影し、この撮影された画像に、車両を駐車区画内に適切に導くための誘導軌跡と車両の舵角等に基づいて予測される車両の予想軌跡とを重畳させて、車室内に設置されたモニタに表示させることで、運転者は、誘導軌跡に予想軌跡が重なるような運転操作を行わせて、車両の駐車操作を支援するものである。
【0004】
さらに、車両の周辺全体を撮影するように、車両の前後左右にそれぞれカメラを設置し、これらのカメラで撮影された映像を1つの俯瞰画像に変換、合成した上で、この俯瞰画像に上記予想軌跡等を表示する、いわゆるアラウンドビューモニタシステムも既に知られれている(特許文献1)。
【0005】
しかし、このような予想軌跡の提示は、運転操作に熟練した者に対しては有効であるものの、その予想軌跡に対応する運転操作の内容を瞬時に判断できない非熟練者に対しては、必ずしもユーザーフレンドリな支援とはいえない面もある。すなわち、運転操作に不慣れな者の場合は、単に予想軌跡を提示しても、そのような予想軌跡を誘導軌跡に沿わせるために必要な操作を、瞬時に思い浮かべることができず、とまどうこともある。
【0006】
そこで、車両を駐車区画内に適切に誘導するのに必要な車両の操作内容を提示する技術である駐車ナビゲーションシステムが提案されている(特許文献2)。この技術によれば、運転操作に不慣れな者であっても、提示された操作を行うことで、車両を駐車区画内に適切に誘導することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−183877号公報
【特許文献2】特開2001−114049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、駐車対象領域に車両を導く駐車操作は、典型的な縦列駐車や横並び駐車(車庫入れ)だけとは限らない。すなわち、駐車操作で車両が通過する範囲に、電信柱やその他の建築物などの障害物がある場合は、この障害物との接触を回避するための個別の特別な操作(例えば切り返し回数の増加など)を行う必要がある。
【0009】
また、駐車対象領域の形状や向き、切返し用スペースの広狭などによっても、個別の駐車操作が必要の場合もある。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、個別の駐車操作が必要な駐車対象領域であっても、車両に対する操作内容を提示することができる駐車ナビゲーションシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る駐車ナビゲーションシステムは、所定の駐車対象領域へ車両を入庫させる際に車両に対して入力され車両操作検出手段によって検出された操作内容に対応した駐車操作ナビゲーション映像、または所定の駐車対象領域から車両を出庫させる際に車両に対して入力され車両操作検出手段によって検出された操作内容に対応した駐車操作ナビゲーション映像を、記憶媒体に記録することで、その駐車対象領域に次回駐車する際には、その記憶媒体に記録されている駐車操作ナビゲーション映像(入庫時に記録した駐車操作ナビゲーション映像)を正転(記録時の時系列と同じ向き)で再生し、または駐車操作ナビゲーション映像(出庫時に記録した駐車操作ナビゲーション映像)を反転(記録時の時系列と反対の向き)で再生することで、その駐車対象領域に適した個別の駐車操作を提示し、駐車操作の容易化を図ったものである。
【0012】
すなわち、本発明に係る駐車ナビゲーションシステムは、車両の周囲を撮影するカメラと、前記カメラで撮影して得られた画像に視点変換処理を施して前記車両の近傍の俯瞰画像を得るカメラ映像処理部と、画像を表示する画像表示手段と、前記車両に入力された操作を検出する車両操作検出手段と、前記車両操作検出手段によって検出された操作の内容を、前記操作の内容に対応した車両の挙動を模式化した駐車操作ナビゲーション映像として、前記操作内容に対応付けて所定の記憶媒体に記録する駐車操作ナビゲーション映像記録部と、記録モードと再生モードとを切り替える記録再生切替スイッチと、前記記録再生切替スイッチが前記記録モードに切り替えられているときは、前記駐車操作ナビゲーション映像記録部による記録を行うように前記駐車操作ナビゲーション映像記録部を制御し、前記記録再生切替スイッチが前記再生モードに切り替えられているときは、前記記憶媒体に記憶されている前記駐車操作ナビゲーション映像を、前記車両操作検出手段によって検出された前記車両に入力された操作に応じて再生するように制御するナビ映像制御部と、前記画像表示手段の表示領域を分割して、前記カメラ映像処理部により得られた前記俯瞰画像と前記ナビ映像制御部により再生された前記駐車操作ナビゲーション映像とを前記分割して得られた2つの表示領域に各別に表示させるように前記画像表示手段を制御する表示制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
このように構成された本発明に係る駐車ナビゲーションシステムによれば、表示制御部が、画像表示手段の表示領域を分割して、カメラで撮影されカメラ映像処理部で視点変換処理された車両近傍の俯瞰画像とナビ映像再生制御手段により再生された駐車操作ナビゲーション映像とを、分割して得られた2つの表示領域に各別に表示させるように、画像表示手段を制御する。
【0014】
ここで、記録再生切替スイッチが記録モードに切り替えられているときは、駐車操作ナビゲーション映像記録部が、所定の駐車対象領域へ車両を入庫させる際に車両に対して入力され車両操作検出手段によって検出された操作内容であって、または所定の駐車対象領域から車両を出庫させる際に車両に対して入力され車両操作検出手段によって検出された操作内容であって、操作を開始する基準となる開始基準状態と操作を完了する基準となる完了基準状態との間の操作内容を、この操作内容に対応した車両の挙動を模式化した駐車操作ナビゲーション映像として、操作内容に対応付けて所定の記憶媒体に記録するように、ナビ映像制御部が駐車操作ナビゲーション映像記録部を制御し、一方、記録再生切替スイッチが再生モードに切り替えられているときは、ナビ映像制御部が、記憶媒体に記憶されている駐車操作ナビゲーション映像を、車両操作検出手段によって検出された車両に入力された操作に応じて、正転(入庫時の駐車操作ナビゲーション映像の場合)または反転(出庫時の駐車操作ナビゲーション映像の場合)で再生する。
【0015】
すなわち、記録再生切替スイッチの状態に応じて、駐車操作を、模式化した駐車操作ナビゲーション映像として記録し、または記録され若しくは予め製作された駐車操作ナビゲーション映像を再生する。
【0016】
このように、本発明に係る駐車ナビゲーションシステムは、記録モードで駐車操作を駐車操作ナビゲーション映像として予め記録し、その後に再生モードでその記録された駐車操作ナビゲーション映像を再生することができるため、個別の駐車操作が必要な特定の駐車対象領域への駐車操作の内容を記録モードで記録しておくことにより、そのような駐車対象領域に次回以後に駐車する際は、その記録されたときの駐車操作ナビゲーション映像を再生モードで再生して、必要な個別の駐車操作指示を得ることができる。
【0017】
なお、駐車対象領域への入庫時の操作を記録したものでは、そのまま正転で再生すればよいし、駐車対象領域からの出庫時の操作を記録したものでは、時系列的に逆に再生し、かつ操作内容を逆に(反対向きに(前進は後退に、後退は前進に、右操舵は左操舵に、左操舵は右操舵に)して再生することで入庫時の操作として再生することができる。
【0018】
また、個別の特定の駐車操作(入庫操作)が必要でない駐車対象領域への駐車操作であっても、例えば熟練したドライバーの駐車操作を記録モードで記録しておくことで、後に運転に不慣れなドライバーが、再生モードで、その熟練したドライバーの駐車操作ナビゲーション映像を参照しながら駐車操作を行うことで、熟練したドライバーの駐車操作にしたがった精度のよい駐車操作を行うことができる。
【0019】
記憶媒体に記憶されている駐車操作ナビゲーション映像を再生モードで再生させるとき、ドライバーの駐車操作は車両操作検出手段によって検出されるが、この検出された駐車操作内容に応じて再生されるため、ドライバーは、画像表示手段に表示された駐車操作ナビゲーション映像の再生状態を見ることで、熟練ドライバーによる駐車操作と同じ操作を行っているか否かをリアルタイムに判断することができ、熟練ドライバーによる駐車操作と同じ操作となるように、操作を逐次微調整して、目標となる駐車対象領域に、車両を熟練ドライバーと同様に精度よく駐車させることができる。
【0020】
さらに、出庫時の操作を記録し、これを反転させることで入庫時の操作として再生するものでは、記録時は前進で出庫操作すればよいため、運転に不慣れな者であっても後退での駐車操作に比べて比較的容易に行うことができるため、熟練したドライバーの駐車操作を記録する必要がなく、実用上の扱い易さを向上させることができる。
【0021】
以上の通り、本発明に係る駐車ナビゲーションシステムによれば、個別の駐車操作が必要な駐車対象領域であっても、車両に対する適切な操作内容を提示することができる。
【0022】
なお、模式化した駐車操作ナビゲーション映像とは、実写映像(実写映像を視点変換処理、ノイズ除去処理、明るさ調整処理等各種画像処理が施されたものも含む)だけでなく、例えばアニメーションやCG(コンピュータグラフィクス)等によって図案化された映像も含む意である。
【0023】
また、駐車操作ナビゲーション映像記録部により、操作内容に対応した車両の挙動を模式化した駐車操作ナビゲーション映像を記録するに際しては、後に再生する際のインデックスとなるように、個々の駐車操作ナビゲーション映像に対して、それぞれを特定することが出来るように互い異なる誘導パターン名を付して記録することが好ましい。
【0024】
なお、誘導パターンとは、駐車対象領域(駐車区画)と車両の位置、姿勢との関係で、車両を駐車区画内に適切に導くための一連の車両の動きを表すもの(例えば、車両の左側に存在する駐車区画に並列駐車する左並列や、車両の右側に存在する駐車区画に縦列駐車する右縦列などの駐車モードと、この車両の一連の動きのために必要なスペースの広狭(道幅の広狭)の別を表す駐車パターンとを組み合わせたもの)や、駐車対象領域自体の固有名称であってもよい。
【0025】
ここで、駐車モードと駐車パターンとの組合せによる誘導パターンとしては、少なくとも下記(1)から(8)までの8つの誘導パターンを採りうる。
【0026】
すなわち、
(1)道幅が狭いときの左並列駐車
(2)道幅が狭いときの右並列駐車
(3)道幅が狭いときの左縦列駐車
(4)道幅が狭いときの右縦列駐車
(5)道幅が広いときの左並列駐車
(6)道幅が広いときの右並列駐車
(7)道幅が広いときの左縦列駐車
(8)道幅が広いときの右縦列駐車
である。
【0027】
本発明に係る駐車ナビゲーションシステムは、前記駐車操作ナビゲーション映像記録部が、所定の駐車対象領域へ前記車両を入庫する際の操作を開始する基準となる開始基準状態から操作を完了する基準となる完了基準状態まで前記車両に対して入力された、前記車両操作検出手段によって検出された操作の内容を、前記操作の内容に対応した車両の挙動を模式化した駐車操作ナビゲーション映像として、前記操作内容に対応付けて前記記憶媒体に記録するものであり、前記ナビ映像制御部が、前記記録再生切替スイッチが前記再生モードに切り替えられているとき、前記記憶媒体に記憶されている前記駐車操作ナビゲーション映像を、記録された時系列にしたがって再生するように制御するものであることが好ましい。
【0028】
このように構成された本発明に係る駐車ナビゲーションシステムによれば、入庫時の操作内容を記録して、その記録したままを正転で再生することで、入庫時の操作内容を再生によって再現することができる。
【0029】
本発明に係る駐車ナビゲーションシステムは、前記駐車操作ナビゲーション映像記録部が、所定の駐車対象領域から前記車両を出庫する際の操作を開始する基準となる開始基準状態から操作を完了する基準となる完了基準状態まで前記車両に対して入力された、前記車両操作検出手段によって検出された操作の内容も、前記操作の内容に対応した車両の挙動を模式化した駐車操作ナビゲーション映像として、前記操作内容に対応付けて前記記憶媒体に記録するものであるとともに、前記入庫する際の記録と前記出庫する際の記録とを区別して記録するものであり、前記ナビ映像制御部が、前記記録再生切替スイッチが前記再生モードに切り替えられているとき、前記記憶媒体に記憶されている前記駐車操作ナビゲーション映像のうち入庫する際に記録された駐車操作ナビゲーション映像については、記録された時系列にしたがって再生し、前記記憶媒体に記憶されている前記駐車操作ナビゲーション映像のうち出庫する際に記録された駐車操作ナビゲーション映像については、記録された時系列の反対向きで、かつ対応して記録されている操作内容も反対の操作として再生するように制御するものであることが好ましい。
【0030】
このように構成された本発明に係る駐車ナビゲーションシステムによれば、入庫時の操作内容を記録して、その記録したままを正転で再生することで、入庫時の操作内容を再生によって再現することができるとともに、出庫時の操作内容を記録して、その記録を時系列的に反転して再生することで、入庫時の操作内容を提示することができる。
【0031】
本発明に係る駐車ナビゲーションシステムは、前記駐車操作ナビゲーション映像記録部が、所定の駐車対象領域から前記車両を出庫する際の出庫操作を開始する基準となる開始基準状態から出庫操作を完了する基準となる完了基準状態まで前記車両に対して入力された、前記車両操作検出手段によって検出された操作の内容を、前記操作の内容に対応した車両の挙動を模式化した駐車操作ナビゲーション映像として、前記操作内容に対応付けて所定の記憶媒体に記録するものであり、前記ナビ映像制御部が、前記記録再生切替スイッチが前記再生モードに切り替えられているとき、前記記憶媒体に記憶されている前記駐車操作ナビゲーション映像を、記録された時系列の反対向きで、かつ対応して記録されている操作内容を反対の操作として再生するように制御するものであることが好ましい。
【0032】
このように構成された本発明に係る駐車ナビゲーションシステムによれば、出庫時の操作内容を記録して、その記録を時系列的に反転して再生することで、入庫時の操作内容を提示することができる。
【0033】
本発明に係る駐車ナビゲーションシステムにおいて、前記ナビ映像制御部は、前記駐車操作ナビゲーション映像の再生に際して、前記駐車操作ナビゲーション映像を、前記開始基準状態と前記完了基準状態との間の一連の車両の動きのうち前記車両の挙動を変化させる操作を入力すべきタイミングにそれぞれ対応した操作変化基準ポイント間で再生し、前記操作変化基準ポイントにおいて一時停止させるとともに、前記車両操作検出手段によって検出された前記車両への操作の内容が、前記駐車操作ナビゲーション映像に対応付けられた前記操作の内容に合致したときは、前記駐車操作ナビゲーション映像を一時停止状態から再生状態に移行させることが好ましい。
【0034】
ここで、開始基準状態とは、誘導パターンごとの、駐車操作ナビゲーション映像の再生を開始する基準状態であり、入庫時の操作内容を記録したものでは、入庫の操作開始時が再生時の開始基準状態であり、出庫時の操作内容を記録したものでは、出庫の操作終了時が再生時の開始基準状態である。
【0035】
一方、完了基準状態とは、誘導パターンごとの、駐車操作ナビゲーション映像の再生を終了する基準状態であり、入庫時の操作内容を記録したものでは、入庫の操作終了時(車両が駐車区画内に正規の姿勢で駐車されて停止した状態)が再生時の完了基準状態であり、出庫時の操作内容を記録したものでは、出庫の操作開始時が再生時の完了基準状態である。
【0036】
例えば、誘導パターンが「道幅の広い場合の左縦列駐車」であるときは、目標となる駐車区画の右前方位置であって、この駐車区画に対して平行な姿勢で停止した状態が開始基準状態(入庫時の操作内容を記録したもの)、または完了基準状態(出庫時の操作内容を記録したもの)となる。
【0037】
また、例えば、誘導パターンが「道幅の広い場合の左並列駐車(車庫入れ)」であるときは、目標となる駐車区画の右前方位置であって、この駐車区画に対して直交する向きの姿勢で停止した状態が、開始基準状態(入庫時の操作内容を記録したもの)、または完了基準状態(出庫時の操作内容を記録したもの)となる。
【0038】
このように構成された本発明に係る駐車ナビゲーションシステムによれば、ドライバーは、画像表示手段に表示された駐車操作ナビゲーション映像の再生が維持されていることを視認して、駐車操作ナビゲーション映像に対応付けられた操作内容に合致した操作を行っていることをリアルタイムに認識することができ、一方、駐車操作ナビゲーション映像の再生が停止されていることを視認して、駐車操作ナビゲーション映像に対応付けられた操作内容に合致した操作を行っていないことをリアルタイムに認識することができ、駐車操作ナビゲーション映像に対応付けられた操作内容に合致した操作となるように、操作を適宜修正することで、目標となる駐車対象領域に、車両を熟練ドライバーと同様に精度よく駐車させることができる。
【0039】
つまり、駐車操作ナビゲーション映像の再生状態に応じて、運転者が車両に対して入力している操作内容の適正化を促すことができ、操作が不正確なままで、運転者に操作を継続させるのを防止することができ、駐車区画内に車両を確実に誘導することができる。
【0040】
しかも、本発明に係る駐車ナビゲーションシステムは、車両の挙動を変化させる操作を入力すべきタイミングにそれぞれ対応した操作変化基準ポイント間ごとに、駐車操作ナビゲーション映像の再生または一時停止を行うため、必要とされる操作の内容ごとに、実際に入力している操作の適否を、運転者に判断させることができる。
【0041】
本発明に係る駐車ナビゲーションシステムにおいては、前記駐車操作ナビゲーション映像は、上方から俯瞰して2次元で表現されたアニメーション映像であるとともに、前記車両の周囲の領域について、前記俯瞰画像よりも広い範囲まで描かれているものであることが好ましい。
【0042】
このように好ましく構成された本発明に係る駐車ナビゲーションシステムによれば、駐車操作ナビゲーション映像は、上方から俯瞰して2次元で表現されたアニメーション映像であるため、車両の周囲の領域について、画像表示手段の分割された表示領域の一方に表示されている俯瞰画像よりも大幅に広い範囲まで拡げて作成しても、撮影画像を俯瞰画像に変換処理したもののような歪みを生じる虞がないため、俯瞰画像よりも広い範囲を駐車操作ナビゲーション映像として用いることができるとともに、そのような駐車操作ナビゲーション映像として広い範囲を表した映像であっても、運転者が視認する画像として違和感の無いものとすることができる。
【0043】
本発明に係る駐車ナビゲーションシステムにおいては、前記車両を前記駐車対象領域に誘導する操作を提示させる駐車ナビゲーションモードの開始の入力を受ける駐車ナビ切替スイッチと、前記車両の複数の誘導パターンのうちから1つの選択の入力を受ける誘導パターン選択スイッチと、前記車両が前記開始基準状態にセットされたタイミングの入力を受けるスタートスイッチと、を備え、前記駐車操作ナビゲーション映像記録部は、前記駐車操作ナビゲーション映像に所定の誘導パターンを対応付けて記録するものであり、前記ナビ映像制御部は、前記駐車ナビ切替スイッチに前記駐車ナビゲーションモードを開始する入力を受けたとき、前記駐車操作ナビ映像記憶部に記憶された複数の誘導パターンを提示し、前記提示された複数の誘導パターンのうち前記誘導パターン選択スイッチにより入力された誘導パターンに対応した駐車操作ナビゲーション映像を、前記記憶媒体から読み出し、前記スタートスイッチに前記タイミングが入力された後に、前記車両操作検出手段によって検出された前記車両への操作の内容に応じて、前記読み出された駐車操作ナビゲーション映像の再生を制御するものであることが好ましい。
【0044】
このように好ましい構成の駐車ナビゲーションシステムは、駐車ナビ切替スイッチに駐車ナビゲーションモードを開始する入力を受けたときは、ナビ映像制御部が、記憶媒体に記録された複数の誘導パターンを提示し、提示された複数の誘導パターンのうち誘導パターン選択スイッチにより入力(選択)された誘導パターンに対応した駐車ナビゲーション映像を記憶媒体から読み出し、スタートスイッチにタイミングが入力された後に、車両操作検出手段によって検出された車両への操作内容に応じて、読み出された駐車操作ナビゲーション映像の再生を制御する。
【0045】
なお、車室内に設置された画像表示手段に表示される駐車操作ナビゲーション映像には、車両を誘導する表示として単に車両を移動させた画像だけを表示するのではなく、そのような車両の移動(挙動)を実現するのに必要な車両に対して入力すべき操作(駐車操作)の具体的内容(操舵の向きや舵角、必要な車速や発進と停止(制動)との別、前進と後退との別等)などの駐車操作内容情報が含まれているため、運転者は、表示されている駐車操作内容情報の通りに、車両に対して操作を入力するだけで、車両を駐車区画内に適切に誘導することができる。
【0046】
本発明に係る駐車ナビゲーションシステムにおいては、前記画像表示手段は、その表示領域にタッチセンサを備え、前記駐車ナビ切替スイッチ、前記誘導パターン選択スイッチおよび前記スタートスイッチのうち少なくとも1つは、前記表示領域に表示されたアイコンとこのアイコンに対応した部分のタッチセンサとにより構成されていることが好ましい。
【0047】
このように好ましく構成された本発明に係る駐車ナビゲーションシステムによれば、画像表示手段が、その表示領域にタッチセンサを備え、駐車ナビ切替スイッチ、誘導パターン選択スイッチおよびスタートスイッチのうち少なくとも1つが、その画像表示手段の表示領域に表示されたアイコンとこのアイコンに対応した部分のタッチセンサとにより構成されているため、運転者は、画像表示手段の表示領域に表示されている俯瞰画像やカメラ映像、または駐車操作ナビゲーション映像を見ている期間中は、この表示領域に表示されている画像、映像から視線を外すことなく、タッチセンサによるスイッチ操作を行うことができ、利便性を高めることができる。
【0048】
本発明に係る駐車ナビゲーションシステムにおいては、前記複数の誘導パターンとしては、少なくとも下記(1)から(8)までの8つのパターンが予め設定されていることが好ましい。
(1)道幅が狭いときの左並列駐車
(2)道幅が狭いときの右並列駐車
(3)道幅が狭いときの左縦列駐車
(4)道幅が狭いときの右縦列駐車
(5)道幅が広いときの左並列駐車
(6)道幅が広いときの右並列駐車
(7)道幅が広いときの左縦列駐車
(8)道幅が広いときの右縦列駐車
このように好ましく構成された本発明に係る駐車ナビゲーションシステムによれば、駐車対象領域に対する基本的な全ての誘導パターンが網羅されているため、特殊な誘導が必要な場合(基本的な誘導パターンで設定されている以上の狭い道幅であるため、高頻度での切返し操作を必要とする環境や、切り返し操作中に電柱等の障害物を避けるような特別な操作を必要とする環境等)を除いて、基本的な駐車操作を提示することができる。
【0049】
また、特殊な誘導が必要な場合は、駐車操作ナビゲーション映像記録部によって個別の駐車操作ナビゲーション映像を予め記録しておき、この記録された駐車操作ナビゲーション映像に対応した誘導パターンを選択して当該駐車操作ナビゲーション映像を再生することで、基本的な誘導パターン以外の駐車操作も提示することができる。
【0050】
本発明に係る駐車ナビゲーションシステムにおいては、前記駐車操作ナビゲーション映像には、前記操作変化基準ポイントごとに、注意を払うべき車両の部位を示す情報が付加されていることが好ましい。
【0051】
画像表示手段に、操作の内容を説明する情報が表示されて駐車操作を開始すると、特に駐車操作に不慣れな運転者の場合は、車両に対して入力する操作にばかり注力しがちであるところ、駐車操作で必須となる後退しながらの操舵では、外輪差(前輪操舵の場合)により、車両前部のうち、操舵向きと反対側の角部(例えば、操舵向きが左向きの場合は、車両前部の右角部)が最外縁となるため、この部分と障害物との位置関係に注意する必要があり、本発明の好ましい構成によれば、そのような注意を払うべ車両の部位を示す情報が提示されるため、車両周囲への注力が低下するのを防止することができる。
【0052】
本発明に係る駐車ナビゲーションシステムにおいては、前記駐車操作ナビゲーション映像に付加されている前記入力すべき操作の内容を説明する情報を、音声情報として出力するスピーカおよび前記スピーカへの音声情報の出力を制御する音声制御部を備えていることが好ましい。
【0053】
このように好ましく構成された本発明に係る駐車ナビゲーションシステムによれば、車両に対して入力すべき操作の内容が、視覚情報として画像表示手段に表示されるだけでなく、スピーカから音声情報としても出力されることで、視線が画像表示手段から外れていて車両に入力すべき操作の内容を見落とした場合であっても、運転者は、その情報を音声情報として聴覚的に聴き取ることができるため、車両に対して入力すべき操作の内容を認識し損なうのを防止することができる。
【発明の効果】
【0054】
本発明に係る駐車ナビゲーションシステムによれば、個別の特定の駐車操作が必要な駐車対象領域であっても、車両に対する適切な操作内容を提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施形態1,2に係る駐車ナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した駐車ナビゲーションシステムが搭載された車両におけるカメラの撮影範囲を示す図である。
【図3】図1に示した駐車ナビゲーションシステムを具体的な構成に展開したブロック図である。
【図4】駐車ナビゲーションモードでの処理を示すフローチャート(その1)である。
【図5】駐車ナビゲーションモードでの処理を示すフローチャート(その2)である。
【図6】駐車ナビゲーションモードに切り替えられる前の段階で、映像表示手段(画像表示手段)に表示されている映像を示す図である。
【図7】駐車ナビゲーションモードに切り替えられた後に、記録モードと再生モードとのいずれかの選択を入力する画面を示す図である。
【図8】駐車ナビゲーションモードの記録モードで記録する駐車操作ナビゲーション映像に付す誘導パターン(駐車モード)を設定し、または再生モードで再生する駐車操作ナビゲーション映像に対応した誘導パターン(駐車モード)を選択する画面を示す図である(その1)。
【図9】駐車ナビゲーションモードの記録モードで記録する駐車操作ナビゲーション映像に付す誘導パターン(駐車モード)を設定し、または再生モードで再生する駐車操作ナビゲーション映像に対応した誘導パターン(駐車パターン)を選択する画面を示す図である(その2)。
【図10】誘導パターンに付す名称を入力する画面を示す図である。
【図11】駐車ナビゲーションモード(記録または再生)の開始または終了を選択して入力する画面を示す図である。
【図12】個別に記録された駐車操作ナビゲーション映像にそれぞれ対応して設定された誘導パターン(名称)を選択する画面を示す図である。
【図13】駐車ナビゲーションモードにおける、アニメーション映像化された駐車操作ナビゲーション映像とカメラの実映像に基づく俯瞰画像との表示状態を示す図(その1)である。
【図14】駐車ナビゲーションモードにおける、アニメーション映像化された駐車操作ナビゲーション映像とカメラの実映像に基づく俯瞰画像との表示状態を示す図(その2)である。
【図15】駐車ナビゲーションモードにおける、アニメーション映像化された駐車操作ナビゲーション映像とカメラの実映像との表示状態を示す図である。
【図16】駐車ナビゲーションモードにおける、アニメーション映像化された駐車操作ナビゲーション映像とカメラの実映像に基づく俯瞰画像との表示状態を示す図(その3)である。
【図17】駐車ナビゲーションモードにおける、アニメーション映像化された駐車操作ナビゲーション映像とカメラの実映像に基づく俯瞰画像との表示状態を示す図(その4)である。
【図18】駐車ナビゲーションモードにおける、アニメーション映像化された駐車操作ナビゲーション映像とカメラの実映像に基づく俯瞰画像との表示状態を示す図(その5)である。
【図19】駐車ナビゲーションモードにおける、アニメーション映像化された駐車操作ナビゲーション映像とカメラの実映像に基づく俯瞰画像との表示状態を示す図(その6)である。
【図20】駐車ナビゲーションモードにおける、アニメーション映像化された駐車操作ナビゲーション映像とカメラの実映像に基づく俯瞰画像との表示状態を示す図(その7)である。
【図21】駐車ナビゲーションモードに切り替えられる前の段階で、映像表示手段(画像表示手段)に表示されている映像を示す図である。
【図22】駐車ナビゲーションモードに切り替えられた後に、記録モードと再生モードとのいずれかの選択を入力する画面を示す図である。
【図23】駐車ナビゲーションモードの記録モードで記録する駐車操作ナビゲーション映像に付す誘導パターン(駐車モード)を設定し、または再生モードで再生する駐車操作ナビゲーション映像に対応した誘導パターン(駐車モード)を選択する画面を示す図である(その1)。
【図24】駐車ナビゲーションモードの記録モードで記録する駐車操作ナビゲーション映像に付す誘導パターン(駐車モード)を設定し、または再生モードで再生する駐車操作ナビゲーション映像に対応した誘導パターン(駐車パターン)を選択する画面を示す図である(その2)。
【図25】誘導パターンに付す名称を入力する画面を示す図である。
【図26】駐車ナビゲーションモード(記録または再生)の開始または終了を選択して入力する画面を示す図である。
【図27】駐車操作ナビゲーション映像の記録中を示す図である(その1)。
【図28】駐車操作ナビゲーション映像の記録中を示す図である(その2)。
【図29】駐車操作ナビゲーション映像の記録中を示す図である(その3)。
【図30】駐車操作ナビゲーション映像の記録中を示す図である(その4)。
【図31】駐車操作ナビゲーション映像の記録中を示す図である(その5)。
【図32】駐車操作ナビゲーション映像の記録中を示す図である(その6)。
【図33】駐車操作ナビゲーション映像の記録中を示す図である(その7)。
【図34】駐車操作ナビゲーション映像の記録が終了した状態を示す図である。
【図35】駐車ナビゲーションモードに切り替えられる前の段階で、映像表示手段(画像表示手段)に表示されている映像を示す、図21相当の図である。
【図36】駐車ナビゲーションモードに切り替えられた後に、記録モードと再生モードとのいずれかの選択を入力する画面を示す、図22相当の図である。
【図37】駐車ナビゲーションモードの再生モードで再生する駐車操作ナビゲーション映像に付す誘導パターン(駐車モード)を設定し、または再生モードで再生する駐車操作ナビゲーション映像に対応した誘導パターン(駐車モード)を選択する画面を示す、図23相当の図である(その1)。
【図38】駐車ナビゲーションモードの再生モードで再生する駐車操作ナビゲーション映像に付す誘導パターン(駐車モード)を設定し、または再生モードで再生する駐車操作ナビゲーション映像に対応した誘導パターン(駐車パターン)を選択する画面を示す、図24相当の図である(その2)。
【図39】個別に記録された駐車操作ナビゲーション映像にそれぞれ対応して設定された誘導パターン(名称)を選択する画面を示す図である。
【図40】駐車ナビゲーションモード(再生)の開始に先立って、駐車スペース合わせを促す指示の表示画面を示す図である。
【図41】駐車ナビゲーションモード(再生)の開始または終了を選択して入力する画面を示す図である。
【図42】駐車ナビゲーションモードにおける、アニメーション映像化された駐車操作ナビゲーション映像とカメラの実映像に基づく俯瞰画像との表示状態を示す図(その1)である。
【図43】駐車ナビゲーションモードにおける、アニメーション映像化された駐車操作ナビゲーション映像とカメラの実映像との表示状態を示す図である。
【図44】駐車ナビゲーションモードにおける、アニメーション映像化された駐車操作ナビゲーション映像とカメラの実映像に基づく俯瞰画像との表示状態を示す図(その2)である。
【図45】駐車ナビゲーションモードにおける、アニメーション映像化された駐車操作ナビゲーション映像とカメラの実映像に基づく俯瞰画像との表示状態を示す図(その3)である。
【図46】駐車ナビゲーションモードにおける、アニメーション映像化された駐車操作ナビゲーション映像とカメラの実映像に基づく俯瞰画像との表示状態を示す図(その4)である。
【図47】駐車ナビゲーションモードにおける、アニメーション映像化された駐車操作ナビゲーション映像とカメラの実映像に基づく俯瞰画像との表示状態を示す図(その5)である。
【図48】駐車ナビゲーションモードにおける、アニメーション映像化された駐車操作ナビゲーション映像とカメラの実映像に基づく俯瞰画像との表示状態を示す図(その6)である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
以下、本発明に係る駐車ナビゲーションシステムの実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0057】
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1(実施例1)に係る駐車ナビゲーションシステム100の構成を示すブロック図、図2は図1に示した実施形態1の駐車ナビゲーションシステム100が搭載された車両200におけるカメラ10の撮影範囲を示す図、図3は実施形態1の駐車ナビゲーションシステム100をより具体的な装置構成に展開したブロック図である。
【0058】
図示の駐車ナビゲーションシステム100は、図2に示す車両200の前後左右にそれぞれ設置されて全体として車両200の周囲を撮影するカメラ10(車両200の後方を撮影するカメラ(以下、後部カメラという)11、車両200の前方を撮影するカメラ(以下、前部カメラという)12、車両200の右方を撮影するカメラ(以下、右部カメラという)13、車両200の左方を撮影するカメラ(以下、左部カメラという)14)と、各カメラ11〜14で撮影して得られた車両200の周囲の画像Q0に視点変換処理を施し、車両200の近傍を単一の俯瞰画像Q1に合成するカメラ映像処理部15と、車両200に搭載されて、入力された画像(映像)を表示する映像表示手段63(画像表示手段)と、車両200に入力された操作内容(操作内容の入力によって現れる車速、前進・後退の別、操舵角等の挙動を検出するものであってもよい。)を検出する車両操作検出手段20と、所定の駐車区画A(駐車対象領域)への車両200の誘導パターンPTi(i=1,2,…)ごとに設定された、模式化(図案化)された複数の駐車操作ナビゲーション映像Ni(i=1,2,…)であって、車両200に対して駐車操作を開始する基準となる開始基準状態Sから駐車操作を完了する基準となる完了基準状態Eまでの車両200の一連の動きの映像のうち、車両200の挙動を変化させる操作を入力すべきタイミングに対応した操作変化基準ポイントPj(j=1,2,…)ごとに、車両200に対して入力すべき操作の内容を説明する情報(駐車操作内容情報)Kj(j=1,2,…)が付加されているものが記録されているナビ映像記憶部30(記憶媒体)と、車両200を駐車区画Aに適切に誘導する操作を提示させる駐車ナビゲーションモードMの開始の入力を受ける駐車ナビ切替スイッチ41と、車両200の複数の誘導パターンPTiのうちから1つの選択の入力を受ける誘導パターン選択スイッチ42と、車両200が開始基準状態Sにセットされたタイミングの入力を受けるスタートスイッチ43と、駐車ナビ切替スイッチ41に駐車ナビゲーションモードMを開始する入力を受けたときは、ナビ映像記憶部30に記録された複数の誘導パターンPTiを映像表示手段63に表示することで提示し、提示された複数の誘導パターンPTiのうち、誘導パターン選択スイッチ42により入力された選択に対応した誘導パターンPTiをナビ映像記憶部30から読み出し、スタートスイッチ43にタイミングが入力された後に、車両操作検出手段20によって検出された車両200への操作内容(または、その操作内容の入力に応じた車両の挙動)に応じて、読み出された駐車操作ナビゲーション映像Niの再生を制御するナビ映像制御部50と、映像表示手段63の表示領域を左右2つの領域D1,D2に分割して、カメラ映像処理部15により得られた俯瞰画像Q1とナビ映像制御部50により再生された駐車操作ナビゲーション映像Niとを、上記分割して得られた2つの表示領域に別個に独立して表示させるように、映像表示手段63を制御する表示制御部62と、を備えている。
【0059】
さらに、この駐車ナビゲーションシステム100は、所定の駐車区画Aに車両200を誘導する際に車両200に対して入力され車両操作検出手段20によって検出された、開始基準状態Sから完了基準状態Eまでの操作内容を、各操作内容に対応した車両200の挙動を模式化した駐車操作ナビゲーション映像Niとして、操作内容に対応付けてナビ映像記憶部30に記録する駐車操作ナビゲーション映像記録部31と、ナビ映像記憶部30に駐車操作ナビゲーション映像Niを記録する記録モードとナビ映像記憶部30に記録されている駐車操作ナビゲーション映像Niを読み出す再生モードとを切り替える記録再生切替スイッチ44とを備え、ナビ映像制御部50は、記録再生切替スイッチ44が記録モードに切り替えられているときは、駐車操作ナビゲーション映像Niを操作内容に対応付けてナビ映像記憶部30に記録させるように駐車操作ナビゲーション映像記録部31を制御し、記録再生切替スイッチ44が再生モードに切り替えられているときは、ナビ映像記憶部30に記憶されている駐車操作ナビゲーション映像Niを、車両操作検出手段20によって検出された車両200に入力された操作に応じて再生するものとされている。
【0060】
また、この駐車ナビゲーションシステム100は、駐車ナビゲーションモードMが開始される以前の段階や駐車ナビゲーションモードMが終了した後の段階において、映像表示手段63に表示される、車両走行時の通常の道案内を行うモードである走行ナビゲーションモードM′用の地図情報R1などが記憶されたメモリ61と、駐車操作ナビゲーション映像Niに付加されている、入力すべき操作の内容を説明する情報Kjや、走行ナビゲーションモードM′での案内情報を、聴覚情報として合成音声で出力するスピーカ67およびスピーカ67への合成音声の出力を制御する音声制御部66を備えている。
【0061】
なお、メモリ61に記憶された走行ナビゲーションモードM′用の地図情報R1は、表示制御部62に入力されて、映像表示手段63に表示される。一方、音声制御部66は、ナビ映像制御部50によって制御されている。
【0062】
ここで、誘導パターンPTiは、駐車区画Aと車両200の位置、姿勢との関係で、車両200を駐車区画A内に適切に導くための一連の車両200の動きを表すものであり、例えば、車両200の左側に存在する駐車区画Aに並列駐車する左並列や、車両200の右側に存在する駐車区画に縦列駐車する右縦列などの駐車モードPMと、この車両200の一連の動きのために必要なスペースの広狭(道幅の広狭)の別を表す駐車パターンPPとを組み合わせたものを意味する。
【0063】
したがって、駐車モードPMと駐車パターンPPとの組合せによれば、誘導パターンPTiとしては、少なくとも下記(1)PT1から(8)PT8までの8つの誘導パターンPT1,PT2,…,PT8を採りうる。
【0064】
すなわち、
(1)PT1;道幅が狭い(PP1)ときの左並列駐車(PM1)
(2)PT2;道幅が狭い(PP1)ときの右並列駐車(PM2)
(3)PT3;道幅が狭い(PP1)ときの左縦列駐車(PM3)
(4)PT4;道幅が狭い(PP1)ときの右縦列駐車(PM4)
(5)PT5;道幅が広い(PP2)ときの左並列駐車(PM1)
(6)PT6;道幅が広い(PP2)ときの右並列駐車(PM2)
(7)PT7;道幅が広い(PP2)ときの左縦列駐車(PM3)
(8)PT8;道幅が広い(PP2)ときの右縦列駐車(PM4)
である。
【0065】
これに対して、上記(1)〜(8)のいずれの誘導パターンにも対応しない特別な誘導パターンPTで誘導しなければならない状況もあり、そのような特別の誘導パターンPTiについては、駐車操作ナビゲーション映像記録部31が、記録モードで、駐車操作ナビゲーション映像Niをナビ映像記憶部30に新たに記録すればよい。ナビ映像記憶部30に一旦記録された駐車操作ナビゲーション映像Niは、ナビ映像制御部50によって読み出すことができるため、2度目以後の誘導の際には、他の基本の誘導パターンPT1〜PT8に対応する駐車操作ナビゲーション映像N1〜N8と同様に、ナビ映像制御部50がナビ映像記憶部30から読み出される。
【0066】
ここで、駐車操作ナビゲーション映像記録部31が、記録モードで駐車操作ナビゲーション映像Niをナビ映像記憶部30に新たに記録する際には、開始基準状態Sから完了基準状態Eまでの一連の車両200の動きのうち車両200の挙動を変化させる操作が入力されたタイミングにそれぞれ対応して、操作変化基準ポイントPj(j=1,2,…)がそれぞれ作成され、その操作変化基準ポイントPjごとに、入力された操作の内容を表す情報が、駐車操作ナビゲーション映像Niに記録され、ナビ映像制御部50は、駐車操作ナビゲーション映像Niの再生に際して、駐車操作ナビゲーション映像Niを操作変化基準ポイントPj間で再生し、操作変化基準ポイントPjにおいて一時停止させるとともに、その操作変化基準ポイントPjにおいて車両操作検出手段20により検出された車両200への入力操作の内容が、駐車操作ナビゲーション映像Niにおける操作変化基準ポイントPjで記録されている操作の内容に合致したときは、駐車操作ナビゲーション映像Niを一時停止状態から再生状態に移行させる。
【0067】
なお、車両200に対して駐車操作を開始する基準となる開始基準状態Sは、誘導パターンPTiごとの、駐車操作ナビゲーション映像Niの再生を開始する基準状態であり、例えば、誘導パターンPTiがPT7の「道幅の広い場合の左縦列駐車」であるときは、目標となる駐車区画Aの右前方位置であって、この駐車区画Aに対して平行な姿勢で車両200が停止した状態が、開始基準状態Sとなる。
【0068】
例えば、誘導パターンPTiがPT5の「道幅の広い場合の左並列駐車」であるときは、目標となる駐車区画Aの右前方位置であって、この駐車区画Aに対して直交する向きの姿勢で車両200が停止した状態が、開始基準状態Sとなる。
【0069】
なお、車両200に対して駐車操作を完了する基準となる完了基準状態Eとは、各誘導パターンPTiにおいて、車両200が駐車区画A内に正規の姿勢で駐車されて停止した状態を意味する。
【0070】
車両操作検出手段20は、車両200に対して入力された操作の内容を検出するものであるが、運転者が車両200に対して入力した操作は、車両200の対応する挙動として現れるため、操作内容自体を検出するのに代えて、車両200の挙動として検出するものであってもよい。この場合は、車両操作検出手段20に代えて車両200の挙動を検出する車両挙動検出手段を設ければよい。
【0071】
そして、ナビ映像制御部50は、この車両操作検出手段20によって検出された車両200への入力操作の内容を、駐車操作ナビゲーション映像Niに記憶されている操作変化基準ポイントPjごとの操作内容と比べて、駐車操作ナビゲーション映像Niの再生を制御する。
【0072】
この駐車操作ナビゲーション映像Niの再生の制御は、具体的には、駐車操作ナビゲーション映像Niを再生させ、または停止させる制御の他、再生させる際の再生スピードの制御(通常の再生スピード、早送り再生のスピード(通常の再生スピードよりも速い)、逆戻し(再生の逆転であり、通常の再生スピードで逆転した状態)の再生スピード、早戻しの再生スピード(逆戻しの再生スピードよりも速い))なども含む。
【0073】
また、表示制御部62は、映像表示手段63の表示領域を2つに分割して、カメラ映像処理部15により得られた俯瞰画像Q1とナビ映像制御部50により再生された駐車操作ナビゲーション映像Niとを、映像表示手段63の2つの表示領域D1,D2に別個に表示させるように、映像表示手段63を制御するが、駐車操作ナビゲーション映像Niは、スタートスイッチ43にタイミングが入力される以前の段階では再生されないため、車両200が開始基準状態Sにセットされたか否かの判断は、運転者が、映像表示手段63の一方の分割表示領域D1に表示されている俯瞰画像Q1(カメラ10で撮影され、画像処理により単一の俯瞰画像Q1に合成処理されたもの)を視て判断することとなり、運転者が、その俯瞰画像Q1を見て車両200が開始基準状態Sにセットされたと判断したタイミングでスタートスイッチ43に入力を行うことで、映像表示手段63の一方の分割表示領域D2に表示されている駐車操作ナビゲーション映像Niの再生を開始させることができる。
【0074】
この実施形態の駐車ナビゲーションシステム100においては、ナビ映像制御部50は、駐車操作ナビゲーション映像Niを、操作変化基準ポイントPj〜P(j+1)間で再生し、各操作変化基準ポイントPjにおいて一時停止させるとともに、車両操作検出手段20によって検出された車両200の挙動が、駐車操作ナビゲーション映像Niの、対応するタイミングにおける操作変化基準ポイントPjでの操作の内容を説明する情報(駐車操作内容情報)Kjに合致したときは、駐車操作ナビゲーション映像Niを一時停止状態から再生状態に移行させる。
【0075】
なお、この駐車ナビゲーションシステム100において用いられている駐車操作ナビゲーション映像Niは、既述したように模式化されたものであるが、具体的には、上方から俯瞰して2次元で表現されたアニメーション映像である。
【0076】
車両200の周囲の領域については、分割表示領域D1に表示される俯瞰画像Q1よりも広い範囲まで描かれている。
【0077】
また、この駐車ナビゲーションシステム100においては、駐車ナビ切替スイッチ41に駐車ナビゲーションモードMを開始する入力を受ける前の期間については、映像表示手段63の分割表示領域のうち一方の表示領域D1には、前述したとおり俯瞰画像Q1を表示させ、他方の領域D2には、カメラ映像処理部15で視点変換処理が施される以前の映像(カメラ映像)Q0をそのまま表示させるように、ナビ映像制御部50が、表示制御部62を制御するものである。
【0078】
さらに、映像表示手段63は、その表示領域にタッチセンサを備え、駐車ナビ切替スイッチ41、誘導パターン選択スイッチ42(駐車モード選択スイッチ42aと駐車パターン選択スイッチ42b)、スタートスイッチ43および記録再生切替スイッチ44はそれぞれ、この表示領域に表示されたアイコン(駐車ナビ切替スイッチ41は矩形内にアルファベットの「P」の文字を配置したアイコン、誘導パターン選択スイッチ42は後述する図8,9に示すように横長矩形内に「左並列」、「右並列」、「左縦列」または「右縦列」および「狭い」または「広い」の文字がそれぞれ表示されたアイコン、スタートスイッチ43は図11に示すように横長矩形内に「スタート」または「ストップ」の文字がそれぞれ表示されたアイコン、記録再生切替スイッチ44は、図7に示すように横長矩形内に、記録モードを表す「RECモード」の文字および再生モードを表す「PKBモード」の文字がそれぞれ表示されたアイコン)と、これらのアイコンに対応した部分の上記タッチセンサとにより構成されている。
【0079】
また、この駐車ナビゲーションシステム100においては、駐車操作ナビゲーション映像Niには、操作変化基準ポイントPjごとに、駐車動作中において注意を払うべき車両200の部位を示す情報Lも含まれていて、この注意を払うべき部位を表す情報Lは、駐車操作ナビゲーション映像Ni自体に重畳されているのではなく、この駐車操作ナビゲーション映像Niに隣接して表示される俯瞰画像Q1中の車両マーク200の対応する部位に重畳して表示されるように、表示制御部62が表示の制御を行う。
【0080】
以上、図1に示した本実施形態の駐車ナビゲーションシステム100は、実際には、図3に示すように、主なナビ映像制御部50等は、CPU83によって担われている。
【0081】
すなわち、図1におけるナビ映像制御部50、駐車操作ナビゲーション映像記録部31および表示制御部62は、図3に示した具体的構成の駐車ナビゲーションシステム100におけるカメラECU80のCPU83に相当し、図1のカメラ映像処理部15は図3の画像処理部82に対応している。
【0082】
なお、図1の車両操作検出手段20は図3の車両情報取得部21に相当し、図1のナビ映像記憶部30は図3のフラッシュメモリ84に相当し、図1のメモリ61は図3のメモリ81に相当し、図1の映像表示手段63は図3のモニタ64に相当し、図1の音声制御部66は図3の音声出力部85に相当する。
【0083】
図3において図1における符号と同一符号が付された構成要素については、図1において説明した対応の構成要素と同一であるため、説明を省略する。
【0084】
次に、本実施形態の駐車ナビゲーションシステム100の作用について、図4,5に示したフローチャートおよび図6から図20までに示したモニタ64への表示例を参照して説明する。
【0085】
まず、図6に示すように、表示制御部62が映像表示手段63の表示領域を左右2つの表示領域D1,D2に分割するように、ナビ映像制御部50が表示制御部62を制御する。
【0086】
そして、駐車ナビゲーションモードMが開始される以前の期間においては、向かって右側の表示領域D2には、前部カメラ12で撮影された映像Q0が表示され、向かって左側の表示領域D1には、全てのカメラ10で撮影された車両200の周囲映像Q0をカメラ映像処理部15が変換処理して得られた俯瞰画像Q1が表示される。
【0087】
俯瞰画像Q1は、車両200を模した矩形の車両マーク200(この車両マークも、車両200と同じ符号を付す)を中心として、車両200の近傍領域だけを切り取って表示されている。なお、俯瞰画像Q1のうち車両マーク200の左側部分に表示されているのは、白線で仕切られた駐車区画Aである。
【0088】
また、この俯瞰画像Q1において表示されている車両マーク200には、車両200に設置されているカメラ11,12,13,14に対応する位置に、カメラマーク11,12,13,14(このカメラマークも、カメラ11,12,13,14と同じ符号を付す)が表示されていて、これらカメラマーク11,12,13,14のうち、右側の表示領域D2に表示されている映像を撮影しているカメラ(図6においては、前部カメラ12)に対応するカメラマーク(図6においては、前部カメラマーク12)は、他のカメラマークと識別可能な色に変化して表示されている。
【0089】
これらの表示は、ナビ映像制御部50が、表示制御部62を制御することによって行われている。
【0090】
俯瞰画像Q1における車両マーク200には、駐車ナビ切替スイッチ41が表示されていて、車両200の運転者等が駐車操作の案内(駐車ナビゲーションモードM)を開始させる入力を、駐車ナビ切替スイッチ41に入力する(駐車ナビ切替スイッチ41を触る)と(図4において、ステップ11(#11))、この入力がナビ映像制御部50に入力され、これにより、ナビ映像制御部50は、図7に示すように、「RECモード」のアイコン44aおよび「PKBモード」のアイコン44bとからなる記録再生切替スイッチ44を、右側の表示領域D2に表示させる。このとき、駐車ナビ切替スイッチ41は消去されている。
【0091】
そして、運転者により、記録モードまたは再生モードのいずれかが選択されるのを待つ(図4において、(#12→#19→#12→…))。
【0092】
運転者によって、「RECモード」のアイコン44aが触れられて記録モードが選択されると、ナビ映像制御部50は記録モード(#13)の動作を行う。
【0093】
具体的には、これからナビ映像記憶部30に記録しようとする駐車操作ナビゲーション映像Niに対応した誘導パターンPTiの登録、名称設定等の入力を運転者に行わせるために、図8に示すように表示領域D2に、誘導パターン選択スイッチ42のうち駐車モードPMを特定するための駐車モード選択スイッチ42aが表示される。
【0094】
ここでは、左並列駐車(PM1)の誘導パターンPTのときは、運転者が「左並列駐車」の駐車モード選択スイッチ42aにタッチすることで、「左並列駐車」の駐車モードPM1が選択され、右並列駐車(PM2)の誘導パターンPTのときは、運転者が「右並列駐車」の駐車モード選択スイッチ42aにタッチすることで、「右並列駐車」の駐車モードPM2が選択され、左縦列駐車(PM3)の誘導パターンPTのときは、運転者が「左縦列駐車」の駐車モード選択スイッチ42aにタッチすることで、「左縦列駐車」の駐車モードPM3が選択され、右縦列駐車(PM4)の誘導パターンPTのときは、運転者が「右縦列駐車」の駐車モード選択スイッチ42aにタッチすることで、「右縦列駐車」の駐車モードPM4が選択される。
【0095】
そして、運転者によって選択された駐車モードPMが、誘導パターンPTを構成する要素として登録される(図4の#14)。
【0096】
続いて、誘導パターン選択スイッチ42のうち駐車パターンPPを特定するための駐車パターン選択スイッチ42bが表示される(図9)。
【0097】
ここでは、道幅が狭い(PP1)ときの誘導パターンPTのときは、運転者が「狭い」の駐車パターン選択スイッチ42bにタッチすることで、道幅「狭い」の駐車パターンPP1が選択され、道幅が広い(PP2)ときの誘導パターンPTのときは、運転者が「広い」の駐車パターン選択スイッチ42bにタッチすることで、道幅「広い」の駐車パターンPP2が選択され、この選択された駐車パターンPPが、誘導パターンPTを構成する要素として登録される(図4の#15)。
【0098】
なお、駐車モードPMと駐車パターンPPとの組合せにより、誘導パターンPTiが特定され、これから記録される駐車操作ナビゲーション映像Niは、この特定された誘導パターンPTiに対応付けられる。
【0099】
なお、それに先だって、この誘導パターンにPTiには、後に、駐車操作ナビゲーション映像Niを探す際の特定を行うことを目的として、それぞれ名称を付けることができ、例えば、図10に示すように、右側の表示領域D2の下領域に、50音順のソフトウェアキーボードを表示し、タッチ入力し、必要に応じて漢字等に変換するなどして、各誘導パターンPTiの名称(同図においては、「自宅」という名称)を登録することができる。
【0100】
このようにして、これから記録される駐車操作ナビゲーション映像Niに対応した誘導パターンPTiが登録された後、スタートスイッチ43(図11において、スタートのアイコン(スタートSW)43aまたはストップのアイコン(ストップSW)43b)の入力待ち(図4の#16→#21→#16→…)となる。
【0101】
運転者は車両200を、駐車操作を開始する位置を任意に決めて、その位置に車両200を移動するとともに、車両200のステアリングホイールを中立位置に戻したり、トランスミッションのギヤ段をニュートラルポジションやパーキングポジションに戻すなど駐車操作を開始する前の初期状態に戻して、この位置、状態を開始基準状態Sとする。
【0102】
そして、運転者はスタートのアイコン43aに触れて、記録がスタートされると、運転者による車両200への操作内容が記録される(図4の#17)。この車両200への操作内容は、車両操作検出手段20によって検出され、検出された操作内容はナビ映像制御部50により駐車操作ナビゲーション映像記録部31に出力され、駐車操作ナビゲーション映像記録部31は、入力された操作内容に基づいて、各操作内容に対応した車両200の挙動を模式化した俯瞰画像であるところの駐車操作ナビゲーション映像Niを生成し、この生成された駐車操作ナビゲーション映像Niを、ナビ映像記憶部30に記録する(図4の#17)。
【0103】
車両200を駐車区画Aの所定位置まで誘導し終わったとき、ステアリングホイールを中立位置に戻したり、トランスミッションのギヤ段をニュートラルポジションやパーキングポジションに戻して、駐車操作を終了した完了基準状態Eとし、操作内容の記録を停止させ、駐車操作ナビゲーション映像Niの生成、記録は終了する(#18)。
【0104】
なお、この停止は、運転者がストップアイコン43bに触れることで行われる。
【0105】
これに対して、図11に示した状態(駐車操作ナビゲーション映像Niの記録前の状態)で、ストップのアイコン43bが触れられる(#21)と、図6に示した状態(駐車ナビゲーションモードMへの移行前の状態であって、駐車ナビゲーションモードMへの移行を選択可能な状態;駐車ナビ切替スイッチ41の入力待ち(#11))に戻る。
【0106】
また、図7に示した状態(記録モードまたは再生モードの選択待ち状態)で、運転者が「PKBモード」のアイコン44bを触れて再生モードが選択される(図4の#19)と、ナビ映像制御部50は再生モードの動作を行う(図4の#20)。
【0107】
すなわち、記録モードの場合と同様に、図8,9に示すように誘導パターンPTiの選択画面となり、誘導パターンPTiを特定するための駐車モードPMの入力待ち(図5の#22)および駐車パターンPPの入力待ち(図5の#23)となるように、ナビ映像制御部50が表示制御部62を制御する。
【0108】
具体的には、道幅が狭い(PP1)ときの左並列駐車(PM1)の誘導パターンPT1であるときは、駐車モードPMiとして「左並列駐車」の駐車モード選択スイッチ42aにタッチして、「左並列駐車」の駐車モードPM1を選択し(#22)、さらに、駐車パターンPPiとして「道幅が狭い」の駐車パターン選択スイッチ42bにタッチして、「道幅が狭い」の駐車パターンPP1を選択する(#23)。
【0109】
同様に、道幅が狭い(PP1)ときの右並列駐車(PM2)である誘導パターンPT2のときは、駐車モードPMiとして「右並列駐車」の駐車モード選択スイッチ42aにタッチして、「右並列駐車」の駐車モードPM2を選択し(#22)、さらに、駐車パターンPPiとして「道幅が狭い」の駐車パターン選択スイッチ42bにタッチして、「道幅が狭い」の駐車パターンPP1を選択する(#23)。
道幅が狭い(PP1)ときの左縦列駐車(PM3)である誘導パターンPT3を選択するときは、駐車モードPMiとして「左縦列駐車」に対応した駐車モード選択スイッチ42aにタッチして、「左縦列駐車」に対応した駐車モードPM3を選択し(#22)、さらに、駐車パターンPPiとして「道幅が狭い」に対応した駐車パターン選択スイッチ42bにタッチして、「道幅が狭い」に対応した駐車パターンPP1を選択する(#23)。
【0110】
道幅が狭い(PP1)ときの右縦列駐車(PM4)である誘導パターンPT4を選択するときは、駐車モードPMiとして「右縦列駐車」に対応した駐車モード選択スイッチ42aにタッチして、「右縦列駐車」に対応した駐車モードPM4を選択し(#22)、さらに、駐車パターンPPiとして「道幅が狭い」の駐車パターン選択スイッチ42bにタッチして、「道幅が狭い」に対応した駐車パターンPP1を選択する(#23)。
【0111】
道幅が広い(PP2)ときの左並列駐車(PM1)である誘導パターンPT5を選択するときは、駐車モードPMiとして「左並列駐車」に対応した駐車モード選択スイッチ42aにタッチして、「左並列駐車」に対応した駐車モードPM1を選択し(#22)、さらに、駐車パターンPPiとして「道幅が広い」に対応した駐車パターン選択スイッチ42bにタッチして、「道幅が広い」に対応した駐車パターンPP2を選択する(#23)。
【0112】
道幅が広い(PP2)ときの右並列駐車(PM2)である誘導パターンPT6を選択するときは、駐車モードPMiとして「右並列駐車」に対応した駐車モード選択スイッチ42aにタッチして、「右並列駐車」に対応した駐車モードPM2を選択し(#22)、さらに、駐車パターンPPiとして「道幅が広い」の駐車パターン選択スイッチ42bにタッチして、「道幅が広い」に対応した駐車パターンPP2を選択する(#23)。
【0113】
道幅が広い(PP2)ときの左縦列駐車(PM3)である誘導パターンPT7を選択するときは、駐車モードPMiとして「左縦列駐車」に対応した駐車モード選択スイッチ42aにタッチして、「左縦列駐車」に対応した駐車モードPM3を選択し(#22)、さらに、駐車パターンPPiとして「道幅が広い」に対応した駐車パターン選択スイッチ42bにタッチして、「道幅が広い」に対応した駐車パターンPP2を選択する(#23)。
【0114】
道幅が広い(PP2)ときの右縦列駐車(PM4)である誘導パターンPT8を選択するときは、駐車モードPMiとして「右縦列駐車」に対応した駐車モード選択スイッチ42aにタッチして、「右縦列駐車」に対応した駐車モードPM4を選択し(#22)、さらに、駐車パターンPPiとして「道幅が広い」の駐車パターン選択スイッチ42bにタッチして、「道幅が広い」に対応した駐車パターンPP2を選択する(#23)。
【0115】
なお、再生しようとする駐車操作ナビゲーション映像Niとしては、基本的な8つの誘導パターンPT1〜PT8(上記(1)〜(8))の他に、記録モードで記録された個別の誘導パターンPTiも選択することができるように、図8または図9において、「他候補」などのアイコン(タッチスイッチとして)を表示し(図8,9においては、図示を省略している。)、この「他候補」のアイコンが触れられたときは、図12に示すように、記録モードで記録された個別の誘導パターンPTiにそれぞれ対応した名称(図12においては、「自宅」、「病院」、「コンビニ」、「学校」、「本屋」、「薬局」)の各アイコン45a,45b,45c,45d,45e,45fを表示して、これらのうちからいずれかの個別の誘導パターンPTiを選択できるように、ナビ映像制御部50がナビ映像記憶部30から情報を読み出して、表示制御部62を制御している。
【0116】
図12においては、各個別の誘導パターンPTiに対応した名称のアイコンは、符号45a,45b,45c,45d,45e,45fで表したが、これらは、誘導パターンの選択スイッチであるため、図1のブロック図においては、誘導パターンの選択スイッチ42に含まれる。
【0117】
このようにして、いずれかの誘導パターンPTiが選択される(図5の#22,#23)と、図11に示すように、スタート入力待ち(スタートのアイコン43aまたはストップのアイコン43bが触れられるのを待機した状態)となる(図5の#24→#26→#24→…)。
【0118】
そして、スタートのアイコン43aが触れられる(図5の#24)と、選択された誘導パターンPTiに対応付けられた駐車操作ナビゲーション映像Niが再生され(図5の#25)、一方、ストップのアイコン43bが触れられる(図5の#26)と図6に示した状態(駐車ナビゲーションモードMへの移行前の状態であって、駐車ナビゲーションモードMへの移行を選択可能な状態;駐車ナビ切替スイッチ41の入力待ち(#11))に戻る。
【0119】
再生される駐車操作ナビゲーション映像Niは、図13に示すように、映像表示手段63の右側表示領域D2に表示されるように、ナビ映像制御部50が表示制御部62を制御する。このとき、まず、駐車操作ナビゲーション映像Niの初期画面Q3を右側表示領域D2に表示する(図5の#25))。
【0120】
なお、以下の説明では、例示として、誘導パターンPT1が選択されたものとして説明する。
【0121】
図13に示した駐車操作ナビゲーション映像N1の初期画面Q3は、車両200の駐車操作を開始するときの特定の初期位置(開始基準状態S)に、車両200をセットすることを指示する画面であり、車両200を、左並列駐車(誘導パターンPT1の場合)しようとする対象の駐車区画Aの右側に隣接する位置に停止させることを指示したものである。
【0122】
なお、この初期画面Q3は、各誘導パターンPTiごとに異なるものであり、また、車両200をこの位置にセットするために移動させている期間であっても、この初期画面Q3は変化しない。
【0123】
一方、左側表示領域D1に表示されている俯瞰画像Q1は、カメラ10で撮影され、カメラ映像処理部15により信号処理して得られた略リアルタイムの画像であるため、車両200の移動に伴って、車両マーク200の周囲の画像(俯瞰画像)は変化する。
【0124】
また、初期画面Q3には、運転者が駐車操作を行うに際して、現在すなわち初期画面Q3が表示されている操作変化基準ポイントP1において車両200に対して行うべき操作の内容(駐車操作内容情報K1)が表示されており、この場面では、駐車操作を開始するための基準となる位置に車両200を移動させる指示内容である「駐車スペース合わせ」という駐車操作内容情報K1が表示されている。
【0125】
運転者は、この駐車操作内容情報K1を視認して、この駐車操作内容情報K1にしたがうために、左側表示領域D1に表示されている略リアルタイムの俯瞰画像Q1や、車窓を通して視認できる車外の風景などを参照しながら、車両200を、左並列駐車しようとする対象の駐車区画Aの右側に隣接する初期位置(開始基準状態S)まで移動させて停止させる。
【0126】
この開始基準状態Sは、駐車操作ナビゲーション映像N1に設定されている複数の操作変化基準ポイントPj(車両200の挙動を変化させる操作を入力すべきタイミング)のうち、時系列的に最初の操作変化基準ポイントP1とされている。
【0127】
また、左側表示領域D1に表示されている俯瞰画像Q1のうち、運転者に注目させるようとする範囲を太枠で囲んで表示することで、その太枠で示された領域に運転者の注意を向けることができる。
【0128】
図13においては、左部カメラ14で撮影された画像に対応する俯瞰画像Q1の領域が太枠で示されており、車両200を初期位置(開始基準状態S)に停止させる操作を、この太枠で示された領域の画像に注目しながら操作すべきことを指示するものである。
【0129】
そして、この開始基準状態Sに停止したところで、右側表示領域D2に表示されているタッチスイッチ式の「確定」ボタンが運転者によって触れられると、ナビ映像制御部50が、駐車操作ナビゲーション映像N1を時系列的に次の操作変化基準ポイントP2に至るまでに必要な駐車操作内容情報K2を含む場面の映像(図14)に切り替え、一方、右側表示領域D2に表示されているタッチスイッチ式の「カメラ映像切替」ボタンが運転者によって触れられると、左側表示領域D1に表示されている俯瞰画像Q1が、図15に示すように、運転者に注目させるようとする範囲(図13における太枠で囲まれた領域)に対応した左部カメラ14で撮影されたままの画像(俯瞰画像に視点変換される前の画像)Q14に切り替えられ、このようにカメラ14で撮影されたままの画像Q14は、俯瞰画像Q1では見えにくかった駐車区画Aの奥行き方向の深い領域まで見通せる画像となっているため、駐車区画Aの奥行き方向の深い領域に障害物が存在するか否かを、運転者に対して視認させることができる。
【0130】
なお、図15において右側表示領域D2に表示されているタッチスイッチ式の「全周囲映像切替」ボタンが運転者によって触れられると、左側表示領域D1に表示されている左部カメラ14の画像Q14が俯瞰画像Q1に切り替えられて、図13に示す状態に戻る。
【0131】
図13または図15に示した表示状態で、タッチスイッチ式の「確定」ボタンが運転者によって触れられて、駐車操作ナビゲーション映像N1が図14に示した状態に変化すると、駐車操作ナビゲーション映像N1には、新たな駐車操作内容情報K2が表示される。この駐車操作内容情報K2は、「右旋回」(右方向(時計回り方向)への最大操舵角度での操舵)という操作内容を文字で表記されたものと、その前輪210が右方向に操舵された状態の模式化された車両マーク200とによって表されている。
【0132】
運転者は、この駐車操作内容情報K2にしたがって、車両200のステアリングホイールを右方向に最大操舵角度で操舵すればよい。
【0133】
なお、各駐車操作内容情報Kjは、ナビ映像制御部50の制御により、音声制御部66を介してスピーカ67から音声情報として出力される。このように、駐車操作内容情報Kjが音声情報として出力されることにより、運転者の視線が映像表示手段63から外れていて駐車操作内容情報Kjを見落とした状態においても、その駐車操作内容情報Kjを聴覚的に聴き取って得ることができるため、駐車操作内容情報Kjを認識し損なうのを防止することができる。
【0134】
運転者がステアリングホイールを右方向に最大操舵角度で操舵すると、この操舵が、車両200に対して入力した駐車操作であるが、この車両200への操作は車両操作検出手段20によって検出される。
【0135】
そして、この車両操作検出手段20によって検出された車両200への操作(操舵角度)は、ナビ映像制御部50に入力され、ナビ映像制御部50は、車両操作検出手段20によって検出された車両200への操作(操舵角度)が駐車操作ナビゲーション映像N1における駐車操作内容情報K2(「右旋回」(右方向への最大操舵角度での据え切り操舵))に合致したとき、駐車操作ナビゲーション映像N1を、現在表示されている操作変化基準ポイントP2から、時系列的に次の操作変化基準ポイントP3まで、アニメーション映像(模式化された動画)として再生させる(図16)。
【0136】
一方、車両操作検出手段20によって検出された車両200への操作(操舵角度)が駐車操作ナビゲーション映像N1における駐車操作内容情報K2(「右旋回」)に合致しないときは、ナビ映像制御部50は、駐車操作ナビゲーション映像N1を、現在表示されている操作変化基準ポイントP2における映像をそのまま維持させる。
【0137】
したがって、この駐車ナビゲーションシステム100は、駐車操作ナビゲーション映像N1における各操作変化基準ポイントPjでの駐車操作内容情報Kjに従った車両操作を行わないと、駐車操作ナビゲーション映像N1が次の操作変化基準ポイントP(j+1)の映像まで進まない(再生されない)ため、運転者は、映像表示手段63に表示された駐車操作ナビゲーション映像N1を視認し、この駐車操作ナビゲーション映像N1の再生の有無を認識することで、車両200への操作内容が駐車操作内容情報Kjに従った車両操作に合致しているか否かをリアルタイムに判断することができる。
【0138】
すなわち、駐車操作ナビゲーション映像N1が次の操作変化基準ポイントP(j+1)まで再生されているときは、車両200への操作内容が駐車操作内容情報Kjに従った車両操作に合致していると判断して、その操作を維持すればよく、一方、駐車操作ナビゲーション映像N1が次の操作変化基準ポイントP(j+1)に向かって再生されないときは、車両200への操作内容が駐車操作内容情報Kjに従った車両操作に合致していないと判断して、車両200への操作を駐車操作内容情報Kjに従った車両操作に合致するように修正すればよい。
【0139】
図16は、この操作変化基準ポイントP3において再生を一時停止した状態の駐車操作ナビゲーション映像N1であるが、この操作変化基準ポイントP3では、駐車操作内容情報K3として、「右旋回前進」(右方向への最大操舵角度での操舵したままで、前進させる)の文字と、その前輪210が右方向に操舵された状態の模式化された車両マーク200とによって表されている。なお、車両マーク200は、操作変化基準ポイントP2から操作変化基準ポイントP3までを、動画として「右旋回前進」によって移動したものとなる。
【0140】
また、図16の左側表示領域D1に表示されている俯瞰画像Q1において、この駐車操作内容情報K3である「右旋回前進」を車両200に入力したときに、運転者が注意を払うべき領域として、俯瞰画像Q1のうち、前部カメラ12による撮影領域および右部カメラ13の撮影領域が、太枠で囲んで表示される。
【0141】
さらに、この駐車操作内容情報K3である「右旋回前進」を車両200に入力したと仮定したときに、運転者が注意を払うべき車両200の部位を示す情報Lが、図16の俯瞰画像Q1に表示されている。具体的には、車両200の前右角部が、駐車中の他車等との位置関係で、注意を払うべき車両200の部位を示す情報Lとして表示されている。
【0142】
そして、右側表示領域D2に表示されている駐車操作ナビゲーション映像N1において、タッチスイッチ式の「カメラ映像切替」ボタンが触れられると、この太枠でそれぞれ囲まれた撮影領域に対応した前部カメラ12の撮影画像Q12と右部カメラ13の撮影画像Q13とが、俯瞰画像Q1に視点変換されることなく時系列的に交互に、俯瞰画像Q1が表示されている左側表示領域D1に、俯瞰画像Q1に代わって表示される。
【0143】
なお、俯瞰画像Q1に代わって、前部カメラ12の撮影画像Q12と右部カメラ13の撮影画像Q13とが左側表示領域D1に表示されている期間中は、右側表示領域D2にタッチスイッチ式の「全周囲映像切替」ボタンが表示されており、運転者によってこのボタンが触れられると、左側表示領域D1に交互に表示されている前部カメラ12の撮影画像Q12と右部カメラ13の撮影画像Q13とが俯瞰画像Q1に切り替えられて、図16に示す状態に戻る。
【0144】
以下の各操作変化基準ポイントP3においても、俯瞰画像Q1が表示されているときに、タッチスイッチ式の「カメラ映像切替」ボタンが触れられると、個別のカメラ10の撮影画像(俯瞰処理されていない画像)が表示され、一方、個別のカメラ10の撮影画像(俯瞰処理されていない画像)が表示されているときに、タッチスイッチ式の「全周囲映像切替」ボタンが触れられると、個別のカメラ10の撮影画像(俯瞰処理されていない画像)が俯瞰画像Q1の表示に切り替えられる。
【0145】
駐車操作ナビゲーション映像N1が、図16に示した操作変化基準ポイントP3における状態まで再生されて一時停止すると、操作変化基準ポイントP2における車両200への入力操作(「右旋回」)が適正であったこととなり、運転者は、図16に示された操作変化基準ポイントP3における駐車操作内容情報K3として、「右旋回前進」を車両200に対して入力する。
【0146】
すなわち、操作変化基準ポイントP2における車両200への入力操作(「右旋回」)のまま、変速機を前進段にして、アクセルペダルを踏み込み、車両200を前方に進める。
【0147】
そして、車両200の「右旋回前進」挙動によって、車両200が右旋回前進した旋回角度(または移動距離)が、車両操作検出手段20によって検出され、この旋回角度(または移動距離)がナビ映像制御部50に入力される。
【0148】
ナビ映像制御部50は、車両操作検出手段20によって検出された車両200の右旋回前進の旋回角度(または移動距離)が駐車操作ナビゲーション映像N1における駐車操作内容情報K3(「右旋回前進」として予め設定されている旋回角度(または移動距離)に合致したとき、駐車操作ナビゲーション映像N1を、現在表示されている操作変化基準ポイントP3から、時系列的に次の操作変化基準ポイントP4まで、アニメーション映像(模式化された動画)として再生させる(図17)。
【0149】
一方、車両操作検出手段20によって検出された車両200への操作(右旋回前進の旋回角度(または移動距離)距離)が駐車操作ナビゲーション映像N1における駐車操作内容情報K3(「右旋回前進」)の旋回角度(または移動距離)に合致しないときは、ナビ映像制御部50は、駐車操作ナビゲーション映像N1を、現在表示されている操作変化基準ポイントP3における映像をそのまま維持させる。
【0150】
図17は、操作変化基準ポイントP4において再生を一時停止した状態の駐車操作ナビゲーション映像N1であるが、この操作変化基準ポイントP4では、駐車操作内容情報K4として、「左旋回」(左方向への最大操舵角度での据え切り操舵)の文字と、その前輪210が左方向に操舵された状態の模式化された車両マーク200とによって表されている。
【0151】
駐車操作ナビゲーション映像N1が、図17に示した操作変化基準ポイントP4における状態で一時停止すると、操作変化基準ポイントP3における車両200への入力操作(「右旋回前進」)が適正であったこととなり、運転者は、図17に示された操作変化基準ポイントP4における駐車操作内容情報K4として、「左旋回」を車両200に対して入力する。
【0152】
すなわち、操作変化基準ポイントP3における車両200への入力操作(「右旋回前進」)から停止し、ステアリングホイールを左方向に最大操舵角度で据え切りする。
【0153】
そして、車両200への操作「左旋回(操舵)」が、車両操作検出手段20によって検出され、この検出された「左旋回」挙動が、ナビ映像制御部50に入力される。
【0154】
ナビ映像制御部50は、車両操作検出手段20によって検出された車両200の左旋回の操舵角度が駐車操作ナビゲーション映像N1における駐車操作内容情報K4(「左旋回」として予め設定されている角度に合致したとき、駐車操作ナビゲーション映像N1を、現在表示されている操作変化基準ポイントP4から、時系列的に次の操作変化基準ポイントP5まで、アニメーション映像(模式化された動画)として再生させる(図18)。
【0155】
一方、車両操作検出手段20によって検出された車両200への操作(操舵角度)が駐車操作ナビゲーション映像N1における駐車操作内容情報K4(「左旋回」)に合致しないときは、ナビ映像制御部50は、駐車操作ナビゲーション映像N1を、現在表示されている操作変化基準ポイントP4における映像(図17)をそのまま維持させる。
【0156】
図18は、この操作変化基準ポイントP5において再生を一時停止した状態の駐車操作ナビゲーション映像N1であるが、この操作変化基準ポイントP5では、駐車操作内容情報K5として、「左旋回後退」(左方向への最大操舵角度での操舵したままで、後退させる)の文字と、その前輪210が左方向に操舵された状態の模式化された車両マーク200とによって表されている。なお、車両マーク200は、操作変化基準ポイントP4から操作変化基準ポイントP5までを、動画として「左旋回後退」によって移動したものとなる。
【0157】
また、図18の左側表示領域D1に表示されている俯瞰画像Q1において、この駐車操作内容情報K5である「左旋回後退」を車両200に入力したときに、運転者が注意を払うべき領域として、俯瞰画像Q1のうち、後部カメラ11による撮影領域および右部カメラ13の撮影領域が、太枠で囲んで表示される。
【0158】
さらに、この駐車操作内容情報K5である「左旋回後退」を車両200に入力したと仮定したときに、運転者が注意を払うべき車両200の部位を示す情報Lが、図18の俯瞰画像Q1に表示されている。具体的には、車両200の前右角部と後左角部とが、駐車中の他車等との位置関係で、注意を払うべき車両200の部位を示す情報Lとして表示されている。
【0159】
そして、右側表示領域D2に表示されている駐車操作ナビゲーション映像N1において、タッチスイッチ式の「カメラ映像切替」ボタンが触れられると、この太枠でそれぞれ囲まれた撮影領域に対応した後部カメラ11の撮影画像と右部カメラ13の撮影画像とが、俯瞰画像に視点変換されることなく、時系列的に交互に、俯瞰画像Q1が表示されている左側表示領域D1に、俯瞰画像Q1に代わって表示される。
【0160】
なお、俯瞰画像Q1に代わって、後部カメラ11の撮影画像と右部カメラ13の撮影画像とが左側表示領域D1に表示されている期間中は、右側表示領域D2にタッチスイッチ式の「全周囲映像切替」ボタンが表示されており、運転者によってこのボタンが触れられると、左側表示領域D1に表示されている後部カメラ11の撮影画像および右部カメラ13の撮影画像が俯瞰画像Q1に切り替えられて、図18に示す状態に戻る。
【0161】
駐車操作ナビゲーション映像N1が、図18に示した操作変化基準ポイントP5における状態まで再生されて一時停止すると、操作変化基準ポイントP4における車両200への入力操作(「左旋回」)が適正であったこととなり、運転者は、図18に示された操作変化基準ポイントP5における駐車操作内容情報K5として、「左旋回後退」を車両200に対して入力する。
【0162】
すなわち、操作変化基準ポイントP4における車両200への入力操作(「左旋回」)のまま、変速機を後退段にして、アクセルペダルを踏み込み、車両200を後方に進める。
【0163】
そして、車両200の「左旋回後退」挙動によって、車両200が左旋回後退した旋回角度(または移動距離)が、車両操作検出手段20によって検出され、この旋回角度(または移動距離)がナビ映像制御部50に入力される。
【0164】
ナビ映像制御部50は、車両操作検出手段20によって検出された車両200の左旋回後退の旋回角度(または移動距離)が駐車操作ナビゲーション映像N1における駐車操作内容情報K5(「左旋回後退」として予め設定されている旋回角度(または移動距離)に合致したとき、駐車操作ナビゲーション映像N1を、現在表示されている操作変化基準ポイントP5から、時系列的に次の操作変化基準ポイントP6まで、アニメーション映像(模式化された動画)として再生させる(図19)。
【0165】
一方、車両操作検出手段20によって検出された車両200への操作(左旋回後退の旋回角度(または移動距離)が駐車操作ナビゲーション映像N1における駐車操作内容情報K5(「左旋回後退」)の旋回角度(または移動距離)に合致しないときは、ナビ映像制御部50は、駐車操作ナビゲーション映像N1を、現在表示されている操作変化基準ポイントP5における映像をそのまま維持させる。
【0166】
図19は、操作変化基準ポイントP6において再生を一時停止した状態の駐車操作ナビゲーション映像N1であるが、この操作変化基準ポイントP6では、駐車操作内容情報K6として、「中立」(ステアリングホイールの操舵位置を中立位置に据え切る)の文字と、その前輪210が中立に維持された状態の模式化された車両マーク200とによって表されている。
【0167】
駐車操作ナビゲーション映像N1が、図19に示した操作変化基準ポイントP6における状態で一時停止すると、操作変化基準ポイントP5における車両200への入力操作(「左旋回後退」)が適正であったこととなり、運転者は、図19に示された操作変化基準ポイントP6における駐車操作内容情報K6として、「中立」を車両200に対して入力する。
【0168】
すなわち、操作変化基準ポイントP5における車両200への入力操作(「左旋回後退」)から停止し、ステアリングホイールを中立位置に戻す。
【0169】
そして、車両200の操舵が「中立」位置に戻された挙動が、車両操作検出手段20によって検出され、この検出された「中立」挙動が、ナビ映像制御部50に入力される。
【0170】
ナビ映像制御部50は、車両操作検出手段20によって検出された車両200の中立の操舵が駐車操作ナビゲーション映像N1における駐車操作内容情報K6(「中立」として予め設定されている角度に合致したとき、駐車操作ナビゲーション映像N1を、現在表示されている操作変化基準ポイントP6から、時系列的に次の操作変化基準ポイントP7まで、アニメーション映像(模式化された動画)として再生させる(図20)。
【0171】
一方、車両操作検出手段20によって検出された車両200への操作(操舵角度)が駐車操作ナビゲーション映像N1における駐車操作内容情報K6(「中立」)に合致しないときは、ナビ映像制御部50は、駐車操作ナビゲーション映像N1を、現在表示されている操作変化基準ポイントP6における映像をそのまま維持させる。
【0172】
図20は、操作変化基準ポイントP7(駐車操作を完了する基準となる完了基準状態E)において再生を停止した状態の駐車操作ナビゲーション映像N1であるが、この操作変化基準ポイントP7では、駐車操作内容情報K7として、「後退」(操舵角度0度(中立位置)のままで、後退させる)の文字と、その前輪210が中立位置に維持された状態の模式化された車両マーク200とによって表されている。なお、車両マーク200は、操作変化基準ポイントP6から操作変化基準ポイントP7までを、動画として「直進後退」によって移動したものとなる。
【0173】
また、図20の左側表示領域D1に表示されている俯瞰画像Q1において、この駐車操作内容情報K7である「後退」を車両200に入力したときに、運転者が注意を払うべき領域として、俯瞰画像Q1のうち、後部カメラ11による撮影領域が、太枠で囲んで表示される。
【0174】
そして、右側表示領域D2に表示されている駐車操作ナビゲーション映像N1において、タッチスイッチ式の「カメラ映像切替」ボタンが触れられると、この太枠でそれぞれ囲まれた撮影領域に対応した後部カメラ11の撮影画像が、俯瞰画像に視点変換されることなく、俯瞰画像Q1が表示されている左側表示領域D1に、俯瞰画像Q1に代わって表示される。
【0175】
なお、俯瞰画像Q1に代わって、後部カメラ11の撮影画像が左側表示領域D1に表示されている期間中は、右側表示領域D2にタッチスイッチ式の「全周囲映像切替」ボタンが表示されており、運転者によってこのボタンが触れられると、左側表示領域D1に表示されている後部カメラ11の撮影画像が俯瞰画像Q1に切り替えられて、図20に示す状態に戻る。
【0176】
駐車操作ナビゲーション映像N1が、図20に示した操作変化基準ポイントP7における状態まで再生されて停止すると、操作変化基準ポイントP6における車両200への入力操作(「中立」)が適正であったこととなり、運転者は、図20に示された操作変化基準ポイントP7における駐車操作内容情報K7として、「後退」を車両200に対して入力する。
【0177】
すなわち、操作変化基準ポイントP6における車両200への入力操作(「中立」)のまま、変速機を後退段にして、アクセルペダルを踏み込み、車両200を後方に進める。
【0178】
そして、車両200の「後退」挙動によって、車両200が直進後退した移動距離が、車両操作検出手段20によって検出され、この移動距離がナビ映像制御部50に入力される。
【0179】
ナビ映像制御部50は、車両操作検出手段20によって検出された車両200の直進後退の移動距離が駐車操作ナビゲーション映像N1における駐車操作内容情報K7(「後退」)として予め設定されている移動距離に合致したとき、車両200は、駐車区画Aに適切に誘導されて停止した状態となり、ナビ映像制御部50は、駐車操作ナビゲーション映像N1の表示を終了して、駐車ナビゲーションモードMを終了させる。
【0180】
そして、表示制御部62は、映像表示手段63の表示を、図6と同様に左側表示領域D1に俯瞰画像Q1、右側表示領域D2に前部カメラ12による撮影画像とする。
【0181】
上述の説明は、駐車ナビゲーションモードMにおける誘導パターンPTiが、駐車モードPMを「左並列」(PM1)、駐車パターンPPを「狭い」(PP1)とした組合せの誘導パターンPT1の場合であるが、その他の誘導パターンPT2(PP1,PM2),PT3(PP1,PM3),…,PT8(PP2,PM4)の場合および記録モードで記録された個別の誘導パターンPTiの場合も、対応する駐車操作ナビゲーション映像Niがそれぞれ異なる(誘導パターンPT2に対して駐車操作ナビゲーション映像N2、誘導パターンPT3に対して駐車操作ナビゲーション映像N3、…、誘導パターンPT8に対して駐車操作ナビゲーション映像N8、個別の他の誘導パターンPTiに対して対応した駐車操作ナビゲーション映像Ni)ものの、これらの駐車操作ナビゲーション映像Niを再生、一時停止させる制御の処理方法については、上記誘導パターンPT1における駐車操作ナビゲーション映像N1の再生、一時停止の場合と同様であるため、説明を省略する。
【0182】
以上のように構成された実施形態の駐車ナビゲーションシステム100によれば、記録モードで車両操作(駐車操作)を駐車操作ナビゲーション映像Niとして予め記録し、その後に再生モードでその記録された駐車操作ナビゲーション映像Niを再生することができるため、個別の駐車操作が必要な駐車区画A(例えば特別な駐車操作を要するような自宅の駐車場、病院の駐車場、コンビニエンスストアの駐車場、学校の駐車場、本屋の駐車場、薬局の駐車場等)への駐車操作の内容を記録モードで予め記録しておくことにより、そのような駐車区画Aに次回以後に駐車する際は、その記録されたときの駐車操作ナビゲーション映像Niを読み出して再生モードで再生表示して、必要な個別の駐車操作指示を得ることができる。
【0183】
なお、個別の駐車操作が必要でない駐車区画Aへの駐車操作であっても、例えば熟練したドライバーの駐車操作を記録モードでナビ映像記憶部30に予め記録しておくことで、後に運転に不慣れな運転者が駐車操作する際に、その熟練したドライバーの駐車操作ナビゲーション映像Niを、再生モードでナビ映像記憶部30から読み出して再生することで、運転に不慣れな運転者であっても熟練したドライバーの駐車操作にしたがった精度のよい駐車操作を行うことができる。
【0184】
つまり、ナビ映像記憶部30に記憶されている駐車操作ナビゲーション映像Niを再生モードで再生させるとき、運転者の駐車操作は車両操作検出手段20によって検出されるが、駐車操作ナビゲーション映像Niは、この検出された駐車操作内容に応じて再生状況(再生または一時停止)が変化するため、運転者は、映像表示手段63に表示された駐車操作ナビゲーション映像Niの再生状態を見ることで、熟練ドライバーによる駐車操作と同じ操作を行っているか否かをリアルタイムに判断することができ、熟練ドライバーによる駐車操作と同じ操作となるように、操作を逐次微調整して、目標となる駐車区画Aに、車両200を熟練ドライバーと同様に精度よく駐車させることができる。
【0185】
よって、この実施形態に係る駐車ナビゲーションシステム100によれば、個別の駐車操作が必要な駐車区画Aであっても、車両200に対する操作内容を提示することができる。
【0186】
また、駐車操作ナビゲーション映像記録部31により、操作内容に対応した車両200の挙動を模式化した駐車操作ナビゲーション映像Niを記録するに際しては、後に再生する際のインデックスとなるように、個々の駐車操作ナビゲーション映像Niに対して、それぞれを特定することができるように互い異なる誘導パターンPTiに名称を付して記録しているため、再生しようとする駐車操作ナビゲーション映像Niを検索する際の手がかりにし易い。
【0187】
本実施形態の駐車ナビゲーションシステム100によれば、車両200に搭載された複数のカメラ11〜14が、この車両200の周囲を撮影し、カメラ11〜14で撮影して得られた車両200の周囲の画像に対して、カメラ映像処理部15が、視点変換処理を施して車両200の近傍の俯瞰画像Q1を得、一方、駐車操作ナビ映像記憶部30に記憶されている駐車操作ナビゲーション映像Niは模式化されたアニメーション映像であって、車両200の挙動を変化させる操作を入力すべきタイミングに対応した操作変化基準ポイントPjごとにそれぞれ、入力すべき操作の内容を説明する駐車操作内容情報Kjが付加されており、表示制御部62は、映像表示手段63の表示領域を左側表示領域D1と右側表示領域D2との2つの領域に分割し、上記俯瞰画像Q1と駐車操作ナビゲーション映像Niとを各別に、分割して得られた領域D1,D2に表示させる。
【0188】
そして、駐車ナビ切替スイッチ41に駐車ナビゲーションモードMを開始する入力を受けたときは、ナビ映像制御部50が、駐車操作ナビ映像記憶部30に記憶された基本の8つの誘導パターンPT1〜PT8(4つの駐車モードPM1,PM2,PM3,PM4と、2つの駐車パターンPP1,PP2との組合せ)および個別に記録された他の誘導パターンPTiを提示し、提示されたこれらの誘導パターンPT1〜PT8のうち、誘導パターン選択スイッチ42により入力された選択に対応した誘導パターンPTiをナビ映像記憶部30から読み出し、スタートスイッチ43にタイミングが入力された後に、車両操作検出手段20によって検出された車両200への操作に応じて、読み出された駐車操作ナビゲーション映像Niの再生を制御する。
【0189】
このように、車両200の乗員室内に設置された映像表示手段63に表示される駐車操作ナビゲーション映像Niには、車両200を誘導する表示として単に車両200を移動させた画像だけを表示するのではなく、そのような車両200の動き(挙動)を実現するのに必要な車両200に対して入力すべき駐車操作の具体的内容(操舵の向きや舵角、必要な車速や発進と停止(制動)との別、前進と後退との別等)などの駐車操作内容情報Kjが含まれているため、運転者は、表示されている駐車操作内容情報Kjの通りに、車両200に対して操作を入力するだけで、車両200を駐車区画A内に適切に誘導することができる。
【0190】
ここで、運転者が車両200に対して入力した駐車操作は車両200の挙動として現れ、車両200への操作内容は車両操作検出手段20によって検出され、この検出された車両200への操作に応じて、ナビ映像制御部50は駐車操作ナビゲーション映像Niの再生を制御する(再生または停止させる制御や、再生するスピードの制御等)ため、運転者が車両200に対して入力する駐車操作の適否を、駐車操作ナビゲーション映像Niの再生状態によって、運転者に知らせることができる。
【0191】
したがって、駐車操作ナビゲーション映像Niの再生状態に応じて、運転者が車両200に対して入力している操作内容の適正化を促すことができ、駐車操作が不正確なままで、運転者に駐車操作を継続させるのを防止することができ、駐車区画A内に車両200を確実に誘導することができる。
【0192】
また、表示制御部62は、映像表示手段63の表示領域を2つの領域D1,D2に分割して、カメラ映像処理部15により得られた俯瞰画像Q1とナビ映像制御部50により再生された駐車操作ナビゲーション映像Niとを、これら分割して得られた2つの表示領域D1,D2に各別に表示させるように、映像表示手段63を制御するが、駐車操作ナビゲーション映像Niは、スタートスイッチ43にタイミングが入力される以前の段階では再生されないため、車両200が開始基準状態Sにセットされたか否かの判断は、運転者が、映像表示手段63の一方の分割表示領域D1に表示されている俯瞰画像Q1を見て判断することとなり、運転者が、その俯瞰画像Q1を見て車両200が開始基準状態Sにセットされたと判断したタイミングでスタートスイッチ43に入力を行うことで、映像表示手段63の他方の分割表示領域D2に表示されている駐車操作ナビゲーション映像Niの再生を開始させることができる。
【0193】
しかも、表示制御部62が、映像表示手段63の表示領域を分割して、その分割して得られた2つの表示領域D1,D2に表示する映像は、カメラ映像処理部15により得られた俯瞰画像Q1と、ナビ映像制御部50により再生された駐車操作ナビゲーション映像Niとであり、この駐車操作ナビゲーション映像Niは、カメラ10で得られた実映像を信号処理したものではなく、アニメーション映像等の模式化された映像であるため、車両200から遠く離れた領域まで歪みの無い映像として表示することができる。
【0194】
上記実施形態に係る駐車ナビゲーションシステム100においては、ナビ映像制御部50は、駐車操作ナビゲーション映像Niを、操作変化基準ポイント間Pj〜P(j+1)で再生し、各操作変化基準ポイントPjにおいて一時停止させるとともに、車両操作検出手段20によって検出された車両200の挙への操作が、駐車操作ナビゲーション映像Niの、対応するタイミングにおける操作変化基準ポイントPjでの駐車操作内容情報Kjに合致したときは、駐車操作ナビゲーション映像Niを一時停止状態から再生状態に移行させて、時系列的に次の操作変化基準ポイントPjで一時停止させる。
【0195】
この結果、ナビ映像制御部50が、駐車操作ナビゲーション映像Niを操作変化基準ポイント間Pj〜P(j+1)で再生し、操作変化基準ポイントPjにおいて一時停止させるとともに、車両操作検出手段20によって検出された車両200への操作が駐車操作ナビゲーション映像Niの、対応するタイミングにおける操作変化基準ポイントPjでの駐車操作内容情報Kjに合致したときは、駐車操作ナビゲーション映像Niを再生状態とし、合致しないときは駐車操作ナビゲーション映像Niを一時停止状態とするため、運転者が車両200に対して入力する操作が正しくない(駐車操作内容情報Kjに合致しない)場合は、車両200が駐車操作ナビゲーション映像Niの通りの挙動を示さず、したがって、ナビ映像制御部50は、駐車操作ナビゲーション映像Niの再生を停止させ、または一時停止状態から再生動作を開始しないなど、正常な再生を行わせないように再生を制御するため、駐車操作が正確に行われているか否かを、運転者に知らせることができる。
【0196】
よって、駐車操作が不正確なままで、運転者に駐車操作を継続させるのを防止することができ、駐車区画A内に車両を確実に誘導することができる。
【0197】
本実施形態の駐車ナビゲーションシステム100においては、駐車操作ナビゲーション映像Niは、上方(上空)から俯瞰して2次元で表現された映像であるとともに、車両200の周囲の領域については俯瞰画像Q1よりも広い範囲まで描かれているものであるが、この映像Niはカメラ10の実画像を信号処理した実映像ではなく、模式化されたアニメーション映像であるため、車両200の周囲の領域について、映像表示手段63の分割された表示領域の一方D1に表示されている俯瞰画像Q1よりも大幅に広い範囲まで拡げて作成したものであっても、車両200から遠い範囲について実映像のように歪みを生じる虞がない。
【0198】
したがって、俯瞰画像Q1よりも広い範囲を駐車操作ナビゲーション映像Niとして用いることができるとともに、そのような駐車操作ナビゲーション映像Niとして広い範囲を表した映像であっても、運転者が視認する画像として、歪みのない、すなわち歪みによる違和感の無いものとすることができる。
【0199】
また、本実施形態の駐車ナビゲーションシステム100は、駐車ナビ切替スイッチ41に駐車ナビゲーションモードMを開始する入力を受ける前の期間については、映像表示手段63の分割された表示領域D1,D2のうち一方D1に俯瞰画像Q1を表示させ、他方D2に、カメラ映像処理部15で視点変換処理(俯瞰画像Q1への変換処理)が施される以前の映像(カメラ10で撮影された生画像)Q0を表示させるように、ナビ映像制御部50が表示制御部62を制御するものであるため、ナビ映像制御部50は、駐車ナビ切替スイッチ41に駐車ナビゲーションモードMを開始する入力を受ける前の期間については、映像表示手段63の一方の表示領域D1に俯瞰画像Q1を表示させ、他方の表示領域D2にカメラ映像処理部15で視点変換処理が施される以前の映像Q0を表示させるように、表示制御部62を制御することで、駐車操作前の段階では不要である駐車操作ナビゲーション映像Niを非表示とすることができる。
【0200】
本実施形態に係る駐車ナビゲーションシステム100においては、映像表示手段63は、その表示領域にタッチセンサを備え、駐車ナビ切替スイッチ41、誘導パターン選択スイッチ42およびスタートスイッチ43のうち少なくとも1つは、表示領域に表示されたアイコンとこのアイコンに対応した部分のタッチセンサとにより構成されているため、運転者は、映像表示手段63の表示領域に表示されている俯瞰画像Q1やカメラ映像Q0、または駐車操作ナビゲーション映像Niを見ている期間中は、この表示領域D1乃至D2に表示されている画像等から視線を外すことなく、タッチセンサによるスイッチ操作を行うことができ、利便性を高めることができる。
【0201】
さらに、駐車ナビゲーションシステム100の映像表示手段63に駐車操作内容情報Kjが表示されて、運転者が駐車操作を開始すると、特に駐車操作に不慣れな運転者の場合は、車両200に対して入力する操作にばかり気を取られて、車両200の特定の部位が他車等に接触するなどの虞があるところ、本実施形態の駐車ナビゲーションシステム100で用いられる駐車操作ナビゲーション映像Niには、必要に応じて、操作変化基準ポイントPjごとに注意を払うべき車両200の部位を示す情報Lが付加されているため、運転者の、車両200の周囲に対する注力が低下するのを防止することができる。
【0202】
(実施形態2)
図1は本発明の実施形態2(実施例2)に係る駐車ナビゲーションシステム100′の構成を示すブロック図、図2は図1に示した実施形態2の駐車ナビゲーションシステム100′が搭載された車両200におけるカメラ10の撮影範囲を示す図、図3は実施形態2の駐車ナビゲーションシステム100′をより具体的な装置構成に展開したブロック図である。
【0203】
この実施形態では、車両200が駐車区画Aに駐車されている状態を動作開始の基準とし、この駐車区画A内に駐車されている車両200を駐車区画A外に出庫させる際の操作内容を駐車ナビゲーション映像として記録し、この記録された駐車ナビゲーション映像を時系列的に逆転して再生することで、駐車ナビゲーション映像を、駐車区画A外から駐車区画A内に車両200を格納する駐車操作の案内として用いるものである。
【0204】
図示の駐車ナビゲーションシステム100′は、図2に示す車両200の前後左右にそれぞれ設置されて全体として車両200の周囲を撮影するカメラ10(車両200の後方を撮影するカメラ(以下、後部カメラという)11、車両200の前方を撮影するカメラ(以下、前部カメラという)12、車両200の右方を撮影するカメラ(以下、右部カメラという)13、車両200の左方を撮影するカメラ(以下、左部カメラという)14)と、各カメラ11〜14で撮影して得られた車両200の周囲の画像Q0に視点変換処理を施し、車両200の近傍を単一の俯瞰画像Q1に合成するカメラ映像処理部15と、車両200に搭載されて、入力された画像(映像)を表示する映像表示手段63(画像表示手段)と、車両200に入力された操作内容(操作内容の入力によって現れる車速、前進・後退の別、操舵角等の挙動を検出するものであってもよい。)を検出する車両操作検出手段20と、所定の駐車区画A(駐車対象領域)への車両200の誘導パターンPTi(i=1,2,…)ごとに設定された、模式化(図案化)された複数の駐車操作ナビゲーション映像Ni(i=1,2,…)であって、車両200に対して所定の駐車区画Aからの出庫操作を開始する基準となる開始基準状態S′(入庫操作を完了する基準状態である完了基準状態E)と出庫操作を完了する基準となる完了基準状態E′(入庫操作を開始する基準状態である開始基準状態S)との間での車両200の一連の動きの映像のうち、車両200の挙動を変化させる操作を入力すべきタイミングに対応した操作変化基準ポイントPj(j=1,2,…)ごとに、車両200に対して入力すべき操作の内容を説明する情報(駐車操作内容情報)Kj(j=1,2,…)が付加されているものが記録されているナビ映像記憶部30(記憶媒体)と、車両200を駐車区画Aに適切に誘導する操作を提示させる駐車ナビゲーションモードMの開始の入力を受ける駐車ナビ切替スイッチ41と、車両200の複数の誘導パターンPTiのうちから1つの選択の入力を受ける誘導パターン選択スイッチ42と、車両200が開始基準状態S′にセットされたタイミングの入力を受けるスタートスイッチ43と、駐車ナビ切替スイッチ41に駐車ナビゲーションモードMを開始する入力を受けたときは、ナビ映像記憶部30に記録された複数の誘導パターンPTiを、それが記録されたときと時系列的に逆転させて映像表示手段63に表示することで提示し、提示された複数の誘導パターンPTiのうち、誘導パターン選択スイッチ42により入力された選択に対応した誘導パターンPTiをナビ映像記憶部30から読み出し、スタートスイッチ43にタイミングが入力された後に、車両操作検出手段20によって検出された車両200への操作内容(または、その操作内容の入力に応じた車両の挙動)に応じて、読み出された駐車操作ナビゲーション映像Niの再生を制御するナビ映像制御部50′と、映像表示手段63の表示領域を左右2つの領域D1,D2に分割して、カメラ映像処理部15により得られた俯瞰画像Q1とナビ映像制御部50′により再生された駐車操作ナビゲーション映像Niとを、上記分割して得られた2つの表示領域に別個に独立して表示させるように、映像表示手段63を制御する表示制御部62と、を備えている。
【0205】
さらに、この駐車ナビゲーションシステム100′は、所定の駐車区画Aから車両200を出庫させる際に車両200に対して入力され車両操作検出手段20によって検出された、開始基準状態S′(完了基準状態E)から完了基準状態E′(開始基準状態S)までの各操作内容に対応した車両200の挙動を模式化した駐車操作ナビゲーション映像Niとして、操作内容に対応付けてナビ映像記憶部30に記録する駐車操作ナビゲーション映像記録部31と、ナビ映像記憶部30に駐車操作ナビゲーション映像Niを記録する記録モードとナビ映像記憶部30に記録されている駐車操作ナビゲーション映像Niを読み出す再生モードとを切り替える記録再生切替スイッチ44とを備え、ナビ映像制御部50′は、記録再生切替スイッチ44が記録モードに切り替えられているときは、駐車操作ナビゲーション映像Niを操作内容に対応付けてナビ映像記憶部30に記録させるように駐車操作ナビゲーション映像記録部31を制御し、記録再生切替スイッチ44が再生モードに切り替えられているときは、ナビ映像記憶部30に記憶されている駐車操作ナビゲーション映像Niを、車両操作検出手段20によって検出された車両200に入力された操作に応じて、記録時(出庫時)とは時系列的に逆転し、入庫時の操作として再生するものとされている。
【0206】
また、この駐車ナビゲーションシステム100′は、駐車ナビゲーションモードMが開始される以前の段階や駐車ナビゲーションモードMが終了した後の段階において、映像表示手段63に表示される、車両走行時の通常の道案内を行うモードである走行ナビゲーションモードM′用の地図情報R1などが記憶されたメモリ61と、駐車操作ナビゲーション映像Niに付加されている、入力すべき操作の内容を説明する情報Kjや、走行ナビゲーションモードM′での案内情報を、聴覚情報として合成音声で出力するスピーカ67およびスピーカ67への合成音声の出力を制御する音声制御部66を備えている。
【0207】
なお、メモリ61に記憶された走行ナビゲーションモードM′用の地図情報R1は、表示制御部62に入力されて、映像表示手段63に表示される。一方、音声制御部66は、ナビ映像制御部50によって制御されている。
【0208】
ここで、誘導パターンPTiは、駐車区画Aと車両200の位置、姿勢との関係で、車両200を駐車区画A内に適切に導くための一連の車両200の動きを表すものであり、例えば、車両200の左側に存在する駐車区画Aに並列駐車する左並列や、車両200の右側に存在する駐車区画に縦列駐車する右縦列などの駐車モードPMと、この車両200の一連の動きのために必要なスペースの広狭(道幅の広狭)の別を表す駐車パターンPPとを組み合わせたものを意味する。
【0209】
したがって、駐車モードPMと駐車パターンPPとの組合せによれば、誘導パターンPTiとしては、少なくとも下記(1)PT1から(8)PT8までの8つの誘導パターンPT1,PT2,…,PT8を採りうる。
【0210】
すなわち、
(1)PT1;道幅が狭い(PP1)ときの左並列駐車(PM1)
(2)PT2;道幅が狭い(PP1)ときの右並列駐車(PM2)
(3)PT3;道幅が狭い(PP1)ときの左縦列駐車(PM3)
(4)PT4;道幅が狭い(PP1)ときの右縦列駐車(PM4)
(5)PT5;道幅が広い(PP2)ときの左並列駐車(PM1)
(6)PT6;道幅が広い(PP2)ときの右並列駐車(PM2)
(7)PT7;道幅が広い(PP2)ときの左縦列駐車(PM3)
(8)PT8;道幅が広い(PP2)ときの右縦列駐車(PM4)
である。
【0211】
これに対して、上記(1)〜(8)のいずれの誘導パターンにも対応しない特別な誘導パターンPTで誘導しなければならない状況もあり、そのような特別の誘導パターンPTiについては、駐車操作ナビゲーション映像記録部31が、記録モードで、駐車区画Aから出庫する際の操作状態を駐車操作ナビゲーション映像Niとしてナビ映像記憶部30に新たに記録すればよい。ナビ映像記憶部30に一旦記録された駐車操作ナビゲーション映像Niは、ナビ映像制御部50によって時系列的に逆転させて読み出すことにより、駐車区画Aへ入庫する際の駐車操作ナビゲーション映像Niとして再生することができるため、駐車区画Aから出庫した後に、その駐車区画Aに入庫する際には、他の基本の誘導パターンPT1〜PT8に対応して出庫時に記録された各駐車操作ナビゲーション映像N1〜N8と同様に、ナビ映像制御部50がナビ映像記憶部30から記録時とは時系列的に逆転して読み出される。
【0212】
ここで、駐車操作ナビゲーション映像記録部31が、記録モードで出庫時の駐車操作ナビゲーション映像Niをナビ映像記憶部30に新たに記録する際には、出庫操作の開始となる開始基準状態S′(入庫操作時の完了基準状態Eに相当)から出庫操作の完了となる完了基準状態E′(入庫操作時の開始基準状態Sに相当)までの一連の車両200の動きのうち車両200の挙動を変化させる操作が入力されたタイミングにそれぞれ対応して、操作変化基準ポイントPj(j=1,2,…)がそれぞれ作成され、その操作変化基準ポイントPjごとに、入力された操作の内容を表す情報が駐車操作ナビゲーション映像Ni(各操作変化基準ポイント間の映像をNjとも称するが、操作変化基準ポイント間での全体を通しての全体を、駐車操作ナビゲーション映像Niと称する)に記録され、ナビ映像制御部50は、駐車操作ナビゲーション映像Niを時系列的に逆転して再生する(開始基準状態Sから完了基準状態Eに向かって再生する)に際して、逆転して再生される駐車操作ナビゲーション映像Niを操作変化基準ポイントPj間で再生し、操作変化基準ポイントPjにおいて一時停止させるとともに、その操作変化基準ポイントPjにおいて車両操作検出手段20により検出された車両200への入力操作の内容が、駐車操作ナビゲーション映像Niにおける操作変化基準ポイントPjで記録されている操作と反対の操作内容(記録されている操作が「前進」のときは反対の操作内容は「後退」、記録されている操作が「後退」のときは反対の操作内容は「前進」、記録されている操作が「左操舵」のときは反対の操作内容は「右操舵」、記録されている操作が「右操舵」のときは反対の操作内容は「左操舵」)に合致したときは、駐車操作ナビゲーション映像Niを一時停止状態から再生状態に移行させる。
【0213】
なお、車両200に対して駐車操作の再生を開始する基準となる開始基準状態Sは、誘導パターンPTiごとの、駐車操作ナビゲーション映像Niの逆転しての再生を開始する基準状態であり、例えば、誘導パターンPTiがPT7の「道幅の広い場合の左縦列駐車」であるときは、目標となる駐車区画Aの右前方位置であって、この駐車区画Aに対して平行な姿勢で車両200が停止した状態が、開始基準状態Sとなる。
【0214】
例えば、誘導パターンPTiがPT5の「道幅の広い場合の左並列駐車」であるときは、目標となる駐車区画Aの右前方位置であって、この駐車区画Aに対して直交する向きの姿勢で車両200が停止した状態が、開始基準状態Sとなる。
【0215】
なお、車両200に対して駐車操作を完了する基準となる完了基準状態Eは、各誘導パターンPTiにおいて、車両200が駐車区画A内に正規の姿勢で駐車されて停止した状態(出庫時の操作を開始する状態である開始基準状態S′に相当)を意味する。
【0216】
車両操作検出手段20は、車両200に対して入力された操作の内容を検出するものであるが、運転者が車両200に対して入力した操作は、車両200の対応する挙動として現れるため、操作内容自体を検出するのに代えて、車両200の挙動として検出するものであってもよい。この場合は、車両操作検出手段20に代えて車両200の挙動を検出する車両挙動検出手段を設ければよい。
【0217】
そして、ナビ映像制御部50′は、駐車操作ナビゲーション映像Niの再生に際して、車両操作検出手段20によって検出された車両200への入力操作の内容が、駐車操作ナビゲーション映像Niに記憶されている操作変化基準ポイントPjごとの操作内容(駐車操作ナビゲーション映像Niに記録されている操作内容)に対する反対の操作内容(「前進」に対して「後退」、「後退」に対して「前進」、「左操舵」に対して「右操舵」、「右操舵」に対して「左操舵」)と比べて、駐車操作ナビゲーション映像Niの再生を制御する。
【0218】
つまり、記録された駐車ナビゲーション映像Niは出庫時の操作に対応したものであるため、この駐車ナビゲーション映像Niを、時系列的に単に逆転して、あたかも入庫時の駐車ナビゲーション映像Niとして見えるように再生しても、そこに表示される操作内容(「前進」、「後退」、「左操舵」、「右操舵」)自体が記録時の操作内容のままであれば、逆転再生される駐車ナビゲーション映像Niの動きと表示される操作内容に応じた車両の挙動とが一致しないことになる。
【0219】
そこで、ナビ映像制御部50′が、駐車ナビゲーション映像Niを逆転再生させる際は、記録されている操作内容も反対の挙動となる操作内容に変換して表示することで、逆転再生される駐車ナビゲーション映像Niの動きと表示される操作内容に応じた車両の挙動とを一致させることができる。
【0220】
なお、出庫時の操作を記録するに際しては、ある操作変化基準ポイントP(例えば第2の操作変化基準ポイントP2)において、運転者が特定の操作(例えば「第2の操作」と称する)を行い、その特定の操作にしたがって車両を次の操作変化基準ポイント(第3の操作変化基準ポイントP3)まで移動させ、その移動された後の操作変化基準ポイント(第3の操作変化基準ポイントP3)において、運転者が次の特定の操作(例えば「第3の操作」と称する)を行い、その特定の操作にしたがって車両を次の操作変化基準ポイント(第4の操作変化基準ポイントP4)まで移動させ、というように、時系列的には、まず最初に操作が決められ、次いで、その操作にしたがって車両が移動する、という順序で操作と移動とがセットになった駐車ナビゲーション映像Niが記録されることになる。
【0221】
しかし、このようにして記録された駐車ナビゲーション映像Niを単に時系列的に逆転させて再生させると、まず操作変化基準ポイントP4において車両が移動する映像が表示され、その後に、その移動に必要な操作(第3の操作)が明らか(操作内容(記録された操作内容とは反対の挙動を示す操作内容)が表示されること)となり、移動状態を示す駐車ナビゲーション映像Niと、その移動状態を生じさせるために必要とされる操作の指示内容との表示順序が時系列的に逆転し、適切な操作内容の指示を表示することができない。
【0222】
そこで、記録時の、各操作変化基準ポイントPにおいて記録された操作内容は、再生時には、記録時における時系列的に前の操作変化基準ポイントPにおいて、その操作内容による挙動とは反対の挙動を呈する操作内容を表示させるように、ナビ映像制御部50′が制御を行う。
【0223】
なお、ナビ映像制御部50′が行う駐車操作ナビゲーション映像Niの再生の制御は、駐車操作ナビゲーション映像Niを逆転再生させ、またはその逆転再生を停止させる制御の他、再生させる際の再生スピードの制御(通常の再生スピード、早送り再生のスピード(通常の再生スピードよりも速い)、逆戻し(再生の逆転であり、通常の再生スピードで逆転した状態)の再生スピード、早戻しの再生スピード(逆戻しの再生スピードよりも速い))なども含む。
【0224】
また、表示制御部62は、映像表示手段63の表示領域を2つに分割して、カメラ映像処理部15により得られた俯瞰画像Q1とナビ映像制御部50により逆転再生された駐車操作ナビゲーション映像Niとを、映像表示手段63の2つの表示領域D1,D2に別個に表示させるように、映像表示手段63を制御するが、駐車操作ナビゲーション映像Niは、スタートスイッチ43にタイミングが入力される以前の段階では再生されないため、車両200が開始基準状態Sにセットされたか否かの判断は、運転者が、映像表示手段63の一方の分割表示領域D1に表示されている俯瞰画像Q1(カメラ10で撮影され、画像処理により単一の俯瞰画像Q1に合成処理されたもの)を視て判断することとなり、運転者が、その俯瞰画像Q1を見て車両200が開始基準状態S′にセットされたと判断したタイミングでスタートスイッチ43に入力を行うことで、映像表示手段63の一方の分割表示領域D2に表示されている駐車操作ナビゲーション映像Niの逆転再生を開始させることができる。
【0225】
この実施形態の駐車ナビゲーションシステム100′においては、ナビ映像制御部50′は、駐車操作ナビゲーション映像Niを、操作変化基準ポイントPj〜P(j−1)間で再生し、各操作変化基準ポイントP(j−1)において一時停止させるとともに、車両操作検出手段20によって検出された車両200の挙動が、駐車操作ナビゲーション映像Niの、対応するタイミングにおける操作変化基準ポイントP(j−1)での操作の内容(記録時の操作による挙動とは反対の挙動を示す操作の内容)を説明する情報(駐車操作内容情報)K(j−1)に合致したときは、駐車操作ナビゲーション映像Niを一時停止状態から再生状態に移行させる。
【0226】
なお、この駐車ナビゲーションシステム100′において用いられている駐車操作ナビゲーション映像Niは、既述したように模式化されたものであるが、具体的には、上方から俯瞰して2次元で表現されたアニメーション映像である。
【0227】
車両200の周囲の領域については、分割表示領域D1に表示される俯瞰画像Q1よりも広い範囲まで描かれている。
【0228】
また、この駐車ナビゲーションシステム100′においては、駐車ナビ切替スイッチ41に駐車ナビゲーションモードMを開始する入力を受ける前の期間については、映像表示手段63の分割表示領域のうち一方の表示領域D1には、前述したとおり俯瞰画像Q1を表示させ、他方の領域D2には、カメラ映像処理部15で視点変換処理が施される以前の映像(カメラ映像)Q0をそのまま表示させるように、ナビ映像制御部50′が、表示制御部62を制御するものである。
【0229】
さらに、映像表示手段63は、その表示領域にタッチセンサを備え、駐車ナビ切替スイッチ41、誘導パターン選択スイッチ42(駐車モード選択スイッチ42aと駐車パターン選択スイッチ42b)、スタートスイッチ43および記録再生切替スイッチ44はそれぞれ、この表示領域に表示されたアイコン(駐車ナビ切替スイッチ41は矩形内にアルファベットの「P」の文字を配置したアイコン、誘導パターン選択スイッチ42は図23,24に示すように横長矩形内に「左並列」、「右並列」、「左縦列」または「右縦列」および「狭い」または「広い」の文字がそれぞれ表示されたアイコン、スタートスイッチ43は図26に示すように横長矩形内に「スタート」または「ストップ」の文字がそれぞれ表示されたアイコン、記録再生切替スイッチ44は、図22に示すように横長矩形内に、記録モードを表す「RECモード」の文字および再生モードを表す「PKBモード」の文字がそれぞれ表示されたアイコン)と、これらのアイコンに対応した部分の上記タッチセンサとにより構成されている。
【0230】
また、この駐車ナビゲーションシステム100′においては、駐車操作ナビゲーション映像Niには、操作変化基準ポイントPjごとに、駐車動作中において注意を払うべき車両200の部位を示す情報Lも含まれていて、この注意を払うべき部位を表す情報Lは、駐車操作ナビゲーション映像Ni自体に重畳されているのではなく、この駐車操作ナビゲーション映像Niに隣接して表示される俯瞰画像Q1中の車両マーク200の対応する部位に重畳して表示されるように、表示制御部62が表示の制御を行う。
【0231】
以上、図1に示した第2の実施形態の駐車ナビゲーションシステム100′は、実際には、図3に示すように、主なナビ映像制御部50′等は、CPU83′によって担われている。
【0232】
すなわち、図1におけるナビ映像制御部50′、駐車操作ナビゲーション映像記録部31および表示制御部62は、図3に示した具体的構成の駐車ナビゲーションシステム100′におけるカメラECU80′のCPU83′に相当し、図1のカメラ映像処理部15は図3の画像処理部82に対応している。
【0233】
なお、図1の車両操作検出手段20は図3の車両情報取得部21に相当し、図1のナビ映像記憶部30は図3のフラッシュメモリ84に相当し、図1のメモリ61は図3のメモリ81に相当し、図1の映像表示手段63は図3のモニタ64に相当し、図1の音声制御部66は図3の音声出力部85に相当する。
【0234】
図3において図1における符号と同一符号が付された構成要素については、図1において説明した対応の構成要素と同一であるため、説明を省略する。
【0235】
次に、本実施形態の駐車ナビゲーションシステム100′の作用について、図4,5に示したフローチャートおよび図21から図48までに示したモニタ64への表示例を参照して説明する。
【0236】
まず、図21に示すように、表示制御部62が映像表示手段63の表示領域を左右2つの表示領域D1,D2に分割するように、ナビ映像制御部50′が表示制御部62を制御する。
【0237】
そして、駐車ナビゲーションモードMが開始される以前の期間においては、向かって右側の表示領域D2には、前部カメラ12で撮影された映像Q0が表示され、向かって左側の表示領域D1には、全てのカメラ10で撮影された車両200の周囲映像Q0をカメラ映像処理部15が変換処理して得られた俯瞰画像Q1が表示される。
【0238】
俯瞰画像Q1は、車両200を模した矩形の車両マーク200(この車両マークも、車両200と同じ符号を付す)を中心として、車両200の近傍領域だけを切り取って表示されている。なお、俯瞰画像Q1のうち車両マーク200が停止している領域は、白線で仕切られた駐車区画A内である。
【0239】
すなわち、この実施形態では、車両200が駐車区画Aに駐車されている状態を動作開始の基準とし、この駐車区画Aから出庫を完了するまでの操作内容を駐車ナビゲーション映像として記録し、この記録された駐車ナビゲーション映像を時系列的に逆転して、出庫を完了した状態(駐車区画A外に車両が出た状態)から出庫を開始する状態(駐車区画A内に車両200が格納された状態)に向けた再生を行うことで、駐車区画A外から駐車区画A内に車両を格納する駐車操作の案内表示を行うものである。
【0240】
この俯瞰画像Q1において表示されている車両マーク200には、車両200に設置されているカメラ11,12,13,14に対応する位置に、カメラマーク11,12,13,14(このカメラマークも、カメラ11,12,13,14と同じ符号を付す)が表示されていて、これらカメラマーク11,12,13,14のうち、右側の表示領域D2に表示されている映像を撮影しているカメラ(図6においては、前部カメラ12)に対応するカメラマーク(図21においては、前部カメラマーク12)は、他のカメラマークと識別可能な色に変化して表示されている。
【0241】
これらの表示は、ナビ映像制御部50′が、表示制御部62を制御することによって行われている。
【0242】
俯瞰画像Q1における車両マーク200には、駐車ナビ切替スイッチ41が表示されていて、車両200の運転者等が駐車操作の案内(駐車ナビゲーションモードM)を開始させる入力を、駐車ナビ切替スイッチ41に入力する(駐車ナビ切替スイッチ41を触る)と(図4において、ステップ11(#11))、駐車ナビ切替スイッチ41は非選択状態を表す黄色表示から選択状態を表す橙色表示に変化し、この入力がナビ映像制御部50′に入力され、これにより、ナビ映像制御部50′は、図22に示すように、「RECモード」のアイコン44aおよび「PKBモード」のアイコン44bとからなる記録再生切替スイッチ44を、右側の表示領域D2に表示させる。このとき、駐車ナビ切替スイッチ41は消去されている。
【0243】
そして、運転者により、記録モードまたは再生モードのいずれかが選択されるのを待つ(図4において、(#12→#19→#12→…))。
【0244】
運転者によって、「RECモード」のアイコン44aが触れられて記録モードが選択されると、「RECモード」のアイコン44aは非選択状態の灰色表示から選択状態の青色表示に切り替わった後、一定時間経過後に消え、ナビ映像制御部50′は記録モード(#13)の動作を行う。
【0245】
具体的には、これからナビ映像記憶部30に記録しようとする駐車操作ナビゲーション映像Niに対応した誘導パターンPTiの登録、名称設定等の入力を運転者に行わせるために、図23に示すように表示領域D2に、誘導パターン選択スイッチ42のうち駐車モードPMを特定するための駐車モード選択スイッチ42aが表示される。
【0246】
ここでは、左並列駐車(PM1)の誘導パターンPTのときは、運転者が「左並列駐車」の駐車モード選択スイッチ42aにタッチすることで、「左並列駐車」の駐車モードPM1が選択され、右並列駐車(PM2)の誘導パターンPTのときは、運転者が「右並列駐車」の駐車モード選択スイッチ42aにタッチすることで、「右並列駐車」の駐車モードPM2が選択され、左縦列駐車(PM3)の誘導パターンPTのときは、運転者が「左縦列駐車」の駐車モード選択スイッチ42aにタッチすることで、「左縦列駐車」の駐車モードPM3が選択され、右縦列駐車(PM4)の誘導パターンPTのときは、運転者が「右縦列駐車」の駐車モード選択スイッチ42aにタッチすることで、「右縦列駐車」の駐車モードPM4が選択される。
【0247】
なお、選択された駐車モード選択スイッチ42aは、非選択状態の灰色表示から選択状態の青色表示に切り替わった後、一定時間経過後に消える。
【0248】
そして、運転者によって選択された駐車モードPMが、誘導パターンPTを構成する要素として登録される(図4の#14)。
【0249】
続いて、誘導パターン選択スイッチ42のうち駐車パターンPPを特定するための駐車パターン選択スイッチ42bが表示される(図24)。
【0250】
ここでは、出庫を完了したときの車両200が位置する道路の道幅が狭い(PP1)ときの誘導パターンPTのときは、運転者が「狭い」の駐車パターン選択スイッチ42bにタッチすることで、道幅「狭い」の駐車パターンPP1が選択され、道幅が広い(PP2)ときの誘導パターンPTのときは、運転者が「広い」の駐車パターン選択スイッチ42bにタッチすることで、道幅「広い」の駐車パターンPP2が選択され、この選択された駐車パターンPPが、誘導パターンPTを構成する要素として登録される(図4の#15)。
【0251】
なお、選択された駐車パターン選択スイッチ42bは、非選択状態の灰色表示から選択状態の青色表示に切り替わった後、一定時間経過後に消える。
【0252】
そして、駐車モードPMと駐車パターンPPとの組合せにより、誘導パターンPTiが特定され、これから記録される駐車操作ナビゲーション映像Niは、この特定された誘導パターンPTiに対応付けられる。以下の説明では、駐車モードが左並列駐車(PM1)、駐車パターンが道幅広い(PP1)に対応する誘導パターンPT1が選択されているものとする。
【0253】
なお、それに先だって、この誘導パターンにPTiには、後に、駐車操作ナビゲーション映像Niを探す際の特定を行うことを目的として、それぞれ名称を付けることができ、例えば、図25に示すように、右側の表示領域D2の下領域に、50音順のソフトウェアキーボードを表示し、タッチ入力し、必要に応じて漢字等に変換するなどして、各誘導パターンPTiの名称(同図においては、「病院」(病院の駐車場)という名称)を登録することができる。
【0254】
このようにして、これから記録される駐車操作ナビゲーション映像Niに対応した誘導パターンPTiが登録された後、スタートスイッチ43(図26において、スタートのアイコン(スタートSW)43aまたはストップのアイコン(ストップSW)43b)の入力待ち(図4の#16→#21→#16→…)となる。
【0255】
運転者は車両200を、出庫操作を開始するとき、駐車区画A内で、必要に応じて車両200のステアリングホイールを中立位置に戻したり、トランスミッションのギヤ段をニュートラルポジションやパーキングポジションに戻すなど出庫操作を開始する前の初期状態に戻して、この位置、状態を駐車区画Aからの出庫操作の開始の基準となる状態である開始基準状態S′(駐車区画A内への入庫操作の完了状態である駐車完了状態Eに対応)とする。
【0256】
そして、運転者が図26に示したスタートのアイコン43aに触れると、スタートのアイコン43aは、非選択状態の灰色表示から選択状態の青色表示に切り替わった後、一定時間経過後に消え、車両200に入力され、車両操作検出手段20によって検出された操作内容の記録がスタートする。
【0257】
<開始基準状態S′>入庫操作時の完了基準状態Eに一致
この時点での操作は無し
また、スタートのアイコン43aが消えた後、図27に示すように、表示領域D2に、操作内容の記録中を表す「REC」マーク47が赤色点滅表示されるとともに、記録の中断の指示を入力するための「中断」アイコン46aおよび記録の完了の指示を入力するための「完了」アイコン46bが表示される。
【0258】
加えて、実際に車両操作検出手段20によって操作内容が検出されるまでの期間中は、出庫操作の開始を促す「出庫操作を開始して下さい」の文字情報が表示される。
【0259】
図27に示したように記録がスタートすると、運転者による車両200への操作内容が記録される(図4の#17)。この車両200への操作内容は、車両操作検出手段20によって検出され、検出された操作内容はナビ映像制御部50′により駐車操作ナビゲーション映像記録部31に出力され、駐車操作ナビゲーション映像記録部31は、入力された操作内容に基づいて、各操作内容に対応した車両200の挙動を模式化した俯瞰画像であるところの駐車操作ナビゲーション映像Ni(後述する図42から図48に示す)等における表示領域D2に表示される映像(図13右側表示領域の画像のようなもの))を生成し、この生成された駐車操作ナビゲーション映像Niを、ナビ映像記憶部30に記録する(図4の#17)。
【0260】
本実施形態においては、誘導パターンPT1として、駐車モードが左並列駐車(PM1)、駐車パターンが道幅広い(PP1)に対応する誘導パターンPT1(誘導パターンの名称として「病院」が設定されている)が選択されているため、後に駐車区画A内に車両を入庫(駐車)させる操作を行う際には、そのような誘導パターンになるような出庫操作を以て駐車区画Aから車両200を出庫させる必要がある。
【0261】
すなわち、まず、運転者は、図28,29に示すように車両200を直進(右にも左にも操舵しない中立位置)で所定距離だけ前進させる。
【0262】
そして、この運転者が車両200に対して入力した操作の内容(ステアリングホイール中立、トランスミッションのギヤ段をいずれかの前進ポジションとして所定距離前進)は、車両操作検出手段20によって検出され、操作変化基準ポイントP1における車両200への操作の内容(駐車操作内容情報K1)を、この操作に応じた車両200の挙動を表す駐車操作ナビゲーション映像N1として、ナビ映像制御部50′により駐車操作ナビゲーション映像記録部31に出力され、記録される。
【0263】
<操作変化基準ポイントP1>
駐車操作内容情報K1
・ステアリングホイール中立
・トランスミッションのギヤ段が前進ポジション
・所定距離前進
そして、車両200が所定距離だけ前進した位置において、図30に示すように、運転者は車両200のステアリングホイールに対して左折方向(反時計回り)に最大舵角の操舵を入力し、図31に示すように左方に転回しながら前進し、図32に示すように車両200が駐車区画Aから完全に出庫し終わった位置(駐車区画Aにおける駐車姿勢に対して直交する姿勢になった位置)で停止する。
【0264】
そして、この操作内容は、車両操作検出手段20によって検出され、操作変化基準ポイントP2における車両200への操作の内容(駐車操作内容情報K2)とされ、この操作に応じた車両200の挙動を表す駐車操作ナビゲーション映像N2として、ナビ映像制御部50′により駐車操作ナビゲーション映像記録部31に出力され、記録される。
【0265】
<操作変化基準ポイントP2>
駐車操作内容情報K2
・ステアリングホイール左最大操舵
・トランスミッションのギヤ段が前進ポジション
・所定距離前進
・停止
そして、図32に示した停止位置で、運転者は、車両200のステアリングホイールを中立位置に戻す(図33)。
【0266】
そして、この操作内容は、車両操作検出手段20によって検出され、操作変化基準ポイントP3における車両200への操作の内容(駐車操作内容情報K3)とされ、この操作に応じた車両200の挙動を表す駐車操作ナビゲーション映像N3として、ナビ映像制御部50′により駐車操作ナビゲーション映像記録部31に出力され、記録される。
【0267】
<操作変化基準ポイントP3>
駐車操作内容情報K3
・ステアリングホイール中立
この図33に示した状態は、駐車区画Aからの出庫操作完了の基準となる状態である完了基準状態E′(駐車区画A内への入庫操作の開始の基準となる開始基準状態Sに対応)であるため、運転者は、表示領域D2に示されている「完了」アイコン46bに触れて記録モードを終了させる(図4の#18)。このとき、「完了」アイコン46bが非選択状態の灰色表示から選択状態の青色表示に切り替わった後、一定時間経過後に消える。
【0268】
また、表示領域D2において赤色点滅表示していた「REC」マーク47が消灯し(図34)、所定時間経過後に図21に示した表示に戻る。
【0269】
以上の記録モードでは、開始基準状態S′(完了基準状態E)から操作変化基準ポイントP1までの車両200の挙動を模式的に表したものが駐車操作ナビゲーション映像N1としてナビ映像記憶部30に記録され、操作変化基準ポイントP1から操作変化基準ポイントP2までの車両200の挙動を模式的に表したものが駐車操作ナビゲーション映像N2としてナビ映像記憶部30に記録され、操作変化基準ポイントP2から操作変化基準ポイントP3までの車両200の挙動を模式的に表したものが駐車操作ナビゲーション映像N3としてナビ映像記憶部30に記録され、操作変化基準ポイントP3から完了基準状態E′(開始基準状態Sに一致し、「完了」アイコン46bに触れられて記録モードが終了した時点)までの車両200の挙動(実質的な挙動は無い)を模式的に表したものが駐車操作ナビゲーション映像N4としてナビ映像記憶部30に記録される。
【0270】
なお、この駐車操作ナビゲーション映像Niには、車両操作検出手段20によって検出された駐車操作内容情報Kiも含まれる。
【0271】
そして、この記録して得られた駐車操作ナビゲーション映像Ni(記録の順は、N1→N2→N3→N4となる。)をナビ映像制御部50′がナビ映像記憶部30から読み出して時系列的に逆転して再生する(再生の順は、N4→N3→N2→N1となる。)ことで、図34に示した出庫時の完了基準状態E′が駐車区画A内に車両200を入庫させる際には入庫操作の開始の基準となる開始基準状態Sとなり、図27に示した出庫時の開始基準状態S′が駐車区画A内に車両200を入庫させる際には入庫操作の完了の基準となる完了基準状態Eとなる。
【0272】
上述した記録モードの開始は、図4におけるスタートSW43aまたはストップSW43bの入力待ち(#16→#21→#16→…)においてスタートSW43aが入力された後の作用であるが、この入力待ちにおいてストップSW43bが入力されたときは、図21に示した状態(駐車ナビゲーションモードMへの移行前の状態であって、駐車ナビゲーションモードMへの移行を選択可能な状態;駐車ナビ切替スイッチ41の入力待ち(#11))に戻る。
【0273】
また、図22に示した状態(記録モードまたは再生モードの選択待ち状態)で、運転者が「PKBモード」のアイコン44bを触れて再生モードが選択される(図4の#19)と、ナビ映像制御部50′は再生モードの動作を行う(図4の#20)。
【0274】
実際には、図21に示した状態は駐車状態であるから、この状態から駐車動作を開始することはなく、駐車動作を開始する状態は、車両200が駐車区画Aの外に在る状態、すなわち例えば、出庫動作が完了した状態である図35に示した状態から駐車動作が開始される。
【0275】
したがって、例えば、図35に示した状態において駐車ナビ切替スイッチ41がタッチされて駐車ナビゲーションモードMが開始されると、図36に示すように、表示制御部62が映像表示手段63の右側の表示領域D2に、「RECモード」のアイコン44aと「PKBモード」のアイコン44bとが表示され、「PKBモード」のアイコン44bが触れられて再生モードが選択される(図4の#19)と、記録モードの場合と同様に、図37,38に示すように誘導パターンPTiの選択画面となり、誘導パターンPTiを特定するための駐車モードPMの入力待ち(図5の#22)および駐車パターンPPの入力待ち(図5の#23)となるように、ナビ映像制御部50′が表示制御部62を制御する。
【0276】
具体的には、道幅が狭い(PP1)ときの左並列駐車(PM1)の誘導パターンPT1であるときは、駐車モードPMiとして「左並列駐車」の駐車モード選択スイッチ42aにタッチして、「左並列駐車」の駐車モードPM1を選択し(#22)、さらに、駐車パターンPPiとして「道幅が狭い」の駐車パターン選択スイッチ42bにタッチして、「道幅が狭い」の駐車パターンPP1を選択する(#23)。
【0277】
同様に、道幅が狭い(PP1)ときの右並列駐車(PM2)である誘導パターンPT2のときは、駐車モードPMiとして「右並列駐車」の駐車モード選択スイッチ42aにタッチして、「右並列駐車」の駐車モードPM2を選択し(#22)、さらに、駐車パターンPPiとして「道幅が狭い」の駐車パターン選択スイッチ42bにタッチして、「道幅が狭い」の駐車パターンPP1を選択する(#23)
道幅が狭い(PP1)ときの左縦列駐車(PM3)である誘導パターンPT3を選択するときは、駐車モードPMiとして「左縦列駐車」に対応した駐車モード選択スイッチ42aにタッチして、「左縦列駐車」に対応した駐車モードPM3を選択し(#22)、さらに、駐車パターンPPiとして「道幅が狭い」に対応した駐車パターン選択スイッチ42bにタッチして、「道幅が狭い」に対応した駐車パターンPP1を選択する(#23)。
【0278】
道幅が狭い(PP1)ときの右縦列駐車(PM4)である誘導パターンPT4を選択するときは、駐車モードPMiとして「右縦列駐車」に対応した駐車モード選択スイッチ42aにタッチして、「右縦列駐車」に対応した駐車モードPM4を選択し(#22)、さらに、駐車パターンPPiとして「道幅が狭い」の駐車パターン選択スイッチ42bにタッチして、「道幅が狭い」に対応した駐車パターンPP1を選択する(#23)。
【0279】
道幅が広い(PP2)ときの左並列駐車(PM1)である誘導パターンPT5を選択するときは、駐車モードPMiとして「左並列駐車」に対応した駐車モード選択スイッチ42aにタッチして、「左並列駐車」に対応した駐車モードPM1を選択し(#22)、さらに、駐車パターンPPiとして「道幅が広い」に対応した駐車パターン選択スイッチ42bにタッチして、「道幅が広い」に対応した駐車パターンPP2を選択する(#23)。
【0280】
道幅が広い(PP2)ときの右並列駐車(PM2)である誘導パターンPT6を選択するときは、駐車モードPMiとして「右並列駐車」に対応した駐車モード選択スイッチ42aにタッチして、「右並列駐車」に対応した駐車モードPM2を選択し(#22)、さらに、駐車パターンPPiとして「道幅が広い」の駐車パターン選択スイッチ42bにタッチして、「道幅が広い」に対応した駐車パターンPP2を選択する(#23)。
【0281】
道幅が広い(PP2)ときの左縦列駐車(PM3)である誘導パターンPT7を選択するときは、駐車モードPMiとして「左縦列駐車」に対応した駐車モード選択スイッチ42aにタッチして、「左縦列駐車」に対応した駐車モードPM3を選択し(#22)、さらに、駐車パターンPPiとして「道幅が広い」に対応した駐車パターン選択スイッチ42bにタッチして、「道幅が広い」に対応した駐車パターンPP2を選択する(#23)。
【0282】
道幅が広い(PP2)ときの右縦列駐車(PM4)である誘導パターンPT8を選択するときは、駐車モードPMiとして「右縦列駐車」に対応した駐車モード選択スイッチ42aにタッチして、「右縦列駐車」に対応した駐車モードPM4を選択し(#22)、さらに、駐車パターンPPiとして「道幅が広い」の駐車パターン選択スイッチ42bにタッチして、「道幅が広い」に対応した駐車パターンPP2を選択する(#23)。
【0283】
なお、再生しようとする駐車操作ナビゲーション映像Niとしては、基本的な8つの誘導パターンPT1〜PT8(上記(1)〜(8))の他に、記録モードで記録された個別の誘導パターンPTiも選択することができるように、図37または図38において、「他候補」などのアイコン(タッチスイッチとして)を表示し(図37,38においては、図示を省略している。)、この「他候補」のアイコンが触れられたときは、図39に示すように、記録モードで記録された個別の誘導パターンPTiにそれぞれ対応した名称(図39においては、「自宅」、「病院」、「コンビニ」、「学校」、「本屋」、「薬局」)の各アイコン45a,45b,45c,45d,45e,45fを表示して、これらのうちからいずれかの個別の誘導パターンPTiを選択できるように、ナビ映像制御部50がナビ映像記憶部30から情報を読み出して、表示制御部62を制御している。
【0284】
図39においては、各個別の誘導パターンPTiに対応した名称のアイコンは、符号45a,45b,45c,45d,45e,45fで表したが、これらは、誘導パターンの選択スイッチであるため、図1のブロック図においては、誘導パターンの選択スイッチ42に含まれる。
【0285】
このようにして、いずれかの誘導パターンPTiが選択される(図5の#22,#23)と、図40に示すように、スタート入力待ち(スタートのアイコン43aまたはストップのアイコン43bが触れられるのを待機した状態)となる(図5の#24→#26→#24→…)。
【0286】
このとき、モニタ64の左側表示領域D1には、駐車目標となる枠X(以下、駐車目標枠Xという。)が例えば赤色で重畳的に表示されるとともに、運転者に対して、この駐車目標枠Xが入庫対象の駐車区画Aに合うように車両200を移動させる操作を促す指示である「駐車スペース合わせを行い、入庫動作を開始して下さい」の文言が表示される。
【0287】
モニタ64の左側表示領域D1に表示された駐車目標枠Xは、駐車モードが「左並列」、駐車パターンが「病院」の場合に、車両200の位置・姿勢に対して予め所定の位置・姿勢で設定されたものであるが、このモニタ64の左側表示領域D1における駐車目標枠Xの表示位置や表示姿勢は、駐車モードおよび駐車パターンごとにそれぞれ予め設定されている。
【0288】
運転者は、このモニタ64に表示された指示にしたがって、駐車目標枠Xが入庫対象の駐車区画Aに合うように車両200を移動させる。具体的には、車両200を現在の位置から前進させて駐車目標枠Xを駐車区画A1に合わせるか、または車両200を現在の位置から後退させて駐車目標枠Xを駐車区画A1に合わせる。
【0289】
図41では、車両200を現在の位置から前進させて駐車目標枠Xを駐車区画A1に合わせた状態を示し、この状態をモニタ64で確認した運転者は、スタートのアイコン43aに触れる。これにより図5のステップ24(#24)からの処理が進み、ナビ映像制御部50′が、ナビ映像記憶部30に記録された、選択された誘導パターンPTiに対応付けられた駐車操作ナビゲーション映像Niを読み出して、記録時とは時系列的に逆転した映像とし、表示制御部62を制御して、この時系列的に逆転された駐車操作ナビゲーション映像Niを、モニタ64の右側表示領域D2に表示する(図5の#25)。
【0290】
一方、運転者がストップのアイコン43bに触れる(図5の#26)と、ナビ映像制御部50′が表示制御部62を制御して、図21に示した状態(駐車ナビゲーションモードMへの移行前の状態の表示に戻り、駐車ナビゲーションモードMへの移行を選択可能な状態;駐車ナビ切替スイッチ41の入力待ち(#11))に戻る。
【0291】
スタートのアイコン43aに触れられてモニタ64の右側表示領域D2に表示(再生)される駐車操作ナビゲーション映像Niは、記録時とは時系列的に逆転した映像であるため、最初に表示される初期画像は、駐車操作ナビゲーション映像N4となる。
【0292】
すなわち、初期画像の駐車操作ナビゲーション映像N4は、図42に示すように、車両200の駐車操作を開始するときの特定の初期位置(開始基準状態S)に車両200がセットされた状態(位置合わせされた状態)を示す模式化された画像であり、駐車区画A1からの出庫操作完了の基準となる状態である完了基準状態E′に対応している。
【0293】
そして、この駐車操作ナビゲーション映像N4には、1つ前の操作変化基準ポイントP3における駐車操作内容情報K3(ステアリングホイールを左最大操舵の状態から中立状態に戻す操作)の反対操作(ステアリングホイールを中立状態から左最大操舵の状態にする操作)を駐車操作内容情報K3′として含み、この駐車操作内容情報K3′(左旋回操舵)を右側表示領域D2に表示する。
【0294】
さらに、このモニタ64の右側表示領域D2には、タッチスイッチ式の「カメラ映像切替」ボタンが表示されていて、このボタンが運転者によって触れられると、左側表示領域D1に表示されている俯瞰画像Q1が、図43に示すように、左部カメラ14で撮影されたままの画像(俯瞰画像に視点変換される前の画像)Q14に切り替えられ、このようにカメラ14で撮影されたままの画像Q14は、俯瞰画像Q1では見えにくかった駐車区画Aの奥行き方向の深い領域まで見通せる画像となっているため、車両200の左側表示領域の奥行き方向の深い領域に障害物が存在するか否かを、運転者に対して視認させることができる。
【0295】
なお、図43において右側表示領域D2に表示されているタッチスイッチ式の「全周囲映像切替」ボタンが運転者によって触れられると、左側表示領域D1に表示されている左部カメラ14の画像Q14が俯瞰画像Q1に切り替えられて、図42に示す状態に戻る。
【0296】
図42の状態から、運転者は、モニタ64の右側表示領域D2に表示された駐車操作内容情報K3′である「左旋回操舵」にしたがって、車両200のステアリングホイールに対して左方向(反時計方向)最大舵角を入力する。
【0297】
この操作によって車両200に生じる左旋回操舵の挙動は、車両操作検出手段20によって検出され、これにより、操作変化基準ポイントは開始基準状態Sから操作変化基準ポイントP3に移行し、右側表示領域D2に表示される駐車操作ナビゲーション映像はN4からN3に変わる。
【0298】
すなわち、駐車操作ナビゲーション映像はN3は、図44に示すように、モニタ64の右側表示領域D2に表示された車両200の前車輪が左旋回操舵されたものとなるとともに、操作変化基準ポイントP3よりも1つ前の操作変化基準ポイントP2における駐車操作内容情報K2(トランスミッションのギヤ段を前進ポジションにして所定距離前進)の反対操作(トランスミッションのギヤ段を後退ポジションにして所定距離後退する操作)を駐車操作内容情報K2′として含み、この駐車操作内容情報K2′(「所定距離後退」)を右側表示領域D2に表示する。
【0299】
図44に示されたモニタ64の表示を見た運転者は、モニタ64の右側表示領域D2に表示された駐車操作内容情報K2′である「所定距離後退」にしたがって、車両200のギヤ段を後退ポジションにして車両200を所定距離だけ後退させる。
【0300】
この操作によって車両200に生じる所定距離の後退(左旋回操舵状態のままでの後退)の挙動は、車両操作検出手段20によって検出され、この車両操作検出手段20によって車両200が所定距離だけ後退したことが検出された時点(位置)で、操作変化基準ポイントはP3から操作変化基準ポイントP2に移行し、右側表示領域D2に表示される駐車操作ナビゲーション映像はN3からN2に変わる。
【0301】
なお、時系列的に逆転して再生される駐車操作ナビゲーション映像N3は、図44から、図45、図46というように変化していく。
【0302】
車両200が所定距離だけ後退して駐車操作ナビゲーション映像はN3からN2に変わったとき(図46)、モニタ64の右側表示領域D2に表示された車両200の前車輪は中立状態となるとともに、操作変化基準ポイントP2よりも2つ前の操作変化基準ポイントである開始基準状態S′における操作内容から1つ前の操作変化基準ポイントP1における駐車操作内容情報K1(ステアリングホイール中立、トランスミッションのギヤ段が前進ポジション、所定距離前進)への反対操作(ステアリングホイール中立のまま、トランスミッションのギヤ段が後退ポジション、所定距離後退)を駐車操作内容情報K1′として含み、この駐車操作内容情報K1′(「中立所定距離後退」)を右側表示領域D2に表示する。
【0303】
図46に示されたモニタ64の表示を見た運転者は、モニタ64の右側表示領域D2に表示された駐車操作内容情報K1′である「中立所定距離後退」にしたがって、車両200のステアリングホイールを中立状態に戻すとともに、図47および図48に示すように、車両200を所定距離だけ後退させる。
【0304】
この操作によって車両200に生じるステアリングホイールの中立状態および所定距離の後退(直線後退)の挙動は、車両操作検出手段20によって検出され、この車両操作検出手段20によって車両200が直線的に所定距離だけ後退したことが検出された時点(位置)で、操作変化基準ポイントはP2から操作変化基準ポイントP1に移行し、右側表示領域D2に表示される駐車操作ナビゲーション映像はN2からN1に変わる。
【0305】
車両200が所定距離だけ直線後退して駐車操作ナビゲーション映像がN2からN1に変わったとき(図48)、モニタ64の右側表示領域D2には、「入庫が完了しました」とのも文字情報が駐車操作内容情報K0′として表示される。
【0306】
なお、この操作変化基準ポイントP1は、出庫時の開始基準状態S′(入庫時の完了基準状態E)に一致する。
【0307】
つまり、車両200は、駐車操作ナビゲーション映像Niにしたがった操作を行うだけの簡単な操作により、駐車区画A1に正確に入庫されたことになる。
【0308】
そして、ナビ映像制御部50′は、操作変化基準ポイントがP1(入庫時の完了基準状態E)に到達した時点で、駐車操作ナビゲーション映像N1の表示を終了して、駐車ナビゲーションモードMを終了させる。
【0309】
そして、表示制御部62は、映像表示手段63の表示を、図21と同様に左側表示領域D1に俯瞰画像Q1、右側表示領域D2に前部カメラ12による撮影画像とする。
【0310】
上述の説明は、駐車ナビゲーションモードMにおける誘導パターンPTiが、駐車モードPMを「左並列」(PM1)、駐車パターンPPを「狭い」(PP1)とした組合せの誘導パターンPT1の場合であるが、その他の誘導パターンPT2(PP1,PM2),PT3(PP1,PM3),…,PT8(PP2,PM4)の場合および記録モードで記録された個別の誘導パターンPTiの場合も、対応する駐車操作ナビゲーション映像Niがそれぞれ異なる(誘導パターンPT2に対して駐車操作ナビゲーション映像N2、誘導パターンPT3に対して駐車操作ナビゲーション映像N3、…、誘導パターンPT8に対して駐車操作ナビゲーション映像N8、個別の他の誘導パターンPTiに対して対応した駐車操作ナビゲーション映像Ni)ものの、これらの駐車操作ナビゲーション映像Niを再生、一時停止させる制御の処理方法については、上記誘導パターンPT1における駐車操作ナビゲーション映像N1の再生、一時停止の場合と同様であるため、説明を省略する。
【0311】
以上のように構成された実施形態の駐車ナビゲーションシステム100′によれば、記録モードで車両操作(出庫操作)を駐車操作ナビゲーション映像Niとして予め記録し、その後に再生モードでその記録された駐車操作ナビゲーション映像Niを時系列的に逆転して再生することで、入庫時とは反対の操作で駐車操作を提示することができるため、個別の駐車操作が必要な駐車区画A(例えば特別な駐車操作を要するような自宅の駐車場、病院の駐車場、コンビニエンスストアの駐車場、学校の駐車場、本屋の駐車場、薬局の駐車場等)への駐車操作の内容を、その駐車区画Aからの出庫操作を記録モードで予め記録しておくことにより、そのような駐車区画Aに次回以後に駐車(入庫)する際は、その記録されたときの駐車操作ナビゲーション映像Niを読み出して再生モードでは、時系列的に逆転して再生表示することで、入庫操作よりも簡単な出庫操作で駐車操作ナビゲーション映像を得ることができ、必要な個別の駐車操作指示を一層簡単に得ることができる。
【0312】
本実施形態の駐車ナビゲーションシステム100′によれば、上述した効果に加えて、前述した実施形態の駐車ナビゲーションシステム100が発揮する効果と同じ効果を得ることができる。
【0313】
なお、本実施形態2の駐車ナビゲーションシステム100′は、駐車操作ナビゲーション映像Niの再生時に、記録時とは時系列的に逆転した向きで再生を行うものとして説明したが、駐車操作ナビゲーション映像を、このように時系列的に逆転しての再生とするか、または実施形態1のように記録時と同じ向き(時系列的に逆転させない順方向の向き)での再生とするかの別は、記録された駐車操作ナビゲーション映像が、出庫操作の記録によるものであるか、または入庫操作の記録によるものか、の別に応じて決定されるものであるから、駐車操作ナビゲーション映像自体に、そのような出庫操作による記録であるか、入庫操作による記録であるかの別を情報として記録しておくことで、後にこの駐車操作ナビゲーション映像を再生する際は、駐車操作ナビゲーション映像記録部31がナビ映像記憶部30から読み出した駐車操作ナビゲーション映像に記憶されているその出庫時記録または入庫時記録の情報を読み、この読み出された情報に基づいて、逆転した再生とするか、順方向での再生とするかを、自動的に判定するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0314】
10、11,12,13,14 カメラ
15 カメラ映像処理部
20 車両操作検出手段
30 ナビ映像記憶部
31 駐車操作ナビゲーション映像記録部
44 記録再生切替スイッチ
50 ナビ映像制御部
62 表示制御部
63 映像表示手段(画像表示手段)
100 駐車ナビゲーションシステム
200 車両
D1,D2 分割して得られた表示領域
Q1 俯瞰画像
Ni 駐車操作ナビゲーション映像
PTi 誘導パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の周囲を撮影するカメラと、
前記カメラで撮影して得られた画像に視点変換処理を施して前記車両の近傍の俯瞰画像を得るカメラ映像処理部と、
画像を表示する画像表示手段と、
前記車両に入力された操作を検出する車両操作検出手段と、
前記車両操作検出手段によって検出された操作の内容を、前記操作の内容に対応した車両の挙動を模式化した駐車操作ナビゲーション映像として、前記操作内容に対応付けて所定の記憶媒体に記録する駐車操作ナビゲーション映像記録部と、
記録モードと再生モードとを切り替える記録再生切替スイッチと、
前記記録再生切替スイッチが前記記録モードに切り替えられているときは、前記駐車操作ナビゲーション映像記録部による記録を行うように前記駐車操作ナビゲーション映像記録部を制御し、前記記録再生切替スイッチが前記再生モードに切り替えられているときは、前記記憶媒体に記憶されている前記駐車操作ナビゲーション映像を、前記車両操作検出手段によって検出された前記車両に入力された操作に応じて再生するように制御するナビ映像制御部と、
前記画像表示手段の表示領域を分割して、前記カメラ映像処理部により得られた前記俯瞰画像と前記ナビ映像制御部により再生された前記駐車操作ナビゲーション映像とを、前記分割して得られた2つの表示領域に各別に表示させるように、前記画像表示手段を制御する表示制御部と、を備えたことを特徴とする駐車ナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記駐車操作ナビゲーション映像記録部は、所定の駐車対象領域へ前記車両を入庫する際の操作を開始する基準となる開始基準状態から操作を完了する基準となる完了基準状態まで前記車両に対して入力された、前記車両操作検出手段によって検出された操作の内容を、前記操作の内容に対応した車両の挙動を模式化した駐車操作ナビゲーション映像として、前記操作内容に対応付けて前記記憶媒体に記録するものであり、
前記ナビ映像制御部は、前記記録再生切替スイッチが前記再生モードに切り替えられているとき、前記記憶媒体に記憶されている前記駐車操作ナビゲーション映像を、記録された時系列にしたがって再生するように制御するものであることを特徴とする請求項1に記載の駐車ナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記駐車操作ナビゲーション映像記録部は、所定の駐車対象領域から前記車両を出庫する際の操作を開始する基準となる開始基準状態から操作を完了する基準となる完了基準状態まで前記車両に対して入力された、前記車両操作検出手段によって検出された操作の内容も、前記操作の内容に対応した車両の挙動を模式化した駐車操作ナビゲーション映像として、前記操作内容に対応付けて前記記憶媒体に記録するものであるとともに、前記入庫する際の記録と前記出庫する際の記録とを区別して記録するものであり、
前記ナビ映像制御部は、前記記録再生切替スイッチが前記再生モードに切り替えられているとき、前記記憶媒体に記憶されている前記駐車操作ナビゲーション映像のうち入庫する際に記録された駐車操作ナビゲーション映像については、記録された時系列にしたがって再生し、前記記憶媒体に記憶されている前記駐車操作ナビゲーション映像のうち出庫する際に記録された駐車操作ナビゲーション映像については、記録された時系列の反対向きで、かつ対応して記録されている操作内容も反対の操作として再生するように制御するものであることを特徴とする請求項2に記載の駐車ナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記駐車操作ナビゲーション映像記録部は、所定の駐車対象領域から前記車両を出庫する際の出庫操作を開始する基準となる開始基準状態から出庫操作を完了する基準となる完了基準状態まで前記車両に対して入力された、前記車両操作検出手段によって検出された操作の内容を、前記操作の内容に対応した車両の挙動を模式化した駐車操作ナビゲーション映像として、前記操作内容に対応付けて所定の記憶媒体に記録するものであり、
前記ナビ映像制御部は、前記記録再生切替スイッチが前記再生モードに切り替えられているとき、前記記憶媒体に記憶されている前記駐車操作ナビゲーション映像を、記録された時系列の反対向きで、かつ対応して記録されている操作内容を反対の操作として再生するように制御するものであることを特徴とする請求項1に記載の駐車ナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記ナビ映像制御部は、前記再生モードのとき前記駐車操作ナビゲーション映像の再生に際して、前記駐車操作ナビゲーション映像を、前記開始基準状態と前記完了基準状態との間の一連の車両の動きのうち前記車両の挙動を変化させる操作を入力すべきタイミングにそれぞれ対応した操作変化基準ポイント間で再生し、前記操作変化基準ポイントにおいて一時停止させるとともに、
前記車両操作検出手段によって検出された前記車両への操作の内容が、再生される操作の内容に合致したときは、前記駐車操作ナビゲーション映像を一時停止状態から再生状態に移行させることを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1項に記載の駐車ナビゲーションシステム。
【請求項6】
前記駐車操作ナビゲーション映像は、上方から俯瞰して2次元で表現されたアニメーション映像であるとともに、前記車両の周囲の領域について、前記俯瞰画像よりも広い範囲まで描かれているものであることを特徴とする請求項1から5のうちいずれか1項に記載の駐車ナビゲーションシステム。
【請求項7】
前記車両を前記駐車対象領域に誘導する操作を提示させる駐車ナビゲーションモードの開始の入力を受ける駐車ナビ切替スイッチと、
前記車両の複数の誘導パターンのうちから1つの選択の入力を受ける誘導パターン選択スイッチと、
前記車両が前記開始基準状態にセットされたタイミングの入力を受けるスタートスイッチと、を備え、
前記駐車操作ナビゲーション映像記録部は、前記駐車操作ナビゲーション映像に所定の誘導パターンを対応付けて記録するものであり、
前記ナビ映像制御部は、前記駐車ナビ切替スイッチに前記駐車ナビゲーションモードを開始する入力を受けたとき、前記駐車操作ナビ映像記憶部に記憶された複数の誘導パターンを提示し、前記提示された複数の誘導パターンのうち前記誘導パターン選択スイッチにより入力された誘導パターンに対応した駐車操作ナビゲーション映像を、前記記憶媒体から読み出し、前記スタートスイッチに前記タイミングが入力された後に、前記車両操作検出手段によって検出された前記車両への操作の内容に応じて、前記読み出された駐車操作ナビゲーション映像の再生を制御するものであることを特徴とする請求項1から6のうちいずれか1項に記載の駐車ナビゲーションシステム。
【請求項8】
前記画像表示手段は、その表示領域にタッチセンサを備え、前記駐車ナビ切替スイッチ、前記誘導パターン選択スイッチおよび前記スタートスイッチのうち少なくとも1つは、前記表示領域に表示されたアイコンとこのアイコンに対応した部分のタッチセンサとにより構成されていることを特徴とする請求項1から7のうちいずれか1項に記載の駐車ナビゲーションシステム。
【請求項9】
前記複数の誘導パターンとしては、少なくとも下記(1)から(8)までの8つのパターンが設定されていることを特徴とする請求項1から8のうちいずれか1項に記載の駐車ナビゲーションシステム。
(1)道幅が狭いときの左並列駐車
(2)道幅が狭いときの右並列駐車
(3)道幅が狭いときの左縦列駐車
(4)道幅が狭いときの右縦列駐車
(5)道幅が広いときの左並列駐車
(6)道幅が広いときの右並列駐車
(7)道幅が広いときの左縦列駐車
(8)道幅が広いときの右縦列駐車
【請求項10】
前記駐車操作ナビゲーション映像には、前記操作変化基準ポイントごとに、注意を払うべき車両の部位を示す情報が付加されていることを特徴とする請求項1から9のうちいずれか1項に記載の駐車ナビゲーションシステム。
【請求項11】
前記駐車操作ナビゲーション映像に付加されている前記入力すべき操作の内容を説明する情報を、音声情報として出力するスピーカおよび前記スピーカへの音声情報の出力を制御する音声制御部を備えていることを特徴とする請求項1から10のうちいずれか1項に記載の駐車ナビゲーションシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【公開番号】特開2011−126473(P2011−126473A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−288834(P2009−288834)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)