説明

駐車場用衝突警告具

【課題】 カバー本体に空気吸入口及び笛部を設けることにより、車が当った時点で笛が鳴り、車の移動を止めることができ、ハンドルを切り返し、正規の位置に停車することができる。
また、複数の風船体により、当り方により笛色が変わり、危険度を笛色によって表現できる。
さらに、空気吸入体を設けることにより車が当り圧縮されても元に戻るため、手間が掛からず何度でも繰り返し使用できる駐車場用衝突警告具を提供する。
【解決手段】 カバー本体に、空気吸入口及び笛部を設けてなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に屋内駐車場における耐震ブレースや柱に取り付け、駐車時の車の衝突(破損)を防止する駐車場用衝突警告具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、平坦な両面段ボール上に、波形の両面段ボールを接合して、間隔をおいて列設する空洞部を形成した段ボール製波形板の各空洞部に、空洞部とほぼ同等の長さを有するプラスチックフィルム製の空気又は水充填袋を挿入して構成し、駐車場の柱や側壁などの車体の当接の可能性のある部位に、波形の両面段ボールが表側に位置するとともに空気又は水充填袋が上下にのびる状態で、粘着テープ、粘着剤などを介して直接取り付けて使用するものがある。(特許文献1参照)
【0003】
また、別の従来の技術として、細長い表板とその幅両端部の両側板とで断面略コ字形に形成された主部材の複数を、隣接する両側板を裏板で連結して届曲板を形成し、屈曲板の一端部側板先端部の内側部に係止突条を形成し、屈曲板の他端側板先端部には前記係止突条と係合するフック部を形成し、屈曲板は幅方向において届曲可能に構成され、該複数の屈曲板を連結してなる柱状物の保護カバーがある。(特許文献2参照)
【特許文献1】 特開2003−155835号
【特許文献2】 特開平11−61735号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記前者の場合、空気又は水充填袋が上下にのびる状態で設けられている点がポイントと思われるが、車が当ったかどうかを音等で知らせる手段はなく、車を傷付けてしまうことがある。
【0005】
また、上記後者においても、複数の屈曲板を連結してなる保護カバーであり、これもまた、音等で知らせる手段がなく、車を傷付けてしまうことがあり、簡単に、しかも容易に危険を知らせるものが切望されている。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みなされたもので、カバー本体に空気吸入口及び笛部を設けることにより、車が当った時点で笛が鳴り、車の移動を止めることができ、ハンドルを切り返し、正規の位置に停車することができる。
また、複数の風船体により、当り方により笛色が変わり、危険度を笛色によって表現できる。
さらに、空気吸入体を設けることにより車が当り圧縮されても元に戻るため、手間が掛からず何度でも繰り返し使用できる駐車場用衝突警告具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、カバー本体に、空気吸入口及び笛部を設けてなること。カバー本体内に、空気吸入体を設けてなること。空気が漏れるべく形成してなるカバー本体内に、空気吸入口及び笛部を設けた風船体を少なくとも1つ設けてなること。空気吸入口と笛部を一体に設けてなること。風船体を2つ以上設けると共に、それぞれ音色を変えてなること。風船体の内部に、空気吸入体を設けてなること。風船体と風船体の空気吸入口をチューブにて連結してなること。空気吸入体が、スポンジであること。カバー本体内に、緩衝材を設けてなること。カバー本体に、固定部を設けてなること。笛部の音色を変えてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
駐車場用衝突警告具によれば、以下の効果を有するものである。
1)、カバー本体に、空気吸入口及び笛部を設けることにより、車が当った時点で笛が鳴り、危険を運転者に知らせ、車を傷付けることなく駐車することができる。
2)、カバー本体内に、スポンジ等による空気吸入体を設けることにより、車が当り圧縮されても、車が離れた時点で元に戻り、常に空気をカバー本体内に保持できるため、手間が掛からない。
3)、空気吸入口と笛部を一体に設けることにより、識別することなく、空気入れ等の作業を容易に行うことができる。
4)、風船体を設けることにより、万一破損した場合でも交換が可能であり、便利である。
5)、風船体を複数設けると共に、音色を変化させることにより、危険度が運転者に分かり易く、反応の遅い方に特に有効である。
6)、風船体と風船体をチューブにて連結することにより、1つの笛あるいは2つ以上の笛を同時に鳴らすことができ、運転者により一層危険を知らせることができる。
7)、カバー本体内に、緩衝材を設けることにより、時に風船体間に設けることにより、風船体を少なく設定でき、コストを安く設定できる。
8)、カバー本体に、凹凸テープ等の固定部を設けることにより、耐震ブレース(H形鋼)や柱等に簡単・容易に取り付けられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
駐車場用衝突警告具1は、内部に空気Kを有してなる立体によるカバー本体2の上面に逆止弁付の空気吸入口3及び笛部4を設けてなる。
なお、カバー本体2の側面に凹凸テープ等による固定部2aを設けるのが望ましい。(特に凹凸テープに限定するものではなく、同様な機能があれば他の形態でもよい)
【0010】
つぎに、駐車場用衝突警告具21は、上記と同様なカバー本体22内にスポンジ等による空気吸入体5を設けることにより、車が当りカバー本体22(空気吸入体5)が押圧(圧縮)されても、車が離れた時点で空気吸入体5が元に戻り(空気吸入口より空気が入り込む)、再度使用できるものである。
【0011】
上記駐車場用衝突警告具1(駐車場用衝突警告具21)の使用例について下記に述べる。
建物T内における屋内駐車場において、H型鋼による耐震ブレースTB(屋内駐車場では鉄骨がむき出しになっている状態が殆どである。鉄骨の柱には耐震ブレースが斜めに入っているケースが多いのだが、建築構造から成り立っているので必然なのである。この斜めに入っているブレース(鉄骨)が駐車する時に、ちょうど車の死角に入り見えなくてぶつけてしまうことが多い。車と鉄骨がぶつかると、双方がダメージを受けるのである。特に車はひどい時には大破してしまう。鉄骨の方も車がぶつかることによって鉄骨が曲がったりしないものの、表面塗装が落ちたりさび止め塗装も落ちたりする。それが繰り返されることにより建築物としての強度にも影響して甚大な被害となるのである。)の側面の適所に1つあるいは2つ駐車場用衝突警告具1(駐車場用衝突警告具21)を取り付ける。
なお、乗用車(4ドアセダンや軽自動車等)G用として下方へ、ワンボックスカーON用として上方へ取り付けるのが望ましい。
【0012】
この状態で、車G1が白線H内に駐車すべく、バックする時、誤って後部左側KHが駐車場用衝突警告具1・21に当った場合、カバー本体2・22(空気吸入体5)が押圧されると同時に笛部4から音が発生し、運転者に警告してバックを中止させ、再度前進してハンドルを切り返し、所要位置に停車できるものである。
【0013】
別の実施例として、駐車場用衝突警告具31は、空気(音)が漏れるべく上面をメッシュ状32aに形成してなる立体による一端をチャック32bにて開閉するカバー本体32内に、空気吸入口33及び笛部34を設けた風船体(小風船体6a・中風船体6b・大風船体6c)を設けると共に、ボールによる緩衝材7a・7bを設けてなるものである。
【0014】
また、駐車場用衝突警告具41は、上記と同様な各風船体46a・46b・46c内にスポンジ等による空気吸入体5a・5b・5cを設けてなるもので、各風船体46a・46b・46cに車が当り押圧(圧縮)されても、車が離れた時点で空気吸入体5a・5b・5cが元に戻り(空気吸入口より空気が入り込む)、再度使用できるものである。
さらに、笛部44a・44b・44cの各々の音色を変えることにより、例えば風船体46aの音色から風船体46bの音色に変化した時点で危険を察知でき、鈍感な方にも認識できる。
【0015】
なお、他の実施例として、空気吸入口と笛部を1つの構造体とし、一体と設けるのも一考である。
また、風船体と風船体の空気吸入口をチューブ33aで連結し、笛を同時に鳴らすのも一考である。(複数の風船体の1つのみに笛部を設けたもので、各空気吸入口を連結し、1つの音(笛部)を長く鳴らすことも一考である)
【0016】
上記各実施例において、カバー本体の大きさ、形状は特に限定することなく、例えば魚形に形成したものでもよい。
また、空気吸入体の大きさ、数、材質(スポンジ等)も特に限定するものではない。
さらに、風船体や緩衝材の数、音色等も、必要に応じて決めればよい。
さらにまた、取り付け位置や場所等も、必要に応じて決めればよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】 本発明の第1実施例を示す駐車場用衝突警告具の縦断正面図。
【図2】 本発明の第1実施例を示す駐車場用衝突警告具の平面図。
【図3】 本発明の第2実施例を示す駐車場用衝突警告具の縦断正面図。
【図4】 本発明の第1・2実施例を示す駐車場用衝突警告具の使用状態の正面図。
【図5】 本発明の第1・2実施例を示す駐車場用衝突警告具の使用状態の平面図。
【図6】 本発明の第1・2実施例を示す駐車場用衝突警告具の要部使用状態の平面図。
【図7】 本発明の第3実施例を示す駐車場用衝突警告具の一部縦断正面図。
【図8】 本発明の第3実施例を示す駐車場用衝突警告具の平面図。
【図9】 本発明の第4実施例を示す駐車場用衝突警告具の一部縦断正面図。
【符号の説明】
【0018】
1−−−駐車場用衝突警告具
2−−−カバー本体
3−−−空気吸入口
4−−−笛部
5−−−空気吸入体
6a−−小風船体
7a−−緩衝材
T−−−建物
TB−−耐震ブレース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カバー本体に、空気吸入口及び笛部を設けてなることを特徴とする駐車場用衝突警告具。
【請求項2】
カバー本体内に、空気吸入体を設けてなることを特徴とする請求項1記載の駐車場用衝突警告具。
【請求項3】
空気が漏れるべく形成してなるカバー本体内に、空気吸入口及び笛部を設けた風船体を少なくとも1つ設けてなることを特徴とする駐車場用衝突警告具。
【請求項4】
空気吸入口と笛部を一体に設けてなることを特徴とする請求項1、2又は3記載の駐車場用衝突警告具。
【請求項5】
風船体を2つ以上設けると共に、それぞれ音色を変えてなることを特徴とする請求項3又は4記載の駐車場用衝突警告具。
【請求項6】
風船体の内部に、空気吸入体を設けてなることを特徴とする請求項3、4又は5記載の駐車場用衝突警告具。
【請求項7】
風船体と風船体の空気吸入口をチューブにて連結してなることを特徴とする請求項3、4、5又は6記載の駐車場用衝突警告具。
【請求項8】
空気吸入体が、スポンジであることを特徴とする請求項2、6又は7記載の駐車場用衝突警告具。
【請求項9】
カバー本体内に、緩衝材を設けてなることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の駐車場用衝突警告具。
【請求項10】
カバー本体に、固定部を設けてなることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の駐車場用衝突警告具。
【請求項11】
笛部の音色を変えてなることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10記載の駐車場用衝突警告具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−125175(P2006−125175A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−349128(P2004−349128)
【出願日】平成16年11月1日(2004.11.1)
【出願人】(599051890)株式会社風船工房匠 (13)
【出願人】(504442894)大三建商株式会社 (1)