説明

骨髓抽出器

本発明は、骨髓抽出器に関するものであり、上下に連通形成されるケースの先端部と後側部に各々破砕刃と係止溝を形成して外部針棒を構成し、前記外部針棒には本体の先端部と後側部に各々破砕刃と連結部が形成され、本体の外周面に係止レバーが突出形成された内部針棒を挿着し、前記内部針棒は前記係止溝に係止レバーが挿入されると、前記本体の先端部がケースの先端部に突出形成されるように構成され、前記連結部と結合される駆動手段のヘッドの作動時、前記内部針棒と外部針棒は回転作動を通じて骨を一緒に破砕し、前記骨の破砕後には外部針棒はそのままおいた状態で内部針棒だけを除去した後注射式で骨髓を吸入抽出するようにしたことを特徴とする。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、骨髓抽出器に関し、より詳しくは、骨を破砕した後骨に内在されている骨髓液を抽出できるようにした骨髓抽出器に関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
一般的に、骨髓液は骨髓穿刺針(bone marrow puncture needle)を用、腸骨(ilium)を手動で穿刺して採取する。
【0003】
このような種類の骨髓穿刺針は、管状の外套(mantle)内に内針(inner needle)を挿着すると共に、内針の先端を外套から突出させて構成する。
【0004】
そして、外套にハンドルを取り付けた骨髓穿刺針を皮膚を貫通して骨に刺し、針先が骨髓に達すれば内針だけを引き抜いて外套を骨髓に留置するようにして使用される。
【0005】
この骨髓穿刺針を用いた骨髓液の採取方法としては、通常、吸引法が用いられる。この吸引法は、骨髓穿刺針の外套をシリンジ(syringe)に接続し、吸引力により骨髓液を採取する方法である。
【0006】
ところが、この方法では、一箇所で採取される骨髓液の量が数ミリリットルと少ないため、多数箇所を穿刺して骨髓液を採取する必要があるので、末梢血が多量混入し同種の骨髓移植に使用する場合にはGVHD(Graft Versus Host Disease)の危険性が高く、免疫抑制療法が必須になる。
【0007】
そこで、これら問題を解決するために骨髓灌流法が開発された。骨髓灌流法では、滅菌した生理食塩水などの灌流液を利用して骨髓をゆっくりと灌流するために、2本の骨髓針を骨髓に留置する。
【0008】
一方の骨髓針に骨髓採取セットを連結し、このセットの骨髓液採取バックに注射用シリンジや輪液ポンプのチューブを連結吸引する。
【0009】
また、他方の骨髓針に連結された灌流液引入シリンジを通じて灌流液をゆっくりと骨髓の中に注入し、骨髓液を洗い流すようにして採取用セットに必要な量の骨髓液を短時間に採取する。このようにして採取された骨髓液は骨髓移植だけではなく、再生医療などにも利用することができる。
【0010】
しかし、従来から採用されている骨髓穿刺針は、ハンドルを用いて手動で骨に挿入する構成として、穿刺速度などの側面で骨髓灌流法に用いるのは適当ではない。
【0011】
そこで、強力な回転力が得られる電動ドリルを用い、骨髓針で短時間に掘削穿孔する方法が望まれる。これのため、ドリルの刃を具備した内針及び先端に角度を有する刃を具備し、ギア減速器具を通じて内針の回転に対して減速回転される外套からなる骨髓針が提案されている(WO2003/015637号パンフレット(特許文献1))。
【0012】
しかし、前記骨髓針は、骨の破砕時に残余物が体内に流入される恐れがあるだけでなく、骨髓抽出部位に位置した骨や身体などが損傷される問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】WO2003/015637号パンフレット
【発明の概要】
【0014】
発明の開示
技術的解決課題
したがって、本発明は前述のような問題点を解決すべくなされたものであって、その目的は、骨を破砕しながら侵透する内部針棒と、前記内部針棒が挿着され骨を破砕しながら骨髓を抽出する外部針棒と、で骨髓抽出器を構成することで、骨髓抽出時に骨髓区域に位置した骨や身体の損傷を最大限に減らすことにある。
【0015】
技術的解決方法
上述の目的を達成するため、骨髓抽出器において、上下に連通形成されるケースの先端部と後側部に各々は破砕刃と係止溝を形成して外部針棒を構成し、前記外部針棒には、本体の先端部と後側部に各々破砕刃と連結部が形成され本体の外周面には係止レバーが突出形成される内部針棒を挿着し、前記内部針棒は、前記係止溝に係止レバーが挿入されると、前記本体の先端部がケースの先端部に突出形成されるように構成され、前記連結部と結合される駆動手段のヘッドの作動時、前記内部針棒と外部針棒は回転動作を通じて骨を一緒に破砕し、前記骨の破砕後には外部針棒はそのままおいた状態で内部針棒だけを除去してから注射式で骨髓を吸入抽出するようにしたことを特徴とする。
【0016】
有利な効果
本発明によれば、骨を破砕しながら侵透する内部針棒と、前記内部針棒が挿着されて骨を破砕しながら骨髓を抽出する外部針棒と、で骨髓抽出器を構成することにより、骨髓抽出時に骨髓区域に位置した骨や身体の損傷を最小化することができる。
【0017】
また、前記内部針棒と外部針棒に形成される破砕刃が螺旋形に形成されて骨の破砕時に負荷を最小化することができる。
【0018】
また、前記内部針棒は梯形状で形成される外部針棒の先端部により必要以上挿入されることを防止できるだけではなく、骨髓抽出時に内部針棒を除去した後注射式で骨髓を容易に吸入できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る骨髓抽出器を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る骨髓抽出器の外部針棒を示す正面図である。
【図3】本発明に係る骨髓抽出器の内部針棒を示す正面図である。
【図4】本発明に係る骨髓抽出器の結合状態を示す部分断面図である。
【図5】本発明に係る骨髓抽出器の使用状態を示す正面図である。
【図6】本発明に係る骨髓抽出器の使用状態を示す正面図である。
【図7】本発明に係る骨髓抽出器の使用状態を示す正面図である。
【図8】本発明に係る骨髓抽出器の使用状態を示す正面図である。
【符号の説明】
【0020】
10:骨髓抽出器、20:外部針棒、21:ケース、22:先端部、23:破砕刃、24:後側部、25:係止溝、30:内部針棒、31:本体、32:先端部、33:破砕刃、34:後端部、35:連結部、36:係止レバー、40:駆動手段のヘッド
【発明を実施するための形態】
【0021】
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の好ましい実施形態について添付の図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明に係る骨髓抽出器を示す斜視図であり、図2は、本発明に係る骨髓抽出器の外部針棒を示す正面図であり、図3は、本発明に係る骨髓抽出器の内部針棒を示す正面図であり、図4は、本発明に係る骨髓抽出器の結合状態を示す部分断面図である。
【0022】
本発明の骨髓抽出器10は、上下に貫通形成される外部針棒20と、前記外部針棒20の内部に挿着され回転動作を通じて外部針棒20と一緒に骨50を破砕する内部針棒30と、前記内部針棒30に回転力を付与するエンジンやモータのような回転駆動力が提供される駆動手段の回転稼動用ヘッド40と、で構成される。
【0023】
前記外部針棒20は、上下に連通形成されるケース21と、前記ケース21の先端部22に形成される破砕刃23と、前記ケース21の後側部24に形成される係止溝25と、が一体に形成される。
【0024】
上下に連通形成されるケース21は、中空形状で先端部22の直径は小さくて後側部24の直径は大きい円筒状で形成され、中間部分にはレンチ、スパナなどを利用して前記ケース21を回転作動させることができるように多角形回転部21aが形成される。
【0025】
この時、前記先端部22は、骨50の円滑な破砕のために梯形状に形成され、前記先端部22に形成される破砕刃23は、回転作動による破砕時に粉砕物を外部に排出できるように螺旋形に形成される。
【0026】
また、前記後側部24に形成される係止溝25は‘L’字状で上部先端が外部と連通するように形成され、前記係止溝25の幅は後述する内部針棒30の係止レバーの幅より大きく形成される。
【0027】
すなわち、前記係止溝25は、上部が連通される垂直部25aと前記垂直部25aと一体に連通形成される水平部25bが‘L’字状で係止レバーの幅より大きく形成される。
【0028】
前記外部針棒20の内部に挿着される内部針棒30は、所定の長さを有して形成される本体31と、前記本体31の先端部32に形成される破砕刃33と、前記本体31の後端部34に形成される連結部35と、前記本体31の外周面から突出形成される係止レバー36と、が一体に形成される。
【0029】
ここで、前記本体31は所定の長さを有する円柱状に形成される。
【0030】
また、前記先端部32は、骨50の円滑な破砕のために先端部分が鋭利に形成され、外周面に形成される破砕刃33は、回転動作による破砕時に粉砕物を外部に排出できるように螺旋状に形成される。
【0031】
そして、前記後端部34に形成される連結部35は、前記駆動手段のヘッド40との結合のために軸形状に形成され、前記本体31の外周面に形成される係止レバー36は外部に向けて所定区間が突設される。
【0032】
前記内部針棒30に回転力を付与する駆動手段のヘッド40は、前記内部針棒30の連結部35に連結結合されて回転力を伝達できるように正・逆モータやエンジンのような回転駆動力を提供する構成要素を含む。
【0033】
前記のように構成される骨髓抽出器10の実施形態を添付図面を参照して説明する。図5〜図8は、本発明に係る骨髓抽出器の使用状態を示した正面図である。
【0034】
まず、上下に連通形成されるケース21と、前記ケース21の先端部22に形成される破砕刃23と、前記ケース21の後側部24に形成される係止溝25とと、が一体に形成される外部針棒20を形成する。
【0035】
この時、前記破砕刃23は螺旋状に形成され、前記係止溝25は‘L’字状で形成される。
【0036】
そして、前記外部針棒20に所定長さで形成される本体31と、前記本体31の先端部32に形成される破砕刃33と、前記本体31の後端部34に形成される連結部35と、前記本体31の外周面から突出形成される係止レバー36と、が一体に形成される内部針棒30を挿着する。
【0037】
この時、前記係止溝25に係止レバー36が挿入されると、前記本体31の先端部32がケース21の先端部22に突出形成される。
【0038】
すなわち、前記内部針棒30の螺旋形破砕刃33と外部針棒20の螺旋形破砕刃23が連続形成されて回転作動時に骨50の円滑な破砕と共に粉砕物の円滑な移動を助けるようになる。
【0039】
次に、前記内部針棒30の連結部35と、正・逆回転作動する駆動手段のヘッド40の接続部と、を装着すれば、骨髓抽出器10の稼動のための組み立てが完了される。
【0040】
前記のような状態で骨髓抽出のために前記駆動手段のヘッド40を作動させると、前記内部針棒30と外部針棒20は同一な方向に回転作動しながら骨50を破砕するようになる。
【0041】
すなわち、前記内部針棒30は本体31に伝達される回転力を前記係止レバー36を通じて外部針棒20に伝達することにより一緒に骨50を破砕することができる。
【0042】
次に、前記内部針棒30と外部針棒20の回転作動を通じて前記骨50の破砕が完了されると、前記外部針棒20は身体にそのままおいた状態で内部に装着される内部針棒30だけを除去した後前記外部針棒20の下部に開放された空間を通じて注射式で骨髓を抽出吸入する。
【0043】
産業上の利用可能性
以上のように構成される骨髓抽出器10の作業を通じて骨髓抽出時に骨髓区域に位置した骨や身体の損傷を最小化しながら骨髓を抽出することができる。
【0044】
以上において説明した本発明は、本発明が属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、様々な置換、変形及び変更が可能であるので、上述した実施例及び添付された図面に限定されるものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下に連通形成されるケースの先端部と後側部に各々破砕刃と係止溝を構成した外部針棒と、
本体の先端部と後端部に各々破砕刃と連結部が形成され、かつ前記外部針棒に挿入装着された内部針棒と
を備える、骨髓抽出器であって、
前記内部針棒は、本体の外周面に突出形成されかつ前記係止溝に係合された係止レバーを備えて前記外部針棒と共に回転すること
を特徴とする、骨髓抽出器。
【請求項2】
前記係止溝に係止レバーが挿入される際に、前記内部針棒の前記本体の先端部が、前記外部針棒のケースの先端部に一定な楔状をなすように突出形成されて構成されることを特徴とする、請求項1に記載の骨髓抽出器。
【請求項3】
前記外部針棒の先端部と前記内部針棒の先端部の外周面の破砕刃は、螺旋状に形成されることを特徴とする、請求項1に記載の骨髓抽出器。
【請求項4】
前記係止レバーが挿入される外部針棒の係止溝は、‘L’字状で貫通形成され、一定角度で外部針棒に対して内部針棒が回動自由になることを特徴とする、請求項1に記載の骨髓抽出器。
【請求項5】
前記上下に連通形成されるケース21は中空形状で先端部22の直径は小さくて後側部24の直径は大きい円筒状に形成され、中間部分にはレンチ、スパナなどを利用して前記ケース21を回転作動させることができるように多角形回転部21aが形成されることを特徴とする、請求項1に記載の骨髓抽出器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−509095(P2012−509095A)
【公表日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−536208(P2011−536208)
【出願日】平成21年2月2日(2009.2.2)
【国際出願番号】PCT/KR2009/000503
【国際公開番号】WO2010/058882
【国際公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(511292150)ボーンセル バイオテック インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】