説明

高さ調節機構を有する肘掛け

肘掛けは、肘掛け支持体と、回転可能な高リード角ねじシャフト、嵌め合いナット、トリガを有する高さ調節装置による垂直方向の調節のために肘掛け支持体上で支持されたサブアセンブリとを含む。ねじシャフトは、サブアセンブリに垂直力が加わると回転可能であり、トリガは、ねじシャフトと係合して回転を防止すると共に選択された高さ位置を固定する。サブアセンブリは、ハウジングと、肘掛け蓋と、回転方向及び平行移動方向の水平移動のために肘掛け蓋を調節可能に支持するようにハウジング及び肘掛け蓋のそれぞれに回動するように取り付けられた一対のスイングアームとを含む。水平方向の調節は、材料の選択、波形圧縮ばね、抑制体によって制御される。場合によって、肘掛け蓋は、鍵穴形のスロットを含み、連結部の一方は、スロットの長い部分に沿った直線摺動又は鍵穴形のスロットの円形部分での回転を選択的に行うような形状になっている造形突出部を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、滑らかで上品な感覚で多方向に調節されるようになっている調節可能な肘掛けに関する。
【背景技術】
【0002】
[関連出願の相互参照]
本願は、「動作を制御した調節可能な肘掛け」と題する2005年4月8日に出願された仮出願第60/669,536号の米国特許法第119条(e)項に基づく利益を主張し、当該仮出願は、参照により本明細書に援用される。本願はさらに、「動作を制御した調節可能な肘掛け」と題する2006年2月24日に出願された出願第 号、及び「高さ調節機構を有する肘掛け」と題する2006年2月24日に出願された出願第 号に関し、これらも同じく参照により本明細書に援用され、同じく仮出願第60/669,536号の利益も主張する。
【0003】
[背景]
肘掛けは、横方向(回転方向及び/又は平行移動方向)、縦方向(前/後)、及び垂直方向のように、多方向で調節可能にされることが多い。残念ながら、調節可能な肘掛けは、調節を可能にする嵌め合い可動構成要素を必要とし、さらに調節を保持するためにロック機構を必要とするため、高価になる傾向がある。嵌め合い構成要素が緩んで締まりが悪くなること、又はきつ過ぎることは、いずれも肘掛けが安物で設計不良であるという考えをユーザに抱かせるため、これらを防止するためにかなりの設計努力及び製造配慮が必要である。特に、滑らかな「緩みのない」感覚を達成するのは困難であり高コストを要し得る。これには、精密に制御された厳しい公差が必要であり、滑らかな軸受面(但し滑らか「過ぎ」ない)も必要であり、これらそれぞれがコストを嵩ませる。さらに、最初はきつく許容可能であっても、構成要素が磨耗する結果、肘掛けは緩く「締まりが悪く」なる。グリース及び潤滑剤は、時間を経るにつれて擦れて薄くなり及び/又は効果がなくなって、調節移動が許容不可能になるまで摩擦を大きくし得るため、これらは必ずしも許容可能な長期的解決法とはならない。摩擦に一貫性がなくなり、調節中に不規則な又は「引っ掛かる」感覚を与えるようになると、別の問題が生じる。
【0004】
したがって、上述の利点を有するとともに上述の問題を解決する調節可能な肘掛けが望まれている。特に、頑丈で、低コストで、組み立てやすく、長持ちし、滑らかで上品な動きで調節可能である調節機構が望まれている。
【発明の開示】
【0005】
[発明の概要]
本発明の一態様では、座席ユニットの肘掛けは、第1の垂直セクションを有する肘掛け柄と、垂直方向の調節のために第1の垂直セクションと伸縮可能に係合する第2の垂直セクションを有する肘掛けアセンブリと、第1の垂直セクション及び第2の垂直セクションの一方にある螺旋形のねじシャフト部材、第1の垂直セクション及び第2の垂直セクションの他方にありねじシャフト部材と動作可能に係合する嵌め合いナット部材、及びトリガを含む高さ制御部とを備える。ねじシャフト部材及び嵌め合いナット部材の一方は、肘掛けアセンブリに垂直力が加わると回転可能であり、トリガは、当該一方の部材と選択的に係合して垂直方向の調節後の回転を防止することで選択された高さ位置を固定するように配置される。
【0006】
本発明の別の態様は、垂直セクションを有する肘掛け柄及び垂直方向の調節のために前記垂直セクションと垂直方向に係合する肘掛け構成要素を含む座席ユニットの肘掛けに関する。当該肘掛けは、垂直セクション及び肘掛け構成要素の一方にある螺旋形のねじシャフト部材と、垂直セクション及び肘掛け構成要素の他方にあると共にねじシャフト部材と動作可能に係合する嵌め合いナット部材と、トリガとを含む高さ制御部を備える。ねじシャフト部材及び嵌め合いナット部材の一方は、肘掛け構成要素に垂直力が加わると回転可能であり、トリガは、当該一方の部材と選択的に係合して垂直方向の調節後の回転を防止することで選択された高さ位置を固定するように配置される。
【0007】
本発明の別の態様では、調節可能な装置は、第1の垂直セクションを有し、調節可能な装置を支持するための柄を含む。サブアセンブリは、平行移動の伸縮の調節のために第1の垂直セクションと係合する第2の垂直セクションを有し、第1の垂直セクション及び第2の垂直セクションの一方は、第1の垂直セクション及び第2の垂直セクションの他方と伸縮可能に摺動可能に係合する管状セクションを含む。調節制御装置は、第1の垂直セクション及び第2の垂直セクションの一方にある螺旋形のねじシャフト部材と、第1の垂直セクション及び第2の垂直セクションの他方にありねじシャフト部材と動作可能に係合する嵌め合い部材と、トリガとを含み、ねじシャフト部材及び嵌め合い部材の一方は、サブアセンブリに垂直力が加わると回転可能であり、トリガは、当該一方の部材と選択的に係合して垂直方向の調節後の回転を防止することで選択された高さ位置を固定するように配置される。
【0008】
本発明の別の態様では、座席ユニットの肘掛けは、座席ユニットに取り付けられるようになっている肘掛け支持体と、人の腕を支持するようになっている肘掛け蓋とを含む。一対のスイングアームは、肘掛け支持体上で肘掛け蓋を支持し、一対のスイングアームのそれぞれは、肘掛け支持体及び肘掛け蓋の一方に第1の場所で回動可能に取り付けられ、一対のスイングアームのそれぞれは、縦方向、横方向、回転方向の調節のために肘掛け蓋を調節可能に支持するように、肘掛け支持体及び肘掛け蓋の他方に第2の場所で摺動可能に回動可能に取り付けられる。摩擦増大機構は、第1の場所及び第2の場所の少なくとも一方に取り付けられて、肘掛け支持体上で肘掛け蓋を調節するときに肘掛け本体及び連結部の水平方向の移動に抵抗する摩擦力を増大させる。
【0009】
本発明の別の態様では、座席ユニットの肘掛けは、肘掛け支持体と、肘掛け支持体上で調節可能に支持される肘掛け蓋と、肘掛け支持体及び肘掛け蓋の一方と係合して、調節中の肘掛け蓋の移動を抑制する(dampen)と共に滑らかにする抑制体(dampener)とを含む。
【0010】
本発明の別の態様では、座席ユニットの調節可能な肘掛けは、肘掛け支持体と、第1のピボット及び第2のピボットで回動可能に肘掛け支持体に取り付けられた一対のスイングアームとを含む。肘掛け蓋は、第3のピボット及び第4のピボットで回動可能にスイングアームに取り付けられ、第1のピボット、第2のピボット、第3のピボット、第4のピボットの少なくとも2つは、他のピボットに向かう方向及び他のピボットから離れる方向に摺動可能であることで、縦方向、横方向、回転方向/角度方向の調節を可能にする。肘掛け支持体及び肘掛け蓋の少なくとも一方の停止部は、スイングアームと係合してスイングアームの外方への移動を制限する。
【0011】
本発明のこれら及び他の態様、目的、特徴は、以下の明細書、添付の特許請求の範囲、添付図面を検討すれば、当業者には理解及び認識されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
[好適な実施形態の詳細な説明]
肘掛け50(図1)は、椅子の座部の下に取り付けられるようになっている支持柄51と、ロック可能な高さ調節装置による垂直方向の調節のために支持柄51上に摺動可能に支持された支持ハウジング53を有する調節可能な肘掛けサブアセンブリ52とを含んでいる。高さ調節装置は、支持ハウジング53によって回転可能に支持された螺旋形のねじシャフト54(図3)と、支持柄51上の嵌め合いナット55と、ロックトリガ56とを含んでいる。ねじシャフト54は、ロックトリガ56が取り外されるときに肘掛けサブアセンブリに垂直力が加わると垂直方向の調節を可能にするように回転可能であるが、ロックトリガ56は、ねじシャフト54と係合するように偏らされて回転を防止することで、肘掛けサブアセンブリを垂直方向に調節された位置で選択的に固定する。肘掛けサブアセンブリは、横方向(回転方向及び平行移動方向)の移動を可能にするとともに種々の水平方向に調節された位置への縦方向の水平移動も可能にする4節摺動リンク構成(four-bar sliding linkage arrangement)内の一対のスイングアーム58及び59によって支持ハウジング53上に調節可能に支持された肘掛け蓋57(図5)を含んでいる。肘掛け蓋57が内方に調節された位置にあって座席ユニットの背もたれに干渉するように衝突する可能性があるときに、肘掛け蓋57が後方に移動することができないように、水平方向調節装置(本明細書では「制御部」と呼ぶ場合がある)が水平方向の調節を制御する。1つの形態では、水平方向調節装置は、肘掛け蓋57に鍵穴形のスロット60(図7〜図9)を含み、スイングアーム58に造形突出部61を含む。造形突出部61は、スロット60(図7)の長い部分に沿って選択的に回転不可能に摺動するような形状になっている平坦な側部を有しているが、鍵穴形のスロット60(図8及び図9)の円形部分内に配置されると鍵穴形のスロット60の円形部分内で回転するように構成された円弧状の端面も含んでいる。以下で説明するように、この構成により、肘掛け50の調節が制御されて椅子の背もたれ63の場所64(図1)への衝突が防止される。抑制体62がスイングアーム59(図7)に取り付けられ、スロット60に沿った表面と摩擦係合して、調節中に着座したユーザに対して、上品な感覚を有する滑らかに抑制された動きを提供する。
【0013】
支持柄51(図5)は、L字形であり、椅子の座部下制御ハウジングのように椅子の座部66(図1)の下に嵌め合い可能に係合して取り付けられるように構成された第1の端部セクション65を含んでいる。支持柄51はさらに、直立垂直部分67と、第1の端部セクション65及び直立垂直部分67を接合する中間部分68とを含んでいる。中間部分68は、支持ハウジング53の底部が入り込むことができるように、第1の端部セクション65よりもわずかに下まで延びる凹面を形成する上向きに面する曲線を形成する。これにより、中間部分68が第1の端部セクション65から水平方向に直線状に延びている場合よりも低い位置まで肘掛けサブアセンブリ52を調節することができる。
【0014】
支持柄51の直立垂直部分67は、管状であり、嵌め合いナット55を受け入れて取り付けるための上向きに面する構造を含んでいる。具体的には、図示された支持柄51は、上向きに面する一対の開口ボスを含み、嵌め合いナット55は、支持柄51の上部に嵌まり込む管セクション69を含んでいる。嵌め合いナット55は、ねじ71を受け入れる開口フランジ70を含んでいる。ねじ71は、開口フランジ70を貫通して支持柄51の開口ボスにねじ山と螺合しながら挿入される。嵌め合いナット55は、嵌め合いナット55内(管セクション69内も含む)に延びるねじ山を有する穴72を含んでいる。ねじ山は、ねじシャフト54が1回転すると肘掛けサブアセンブリ52が約2.54cm(1インチ)垂直方向に移動するように、大きなリード角を有している。さらに、ねじ山のリード角は、ねじシャフト54が着座したユーザからの垂直方向の圧力を受けると回転するようにするのに十分なものである。ねじ山は、肘掛けサブアセンブリ52が自重によって落下しないようにするのに十分な角度であっても又はそうでなくてもよい。
【0015】
支持柄51の直立垂直部分67(図5)は、一対のリング形の凹部75及び76を含み、上側の凹部75は、嵌め合いナット55の近くの支持柄51の上部に形成され、下側の凹部76は、上側の凹部75の数センチメートル下に形成されている。C字形の軸受リング77及び78は、弾性であり、リング形の凹部75及び76にスナップ嵌めで嵌め合わせられるような形状になっている。軸受リング77及び78間と凹部75及び76間との垂直方向の間隔は、肘掛けの機能設計基準に基づいている。間隔を大きくすると、安定性が高まり軸受リング77及び78に対するトルク応力が小さくなるが、垂直方向の調節ストロークも制限される。間隔を小さくすると、垂直方向の調節ストロークが大きくなるが、軸受リング77及び78の磨耗も大きくなる可能性があり、安定性も低下する可能性がある。図示された軸受リング77及び78は、低摩擦軸受材料製であり、軸受リング77及び78の重要な領域で支持を強化するために拡大パッド領域79を含むことに留意されたい。
【0016】
肘掛け蓋57(図5)は、下側アーム蓋部材81及び上側アーム蓋部材82を含んでいる。上側アーム蓋部材82は、下向きに面するプレートキャリア(具体的には図示せず)と、プレートキャリア上の発泡体と、美観のための外皮カバーとを含んでいる。上側アーム蓋部材82は、さまざまな異なるデザイン及び構成にできることが意図される。上側アーム蓋部材82のプレートキャリアは開口ボスを含み、下側アーム蓋部材81は、開口ボスと一致する開口フランジを含んでいる。ねじ83が、下側アーム蓋部材81の開口フランジを貫通して、上側アーム蓋部材82の開口ボスにねじ山と螺合可能に挿入し、下側アーム蓋部材81及び上側アーム蓋部材82を互いに固定する。
【0017】
肘掛けサブアセンブリ52の支持ハウジング53(図5)は、外方に広がった上部セクション86及び管状の下側セクション87を含んでいる。管状の下側セクション87は、支持柄51の直立垂直部分67と伸縮可能に係合するような形状になっている断面を有し、少なくとも拡大パッド領域79において軸受リング77及び78と摺動嵌め合い的に係合する内面を含んでいる。管状の下側セクション87及びそれに嵌まり合う支持柄51の直立垂直部分67の図示された断面形状はほぼ楕円形であるが、多くの異なる断面形状を問題なく使用できることが意図されることに留意されたい。
【0018】
主取り付けプレート90(図5)は、支持ハウジング53の上部セクション86のてっぺんに取り付けられた剛直な構成要素である。具体的には、上部セクション86は、主取り付けプレート90を受け入れるような形状になっている浅い凹部を画定する上部リップ及びレッジ91を含んでいる。主取り付けプレート90は開口92を含み、上部セクション86は、主取り付けプレート90を支持ハウジング53に固定するためにねじ94をねじ山と螺合するように受け入れるような形状になっている開口ボス93を含んでいる。この構成は安定しており、上部セクション86及び主取り付けプレート90がアセンブリとして互いを堅くする。主取り付けプレート90は、シートメタルから打ち抜かれてもよく、又は別の構造材料によって形成してもよい。以下で説明するように、スイングアーム58及び59それぞれと係合してこれらの内方の回転及び外方の回転を止めるために、主取り付けプレート90には隆起した第1の突出停止部95及び隆起した第2の突出停止部96が形成されている。主軸受プレート98は、主取り付けプレート90上に固定される。主軸受プレート98は、比較的平坦であり、第1の突出停止部95及び第2の突出停止部96を嵌め合いにより受け入れる中空の突出部99及び100を含み、これらはスイングアーム58、59に当接してこれらの回転を制限するようになっている。主軸受プレート98は、スイングアーム58及び59それぞれを回転可能に支持するためのピボットボス101及び102も含んでいる。
【0019】
図示された構成では、スイングアーム58は肘掛けの後部に配置され、スイングアーム59は肘掛けの前部にある。しかしながら、構成全体を逆にしてもよいことが意図される。その場合、前部にあるスイングアーム58の造形突出部61と係合するように、スロット60を肘掛けの反対(前)端部に移動させることになる。
【0020】
図示されたスイングアーム58及び59(図5)は、主軸受プレート98の関連するピボットボス101及び102と回転するように係合する開口103及び104をそれぞれ含んでいる。開口103及び104(及びピボットボス101及び102)は、支持ハウジング53に対する固定垂直回転軸線を画定する。スイングアーム58及び59のそれぞれに第2の軸線を画定するために、第2の穴105及び106がスイングアーム58及び59のそれぞれに形成されている。スイングアーム上部軸受107及び108が、スイングアーム58及び59上にそれぞれ配置されている。下側アーム蓋部材81は、鍵穴形のスロット60を含み(鍵穴形のスロットの円形部分が肘掛け50の後部にある)、スロット60の直線状の長い部分110と整列する直線状の第2のスロット109をさらに含んでいる。肩付きねじ111及び112が、スイングアーム58及び59の開口103及び104のそれぞれを上から下まで貫通し、主軸受プレート98の開口101及び102のそれぞれに螺合可能に挿入する。図示された構成では、肩付きねじ111及び112は、主取り付けプレート90に螺合するように挿入するが、その代わりにこれらの下端部でナットを用いてもよいことが意図される。この構成により、スイングアーム58及び59は、主軸受プレート98及び主取り付けプレート90の上で、第1の突出停止部95に突き当たる内方位置と外方の第2の突出停止部96との間で回転可能である。
【0021】
肩付きリベット120及び121は、スロット60及び第2のスロット109を貫通し、スイングアーム上部軸受107及び108のそれぞれの嵌め合い穴を貫通して、スイングアーム58及び59のそれぞれの第2の穴105及び106と確実に係合する。ロックナット122及び座金123が、肩付きリベット120の上部と係合し、座金123は、下側アーム蓋部材81をスイングアーム58に対して摺動可能に保持するのに十分な大きさである。ロックナット124及び抑制体ホルダ125が肩付きリベット121の上部と係合し、抑制体ホルダ125は、下側アーム蓋部材81をスイングアーム59に対して摺動可能に保持するのに十分な大きさである。
【0022】
スイングアーム上部軸受107(図5)は、鍵穴形のスロット60内に入る造形突出部61を含んでいる。造形突出部61(図8)は、スロット60の長い部分110の幅とほぼ等しい寸法を画定する対向する平坦な側面130及び131を含んでいる。この構成により、造形突出部61は、長い部分110に沿って摺動するようになっている(図7を参照)。造形突出部61(図8)は、スロット60の円形部分134と回転するように係合する形状になっているアールの付いた端面132及び133も含んでいる(図9を参照)。当業者には理解されるように、肘掛け蓋57は、前/後方向(すなわち縦方向)に水平に調節することができる(図7及び図8を比較)か、又は平行移動方向/横方向に水平に調節することができる(図8及び図9を比較)ため、これにより有利な構成が得られる。また、肘掛け蓋57は、スイングアーム58及び59の一方を他方よりも回転させることによって、回転方向/横方向に水平に調節できることが、図9(及び図5)から明らかである。
【0023】
本構成が調節移動を制御することは、当業者には理解されるであろう。具体的には、本構成の「制御」は、特定の時点及び位置での回転を防止し、特定の時点及び肘掛け位置での横方向の移動を防止するが、肘掛け蓋57をその最も前方の調節された位置の後方に移動させたときには縦方向の調節移動を可能にする。言い換えれば、造形突出部61がスロット60の長い部分110に配置されているときには、その側面130及び131がスロット60の長い部分110を形成する周辺材料と密接に係合するため、スイングアーム58の回転を防止し、さらにスイングアーム59の回転も防止する。また、本「制御」の構成は、造形突出部61がスロット60の円形部分134内で部分的に回転する最も前方の調節された位置に肘掛け蓋57があるときには、縦方向の調節を防止するが、肘掛け蓋57を回転させると回転及び/又は横方向の調節を可能にすることが当業者には理解されるであろう。言い換えれば、造形突出部61がスロット60の円形部分134内に配置されて回転させられるときには、スイングアーム58が縦方向に移動するのを防止する。造形突出部61が円形部分134内にあって長い部分110と整列しているとき、着座したユーザは、肘掛け蓋57を平行運動で横方向に移動させるよう選択することができる(図9)か、又はスイングアーム58及び59の一方を他方よりも大きく回転させる(したがって、角度方向に横方向の調節移動を生じさせる)ことができるか、又は肘掛け蓋57を縦方向に移動させることができる。
【0024】
図示された造形突出部61は、平坦な側面130に対してある角度を成す傾斜した平坦な面135を含むことに留意されたい。これは、後方の縦方向の調節運動の最初の部分中に、肘掛け蓋57をスロット60の長い部分110と完璧に角度を合わせるように方向付けるのに、すなわち「通す(funnel)」のに役立つ。言い換えれば、これは、肘掛け蓋57(すなわち造形突出部61)がスロット60の縦方向の長い部分110と完璧には角度を合わせられない場合でも、着座したユーザが続いて肘掛け蓋57を直線方向後方に縦方向に十分に調節できるほど十分に中心合わせ及び位置合わせされた位置に肘掛けを迅速且つ容易に移動させることが依然として可能であるように、肘掛け蓋57を位置合わせするのに役立つ。
【0025】
スイングアームカバー140(図5)は、肘掛け蓋57の下且つスイングアーム58及び59の上に配置されて、スイングアーム58及び59を美観的に十分な程度に覆うとともにスイングアーム58と59との間及びこれらの周りの領域への不注意なアクセスを防止する。スイングアームカバー140は、水平パネル部分141及び外側下向きリップ142を含んでいる。水平パネル部分141の穴143をねじが貫通して、第2の突出停止部96まで延びる。第2の突出停止部96は、所望であれば省いてもよく、ねじを用いて第2の突出停止部を形成してもよいことに留意されたい。或いは、スイングアーム58及び59を、最も外側の横方向の調節された位置で係合するような形状にしてもよい。
【0026】
下側アーム蓋部材81(図5)は、上述のように、縦方向及び横方向の水平移動を支持するように構成されている。これは、以下のように抑制体62及び抑制体ホルダ125を動作可能に支持するようにも構成されている。下側アーム蓋部材81は、スロット60及び第2のスロット109が形成されているほぼ平坦な底部蓋プレート150を含んでいる。周囲壁151は、底部蓋プレート150の周りに延び、ロックナット122及び抑制体ホルダ125のようないくつかの構成要素が中に配置されるキャビティを画定する。下側アーム蓋部材81の剛性及び構造的完全性の必要に応じて、また必要とされる機能のために、補強リブ152及び153が加えられる。例えば、補強リブ153は、底部蓋プレート150の縁部に沿って配置され、スイングアーム58及び59から提供される支持が最少量である最も内側の位置に肘掛け蓋57が調節されるときに生じ得る側部荷重に対するねじり抵抗を提供する。
【0027】
底部蓋プレート150のいくつかの重要な細部を、図7〜図9に示す。図7〜図9は、底部蓋プレート150のすぐ上で断面を取った断面図である。底部蓋プレート150は、第2のスロット109に沿って延びて第2のスロット109の表面形成部分を含む内壁156を含んでいる。歯列157(本明細書では「ラック」とも呼ぶ)が、内壁156の反対側に形成されている。歯列157は、下側アーム蓋部材81の内側方向に向いている。抑制体ホルダ125(図6)は、肩付きリベット121を受け入れる穴が開いている箱状ハウジング158を含んでいる。ロックナット124は、肩付きリベット121と係合して箱状ハウジング158を下側アーム蓋部材81上の位置に保持する。箱状ハウジング158は、内壁156の上部と摺動するように係合して確実な非拘束摺動構成(non-binding sliding arrangement)を形成する凹部159を含んでいる。箱状ハウジング158の外側部分160は、内壁156と周囲壁151との間に嵌まる。抑制体62は、周囲壁151と箱状ハウジング158との間の場所で箱状ハウジング158の外側部分160に取り付けられる。
【0028】
抑制体は、当該技術分野で既知であるため、本明細書で詳細に説明する必要はない。図示された抑制体62は、シリコーンのような粘性材料が充填されたキャビティを画定する抑制体室形成部材を有する予め組み立てられたユニットであることに留意すれば十分である。図示された抑制体62はさらに、第1の端部が粘性材料内に配置されて第2の端部が抑制体室形成部材から外部の位置まで延びるロータを含んでいる。ロータは、第2の端部において歯列157と係合するように配置されたギア161(図7)を有している。この構成により、抑制体62は、肩付きリベット121によってスイングアーム59に随伴して取り付けられるが、歯列157は、下側アーム蓋部材81と一体形成されるため、肘掛け蓋57とともに移動する。
【0029】
肘掛け蓋57が縦方向に動かされると(図7を参照)、歯列157がギア161に対して移動してロータを回転させる。ロータの回転移動が抑制体内の粘性材料によって抑制されるため、縦方向の移動が抑制される。その結果、肘掛けを調節する着座したユーザが、非常に均一且つ滑らかで上品な感覚を受ける。これと同じ構成により、肘掛け蓋57が横方向に(回転方向または平行移動方向に)調節された場合、横方向の調節中にロータがスイングアーム59に対して移動する。その結果、同じく、肘掛けを調節する着座したユーザが、非常に均一且つ滑らかで上品な感覚を受ける。抑制体62のような抑制体は廉価ではない。したがって、単一の抑制体62が横方向(回転及び/又は平行移動方向)の移動及び縦方向の移動の両方を抑制することを可能にするこの構成は、大きな利益であると考えられる。
【0030】
垂直方向の調節を可能にする構造に戻ると、螺旋形のねじシャフト54を固定してその回転を選択的に防止するロック構造が設けられている。支持ハウジング53の上部部分86は、開口170(図10)を含んでいる。作動レバー56(本明細書では「ロックトリガ」とも呼ぶ)は、開口170に隣接して支持ハウジングの上部部分86の壁に形成された嵌め合い凹部と回動するように係合する軸を形成する一対の整列した横方向に延びる突出部171を含んでいる。作動レバー56の外側部分172は、着座したユーザが係合して押すようになっているハンドルを形成する。作動レバー56の内側部分は、1つ又は複数の係止歯173を形成する。回転可能なねじシャフト54の上部は、軸方向のねじ穴を含んでいる。ねじ174及び座金175は、主取り付けプレート90の窪み内に支持され、ねじ174は、主取り付けプレート90の穴を貫通してねじシャフト54の軸方向の穴と螺合して係合するように延びている。この構成により、ねじシャフト54は、主取り付けプレート90によって回転可能に支持されている。ねじシャフト54の上部は、一連の半径方向の歯177を含む造形形状を有している。歯177は、ねじシャフト54の一体部品として形成されてもよく、又はねじシャフト54の上部に取り付けられてもよい。ばね178が作動レバー56(図10)を常時係合位置に偏らせ、この位置では、係止歯173が半径方向の歯177と係合してねじシャフト54の回転を防止する。これにより、支持柄51上の肘掛けサブアセンブリ52の垂直方向の高さが固定される。作動レバー56が押されると(図11)、作動レバー56が回転して係止歯173から外れることで、ねじシャフト54の回転が可能になるため、支持柄51に対する肘掛けサブアセンブリ52の垂直方向の高さの調節が可能になる。
【0031】
ねじシャフト54のねじ山のピッチ又は角度は、重要な特徴である。ピッチは、肘掛けサブアセンブリ52を適度な圧力で上下移動させることができるが、肘掛けサブアセンブリ52が自重によって「落下」しないようなものであり得る。或いは、ピッチは、肘掛けサブアセンブリ52が自重で下方に移動するように設計されてもよい。この特徴は、材料の選択、介在材料の潤滑性、及び/又は存在する潤滑剤によって、肘掛けの重量によって、設計基準によって、及び多くの他の因子によって実質的に決まる。好ましい形態では、ねじ山のピッチは、ねじシャフト54が一回転すると肘掛けサブアセンブリ52が2.54cm(1インチ)垂直方向に移動するようなものであった。4つのねじ山を用いた。(図12を参照。)図示された構成では、約4〜8つの半径方向の歯177を用い、1つの係止歯173を用いた。しかしながら、所望であれば、用いる歯はそれより多くても少なくてもよい。したがって、肘掛けサブアセンブリ52は、約0.635cm(1/4インチ)〜0.3175cm(1/8インチ)間隔で離れた位置に調節することができた。軸受リング77及び78はアセタール製とし、嵌め合い摺動構成要素は、ナイロン材料製とし、及び/又は潤滑剤で被覆した。
【0032】
垂直方向の調節ロック構造は、螺旋形のねじシャフト54(「調節ねじ」とも呼ぶ)(図5)と、主取り付けプレート90へのシャフト54の回転取り付けと、嵌め合いナット55と、作動レバー56と、シャフト54の上部歯付き部分とのその係合とを含むものとした。(図7)
【0033】
水平方向の調節移動は、肘掛け蓋57をスロット60及び第2のスロット109に沿って(造形突出部61をスロットの長さと位置合わせして)縦方向に移動させることを含む(図7)。造形突出部61がスロット60の円形部分134内にあるとき、肘掛け蓋57は、一方のスイングアームを回転させる角度方向/横方向の調節を含む、横方向の角度方向の水平方向の調節も行うことができる(図8)。また、造形突出部61がスロット60の円形部分134内にあるとき、肘掛け蓋57は、スイングアーム58及び59の両方を回転させる平行移動方向の横方向の調節を含む、横方向の平行移動方向の調節を行うことができる(図8)。
【0034】
肘掛け蓋57の水平方向の調節移動は、スイングアーム59に取り付けられた単一の抑制体62によってあらゆる方向で抑制される。具体的には、肘掛け蓋57を縦方向に移動させると、抑制体62のロータが第2のスロット109に沿った歯列と係合することによって回転する。また、水平方向の調節移動中に肘掛け蓋57を横方向に(角度方向又は平行移動方向に)移動させると、スイングアーム59が回転し、抑制体のロータの回転を抑制させてスイングアーム59の回転を可能にする。したがって、角度方向及び平行移動方向の横方向の移動も抑制される。
【0035】
抑制体をアームの垂直方向の運動の抑制に使用できることが意図される。例えば、抑制体のギアは、ねじシャフト(54)のギアと係合してもよい。より広義には、抑制体は、上側又は下側のアーム構成要素に取り付けられて、(支持柄51のような)他の構成要素のラックギアと係合してもよい。
【0036】
第2の肘掛け構造体200(図13〜図17)は、支持柄251上で支持された肘掛け蓋257と、支持ハウジング253と、スイングアーム258及び259とを含んでいる。支持柄251と、支持ハウジング253と、スイングアーム258及び259とは、上記で詳細に説明した構成要素51、53、58、及び59と同様であり、この変更形態を理解するのに繰り返し説明する必要はない。
【0037】
肘掛け蓋257は、直線状のスロット301及びL字形のスロット302を有する下側蓋部材300を含んでいる。スイングアーム258及び259は、スイングアーム258及び259からスロット301及び302のそれぞれを通って延びるリベット303及び304をそれぞれ含んでいる。抑制体ホルダ305が、リベット303に取り付けられている。抑制体306は、抑制体ホルダ305内に配置され、下方に延びるギアを有するロータを含んでいる。歯列307は、スロット301に沿って形成され、肘掛け蓋257が縦方向に調節されるときは常にロータを回転させるように動作する。肘掛け蓋257を回転させるときにも抑制が行われる。
【0038】
リベット304から離隔した場所で、リベット310は、スイングアーム259からL字形のスロット302内に延びている。リベット310とリベット304との間の間隔は、L字形のスロット302の短い脚部の長さとほぼ等しい。連結部311は、2つのリベット310及び304の上部に取り付けられている。スロット302に沿って進む2つの離隔したリベット310及び304があることで、肘掛け50に関して上記で開示したのと同様の移動が得られる。具体的には、両方のリベット310及び304がL字形のスロット302の長い直線状の脚部にある場合、これらは肘掛け蓋257を縦方向に直線移動させる。肘掛け蓋257は、この領域にあるときは、角度方向にも横方向にも調節できない。しかしながら、肘掛け蓋257がスロット301及び302の前方端部にある場合、リベット310及び304は、肘掛け蓋257の角度方向に横方向の調節(図16及び図17を参照)を可能にするとともに、平行移動方向に横方向の調節(図15を参照)も可能にする。特に、L字形のスロット302の内部凹面313はアールが付いており、連結部311は、このアールの付いた内部凹面313のまわりを摺動するような形状になっている。これは、着座したユーザが肘掛け蓋257を縦方向に位置合わせするのに役立ち、わずかな位置ずれがある場合でも肘掛け蓋257を「通して」位置合わせする。
【0039】
[変更形態]
変更した肘掛け400(図18)では、肘掛けが前方位置にない限り、肘掛けの回転を防止する肘掛けの構造は、肘掛け50(図5)から省いてある。具体的には、変更したスイングアーム軸受407は、平坦な上面を含み、細長い突出部を含まない。(省いてある図5の造形突出部61を参照)。したがって、本肘掛け400は、任意の調節された位置から任意の方向に(縦方向、横方向/平行移動方向、及び角度方向/回転方向に)調節することができる。
【0040】
また、スモーリースプリング社(ウェブサイトwww.smalley.comを参照)によって製造されるリング軸受436及びシム端部の多重コイルの波形圧縮ばね437が含まれ、肘掛けの水平方向の調節中に摩擦を大きくするように取り付けボルト427に取り付けられている。波形圧縮ばね437(図20)は、特に、小型でありサイズが小さい。これは、一連のリングそれぞれの山が次のリングの谷に当接する波付きの連続螺旋バンドを含む。波形圧縮ばね437が占める軸方向の空間は、丸ワイヤからできている従来型のコイルばねの約1/2〜1/3である。とはいえ、波形圧縮ばね437は、肘掛けの横方向/水平方向の調節に抵抗するのに十分な摩擦をもたらす大きな垂直力を提供する。
【0041】
横方向の調節に抵抗する摩擦力は、均一であると共に、着座したユーザが肘掛けを押して横方向に(移動止めを全く用いずに)調節することを可能にすることが好ましい。しかしながら、肘掛けの横方向の調節に抵抗する静摩擦力は、着座したユーザが自身の立ち上がりを補助するために肘掛けを押したときに、肘掛けの予期せぬ突然の外方への摺動移動に抵抗するのに十分であることも望ましい。波形圧縮ばね437は、取り付けボルト427及びリング軸受436に取り付けられている。ボルト及びリング軸受は、肩付きリベット(120)(図5)の代わりである。この解決手段は、はるかに低コストであると共に組み立てやすい。上側アーム蓋部材82の水平方向の調節に必要な合力は、摩擦抵抗を克服して肘掛け蓋57の横方向の調節を行わせるために、少なくとも約4ポンドの圧力、より好ましくは5ポンドを超える力であり、最も好ましくは、約5〜7.5ポンドの力である。特に、この力は、人が椅子に着座した位置から立ち上がるときに下向きに押すと大きくなるが、それはさらなる下向きの力に比例して摩擦力が大きくなるからである。特に、抑制体62と、より大きな荷重下でのスイングアームの進み具合とによって、調節の速度も制御される。したがって、肘掛け蓋57に対する大小の垂直力と組み合わせた場合でも、横方向の力を加えると滑らかで上品な調節運動が得られる。
【0042】
縦方向/横方向/角度方向に調節可能な本肘掛けは、移動止めを全く含まない。その代わりに、本肘掛けは、移動に対する連続的な摩擦抵抗を提供するが、非常に上品で滑らかな感覚が得られる。摩擦抵抗は、1)ナイロン製のリング軸受436を下側アーム蓋部材81に押し付ける圧縮された波形圧縮ばね437と、2)スイングアーム407及び108とそれらが係合する下側アーム蓋部材81及び肘掛け支持体の主軸受プレート98の平面との間の摺動摩擦と、3)抑制体62との3つの機構によって主に提供される。特に、グリース及び潤滑剤は、時間を経るにつれて消失する可能性があるため、当接する摺動面では用いないことが好ましい。その代わりに、構成要素をアセタール及びナイロンのような嵌め合いに適した材料製にすることで、水平方向の摺動調節中に非常に滑らかで上品な感覚が提供される。
【0043】
主取り付けプレート90は、第1の突出停止部95及び第2の突出停止部96を含んでいる。(図5及び図18を参照。)第1の突出停止部95及び第2の突出停止部96は、主取り付けプレート90と一体形成され、スイングアーム58及び59の内方への回転及び外方への回転を制限するようにスイングアーム58及び59と当接するように係合する。第1の突出停止部95及び第2の突出停止部96は、堅牢且つ中実であるように一体形成される。さらに、これらは、騒音のない確実な動作を提供するように、主軸受プレート98の凹凸のある嵌め合いリッジによって覆われる。
【0044】
本発明の概念から逸脱しない限り、上述の構造に変形及び変更を加えることができることを理解すべきであり、さらに、添付の特許請求の範囲においてその文言により特に明記されない限り、かかる概念は当該特許請求の範囲により包含されることが意図されることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】縦方向に調節可能、横方向に調節可能(回転方向及び平行移動方向の両方)、及び垂直方向にも調節可能である、本発明を用いた肘掛けの斜視図である。
【図2】縦方向に調節可能、横方向に調節可能(回転方向及び平行移動方向の両方)、及び垂直方向にも調節可能である、本発明を用いた肘掛けの側面図である。
【図3】縦方向に調節可能、横方向に調節可能(回転方向及び平行移動方向の両方)、及び垂直方向にも調節可能である、本発明を用いた肘掛けの背面図である。
【図4】図3の上側部分の拡大図である。
【図5】図3の分解斜視図である。
【図6】図3の後部部分の上部部分斜視図である。
【図7】上部肘掛け構成要素がその前方位置と後方位置との間の縦方向に調節された中間位置で示されている、図3の線VII−VIIに沿った断面図である。
【図8】上部肘掛け構成要素を縦方向/後方又は回転方向/角度方向に調節することができる前方に位置合わせされた位置にある、前方位置で示された、図7と同様の図である。
【図9】図8と同様であるが、平行移動方向/横方向に調節された図である。
【図10】解除用のロックトリガを含む垂直方向の高さ調節システムを示す、図2の線X−Xに沿った垂直断面図である。
【図11】図10と同様であるが、ロックトリガをロック解除位置に移動させた図である。
【図12】図3の水平断面図である。
【図13】縦方向及び横方向の両方で調節可能である変更した肘掛けである。
【図14】図13の分解斜視図である。
【図15】肘掛けが横方向に調節されている、図13の底部斜視図である。
【図16】肘掛けが回転方向に調節されている、図15の上部斜視図である。
【図17】図16と同様であるが、肘掛けが調節の前端部に配置されており、上部肘掛け構成要素の角度調節又は縦方向の調節の準備ができている上面図である。
【図18】図5と同様の変更した肘掛けの分解斜視図である。
【図19】肘掛けの複数の調節位置を示す上部概略図である。
【図20】波形圧縮ばねの拡大斜視図である。
【図21】肘掛けサブアセンブリ内の波圧縮形ばねの断面図である。
【図22】スイングアームの一方が外方への回転を制限するための主取り付けプレート上の外側停止部と係合しているところを示す斜視図である。
【図23】スイングアームの両方が外方への回転を制限するための主取り付けプレート上の外側停止部と係合しているところを示す斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の非円形管を画定する第1の垂直セクションを有する肘掛け柄と、
第2の非円形管を画定すると共に垂直方向の調節のために前記第1の垂直セクションと回転不可能に伸縮可能に係合する第2の垂直セクションを有する肘掛けアセンブリと、
前記第1の垂直セクション及び前記第2の垂直セクションの一方の内部に支持される螺旋形のねじシャフト部材と、前記第1の垂直セクション及び前記第2の垂直セクションの他方の上端部に固定されて前記ねじシャフト部材と動作可能に係合する嵌め合いナット部材と、該嵌め合いナット部材の上方で前記ねじシャフト部材と係合するトリガとを含む高さ制御部と
を備え、
前記ねじシャフト部材は、前記肘掛けアセンブリに垂直力が加わると回転可能であり、前記トリガは、前記ねじシャフト部材と選択的に係合して垂直方向の調節後の回転を防止することで選択された高さ位置を固定するように配置される、座席ユニットの肘掛け。
【請求項2】
前記ねじシャフト部材は、前記肘掛けアセンブリに回転可能に取り付けられる、請求項1に記載の座席ユニットの肘掛け。
【請求項3】
前記肘掛けアセンブリは、前記第2の垂直セクションを組み込むハウジングを含む、請求項1に記載の座席ユニットの肘掛け。
【請求項4】
前記肘掛けアセンブリは、前記ハウジングに取り付けられると共に前記ねじシャフト部材を回転可能に支持する取り付けプレートを含む、請求項3に記載の座席ユニットの肘掛け。
【請求項5】
トリガが、前記ねじシャフト部材と係合するように前記ハウジングに動作可能に取り付けられる、請求項3に記載の座席ユニットの肘掛け。
【請求項6】
前記ねじシャフト部材は造形上部を含み、前記トリガは前記造形上部と係合する、請求項5に記載の座席ユニットの肘掛け。
【請求項7】
前記トリガは、前記造形上部のノッチと摩擦係合する、請求項6に記載の座席ユニットの肘掛け。
【請求項8】
前記造形上部は歯を含む、請求項7に記載の座席ユニットの肘掛け。
【請求項9】
前記トリガは、回動可能に前記ハウジングに取り付けられたレバーである、請求項3に記載の座席ユニットの肘掛け。
【請求項10】
前記トリガは、前記ハウジングの嵌め合い面と回転可能に係合する一体形成された突出部を含む、請求項9に記載の座席ユニットの肘掛け。
【請求項11】
前記ねじシャフト部材のねじ山は、前記肘掛けアセンブリが垂直方向に2.54cm移動するごとに前記ねじシャフト部材を約1回転させる、請求項1に記載の座席ユニットの肘掛け。
【請求項12】
前記ねじシャフト部材を通る水平断面内に4つのねじ山が示される、請求項11に記載の座席ユニットの肘掛け。
【請求項13】
前記ねじシャフト部材の前記造形上部は、前記ねじシャフト部材の1回転につき少なくとも約4つの停止場所を有する、請求項11に記載の座席ユニットの肘掛け。
【請求項14】
前記肘掛けアセンブリの前記第2の垂直セクションと摺動可能に係合する軸受リングを、前記肘掛け柄の前記第1の垂直セクションに含む、請求項1に記載の座席ユニットの肘掛け。
【請求項15】
前記トリガは、回動可能に前記第2の垂直セクションに取り付けられる、請求項14に記載の座席ユニットの肘掛け。
【請求項16】
前記肘掛けアセンブリは、水平方向の調節のために前記第2の垂直セクションの上部に調節可能に支持された肘掛け蓋を含む、請求項15に記載の座席ユニットの肘掛け。
【請求項17】
垂直セクションを有する肘掛け柄及び垂直方向の調節のために前記垂直セクションと垂直方向に係合する肘掛け構成要素を含む、座席ユニットの肘掛けにおいて、
前記垂直セクション及び前記肘掛け構成要素の一方にある螺旋形のねじシャフト部材と、
前記垂直セクション及び前記肘掛け構成要素の他方にあると共に前記ねじシャフト部材と動作可能に係合する嵌め合いナット部材と、
該嵌め合いナット部材の上方で前記ねじシャフト部材の造形上部と係合するように配置されたトリガと
を備え、
前記ねじシャフト部材は、前記肘掛け構成要素に垂直力が加わると回転可能であり、前記トリガは、前記造形上部と選択的に係合して垂直方向の調節後の前記ねじシャフト部材のさらなる回転を防止することで選択された高さ位置を固定するように配置される、座席ユニットの肘掛け。
【請求項18】
前記垂直セクション及び前記肘掛け構成要素の一方は、管状であり、前記垂直セクション及び前記肘掛け構成要素の他方と伸縮可能に係合する、請求項17に記載の座席ユニットの肘掛け。
【請求項19】
調節可能な装置であって、
第1の非円形管を画定する第1の垂直セクションを有し、前記調節可能な装置を支持するための柄と、
平行移動の調節のために前記第1の垂直セクションと回転不可能に摺動可能に係合する第2の非円形管を画定する第2の垂直セクションを有するサブアセンブリと、
造形上部を有すると共に前記第1の垂直セクション及び前記第2の垂直セクションの一方にある螺旋形のねじシャフト部材と、前記第1の垂直セクション及び前記第2の垂直セクションの他方に固定されて前記ねじシャフト部材と動作可能に係合する嵌め合い部材と、トリガをと含む調節制御装置と
を備え、
前記ねじシャフト部材は、前記サブアセンブリに垂直力が加わると回転可能であり、前記トリガは、前記嵌め合い部材の上方で前記造形上部と選択的に係合して垂直方向の調節後の回転を防止することで選択された高さ位置を固定するように配置される、調節可能な装置。
【請求項20】
前記ねじシャフト部材のねじ山は、前記サブアセンブリが垂直方向に2.54cm移動するごとに前記ねじシャフト部材を約1回転させるピッチを有する、請求項19に記載の調節可能な装置。
【請求項21】
前記ねじシャフト部材のねじ山は、前記ねじシャフト部材を通る水平断面内に4つのねじ山を含む、請求項19に記載の調節可能な装置。
【請求項22】
前記ねじシャフト部材は、該ねじシャフト部材の1回転につき少なくとも4つの停止場所を画定する造形上部を有する、請求項21に記載の調節可能な装置。
【請求項23】
滑らかな摺動係合を支持する少なくとも2つの軸受リングを、前記第1の垂直セクションと前記第2の垂直セクションとの間に含む、請求項22に記載の調節可能な装置。
【請求項24】
座席ユニットの肘掛けであって、
前記座席ユニットに取り付けられるようになっている肘掛け支持体と、
人の腕を支持するようになっている肘掛け蓋と、
前記肘掛け支持体上で前記肘掛け蓋を支持する一対のスイングアームであって、それぞれが、前記肘掛け支持体及び前記肘掛け蓋の一方に第1の場所で回動可能に取り付けられ、それぞれが、背もたれの前方にある前方位置と前記肘掛け蓋の少なくとも一部が前記背もたれに隣接する後方位置との間での移動を含む独立した縦方向、横方向、回転方向調節のために前記肘掛け蓋を調節可能に支持するように、前記肘掛け支持体及び前記肘掛け蓋の他方に第2の場所で摺動可能に回動可能に取り付けられた一対のスイングアームと、
前記第1の場所及び前記第2の場所の少なくとも一方に取り付けられて、前記肘掛け支持体上で前記肘掛け蓋を調節するときに肘掛け本体及びスイングアームの水平移動に抵抗する摩擦力を増大させる摩擦増大機構と
を備える、座席ユニットの肘掛け。
【請求項25】
前記摩擦増大機構は、前記スイングアームを偏らせて、前記肘掛け支持体及び前記肘掛け蓋の一方と係合させる波形圧縮ばねを含む、請求項24に記載の座席ユニットの肘掛け。
【請求項26】
前記摩擦増大機構は、前記肘掛け蓋に動作可能に結合されると共に前記肘掛け支持体に対する前記肘掛け蓋の急速移動に抵抗する抑制体を含む、請求項24に記載の座席ユニットの肘掛け。
【請求項27】
前記肘掛け支持体は、少なくとも1つの停止部を有する取り付けプレートを含み、
前記停止部は、前記スイングアームと係合して該スイングアームの外方への移動を制限することで前記肘掛け蓋の外方の調節を制限するように配置される、請求項24に記載の座席ユニットの肘掛け。
【請求項28】
肘掛け支持体と、
少なくとも3つの異なる使用位置に移動するように前記肘掛け支持体上で調節可能に支持される肘掛け蓋と、
前記肘掛け支持体及び前記肘掛け蓋の一方と係合して、調節中の前記肘掛け蓋の移動を抑制すると共に滑らかにする粘性抑制体と
を備える、座席ユニットの肘掛け。
【請求項29】
前記抑制体は、
本体と、
該本体から外方に延びるシャフトを有する回転可能部材と
を含む、請求項28に記載の座席ユニットの肘掛け。
【請求項30】
前記シャフトは、嵌め合い面と係合してラックを画定する歯を含む、請求項29に記載の座席ユニットの肘掛け。
【請求項31】
前記抑制体は、前記肘掛け支持体と前記肘掛け蓋との間に取り付けられた別個のモジュールである、請求項30に記載の座席ユニットの肘掛け。
【請求項32】
前記抑制体は、予め組み立てられたダッシュポットを備える、請求項28に記載の座席ユニットの肘掛け。
【請求項33】
前記抑制体は、粘性材料が充填されたキャビティを含み、
前記回転可能部材は、前記キャビティ内に延びるセクションを含む、請求項29に記載の座席ユニットの肘掛け。
【請求項34】
前記肘掛け支持体は、第1の垂直セクションを有し、
前記肘掛けは、
垂直方向の調節のために前記第1の垂直セクションと伸縮可能に係合する第2の垂直セクションを有すると共に前記肘掛け蓋を組み込む肘掛けアセンブリと、
前記第1の垂直セクション及び前記第2の垂直セクションの一方にある螺旋形のねじシャフト部材と、前記第1の垂直セクション及び前記第2の垂直セクションの他方にあり前記ねじシャフト部材と動作可能に係合する嵌め合いナット部材と、トリガとを含む高さ制御部と
を備え、
前記ねじシャフト部材及び前記嵌め合いナット部材の一方は、前記肘掛けアセンブリに垂直力が加わると回転可能であり、前記トリガは、前記一方の部材と選択的に係合して垂直方向の調節後の回転を防止するように配置される、請求項28に記載の座席ユニットの肘掛け。
【請求項35】
ベースと、
座部と、
背もたれと、
前記ベース、前記座部、前記背もたれの1つに支持された請求項28に記載の少なくとも1つの肘掛けと
を含む椅子。
【請求項36】
前記肘掛け支持体上で前記肘掛け蓋を動作可能に支持するスイングアームを含む、請求項28に記載の座席ユニットの肘掛け。
【請求項37】
前記肘掛け支持体及び前記肘掛け蓋の一方は、鍵穴形のスロットを含み、
前記スイングアームの少なくとも一方は、前記鍵穴形のスロットと摺動可能に動作可能に係合する突出部を含む、請求項36に記載の座席ユニットの肘掛け。
【請求項38】
前記突出部は、
前記鍵穴形のスロットに沿って摺動するための平坦な側部と、
前記鍵穴形のスロットの端部の円形セクションと回転可能に係合するための弧状の端面と
を有する、請求項37に記載の座席ユニットの肘掛け。
【請求項39】
座部及び背もたれを有する座席ユニットの調節可能な肘掛けであって、
肘掛け支持体と、
第1のピボット及び第2のピボットで回動可能に前記肘掛け支持体に取り付けられた一対のスイングアームと、
第3のピボット及び第4のピボットで回動可能に前記スイングアームに取り付けられた肘掛け蓋であって、前記第1のピボット、前記第2のピボット、前記第3のピボット、前記第4のピボットの少なくとも2つは、他のピボットに向かう方向及び他のピボットから離れる方向に摺動可能であることで、前記背もたれの前方にある前方位置と前記肘掛け蓋の少なくとも一部が前記背もたれに隣接する後方位置との間での移動を含む独立した縦方向、横方向、回転方向/角度方向の調節を可能にする肘掛け蓋と、
前記肘掛け支持体及び前記肘掛け蓋の少なくとも一方にあり、前記スイングアームと係合して該スイングアームの外方への移動を制限するための停止部と
を備える、座席ユニットの調節可能な肘掛け。
【請求項40】
前記肘掛け支持体及び前記肘掛け蓋の少なくとも一方にあり、前記スイングアームと係合して該スイングアームの内方への移動を制限するための第2の停止部を含む、請求項39に記載の座席ユニットの調節可能な肘掛け。
【請求項41】
前記肘掛け支持体は、取り付けプレートを含み、
該取り付けプレートは、前記スイングアームと係合して該スイングアームの内方への移動及び外方への移動の両方を制限する一体形成された第1の停止部及び第2の停止部を有する、請求項39に記載の座席ユニットの調節可能な肘掛け。
【請求項42】
座席ユニットの肘掛けであって、
前記座席ユニットに取り付けられるようになっている肘掛け支持体と、
人の腕を支持するようになっている肘掛け蓋と、
前記肘掛け支持体上で前記肘掛け蓋を支持する一対のスイングアームであって、それぞれが、前記肘掛け支持体及び前記肘掛け蓋の一方に第1の場所で回動可能に取り付けられ、それぞれが、縦方向、横方向、回転方向の調節のために前記肘掛け蓋を調節可能に支持するように、前記肘掛け支持体及び前記肘掛け蓋の他方に第2の場所で摺動可能に回動可能に取り付けられ、独立して可動であると共に噛み合い歯で互いに結合されないことが特徴的である一対のスイングアームと、
前記第1の場所及び前記第2の場所の少なくとも一方に取り付けられて、前記肘掛け支持体上で前記肘掛け蓋を調節するときに肘掛け本体及び連結部の水平方向の移動に抵抗する摩擦力を増大させる摩擦増大機構と
を備える、座席ユニットの肘掛け。
【請求項43】
座席ユニットの調節可能な肘掛けであって、
肘掛け支持体と、
第1のピボット及び第2のピボットで回動可能に前記肘掛け支持体に取り付けられた一対のスイングアームと、
第3のピボット及び第4のピボットで回動可能に前記スイングアームに取り付けられた肘掛け蓋であって、前記第1のピボット、前記第2のピボット、前記第3のピボット、前記第4のピボットの少なくとも2つは、他のピボットに向かう方向及び他のピボットから離れる方向に摺動可能であることで、縦方向、横方向、回転方向/角度方向の調節を可能にする肘掛け蓋と、
前記肘掛け支持体及び前記肘掛け蓋の少なくとも一方にあり、前記スイングアームと係合して該スイングアームの外方への移動を制限するための停止部であって、前記スイングアームは、独立して可動であると共に噛み合い歯で互いに結合されないことが特徴的である停止部と
を備える、座席ユニットの調節可能な肘掛け。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公表番号】特表2008−535565(P2008−535565A)
【公表日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−505304(P2008−505304)
【出願日】平成18年2月28日(2006.2.28)
【国際出願番号】PCT/US2006/006908
【国際公開番号】WO2006/110227
【国際公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(301057048)スチールケース デベロップメント コーポレイション (6)
【氏名又は名称原語表記】Steelcase Development Corporation
【住所又は居所原語表記】6100 East Paris Avenue SE, Caledonia,Michigan 49316