説明

駐車場

【課題】轍等ができ難く、天然芝の保護育成を良好に行なうことができ、かつ美観性に優れた駐車場を提供する。
【解決手段】立体網状成型体と、
該立体網状成型体内部に充填された土壌と、
該立体網状成型体上に設置され、パイルを多数備えた人工芝領域、及び天然芝の植栽のための天然芝植栽用孔を有する芝生保護育成人工芝と
を有する
ことを特徴とする、駐車場。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天然芝を植栽した緑化駐車場に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、環境保護や、美観性等の面から、駐車場を緑化することが要望されている。そこで、芝生を植栽した駐車場等が考えられているが、駐車場の地表面に直接天然芝を植栽した場合には、車両の駐車等により天然芝が枯れてしまうこと等があり、美観性が損なわれてしまう、という課題があった。
そこで、例えば、天然芝を保護及び育成するための芝生保護育成人工芝を、地表面に敷設し、この芝生保護育成人工芝内に芝生を植栽し、天然芝を保護すること等が行なわれている(例えば特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−77687号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、駐車場では、車両の走行や駐車中の車両の重量等によって轍が発生しやすく、芝生保護育成人工芝がずれて美観性が損なわれたり、天然芝の保護及び育成を十分に行なうことができない等の課題があった。またさらに、芝生保護育成人工芝の下の砂や土の移動により、芝生保護育成人工芝上へ土が堆積しやすく、この場合、天然芝が植栽されている領域にも砂や土が堆積される。これにより、天然芝の成長点が芝生を保護するための領域より地表側に出てしまい、該成長点が車両の移動等によって損なわれてしまい、芝生の育成等が困難となる場合もあった。またさらに、このような駐車場では、芝生保護育成人工芝の下の土壌が、車両の走行や駐車、人の通行等により、踏み固められてしまい、天然芝の育成が阻害されるという課題もあった。
【0005】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものである。
即ち、本発明の目的は、轍等ができ難く、天然芝の保護育成を良好に行なうことができ、かつ美観性に優れた駐車場の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は、上記課題に鑑み検討した結果、立体網状成型体内に土壌を充填し、該立体網状成型体上に芝生保護育成人工芝を設置することにより、轍等ができ難く、かつ芝生の保護及び育成を良好に行なうことが可能な駐車場とすることができることを見出し、本願に至った。
【0007】
本発明の要旨は、立体網状成型体と、該立体網状成型体内部に充填された土壌と、該立体網状成型体上に設置され、パイルを多数備えた人工芝領域、及び天然芝の植栽のための天然芝植栽用孔を有する芝生保護育成人工芝とを有することを特徴とする、駐車場に存する。
【0008】
また、該駐車場は、該天然芝植栽用孔内に露出している該土壌に天然芝が植栽されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の駐車場は、立体網状成型体上に、芝生保護育成人工芝を有することから、車両の駐車によって、轍が発生することがなく、芝生保護育成人工芝がずれることがない。また、芝生保護育成人工芝の下の土壌が移動し難いことから、芝生保護育成人工芝上への土の堆積等が生じ難い。したがって、天然芝を良好に保護及び育成することが可能である。またさらに、上述の構成によれば、芝生保護育成人工芝の下の土壌が踏み固められてしまうこともなく、天然芝を良好に生育することが可能となる。
またさらに、仮に天然芝の成長が不良であった場合や、天然芝が枯れてしまった場合等であっても、芝生保護育成人工芝の人工芝領域によって、美観性が良好な駐車場とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】(a)本発明の駐車場の一例を示す平面図であり、(b)は、(a)のa−a’部分の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明について、実施の形態を挙げて詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々に変更して実施することができる。
【0012】
[I.構成]
図1(a)は、本発明の一実施形態に係る駐車場の平面図であり、図1(b)は概略断面図である。図1に示されるように、立体網状成型体1と、該立体網状成型体1の内部に充填された土壌3と、立体網状成型体1上に設置された芝生保護育成人工芝2とを有するものである。また、該芝生保護育成人工芝2には、パイルを多数備えた人工芝領域10と、天然芝植栽のための、天然芝植栽用孔11とが設けられており、該天然芝植栽用孔11には、天然芝(図示せず)が植栽されて使用される。また、本発明の駐車場は、立体網状成型体1が地中に埋めて用いられ、芝生保護育成人工芝2が地表面に配置されるように設置される。
【0013】
なお、立体網状成型体1及び芝生保護育成人工芝2は、例えば立体網状成型体1上に芝生保護育成人工芝2が載置されたのみで、芝生保護育成人工芝2が固定されていなくてもよいが、例えばワイヤーやステイプル、接着剤等の各種方法によって、立体網状成型体1と芝生保護育成人工芝2とが固定されていることがより好ましい。
以下、各部材について説明する。
【0014】
・立体網状成型体
本発明に用いられる立体網状成型体は、地中に埋めて用いられるものであり、車両や人の荷重を支えることが可能なものであれば、その形状は特に制限はない。立体網状成型体における立体的な網の形状としては、例えば格子状等、規則的なものであってもよいが、本発明においては、例えばヘチマ繊維状や海綿状等、ランダムな形状であることが好ましい。
また、立体網状成型体全体の形状としては、特に制限はなく、例えば立方体状、直方体状、多角柱状、円柱状等、駐車場の形状に合わせて適宜設定することができるが、立方体状、直方体状、正六角形状等、複数の立体網状成型体を隙間なく並べて配置可能な形状であることが特に好ましい。
【0015】
また、立体網状成型体の寸法は駐車場の規模等に応じて適宜設定することができ、運搬性や施工性を考慮した大きさに適宜設定することが好ましい。なお、本発明の駐車場は、立体網状成型体を複数並べて配置して形成してもよい。
【0016】
また、立体網状成型体の厚みは、通常3cm以上であり、好ましくは5cm以上である。また20cm以下であることが好ましく、より好ましくは15cm以下である。上記下限値以上とすることにより、後述する強度(耐加重)を有するものとすることができる。また上限値以下とすることにより、施工性を良好なものとすることができる。
【0017】
立体網状成型体の耐加重として具体的には、2.5kg/cm以上であることが好ましく、より好ましくは3kg/cm以上である。通常、2トン車の一輪にかかる荷重は500kgであり、この一輪の接地面積を200cmとすると、荷重は2.5kg/cmである。したがって、上記下限値以上とすることにより、駐車場に車両が停車した場合等にも、十分耐えうるものとすることができ、荷重によって上記土壌(砂や土等)の移動が少なく、タイヤによる轍の発生を抑えることが可能となる。上記耐加重は、厚さ50mm、30cm四方の試験用の立体網状成型体内部に土壌を充填し、圧縮速度1mm/分で10cm角の鉄板を押し付け、厚さが20mmとなるまでの荷重を測定した値である。なお、上記立体網状成型体中に充填する土壌の量は、実際に立体網状成型体に充填する土壌の量にあわせた量とする。
【0018】
また、立体網状成型体の空隙率は、本発明の目的及び効果を損なわない限り特に制限はないが、通常80%以上、好ましくは90%以上である。また通常97%以下、好ましくは95%以下である。下限値以上とすることにより、天然芝の生育に十分な土壌を立体網状成型体中に充填することが可能となり、また上限値以下とすることにより、上記強度(耐加重)を有するものとすることができる。なお、空隙率は、直方体または立方体状の立体網状成型体の重量と、該直方体または立方体と同体積、かつ立体網状成型体と同じ材料からなり内部に空隙を有しない成型体の重量との比から求められる。
【0019】
立体網状成型体の形成に用いられる材料としては、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロン等の熱可塑性樹脂等が挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上を混合して用いてもよい。上記の中でも強度や成型性という面からポリプロピレン樹脂が特に好ましい。
【0020】
・・立体網状成型体の製造方法
立体網状成型体の製造方法は、上記立体網状成型体の材料に応じて適宜選択される。例えば立体網状成型体が熱可塑性樹脂を含有するものである場合、熱可塑性樹脂を加熱溶融してノズルから押出し、繊条としたものをカールしたまま積み重ね、繊条の相互接点を溶着成型して、立体網状成型体とすること等ができる。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0021】
・土壌
立体網状成型体の内部には、土壌が充填される。ここで、立体網状成型体の芝生保護育成人工芝側、すなわち地表側に充填される土壌は、天然芝の生育に用いられるため、天然芝の生育に適した土壌であればよく、その種類等は特に制限はない。
また、上記土壌中には、保水材が混合されていてもよい。保水材としては、例えば、アクリルアミド系、ポリエチレンオキサイド系などの高吸水性高分子ポリマーのほか、ピートモス、バーク堆肥などの有機質資材や、ゼオライトやパーライト等の多孔質鉱物資材等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、また2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
【0022】
また、芝生の育成に適した土壌は、通常、芝生保護育成人工芝と立体網状成型体との境界から2cm以上の深さまで充填されることが好ましい。上記下限値以上とすることにより、天然芝が土壌に十分に根付き、生育を良好なものとすることができる。
【0023】
なお、上記以外の領域、すなわち上記領域より地中側の領域に充填される土壌については特に制限はなく、上記地表側に充填される土壌と同一であってもよく、また、例えば砂や珪砂、礫を含む土壌等であってもよい。なお、これらは1種のみを用いてもよく、また2種以上を混合してもよい。また、異なる種類の層が2層以上積層されていてもよい。
【0024】
上記土壌の充填度合いは、立体網状成型体の空隙の総量(体積)を100とした場合に、80以上の領域に土壌を充填することが好ましく、より好ましくは90以上、さらに好ましくは95以上である。上記下限値以上とすることにより、本発明の駐車場の耐加重を高いものとすることができる。
【0025】
・芝生保護育成人工芝
本発明に用いられる芝生保護育成人工芝は、パイルを多数備えた人工芝領域と、天然芝植栽用孔とを有する。
【0026】
・・人工芝領域
人工芝領域は、多数パイルを備えた領域であり、車両の走行や駐車、人の通行等による摩擦や荷重等から、天然芝を保護し、かつ仮に天然芝が枯れた場合でも美観性を良好に保つことが可能な領域であれば、その構造等は特に制限はない。通常、芝生保護育成人工芝は基部を有しており、パイルはこの基部上に植設、もしくは基部と一体成型されたものとすることができる。
【0027】
人工芝領域における各パイルの形状は特に制限はない。例えば円柱状、楕円柱状等であってもよく、また三角柱状、四角柱状などの多角柱状であってもよく、また円錐状や、三角錐状または四角錐状などの角錐状、さらには擬芝葉様の形状等とすることができる。またループ状としてもよい。
【0028】
人工芝領域に形成されているパイルは全て同一の形状であってもよく、また2種以上の形状のパイルを混在させてもよい。上記の中でも、特に擬芝葉様の形状が好ましい。
【0029】
またパイルの平均高さは特に制限はないが、通常10mm以上、好ましくは15mm以上、より好ましくは20mm以上である。また通常50mm以下、好ましくは40mm以下、より好ましくは30mm以下である。上記下限値以上とすることにより、後述する天然芝植栽用孔に植栽された天然芝を良好に保護することが可能となり、また仮に天然芝が枯れてしまった場合等にも、優れた美観性を得ることが可能となる。
上記パイルの高さとは、基部表面から垂直方向のパイルの高さをいい、平均高さは通常、JIS L1021 7.2.1aに基づき、ダイヤルゲージ等により測定することができる。
【0030】
また、基部の厚みとしては、本発明の目的及び効果を妨げない範囲で任意に選択することができる。このような厚みとしては、通常0.5mm以上、好ましくは1mm以上、また通常5mm以下、好ましくは3mm以下である。
また、基部には、通気や排水のための孔等が適宜設けられていてもよい。
【0031】
・・天然芝植栽用孔
天然芝植栽用孔は、天然芝を植栽可能するための孔であり、通常、芝生保護育成人工芝の基部に所定の形状に形成された孔である。天然芝植栽用孔の形状は特に制限はない。例えば円形状であってもよく、また矩形状であってもよく、その他、多角形状等であってもよい。また芝生保護育成人工芝には、通常、複数の天然芝植栽用孔が形成されており、これらは規則的に形成されていてもよく、またランダムに形成されていてもよい。
【0032】
また、芝生保護育成人工芝には、通常、複数の天然芝植栽用孔が形成される。各天然芝植栽用孔の面積としては、通常2.0cm以上、好ましくは3.0cm以上、より好ましくは5.0cm以上とされる。また通常50cm以下、好ましくは30cm以下、より好ましくは20cm以下とされる。上記下限値以上とすることにより、各天然芝植栽用孔ごとに良好に芝を生育可能であり、また上記上限値以下とすることにより、天然芝植栽用孔に植栽された天然芝を人工芝領域によって保護することが可能となる。
【0033】
また、天然芝植栽用孔は、芝生保護育成人工芝1mあたりに、1000cm以上形成されていることが好ましく、より好ましくは1500cm以上である。また3000cm以下形成されていることが好ましく、より好ましくは2500cm以下である。上記範囲内とすることにより、天然芝を良好に保護することができる。
【0034】
・・芝生保護育成人工芝の材料及び製造方法
芝生保護育成人工芝の材料や製造方法は、特に制限はなく、例えば基部とパイルとを一体として成型法により形成する方法、または基部に、パイルを植設する方法が挙げられる。これらの方法に応じて適宜、材料も選択されるため、以下、それぞれについて説明する。
【0035】
・・・成型法により形成する方法
この場合における芝生保護育成人工芝の形成は、一般的な成型法により人工芝を形成するための装置等を用いることができる。具体例としては、成型ドラムの周面に、パイルを成型するための円筒が多数配置され、円筒内には所定の数(1つの葉株に必要なパイルの数)の切り込みを入れた芯金を入れた金型が配列してあり、さらにこれらパイルを繋ぐ基部を形成するための溝が設けられた装置を用いること等により行なうことができる。具体的には、このドラムに、材料となる熱可塑性樹脂が押し出され、円筒と芯金との隙間のパイルを形成する金型に該樹脂が充填される。また、該熱可塑性樹脂は、基部を形成するための溝にも充填され、パイルは底面で繋がれる。すなわち、上記金型によりパイルが形成されると同時に底面部はシート状になり、上述の基部とされる。
【0036】
充填された熱可塑性樹脂はドラムの回転とともに冷却され、冷却固化されて、成型体(芝生保護育成人工芝)となる。この芝生保護育成人工芝は、押出装置の反対側で、ドラムから剥ぎ取られ、巻き取られる。なお、上記芝生保護育成人工芝は、射出成型によってユニット状に成型しても良く、金型に溶融した樹脂組成物を押出注型して形成しても良い。また、上記天然芝植栽用孔は、シート状に芝生保護育成人工芝を形成した後、基部の一部を切除することにより形成してもよく、また予め、天然芝植栽用孔の形状に孔が形成されるよう、金型等を調整して形成してもよい。
【0037】
上記成型に用いられる芝生保護育成人工芝の材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のオレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン三元共重合体等のスチレン系樹脂;ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン6・10等のポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;その他の熱可塑性樹脂等が挙げられ、これらは1種単独で、または2種以上を任意の比率及び組合せで用いることができる。上記の中でも、成型性や経済性の点からオレフィン系樹脂を使用することが好ましく、ポリエチレン系樹脂が特に好ましい。
【0038】
また、上記熱可塑性樹脂と併せて、適宜、着色剤、耐候剤、酸化防止剤、滑剤等の添加剤も用いることができる。添加剤は、1種単独で、または2種以上を任意の比率及び組合せで用いることができる。また添加剤は、熱可塑性樹脂に対して通常20重量%以下、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下とすることができる。
【0039】
・天然芝
天然芝は、上記芝生保護育成人工芝の天然芝植栽用孔に露出している土壌に種子を蒔くこと等によって植栽してもよく、また発芽した状態のものを天然芝植栽用孔に露出している土壌に植栽してもよい。天然芝の種類は、駐車場を設置する地域の気候等に合わせて、適宜選択され、特に制限はない。
【0040】
本発明においては、上述の立体網状成型体内に充填された土壌に該天然芝が十分に根をはることが可能であり、天然芝を生育することが可能となる。また、上記立体網状成型体が立体網状構造を有することから、生育が阻害されることがないものとすることができる。
【0041】
[II.駐車場の設置方法]
本発明の駐車場の設置方法としては、例えば駐車場を設置する位置に、立体網状成型体を埋め込み、立体網状成型体中に、土壌を充填する。次いで、立体網状成型体上に芝生保護育成人工芝を設置し、天然芝植栽用孔に天然芝を植栽する。なお、本発明の駐車場の設置方法は上記方法に制限されるものではなく、例えば立体網状成型体内に土壌を充填したものを、所定の位置に埋め込んでもよい。また例えば天然芝植栽用孔に天然芝を植栽した後に、芝生保護育成人工芝を設置してもよい。また、必要に応じて他の工程を有していてもよい。
また、本発明の駐車場は、上述の立体網状成型体や、芝生保護育成人工芝をそれぞれ複数並べて配置して形成しててもよい。
【実施例】
【0042】
以下、本発明について実施例を用いて更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0043】
(実施例)
厚さが50mm、30cm×30cmの立体網状成型体(新光ナイロン株式会社製ヘチマロン)の内部に均一に土壌を充填した。次いで、芝生保護育成人工芝(株式会社アストロ製 商品名アストロターフ(登録商標) グリーンキープ)を上記立体網状成型体上に設置し、駐車場とした。
ここで、上記駐車場に用いた立体網状成型体について、下記の方法により強度を測定した。厚さ50mm、30cm四方の試験用の立体網状成型体内部に上記と同様に土壌を充填した。その後、圧縮速度1mm/分で10cm角の鉄板を押し付け、厚さが20mmとなるまでの荷重を測定したところ、17kg/cmであった。
【0044】
(比較例1)
上記立体網状成型体を用いず、土壌上に、実施例1と同様の芝生保護育成人工芝を設置した。
本比較例に用いた土壌について、厚さ50mmの層を作製し、実施例と同様に10cm角の鉄板を押し付け、厚さが20mmとなるまでの荷重を測定したところ、8kg/cmであった。
【0045】
(比較例2)
上記土壌として、砂を用いた以外は、比較例1と同様に駐車場を作製した。
本比較例に用いた砂について厚さ50mmの層を作製し、実施例と同様に10cm角の板を押し付け、厚さが20mmとなるまでの荷重を測定したところ、4kg/cmであった。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明の駐車場は、轍等ができ難く、天然芝の保護育成を良好に行なうことができ、かつ美観性に優れた駐車場とすることができる。
【符号の説明】
【0047】
1 立体網状成型体
2 芝生保護育成人工芝
3 土壌
10 人工芝領域
11 天然芝植栽用孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
立体網状成型体と、
該立体網状成型体内部に充填された土壌と、
該立体網状成型体上に設置され、パイルを多数備えた人工芝領域、及び天然芝の植栽のための天然芝植栽用孔を有する芝生保護育成人工芝と
を有する
ことを特徴とする、駐車場。
【請求項2】
該天然芝植栽用孔内に露出している該土壌に天然芝が植栽されている
ことを特徴とする、請求項1に記載の駐車場。

【図1】
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