説明

駐車支援装置及び駐車支援方法

【課題】車両の駐車を支援する際に切り返しが必要であるか不要であるかをドライバが判断することができる入力補助情報を提示する駐車支援装置100を提供する。
【解決手段】車両の駐車目標スペースの設定入力時において、自車両の周囲の撮像画像に基づいて生成された複数の駐車可能スペースを含む俯瞰画像に、車両が切り返し無しで駐車できる第1駐車スペース及び/又は前記車両が切り返しをすれば駐車できる第2駐車スペースを重畳させた入力補助情報をディスプレイに提示する入力補助機能と、提示された入力補助情報に基づく駐車目標スペースの設定入力を受け付ける入力受付機能と、を実行する制御装置10を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自車両の周囲の映像をドライバに提示して駐車を支援する駐車支援装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置に関し、自車両を含む俯瞰画像を示すものであって、目標駐車位置に自車両の大きさに対応する駐車スペースを示す装置が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−252837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の装置では、車両1台分の駐車スペースのみを表示するため、空きスペースに対して自車両が切り返しをすることなく駐車可能であるのか、切り返しを行わないと駐車できないのかが分からないという問題があった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、駐車目標スペースに自車両を駐車させる際に、ドライバが、自車両が切り返しをすることなく駐車可能であるのか、切り返しを行わないと駐車できないのかが分かる駐車支援装置及び駐車支援方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、自車両の周囲の撮像画像に基づいて生成された複数の駐車可能スペースを含む俯瞰画像に、車両が切り返し無しで駐車できる第1駐車スペース及び/又は車両が切り返しをすれば駐車できる第2駐車スペースを重畳させた入力補助情報をディスプレイに提示してから駐車目標スペースの設定入力を受け付けることにより、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、駐車目標スペースの設定入力時において、車両が切り返し無しで駐車できる駐車スペース及び/又は車両が切り返しをすれば駐車できる駐車スペースをドライバに示すので、空きスペースに対して自車両が切り返しをすることなく駐車可能であるのか、切り返しを行わないと駐車できないのかを、ドライバが知ることができる。この結果、実際の空きスペースに応じた内容の駐車支援を行うことができ、自車両を正確に駐車目標スペースに導くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明を適用した実施形態に係る駐車支援システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明を適用した実施形態に係る駐車支援システムによる駐車支援処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明を適用した本実施形態に係る駐車支援システムのカメラの配置の一例を示す図である。
【図4】本発明を適用した実施形態に係る駐車支援システムにおける縦列駐車時の入力補助情報の第1の表示態様を説明するための図である。
【図5】本発明を適用した実施形態に係る駐車支援システムにおける縦列駐車時の入力補助情報の第2の表示態様を説明するための図である。
【図6】本発明を適用した実施形態に係る駐車支援システムにおける縦列駐車時の入力補助情報の第3の表示態様を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、本発明に係る駐車支援装置を、選択された駐車モード(左右の縦列駐車)で、ドライバが設定した駐車目標スペースに自車両を誘導する駐車支援システムに適用した場合を例にして説明する。
【0010】
図1は、本実施形態に係る駐車支援装置100を備える駐車支援システム1000のブロック構成を示す図である。
【0011】
図1に示すように、本実施形態の駐車支援システム1000は、カメラ1a〜1dと、画像処理装置2と、駐車支援装置100と、車両コントローラ200と、車両の駆動系400と、ステアリング500と、メータディスプレイ600と、ナビゲーション用ディスプレイ600と、を備えている。
【0012】
図1に示すように、本実施形態の駐車支援装置100の制御装置10は、車両が切り返し無しで駐車できる第1駐車スペース及び/又は車両が切り返しをすれば駐車できる第2駐車スペースを俯瞰画像に重畳させた入力補助情報をディスプレイに提示させ、設定された駐車目標スペースに自車両を誘導するためのプログラムが格納されたROM(Read Only Memory)12と、このROM12に格納されたプログラムを実行することで、駐車支援装置100として機能する動作回路としてのCPU(Central Processing Unit)11と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)13と、を備えている。
【0013】
駐車支援装置100は、駐車支援コントロールユニットを備えることができる。駐車支援コントロールユニットは、AT/CVTコントロールユニット(車両コントローラ200)からのシフトレンジ情報、ABSコントロールユニット(車両コントローラ200)からの車輪速情報、舵角センサコントロールユニット(車両コントローラ200)からの舵角情報、ECM(車両コントローラ200)からのエンジン回転数情報等に基づいて、EPSコントロールユニット(車両コントローラ200)への自動転舵に関する指示情報、メータコントロールユニット(車両コントローラ200)への警告等の指示情報等を演算し、出力する。駐車支援の内容及び手法は特に限定されず、出願時において知られた手法を適宜に適用することができる。
【0014】
また、駆動系400は、駐車支援を実施するための車両の駆動機構群であり、駐車支援装置100から取得した制御指令信号に基づいて駆動し、自車両を駐車目標スペースへ誘導する。例えば、駆動系400に含まれるEPSモータは、駐車支援装置100から取得した制御指令信号に基づいてステアリング500が備えるパワーステアリング機構を駆動して自車両を駐車目標スペースへ誘導する。
【0015】
本実施形態の駐車支援装置10は、図1に示す駐車支援システム1000の各構成及び他の車載装置と情報の授受を行うことができるようにCAN(Controller Area Network)その他の車載LANによって接続されている。
【0016】
本実施形態に係る駐車支援装置100の制御装置10は、表示制御機能と、駐車モード選択機能と、駐車目標スペース設定機能と、車両誘導機能とを実現するためのソフトウェアと、上述したハードウェアの協働により各機能を実行することができる。
【0017】
以下、駐車支援システム1000の各機能が実行されることにより実現される駐車支援処理を、図2〜図6に基づいて説明する。
【0018】
図2は、本発明の本実施形態に係る駐車支援システム1000の制御手順を示すフローチャートである。図3は、入力補助情報の生成に用いられる撮像画像を取得するカメラ1a〜1d及び俯瞰画像の仮想視点を示す図、図4〜図6は、ディスプレイ600に表示される入力補助情報の例を示す図である。
【0019】
本実施形態に係る駐車支援装置100の制御装置10は、IPA起動スイッチ(IPA:Intelligent Parking Assist System)にオン信号が入力されると、駐車支援装置100が起動して駐車支援処理を開始する。IPA起動スイッチの態様は特に限定されず、ステアリング500の周辺に設けられた各種スイッチにIPA起動機能を割りつけて本実施形態のIPA起動スイッチとすることができる。
【0020】
ステップ10において、本実施形態に係る駐車支援装置100の制御装置10は、駐車モードの選択が完了したか否かを判断する。本実施形態における駐車モードは左右の縦列駐車モードを少なくとも含む。駐車支援装置100の制御装置10は、タッチパネル式のディスプレイ600やステアリングスイッチ(図示せず)の入力操作に基づいて、ドライバが選択した駐車モードを特定する選択情報を取得する。また、選択した情報をユーザが確認する入力操作をした場合には、その入力操作に基づいて、駐車モードの選択が完了したと判断する。駐車モードの選択及び選択完了の判断手法は特に限定されず、出願時に知られている手法を適宜に用いることができる。
【0021】
続くステップ11において、制御装置10は駐車目標スペース設定の設定入力が行われる段階であるか(設定入力を待機すべき段階であるか)否かを判断する。ユーザが駐車目標スペース設定の設定入力開始スイッチを操作し、制御装置10が駐車目標スペース設定の設定入力の開始指令を受け付けた場合には、ステップ12に進む。なお、駐車目標スペース設定の設定入力開始スイッチは特に限定されず、ステアリングスイッチ(例えばステアリングに設けられたオーディオスイッチ、車間距離制御スイッチなど)を利用することができる。ステアリングスイッチの入力信号に設定入力の開始の決定信号を割り付け、決定信号に対応するステアリングスイッチの操作がされた場合には、制御装置10は駐車目標スペース設定の設定入力を待機する。
【0022】
そして、ステップ12において、本実施形態に係る駐車支援装置100の制御装置10は、選択された駐車モードに応じて、車両が切り返し無しで駐車できる第1駐車スペースを含む第1入力補助情報を生成する。
【0023】
本実施形態の第1入力補助情報は、車両の周囲の撮像画像に基づいて生成された複数の駐車可能スペースを含む俯瞰画像に、車両が切り返し無しで駐車できる第1駐車スペースを重畳させた画像情報である。駐車支援装置100は、予め、自車両の大きさ(車幅及び車長)、自車両の回転半径などに基づいて、駐車パターンごとに第1駐車スペースを定義し、ROM12に記憶しておく。
【0024】
特に限定されないが、本実施形態の入力補助情報に含まれる俯瞰画像は、車両に設けられたカメラ1a〜1dにより取得された撮像画像に基づいて生成される。図3は、カメラ1a〜1dを自車両に搭載する場合の配置例を示す図である。図3に示す例では、車両のフロントグリル部にカメラ1aを配置し、リアバンパ近傍にカメラ1dを配置し、左右のドアミラーの下部にカメラ1b、1cを配置している。カメラ1a〜1dは視野角の広い広角カメラを使用する。画像処理装置2は、カメラ1a〜1dの撮像画像の視点変換をし、仮想視点20から見た俯瞰画像を生成する。画像処理装置2により行われる画像処理は、例えば「鈴木政康・知野見聡・高野照久,俯瞰ビューシステムの開発,自動車技術会学術講演会前刷集,116-07(2007-10), 17-22.」などに記載された方法を用いればよい。
【0025】
次のステップ13において、本実施形態に係る駐車支援装置100の制御装置10は、ステップ11で生成した入力補助情報を、車両の駐車目標スペースが設定入力される際にディスプレイ600に提示する。
【0026】
図4に、車両が切り返し無しで駐車できる第1駐車スペースを重畳させた、縦列駐車の場合の第1入力補助情報A1の一例を示す。同図に示すように、本実施形態の駐車支援装置100は、自車両に搭載されたカメラ1a〜1dの撮像画像に基づく自車両周囲の俯瞰画像と、自車両周囲の駐車スペースと、車両が切り返し無しで縦列駐車できる第1駐車スペースPを含む第1入力補助情報A1と、自車両周囲の監視映像B1をナビゲーション用ディスプレイ600に提示する。第1入力補助情報A1には、自車両に対して所定位置の駐車スペースを示す設定枠を含ませてもよい。各図に示す例では、ナビゲーション用ディスプレイ600の左側に第1入力補助情報A1を配置し、その右側に自車両周囲の監視映像B1を配置する。
【0027】
本実施形態に係る駐車支援装置100の制御装置10は、カメラ1a〜1dの車両の周囲の撮像画像に基づいて、俯瞰画像と同じ仮想視点の監視画像を生成し、入力補助情報A1とともにディスプレイ600に表示する。これにより、ディスプレイ600に同時に表示する入力補助情報A1と監視映像B1とを、同じ仮想視点から見た映像とすることにより、入力補助情報A1と監視映像B1の両方を見ながら駐車操作をするドライバに違和感を与えないようにすることができる。この結果、ドライバは、周囲を直接又は監視映像B1によって視認確認をしつつ、第1入力補助情報A1に従い入力操作を正確に行うことができる。
【0028】
ステップ14において、ドライバは車両が切り返し無しで縦列駐車できる第1駐車スペースPを含む第1入力補助情報A1に基づいて、自車両が駐車目標スペースに駐車できるか否かを判断し、駐車できる場合には駐車目標スペースの決定指令を所定のスイッチを介して入力する。他方、駐車できない場合には切り返しをすれば駐車できる第2駐車スペースを含む第2入力補助情報の表示を求める要求指令を所定のスイッチを介して入力する。駐車目標スペースの決定指令が入力された場合にはステップ20へ進み、第2駐車スペースを含む第2入力補助情報の表示を求める要求指令が入力された場合にはステップ15に進む。
【0029】
図4に示す第1入力補助情報A1の例では、第1駐車スペースPa1は駐車中の車両V1と重なっているので、ドライバは切り返しをしないで車両を駐車目標スペースに駐車することができないと判断し、第2駐車スペースを含む第2入力補助情報の表示を求める要求指令を入力し、ステップ15に進む。
【0030】
ステップ15において、本実施形態に係る駐車支援装置100の制御装置10は、車両が切り返しをすれば駐車できる第2駐車スペースを重畳させた、縦列駐車の場合の第2入力補助情報A2を生成する。駐車支援装置100は、予め、自車両の大きさ(車幅及び車長)、自車両の回転半径などに基づいて、駐車パターンごとに第2駐車スペースを定義し、ROM12に記憶しておく。
【0031】
次のステップ16において、本実施形態に係る駐車支援装置100の制御装置10は、ステップ15で生成した第2入力補助情報をディスプレイ600に提示する。
【0032】
図5に、車両が切り返しをすれば駐車できる第2駐車スペースを重畳させた、縦列駐車の場合の第2入力補助情報A2の一例を示す。切り返し無しの第1入力補助情報A1の場合と同様に、ナビゲーション用ディスプレイ600の左側に第2入力補助情報A2を配置し、その右側に自車両周囲の監視映像B1を配置して提示する。なお、第1入力補助情報A1及びA2の提示態様は特に限定されず、図6に示すように、第1駐車スペースPa1及び第2駐車スペースPa2の両方を重畳させた第3入力補助情報A3を表示してもよいし、第1駐車スペースPa1及び第2駐車スペースPa2を所定周期で交互に表示してもよい。
【0033】
ステップ17において、ドライバは車両が切り返しをすれば縦列駐車できる第2駐車スペースPを含む入力補助情報A2に基づいて、自車両が駐車目標スペースに切り返しをすれば駐車できるか否かを判断する。切り返しをすれば駐車できる場合には駐車目標スペースの決定指令を所定のスイッチを介して入力し、ステップ18へ進む。図5に示す第2入力補助情報A2を確認すると、第2駐車スペースPa2は駐車中の車両V1と重なっていないので、切り返しをすれば車両を駐車目標スペースに駐車することができると判断できる。駐車目標スペースの決定指令は、タッチパネル式のディスプレイ600に表示された第2駐車スペースPa2をタッチすることによって入力することもできる。
【0034】
他方、ステップ17において、ユーザが切り返しをしても駐車できないと判断した場合には、駐車目標スペースの決定取り消し指令を所定のスイッチを介して入力する。切り返しをしても駐車できない場合には、その駐車目標スペースに駐車することが不可能であるので、駐車支援の実行を一旦キャンセルする駐車目標スペースの決定取り消し指令を入力して、別の駐車目標スペースを探してステップ10以降の処理を繰り返す。
【0035】
なお、上述したステップ13において、車両が切り返し無しで駐車できる第1駐車スペースPa1を含む第1入力補助情報A1と、車両が切り返しをすれば縦列駐車できる第2駐車スペースPa2を含む第2入力補助情報A2とを所定周期で交互に表示させることができる。この場合は、上述したステップ12〜14の処理とステップ15〜17の処理とを同時に行うことができる。具体的に、タッチパネル式のディスプレイ600に第1駐車スペースPa1を含む第1入力補助情報A1と第2駐車スペースPa2とを交互に表示し、表示中にタッチ入力がされた入力補助情報A1,A2の第1駐車スペースPa1又は第2駐車スペースPa2が選択されたと判断することができる。これにより、ステップ12〜14の処理とステップ15〜17の処理の一方を省略できるので、入力処理を簡素化することができる。
【0036】
図2に戻り、ステップ18において、ステップ17でドライバが駐車の可否を判断した駐車スペースを駐車目標スペースとして決定し、ステップ19に進む。
【0037】
ステップ19において、本実施形態の駐車支援装置100は、ステップ10において選択された駐車モードで、ステップ18で選択された駐車目標スペースに、切り返しをして駐車する場合の駐車経路と、この駐車経路に沿って車両を誘導するための駐車時のステアリング500、駆動系400の制御パラメータを算出する。
【0038】
なお、駐車経路は並列駐車、縦列駐車、斜め駐車のそれぞれに対応した経路を1種類ずつメモリ(ROM)に記憶しておき、選択された駐車モードに対応した経路を読み込み、駐車支援処理開始時における自車両の位置と駐車目標スペースの位置との位置関係に基づいて駐車経路を計算する。特に限定されないが、駐車支援コントロールユニットは、切り返し位置までの曲線と切り返し位置から駐車目標スペースまでの曲線とを、駐車経路として算出する。
【0039】
ステップ14で切り返し無しでも駐車可能な駐車目標スペースを選択した場合には、ステップ20において、ステップ14でドライバが駐車の可否を判断した駐車スペースを駐車目標スペースとして決定し、ステップ21に進む。
【0040】
ステップ21において、本実施形態の駐車支援装置100は、ステップ10において選択された駐車モードで、ステップ14で選択された駐車目標スペースに、切り返しをしないで駐車する場合の駐車経路と、この駐車経路に沿って車両を誘導するための駐車時のステアリング500、駆動系400の制御パラメータを算出する。
【0041】
ステップ19、21において、駐車経路と駐車パラメータを算出した後に、ステップ22に進む。
【0042】
ステップ22において、本実施形態の駐車支援装置100は、自車両が駐車経路に沿って移動するように、ステアリング500の操舵を制御する。駐車支援装置100は、計算された駐車経路に自車両の移動軌跡が一致するようにステアリング500の操舵角センサ510と操舵方向センサ520との出力値をフィードバックしながらEPSモータなどの車両の駆動系400への指令信号を演算し、この指令信号を駆動系400又は駆動系400を制御する車両コントローラ200へ送出する。もちろん、算出した駐車経路をナビゲーション用ディスプレイ600に表示し、自車両の移動軌跡が駐車経路と一致するようにステアリング500の操舵量、ステアリング500転舵のタイミング、ブレーキ又はアクセルの操作タイミングをドライバに指示することにより駐車支援を行うこともできる。
【0043】
自車両が駐車目標スペースに駐車すると、本実施形態に係る駐車支援装置100による駐車支援処理は終了する。
【0044】
以上のように構成され、動作する本実施形態の駐車支援装置10は、以下の効果を奏する。
【0045】
本発明の本実施形態の駐車支援装置10によれば、駐車目標スペースの設定入力時において、車両の周囲の撮像画像に基づいて生成された複数の駐車可能スペースを含む俯瞰画像に、車両が切り返し無しで駐車できる第1駐車スペースを重畳させた第1入力補助情報A1及び/又は車両が切り返しをすれば駐車できる第2駐車スペースを重畳させた第2入力補助情報A2をディスプレイ600に提示し、入力補助情報Aを見たドライバから駐車目標スペースの設定入力を受け付けるので、ドライバは空きスペースに対して自車両が切り返しをすることなく駐車可能であるのか、切り返しを行わないと駐車できないのかを、駐車目標スペースを確定する前に知ることができる。この結果、実際の空きスペースに応じた内容の駐車支援を行うことができ、自車両を正確に駐車目標スペースに導くことができる。本発明の駐車支援方法によっても同様の動作により、同様の効果を奏する。
【0046】
本発明の本実施形態の駐車支援装置10によれば、車両が切り返し無しで駐車できる第1駐車スペースを含む第1入力補助情報と、車両が切り返しをすれば駐車できる第2駐車スペースを含む第2入力補助情報とを交互に切り替えてディスプレイ600に表示することにより、上記と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0047】
カメラ1a〜1dの車両の周囲の撮像画像に基づいて、俯瞰画像と同じ仮想視点の監視画像を生成し、入力補助情報A1とともにディスプレイ600に表示する。これにより、ディスプレイ600に同時に表示する入力補助情報A1と監視映像B1とを、同じ仮想視点から見た映像とすることにより、第1入力補助情報A1と監視映像B1の両方を見ながら駐車操作をするドライバに違和感を与えないようにすることができる。この結果、ドライバは、周囲を直接又は監視映像B1によって視認確認をしつつ、入力補助情報A1に従い入力操作を正確に行うことができる。
【0048】
なお、以上説明したすべての実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0049】
本明細書では、本発明に係る駐車支援装置の一態様として車両に搭載された駐車支援装置100を備える駐車支援システム1000を例にして説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0050】
本明細書では、本発明に係る表示制御手段、駐車目標スペース設定手段を有する駐車支援装置の一態様として、少なくとも表示制御機能、駐車目標スペース設定機能を実行する制御装置10を備える駐車支援装置100を説明するがこれに限定されるものではない。また、本実施形態の駐車支援装置100の制御装置10は、駐車支援処理を行うにあたり、表示制御機能、駐車目標スペース設定機能のほか、駐車モード選択機能と、車両誘導機能とを実行することができる。
【符号の説明】
【0051】
1000…駐車支援システム
100…駐車支援装置
10…制御装置
11…CPU,12…ROM,13…RAM
1a〜1d…カメラ
2…画像処理装置
200…車両コントローラ
400…駆動系
500…ステアリング
510…操舵角センサ
520…操舵方向センサ
600…ディスプレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の駐車を支援する駐車支援装置であって、
前記車両の周囲の撮像画像に基づいて生成された複数の駐車可能スペースを含む所定の視点からの俯瞰画像に、前記車両が切り返し無しで駐車できる第1駐車スペース及び/又は前記車両が切り返しをすれば駐車できる第2駐車スペースを重畳させた入力補助情報を生成し、前記車両の駐車目標スペースの設定入力時にディスプレイに提示する入力補助手段と、
前記提示された入力補助情報に基づく駐車目標スペースの設定入力に応じて、駐車目標スペースを設定する駐車目標スペース設定手段と、を有する駐車支援装置。
【請求項2】
前記入力補助手段は、前記俯瞰画像に前記車両が切り返し無しで駐車できる第1駐車スペースを重畳させた第1入力補助情報と、前記俯瞰画像に前記車両が切り返しをすれば駐車できる第2駐車スペースを重畳させた第2入力補助情報とを、交互に切り替えてディスプレイに提示することを特徴とする駐車支援装置。
【請求項3】
前記入力補助手段は、前記車両の周囲の撮像画像に基づいて、前記俯瞰画像と同じ視点の監視画像を生成し、前記入力補助情報とともに前記ディスプレイに表示することを特徴とする駐車支援装置。
【請求項4】
車両の駐車を支援する際の駐車目標スペースの設定入力時において、
車両の周囲の撮像画像に基づいて生成された複数の駐車可能スペースを含む俯瞰画像に、前記車両が切り返し無しで駐車できる第1駐車スペース及び/又は前記車両が切り返しをすれば駐車できる第2駐車スペースを重畳させた入力補助情報をディスプレイに提示し、
前記提示された入力補助情報に基づく駐車目標スペースの設定入力を受け付ける駐車支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−43505(P2013−43505A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−181425(P2011−181425)
【出願日】平成23年8月23日(2011.8.23)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】