駐車空間検出装置
【目的】 CCDエリアセンサを用いて駐車空間を検出する装置において、フロント部が丸みを帯びた車両が駐車している場合にも確実に駐車空間を検出する。
【構成】 車両後部にCCDエリアセンサ10が設けられ、駐車空間を含む所定領域を撮影する。CCDエリアセンサ10にて得られた画像データは距離データに変換され、自動駐車制御用ECU14に供給される。自動駐車制御用ECU14は得られた距離データの内、隣接する少なくとも3個の距離データを用いて既駐車車両のフロント近似直線とサイド近似直線を算出する。そして、サイド近似直線の誤差量とフロント近似直線の誤差量を大小比較し、誤差量の小さい方の近似直線を基本近似直線とし、誤差量の大きい方の近似直線をこの基本近似直線にほぼ直交するように修正し、基本近似直線及び修正された近似直線を用いて既駐車車両のコーナーを検出する。
【構成】 車両後部にCCDエリアセンサ10が設けられ、駐車空間を含む所定領域を撮影する。CCDエリアセンサ10にて得られた画像データは距離データに変換され、自動駐車制御用ECU14に供給される。自動駐車制御用ECU14は得られた距離データの内、隣接する少なくとも3個の距離データを用いて既駐車車両のフロント近似直線とサイド近似直線を算出する。そして、サイド近似直線の誤差量とフロント近似直線の誤差量を大小比較し、誤差量の小さい方の近似直線を基本近似直線とし、誤差量の大きい方の近似直線をこの基本近似直線にほぼ直交するように修正し、基本近似直線及び修正された近似直線を用いて既駐車車両のコーナーを検出する。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は駐車空間検出装置、特に車両に搭載されたCCDエリアセンサにて得られた駐車空間に関する距離データの処理に関する。
【0002】
【従来の技術】車両の車庫入れ操作は、ステアリング操作やアクセルペダルの操作、ブレーキペダルの操作、さらにはマニュアルトランスミッション車両においてはクラッチ操作が加わり極めて煩雑な操作となる。しかも、車両後方から車庫入れを行う際には後方目視するために運転者は不自然な姿勢で上記操作を行わなければならず、熟練を要する操作となっている。一方、このような操作は車両と車庫との相対位置が決定されれば一義的に決定される軌跡に基づく機械的操作で置き換えることが可能である。そこで、このような煩雑な車庫入れ操作を自動化し、運転者の負担を軽減するために自動駐車装置が提案されている。
【0003】このような自動駐車装置では、いうまでもなくいかに正確に車両と車庫との相対位置関係を検出するかが重要技術であり、このため測距センサの改善や得られた距離データの処理の改善等が試みられている。例えば、本願出願人が先に提案した特願平2−312339号では、駐車位置の四隅にバーコード付き標識を予め設置しておき、車両後部に設けられたCCDエリアセンサでこのバーコード付き標識位置を検出することにより車両を車庫に誘導する構成が開示されている。また、このような特別の標識が設置されていない、あるいは設置不可能な駐車空間にも対応可能とするために、本願出願人はさらに特願平3−309475号号にてCCDエリアセンサで複数の所定位置に存在する車庫等の物体の位置を検出し、隣接する物体の位置を始点と終点とするベクトルの変化から駐車位置を算出する構成を提案した。駐車空間ではこのベクトルの向きが急激に変化するため、駐車位置を標識に頼ることなく検出することが可能となる。
【0004】しかしながら、車両後部に設けられたCCDエリアセンサで得られる物体までの距離データは常に正確な値を示すとは限らず、駐車空間周囲の環境変化、例えば天候や時刻等により周囲環境の明暗度が変化した場合にはCCDエリアセンサに結像する物体のコントラスト量が十分でない場合が生じ、CCDエリアセンサで検出する距離データにばらつきが生じてしまう可能性がある。このように距離データ自体にばらつきが生じてしまうと、例えば上述したベクトルの変化量に基づき駐車位置を検出する場合には駐車位置以外のところでもベクトルの変化が生じてしまい、駐車位置を正確に検出するためには特別な処理が必要となってしまう等、駐車位置検出が十分でない可能性がある。
【0005】そこで、本願出願人は先に特願平4−73851号にてCCDエリアセンサで得られた距離データに対し、最小2乗法を複数回(2回)用いることにより、距離データにばらつきがあっても正確な駐車空間検出を可能とする駐車空間検出装置を提案した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、距離データに対し最小2乗法を複数回適用して駐車空間を検出する手法は極めて有効であるが、車両が一方しか駐車していない場合、駐車空間の前面境界線を算出するために最小2乗法を適用しようとしてもデータ数が足りず、最適な駐車空間を検出できない問題が生じる。
【0007】そこで、本願出願人は、特願平5−64988号にて、車両間の駐車空間のみならず、片側にしか車両が駐車していない場合にも確実に駐車空間を検出できる駐車空間検出装置を提案した。この駐車空間検出装置では、得られた距離データの内、隣接する少なくとも3個の距離データを用いて近似直線を決定し、この直線に対して前記CCDエリアセンサから仮想的に光を投射した場合の反射方向の変化に基づき既駐車車両のコーナーを検出するコーナー検出手段と、前記反射方向が同一方向の距離データを用いて算出される駐車入口直線及び前記検出されたコーナー点に基づき、誘導すべき駐車空間を決定する演算手段を有している。すなわち、コーナー部を境にして距離データが示す面特性(既駐車車両の車体の特性を反映している)が変化することに着目し、センサ点から仮想的に光を投射した場合、距離データが形成する面で光がどちらの方向に反射されるかで各距離データの方向を一義的、かつ2値的に決定する。そして、反射点の位置に応じて反射方向を2値的に決定(例えば1と−1)した後、反射方向が変化する距離データを抽出することにより既駐車車両のコーナー点を検出するものである。
【0008】通常の車両が駐車している場合には、この駐車空間検出装置によりコーナー点を精度よく検出できる。ところが、コーナー部が丸みを帯びている車両が駐車している場合には、自車両の停車位置によって、仮想的に光を投射した場合の反射方向の変化点が変わるため、正確にコーナー点を検出できない問題があった。
【0009】図20には、コーナーが丸みを帯びた車両が駐車している場合に特願平5−64988号の駐車空間検出装置で検出した駐車空間の一例が示されている。図中、白丸が自車両に搭載したCCDエリアセンサで得られた距離データであり、実線が検出された入口近似直線(駐車空間入口の直線)と姿勢近似直線(駐車時の自車両の長手方向中心線)を表し、破線が真の入口近似直線と姿勢近似直線を表している。CCDエリアセンサは図中x−y座標系の原点にあり、ここから仮想的に光を投射した場合の反射方向の変化点としてコーナー点を求めるが、既駐車車両のフロントが丸みを帯びていると、コーナー点を正確に求めることができず、従って、入口近似直線及び姿勢近似直線が真の直線からずれてしまう。このように入口近似直線及び姿勢近似直線の誤検出が生じると、図21に示すように所定のロジックを用いて本来駐車可能な空間に車両を誘導しても駐車できない問題が生じてしまう。
【0010】本発明は上記従来技術の有する課題に鑑みなされたものであり、その目的はフロント部が丸みを帯びている車両が駐車していても、その側方の駐車空間を確実に検出できる駐車空間検出装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1記載の駐車空間検出装置は、車両に搭載され、車両周囲の駐車空間を含む所定領域を撮影して方位毎の画像データを得るCCDエリアセンサと、得られた画像データから方位毎の物体までの距離データを算出する距離データ算出手段と、得られた距離データの内、隣接する少なくとも3個の距離データを用いて近似直線群を決定し、この直線群に対して前記CCDエリアセンサから仮想的に光を投射した場合の反射方向の変化に基づいて既駐車車両サイド側の近似直線であるサイド近似直線と既駐車車両フロント側の近似直線であるフロント近似直線とを算出する近似直線算出手段と、算出されたサイド近似直線の誤差量とフロント近似直線の誤差量を大小比較する誤差量評価手段と、誤差量の小さい方の近似直線を基本近似直線とし、誤差量の大きい方の近似直線をこの基本近似直線にほぼ直交するように修正する近似直線修正手段と、前記基本近似直線及び修正された近似直線を用いて既駐車車両のコーナーを検出するコーナー検出手段とを有することを特徴とする。
【0012】また、上記目的を達成するために、請求項2記載の駐車空間検出装置は、請求項1記載の駐車空間検出装置において、前記近似直線修正手段は、前記基本近似直線に直交する1次近似直線を算出し、さらに、この1次近似直線と前記誤差量の大きい方の近似直線との中線を算出することにより前記誤差量の大きい方の近似直線を修正することを特徴とする。
【0013】また、上記目的を達成するために、請求項3記載の駐車空間検出装置は、車両に搭載され、車両周囲の駐車空間を含む所定領域を撮影して方位毎の画像データを得るCCDエリアセンサと、得られた画像データから方位毎の物体までの距離データを算出する距離データ算出手段と、得られた距離データの内、隣接する少なくとも3個の距離データを用いて近似直線群を決定し、この直線群に対して前記CCDエリアセンサから仮想的に光を投射した場合の反射方向の変化に基づいて既駐車車両サイド側の近似直線であるサイド近似直線と既駐車車両フロント側の近似直線であるフロント近似直線とを算出する近似直線算出手段と、算出されたサイド近似直線の誤差量とフロント近似直線の誤差量を大小比較する誤差量評価手段と、誤差量の小さい方の近似直線を基本近似直線とし、誤差量の大きい方の近似直線をこの基本近似直線に基づき修正する第1近似直線修正手段と、修正された近似直線を新たな基本近似直線として従前の基本近似直線を修正する第2近似直線修正手段と、修正された両近似直線がほぼ直交しているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段でほぼ直交していないと判定された場合に、ほぼ直交すると判定されるまで修正された近似直線を新たな基本近似直線として従前の基本近似直線を交互に修正する反復修正手段と、修正された両近似直線を用いて既駐車車両のコーナーを検出するコーナー検出手段とを有することを特徴とする。
【0014】
【作用】本発明は基本的には特願平5−64988号の駐車空間検出装置と同様の検出原理を用いる。すなわち、コーナー部を境にして距離データが示す面特性(既駐車車両の車体の特性を反映している)が変化することに着目し、センサ点から仮想的に光を投射した場合、距離データが形成する面で光がどちらの方向に反射されるかで各距離データの方向を一義的、かつ2値的に決定する。
【0015】図2には本発明のコーナー点検出の概念図が示されている。既駐車車両を角柱として表現した場合、CCDセンサにて駐車空間周辺の既駐車車両を検出するのは、この角柱に対して光あるいは玉をある位置から打ち出すことに相当する。コーナー点を挟んで光あるいは玉の反射する方向は変化するので、逆に言えば光あるいは玉の反射方向を右あるいは左と特定していき、反射方向が右から左(あるいは左から右)に変化する点を検出することにより、コーナーの位置がわかることになる。
【0016】図3には得られた距離データに対してこの手法を用いる場合の一例が示されている。図中黒丸が距離データである。隣接する3点の距離データで決定される直線をまず算出し、各距離データにたいしてセンサ位置Oから光を投射した場合の反射方向を決定する。反射方向は、算出された直線の法線を算出し、この法線に対して対称な位置にある点O´(あるいはO´´)を算出することにより行われる。そして、反射点の位置に応じて反射方向を2値的に決定(例えば1と−1)し、反射方向が変化する距離データを抽出することによりコーナー点が検出できることになる。
【0017】しかし、既駐車車両のコーナーが丸みを帯びている場合、反射方向の変化が連続的となり、従って反射方向がそれぞれ異なる距離データ群の2近似直線(フロント近似直線とサイド近似直線)の交点からコーナー点を一義的に決定すると誤検出が生じ易くなる。
【0018】そこで、本発明では、特願平5−64988号の駐車空間検出装置で得られたフロント近似直線とサイド近似直線から直ちにコーナー点を求めるのではなく、これら近似直線をまず修正して既駐車車両の真のフロント及びサイド直線に近づけている。修正方法は、得られた近似直線の内、誤差量の少ない近似直線をベースに、この近似直線とほぼ直交するように他の近似直線を修正することにより行う。修正方法の一態様としては、誤差量の少ないベース近似直線に垂直な直線を算出し、この垂直線と得られた他の近似直線(誤差量の比較的多い近似直線)の中線をもって他の近似直線とする。これにより、両近似直線の誤差が全体として低減され、2近似直線の交点としてのコーナー点検出の精度が向上する。
【0019】一方、比較的誤差量の少ない近似直線をベースとした場合でも、このベース近似直線自体の誤差の絶対量が大きい場合がある。このような場合には、他の近似直線を修正して得られた近似直線を新たなベース近似直線とし、従前のベース近似直線をさらに両近似直線が所定の許容直交条件を満たすまで修正することにより、全体の誤差の低減を図ることができる。
【0020】
【実施例】以下、図面を用いながら本発明の駐車空間検出装置の好適な実施例を説明する。
【0021】図1には本実施例の駐車空間検出装置が用いられた自動駐車システムの構成が示されている。車両後部にはCCDエリアセンサ10が設けられており、駐車空間を含む所定領域を撮影する。このCCDエリアセンサは、一対のCCDカメラを鉛直軸回りに回動可能に所定距離離間させて配置することにより構成される。そして、CCDエリアセンサ10にて得られた画像データ、すなわちCCDカメラによる画像データは測距用コンピュータである測距用ECU12に供給され、両画像データの比較から駐車空間などの物体までの距離データが方位毎に算出される。算出された距離データ、すなわち距離Rと方位θのデータは自動駐車制御用コンピュータである自動駐車制御用ECU14に供給される。
【0022】自動駐車制御用ECU14は測距用ECU12からの距離データに対し後述する処理を行って駐車空間を検出するとともに、操舵角センサ16や車速センサ18並びにシフトポジションセンサ20から出力される検出信号に基づき車両を駐車空間に誘導するための操舵信号を操舵アクチュエータ26に供給するとともにブレーキアクチュエータ28に制動信号を出力して車両を駐車空間に停止させる構成である。
【0023】以下、図4乃至図16の処理フローチャートを用いて自動駐車制御用ECU14の動作を詳細に説明する。
【0024】図4乃至図9までの処理は特願平5−64988号の駐車空間検出装置の処理と同様であり、距離データを複数の群(クラスタ)に分割する処理である。すなわち、得られた距離データが複数の既駐車車両のデータを含んでいる場合に対応するための処理であり、所望のコーナー部を検出するためには、このコーナー部を含む駐車車両が示す距離データを識別しなければならず、この識別のために距離データのクラスタ化が行われるのである。
【0025】図4乃至図6にはこのクラスタ処理のフローチャートが示されている。まず、得られた空間測距データの数をカウントし、その数をSRとして記憶する(S101)。そして、方位毎の測距データL(i)をx−y直交座標系の座標x(i),y(i)に変換する(S102)。なお、このとき測距画角の中心をx軸に一致させておく。
【0026】x−y座標系における測距データが得られた後、これら測距データの修正処理が行われる(S103)。この修正処理は、CCDエリアセンサの誤動作と思われるデータを処理に有効なデータとして補正するものであり、例えばある距離データが、ほぼ同じ値を示す隣合う2個の距離データと著しく相違する場合に、隣合うデータの平均値で置き換える処理が行われる。
【0027】測距データの補正が行われた後、これらの距離データが測距不能データであるか、あるいは「飛んでいる」データであるかを判定する処理に移行する。すなわち、測距データSS(i,0)が所定値、例えば15m以上であるか否かが判定され(S105)、得られた測距データSS(i,0)が15m以上である場合には測距不能データ及び飛びデータであるとしてそれぞれのフラグs(i)、l(i)を1にセットする(S106)。一方、15m以下である場合には、測距不能フラグを0にセットし(S107)、次の測距データSS(i+1,0)との差分が所定距離、例えば2m以上であるか否かが判定される(S108)。2m以下である場合には測距データに飛びがないと判定され、飛びフラグl(i)を0にセットする(S109)。一方、2m以上の場合には、さらに次のデータSS(i+1,0)が15以上であるか否かが判定される(S110)。15m以下の場合、すなわち測距不能データでない場合には前のデータi−1が0でないか否かが判定される(S111)。そして、1つ前のデータが飛びデータであるか否かが飛びフラグl(i−1,0)が1でないか否かをチェックすることにより判定され、飛びデータでない場合には、現在のデータ、1つ前のデータ、及び1つ次のデータを用いてZA、ZB、ZC、ZDが算出される(S115)。一方、1つ前のデータが飛びデータである場合には、現在の2つ次のデータが測距データとして最後のデータであるか否かが判定され(S113)、最後でない場合には2つ次の測距データSS(i+2,0)が測距不能データであるか否かが判定される(S114)。2つ次のデータも測距不能でない場合には、現在のデータ、1つ次のデータ、及び2つ次のデータを用いてZA、ZB、ZC、ZDが算出される(S116)。
【0028】また、1つ次のデータが測距不能データである場合、現在のデータが測距データの最初のデータである場合、現在の次のデータが測距データの最後のデータである場合には、ZA等を算出することなく、飛びフラグを1にセットする(S118)。
【0029】このようにして、有効である連続する3つの距離データを用いてZA、ZB、ZC、ZDが算出された後、これらZA等を用いてこれらの測距データが線形の関係にあるか否かが判定される(S117)。本実施例の測距データはCCDエリアセンサの等角度データであるため、自車より遠い距離にある測距データほどその間の距離が広がり、従ってクラスタ処理する際に本来は同一クラスタであるにもかかわらず、測距データ間の距離が大きいため異なるクラスタに属すると判定してしまう可能性がある。そこで、本実施例ではこのような誤判定を防止するために、隣接する3つの測距データが線形関係にあるか否かを判定し、線形である場合には同一クラスタであると判定するのである。
【0030】図6には線形判定の処理フローチャートが示されている。まず、ZA、ZB,ZC,ZDの大きさが0.001以下であるか否かが判定され、これらが0.001以下である場合にはフラグfを1、そうでない場合には0にセットする(S201−S212)。従って、フラグfが1である場合には、3つの距離データがx軸またはy軸にほぼ平行に並んでいることを意味している。そして、fa 及びfb がともに1であるか、またはfc 及びfd がともに1であるか否かが判定され(S213)、場合には飛びがないとして飛びフラグl(i)を0にセットする(S217)。
【0031】一方、3つのデータがx軸またはy軸に平行でない場合には、ZCHK=(ZA/ZB)/(ZC/ZD)
を算出し、このZCHKが例えば0.7と1.3の間にあるか否かが判定され(S215)、0.7と1.3の間にある場合にはこれら3つのデータがほぼ一直線上にあって飛びのデータでないと判定され(S216)、一方それ以外の場合には線形関係になく、飛びがあると判定される(S217)。
【0032】このようにして、隣接する3つのデータが線形関係にある場合には同一クラスタに属するデータ、つまり飛びがないデータであるとし、飛びフラグの値が確定した後、この飛びフラグを用いてデータをクラスタに分割する。
【0033】図5にはクラスタ処理、すなわち距離データをグループ分けする処理が示されている。最後の距離データSS(SR,0)が測距不能データであるか否かを判定し(S120−S123)、最後の距離データの飛びフラグを1にセットする(S123)。
【0034】そして、グループのスタートを示すフラグSTを0、グループ数を示すBNを1に初期設定し(S124)、全ての距離データに対し、測距不能フラグをチェックする(S126)。測距不能でない、すなわちs(i)=0である場合にはSTの値がチェツクされ(S127)、ST=0である場合には、さらに飛びがあるか否かがチェックされる(S128)。飛びでない場合には、ST=1にセットするとともに、start(BN)=iとしてグループのスタート測距番号を格納する(S129)。
【0035】測距不能データがある場合には、S126でNOと判定され、さらにST=1、すなわちグループのスタートでない場合には、現在の1つ前の測距データの飛びフラグl(i−1)を1にセットし、グループの終わりの測距番号を示すフラグend(BN)=i−1としてグループの終わりを1つ前の測距データとし、グループカウンタを1だけインクリメントし、BN=BN+1とする。さらに、グループのスタートフラグSTを0にセットする(S131)。この処理により、ある測距データiが測距不能デ−タである場合、その1つ前の測距可能データをグループの終わりの測距データとしてグループ分けされることになる。
【0036】また、ある測距データが測距不能データではなく(s(i)=0)、グループのスタートでもない(ST=1)場合、飛びフラグがチェツクされ(S132)、飛びデータである場合にはグループの終わりをこの測距データとすべくend(BN)=iとし、グループ数を1だけ増やすべくBN=BN+1とし、さらに次のグループをサーチすべくST=0とする(S133)。
【0037】また、ある測距データが測距不能データでなく、グループのスタートであり、かつ飛びフラグである場合には、この測距データをグループのスタート測距番号として格納すべくstart(BN)=iとし、またグループの終わりの測距番号もこの測距データとすべくend(BN)=iとし、BN=BN+1、さらにST=0とする(S134)。従って、この場合には飛びの測距データ1個で1つのグループを形成することになる。
【0038】以上のようにして、測距不能フラグ及び測距飛びフラグを用いて全ての測距データのグループ分け、クラスタリング処理が完了する。なお、グループ処理が完了した段階でのグループ数は実際のグループ数より1だけ多いので(S131,S133,S134で自動的にBNを1だけインクリメントしているため)、BN=BN−1としてグループ数を調整する(S136)。
【0039】全ての測距点のグループ分けが完了した後、図7に示す処理に移行し、着目している測距点x(j),y(j)及び隣接する測距点x(j−1),y(j−1)、x(j+1),y(j+1)を用いて最小2乗法により近似直線を算出する。この直線の傾きをA、切片をBとする(S303)。次に、この近似直線y=Ax+B及びセンサ点(原点)と着目している点x(j),y(j)を結ぶ直線との交点CRX,CRYを算出する(S304)。
【0040】次に、この交点を通り近似直線に垂直な直線(反射面の法線)と前記近似直線に平行でセンサ点を通る直線y=Axとの交点CRXX,CRYYを算出する(S305)。反射点のx座標は、この交点のx座標値CRXXを2倍にした2CRXXとなり、またy座標はA*2*CRXXとなる。
【0041】このようにして算出された反射点から反射方向を算出する。反射方向は、算出された反射点と直線y=y(i)/x(i)との位置関係から把握され、具体的には反射点のy座標CRYY´と、この反射点と同一のx座標値を有するy=y(i)/x(i)x上の点のy座標値Yとの大小比較により行われる。すなわち、S306及びS307でCRYY´及びYを算出し、大小比較する(S308)。大小比較の結果に応じて反射方向を示すフラグres(i)を1または−1に設定することにより(S309,S310)、着目している測距点の反射方向を決定する。
【0042】図8にはこのようにして決定された反射方向により、コーナー点を抽出する処理フローチャートが示されている。まず、コーナー点の存在するクラスタ数を表すcを1にセットし、反射方向が同一の測距点数を表すc1及びmfを0にセットする(S402)。そして、現在の測距点の反射方向res(j)が次の測距点の反射方向res(j+1)と同一か否かが判定される。反射方向が同一である場合には、c1=c1+1とする(S405)。また、反射方向が異なる場合には、コーナー点である可能性が高く、次にmf=0か否かが判定される(S406)。mf=0である場合には、さらにc1が2以上か否かが判定され(S410)、2以上である場合にはc1=0、コーナー点CP(i,c)=j、コーナー点の存在するクラスタ数を表すcを1だけインクリメントし、mf=1とする(S411)。
【0043】mfが0でない場合、すなわち、既に同一反射方向の測距点が2以上存在し、かつコーナー点候補が見つかっている場合には、S406にてNOと判定され、さらににc1が2以上か否かが判定され(S407)、2以上の場合にはc1=0、新たなコーナー点CP(i,c)=j、c=c+1とする(S409)。また、c1が1である場合には、S404にて反射方向が異なっていると判定されていても、コーナー点候補とはせず、mf=0、c1=0、コーナー点数をc=c−1とする(S408)。
【0044】このようにしてコーナー点候補がCP(i,c)に格納され、コーナー点数がcで示されるが、mf=1でコーナー点候補探査が終了し、c1が2以上でない場合には、S409にて自動的にC=C+1とインクリメントしているためCの値が1個余計にカウントされていることになるので、S413−S415にてCの値を修正し、iクラスタ中のコーナー点数CN(i)としてc−1を格納する(S416)。
【0045】そして、CN(i)の値がチェックされ(S420)、CN(i)=0でない、すなわちクラスタ中にコーナー点が存在する場合にはcを1だけインクリメントし(S421)、コーナー点の数をカウントする。そして、S423にてc=1でない、すなわち複数のクラスタにコーナー点が存在する場合には、コーナー点不明として処理を終了する(S424)。一方、コーナー点が1個だけ、すなわちc=1である場合にはコーナー点の存在するjクラスタのみについて処理が行われる。
【0046】特願平5−64988号では、コーナー点を決定するために、コーナー点候補の前後でres=−1を連ねた直線とres=1を連ねた直線の交点に近いものをコーナー点としていた。すなわち、res=−1の測距点及びres=1の測距点に対し最小2乗法を用いてそれぞれ近似直線を算出する。そして、これら2近似直線の交点x,yを算出し、検出されたコーナー点CPがこのようにして算出された交点に近い、すなわち交点の座標から所定範囲内にある場合には、コーナー点座標として確からしいと判断していた。
【0047】一方、本実施例では、このようにres=−1を連ねた直線とres=1を連ねた直線の交点に近いものをコーナー点とするのではなく、res=−1を連ねた直線とres=1を連ねた近似直線の内、得られた測距データとの誤差量が大きい近似直線を修正し、より正確にコーナー点を検出するようにしている。
【0048】本実施例における近似直線修正のアルゴリズムは以下の通りである。
【0049】(1)res=−1の測距点及びres=1の測距点に対し最小2乗法を用いてそれぞれ近似直線を算出する(これらをフロント近似直線及びサイド近似直線という)
(2)フロント近似直線と測距データとの差の絶対値の和をデータ数で除算して得られる誤差量を算出する(3)同様にして、サイド近似直線と測距データの差の絶対値の和をデータ数で除算して得られる誤差量を算出する(4)算出された両誤差量を比較し、誤差量の小さい方を基本近似直線(ベース近似直線)とする(5)他方の近似直線をこのベース近似直線を用いて修正する(6)修正された近似直線の交点としてコーナー点を検出するここで、(5)の修正ステップにおいては、以下の処理が行われる(5a)ベース近似直線に直交する傾きを有し、測距データ群の平均値を切片とする直線を算出する(5b)得られた直線と誤差量の大きい近似直線との中線を算出し、修正近似直線とする(5c)算出された修正近似直線を新たなベース近似直線として、従前のベース近似直線を同様にして修正する(5d)修正後の両近似直線がほぼ直交しているか否かを判定し、直交していない場合には、直交するまで前述のステップを繰り返すなお、処理時間の短縮のために、前述の(5a)のステップのみで修正を終了しても、従来に比べ精度のよいコーナー点検出を行うことができる。
【0050】図10乃至図14には前述のアルゴリズムに基づいた具体的な処理フローチャートが示されている。図10及び図11は(1)及び(2)の処理を行うフローチャートである。図10において、まず、駐車方向を示すDMODの値がチェックされる(S501)。DMODの値は左側駐車の場合には0、右側駐車の場合には1に設定されている。そして、DMODが0の場合にはフラグSFを1にセットし(S502)、DMODが1の場合にはSFを−1にセットする(S503)。次に、反射方向res(i)の値がSFと一致するか否かが判定される(S505)。res(i)の値は1あるいは−1であり、例えば左側駐車の場合にはres(i)=1となる測距データがフロントを近似する測距点群となる。そこで、res(i)の値とSFが等しい場合には、測距点の座標x(i),y(i)より最小2乗法を用いて近似直線を算出することにより(S506)、フロント近似直線が得られる。このようにして得られたフロント近似直線をy=AIx+BIとする(S508)。図17には、フロント近似直線とサイド近似直線の一例が示されている。図中白丸がres=1の測距データであり、黒丸がres=−1の測距データであり、黒丸測距データから得られる近似直線L1がフロント近似直線で、白丸測距データから得られる近似直線L2 がサイド近似直線である。
【0051】そして、このフロント近似直線と各測距点との誤差量を算出する。誤差量は測距点のy座標値とAIx+BIとの差の絶対値を積算し(S515)、その積算値Aを測距点数nで除算して得られる(S518)。すなわち、A=Σ|y(i)−(AIx+BI)|誤差量ER I=A/nで算出する。
【0052】同様にして、図11に示すように測距データからサイドを近似する測距点群を抽出し(S519−S523)、サイド近似直線x=ASy+BSを算出する(S526)。そして、このサイド近似直線の誤差量をA=Σ|x(i)−(ASy+BS)|誤差量ER S=A/nで算出する。
【0053】両誤差量が算出された後、誤差量の少ない近似直線を選択するためにこれら誤差量の大小比較が行われる(図12のS601)。サイド近似直線の方が誤差量が少ない場合には、サイド近似直線の方が比較的正確であるとみなしてベース近似直線とし、フロント近似直線をこのベース近似直線に基づき修正する。修正の方法としては、ベース近似直線であるx=ASy+BSに直交する直線y=−AS+BI´の内、切片BI´の平均値を算出する(S606−S610)。なお、S608におけるA=A+Y(i)+AS・X(i)は切片を積算するステップであり、この積算された切片を測距データ数nで除算することにより、切片の平均が算出される。従って、ベース近似直線に直交し、測距データから得られる切片の平均値を切片とする近似直線は、y=−ASx+A/nとなる。フロント近似直線はこの近似直線を用いて修正される。具体的には、S506にて仮決定されたフロント近似直線y=AIx+BIと、得られた近似直線y=−ASx+A/nとの中線を算出し、この中線をもってフロント近似直線とするのである。中線を算出するステップがS611であり、中線の傾きAIはAI=(AI−AS)/2で算出され、中線の切片BIはBI=(BI+A/n)/2で算出される。
【0054】このようして、誤差量の大きい近似直線が修正され、ベース近似直線と修正された近似直線とを用いてコーナー点を検出することも可能であるが、ベース近似直線自体の誤差量の絶対値が大きい場合には、さらに、ベース近似直線自体も修正する必要がある。S612−S619はこのためのステップであり、修正されたフロント近似直線y=AIx+BIを新たなベース近似直線とし、このベース近似直線に垂直な直線x=−AIy+BS´の内、切片BS´の平均を算出する。S616におけるA=A+X(i)+AI・Y(i)は切片を積算するステップであり、この積算された切片を測距データ数nで除算することにより、切片の平均が算出される。従って、ベース近似直線(修正されたフロント近似直線)に直交し、測距データから得られる切片の平均値を切片とする近似直線は、x=−AIy+A/nとなる。従前のベース近似直線であったサイド近似直線はこの近似直線を用いて修正される。具体的には、S526にて仮決定されたサイド近似直線x=ASy+BSと、得られた近似直線x=−AIy+A/nとの中線を算出し、この中線をもってサイド近似直線とするのである。中線を算出するステップがS619であり、中線の傾きASはAS=(AS−AI)/2で算出され、中線の切片BSはBS=(BS+A/n)/2で算出される。
【0055】一方、S601にて、フロント近似直線の方が誤差量が少ない場合には、フロント近似直線の方が比較的正確であるとみなしてベース近似直線とし、サイド近似直線をこのベース近似直線に基づき修正する(S620−S630)。そして、サイド近似直線の修正が終了した後に、この修正サイド近似直線を新たなベース近似直線とし、従前のベース近似直線であったフロント近似直線を修正する(S631−S638)。なお、図17には、フロント近似直線L1 をベース近似直線とした場合、このフロント近似直線に直交し、測距データの平均値を切片とする直線L2 ´が示されている。前述したように、L2 とL2 ´との中線が修正サイド近似直線となる。
【0056】フロント及びサイド両近似直線が修正された後、これら近似直線がほぼ直交するか否かが判定される。この判定は、両近似直線の傾きAS,AIの積が−1近傍の所定範囲内にあるか否かで判定される(S701)。所定範囲内でない、すなわち、修正された両近似直線がほぼ直交していない場合には、ほぼ直交するまで、前述の修正処理を交互に繰り返す(S702)。一方、両近似直線がほぼ直交すると判定された場合には、両近似直線の交点CX,CYを算出し(S703)、この交点をもってコーナー点とする(S704)。
【0057】このようにしてコーナー点の座標CX,CYが決定された後、駐車空間の最終座標算出処理に移行する。最終座標算出処理は特願平5−64988号と同様であり、抽出されたコーナー点を中心とし、半径(車幅/2+α)の円と入口近似直線の交点として求められる。すなわち、まず、DMODの値がチェツクされ(S710)、DMODがゼロでない、すなわち右側駐車である場合には、コーナー点のあるクラスタiの隣のクラスタ番号cc=j+1として(S711)、ccとグループ数BNとの大小比較が行われる(S712)。ccがBN以上である場合には、コーナー点のあるクラスタjが最後(一番端)のクラスタであることになり、フラグDE=0とする(S718)。一方、ccがBNより大きくない場合、すなわち隣のクラスタが存在する場合には隣のクラスタの最初の測距データの座標をex,eyとし(S713)、DE=1とする(S717)。また、DMODがゼロである、すなわち左側駐車である場合には、cc=j−1として同様の処理が行われる(S714−S720)。
【0058】DE=0の場合には空きスペースを示すフラグTMD=1か否かが判定され、TMD=1である場合には円の半径rを1.5mとし(S722)、TMD=1でない場合にはr=3.25mとする(S723)。そして、中心座標p,qをコーナー点座標CX,CYとし、S606で求めた入り口近似直線の傾きAI、切片BIを用いてa=1/AI、b=−BI/AIとして(S724)、円と入口近似直線との交点の座標を算出する。図15には交点座標の算出処理が示されている。まず、交点が存在するか否かの判定を行うための条件を設定し(S725)、判別式を算出する(S726)。判別式の値が負である場合には、交点が存在しないので処理を終了する(S728)。一方判別式が正である場合には2つの交点が求めることになり、それぞれx1,y1、x2,y2として算出される(S729)。次に、これら2つの交点の内、いずれが最終座標か決定する処理に移行する。すなわち、DMODの値が再びチェックされ(S730)、左側駐車である場合には、y1とCYとの大小比較が行われる(S731)。左側駐車であって、y1がコーナー点CYより小さい場合には、最終座標XF,YFとしてx1,y1が設定され、y1がCY以上である場合には、最終座標にx2,y2が設定される(S732,S733)。一方、右側駐車である場合には、左側駐車と逆であり、y1がCY以上である場合には、最終座標XF,YFとしてx1,y1が設定され、y1がCYより小さい場合には、最終座標にx2,y2が設定される(S735,S736)。
【0059】一方、DE=1である場合には、コーナー点のあるクラスタの隣にさらにクラスタが存在することを意味しており、従って駐車空間がこの間にある可能性もあるので、XF,YFとしてコーナー点と隣のクラスタの端点の中点を算出する(S750)。そして、コーナー点と隣のクラスタの端点までの距離cwが車幅+α以上か否かが判定され(S752)、車幅+α以上である場合には前述の中点を最終座標とし、そうでない場合には適切な駐車空間なしとして処理を終了する。
【0060】このようにして最終座標が決定されると、次に最終漸近線近似直線を決定する。この決定は、傾きが修正サイド近似直線と同一であり、最終座標XF,XYを通る直線y=AF・x+BFとして決定される(S738−S740)。なお、S739にはAF及びBFの決定方法が示されている。
【0061】最終漸近線近似直線が算出された後、この直線に沿うように車両を誘導すればよいが、そのためには、車両とこの最終漸近線近似直線との角度(姿勢角)を算出する必要がある。図16には姿勢角算出処理が示されている。この姿勢角算出処理は、最終座標及びコーナー点から決定される入口方向の向きと車両の中心方向の向きとのなす角を算出することにより行われ、図においてAVX、AVYが車両中心線の方向を表し、BVX,BVYが入口方向を表している。そしてこのら2方向のなす角の余弦がS810にて算出され、最後に姿勢角ATが算出される(S812,S813)。
【0062】図18には本実施例で算出されたフロント近似直線姿勢近似直線が示されている。図中、実線が検出された入口近似直線(駐車空間入口の直線)と姿勢近似直線(駐車時の自車両の長手方向中心線)を表し、破線が真の入口近似直線と姿勢近似直線を表している。図20の結果と比べると、真の入口近似直線と姿勢近似直線に近づいており、検出精度が向上していることがわかる。従って、特願平5−64988号の駐車空間検出装置では駐車する事ができなかった場合でも(図21参照)、図19に示されるように所定のロジックを用いて本来駐車可能な空間に車両を誘導して確実に駐車することができるようになる。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の駐車空間検出装置によれば、フロント部が丸みを帯びている車両が駐車していても、その側方の駐車空間を確実に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の構成図である。
【図2】本発明の作用説明図である。
【図3】本発明の作用説明図である。
【図4】本発明の実施例のフローチャートである。
【図5】本発明の実施例のフローチャートである。
【図6】本発明の実施例のフローチャートである。
【図7】本発明の実施例のフローチャートである。
【図8】本発明の実施例のフローチャートである。
【図9】本発明の実施例のフローチャートである。
【図10】本発明の実施例のフローチャートである。
【図11】本発明の実施例のフローチャートである。
【図12】本発明の実施例のフローチャートである。
【図13】本発明の実施例のフローチャートである。
【図14】本発明の実施例のフローチャートである。
【図15】本発明の実施例のフローチャートである。
【図16】本発明の実施例のフローチャートである。
【図17】本発明の実施例の近似直線の説明図である。
【図18】本発明の実施例の近似直線と真の直線との関係を示す説明図である。
【図19】本発明の実施例の駐車誘導説明図である。
【図20】特願平5−64988号の駐車空間検出装置による近似直線と真の直線との関係を示す説明図である。
【図21】特願平5−64988号の駐車空間検出装置による駐車誘導説明図である。
【符号の説明】
10 CCDエリアセンサ
12 測距用ECU
14 自動駐車制御用ECU
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は駐車空間検出装置、特に車両に搭載されたCCDエリアセンサにて得られた駐車空間に関する距離データの処理に関する。
【0002】
【従来の技術】車両の車庫入れ操作は、ステアリング操作やアクセルペダルの操作、ブレーキペダルの操作、さらにはマニュアルトランスミッション車両においてはクラッチ操作が加わり極めて煩雑な操作となる。しかも、車両後方から車庫入れを行う際には後方目視するために運転者は不自然な姿勢で上記操作を行わなければならず、熟練を要する操作となっている。一方、このような操作は車両と車庫との相対位置が決定されれば一義的に決定される軌跡に基づく機械的操作で置き換えることが可能である。そこで、このような煩雑な車庫入れ操作を自動化し、運転者の負担を軽減するために自動駐車装置が提案されている。
【0003】このような自動駐車装置では、いうまでもなくいかに正確に車両と車庫との相対位置関係を検出するかが重要技術であり、このため測距センサの改善や得られた距離データの処理の改善等が試みられている。例えば、本願出願人が先に提案した特願平2−312339号では、駐車位置の四隅にバーコード付き標識を予め設置しておき、車両後部に設けられたCCDエリアセンサでこのバーコード付き標識位置を検出することにより車両を車庫に誘導する構成が開示されている。また、このような特別の標識が設置されていない、あるいは設置不可能な駐車空間にも対応可能とするために、本願出願人はさらに特願平3−309475号号にてCCDエリアセンサで複数の所定位置に存在する車庫等の物体の位置を検出し、隣接する物体の位置を始点と終点とするベクトルの変化から駐車位置を算出する構成を提案した。駐車空間ではこのベクトルの向きが急激に変化するため、駐車位置を標識に頼ることなく検出することが可能となる。
【0004】しかしながら、車両後部に設けられたCCDエリアセンサで得られる物体までの距離データは常に正確な値を示すとは限らず、駐車空間周囲の環境変化、例えば天候や時刻等により周囲環境の明暗度が変化した場合にはCCDエリアセンサに結像する物体のコントラスト量が十分でない場合が生じ、CCDエリアセンサで検出する距離データにばらつきが生じてしまう可能性がある。このように距離データ自体にばらつきが生じてしまうと、例えば上述したベクトルの変化量に基づき駐車位置を検出する場合には駐車位置以外のところでもベクトルの変化が生じてしまい、駐車位置を正確に検出するためには特別な処理が必要となってしまう等、駐車位置検出が十分でない可能性がある。
【0005】そこで、本願出願人は先に特願平4−73851号にてCCDエリアセンサで得られた距離データに対し、最小2乗法を複数回(2回)用いることにより、距離データにばらつきがあっても正確な駐車空間検出を可能とする駐車空間検出装置を提案した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、距離データに対し最小2乗法を複数回適用して駐車空間を検出する手法は極めて有効であるが、車両が一方しか駐車していない場合、駐車空間の前面境界線を算出するために最小2乗法を適用しようとしてもデータ数が足りず、最適な駐車空間を検出できない問題が生じる。
【0007】そこで、本願出願人は、特願平5−64988号にて、車両間の駐車空間のみならず、片側にしか車両が駐車していない場合にも確実に駐車空間を検出できる駐車空間検出装置を提案した。この駐車空間検出装置では、得られた距離データの内、隣接する少なくとも3個の距離データを用いて近似直線を決定し、この直線に対して前記CCDエリアセンサから仮想的に光を投射した場合の反射方向の変化に基づき既駐車車両のコーナーを検出するコーナー検出手段と、前記反射方向が同一方向の距離データを用いて算出される駐車入口直線及び前記検出されたコーナー点に基づき、誘導すべき駐車空間を決定する演算手段を有している。すなわち、コーナー部を境にして距離データが示す面特性(既駐車車両の車体の特性を反映している)が変化することに着目し、センサ点から仮想的に光を投射した場合、距離データが形成する面で光がどちらの方向に反射されるかで各距離データの方向を一義的、かつ2値的に決定する。そして、反射点の位置に応じて反射方向を2値的に決定(例えば1と−1)した後、反射方向が変化する距離データを抽出することにより既駐車車両のコーナー点を検出するものである。
【0008】通常の車両が駐車している場合には、この駐車空間検出装置によりコーナー点を精度よく検出できる。ところが、コーナー部が丸みを帯びている車両が駐車している場合には、自車両の停車位置によって、仮想的に光を投射した場合の反射方向の変化点が変わるため、正確にコーナー点を検出できない問題があった。
【0009】図20には、コーナーが丸みを帯びた車両が駐車している場合に特願平5−64988号の駐車空間検出装置で検出した駐車空間の一例が示されている。図中、白丸が自車両に搭載したCCDエリアセンサで得られた距離データであり、実線が検出された入口近似直線(駐車空間入口の直線)と姿勢近似直線(駐車時の自車両の長手方向中心線)を表し、破線が真の入口近似直線と姿勢近似直線を表している。CCDエリアセンサは図中x−y座標系の原点にあり、ここから仮想的に光を投射した場合の反射方向の変化点としてコーナー点を求めるが、既駐車車両のフロントが丸みを帯びていると、コーナー点を正確に求めることができず、従って、入口近似直線及び姿勢近似直線が真の直線からずれてしまう。このように入口近似直線及び姿勢近似直線の誤検出が生じると、図21に示すように所定のロジックを用いて本来駐車可能な空間に車両を誘導しても駐車できない問題が生じてしまう。
【0010】本発明は上記従来技術の有する課題に鑑みなされたものであり、その目的はフロント部が丸みを帯びている車両が駐車していても、その側方の駐車空間を確実に検出できる駐車空間検出装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1記載の駐車空間検出装置は、車両に搭載され、車両周囲の駐車空間を含む所定領域を撮影して方位毎の画像データを得るCCDエリアセンサと、得られた画像データから方位毎の物体までの距離データを算出する距離データ算出手段と、得られた距離データの内、隣接する少なくとも3個の距離データを用いて近似直線群を決定し、この直線群に対して前記CCDエリアセンサから仮想的に光を投射した場合の反射方向の変化に基づいて既駐車車両サイド側の近似直線であるサイド近似直線と既駐車車両フロント側の近似直線であるフロント近似直線とを算出する近似直線算出手段と、算出されたサイド近似直線の誤差量とフロント近似直線の誤差量を大小比較する誤差量評価手段と、誤差量の小さい方の近似直線を基本近似直線とし、誤差量の大きい方の近似直線をこの基本近似直線にほぼ直交するように修正する近似直線修正手段と、前記基本近似直線及び修正された近似直線を用いて既駐車車両のコーナーを検出するコーナー検出手段とを有することを特徴とする。
【0012】また、上記目的を達成するために、請求項2記載の駐車空間検出装置は、請求項1記載の駐車空間検出装置において、前記近似直線修正手段は、前記基本近似直線に直交する1次近似直線を算出し、さらに、この1次近似直線と前記誤差量の大きい方の近似直線との中線を算出することにより前記誤差量の大きい方の近似直線を修正することを特徴とする。
【0013】また、上記目的を達成するために、請求項3記載の駐車空間検出装置は、車両に搭載され、車両周囲の駐車空間を含む所定領域を撮影して方位毎の画像データを得るCCDエリアセンサと、得られた画像データから方位毎の物体までの距離データを算出する距離データ算出手段と、得られた距離データの内、隣接する少なくとも3個の距離データを用いて近似直線群を決定し、この直線群に対して前記CCDエリアセンサから仮想的に光を投射した場合の反射方向の変化に基づいて既駐車車両サイド側の近似直線であるサイド近似直線と既駐車車両フロント側の近似直線であるフロント近似直線とを算出する近似直線算出手段と、算出されたサイド近似直線の誤差量とフロント近似直線の誤差量を大小比較する誤差量評価手段と、誤差量の小さい方の近似直線を基本近似直線とし、誤差量の大きい方の近似直線をこの基本近似直線に基づき修正する第1近似直線修正手段と、修正された近似直線を新たな基本近似直線として従前の基本近似直線を修正する第2近似直線修正手段と、修正された両近似直線がほぼ直交しているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段でほぼ直交していないと判定された場合に、ほぼ直交すると判定されるまで修正された近似直線を新たな基本近似直線として従前の基本近似直線を交互に修正する反復修正手段と、修正された両近似直線を用いて既駐車車両のコーナーを検出するコーナー検出手段とを有することを特徴とする。
【0014】
【作用】本発明は基本的には特願平5−64988号の駐車空間検出装置と同様の検出原理を用いる。すなわち、コーナー部を境にして距離データが示す面特性(既駐車車両の車体の特性を反映している)が変化することに着目し、センサ点から仮想的に光を投射した場合、距離データが形成する面で光がどちらの方向に反射されるかで各距離データの方向を一義的、かつ2値的に決定する。
【0015】図2には本発明のコーナー点検出の概念図が示されている。既駐車車両を角柱として表現した場合、CCDセンサにて駐車空間周辺の既駐車車両を検出するのは、この角柱に対して光あるいは玉をある位置から打ち出すことに相当する。コーナー点を挟んで光あるいは玉の反射する方向は変化するので、逆に言えば光あるいは玉の反射方向を右あるいは左と特定していき、反射方向が右から左(あるいは左から右)に変化する点を検出することにより、コーナーの位置がわかることになる。
【0016】図3には得られた距離データに対してこの手法を用いる場合の一例が示されている。図中黒丸が距離データである。隣接する3点の距離データで決定される直線をまず算出し、各距離データにたいしてセンサ位置Oから光を投射した場合の反射方向を決定する。反射方向は、算出された直線の法線を算出し、この法線に対して対称な位置にある点O´(あるいはO´´)を算出することにより行われる。そして、反射点の位置に応じて反射方向を2値的に決定(例えば1と−1)し、反射方向が変化する距離データを抽出することによりコーナー点が検出できることになる。
【0017】しかし、既駐車車両のコーナーが丸みを帯びている場合、反射方向の変化が連続的となり、従って反射方向がそれぞれ異なる距離データ群の2近似直線(フロント近似直線とサイド近似直線)の交点からコーナー点を一義的に決定すると誤検出が生じ易くなる。
【0018】そこで、本発明では、特願平5−64988号の駐車空間検出装置で得られたフロント近似直線とサイド近似直線から直ちにコーナー点を求めるのではなく、これら近似直線をまず修正して既駐車車両の真のフロント及びサイド直線に近づけている。修正方法は、得られた近似直線の内、誤差量の少ない近似直線をベースに、この近似直線とほぼ直交するように他の近似直線を修正することにより行う。修正方法の一態様としては、誤差量の少ないベース近似直線に垂直な直線を算出し、この垂直線と得られた他の近似直線(誤差量の比較的多い近似直線)の中線をもって他の近似直線とする。これにより、両近似直線の誤差が全体として低減され、2近似直線の交点としてのコーナー点検出の精度が向上する。
【0019】一方、比較的誤差量の少ない近似直線をベースとした場合でも、このベース近似直線自体の誤差の絶対量が大きい場合がある。このような場合には、他の近似直線を修正して得られた近似直線を新たなベース近似直線とし、従前のベース近似直線をさらに両近似直線が所定の許容直交条件を満たすまで修正することにより、全体の誤差の低減を図ることができる。
【0020】
【実施例】以下、図面を用いながら本発明の駐車空間検出装置の好適な実施例を説明する。
【0021】図1には本実施例の駐車空間検出装置が用いられた自動駐車システムの構成が示されている。車両後部にはCCDエリアセンサ10が設けられており、駐車空間を含む所定領域を撮影する。このCCDエリアセンサは、一対のCCDカメラを鉛直軸回りに回動可能に所定距離離間させて配置することにより構成される。そして、CCDエリアセンサ10にて得られた画像データ、すなわちCCDカメラによる画像データは測距用コンピュータである測距用ECU12に供給され、両画像データの比較から駐車空間などの物体までの距離データが方位毎に算出される。算出された距離データ、すなわち距離Rと方位θのデータは自動駐車制御用コンピュータである自動駐車制御用ECU14に供給される。
【0022】自動駐車制御用ECU14は測距用ECU12からの距離データに対し後述する処理を行って駐車空間を検出するとともに、操舵角センサ16や車速センサ18並びにシフトポジションセンサ20から出力される検出信号に基づき車両を駐車空間に誘導するための操舵信号を操舵アクチュエータ26に供給するとともにブレーキアクチュエータ28に制動信号を出力して車両を駐車空間に停止させる構成である。
【0023】以下、図4乃至図16の処理フローチャートを用いて自動駐車制御用ECU14の動作を詳細に説明する。
【0024】図4乃至図9までの処理は特願平5−64988号の駐車空間検出装置の処理と同様であり、距離データを複数の群(クラスタ)に分割する処理である。すなわち、得られた距離データが複数の既駐車車両のデータを含んでいる場合に対応するための処理であり、所望のコーナー部を検出するためには、このコーナー部を含む駐車車両が示す距離データを識別しなければならず、この識別のために距離データのクラスタ化が行われるのである。
【0025】図4乃至図6にはこのクラスタ処理のフローチャートが示されている。まず、得られた空間測距データの数をカウントし、その数をSRとして記憶する(S101)。そして、方位毎の測距データL(i)をx−y直交座標系の座標x(i),y(i)に変換する(S102)。なお、このとき測距画角の中心をx軸に一致させておく。
【0026】x−y座標系における測距データが得られた後、これら測距データの修正処理が行われる(S103)。この修正処理は、CCDエリアセンサの誤動作と思われるデータを処理に有効なデータとして補正するものであり、例えばある距離データが、ほぼ同じ値を示す隣合う2個の距離データと著しく相違する場合に、隣合うデータの平均値で置き換える処理が行われる。
【0027】測距データの補正が行われた後、これらの距離データが測距不能データであるか、あるいは「飛んでいる」データであるかを判定する処理に移行する。すなわち、測距データSS(i,0)が所定値、例えば15m以上であるか否かが判定され(S105)、得られた測距データSS(i,0)が15m以上である場合には測距不能データ及び飛びデータであるとしてそれぞれのフラグs(i)、l(i)を1にセットする(S106)。一方、15m以下である場合には、測距不能フラグを0にセットし(S107)、次の測距データSS(i+1,0)との差分が所定距離、例えば2m以上であるか否かが判定される(S108)。2m以下である場合には測距データに飛びがないと判定され、飛びフラグl(i)を0にセットする(S109)。一方、2m以上の場合には、さらに次のデータSS(i+1,0)が15以上であるか否かが判定される(S110)。15m以下の場合、すなわち測距不能データでない場合には前のデータi−1が0でないか否かが判定される(S111)。そして、1つ前のデータが飛びデータであるか否かが飛びフラグl(i−1,0)が1でないか否かをチェックすることにより判定され、飛びデータでない場合には、現在のデータ、1つ前のデータ、及び1つ次のデータを用いてZA、ZB、ZC、ZDが算出される(S115)。一方、1つ前のデータが飛びデータである場合には、現在の2つ次のデータが測距データとして最後のデータであるか否かが判定され(S113)、最後でない場合には2つ次の測距データSS(i+2,0)が測距不能データであるか否かが判定される(S114)。2つ次のデータも測距不能でない場合には、現在のデータ、1つ次のデータ、及び2つ次のデータを用いてZA、ZB、ZC、ZDが算出される(S116)。
【0028】また、1つ次のデータが測距不能データである場合、現在のデータが測距データの最初のデータである場合、現在の次のデータが測距データの最後のデータである場合には、ZA等を算出することなく、飛びフラグを1にセットする(S118)。
【0029】このようにして、有効である連続する3つの距離データを用いてZA、ZB、ZC、ZDが算出された後、これらZA等を用いてこれらの測距データが線形の関係にあるか否かが判定される(S117)。本実施例の測距データはCCDエリアセンサの等角度データであるため、自車より遠い距離にある測距データほどその間の距離が広がり、従ってクラスタ処理する際に本来は同一クラスタであるにもかかわらず、測距データ間の距離が大きいため異なるクラスタに属すると判定してしまう可能性がある。そこで、本実施例ではこのような誤判定を防止するために、隣接する3つの測距データが線形関係にあるか否かを判定し、線形である場合には同一クラスタであると判定するのである。
【0030】図6には線形判定の処理フローチャートが示されている。まず、ZA、ZB,ZC,ZDの大きさが0.001以下であるか否かが判定され、これらが0.001以下である場合にはフラグfを1、そうでない場合には0にセットする(S201−S212)。従って、フラグfが1である場合には、3つの距離データがx軸またはy軸にほぼ平行に並んでいることを意味している。そして、fa 及びfb がともに1であるか、またはfc 及びfd がともに1であるか否かが判定され(S213)、場合には飛びがないとして飛びフラグl(i)を0にセットする(S217)。
【0031】一方、3つのデータがx軸またはy軸に平行でない場合には、ZCHK=(ZA/ZB)/(ZC/ZD)
を算出し、このZCHKが例えば0.7と1.3の間にあるか否かが判定され(S215)、0.7と1.3の間にある場合にはこれら3つのデータがほぼ一直線上にあって飛びのデータでないと判定され(S216)、一方それ以外の場合には線形関係になく、飛びがあると判定される(S217)。
【0032】このようにして、隣接する3つのデータが線形関係にある場合には同一クラスタに属するデータ、つまり飛びがないデータであるとし、飛びフラグの値が確定した後、この飛びフラグを用いてデータをクラスタに分割する。
【0033】図5にはクラスタ処理、すなわち距離データをグループ分けする処理が示されている。最後の距離データSS(SR,0)が測距不能データであるか否かを判定し(S120−S123)、最後の距離データの飛びフラグを1にセットする(S123)。
【0034】そして、グループのスタートを示すフラグSTを0、グループ数を示すBNを1に初期設定し(S124)、全ての距離データに対し、測距不能フラグをチェックする(S126)。測距不能でない、すなわちs(i)=0である場合にはSTの値がチェツクされ(S127)、ST=0である場合には、さらに飛びがあるか否かがチェックされる(S128)。飛びでない場合には、ST=1にセットするとともに、start(BN)=iとしてグループのスタート測距番号を格納する(S129)。
【0035】測距不能データがある場合には、S126でNOと判定され、さらにST=1、すなわちグループのスタートでない場合には、現在の1つ前の測距データの飛びフラグl(i−1)を1にセットし、グループの終わりの測距番号を示すフラグend(BN)=i−1としてグループの終わりを1つ前の測距データとし、グループカウンタを1だけインクリメントし、BN=BN+1とする。さらに、グループのスタートフラグSTを0にセットする(S131)。この処理により、ある測距データiが測距不能デ−タである場合、その1つ前の測距可能データをグループの終わりの測距データとしてグループ分けされることになる。
【0036】また、ある測距データが測距不能データではなく(s(i)=0)、グループのスタートでもない(ST=1)場合、飛びフラグがチェツクされ(S132)、飛びデータである場合にはグループの終わりをこの測距データとすべくend(BN)=iとし、グループ数を1だけ増やすべくBN=BN+1とし、さらに次のグループをサーチすべくST=0とする(S133)。
【0037】また、ある測距データが測距不能データでなく、グループのスタートであり、かつ飛びフラグである場合には、この測距データをグループのスタート測距番号として格納すべくstart(BN)=iとし、またグループの終わりの測距番号もこの測距データとすべくend(BN)=iとし、BN=BN+1、さらにST=0とする(S134)。従って、この場合には飛びの測距データ1個で1つのグループを形成することになる。
【0038】以上のようにして、測距不能フラグ及び測距飛びフラグを用いて全ての測距データのグループ分け、クラスタリング処理が完了する。なお、グループ処理が完了した段階でのグループ数は実際のグループ数より1だけ多いので(S131,S133,S134で自動的にBNを1だけインクリメントしているため)、BN=BN−1としてグループ数を調整する(S136)。
【0039】全ての測距点のグループ分けが完了した後、図7に示す処理に移行し、着目している測距点x(j),y(j)及び隣接する測距点x(j−1),y(j−1)、x(j+1),y(j+1)を用いて最小2乗法により近似直線を算出する。この直線の傾きをA、切片をBとする(S303)。次に、この近似直線y=Ax+B及びセンサ点(原点)と着目している点x(j),y(j)を結ぶ直線との交点CRX,CRYを算出する(S304)。
【0040】次に、この交点を通り近似直線に垂直な直線(反射面の法線)と前記近似直線に平行でセンサ点を通る直線y=Axとの交点CRXX,CRYYを算出する(S305)。反射点のx座標は、この交点のx座標値CRXXを2倍にした2CRXXとなり、またy座標はA*2*CRXXとなる。
【0041】このようにして算出された反射点から反射方向を算出する。反射方向は、算出された反射点と直線y=y(i)/x(i)との位置関係から把握され、具体的には反射点のy座標CRYY´と、この反射点と同一のx座標値を有するy=y(i)/x(i)x上の点のy座標値Yとの大小比較により行われる。すなわち、S306及びS307でCRYY´及びYを算出し、大小比較する(S308)。大小比較の結果に応じて反射方向を示すフラグres(i)を1または−1に設定することにより(S309,S310)、着目している測距点の反射方向を決定する。
【0042】図8にはこのようにして決定された反射方向により、コーナー点を抽出する処理フローチャートが示されている。まず、コーナー点の存在するクラスタ数を表すcを1にセットし、反射方向が同一の測距点数を表すc1及びmfを0にセットする(S402)。そして、現在の測距点の反射方向res(j)が次の測距点の反射方向res(j+1)と同一か否かが判定される。反射方向が同一である場合には、c1=c1+1とする(S405)。また、反射方向が異なる場合には、コーナー点である可能性が高く、次にmf=0か否かが判定される(S406)。mf=0である場合には、さらにc1が2以上か否かが判定され(S410)、2以上である場合にはc1=0、コーナー点CP(i,c)=j、コーナー点の存在するクラスタ数を表すcを1だけインクリメントし、mf=1とする(S411)。
【0043】mfが0でない場合、すなわち、既に同一反射方向の測距点が2以上存在し、かつコーナー点候補が見つかっている場合には、S406にてNOと判定され、さらににc1が2以上か否かが判定され(S407)、2以上の場合にはc1=0、新たなコーナー点CP(i,c)=j、c=c+1とする(S409)。また、c1が1である場合には、S404にて反射方向が異なっていると判定されていても、コーナー点候補とはせず、mf=0、c1=0、コーナー点数をc=c−1とする(S408)。
【0044】このようにしてコーナー点候補がCP(i,c)に格納され、コーナー点数がcで示されるが、mf=1でコーナー点候補探査が終了し、c1が2以上でない場合には、S409にて自動的にC=C+1とインクリメントしているためCの値が1個余計にカウントされていることになるので、S413−S415にてCの値を修正し、iクラスタ中のコーナー点数CN(i)としてc−1を格納する(S416)。
【0045】そして、CN(i)の値がチェックされ(S420)、CN(i)=0でない、すなわちクラスタ中にコーナー点が存在する場合にはcを1だけインクリメントし(S421)、コーナー点の数をカウントする。そして、S423にてc=1でない、すなわち複数のクラスタにコーナー点が存在する場合には、コーナー点不明として処理を終了する(S424)。一方、コーナー点が1個だけ、すなわちc=1である場合にはコーナー点の存在するjクラスタのみについて処理が行われる。
【0046】特願平5−64988号では、コーナー点を決定するために、コーナー点候補の前後でres=−1を連ねた直線とres=1を連ねた直線の交点に近いものをコーナー点としていた。すなわち、res=−1の測距点及びres=1の測距点に対し最小2乗法を用いてそれぞれ近似直線を算出する。そして、これら2近似直線の交点x,yを算出し、検出されたコーナー点CPがこのようにして算出された交点に近い、すなわち交点の座標から所定範囲内にある場合には、コーナー点座標として確からしいと判断していた。
【0047】一方、本実施例では、このようにres=−1を連ねた直線とres=1を連ねた直線の交点に近いものをコーナー点とするのではなく、res=−1を連ねた直線とres=1を連ねた近似直線の内、得られた測距データとの誤差量が大きい近似直線を修正し、より正確にコーナー点を検出するようにしている。
【0048】本実施例における近似直線修正のアルゴリズムは以下の通りである。
【0049】(1)res=−1の測距点及びres=1の測距点に対し最小2乗法を用いてそれぞれ近似直線を算出する(これらをフロント近似直線及びサイド近似直線という)
(2)フロント近似直線と測距データとの差の絶対値の和をデータ数で除算して得られる誤差量を算出する(3)同様にして、サイド近似直線と測距データの差の絶対値の和をデータ数で除算して得られる誤差量を算出する(4)算出された両誤差量を比較し、誤差量の小さい方を基本近似直線(ベース近似直線)とする(5)他方の近似直線をこのベース近似直線を用いて修正する(6)修正された近似直線の交点としてコーナー点を検出するここで、(5)の修正ステップにおいては、以下の処理が行われる(5a)ベース近似直線に直交する傾きを有し、測距データ群の平均値を切片とする直線を算出する(5b)得られた直線と誤差量の大きい近似直線との中線を算出し、修正近似直線とする(5c)算出された修正近似直線を新たなベース近似直線として、従前のベース近似直線を同様にして修正する(5d)修正後の両近似直線がほぼ直交しているか否かを判定し、直交していない場合には、直交するまで前述のステップを繰り返すなお、処理時間の短縮のために、前述の(5a)のステップのみで修正を終了しても、従来に比べ精度のよいコーナー点検出を行うことができる。
【0050】図10乃至図14には前述のアルゴリズムに基づいた具体的な処理フローチャートが示されている。図10及び図11は(1)及び(2)の処理を行うフローチャートである。図10において、まず、駐車方向を示すDMODの値がチェックされる(S501)。DMODの値は左側駐車の場合には0、右側駐車の場合には1に設定されている。そして、DMODが0の場合にはフラグSFを1にセットし(S502)、DMODが1の場合にはSFを−1にセットする(S503)。次に、反射方向res(i)の値がSFと一致するか否かが判定される(S505)。res(i)の値は1あるいは−1であり、例えば左側駐車の場合にはres(i)=1となる測距データがフロントを近似する測距点群となる。そこで、res(i)の値とSFが等しい場合には、測距点の座標x(i),y(i)より最小2乗法を用いて近似直線を算出することにより(S506)、フロント近似直線が得られる。このようにして得られたフロント近似直線をy=AIx+BIとする(S508)。図17には、フロント近似直線とサイド近似直線の一例が示されている。図中白丸がres=1の測距データであり、黒丸がres=−1の測距データであり、黒丸測距データから得られる近似直線L1がフロント近似直線で、白丸測距データから得られる近似直線L2 がサイド近似直線である。
【0051】そして、このフロント近似直線と各測距点との誤差量を算出する。誤差量は測距点のy座標値とAIx+BIとの差の絶対値を積算し(S515)、その積算値Aを測距点数nで除算して得られる(S518)。すなわち、A=Σ|y(i)−(AIx+BI)|誤差量ER I=A/nで算出する。
【0052】同様にして、図11に示すように測距データからサイドを近似する測距点群を抽出し(S519−S523)、サイド近似直線x=ASy+BSを算出する(S526)。そして、このサイド近似直線の誤差量をA=Σ|x(i)−(ASy+BS)|誤差量ER S=A/nで算出する。
【0053】両誤差量が算出された後、誤差量の少ない近似直線を選択するためにこれら誤差量の大小比較が行われる(図12のS601)。サイド近似直線の方が誤差量が少ない場合には、サイド近似直線の方が比較的正確であるとみなしてベース近似直線とし、フロント近似直線をこのベース近似直線に基づき修正する。修正の方法としては、ベース近似直線であるx=ASy+BSに直交する直線y=−AS+BI´の内、切片BI´の平均値を算出する(S606−S610)。なお、S608におけるA=A+Y(i)+AS・X(i)は切片を積算するステップであり、この積算された切片を測距データ数nで除算することにより、切片の平均が算出される。従って、ベース近似直線に直交し、測距データから得られる切片の平均値を切片とする近似直線は、y=−ASx+A/nとなる。フロント近似直線はこの近似直線を用いて修正される。具体的には、S506にて仮決定されたフロント近似直線y=AIx+BIと、得られた近似直線y=−ASx+A/nとの中線を算出し、この中線をもってフロント近似直線とするのである。中線を算出するステップがS611であり、中線の傾きAIはAI=(AI−AS)/2で算出され、中線の切片BIはBI=(BI+A/n)/2で算出される。
【0054】このようして、誤差量の大きい近似直線が修正され、ベース近似直線と修正された近似直線とを用いてコーナー点を検出することも可能であるが、ベース近似直線自体の誤差量の絶対値が大きい場合には、さらに、ベース近似直線自体も修正する必要がある。S612−S619はこのためのステップであり、修正されたフロント近似直線y=AIx+BIを新たなベース近似直線とし、このベース近似直線に垂直な直線x=−AIy+BS´の内、切片BS´の平均を算出する。S616におけるA=A+X(i)+AI・Y(i)は切片を積算するステップであり、この積算された切片を測距データ数nで除算することにより、切片の平均が算出される。従って、ベース近似直線(修正されたフロント近似直線)に直交し、測距データから得られる切片の平均値を切片とする近似直線は、x=−AIy+A/nとなる。従前のベース近似直線であったサイド近似直線はこの近似直線を用いて修正される。具体的には、S526にて仮決定されたサイド近似直線x=ASy+BSと、得られた近似直線x=−AIy+A/nとの中線を算出し、この中線をもってサイド近似直線とするのである。中線を算出するステップがS619であり、中線の傾きASはAS=(AS−AI)/2で算出され、中線の切片BSはBS=(BS+A/n)/2で算出される。
【0055】一方、S601にて、フロント近似直線の方が誤差量が少ない場合には、フロント近似直線の方が比較的正確であるとみなしてベース近似直線とし、サイド近似直線をこのベース近似直線に基づき修正する(S620−S630)。そして、サイド近似直線の修正が終了した後に、この修正サイド近似直線を新たなベース近似直線とし、従前のベース近似直線であったフロント近似直線を修正する(S631−S638)。なお、図17には、フロント近似直線L1 をベース近似直線とした場合、このフロント近似直線に直交し、測距データの平均値を切片とする直線L2 ´が示されている。前述したように、L2 とL2 ´との中線が修正サイド近似直線となる。
【0056】フロント及びサイド両近似直線が修正された後、これら近似直線がほぼ直交するか否かが判定される。この判定は、両近似直線の傾きAS,AIの積が−1近傍の所定範囲内にあるか否かで判定される(S701)。所定範囲内でない、すなわち、修正された両近似直線がほぼ直交していない場合には、ほぼ直交するまで、前述の修正処理を交互に繰り返す(S702)。一方、両近似直線がほぼ直交すると判定された場合には、両近似直線の交点CX,CYを算出し(S703)、この交点をもってコーナー点とする(S704)。
【0057】このようにしてコーナー点の座標CX,CYが決定された後、駐車空間の最終座標算出処理に移行する。最終座標算出処理は特願平5−64988号と同様であり、抽出されたコーナー点を中心とし、半径(車幅/2+α)の円と入口近似直線の交点として求められる。すなわち、まず、DMODの値がチェツクされ(S710)、DMODがゼロでない、すなわち右側駐車である場合には、コーナー点のあるクラスタiの隣のクラスタ番号cc=j+1として(S711)、ccとグループ数BNとの大小比較が行われる(S712)。ccがBN以上である場合には、コーナー点のあるクラスタjが最後(一番端)のクラスタであることになり、フラグDE=0とする(S718)。一方、ccがBNより大きくない場合、すなわち隣のクラスタが存在する場合には隣のクラスタの最初の測距データの座標をex,eyとし(S713)、DE=1とする(S717)。また、DMODがゼロである、すなわち左側駐車である場合には、cc=j−1として同様の処理が行われる(S714−S720)。
【0058】DE=0の場合には空きスペースを示すフラグTMD=1か否かが判定され、TMD=1である場合には円の半径rを1.5mとし(S722)、TMD=1でない場合にはr=3.25mとする(S723)。そして、中心座標p,qをコーナー点座標CX,CYとし、S606で求めた入り口近似直線の傾きAI、切片BIを用いてa=1/AI、b=−BI/AIとして(S724)、円と入口近似直線との交点の座標を算出する。図15には交点座標の算出処理が示されている。まず、交点が存在するか否かの判定を行うための条件を設定し(S725)、判別式を算出する(S726)。判別式の値が負である場合には、交点が存在しないので処理を終了する(S728)。一方判別式が正である場合には2つの交点が求めることになり、それぞれx1,y1、x2,y2として算出される(S729)。次に、これら2つの交点の内、いずれが最終座標か決定する処理に移行する。すなわち、DMODの値が再びチェックされ(S730)、左側駐車である場合には、y1とCYとの大小比較が行われる(S731)。左側駐車であって、y1がコーナー点CYより小さい場合には、最終座標XF,YFとしてx1,y1が設定され、y1がCY以上である場合には、最終座標にx2,y2が設定される(S732,S733)。一方、右側駐車である場合には、左側駐車と逆であり、y1がCY以上である場合には、最終座標XF,YFとしてx1,y1が設定され、y1がCYより小さい場合には、最終座標にx2,y2が設定される(S735,S736)。
【0059】一方、DE=1である場合には、コーナー点のあるクラスタの隣にさらにクラスタが存在することを意味しており、従って駐車空間がこの間にある可能性もあるので、XF,YFとしてコーナー点と隣のクラスタの端点の中点を算出する(S750)。そして、コーナー点と隣のクラスタの端点までの距離cwが車幅+α以上か否かが判定され(S752)、車幅+α以上である場合には前述の中点を最終座標とし、そうでない場合には適切な駐車空間なしとして処理を終了する。
【0060】このようにして最終座標が決定されると、次に最終漸近線近似直線を決定する。この決定は、傾きが修正サイド近似直線と同一であり、最終座標XF,XYを通る直線y=AF・x+BFとして決定される(S738−S740)。なお、S739にはAF及びBFの決定方法が示されている。
【0061】最終漸近線近似直線が算出された後、この直線に沿うように車両を誘導すればよいが、そのためには、車両とこの最終漸近線近似直線との角度(姿勢角)を算出する必要がある。図16には姿勢角算出処理が示されている。この姿勢角算出処理は、最終座標及びコーナー点から決定される入口方向の向きと車両の中心方向の向きとのなす角を算出することにより行われ、図においてAVX、AVYが車両中心線の方向を表し、BVX,BVYが入口方向を表している。そしてこのら2方向のなす角の余弦がS810にて算出され、最後に姿勢角ATが算出される(S812,S813)。
【0062】図18には本実施例で算出されたフロント近似直線姿勢近似直線が示されている。図中、実線が検出された入口近似直線(駐車空間入口の直線)と姿勢近似直線(駐車時の自車両の長手方向中心線)を表し、破線が真の入口近似直線と姿勢近似直線を表している。図20の結果と比べると、真の入口近似直線と姿勢近似直線に近づいており、検出精度が向上していることがわかる。従って、特願平5−64988号の駐車空間検出装置では駐車する事ができなかった場合でも(図21参照)、図19に示されるように所定のロジックを用いて本来駐車可能な空間に車両を誘導して確実に駐車することができるようになる。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の駐車空間検出装置によれば、フロント部が丸みを帯びている車両が駐車していても、その側方の駐車空間を確実に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の構成図である。
【図2】本発明の作用説明図である。
【図3】本発明の作用説明図である。
【図4】本発明の実施例のフローチャートである。
【図5】本発明の実施例のフローチャートである。
【図6】本発明の実施例のフローチャートである。
【図7】本発明の実施例のフローチャートである。
【図8】本発明の実施例のフローチャートである。
【図9】本発明の実施例のフローチャートである。
【図10】本発明の実施例のフローチャートである。
【図11】本発明の実施例のフローチャートである。
【図12】本発明の実施例のフローチャートである。
【図13】本発明の実施例のフローチャートである。
【図14】本発明の実施例のフローチャートである。
【図15】本発明の実施例のフローチャートである。
【図16】本発明の実施例のフローチャートである。
【図17】本発明の実施例の近似直線の説明図である。
【図18】本発明の実施例の近似直線と真の直線との関係を示す説明図である。
【図19】本発明の実施例の駐車誘導説明図である。
【図20】特願平5−64988号の駐車空間検出装置による近似直線と真の直線との関係を示す説明図である。
【図21】特願平5−64988号の駐車空間検出装置による駐車誘導説明図である。
【符号の説明】
10 CCDエリアセンサ
12 測距用ECU
14 自動駐車制御用ECU
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両に搭載され、車両周囲の駐車空間を含む所定領域を撮影して方位毎の画像データを得るCCDエリアセンサと、得られた画像データから方位毎の物体までの距離データを算出する距離データ算出手段と、得られた距離データの内、隣接する少なくとも3個の距離データを用いて近似直線群を決定し、この直線群に対して前記CCDエリアセンサから仮想的に光を投射した場合の反射方向の変化に基づいて既駐車車両サイド側の近似直線であるサイド近似直線と既駐車車両フロント側の近似直線であるフロント近似直線とを算出する近似直線算出手段と、算出されたサイド近似直線の誤差量とフロント近似直線の誤差量を大小比較する誤差量評価手段と、誤差量の小さい方の近似直線を基本近似直線とし、誤差量の大きい方の近似直線をこの基本近似直線にほぼ直交するように修正する近似直線修正手段と、前記基本近似直線及び修正された近似直線を用いて既駐車車両のコーナーを検出するコーナー検出手段と、を有することを特徴とする駐車空間検出装置。
【請求項2】 請求項1記載の駐車空間検出装置において、前記近似直線修正手段は、前記基本近似直線に直交する1次近似直線を算出し、さらに、この1次近似直線と前記誤差量の大きい方の近似直線との中線を算出することにより前記誤差量の大きい方の近似直線を修正することを特徴とする駐車空間検出装置。
【請求項3】 車両に搭載され、車両周囲の駐車空間を含む所定領域を撮影して方位毎の画像データを得るCCDエリアセンサと、得られた画像データから方位毎の物体までの距離データを算出する距離データ算出手段と、得られた距離データの内、隣接する少なくとも3個の距離データを用いて近似直線群を決定し、この直線群に対して前記CCDエリアセンサから仮想的に光を投射した場合の反射方向の変化に基づいて既駐車車両サイド側の近似直線であるサイド近似直線と既駐車車両フロント側の近似直線であるフロント近似直線とを算出する近似直線算出手段と、算出されたサイド近似直線の誤差量とフロント近似直線の誤差量を大小比較する誤差量評価手段と、誤差量の小さい方の近似直線を基本近似直線とし、誤差量の大きい方の近似直線をこの基本近似直線に基づき修正する第1近似直線修正手段と、修正された近似直線を新たな基本近似直線として従前の基本近似直線を修正する第2近似直線修正手段と、修正された両近似直線がほぼ直交しているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段でほぼ直交していないと判定された場合に、ほぼ直交すると判定されるまで修正された近似直線を新たな基本近似直線として従前の基本近似直線を交互に修正する反復修正手段と、修正された両近似直線を用いて既駐車車両のコーナーを検出するコーナー検出手段と、を有することを特徴とする駐車空間検出装置。
【請求項1】 車両に搭載され、車両周囲の駐車空間を含む所定領域を撮影して方位毎の画像データを得るCCDエリアセンサと、得られた画像データから方位毎の物体までの距離データを算出する距離データ算出手段と、得られた距離データの内、隣接する少なくとも3個の距離データを用いて近似直線群を決定し、この直線群に対して前記CCDエリアセンサから仮想的に光を投射した場合の反射方向の変化に基づいて既駐車車両サイド側の近似直線であるサイド近似直線と既駐車車両フロント側の近似直線であるフロント近似直線とを算出する近似直線算出手段と、算出されたサイド近似直線の誤差量とフロント近似直線の誤差量を大小比較する誤差量評価手段と、誤差量の小さい方の近似直線を基本近似直線とし、誤差量の大きい方の近似直線をこの基本近似直線にほぼ直交するように修正する近似直線修正手段と、前記基本近似直線及び修正された近似直線を用いて既駐車車両のコーナーを検出するコーナー検出手段と、を有することを特徴とする駐車空間検出装置。
【請求項2】 請求項1記載の駐車空間検出装置において、前記近似直線修正手段は、前記基本近似直線に直交する1次近似直線を算出し、さらに、この1次近似直線と前記誤差量の大きい方の近似直線との中線を算出することにより前記誤差量の大きい方の近似直線を修正することを特徴とする駐車空間検出装置。
【請求項3】 車両に搭載され、車両周囲の駐車空間を含む所定領域を撮影して方位毎の画像データを得るCCDエリアセンサと、得られた画像データから方位毎の物体までの距離データを算出する距離データ算出手段と、得られた距離データの内、隣接する少なくとも3個の距離データを用いて近似直線群を決定し、この直線群に対して前記CCDエリアセンサから仮想的に光を投射した場合の反射方向の変化に基づいて既駐車車両サイド側の近似直線であるサイド近似直線と既駐車車両フロント側の近似直線であるフロント近似直線とを算出する近似直線算出手段と、算出されたサイド近似直線の誤差量とフロント近似直線の誤差量を大小比較する誤差量評価手段と、誤差量の小さい方の近似直線を基本近似直線とし、誤差量の大きい方の近似直線をこの基本近似直線に基づき修正する第1近似直線修正手段と、修正された近似直線を新たな基本近似直線として従前の基本近似直線を修正する第2近似直線修正手段と、修正された両近似直線がほぼ直交しているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段でほぼ直交していないと判定された場合に、ほぼ直交すると判定されるまで修正された近似直線を新たな基本近似直線として従前の基本近似直線を交互に修正する反復修正手段と、修正された両近似直線を用いて既駐車車両のコーナーを検出するコーナー検出手段と、を有することを特徴とする駐車空間検出装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図9】
【図17】
【図4】
【図5】
【図6】
【図21】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図9】
【図17】
【図4】
【図5】
【図6】
【図21】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開平7−65293
【公開日】平成7年(1995)3月10日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平5−211864
【出願日】平成5年(1993)8月26日
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【公開日】平成7年(1995)3月10日
【国際特許分類】
【出願日】平成5年(1993)8月26日
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
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