駐車券処理装置および駐車場管理システム
【課題】駐車場における使用済み駐車券の印字情報の消去およびその後の再利用可能な駐車券用いた駐車場管理システムを安価に実現する。
【解決手段】駐車券Tの発行時に少なくとも入場時刻を含む入場情報を電磁的に記録する電磁的記録手段と、印字手段としてインキリボンカセットに収納した長帯状のインキリボンに含浸させたインキを、駐車券Tの紙面に転写させて視認可能な文字や記号等を印字するドットヘッド式印字手段を有した駐車券処理装置において、前記インキリボンにメタモインキを含浸させるとともに、このインキで印字した文字等を、外部より加熱状態を付与して消去する加熱消去手段39を設ける。
【解決手段】駐車券Tの発行時に少なくとも入場時刻を含む入場情報を電磁的に記録する電磁的記録手段と、印字手段としてインキリボンカセットに収納した長帯状のインキリボンに含浸させたインキを、駐車券Tの紙面に転写させて視認可能な文字や記号等を印字するドットヘッド式印字手段を有した駐車券処理装置において、前記インキリボンにメタモインキを含浸させるとともに、このインキで印字した文字等を、外部より加熱状態を付与して消去する加熱消去手段39を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車時間に応じて駐車料金を徴収する駐車場において、駐車場入場時に発行する駐車券を、駐車場退場時に精算するために使用した後にも有効に利用することで、使用済み駐車券の再利用を可能とし、使用済み駐車券が廃棄される頻度を減少させることが出来る、環境に配慮した駐車場管理システムを可能にする駐車券処理装置およびその駐車券処理装置を用いた駐車場管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、駐車場で発行される紙製の駐車券を様々な用途に有効利用するという試みがなされている。例えば、本出願人は特許文献1に記載とおり、駐車時に用いた駐車券を使用して駐車場を利用した顧客に対して、精算時に駐車券に割引条件を書込んだ上で返却し、この駐車券を再利用した場合には駐車料金の割引を行う駐車料金割引券発行機能を備えた駐車場管理装置を発明し、これを実施している。
【0003】
同様に本出願人は特許文献2に記載のとおり、入場管理機で駐車券としての時間貸券・定期券・回数券等を発券した後に、その駐車券を用いて料金精算機で駐車料金を精算し、かつ、料金精算機を用いて定期券、回数券の購入を可能にした駐車場管理システムを発明し、これを実施している。
【0004】
また、駐車場で用いた駐車券を回収して、何回も使い回しするリユース式駐車場システムも今までに多数提案されている。例えば特許文献3では、入庫時の情報を書き込んだ駐車券を発行する券発行部と、投入された駐車券の券データを読み取って精算を行う券受領部とを一体化した券処理部を設け、券発行部を車両の入庫側に、券受領部を出庫側に形成し、券処理部内には投入された駐車券に対してデータの消去や保管等のリサイクル処理を行なうリサイクル部を設けた駐車券処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3499423号公報
【特許文献2】特開2007−4505号公報
【特許文献3】特開平7−29040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載の駐車料金割引機能を備えた駐車場管理装置では、使用済み駐車券から割引券への転用が可能となるが、その割引券としての使用を終えた駐車券は、結局は廃棄される事になり、駐車券の廃棄を減少させて資源を有効活用しようというものではない。
【0007】
また、上記特許文献2に記載の駐車場管理システムでは、入場時には券種を指定せずに発行し、精算時に料金収受とともに他種類の券に書き換えるものであり、駐車券を自動的に発行しながらも様々な券種に転用できるという多機能性があるものの、やはり駐車券の廃棄の減少を狙ったものではない。
【0008】
さらに、上記特許文献3に記載の駐車券処理装置では、駐車券を逐次回収してリユースするため、入場時刻の印字部を消去して書換えできる様にサーマルリライト紙が用いられるが、サーマルヘッドや消去ヘッドを搭載した駐車券リーダライタは通常の紙製駐車券用印字ヘッドを有するリーダライタに比べて著しくコストアップし、さらにサーマルリライト紙そのもののコストアップもあって装置やシステム全体のイニシャルコストが過大になるという問題もある。
【0009】
そこで本発明の第1の技術的課題は、駐車場で発行された駐車券を有効利用して、駐車券の廃棄数を減少させ、紙資源の有効利用が可能で有意義な駐車場管理システムを提供し、さらに本発明の第2の技術的課題は、システム全体のイニシャルコストの上昇を抑えつつ、且つ、ランニングコストの上昇をも抑え、駐車券のリユースシステムの利点のみを導入して効率化した駐車場管理システムを提供するために使用可能なカード処理装置を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)上記技術的課題を解決するために、本発明の請求項1に係る駐車券処理装置は、駐車場入口に設置された駐車券発行機や駐車場出口に設置された出口精算機に使用され、駐車券の発行時に少なくとも入場時刻を含む入場情報を電磁的に記録する電磁的記録機能を有し、且つ、駐車券表面に視認可能に前記入場情報の全て若しくは一部を印字する印字手段を有した駐車券処理装置であって、
前記印字手段は印字用のインキを含浸させたインキリボンの一部を前記駐車券に対向させて配置して、当該インキリボンの駐車券に対向しない面側より複数のドットヘッドピンを選択的に紙面方向に押圧作動させることにより、インキリボンに含浸させたインキを駐車券の紙面に転写させて視認可能な文字や記号等を印字するためのドットヘッド式印字手段であり、且つ、前記インキリボンに含浸させたインキがメタモインキであることを特徴としている。
【0011】
(2)また、上記技術的課題を解決するために、本発明の請求項2に係る駐車券処理装置は、前記(1)に記載の駐車券処理装置であって、前記駐車券の挿入奥側の一旦挿入された駐車券を挿入方向に搬送させながら、前記入場情報を読み取った後に搬送を停止させる保留位置において、前記メタモインキで印字された文字や記号等のある駐車券表面部分に向かって、若しくは、文字や記号等が印字されている当該駐車券の裏面部側より加熱することによって、当該文字や記号等を消去することができる加熱消去手段が設けられていることを特徴としている。
【0012】
(3)また、上記技術的課題を解決するために、本発明の請求項3に係る駐車券処理装置は、前記(1)に記載の駐車券処理装置であって、前記駐車券の挿入口から前記電磁的記録機能を実現するための磁気ヘッドまでの搬送経路途中位置において、前記メタモインキで印字された文字や記号等のある駐車券表面部分に向かって、若しくは、当該文字や記号等が印字されている駐車券の裏面部分より加熱することによって、当該文字や記号等を消去することができる加熱消去手段が設けられていることを特徴としている。
【0013】
(4)また、上記技術的課題を解決するために、本発明の請求項4に係る駐車券処理装置は、前記(3)に記載した駐車券処理装置であって、前記駐車券の搬送経路途中位置において、前記メタモインキで印字した文字や記号等を加熱して消去するにあたり、駐車券挿入口の近傍に設けて開閉動作によって駐車券挿入口の連通と閉塞を切替えて駐車券受付の許可と禁止が切替わるシャッタと、当該シャッタを常時若しくは一定温度以上に加熱するヒータと、当該ヒータが取付けられたシャッタと一体若しくは接合された一部が、シャッタの開閉動作に連動して前記搬送経路途中位置における前記駐車券の印字された前記文字や記号等のある駐車券の表面部若しくは裏面部に対して当接と乖離が切替わることを特徴としている。
【0014】
(5)さらに、上記技術的課題を解決するために、本発明の請求項5に係る駐車券処理装置は、前記(4)に示す駐車券処理装置において、前記駐車券を排出する際に、前記搬送経路途中位置において、一旦駐車券の搬送を停止し、前記シャッタの閉動作によって前記シャッタの一部を駐車券に当接動作させて前記メタモインキで印字した文字や記号等を加熱し、所定時間経過した後にシャッタを開動作させて、駐車券を排出することを特徴としている。
【0015】
(6)加えて、上記技術的課題を解決するために、本発明の請求項6に係る駐車場管理システムは、前記(1)〜(5)のいずれかの駐車券処理装置が搭載された出口精算機が駐車場出口に設置されていて、駐車場入口において、駐車券発行機に搭載された前記駐車券処理装置の前記メタモインキを含浸させたインキリボンによって入場情報を印字して駐車券が発行され、駐車場出口において、前記出口精算機に搭載した前記駐車券処理装置に対して駐車券の挿入を受け付けて、再度利用可能に前記駐車券の表面の前記メタモインキで印字された入場情報を消去して、精算処理終了後に利用者に返却することを特徴としている。
【0016】
上記(1)で述べた請求項1に係る手段によれば、駐車券にメタモインキで入場情報を印字文字として印字しておけば、所望の加熱状態を付与することにより、上記メタモインキによる印字文字を容易に消去(正確には消色、すなわち透明化)することが可能となる。これにより何度も入場情報の印字文字としての印字が可能になることで、入場時刻などの入場情報を視認可能に印字された駐車券を一度だけの使用では廃棄せずに、再度駐車券として入場情報を視認可能に再印字して使用することが出来る。その結果、使用済み駐車券の排出量が減少し、駐車場管理者にとっては、通常の焼却ゴミとして廃棄出来ずに掛かっていた産業廃棄物としての廃棄費用が大幅に減少し、ランニングコストが改善されることで経営状態が好転し、利用料金のディスカウント等も可能となる。
【0017】
また、上記(2)で述べた請求項2に係る手段によれば、駐車券保留位置で印字された入場情報を消去することで、従来より設けられている機構により実現している駐車券が停止した状態を利用し、外部からの加熱状態の付与のみを選択的に実行する機能を追加するだけで、駐車券の印字文字の消去が可能な駐車券処理装置を実現することができる。
【0018】
また、上記(3)で述べた請求項3に係る手段によれば、駐車券挿入手前側の駐車券搬送経路途中位置にて印字された入場情報を消去することで、駐車券が停止して入場情報が消去可能となる状態を容易に作り出すことができ、さらに外部からの加熱状態の付与を選択的に実行する機能を追加することで、駐車券の印字文字の消去が可能な駐車券処理装置を実現することができる。
【0019】
また、上記(4)で述べた請求項4に係る手段によれば、シャッタの加熱用ヒータを、駐車券搬送位置で印字された印字文字を消去するための過熱状態の付与手段として、兼用することにより、従来よりある駐車券搬送機構や保留機構はそのままで、シャッタの開閉機構の修正のみで容易に駐車券の印字文字の消去が可能な駐車券処理装置を実現することができる。
【0020】
また、上記(5)で述べた請求項5に係る手段によれば、駐車券排出時に、駐車券挿入手前側の駐車券搬送位置で一旦停止させてから、印字された印字文字を消去することで、すでに電磁的記録機能による情報の書き換えが行われた後で、印字された入場情報を消去することになるため、電磁記録と消去動作が連続的に遂行が可能であり、全体の動作時間の増加を少なく抑えて、レスポンスの良い駐車券処理装置が提供できる。
【0021】
さらに、上記(6)で述べた請求項6に係る手段によれば、再利用可能な駐車券を、簡易的な印字のリライト機能を有した駐車券処理装置を入口の駐車券発行機と出口の料金精算機夫々に搭載した駐車場管理システムにおいて、駐車券の再利用によって廃棄物の少ない環境にやさしい駐車場管理システムが実現する。
【発明の効果】
【0022】
以上述べた次第で、本発明に係る駐車券処理装置および駐車場管理システムによれば、駐車券の使用枚数が減少されるため、駐車場管理者にとって駐車券の購入費用および補充工数の削減が可能となると共に、使用済み駐車券の排出量が減少し、使用済み駐車券の産業廃棄物としての廃棄費用が大幅に減少して、トータルでのランニングコストが減少することで、経営状態が改善され、利用料金のディスカウント等も可能となることで、駐車場利用者にとってもメリットがある。
【0023】
更に、従来は駐車場管理者側が行なっていたリライト駐車券の管理を、利用者自身が個人毎に行なうことが出来、複数回使い回しを行なった駐車券の劣化の度合いを利用者自身がで確認できることで、おのずと利用者は駐車券を大切に扱う様になり、再利用機会が増加して紙資源の有効利用が拡大する。さらに駐車場管理者側のランニングコストがアップすることも無い。
【0024】
また、使用済み駐車券の利用を、元々発行された駐車場以外の別の駐車場においても使用可能とすることで、利用者にとって再利用の機会が増加し、使用済み駐車券が廃棄される頻度が低下することで、紙資源の有効活用がさらに促進される。これは昨今の省エネを目指した国家戦略にも合致しているため、特に大型の施設に複数箇所に分かれて隣接された駐車場や、複数箇所の駐車場を運営する自治体管理の駐車場などの駐車場管理システムに実施して頗る好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る駐車券処理装置が実施された駐車場において使用される駐車券の表面図であって、(1)は発行前、(2)は入場時、(3)は事前精算時の各状態を示したものである。
【図2】本発明で使用される駐車券発行機の一例を示したブロック図。
【図3】本発明で使用される出口精算機の一例を示したブロック図。
【図4】本発明で使用される駐車券発行機の動作フロー図。
【図5】本発明で使用される出口精算機の動作フロー図。
【図6】本発明に係る駐車券処理装置の構成図で、(1)は駐車券挿入前の状態を示し、(2)は駐車券挿入時の状態を示す。
【図7】本発明に係る駐車券処理装置の駐車券排出時の状態を示した構成図。
【図8】本発明に係る駐車券処理装置のシャッター機構部の構成を説明した斜視図。
【図9】本発明に係る駐車券処理装置の構成を説明した断面図であって、(1)は駐車券挿入前の状態を示し、(2)は駐車券挿入時の状態を示し、(3)は駐車券排出時の状態を示す。
【図10】本発明に係る駐車券処理装置のブロック図。
【図11】本発明における駐車券の再利用の手順を説明したフローチャート。
【図12】本発明に係る駐車場管理システムの構成図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
<駐車券>
以下に、本発明に係る駐車場管理システムの実施の形態を図面と共に説明すると、図1は本発明に係る駐車券処理装置が実施された駐車場にて使用される駐車券の一例を示した外観図であって、図1の(1)は発行前の駐車券Tの状態を示した表面図、(2)は入場時の駐車券のT状態を示した表面図、(3)は事前精算時の駐車券Tの状態を示した表面図である。
【0027】
図1(1)において、駐車券Tの表面には電磁的記録機能を実行する手段として磁気ストライプTSが設けられている。磁気ストライプTSは磁気インキを駐車券Tの表面に塗布したタイプでも良いし、磁気テープを貼り付けたタイプであっても良い。また駐車券Tの表面には、予めこの駐車券Tが発行される駐車場の名称TNや、駐車券Tの使用に関しての注意事項などが印刷されている。なお、後述するメタモインキによる印字と区別するため、ここでは予め印刷された印刷・印字状態を普通印刷TAと称することにし、まず図1(1)では普通印刷TAのみがおこなわれた状態を示している。
【0028】
図1(2)は、駐車場入場の際に駐車券発行機1(図2参照)が発行した駐車券Tの状態を示している。発行前の駐車券Tにあった余白部TWの上部側には入場情報THが印字され、入場情報THとしては、例えば、駐車場番号(A20)、券番号(1251)、入場年月日(10/09/05)、入場時刻(12:35)などが印字される。なお、この印字状態は前述の普通印刷TAではなく、後述するメタモインキによる印字である。
【0029】
図1(3)は、駐車場を出場する前に、事前精算した際に事前精算機(図示省略)が一旦受け付けてから発行した駐車券Tの状態を示している。余白部TWの下部側には精算情報KSが印字され、精算情報KSとしては精算機番号(05)、精算年月日(10/09/05)、精算時刻(18:20)、精算金額(YEN600)などが印字される。なお、この印字状態も前述の普通印刷TAではなく、後述するメタモインキによる印字である。
【0030】
これらの駐車券Tには、予め「この駐車券は再利用可能で・・・」と普通印刷TAで表示されており、この駐車券Tを図3に示す出口精算機10に挿入すると、すでに事前精算済であって精算時刻からの経過時間が規定時間以内であれば、この駐車券Tのメタモインキで印字された入場情報THや精算情報KSが消去され、且つ、磁気ストライプTSには再利用駐車券であることが記録され、さらに印字された入場情報THや精算情報KSが消去されたことを示すフラグや再利用回数を示す情報等が適宜記録されて、図1(1)に示す発行前と外観上は変わらない再利用駐車券として利用者に対して発行され、利用者がそれを保管して次回再利用できるようになっている。もちろん使用回数に関してはインクリメントした数を書き換え印字して表示しても良い。これは例えば使用回数の最大を10回と決めた様な運用時には好適である。
【0031】
なお、再利用駐車券ではなく、料金割引券として利用者に利用可能に発行する場合にも、前述の様に、メタモインキで印字された入場情報THや精算情報KSが消去され、且つ、磁気ストライプTSには再利用の割引券であることが記録され、さらに印字された入場情報や精算情報が消去されたことを示すフラグが記録される。
【0032】
<メタモインキ>
本発明で使用するメタモインキとは、発色剤(ロイコ染料)と顕色剤と変色温度調整剤との組み合わせにより生成され、消色温度や再発色温度を様々な温度に調整することができるインキである。メタモインキは近年ではメタモカラー(パイロット株式会社の登録商標)などが有名であり、特に昨今では例えばフリクションボール(株式会社パイロットコーポレーションの登録商標)が広く普及している。このフリクションボールで使用されているメタモインキは60度C以上の熱で消色して透明化し、復色させるためにはマイナス20度Cまで冷やす必要があるという特長を有している。
【0033】
この様な仕様のメタモインキを利用して、駐車場の駐車券Tに印字をおこなう印字機構に使用されるインキリボンに、当該メタモインキを含浸させ、そのインキリボンの一部を前記駐車券Tに対向させて配置して、当該インキリボンの駐車券Tに対向しない面側より複数のドットヘッドピンを選択的に紙面方向に押圧させて、インキリボンに含浸させたメタモインキを、駐車券Tの紙面に転写させて視認可能な文字や記号等を印字するドットヘッド式印字機能を搭載した駐車券処理装置を駐車券発行機1(図2参照)や、事前精算機11(図3参照)や、出口精算機10(図3参照)に使用して、本発明の実施例としての駐車場管理システムPK(図12参照)が構成されている。
【0034】
<駐車場構成>
本発明の実施形態における駐車場は、図12に示すように入場車路および出場車路を有している。すなわち駐車場2には、駐車エリアとは別に、駐車場入口の入場車路と、駐車場出口の出場車路とがそれぞれ設けられている。この入場車路には図12に示す第1のループコイル9A、第2のループコイル9Bおよびアイランドが設けられている。車両の進行方向を基準に入場車路の右側に位置するアイランド上には、前述した駐車券発行機1、ゲートバーを有するゲート開閉機8Aが設置されている。第1のループコイル9Aは、駐車券発行機1とケーブル等を介して接続されており、車両の金属部分を検知することにより、第1のループコイル9A上に車両が存在していることを示す検知信号を駐車券発行機1に出力する。第2のループコイル9Bも駐車券発行機1とケーブル等を介して接続されており、第1のループコイル9Aと同様に動作する。
【0035】
駐車券発行機1は、第1のループコイル9Aおよび第2のループコイル9Bからの検知信号に基づいて、入場車路に車両が進入したこと、および入場車路を車両が通過しきったことを検知することができる。また、駐車券発行機1は、ゲート開閉機8Aとケーブル等を介して接続されており、ゲート開閉機8Aにゲート開信号およびゲート閉信号を出力することにより、ゲートバー8Bの上げ下げを制御する。
【0036】
一方、出場車路にも、入場車路と同様、第1のループコイル28A、第2のループコイル28Bおよびアイランドが設けられ、右側のアイランド上には、ゲートバーを有するゲート開閉機27、および、図3に示す構成の出口精算機10が設置されている。出口精算機10は、上述した駐車券発行機1と同様に、第1のループコイル28Aおよび第2のループコイル28Bとそれぞれ接続されており、第1のループコイル28Aおよび第2のループコイル28Bからの検知信号に基づいて、出場車路に車両が進入したこと、および出場車路を車両が通過しきったことを検知する。この出口精算機10は、ゲート開閉機27とケーブル等を介して接続されており、ゲート開閉機27にゲート開信号およびゲート閉信号を出力することにより、ゲートバー27Bの上げ下げを制御する。
【0037】
また、駐車場2内の一角には、図3に示す構成の事前精算機11が設置されている。事前精算機11はケーブル等を介して各駐車場管理装置(駐車券発行機1、出口精算機10)に接続されている。事前精算機11は駐車場2内や駐車場外の様々な箇所に複数台設置されていることが多く、利用者が駐車場2から出場する前に事前精算機11において料金精算を済ませておけば、出口精算機10にはその駐車券を挿入して情報を読み込ませ、事前精算済であり、且つ、精算時刻から規定時間以上経過していないことを条件に、追加の料金精算なしで駐車場より出場することができる。これによって出口精算機10で料金を支払うために時間を掛けてしまう利用者の後続で、何台もの車両が精算待ちで並んでしまう出口渋滞の発生を抑制する効果がある。なお、以上の駐車場構成例において、大量に車両が入出場する駐車場であれば、さらに入場出場とも複数の車路を設ける構成であっても良い。また、出口精算機10の代わりに料金精算機能を持たない出口読取機を設けても良い。
【0038】
<駐車券発行機の構成>
図2は本発明に係る駐車場管理システムで用いる駐車券発行機1のブロック図である。図2に示すように、駐車券発行機1は、バス1Cを介して相互に接続されたCPU(Central
Processing
Unit)1Aおよびメモリ1Bを有し、CPU1Aおよびメモリ1Bはバス1Cとインターフェース1Dを介して駐車券処理装置30、駐車券発行釦4、設定器5、車両センサ9、I/O信号端子(入出力端子)8、表示器3、スピーカ6、外部通信部7等と接続されている。また車両センサ9は、前述した第1・第2のループコイル9A・9Bにそれぞれ接続されており、CPU1Aは、上述したようにこれらの車両センサ9と協働して、ループコイル9A・9Bから出力される高周波信号の変化から、駐車券発行機1の周辺の車両の通過状態を認識する。また、本発明の実施形態においては、外部通信部7が駐車場構内の通信回線7Aに接続されている。そして、I/O信号端子8を介してゲート開閉機8Aが接続されて、駐車券発行機1の動作状態と車両センサ9の検出結果に基づいてゲート開閉機8Aを制御する。具体的な制御動作については後述する。
【0039】
<出口精算機の構成の説明>
図3は本発明に係る駐車場管理システムの出口精算機10のブロック図であり、事前精算機11のブロック図も併記している。図3に示す様に出口精算機10は、CPU10A、メモリ10B、バス10C、インターフェイス10Dを備えており、更に、駐車券処理装置30、表示器12、設定器16、車両センサ25B、I/O信号端子(入出力端子)25A、取消釦13、領収証発行釦14、インターホン17、領収証プリンタ19、硬貨識別装置20、硬貨払出装置21、紙幣読取装置22、スピーカ23、ドア開センサ15、外部通信部24等を備えている。また車両センサ25Bは、第1・第2のループコイル28A・28Bにそれぞれ接続されており、CPU10Aは、上述したように、これらの車両センサ25Bと協働し、ループコイル28A・28Bから出力される高周波信号の変化から、出口精算機10の周辺の車両の通過状態を認識する。また、本発明の実施形態においては、外部通信部24が構内の通信回線26に接続されている。そして、I/O信号端子25Aを介してゲート開閉機27が接続されていて、出口精算機10の利用者による操作状態および車両センサ25Bの検出結果に基づいて、ゲート開閉機27を制御する。具体的な制御動作については後述する。
【0040】
<事前精算機の構成の説明>
さらに図3において、それぞれ二点鎖線で示した部分18と25は、事前精算機11での差異を示しており、事前精算機11では前述の出口精算機10の構成に加えて、精算開始釦18Aと人感センサ18Bが搭載されている。また事前精算機では前述の出口精算機10の構成に比べて、I/O信号端子25A、車両センサ25Bは搭載されていない。この様な事前精算機11は、例えば、駐車場2内において、利用者用の通路やエレベータホールなどに複数台設置されている。またこの場合CPU10Aは、人感センサ18Bにより事前精算機11の周辺の利用者の有無を認識するか、精算開始釦18Aの押下によって精算動作を開始する様にプログラムされている。
【0041】
<入場車路の動作>
図4は駐車場の入場車路に設置された駐車券発行機1における処理を説明したフローチャートである。図4において、駐車券発行機1は第1のループコイル9Aからの検知信号が駐車券発行機1に入力されたか否かを監視している(ステップS1)。車両が入場車路に進入し、車両のフロント部が第1のループコイル9A上に位置すると、第1のループコイル9Aからの高周波信号の変化を駐車券発行機1の車両センサ9が検知する(以下、ループからの検知信号入力とする)。第1のループコイル9Aからの検知信号が入力されたとき、駐車券発行機1はスピーカ6から「釦を押して駐車券をおとり下さい、定期券または再利用券をお持ちの方は挿入口にお入れ下さい」などの音声ガイドを出力し、同時に表示器3に文字やアニメーションでその旨を表示出力する(ステップS2)。続いて、当該車両のドライバにより駐車券発行釦4が押下された場合には(ステップS3:YES)、駐車券発行機1は駐車券Tを発行する(ステップS4)。
【0042】
一方、当該車両のドライバが発行釦4を押下するのではなく、定期券を駐車券発行機1に挿入した場合には(ステップS3:NO、ステップS9:YES)、駐車券発行機1はその定期券を読み取り、所定の処理(有効日付の確認等)を行った後、この定期券を駐車券発行機1の挿入口(図示せず)へ返却する(ステップS12)。続いて、当該車両のドライバにより駐車券Tまたは定期券が駐車券発行機1から抜き取られたとき(ステップS5:YES)、駐車券発行機1はゲート開信号をゲート開閉機8Aに出力し、図示しないゲートバーを上げる(ステップS6)。当該車両が入場車路を駐車場エリアに向けて通過する間、第2のループコイル9Bからの検知信号が駐車券発行機1に一旦入力され(ONになり)、その後入力がなくなる(OFFになる)。駐車券発行機1は、このような第2のループコイル9Bからの検知信号の入力パターンを検出したとき、当該車両が入場車路を通過しきったと判断する(ステップS7)。そして、駐車券発行機1はゲート閉信号をゲート開閉機8Aに出力し、ゲートバーを下げる(ステップS8)。
【0043】
本発明の実施形態の特徴として、当該車両のドライバが駐車券発行釦4を押下するのではなく、かつ、定期券を駐車券発行機1に挿入せずに後述する再利用券を挿入した場合(ステップS9:NO、ステップS10:YESの場合)、駐車券発行機1はその再利用券を読み取り、所定の処理(入場データに書き換え等)を行った後、この再利用券を駐車券発行機1の挿入口へ再発行する(ステップS11)。この再利用券挿入動作に使用できる券は、以前この駐車場か、若しくは他の駐車場で再利用券として返却された駐車券である。そして前述の抜取り動作(ステップS5:YES)以降は同様な動作を行なう。
【0044】
この際に駐車券発行釦4を押下して発行された駐車券Tが、図1(1)に示す状態から同図(2)に示す状態に駐車券発行機1の内部の駐車券処理装置30(後述する)で印字されたものであり、その駐車券処理装置30に搭載された印字手段には前述のメタモインキを含浸させたインキリボンが使用され、その旨を磁気ストライプTS上にも入場情報とともに印字状態フラグとして記録されている。即ち、当該駐車券Tに印字された入場情報THは、後で消去可能なものかどうかが記録されている。
【0045】
なお、この印字状態フラグが記録されていれば、消去可能な駐車券であり、印字状態フラグが記録されていなければ消去不可能な駐車券とし、印字状態によって次回再利用時に追記できるかどうかが判定できるようになっている。即ち、本発明の機能を有さないで再利用券として発行された消去できない印字状態の駐車券であっても、少なくとも電磁的記録情報の書き換えによっては、再利用が可能になるように構成されている。
【0046】
さらに、本発明の駐車場管理システムPKの実施例では、入場車路において使用される駐車券発行機1の内部に搭載された駐車券処理装置2には、前述の通りメタモインキを含浸させたインキリボンを使用しているが、他の後述する印字消去機能は搭載せず、駐車場内に設置される事前精算機にも印字消去機能は搭載せず、出場車路において使用される出口精算機10にのみ印字消去機能が搭載されている。
【0047】
<出場車路の動作>
図5は出場車路に設置された出口精算機10(図3参照)における処理を示すフローチャートである。図5において、出口精算機10は第1のループコイル28Aからの検知信号が出口精算機10に入力されたか否かを監視している(ステップS21)。車両が出場車路に進入し、車両の車体が第1のループコイル28A上に位置すると、第1のループコイル28Aからの検知信号が入力され、出口精算機10は「駐車券入れて精算して下さい」などの音声ガイドをスピーカ23から出力し、同時に表示器12に文字やアニメーションでその旨を表示出力する(ステップS22)。駐車券Tが挿入され(ステップS23:YES)続いて、料金精算処理が終了した場合には(ステップS24)、出口精算機10は駐車券を再利用券として適宜情報を上書きした後、再利用券(再利用駐車券)として発行する(ステップS25)。
【0048】
一方、駐車券Tではなく定期券を出口精算機10に挿入した場合には(ステップS23:NO、ステップS30:YESの場合)、出口精算機10はその定期券を読み取り、所定の処理(有効日付の確認等)を行った後、この定期券を出口精算機10の挿入口(図示せず)へ返却する(ステップS31)。続いて、再利用券または定期券が出口精算機10から抜き取られたとき(ステップS26:YES)、出口精算機10はゲート開信号をゲート開閉機27に出力し、ゲートバー27Bを上げる(ステップS27)。その後当該車両が出場車路を外部に向けて通過する間、第2のループコイル28Bからの検知信号が出口精算機10に一旦入力され(ONになり)、その後入力がなくなる(OFFになる)。出口精算機10は、このような第2のループコイル28Bからの検知信号の入力パターンを検出したとき、当該車両が出場車路を通過しきったと判断する(ステップS28)。そして、出口精算機10はゲート閉信号をゲート開閉機27に出力し、ゲートバー27Bを下げる(ステップS29)。
【0049】
ここで、本発明の実施形態の特徴として、利用者が駐車券Tを挿入した場合(ステップS23:YES)、出口精算機10はそれを再利用券として、所定の処理(駐車券のIDを再利用券のIDに書き換える、また、利用回数をインクリメントする等、詳細は後述する)を行ない、さらに図1(3)に示した様に印字されている駐車券Tの印字情報TH,KSを後述する本発明の技術によって消去(消色)して、この再利用券を出口精算機10の挿入口へ返却する。この再利用券発行動作は、今回始めてこの駐車場に入場して駐車券Tを使用した場合と、すでにこの駐車場や他の駐車場で再利用券として返却された駐車券Tを利用して入場した場合にも実行される。
【0050】
<事前精算機の動作>
図5に示す動作フローチャートには単独では図示していないが、事前精算機11では、利用者が事前精算機11に近づくと、図3に示した人感センサー18Bが利用者を検知して駐車券Tの挿入可能な状態となるか、若しくは、利用者が精算開始釦18Aを押下したことで駐車券Tの挿入可能な状態となる。また、動作フローチャートでは、図5のステップS22からステップS26までの動作が行なわれる。なお、事前精算機11では定期券は受付けしない。
【0051】
<駐車券処理装置>
上記の出口精算機の場合での、前述の図5のフローチャートでのステップS22からステップS26に係る動作を、図6、図7の駐車券処理装置30の動作で説明すると、図6(1)ではまだ駐車券Tを挿入する前であり、駐車券処理装置30の最も手前側で出口精算機10の筐体10Xとの接続部には、挿入口31が形成されている。またその挿入口31は通常はプラスチックで駐車券Tや定期券の挿入をガイドする様に傾斜状の導入路を有しながら、挿入口マウス31Xの内側に形成され、且つ、その内端部31Yは駐車券処理装置30の内部に突出して、カードガイドの入口部を構成している。また、駐車券処理装置30は出口精算機10の内部に固定されている棚板10Yの上の所定の位置に載置固定されている。
【0052】
挿入口マウス31Xと駐車券処理装置30の搬送路32との間には、符号33で全体的に示したシャッタが設けられている。シャッタ33は通常は車両の検出が成されずに、出口精算機10をスタンバイ状態で低消費電力状態で必要最低限の動作のみ行わせる時に、駐車券Tを挿入口マウス31Xの挿入口31に挿入されない様にするために設けられている。また、シャッタ33は屋外に設置された出口精算機10の場合には、降雨が挿入口31を通して出口精算機10の筺体10Xの内部に進入してしまうことを防止するという役目も備えている。さらにシャッタ33はその様に屋外の環境と筺体10Xの内部との連通状態を遮断したり開放したりするために開閉動作可能に造られている。
【0053】
加えて、シャッタ33には図6(1)に示す閉状態において、屋外の環境と機器内部30Xの雰囲気との相違によって、シャッタ33の表面が結露しないように、シャッタ33に接触する状態でヒータ39が設けられている。これにより、シャッタ33は常時加熱されているため、屋外の環境がたとえ30度C以上の高温であっても、若しくは降雪するような氷点下の状態であっても、常に一定の温度に加熱されているために、結露や凍結を防止することができる。通常は筺体10Xの内部の雰囲気温度は、最大でも55度C程度であるから、シャッタ33の表面温度を80度C程度に加熱する様なヒータ39が設けられている。
【0054】
図6(1)は前述のシャッタ33が挿入口31を内部から塞いだ閉状態の図であり、この状態で仮に駐車券Tを挿入しようとしても、シャッタ33が挿入口マウス31Xの連通口を完全に遮蔽しているため、挿入することは出来ない構成となっている。通常は、図6(1)のように利用者が駐車券Tを挿入しようして、駐車券Tを挿入口31近傍まで持ってきているにも関わらず、シャッタ33が閉状態にあるという条件は無い。ただし、後述するが、一旦駐車券Tを挿入し、その後のサービス券受付状態に成る前には、(1)の様に、駐車券Tも含めて他の券媒体を挿入しないように、シャッタ33が閉状態になることはある。なお、シャッタ33は挿入口マウス31Xを遮蔽する垂直の立ち上げ部33Xと、長手方向に伸びた水平部33Tで主に形成され、水平部33Tの立ち上げ部33X寄りの上面部には、前述したヒータ39が一体的に固定されている。
【0055】
図6(2)は前述のシャッタ33が開状態にあり、挿入口マウス31Xから駐車券Tが挿入可能な状態を示している。また、図6(2)ではすでに駐車券Tが挿入された結果、一旦駐車券Tが搬送路32から上側に分岐した保留路32Bにて保留された状態も示している。即ち、駐車券Tは挿入位置31から保留路32Bまで、駐車券処理装置30の搬送路32を走行して移動する事ができる。
【0056】
駐車券Tの挿入の過程では、まず挿入口マウス31Xから挿入された駐車券Tの先端部(奥側)が、前記挿入口マウス31Xの内端部31Yにガイドされて、手前側の第1の搬送用ローラ37Aと搬送用プーリ37P1に挟持されるまで挿入し、さらに押し込むことでこれら第1の搬送用ローラ37Aと搬送用プーリ37P1を回転させつつ、駐車券Tが搬送路32にガイドされて奥に挿入され、その駐車券Tによって手前の第1センサ34Aの発光受光位置を遮ったことを当該センサ34Aが感知した場合、搬送用モータ37Mが起動して搬送用ローラ37Aが回転するため、他の搬送用ローラ37B,37Cに掛け渡した搬送用ベルト38によってこれらの各ローラが同期回転作動されて、順次各搬送用プーリとの挟持を受け渡しながら駐車券Tが引き込まれる。
【0057】
駐車券Tが引き込まれると、最初に磁気ヘッド部35によって駐車券Tの磁気ストライプTSの情報が読取られる。読取った結果、一旦保留すべき駐車券Tであると図10に示した駐車券処理装置30のCPU52が判断した場合には、後部側の分岐ソレノイド43に電圧が印加され、そのアクチュエータが吸引されると、分岐レバー42が図6(2)の様に左斜め下を向いて傾斜するように回動して停止する。そこを駐車券Tの先端部が差し掛かると、分岐レバー42にガイドされて駐車券Tは保留路32B側に導かれる。保留路32Bの最後部の保留位置センサ34Dによって当該駐車券Tが感知されると、搬送モータ37Mおよび後部搬送用モータ44Mは停止する。
【0058】
駐車券Tが保留路32Bにおいて停止した状態で一旦シャッタ33を図6(1)に示した閉状態に移行させる。若しくは、駐車券Tが挿入されてセンサ34Aによって駐車券Tが完全に搬送路32の内部に取り込まれたことを検出した段階で、すぐにシャッタ33を閉状態に移行させても良いが、本発明の実施例では、少なくとも磁気ヘッド35によって磁気ストライプTSの情報が読取られれば、シャッタ33を閉状態に移行させるように構成されていて、それまではシャッタ33は開状態としている。
【0059】
駐車場の運用状態にもよるが、駐車券T以外に駐車料金の精算に使用できる券媒体が使用できる場合、例えばサービス券で駐車料金の支払いが出来るとか、若しくはクレジットカードでの精算が出来るとかの機能があれば、その旨案内し、例えば「料金精算はサービス券やクレジットカードでもおこなえます」などを、前述したスピーカ23にて音声出力したり、さらに表示器12にその旨を表示させて、再度シャッタ33を開状態に移行させるが、それらの券媒体を使用せずに、現金でのみ精算を可能とする運用であれば、シャッタ33は閉状態のままとし、その後料金精算が終了するまでは、保留路32Bにおいて駐車券Tを保留にしておく。
【0060】
精算が完了した後に、駐車券Tを再利用券として返却するにあたっては、保留路32Bに停止していた駐車券Tに対して、図示しない加熱付与手段によって印字情報の書かれている箇所を加熱し、この加熱がメタモインキの消色温度に達すると、印字情報が透明化し、外観上は印字が消去された状態となる。これを再度後部搬送モータ44Mや搬送用モータ37Mを逆転駆動し、且つ、シャッタ33を開状態に保持し、さらに逆方向に駐車券Tを排出する動作で磁気ヘッド部35を通過する際には、磁気情報を適宜上書きして駐車券Tをそのまま挿入口マウス31Xより排出させ、まだセンサ34Aが駐車券Tの存在を感知している位置で搬送モータ37Mの逆転を停止させておく。その後利用者が駐車券Tを引き抜くことで、センサ34Aが駐車券Tの引き抜きを感知して、前述の図5のステップS26の券抜き取り状態の検出がなされる。
【0061】
以上の様に構成した駐車券処理装置30によれば、駐車券Tにメタモインキで入場情報を印字しておいたところに、所望の加熱状態を付与することにより、印字された入場情報を容易に消去することが可能となる。これにより駐車券Tを一度だけ使用しただけでは廃棄せずに、再度駐車券Tとして使用出来るため、使用済み駐車券の排出量が減少し、駐車場管理者にとっては通常の焼却ゴミとしては廃棄出来ずに掛かっていた産業廃棄物としての廃棄費用が大幅に減少し、ランニングコストが改善されることで経営状態が好転し、利用料金のディスカウント等も可能となることで、駐車場利用者にとってもメリットがある。
【0062】
ただし、前述の通り保留路32Bにある駐車券Tに何らかの加熱状態を付与するためには、その位置に例えばヒータを設置し、そのヒータが保留路32Bにある駐車券Tに対して当接したり乖離したりを選択的に切替可能なように、別途ソレノイドやレバー機構などが必要となる。本発明ではさらにこれらの追加されるべきソレノイドやレバー機構は用いずに、従来の駐車券処理装置の構成を若干変更するだけで、駐車券Tにメタモインキで入場情報を印字しておいたところに、所望の加熱状態を付与することにより、印字された入場情報を容易に消去するを実現することを別の目的としている。
【0063】
そのために、図7(3)に示す通り、駐車券Tの排出時において、搬送路32の手前の位置で一旦駐車券Tを停止させ、そこにシャッタ33の水平部33Tの底面を当接させ、シャッタ33上に一体的に固定したヒータ39の熱を効率よく駐車券Tの加熱手段として利用することで、駐車券T上のメタモインキで印字された入場情報THやKSを容易に消去することを実現している。
【0064】
尚、図6(1),(2)と図7(3)において、44A,44B,44C,44Dは前述した保留路32Bと後部搬送路32Cに設けた搬送用ローラで、これ等各ローラは前述した後部搬送用モータ44Mによって、搬送用ベルト45を介して連動回転される仕組みに成っている。
【0065】
図8に具体的に本発明の実施例に係る駐車券処理装置30の、特に符号50で全体的に示したシャッタ機構部の構成を示す。図8は前述した出口精算機10に搭載された本発明に係る駐車券処理装置30を出口精算機10の筺体10Xの内部より見た状態で示している。挿入口マウス31の内端部31Yの内部には、垂直方向にシャッタ33の立ち上げ部33Xが挿入されており、それによりシャッタ33は上下動は可能であるが、前後方向には移動不可に規制されている。また水平部33Tの前寄りにはヒータ39が載置され、ヒータ39と水平部33Tとは密着して一体的に固定される様に、例えばシリコングリスなどを介して重ね合わされ、別途押さえ込まれて一体化されている。また水平部33Tには4箇所の垂直上方向の立ち上げ部33G…があり、各立ち上げ部33G…にはカム溝33H…が夫々形成されている。
【0066】
また、前記シャッタ33の周辺部分には、シャッタブラケット33Aが出口精算機10の筺体10Xの内部側面に固定され、このシャッタブラケット33Aに略L字状に連設した水平板33Zの一側に連設された載置板33Hの板面上に、シャッタソレノイド32Sが固定され、更に、上記水平板33Zの板面上の中央には2本の縦ピン33E,33Eが、前後方向(駐車券Tの挿入方向)に間隔をあけて突出形成されている。
【0067】
さらにそれ等の縦ピン33E,33Eをスライド自在に嵌合する2本のガイド長孔33S,33Sを設けたスライダ34が、上記シャッタブラケット33Aの水平板33Z上にスライド自在に取付けられ、加えて、上記のスライダ34には合計4箇所の垂直な立ち下がり曲げ部34A…(図9参照)が下向きに垂設されていて、前述のシャッタ33の水平部33Tに設けた計4本の立ち上げ部33G…と、これ等4箇所の垂直な立ち下がり曲げ部34A…とが、夫々対向して隣接するように構成されている。
【0068】
そして、上記下がり曲げ部34A…の外側面には、夫々横ピン34T…が横方向に突出するように設けられ、これ等の横ピン34T…が上記の各立ち上げ部33G…に設けた各カム溝34H…に嵌合している。また、上記のスライダ34は、スプリング33Wによって常時手前側(駐車券排出方向)に牽引されているが、シャッタソレノイド32Sに電圧を印加した場合には、そのスプリング33Wの力に打ちかってスライダ34を奥側(駐車券挿入方向)に移動させることが出来る仕組みになっている。
【0069】
図9には上述したシャッタ機構部50をさらに拡大して断面方向より示しており、図9(1)は駐車券Tの挿入前で、シャッタ33が閉状態にあるときを示している。この際にはシャッタソレノイド32Sには電圧は印加されておらず、スライダ34はスプリング33Wに牽引されて最も手前側(図9では紙面左側)に移動している。スライダ34の各立ち下り曲げ部34A…に形成された各横ピン34T…は、シャッタ33の各立ち上げ部33G…に設けたカム部33H…に対して当接しない位置にあり、且つ、シャッタ33は自重で最も下降した位置にある。当然シャッタ33の先端の挿入口マウス31Xとの係合部は、前述した立ち上げ部33Xが挿入口31の連通口を完全に遮断している。
【0070】
図9(2)は、シャッタ33が開状態にあり、シャッタソレノイド32Sには電圧が印加されてアクチュエータ32Rが吸引状態にあり、それによってスライダ34が奥側に移動し、その結果、スライダ34の各立ち下り曲げ部34A…に形成された横ピン34T…は、シャッタ33の各カム部溝33H…を押し上げる様に当接した位置になり、それによってシャッタ33が全体的に上昇位置に移動して停止することになる。ここまでで、シャッタ33の水平部33Tにあるヒータ39は常に加熱状態であるが、図9(2)の位置にシャッタ33が移動した状態では、ヒータ39によって加熱されたシャッタ33と駐車券Tの表面には少なくとも数ミリ程度の隙間が確保され、それによって通過する駐車券T上の印字情報を消去してしまうことは無い。
【0071】
図9(3)はシャッタ33が閉状態にあるが、駐車券Tがそのシャッタ33の水平部33Tに重なる位置に移動してきた状態を示している。即ち一旦シャッタ33が開状態に移行して駐車券Tを引き込み、少なくとも磁気情報を磁気ヘッド部35によって読取ったあとで、シャッタソレノイド32Sの印加を停止することでシャッタ33が下降するが、そのままの状態でも駐車券Tが搬送モータ37Mの逆転によって移動してきた場合には、駐車券Tによってシャッタ33は押し上げられる。シャッタ33の下降動作に際しては適正な加圧力を駐車券Tに与えるために、別途加圧用のスプリングなどを設け、常時シャッタ33を下降方向に付勢しておいても良い。
【0072】
その結果、所定の位置で駐車券Tを停止させ、且つ、シャッタ33上のヒータ39は常時加熱状態にあることで、数秒間、おおよそ1秒程度その位置で停止させることで、メタモインキの消色温度に達して印字情報を透明化することが出来る。もちろん、一旦シャッタ33を開状態にして、所定位置まで駐車券Tを移動させた後、シャッタ33を再度下げてシャッタ水平部33Tを駐車券Tの表面に当接させ、印字を消去するように動作させても良い。
【0073】
いずれにせよ、駐車券Tの挿入口31から磁気ヘッド35までの搬送経路32の間の搬送経路途中位置の範囲内において、上記のシャッタ33の水平部33Tを駐車券Tの印字情報の位置近傍に当接させるか加圧させることで、メタモインキで印字された印字を消去させることが本発明の特徴である。駐車券Tに当接させる加圧部分を搬送方向に狭くして突出させ、駐車券Tを排出方向に低速で、若しくはあるステップづつ送って搬送させながら消去させることも当然考えられており、その様な構成であれば印字文字方向が駐車券の長手方向とは直角に印字する方式の印字手段の駐車券処理雄地30において実施する場合に好適である。
【0074】
なお、本発明に使用するヒータ39としてはリボンヒータやフィルムヒータやシリコンラバーヒータと呼ばれる比較的薄型で所望の幅と長さに形成させて使用できるタイプのヒータが好適である。さらにヒータ温度管理が可能な様にサーモスタットが設けられ、例えば80度CでON、100度CでOFFといった簡易的な温度制御をするのが望ましい。また、実施例においてはシャッタ33の水平部33Tの上側にヒータ39を載置して固定したが、下側に前述のシリコンラバーヒータを貼り付けるといった構成も容易に実施可能である。
【0075】
図10は本発明の実施例に係る駐車券処理装置30のブロック図を示す。また、二点鎖線で示した部分は、駐車券発行機1においてのみ用いられる。別途図示しないファンフォールド式に収納された未使用駐車券の供給機構部の構成ブロックであるが、出口精算機10や事前精算機11に搭載される場合の駐車券処理装置30においては、この構成部材は搭載されない。
【0076】
図10において、第1センサ34Aは、図6及び図7に示した搬送路32において、手前側(左側)搬送路にある駐車券Tの挿入を検出するセンサであり、第2センサ34Bは奥側搬送路32Aとの境界近傍にあって磁気ヘッド35の書込みのタイミングを計るセンサであり、第3のセンサ34Cは印字ヘッド40の近傍に配置されていて、駐車券Tの排出方向での移動に際して、印字するタイミングを計るためのセンサであり、第4のセンサ34Dは駐車券保留経路32Bにある駐車券Tの保留位置を検出するセンサである。なお、第2のセンサ34Bは駐車券発行機1において別途未使用駐車券が供給機構から供給された場合に、カッタ(図示省略)を作動させるタイミングを計ることにも使用されている。
【0077】
なお、図10に示した駐車券処理装置30のブロック図において、51はメモリ、52はCPU、53はこれ等メモリ51及びCPU52とインターフェイス54の間を結ぶバスであって、このインターフェイス54には、上述した第1〜第4のセンサ34A〜34Dに加えて、前述した搬送用モータ37Mとその回転センサ37S、後部搬送用モータ44Mとその回転センサ44S、前記磁気ヘッド部35のリード/ライト制御回路58、前記印字ヘッド40用の制御回路59、前記分岐ソレノイド43用の制御回路60、前記シャッタソレノイド32S用の制御回路32H、前記ヒータ39の制御回路39Hに加えて、前記駐車券発行機1にのみ搭載される駐車券供給モータ55と、駐車券供給センサ56、及び、カッタソレノイド制御回路57が接続されていて、夫々がCPU52の監視下でメモリ51のプログラムに従って制御作動される仕組みに成っている。
【0078】
図11は再利用券の発行時のサブルーチンフローを示し、この前段階として利用者が出口料金精算機10に挿入した駐車券Tが保留位置で停止している状態までがすでに実行されており、ここでは精算動作が完了した後の動作を示している。また、このときにはすでにシャッタ33は閉じて(OFF)おり、搬送モータ37Mは停止している。さらに分岐ソレノイド43もON(吸引)して分岐レバー42が斜め傾斜状態を維持している。
【0079】
まずステップS41でシャッタソレノイド32SがONし(シャッタ33開)、ステップS42で搬送用モータ37Mと後部搬送用モータ44Mが同期しながら逆転(駐車券排出方向回転)する。ステップS43で第2センサ34Bが一旦ONしてからOFFするまでが監視され、OFFしたタイミングでステップS44で磁気ヘッド35による磁気消去若しくは上書きが開始される。その後ステップS45で第1センサ34AがONしたところで、ステップS46で搬送モータ37M,44M(両方とも)を停止させ、ステップS47でシャッタソレノイド32SをOFF(開放)する。これが図9(3)で示した状態である。
【0080】
ステップS48で予め設定した時間T秒間だけ待機するが、これはシャッタ33上にあるヒータ39の熱によって印字文字が消去(透明化)されるだけの時間であればよく、ほんの1秒程度で消去がなされるように、ヒータ39の温度が設定されている。ステップS48のT秒が経過すると、ステップS49でシャッタソレノイド32SがON(吸引)し、ステップS50で再度搬送モータ37M(搬送用モータのみで良い)が逆転ONし、ステップS51で搬送モータ37Mのセンサ(ロータリーエンコーダ)によるパルス数をカウントして駐車券Tの送り量を監視し、予め設定したパルス数がカウントされたところでステップS52に移行して搬送モータ37MをOFFして処理を終える。パルス数は一番手前の搬送用ローラ37Aに駐車券Tが挟まっている状態で、且つ、第1センサ34AがONした(駐車券Tにより透過光を遮蔽)状態で停止するように設定されている。
【0081】
その後は、前記図5のステップS26に移行して再発行された再利用駐車券Tの抜き取りを検出し、それ以降の動作へと移行していく。なお、前述の通り再利用回数を例えば10回と制限して11回目の精算の場合には、前記図11の動作はおこなわず、一旦モータ37Mを逆転して駐車券Tを待機位置より手前に戻し、再度モータ37M,44Mを正転させ、且つ、分岐ソレノイド43を開放しておけば、駐車券Tは搬送経路32の最奥部か32Cから図示しない料金精算機内部の廃棄駐車券ボックスに自動的に落下するようになる。
【0082】
なお、実施例において説明した駐車券Tは表面に文字等印字し、同様に表面に磁気ストライプを有していたが、表面に文字等印字して裏面には前面磁気印刷が施されている、鉄道の切符のような駐車券においても、同様に本発明での有効利用が可能である。
【0083】
また、実施例において説明したシャッタ33と水平部33Tは一体化されていたために、加熱状態においては若干シャッタ33が上昇位置に移動していたが、これらシャッタ33の立ち上げ部33Xと水平部33Tを分割しておき、連動して上下動作する様に分割しながら、効率良く加熱状態が伝導されるように前述の様にリボンヒータやフィルムヒータなどのフレキシブルなヒータ39を立ち上げ部33Xと水平部33Tの両方に渡らせて貼り付け固定するのも、本発明の実施例の応用例として有効であり、メタモインキの消去時にシャッタ33の立ち上げ部33Xを動かさないようにすることも容易である。
【0084】
上記に述べた本発明の実施形態は本発明の好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限りこれらの態様に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明に係る技術は、大型の施設に複数箇所に分かれて隣接された駐車場や、複数箇所の駐車場を運営する自治体管理の駐車場などに実施して利用される可能性が高いものであるが、本発明の用途がこれ等の駐車場のみに限定されないことは勿論である。
【符号の説明】
【0086】
T 駐車券
TS 磁気ストライプ
1 駐車券発行機
28A・9A 第1のループコイル
28B・9B 第2のループコイル
10 出口精算機
8A・27 ゲート開閉機
30 駐車券処理装置
41 メタモインキを含浸させたインキリボンを収めたインキリボンカセット
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車時間に応じて駐車料金を徴収する駐車場において、駐車場入場時に発行する駐車券を、駐車場退場時に精算するために使用した後にも有効に利用することで、使用済み駐車券の再利用を可能とし、使用済み駐車券が廃棄される頻度を減少させることが出来る、環境に配慮した駐車場管理システムを可能にする駐車券処理装置およびその駐車券処理装置を用いた駐車場管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、駐車場で発行される紙製の駐車券を様々な用途に有効利用するという試みがなされている。例えば、本出願人は特許文献1に記載とおり、駐車時に用いた駐車券を使用して駐車場を利用した顧客に対して、精算時に駐車券に割引条件を書込んだ上で返却し、この駐車券を再利用した場合には駐車料金の割引を行う駐車料金割引券発行機能を備えた駐車場管理装置を発明し、これを実施している。
【0003】
同様に本出願人は特許文献2に記載のとおり、入場管理機で駐車券としての時間貸券・定期券・回数券等を発券した後に、その駐車券を用いて料金精算機で駐車料金を精算し、かつ、料金精算機を用いて定期券、回数券の購入を可能にした駐車場管理システムを発明し、これを実施している。
【0004】
また、駐車場で用いた駐車券を回収して、何回も使い回しするリユース式駐車場システムも今までに多数提案されている。例えば特許文献3では、入庫時の情報を書き込んだ駐車券を発行する券発行部と、投入された駐車券の券データを読み取って精算を行う券受領部とを一体化した券処理部を設け、券発行部を車両の入庫側に、券受領部を出庫側に形成し、券処理部内には投入された駐車券に対してデータの消去や保管等のリサイクル処理を行なうリサイクル部を設けた駐車券処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3499423号公報
【特許文献2】特開2007−4505号公報
【特許文献3】特開平7−29040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載の駐車料金割引機能を備えた駐車場管理装置では、使用済み駐車券から割引券への転用が可能となるが、その割引券としての使用を終えた駐車券は、結局は廃棄される事になり、駐車券の廃棄を減少させて資源を有効活用しようというものではない。
【0007】
また、上記特許文献2に記載の駐車場管理システムでは、入場時には券種を指定せずに発行し、精算時に料金収受とともに他種類の券に書き換えるものであり、駐車券を自動的に発行しながらも様々な券種に転用できるという多機能性があるものの、やはり駐車券の廃棄の減少を狙ったものではない。
【0008】
さらに、上記特許文献3に記載の駐車券処理装置では、駐車券を逐次回収してリユースするため、入場時刻の印字部を消去して書換えできる様にサーマルリライト紙が用いられるが、サーマルヘッドや消去ヘッドを搭載した駐車券リーダライタは通常の紙製駐車券用印字ヘッドを有するリーダライタに比べて著しくコストアップし、さらにサーマルリライト紙そのもののコストアップもあって装置やシステム全体のイニシャルコストが過大になるという問題もある。
【0009】
そこで本発明の第1の技術的課題は、駐車場で発行された駐車券を有効利用して、駐車券の廃棄数を減少させ、紙資源の有効利用が可能で有意義な駐車場管理システムを提供し、さらに本発明の第2の技術的課題は、システム全体のイニシャルコストの上昇を抑えつつ、且つ、ランニングコストの上昇をも抑え、駐車券のリユースシステムの利点のみを導入して効率化した駐車場管理システムを提供するために使用可能なカード処理装置を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)上記技術的課題を解決するために、本発明の請求項1に係る駐車券処理装置は、駐車場入口に設置された駐車券発行機や駐車場出口に設置された出口精算機に使用され、駐車券の発行時に少なくとも入場時刻を含む入場情報を電磁的に記録する電磁的記録機能を有し、且つ、駐車券表面に視認可能に前記入場情報の全て若しくは一部を印字する印字手段を有した駐車券処理装置であって、
前記印字手段は印字用のインキを含浸させたインキリボンの一部を前記駐車券に対向させて配置して、当該インキリボンの駐車券に対向しない面側より複数のドットヘッドピンを選択的に紙面方向に押圧作動させることにより、インキリボンに含浸させたインキを駐車券の紙面に転写させて視認可能な文字や記号等を印字するためのドットヘッド式印字手段であり、且つ、前記インキリボンに含浸させたインキがメタモインキであることを特徴としている。
【0011】
(2)また、上記技術的課題を解決するために、本発明の請求項2に係る駐車券処理装置は、前記(1)に記載の駐車券処理装置であって、前記駐車券の挿入奥側の一旦挿入された駐車券を挿入方向に搬送させながら、前記入場情報を読み取った後に搬送を停止させる保留位置において、前記メタモインキで印字された文字や記号等のある駐車券表面部分に向かって、若しくは、文字や記号等が印字されている当該駐車券の裏面部側より加熱することによって、当該文字や記号等を消去することができる加熱消去手段が設けられていることを特徴としている。
【0012】
(3)また、上記技術的課題を解決するために、本発明の請求項3に係る駐車券処理装置は、前記(1)に記載の駐車券処理装置であって、前記駐車券の挿入口から前記電磁的記録機能を実現するための磁気ヘッドまでの搬送経路途中位置において、前記メタモインキで印字された文字や記号等のある駐車券表面部分に向かって、若しくは、当該文字や記号等が印字されている駐車券の裏面部分より加熱することによって、当該文字や記号等を消去することができる加熱消去手段が設けられていることを特徴としている。
【0013】
(4)また、上記技術的課題を解決するために、本発明の請求項4に係る駐車券処理装置は、前記(3)に記載した駐車券処理装置であって、前記駐車券の搬送経路途中位置において、前記メタモインキで印字した文字や記号等を加熱して消去するにあたり、駐車券挿入口の近傍に設けて開閉動作によって駐車券挿入口の連通と閉塞を切替えて駐車券受付の許可と禁止が切替わるシャッタと、当該シャッタを常時若しくは一定温度以上に加熱するヒータと、当該ヒータが取付けられたシャッタと一体若しくは接合された一部が、シャッタの開閉動作に連動して前記搬送経路途中位置における前記駐車券の印字された前記文字や記号等のある駐車券の表面部若しくは裏面部に対して当接と乖離が切替わることを特徴としている。
【0014】
(5)さらに、上記技術的課題を解決するために、本発明の請求項5に係る駐車券処理装置は、前記(4)に示す駐車券処理装置において、前記駐車券を排出する際に、前記搬送経路途中位置において、一旦駐車券の搬送を停止し、前記シャッタの閉動作によって前記シャッタの一部を駐車券に当接動作させて前記メタモインキで印字した文字や記号等を加熱し、所定時間経過した後にシャッタを開動作させて、駐車券を排出することを特徴としている。
【0015】
(6)加えて、上記技術的課題を解決するために、本発明の請求項6に係る駐車場管理システムは、前記(1)〜(5)のいずれかの駐車券処理装置が搭載された出口精算機が駐車場出口に設置されていて、駐車場入口において、駐車券発行機に搭載された前記駐車券処理装置の前記メタモインキを含浸させたインキリボンによって入場情報を印字して駐車券が発行され、駐車場出口において、前記出口精算機に搭載した前記駐車券処理装置に対して駐車券の挿入を受け付けて、再度利用可能に前記駐車券の表面の前記メタモインキで印字された入場情報を消去して、精算処理終了後に利用者に返却することを特徴としている。
【0016】
上記(1)で述べた請求項1に係る手段によれば、駐車券にメタモインキで入場情報を印字文字として印字しておけば、所望の加熱状態を付与することにより、上記メタモインキによる印字文字を容易に消去(正確には消色、すなわち透明化)することが可能となる。これにより何度も入場情報の印字文字としての印字が可能になることで、入場時刻などの入場情報を視認可能に印字された駐車券を一度だけの使用では廃棄せずに、再度駐車券として入場情報を視認可能に再印字して使用することが出来る。その結果、使用済み駐車券の排出量が減少し、駐車場管理者にとっては、通常の焼却ゴミとして廃棄出来ずに掛かっていた産業廃棄物としての廃棄費用が大幅に減少し、ランニングコストが改善されることで経営状態が好転し、利用料金のディスカウント等も可能となる。
【0017】
また、上記(2)で述べた請求項2に係る手段によれば、駐車券保留位置で印字された入場情報を消去することで、従来より設けられている機構により実現している駐車券が停止した状態を利用し、外部からの加熱状態の付与のみを選択的に実行する機能を追加するだけで、駐車券の印字文字の消去が可能な駐車券処理装置を実現することができる。
【0018】
また、上記(3)で述べた請求項3に係る手段によれば、駐車券挿入手前側の駐車券搬送経路途中位置にて印字された入場情報を消去することで、駐車券が停止して入場情報が消去可能となる状態を容易に作り出すことができ、さらに外部からの加熱状態の付与を選択的に実行する機能を追加することで、駐車券の印字文字の消去が可能な駐車券処理装置を実現することができる。
【0019】
また、上記(4)で述べた請求項4に係る手段によれば、シャッタの加熱用ヒータを、駐車券搬送位置で印字された印字文字を消去するための過熱状態の付与手段として、兼用することにより、従来よりある駐車券搬送機構や保留機構はそのままで、シャッタの開閉機構の修正のみで容易に駐車券の印字文字の消去が可能な駐車券処理装置を実現することができる。
【0020】
また、上記(5)で述べた請求項5に係る手段によれば、駐車券排出時に、駐車券挿入手前側の駐車券搬送位置で一旦停止させてから、印字された印字文字を消去することで、すでに電磁的記録機能による情報の書き換えが行われた後で、印字された入場情報を消去することになるため、電磁記録と消去動作が連続的に遂行が可能であり、全体の動作時間の増加を少なく抑えて、レスポンスの良い駐車券処理装置が提供できる。
【0021】
さらに、上記(6)で述べた請求項6に係る手段によれば、再利用可能な駐車券を、簡易的な印字のリライト機能を有した駐車券処理装置を入口の駐車券発行機と出口の料金精算機夫々に搭載した駐車場管理システムにおいて、駐車券の再利用によって廃棄物の少ない環境にやさしい駐車場管理システムが実現する。
【発明の効果】
【0022】
以上述べた次第で、本発明に係る駐車券処理装置および駐車場管理システムによれば、駐車券の使用枚数が減少されるため、駐車場管理者にとって駐車券の購入費用および補充工数の削減が可能となると共に、使用済み駐車券の排出量が減少し、使用済み駐車券の産業廃棄物としての廃棄費用が大幅に減少して、トータルでのランニングコストが減少することで、経営状態が改善され、利用料金のディスカウント等も可能となることで、駐車場利用者にとってもメリットがある。
【0023】
更に、従来は駐車場管理者側が行なっていたリライト駐車券の管理を、利用者自身が個人毎に行なうことが出来、複数回使い回しを行なった駐車券の劣化の度合いを利用者自身がで確認できることで、おのずと利用者は駐車券を大切に扱う様になり、再利用機会が増加して紙資源の有効利用が拡大する。さらに駐車場管理者側のランニングコストがアップすることも無い。
【0024】
また、使用済み駐車券の利用を、元々発行された駐車場以外の別の駐車場においても使用可能とすることで、利用者にとって再利用の機会が増加し、使用済み駐車券が廃棄される頻度が低下することで、紙資源の有効活用がさらに促進される。これは昨今の省エネを目指した国家戦略にも合致しているため、特に大型の施設に複数箇所に分かれて隣接された駐車場や、複数箇所の駐車場を運営する自治体管理の駐車場などの駐車場管理システムに実施して頗る好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る駐車券処理装置が実施された駐車場において使用される駐車券の表面図であって、(1)は発行前、(2)は入場時、(3)は事前精算時の各状態を示したものである。
【図2】本発明で使用される駐車券発行機の一例を示したブロック図。
【図3】本発明で使用される出口精算機の一例を示したブロック図。
【図4】本発明で使用される駐車券発行機の動作フロー図。
【図5】本発明で使用される出口精算機の動作フロー図。
【図6】本発明に係る駐車券処理装置の構成図で、(1)は駐車券挿入前の状態を示し、(2)は駐車券挿入時の状態を示す。
【図7】本発明に係る駐車券処理装置の駐車券排出時の状態を示した構成図。
【図8】本発明に係る駐車券処理装置のシャッター機構部の構成を説明した斜視図。
【図9】本発明に係る駐車券処理装置の構成を説明した断面図であって、(1)は駐車券挿入前の状態を示し、(2)は駐車券挿入時の状態を示し、(3)は駐車券排出時の状態を示す。
【図10】本発明に係る駐車券処理装置のブロック図。
【図11】本発明における駐車券の再利用の手順を説明したフローチャート。
【図12】本発明に係る駐車場管理システムの構成図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
<駐車券>
以下に、本発明に係る駐車場管理システムの実施の形態を図面と共に説明すると、図1は本発明に係る駐車券処理装置が実施された駐車場にて使用される駐車券の一例を示した外観図であって、図1の(1)は発行前の駐車券Tの状態を示した表面図、(2)は入場時の駐車券のT状態を示した表面図、(3)は事前精算時の駐車券Tの状態を示した表面図である。
【0027】
図1(1)において、駐車券Tの表面には電磁的記録機能を実行する手段として磁気ストライプTSが設けられている。磁気ストライプTSは磁気インキを駐車券Tの表面に塗布したタイプでも良いし、磁気テープを貼り付けたタイプであっても良い。また駐車券Tの表面には、予めこの駐車券Tが発行される駐車場の名称TNや、駐車券Tの使用に関しての注意事項などが印刷されている。なお、後述するメタモインキによる印字と区別するため、ここでは予め印刷された印刷・印字状態を普通印刷TAと称することにし、まず図1(1)では普通印刷TAのみがおこなわれた状態を示している。
【0028】
図1(2)は、駐車場入場の際に駐車券発行機1(図2参照)が発行した駐車券Tの状態を示している。発行前の駐車券Tにあった余白部TWの上部側には入場情報THが印字され、入場情報THとしては、例えば、駐車場番号(A20)、券番号(1251)、入場年月日(10/09/05)、入場時刻(12:35)などが印字される。なお、この印字状態は前述の普通印刷TAではなく、後述するメタモインキによる印字である。
【0029】
図1(3)は、駐車場を出場する前に、事前精算した際に事前精算機(図示省略)が一旦受け付けてから発行した駐車券Tの状態を示している。余白部TWの下部側には精算情報KSが印字され、精算情報KSとしては精算機番号(05)、精算年月日(10/09/05)、精算時刻(18:20)、精算金額(YEN600)などが印字される。なお、この印字状態も前述の普通印刷TAではなく、後述するメタモインキによる印字である。
【0030】
これらの駐車券Tには、予め「この駐車券は再利用可能で・・・」と普通印刷TAで表示されており、この駐車券Tを図3に示す出口精算機10に挿入すると、すでに事前精算済であって精算時刻からの経過時間が規定時間以内であれば、この駐車券Tのメタモインキで印字された入場情報THや精算情報KSが消去され、且つ、磁気ストライプTSには再利用駐車券であることが記録され、さらに印字された入場情報THや精算情報KSが消去されたことを示すフラグや再利用回数を示す情報等が適宜記録されて、図1(1)に示す発行前と外観上は変わらない再利用駐車券として利用者に対して発行され、利用者がそれを保管して次回再利用できるようになっている。もちろん使用回数に関してはインクリメントした数を書き換え印字して表示しても良い。これは例えば使用回数の最大を10回と決めた様な運用時には好適である。
【0031】
なお、再利用駐車券ではなく、料金割引券として利用者に利用可能に発行する場合にも、前述の様に、メタモインキで印字された入場情報THや精算情報KSが消去され、且つ、磁気ストライプTSには再利用の割引券であることが記録され、さらに印字された入場情報や精算情報が消去されたことを示すフラグが記録される。
【0032】
<メタモインキ>
本発明で使用するメタモインキとは、発色剤(ロイコ染料)と顕色剤と変色温度調整剤との組み合わせにより生成され、消色温度や再発色温度を様々な温度に調整することができるインキである。メタモインキは近年ではメタモカラー(パイロット株式会社の登録商標)などが有名であり、特に昨今では例えばフリクションボール(株式会社パイロットコーポレーションの登録商標)が広く普及している。このフリクションボールで使用されているメタモインキは60度C以上の熱で消色して透明化し、復色させるためにはマイナス20度Cまで冷やす必要があるという特長を有している。
【0033】
この様な仕様のメタモインキを利用して、駐車場の駐車券Tに印字をおこなう印字機構に使用されるインキリボンに、当該メタモインキを含浸させ、そのインキリボンの一部を前記駐車券Tに対向させて配置して、当該インキリボンの駐車券Tに対向しない面側より複数のドットヘッドピンを選択的に紙面方向に押圧させて、インキリボンに含浸させたメタモインキを、駐車券Tの紙面に転写させて視認可能な文字や記号等を印字するドットヘッド式印字機能を搭載した駐車券処理装置を駐車券発行機1(図2参照)や、事前精算機11(図3参照)や、出口精算機10(図3参照)に使用して、本発明の実施例としての駐車場管理システムPK(図12参照)が構成されている。
【0034】
<駐車場構成>
本発明の実施形態における駐車場は、図12に示すように入場車路および出場車路を有している。すなわち駐車場2には、駐車エリアとは別に、駐車場入口の入場車路と、駐車場出口の出場車路とがそれぞれ設けられている。この入場車路には図12に示す第1のループコイル9A、第2のループコイル9Bおよびアイランドが設けられている。車両の進行方向を基準に入場車路の右側に位置するアイランド上には、前述した駐車券発行機1、ゲートバーを有するゲート開閉機8Aが設置されている。第1のループコイル9Aは、駐車券発行機1とケーブル等を介して接続されており、車両の金属部分を検知することにより、第1のループコイル9A上に車両が存在していることを示す検知信号を駐車券発行機1に出力する。第2のループコイル9Bも駐車券発行機1とケーブル等を介して接続されており、第1のループコイル9Aと同様に動作する。
【0035】
駐車券発行機1は、第1のループコイル9Aおよび第2のループコイル9Bからの検知信号に基づいて、入場車路に車両が進入したこと、および入場車路を車両が通過しきったことを検知することができる。また、駐車券発行機1は、ゲート開閉機8Aとケーブル等を介して接続されており、ゲート開閉機8Aにゲート開信号およびゲート閉信号を出力することにより、ゲートバー8Bの上げ下げを制御する。
【0036】
一方、出場車路にも、入場車路と同様、第1のループコイル28A、第2のループコイル28Bおよびアイランドが設けられ、右側のアイランド上には、ゲートバーを有するゲート開閉機27、および、図3に示す構成の出口精算機10が設置されている。出口精算機10は、上述した駐車券発行機1と同様に、第1のループコイル28Aおよび第2のループコイル28Bとそれぞれ接続されており、第1のループコイル28Aおよび第2のループコイル28Bからの検知信号に基づいて、出場車路に車両が進入したこと、および出場車路を車両が通過しきったことを検知する。この出口精算機10は、ゲート開閉機27とケーブル等を介して接続されており、ゲート開閉機27にゲート開信号およびゲート閉信号を出力することにより、ゲートバー27Bの上げ下げを制御する。
【0037】
また、駐車場2内の一角には、図3に示す構成の事前精算機11が設置されている。事前精算機11はケーブル等を介して各駐車場管理装置(駐車券発行機1、出口精算機10)に接続されている。事前精算機11は駐車場2内や駐車場外の様々な箇所に複数台設置されていることが多く、利用者が駐車場2から出場する前に事前精算機11において料金精算を済ませておけば、出口精算機10にはその駐車券を挿入して情報を読み込ませ、事前精算済であり、且つ、精算時刻から規定時間以上経過していないことを条件に、追加の料金精算なしで駐車場より出場することができる。これによって出口精算機10で料金を支払うために時間を掛けてしまう利用者の後続で、何台もの車両が精算待ちで並んでしまう出口渋滞の発生を抑制する効果がある。なお、以上の駐車場構成例において、大量に車両が入出場する駐車場であれば、さらに入場出場とも複数の車路を設ける構成であっても良い。また、出口精算機10の代わりに料金精算機能を持たない出口読取機を設けても良い。
【0038】
<駐車券発行機の構成>
図2は本発明に係る駐車場管理システムで用いる駐車券発行機1のブロック図である。図2に示すように、駐車券発行機1は、バス1Cを介して相互に接続されたCPU(Central
Processing
Unit)1Aおよびメモリ1Bを有し、CPU1Aおよびメモリ1Bはバス1Cとインターフェース1Dを介して駐車券処理装置30、駐車券発行釦4、設定器5、車両センサ9、I/O信号端子(入出力端子)8、表示器3、スピーカ6、外部通信部7等と接続されている。また車両センサ9は、前述した第1・第2のループコイル9A・9Bにそれぞれ接続されており、CPU1Aは、上述したようにこれらの車両センサ9と協働して、ループコイル9A・9Bから出力される高周波信号の変化から、駐車券発行機1の周辺の車両の通過状態を認識する。また、本発明の実施形態においては、外部通信部7が駐車場構内の通信回線7Aに接続されている。そして、I/O信号端子8を介してゲート開閉機8Aが接続されて、駐車券発行機1の動作状態と車両センサ9の検出結果に基づいてゲート開閉機8Aを制御する。具体的な制御動作については後述する。
【0039】
<出口精算機の構成の説明>
図3は本発明に係る駐車場管理システムの出口精算機10のブロック図であり、事前精算機11のブロック図も併記している。図3に示す様に出口精算機10は、CPU10A、メモリ10B、バス10C、インターフェイス10Dを備えており、更に、駐車券処理装置30、表示器12、設定器16、車両センサ25B、I/O信号端子(入出力端子)25A、取消釦13、領収証発行釦14、インターホン17、領収証プリンタ19、硬貨識別装置20、硬貨払出装置21、紙幣読取装置22、スピーカ23、ドア開センサ15、外部通信部24等を備えている。また車両センサ25Bは、第1・第2のループコイル28A・28Bにそれぞれ接続されており、CPU10Aは、上述したように、これらの車両センサ25Bと協働し、ループコイル28A・28Bから出力される高周波信号の変化から、出口精算機10の周辺の車両の通過状態を認識する。また、本発明の実施形態においては、外部通信部24が構内の通信回線26に接続されている。そして、I/O信号端子25Aを介してゲート開閉機27が接続されていて、出口精算機10の利用者による操作状態および車両センサ25Bの検出結果に基づいて、ゲート開閉機27を制御する。具体的な制御動作については後述する。
【0040】
<事前精算機の構成の説明>
さらに図3において、それぞれ二点鎖線で示した部分18と25は、事前精算機11での差異を示しており、事前精算機11では前述の出口精算機10の構成に加えて、精算開始釦18Aと人感センサ18Bが搭載されている。また事前精算機では前述の出口精算機10の構成に比べて、I/O信号端子25A、車両センサ25Bは搭載されていない。この様な事前精算機11は、例えば、駐車場2内において、利用者用の通路やエレベータホールなどに複数台設置されている。またこの場合CPU10Aは、人感センサ18Bにより事前精算機11の周辺の利用者の有無を認識するか、精算開始釦18Aの押下によって精算動作を開始する様にプログラムされている。
【0041】
<入場車路の動作>
図4は駐車場の入場車路に設置された駐車券発行機1における処理を説明したフローチャートである。図4において、駐車券発行機1は第1のループコイル9Aからの検知信号が駐車券発行機1に入力されたか否かを監視している(ステップS1)。車両が入場車路に進入し、車両のフロント部が第1のループコイル9A上に位置すると、第1のループコイル9Aからの高周波信号の変化を駐車券発行機1の車両センサ9が検知する(以下、ループからの検知信号入力とする)。第1のループコイル9Aからの検知信号が入力されたとき、駐車券発行機1はスピーカ6から「釦を押して駐車券をおとり下さい、定期券または再利用券をお持ちの方は挿入口にお入れ下さい」などの音声ガイドを出力し、同時に表示器3に文字やアニメーションでその旨を表示出力する(ステップS2)。続いて、当該車両のドライバにより駐車券発行釦4が押下された場合には(ステップS3:YES)、駐車券発行機1は駐車券Tを発行する(ステップS4)。
【0042】
一方、当該車両のドライバが発行釦4を押下するのではなく、定期券を駐車券発行機1に挿入した場合には(ステップS3:NO、ステップS9:YES)、駐車券発行機1はその定期券を読み取り、所定の処理(有効日付の確認等)を行った後、この定期券を駐車券発行機1の挿入口(図示せず)へ返却する(ステップS12)。続いて、当該車両のドライバにより駐車券Tまたは定期券が駐車券発行機1から抜き取られたとき(ステップS5:YES)、駐車券発行機1はゲート開信号をゲート開閉機8Aに出力し、図示しないゲートバーを上げる(ステップS6)。当該車両が入場車路を駐車場エリアに向けて通過する間、第2のループコイル9Bからの検知信号が駐車券発行機1に一旦入力され(ONになり)、その後入力がなくなる(OFFになる)。駐車券発行機1は、このような第2のループコイル9Bからの検知信号の入力パターンを検出したとき、当該車両が入場車路を通過しきったと判断する(ステップS7)。そして、駐車券発行機1はゲート閉信号をゲート開閉機8Aに出力し、ゲートバーを下げる(ステップS8)。
【0043】
本発明の実施形態の特徴として、当該車両のドライバが駐車券発行釦4を押下するのではなく、かつ、定期券を駐車券発行機1に挿入せずに後述する再利用券を挿入した場合(ステップS9:NO、ステップS10:YESの場合)、駐車券発行機1はその再利用券を読み取り、所定の処理(入場データに書き換え等)を行った後、この再利用券を駐車券発行機1の挿入口へ再発行する(ステップS11)。この再利用券挿入動作に使用できる券は、以前この駐車場か、若しくは他の駐車場で再利用券として返却された駐車券である。そして前述の抜取り動作(ステップS5:YES)以降は同様な動作を行なう。
【0044】
この際に駐車券発行釦4を押下して発行された駐車券Tが、図1(1)に示す状態から同図(2)に示す状態に駐車券発行機1の内部の駐車券処理装置30(後述する)で印字されたものであり、その駐車券処理装置30に搭載された印字手段には前述のメタモインキを含浸させたインキリボンが使用され、その旨を磁気ストライプTS上にも入場情報とともに印字状態フラグとして記録されている。即ち、当該駐車券Tに印字された入場情報THは、後で消去可能なものかどうかが記録されている。
【0045】
なお、この印字状態フラグが記録されていれば、消去可能な駐車券であり、印字状態フラグが記録されていなければ消去不可能な駐車券とし、印字状態によって次回再利用時に追記できるかどうかが判定できるようになっている。即ち、本発明の機能を有さないで再利用券として発行された消去できない印字状態の駐車券であっても、少なくとも電磁的記録情報の書き換えによっては、再利用が可能になるように構成されている。
【0046】
さらに、本発明の駐車場管理システムPKの実施例では、入場車路において使用される駐車券発行機1の内部に搭載された駐車券処理装置2には、前述の通りメタモインキを含浸させたインキリボンを使用しているが、他の後述する印字消去機能は搭載せず、駐車場内に設置される事前精算機にも印字消去機能は搭載せず、出場車路において使用される出口精算機10にのみ印字消去機能が搭載されている。
【0047】
<出場車路の動作>
図5は出場車路に設置された出口精算機10(図3参照)における処理を示すフローチャートである。図5において、出口精算機10は第1のループコイル28Aからの検知信号が出口精算機10に入力されたか否かを監視している(ステップS21)。車両が出場車路に進入し、車両の車体が第1のループコイル28A上に位置すると、第1のループコイル28Aからの検知信号が入力され、出口精算機10は「駐車券入れて精算して下さい」などの音声ガイドをスピーカ23から出力し、同時に表示器12に文字やアニメーションでその旨を表示出力する(ステップS22)。駐車券Tが挿入され(ステップS23:YES)続いて、料金精算処理が終了した場合には(ステップS24)、出口精算機10は駐車券を再利用券として適宜情報を上書きした後、再利用券(再利用駐車券)として発行する(ステップS25)。
【0048】
一方、駐車券Tではなく定期券を出口精算機10に挿入した場合には(ステップS23:NO、ステップS30:YESの場合)、出口精算機10はその定期券を読み取り、所定の処理(有効日付の確認等)を行った後、この定期券を出口精算機10の挿入口(図示せず)へ返却する(ステップS31)。続いて、再利用券または定期券が出口精算機10から抜き取られたとき(ステップS26:YES)、出口精算機10はゲート開信号をゲート開閉機27に出力し、ゲートバー27Bを上げる(ステップS27)。その後当該車両が出場車路を外部に向けて通過する間、第2のループコイル28Bからの検知信号が出口精算機10に一旦入力され(ONになり)、その後入力がなくなる(OFFになる)。出口精算機10は、このような第2のループコイル28Bからの検知信号の入力パターンを検出したとき、当該車両が出場車路を通過しきったと判断する(ステップS28)。そして、出口精算機10はゲート閉信号をゲート開閉機27に出力し、ゲートバー27Bを下げる(ステップS29)。
【0049】
ここで、本発明の実施形態の特徴として、利用者が駐車券Tを挿入した場合(ステップS23:YES)、出口精算機10はそれを再利用券として、所定の処理(駐車券のIDを再利用券のIDに書き換える、また、利用回数をインクリメントする等、詳細は後述する)を行ない、さらに図1(3)に示した様に印字されている駐車券Tの印字情報TH,KSを後述する本発明の技術によって消去(消色)して、この再利用券を出口精算機10の挿入口へ返却する。この再利用券発行動作は、今回始めてこの駐車場に入場して駐車券Tを使用した場合と、すでにこの駐車場や他の駐車場で再利用券として返却された駐車券Tを利用して入場した場合にも実行される。
【0050】
<事前精算機の動作>
図5に示す動作フローチャートには単独では図示していないが、事前精算機11では、利用者が事前精算機11に近づくと、図3に示した人感センサー18Bが利用者を検知して駐車券Tの挿入可能な状態となるか、若しくは、利用者が精算開始釦18Aを押下したことで駐車券Tの挿入可能な状態となる。また、動作フローチャートでは、図5のステップS22からステップS26までの動作が行なわれる。なお、事前精算機11では定期券は受付けしない。
【0051】
<駐車券処理装置>
上記の出口精算機の場合での、前述の図5のフローチャートでのステップS22からステップS26に係る動作を、図6、図7の駐車券処理装置30の動作で説明すると、図6(1)ではまだ駐車券Tを挿入する前であり、駐車券処理装置30の最も手前側で出口精算機10の筐体10Xとの接続部には、挿入口31が形成されている。またその挿入口31は通常はプラスチックで駐車券Tや定期券の挿入をガイドする様に傾斜状の導入路を有しながら、挿入口マウス31Xの内側に形成され、且つ、その内端部31Yは駐車券処理装置30の内部に突出して、カードガイドの入口部を構成している。また、駐車券処理装置30は出口精算機10の内部に固定されている棚板10Yの上の所定の位置に載置固定されている。
【0052】
挿入口マウス31Xと駐車券処理装置30の搬送路32との間には、符号33で全体的に示したシャッタが設けられている。シャッタ33は通常は車両の検出が成されずに、出口精算機10をスタンバイ状態で低消費電力状態で必要最低限の動作のみ行わせる時に、駐車券Tを挿入口マウス31Xの挿入口31に挿入されない様にするために設けられている。また、シャッタ33は屋外に設置された出口精算機10の場合には、降雨が挿入口31を通して出口精算機10の筺体10Xの内部に進入してしまうことを防止するという役目も備えている。さらにシャッタ33はその様に屋外の環境と筺体10Xの内部との連通状態を遮断したり開放したりするために開閉動作可能に造られている。
【0053】
加えて、シャッタ33には図6(1)に示す閉状態において、屋外の環境と機器内部30Xの雰囲気との相違によって、シャッタ33の表面が結露しないように、シャッタ33に接触する状態でヒータ39が設けられている。これにより、シャッタ33は常時加熱されているため、屋外の環境がたとえ30度C以上の高温であっても、若しくは降雪するような氷点下の状態であっても、常に一定の温度に加熱されているために、結露や凍結を防止することができる。通常は筺体10Xの内部の雰囲気温度は、最大でも55度C程度であるから、シャッタ33の表面温度を80度C程度に加熱する様なヒータ39が設けられている。
【0054】
図6(1)は前述のシャッタ33が挿入口31を内部から塞いだ閉状態の図であり、この状態で仮に駐車券Tを挿入しようとしても、シャッタ33が挿入口マウス31Xの連通口を完全に遮蔽しているため、挿入することは出来ない構成となっている。通常は、図6(1)のように利用者が駐車券Tを挿入しようして、駐車券Tを挿入口31近傍まで持ってきているにも関わらず、シャッタ33が閉状態にあるという条件は無い。ただし、後述するが、一旦駐車券Tを挿入し、その後のサービス券受付状態に成る前には、(1)の様に、駐車券Tも含めて他の券媒体を挿入しないように、シャッタ33が閉状態になることはある。なお、シャッタ33は挿入口マウス31Xを遮蔽する垂直の立ち上げ部33Xと、長手方向に伸びた水平部33Tで主に形成され、水平部33Tの立ち上げ部33X寄りの上面部には、前述したヒータ39が一体的に固定されている。
【0055】
図6(2)は前述のシャッタ33が開状態にあり、挿入口マウス31Xから駐車券Tが挿入可能な状態を示している。また、図6(2)ではすでに駐車券Tが挿入された結果、一旦駐車券Tが搬送路32から上側に分岐した保留路32Bにて保留された状態も示している。即ち、駐車券Tは挿入位置31から保留路32Bまで、駐車券処理装置30の搬送路32を走行して移動する事ができる。
【0056】
駐車券Tの挿入の過程では、まず挿入口マウス31Xから挿入された駐車券Tの先端部(奥側)が、前記挿入口マウス31Xの内端部31Yにガイドされて、手前側の第1の搬送用ローラ37Aと搬送用プーリ37P1に挟持されるまで挿入し、さらに押し込むことでこれら第1の搬送用ローラ37Aと搬送用プーリ37P1を回転させつつ、駐車券Tが搬送路32にガイドされて奥に挿入され、その駐車券Tによって手前の第1センサ34Aの発光受光位置を遮ったことを当該センサ34Aが感知した場合、搬送用モータ37Mが起動して搬送用ローラ37Aが回転するため、他の搬送用ローラ37B,37Cに掛け渡した搬送用ベルト38によってこれらの各ローラが同期回転作動されて、順次各搬送用プーリとの挟持を受け渡しながら駐車券Tが引き込まれる。
【0057】
駐車券Tが引き込まれると、最初に磁気ヘッド部35によって駐車券Tの磁気ストライプTSの情報が読取られる。読取った結果、一旦保留すべき駐車券Tであると図10に示した駐車券処理装置30のCPU52が判断した場合には、後部側の分岐ソレノイド43に電圧が印加され、そのアクチュエータが吸引されると、分岐レバー42が図6(2)の様に左斜め下を向いて傾斜するように回動して停止する。そこを駐車券Tの先端部が差し掛かると、分岐レバー42にガイドされて駐車券Tは保留路32B側に導かれる。保留路32Bの最後部の保留位置センサ34Dによって当該駐車券Tが感知されると、搬送モータ37Mおよび後部搬送用モータ44Mは停止する。
【0058】
駐車券Tが保留路32Bにおいて停止した状態で一旦シャッタ33を図6(1)に示した閉状態に移行させる。若しくは、駐車券Tが挿入されてセンサ34Aによって駐車券Tが完全に搬送路32の内部に取り込まれたことを検出した段階で、すぐにシャッタ33を閉状態に移行させても良いが、本発明の実施例では、少なくとも磁気ヘッド35によって磁気ストライプTSの情報が読取られれば、シャッタ33を閉状態に移行させるように構成されていて、それまではシャッタ33は開状態としている。
【0059】
駐車場の運用状態にもよるが、駐車券T以外に駐車料金の精算に使用できる券媒体が使用できる場合、例えばサービス券で駐車料金の支払いが出来るとか、若しくはクレジットカードでの精算が出来るとかの機能があれば、その旨案内し、例えば「料金精算はサービス券やクレジットカードでもおこなえます」などを、前述したスピーカ23にて音声出力したり、さらに表示器12にその旨を表示させて、再度シャッタ33を開状態に移行させるが、それらの券媒体を使用せずに、現金でのみ精算を可能とする運用であれば、シャッタ33は閉状態のままとし、その後料金精算が終了するまでは、保留路32Bにおいて駐車券Tを保留にしておく。
【0060】
精算が完了した後に、駐車券Tを再利用券として返却するにあたっては、保留路32Bに停止していた駐車券Tに対して、図示しない加熱付与手段によって印字情報の書かれている箇所を加熱し、この加熱がメタモインキの消色温度に達すると、印字情報が透明化し、外観上は印字が消去された状態となる。これを再度後部搬送モータ44Mや搬送用モータ37Mを逆転駆動し、且つ、シャッタ33を開状態に保持し、さらに逆方向に駐車券Tを排出する動作で磁気ヘッド部35を通過する際には、磁気情報を適宜上書きして駐車券Tをそのまま挿入口マウス31Xより排出させ、まだセンサ34Aが駐車券Tの存在を感知している位置で搬送モータ37Mの逆転を停止させておく。その後利用者が駐車券Tを引き抜くことで、センサ34Aが駐車券Tの引き抜きを感知して、前述の図5のステップS26の券抜き取り状態の検出がなされる。
【0061】
以上の様に構成した駐車券処理装置30によれば、駐車券Tにメタモインキで入場情報を印字しておいたところに、所望の加熱状態を付与することにより、印字された入場情報を容易に消去することが可能となる。これにより駐車券Tを一度だけ使用しただけでは廃棄せずに、再度駐車券Tとして使用出来るため、使用済み駐車券の排出量が減少し、駐車場管理者にとっては通常の焼却ゴミとしては廃棄出来ずに掛かっていた産業廃棄物としての廃棄費用が大幅に減少し、ランニングコストが改善されることで経営状態が好転し、利用料金のディスカウント等も可能となることで、駐車場利用者にとってもメリットがある。
【0062】
ただし、前述の通り保留路32Bにある駐車券Tに何らかの加熱状態を付与するためには、その位置に例えばヒータを設置し、そのヒータが保留路32Bにある駐車券Tに対して当接したり乖離したりを選択的に切替可能なように、別途ソレノイドやレバー機構などが必要となる。本発明ではさらにこれらの追加されるべきソレノイドやレバー機構は用いずに、従来の駐車券処理装置の構成を若干変更するだけで、駐車券Tにメタモインキで入場情報を印字しておいたところに、所望の加熱状態を付与することにより、印字された入場情報を容易に消去するを実現することを別の目的としている。
【0063】
そのために、図7(3)に示す通り、駐車券Tの排出時において、搬送路32の手前の位置で一旦駐車券Tを停止させ、そこにシャッタ33の水平部33Tの底面を当接させ、シャッタ33上に一体的に固定したヒータ39の熱を効率よく駐車券Tの加熱手段として利用することで、駐車券T上のメタモインキで印字された入場情報THやKSを容易に消去することを実現している。
【0064】
尚、図6(1),(2)と図7(3)において、44A,44B,44C,44Dは前述した保留路32Bと後部搬送路32Cに設けた搬送用ローラで、これ等各ローラは前述した後部搬送用モータ44Mによって、搬送用ベルト45を介して連動回転される仕組みに成っている。
【0065】
図8に具体的に本発明の実施例に係る駐車券処理装置30の、特に符号50で全体的に示したシャッタ機構部の構成を示す。図8は前述した出口精算機10に搭載された本発明に係る駐車券処理装置30を出口精算機10の筺体10Xの内部より見た状態で示している。挿入口マウス31の内端部31Yの内部には、垂直方向にシャッタ33の立ち上げ部33Xが挿入されており、それによりシャッタ33は上下動は可能であるが、前後方向には移動不可に規制されている。また水平部33Tの前寄りにはヒータ39が載置され、ヒータ39と水平部33Tとは密着して一体的に固定される様に、例えばシリコングリスなどを介して重ね合わされ、別途押さえ込まれて一体化されている。また水平部33Tには4箇所の垂直上方向の立ち上げ部33G…があり、各立ち上げ部33G…にはカム溝33H…が夫々形成されている。
【0066】
また、前記シャッタ33の周辺部分には、シャッタブラケット33Aが出口精算機10の筺体10Xの内部側面に固定され、このシャッタブラケット33Aに略L字状に連設した水平板33Zの一側に連設された載置板33Hの板面上に、シャッタソレノイド32Sが固定され、更に、上記水平板33Zの板面上の中央には2本の縦ピン33E,33Eが、前後方向(駐車券Tの挿入方向)に間隔をあけて突出形成されている。
【0067】
さらにそれ等の縦ピン33E,33Eをスライド自在に嵌合する2本のガイド長孔33S,33Sを設けたスライダ34が、上記シャッタブラケット33Aの水平板33Z上にスライド自在に取付けられ、加えて、上記のスライダ34には合計4箇所の垂直な立ち下がり曲げ部34A…(図9参照)が下向きに垂設されていて、前述のシャッタ33の水平部33Tに設けた計4本の立ち上げ部33G…と、これ等4箇所の垂直な立ち下がり曲げ部34A…とが、夫々対向して隣接するように構成されている。
【0068】
そして、上記下がり曲げ部34A…の外側面には、夫々横ピン34T…が横方向に突出するように設けられ、これ等の横ピン34T…が上記の各立ち上げ部33G…に設けた各カム溝34H…に嵌合している。また、上記のスライダ34は、スプリング33Wによって常時手前側(駐車券排出方向)に牽引されているが、シャッタソレノイド32Sに電圧を印加した場合には、そのスプリング33Wの力に打ちかってスライダ34を奥側(駐車券挿入方向)に移動させることが出来る仕組みになっている。
【0069】
図9には上述したシャッタ機構部50をさらに拡大して断面方向より示しており、図9(1)は駐車券Tの挿入前で、シャッタ33が閉状態にあるときを示している。この際にはシャッタソレノイド32Sには電圧は印加されておらず、スライダ34はスプリング33Wに牽引されて最も手前側(図9では紙面左側)に移動している。スライダ34の各立ち下り曲げ部34A…に形成された各横ピン34T…は、シャッタ33の各立ち上げ部33G…に設けたカム部33H…に対して当接しない位置にあり、且つ、シャッタ33は自重で最も下降した位置にある。当然シャッタ33の先端の挿入口マウス31Xとの係合部は、前述した立ち上げ部33Xが挿入口31の連通口を完全に遮断している。
【0070】
図9(2)は、シャッタ33が開状態にあり、シャッタソレノイド32Sには電圧が印加されてアクチュエータ32Rが吸引状態にあり、それによってスライダ34が奥側に移動し、その結果、スライダ34の各立ち下り曲げ部34A…に形成された横ピン34T…は、シャッタ33の各カム部溝33H…を押し上げる様に当接した位置になり、それによってシャッタ33が全体的に上昇位置に移動して停止することになる。ここまでで、シャッタ33の水平部33Tにあるヒータ39は常に加熱状態であるが、図9(2)の位置にシャッタ33が移動した状態では、ヒータ39によって加熱されたシャッタ33と駐車券Tの表面には少なくとも数ミリ程度の隙間が確保され、それによって通過する駐車券T上の印字情報を消去してしまうことは無い。
【0071】
図9(3)はシャッタ33が閉状態にあるが、駐車券Tがそのシャッタ33の水平部33Tに重なる位置に移動してきた状態を示している。即ち一旦シャッタ33が開状態に移行して駐車券Tを引き込み、少なくとも磁気情報を磁気ヘッド部35によって読取ったあとで、シャッタソレノイド32Sの印加を停止することでシャッタ33が下降するが、そのままの状態でも駐車券Tが搬送モータ37Mの逆転によって移動してきた場合には、駐車券Tによってシャッタ33は押し上げられる。シャッタ33の下降動作に際しては適正な加圧力を駐車券Tに与えるために、別途加圧用のスプリングなどを設け、常時シャッタ33を下降方向に付勢しておいても良い。
【0072】
その結果、所定の位置で駐車券Tを停止させ、且つ、シャッタ33上のヒータ39は常時加熱状態にあることで、数秒間、おおよそ1秒程度その位置で停止させることで、メタモインキの消色温度に達して印字情報を透明化することが出来る。もちろん、一旦シャッタ33を開状態にして、所定位置まで駐車券Tを移動させた後、シャッタ33を再度下げてシャッタ水平部33Tを駐車券Tの表面に当接させ、印字を消去するように動作させても良い。
【0073】
いずれにせよ、駐車券Tの挿入口31から磁気ヘッド35までの搬送経路32の間の搬送経路途中位置の範囲内において、上記のシャッタ33の水平部33Tを駐車券Tの印字情報の位置近傍に当接させるか加圧させることで、メタモインキで印字された印字を消去させることが本発明の特徴である。駐車券Tに当接させる加圧部分を搬送方向に狭くして突出させ、駐車券Tを排出方向に低速で、若しくはあるステップづつ送って搬送させながら消去させることも当然考えられており、その様な構成であれば印字文字方向が駐車券の長手方向とは直角に印字する方式の印字手段の駐車券処理雄地30において実施する場合に好適である。
【0074】
なお、本発明に使用するヒータ39としてはリボンヒータやフィルムヒータやシリコンラバーヒータと呼ばれる比較的薄型で所望の幅と長さに形成させて使用できるタイプのヒータが好適である。さらにヒータ温度管理が可能な様にサーモスタットが設けられ、例えば80度CでON、100度CでOFFといった簡易的な温度制御をするのが望ましい。また、実施例においてはシャッタ33の水平部33Tの上側にヒータ39を載置して固定したが、下側に前述のシリコンラバーヒータを貼り付けるといった構成も容易に実施可能である。
【0075】
図10は本発明の実施例に係る駐車券処理装置30のブロック図を示す。また、二点鎖線で示した部分は、駐車券発行機1においてのみ用いられる。別途図示しないファンフォールド式に収納された未使用駐車券の供給機構部の構成ブロックであるが、出口精算機10や事前精算機11に搭載される場合の駐車券処理装置30においては、この構成部材は搭載されない。
【0076】
図10において、第1センサ34Aは、図6及び図7に示した搬送路32において、手前側(左側)搬送路にある駐車券Tの挿入を検出するセンサであり、第2センサ34Bは奥側搬送路32Aとの境界近傍にあって磁気ヘッド35の書込みのタイミングを計るセンサであり、第3のセンサ34Cは印字ヘッド40の近傍に配置されていて、駐車券Tの排出方向での移動に際して、印字するタイミングを計るためのセンサであり、第4のセンサ34Dは駐車券保留経路32Bにある駐車券Tの保留位置を検出するセンサである。なお、第2のセンサ34Bは駐車券発行機1において別途未使用駐車券が供給機構から供給された場合に、カッタ(図示省略)を作動させるタイミングを計ることにも使用されている。
【0077】
なお、図10に示した駐車券処理装置30のブロック図において、51はメモリ、52はCPU、53はこれ等メモリ51及びCPU52とインターフェイス54の間を結ぶバスであって、このインターフェイス54には、上述した第1〜第4のセンサ34A〜34Dに加えて、前述した搬送用モータ37Mとその回転センサ37S、後部搬送用モータ44Mとその回転センサ44S、前記磁気ヘッド部35のリード/ライト制御回路58、前記印字ヘッド40用の制御回路59、前記分岐ソレノイド43用の制御回路60、前記シャッタソレノイド32S用の制御回路32H、前記ヒータ39の制御回路39Hに加えて、前記駐車券発行機1にのみ搭載される駐車券供給モータ55と、駐車券供給センサ56、及び、カッタソレノイド制御回路57が接続されていて、夫々がCPU52の監視下でメモリ51のプログラムに従って制御作動される仕組みに成っている。
【0078】
図11は再利用券の発行時のサブルーチンフローを示し、この前段階として利用者が出口料金精算機10に挿入した駐車券Tが保留位置で停止している状態までがすでに実行されており、ここでは精算動作が完了した後の動作を示している。また、このときにはすでにシャッタ33は閉じて(OFF)おり、搬送モータ37Mは停止している。さらに分岐ソレノイド43もON(吸引)して分岐レバー42が斜め傾斜状態を維持している。
【0079】
まずステップS41でシャッタソレノイド32SがONし(シャッタ33開)、ステップS42で搬送用モータ37Mと後部搬送用モータ44Mが同期しながら逆転(駐車券排出方向回転)する。ステップS43で第2センサ34Bが一旦ONしてからOFFするまでが監視され、OFFしたタイミングでステップS44で磁気ヘッド35による磁気消去若しくは上書きが開始される。その後ステップS45で第1センサ34AがONしたところで、ステップS46で搬送モータ37M,44M(両方とも)を停止させ、ステップS47でシャッタソレノイド32SをOFF(開放)する。これが図9(3)で示した状態である。
【0080】
ステップS48で予め設定した時間T秒間だけ待機するが、これはシャッタ33上にあるヒータ39の熱によって印字文字が消去(透明化)されるだけの時間であればよく、ほんの1秒程度で消去がなされるように、ヒータ39の温度が設定されている。ステップS48のT秒が経過すると、ステップS49でシャッタソレノイド32SがON(吸引)し、ステップS50で再度搬送モータ37M(搬送用モータのみで良い)が逆転ONし、ステップS51で搬送モータ37Mのセンサ(ロータリーエンコーダ)によるパルス数をカウントして駐車券Tの送り量を監視し、予め設定したパルス数がカウントされたところでステップS52に移行して搬送モータ37MをOFFして処理を終える。パルス数は一番手前の搬送用ローラ37Aに駐車券Tが挟まっている状態で、且つ、第1センサ34AがONした(駐車券Tにより透過光を遮蔽)状態で停止するように設定されている。
【0081】
その後は、前記図5のステップS26に移行して再発行された再利用駐車券Tの抜き取りを検出し、それ以降の動作へと移行していく。なお、前述の通り再利用回数を例えば10回と制限して11回目の精算の場合には、前記図11の動作はおこなわず、一旦モータ37Mを逆転して駐車券Tを待機位置より手前に戻し、再度モータ37M,44Mを正転させ、且つ、分岐ソレノイド43を開放しておけば、駐車券Tは搬送経路32の最奥部か32Cから図示しない料金精算機内部の廃棄駐車券ボックスに自動的に落下するようになる。
【0082】
なお、実施例において説明した駐車券Tは表面に文字等印字し、同様に表面に磁気ストライプを有していたが、表面に文字等印字して裏面には前面磁気印刷が施されている、鉄道の切符のような駐車券においても、同様に本発明での有効利用が可能である。
【0083】
また、実施例において説明したシャッタ33と水平部33Tは一体化されていたために、加熱状態においては若干シャッタ33が上昇位置に移動していたが、これらシャッタ33の立ち上げ部33Xと水平部33Tを分割しておき、連動して上下動作する様に分割しながら、効率良く加熱状態が伝導されるように前述の様にリボンヒータやフィルムヒータなどのフレキシブルなヒータ39を立ち上げ部33Xと水平部33Tの両方に渡らせて貼り付け固定するのも、本発明の実施例の応用例として有効であり、メタモインキの消去時にシャッタ33の立ち上げ部33Xを動かさないようにすることも容易である。
【0084】
上記に述べた本発明の実施形態は本発明の好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限りこれらの態様に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明に係る技術は、大型の施設に複数箇所に分かれて隣接された駐車場や、複数箇所の駐車場を運営する自治体管理の駐車場などに実施して利用される可能性が高いものであるが、本発明の用途がこれ等の駐車場のみに限定されないことは勿論である。
【符号の説明】
【0086】
T 駐車券
TS 磁気ストライプ
1 駐車券発行機
28A・9A 第1のループコイル
28B・9B 第2のループコイル
10 出口精算機
8A・27 ゲート開閉機
30 駐車券処理装置
41 メタモインキを含浸させたインキリボンを収めたインキリボンカセット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場入口に設置された駐車券発行機や駐車場出口に設置された出口精算機に使用され、駐車券の発行時に少なくとも入場時刻を含む入場情報を電磁的に記録する電磁的記録機能を有し、且つ、駐車券表面に視認可能に前記入場情報の全て若しくは一部を印字する印字手段を有した駐車券処理装置であって、
前記印字手段は印字用のインキを含浸させたインキリボンの一部を前記駐車券に対向させて配置して、当該インキリボンの駐車券に対向しない面側より複数のドットヘッドピンを選択的に紙面方向に押圧作動させることにより、インキリボンに含浸させたインキを駐車券の紙面に転写させて視認可能な文字や記号等を印字するためのドットヘッド式印字手段であり、且つ、前記インキリボンに含浸させたインキがメタモインキであることを特徴とする駐車券処理装置。
【請求項2】
前記駐車券の挿入奥側の一旦挿入された駐車券を挿入方向に搬送させながら、前記入場情報を読み取った後に搬送を停止させる保留位置において、前記メタモインキで印字された文字や記号等のある駐車券表面部分に向かって、若しくは、文字や記号等が印字されている当該駐車券の裏面部側より加熱することによって、当該文字や記号等を消去することができる加熱消去手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の駐車券処理装置。
【請求項3】
前記駐車券の挿入口から前記電磁的記録機能を実現するための磁気ヘッドまでの搬送経路途中位置において、前記メタモインキで印字された文字や記号等のある駐車券表面部分に向かって、若しくは、当該文字や記号等が印字されている駐車券の裏面部分より加熱することによって、当該文字や記号等を消去することができる加熱消去手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の駐車券処理装置。
【請求項4】
前記駐車券の搬送経路途中位置において、前記メタモインキで印字した文字や記号等を加熱して消去するにあたり、駐車券挿入口の近傍に設けて開閉動作によって駐車券挿入口の連通と閉塞を切替えて駐車券受付の許可と禁止が切替わるシャッタと、当該シャッタを常時若しくは一定温度以上に加熱するヒータと、当該ヒータが取付けられたシャッタと一体若しくは接合された一部が、シャッタの開閉動作に連動して前記搬送経路途中位置における前記駐車券の印字された前記文字や記号等のある駐車券の表面部若しくは裏面部に対して当接と乖離が切替わることを特徴とする請求項3に記載の駐車券処理装置。
【請求項5】
前記駐車券を排出する際に、前記搬送経路途中位置において、一旦駐車券の搬送を停止し、前記シャッタの閉動作によって前記シャッタの一部を駐車券に当接動作させて前記メタモインキで印字した文字や記号等を加熱し、所定時間経過した後にシャッタを開動作させて、駐車券を排出することを特徴とする請求項4に記載の駐車券処理装置。
【請求項6】
駐車場入口において、駐車券発行機に搭載された前記駐車券処理装置の前記メタモインキを含浸させたインキリボンによって入場情報を印字して駐車券が発行され、駐車場出口において、前記出口精算機に搭載した前記駐車券処理装置に対して駐車券の挿入を受け付けて、再度利用可能に前記駐車券の表面の前記メタモインキで印字された入場情報を消去して、精算処理終了後に利用者に返却する請求項1、2、3、4または5のいずれかに記載の駐車券処理装置が搭載された出口精算機が駐車場出口に設置されていることを特徴とする駐車場管理システム。
【請求項1】
駐車場入口に設置された駐車券発行機や駐車場出口に設置された出口精算機に使用され、駐車券の発行時に少なくとも入場時刻を含む入場情報を電磁的に記録する電磁的記録機能を有し、且つ、駐車券表面に視認可能に前記入場情報の全て若しくは一部を印字する印字手段を有した駐車券処理装置であって、
前記印字手段は印字用のインキを含浸させたインキリボンの一部を前記駐車券に対向させて配置して、当該インキリボンの駐車券に対向しない面側より複数のドットヘッドピンを選択的に紙面方向に押圧作動させることにより、インキリボンに含浸させたインキを駐車券の紙面に転写させて視認可能な文字や記号等を印字するためのドットヘッド式印字手段であり、且つ、前記インキリボンに含浸させたインキがメタモインキであることを特徴とする駐車券処理装置。
【請求項2】
前記駐車券の挿入奥側の一旦挿入された駐車券を挿入方向に搬送させながら、前記入場情報を読み取った後に搬送を停止させる保留位置において、前記メタモインキで印字された文字や記号等のある駐車券表面部分に向かって、若しくは、文字や記号等が印字されている当該駐車券の裏面部側より加熱することによって、当該文字や記号等を消去することができる加熱消去手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の駐車券処理装置。
【請求項3】
前記駐車券の挿入口から前記電磁的記録機能を実現するための磁気ヘッドまでの搬送経路途中位置において、前記メタモインキで印字された文字や記号等のある駐車券表面部分に向かって、若しくは、当該文字や記号等が印字されている駐車券の裏面部分より加熱することによって、当該文字や記号等を消去することができる加熱消去手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の駐車券処理装置。
【請求項4】
前記駐車券の搬送経路途中位置において、前記メタモインキで印字した文字や記号等を加熱して消去するにあたり、駐車券挿入口の近傍に設けて開閉動作によって駐車券挿入口の連通と閉塞を切替えて駐車券受付の許可と禁止が切替わるシャッタと、当該シャッタを常時若しくは一定温度以上に加熱するヒータと、当該ヒータが取付けられたシャッタと一体若しくは接合された一部が、シャッタの開閉動作に連動して前記搬送経路途中位置における前記駐車券の印字された前記文字や記号等のある駐車券の表面部若しくは裏面部に対して当接と乖離が切替わることを特徴とする請求項3に記載の駐車券処理装置。
【請求項5】
前記駐車券を排出する際に、前記搬送経路途中位置において、一旦駐車券の搬送を停止し、前記シャッタの閉動作によって前記シャッタの一部を駐車券に当接動作させて前記メタモインキで印字した文字や記号等を加熱し、所定時間経過した後にシャッタを開動作させて、駐車券を排出することを特徴とする請求項4に記載の駐車券処理装置。
【請求項6】
駐車場入口において、駐車券発行機に搭載された前記駐車券処理装置の前記メタモインキを含浸させたインキリボンによって入場情報を印字して駐車券が発行され、駐車場出口において、前記出口精算機に搭載した前記駐車券処理装置に対して駐車券の挿入を受け付けて、再度利用可能に前記駐車券の表面の前記メタモインキで印字された入場情報を消去して、精算処理終了後に利用者に返却する請求項1、2、3、4または5のいずれかに記載の駐車券処理装置が搭載された出口精算機が駐車場出口に設置されていることを特徴とする駐車場管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
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【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−94082(P2012−94082A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−242929(P2010−242929)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(000101617)アマノ株式会社 (174)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(000101617)アマノ株式会社 (174)
【Fターム(参考)】
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