説明

高ガラス転移温度を有する生分解性ポリマーを含む生分解性チューインガム

本発明は、約0.1%〜約95%の量において、少なくとも1つの生分解性ポリマーを含み、前記生分解性ポリマーが、37℃より高いガラス転移温度(Tg)を有し、約500〜60000g/molの範囲内の分子量(Mn)を有するチューインガムであって、前記チューインガムが、約5重量%未満の天然樹脂を含むチューインガムに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チューインガムの分野に関し、特に、本発明は、ガムベースおよび37℃より高いガラス転移温度(Tg)を有する生分解性ポリマーを含むチューインガムを提供する。
【背景技術】
【0002】
屋内または屋外環境において捨てられるチューインガムは、捨てられたガムが、例えば、通りおよび舗道表面ならびにその周りに住んでいるまたは通行している人々の衣服および靴にしっかりとくっ付き、大変な迷惑および不都合さを引き起すことは一般的に認識されている。その様な迷惑および不都合さにかなり拍車をかけているのは、従来のチューインガム製品が、環境において実質的に非分解性である天然または合成由来のエラストマーおよび樹脂状ポリマーの使用を基本としていることにある。
【0003】
捨てられたチューインガムの残留物を清掃するには、多くの場合費用が掛かりしかも満足な結果が得られない。
【0004】
チューインガムの普及に伴う迷惑を減少させる試みとしては、例えば、清掃方法の改善またはチューインガム配合物中への粘着防止剤の導入が挙げられている。しかしながら、これらの予防策は、汚染問題の解決にはあまり寄与していない。
【0005】
最近、環境作用によりさらに容易に分解することができる、および/または代謝経路を経て除去される小さな化合物に加水分解することができる合成ポリエステルに対する関心が増大している。
【0006】
米国特許第5672367号においては、チューインガムが、光の影響下でまたは加水分解的に、水溶性で非毒性化合物に分解できる、そのポリマー鎖において化学的に不安定な結合を有するある種の合成ポリマーで作られることが開示されている。米国特許第5672367号においては、環状エステル、例えば、ラクチド、グリコリド、およびε−カプロラクトンの重合により得られるその様なポリマーは、生分解性であると言われている。さらに、この文献によれば、チューインガムに適用される場合のその様なポリマーは、高くても37℃のガラス転移温度を有する。
【0007】
実質的に人体の温度であるこのガラス転移温度の上限は、生分解性チューインガムポリマーの分野内の従来技術全体の一般的な前提である。実質的に人体の温度より低くチューインガムポリマーのガラス転移温度を保持することの重要性は、ガラス転移温度(Tg)に関わる基本的性質の論理的帰結と思われる。通常、Tgは、ポリマーが著しい性質の変化を受ける時点の温度として大まかに定義されている。したがって、Tgは、ポリマー構造が、加熱によって「ゴム状」に、そして冷却によって「ガラス状」に変化する温度と言うこともできる。
【0008】
したがって、ガラス転移温度は、生分解性チューインガムポリマーの従来技術においては、一般的に、実質的に人体の温度より低く保持される。
【0009】
その様な従来技術のチューインガムポリマーの一例は、国際公開第00/19837号パンフレットにおいて開示されており、そこでは、カプロラクトンは、毒性である可能性があり、咀嚼物質として避けられるべきであることが述べられている。適用されるポリマーが低Tg誘導モノマーを含まない場合、Tgは高過ぎることが分かる。したがって、多量の可塑剤が、低いTgを有するポリ(D,L−乳酸)ポリマーを得るために使用される。国際公開第00/19837号パンフレットによれば、Tgは、高い値から低い値に移され、これにより、国際公開第00/19837号パンフレットにより得られるポリマーは、より一層ゴム状で弾性的である。
【0010】
チューインガムにおけるトリアセチン等の可塑剤のこれらの多量の使用の欠点は、特に、チューインガムが、酸または脂肪等のかなり強烈なチューインガム成分を含む場合、チューインガムの堅牢性を危うくするということである可能性がある。
【0011】
ガムベースまたはチューインガム成分に関して、組み合わされた有利な質感および堅牢性を得るための別の方法は、生分解性ポリマーと、異なる種類の天然樹脂とを混合することである。樹脂化合物は、所望の咀嚼性を得るのに寄与し、ガムベース組成物のエラストマーに対する可塑剤として作用する。
【0012】
従来のチューインガムベースにおける樹脂としては、一般的に、ポリ酢酸ビニル(PVA)等の合成樹脂および多くの場合、エステルガムと言われるロジンエステル等の天然樹脂が挙げられる。さらに、部分的に水素化されたロジンのグリセロールエステル、重合したロジンのグリセロールエステル、部分的に二量化されたロジンのグリセロールエステル、タリー油(tally oil)ロジンのグリセロールエステル、部分的に水素化されたロジンのペンタエリスリトールエステル、ロジンのメチルエステル、部分的に水素化されたロジンのメチルエステルおよびロジンのペンタエリスリトールエステル等の天然樹脂は、チューインガムベースにおいて一般的に適用される。チューインガムにおいて一般的に適用されるその他の樹脂化合物としては、アルファ−ピネン、ベータ−ピネン、および/またはd−リモネン由来のテルペン樹脂等の合成樹脂および天然テルペン樹脂が挙げられる。
【0013】
【特許文献1】米国特許第5672367号
【特許文献2】国際公開第00/19837号パンフレット
【特許文献3】米国特許第5310865号
【特許文献4】米国特許第4273920号
【非特許文献1】H.P.Fiedler、Lexikon der Hilfstoffe fur Pharmacie、Kosmetik und Angrenzende Gebiete、63〜64頁(1981年)
【特許文献5】国際公開第00/25598号パンフレット
【非特許文献2】US code of Federal Regulations、Title 21、Section 182.5013.182 5997および182.8013〜182.8997
【非特許文献3】Martindale、The Extra Pharmacopoeia、28th edition、547〜578頁
【非特許文献4】J.Dent.Res.Vol.28、No.2、160〜171頁、1949年
【非特許文献5】Food and Drug Administration、CFR、Title 21、Section 172,615、the Masticatory Substances、Synthetic
【特許文献6】米国特許出願第2004/0115305号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、天然樹脂成分の分解性の欠如の故に、天然樹脂の適用を回避することである。
【0015】
合成樹脂のポリ酢酸ビニル(PVA)は、環境において実質的に非分解性であり、したがって、ガムベースにおけるこの樹脂ポリマーの使用は、チューインガムの非分解性に高い影響力を有する。PVAは、通常、分子量範囲に依存する量においてガムベースに添加され、それによって、つまりガムベースに伸縮性または弾性を与える。ガムベース組成物において使用されるPVAの合計量は、通常、全ガムベース組成物を基準にして、約5%〜95重量%である。一般的に、チューインガムベースにおけるPVAの量は、10〜30%の範囲であり、したがって、全体のガムベース組成物の主要部分を構成する。この合成樹脂は環境において実質的に非分解性であるので、ガムベースにおけるこの成分は、その様なガムベースを基にしたチューインガムの全体の非分解性に顕著に寄与する。
【0016】
本発明の目的は、チューインガムに適し、改善された分解性を有する生分解性ポリマーを創り出すことである。
【0017】
本発明のさらなる目的は、特に分解性であり、チューインガムの樹脂部分を置き換えてもよいポリマーを含むチューインガムを調製することである。
【0018】
本発明のさらなる目的は、例えば、分解方法および/または分解残渣に関して、改善された生分解性を有するチューインガムポリマーを得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、約0.1%〜約95%の量において、少なくとも1つの生分解性ポリマーを含み、前記生分解性ポリマーが、37℃より高いガラス転移温度(Tg)を有するチューインガムに関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施形態において、チューインガムは、約0.1%〜約95%の量において、少なくとも1つの生分解性ポリマーを含み、前記生分解性ポリマーが、37℃より高いガラス転移温度(Tg)を有し、約500〜60000g/molの範囲内の分子量(Mn)を有し、前記チューインガムは、約5重量%未満の天然樹脂を含む。
【0021】
本発明の実施形態によれば、チューインガムの低分子量ポリマー成分、すなわち、約500〜400000g/molの範囲内の分子量(Mn)を有する生分解性成分の高Tgは、適用される低分子量ポリマーの改善された効果をもたらす。換言すれば、本発明により、低分子量ポリマー成分の改善された効果が得られた。その様な改善は、例えば、安定性に関して顕著であり得る低分子量ポリマーの全体量を減少させる可能性をもたらす可能性がある。これは、特に、生分解性チューインガムを取り扱う場合に顕現する。
【0022】
本発明によれば、最終的なチューインガムにおける天然樹脂の量は、所望の生分解性が、利用可能な天然樹脂の性質により危うくなることから、低く保たれるべきである。
【0023】
さらに、本発明の実施形態によれば、高Tgポリマーの使用は、例えば、ラクチドベースまたはグリコリドベースの生分解性ポリマーを取り扱う場合に、より生分解性であるとみなすことのできる高Tg誘導モノマーの使用を促進する。したがって、ラクトンポリマーの分解性は、ラクチドまたはグリコリドポリマー程速くはなく、さらに、ラクトンポリマーの分解生成物は、ラクチドおよび/またはグリコリドポリマーの分解生成物よりも好ましくない。さらに、本発明による高Tg性の適用は、有利なポリマーモノマーの使用を促進する。本発明の有利な実施形態によれば、生分解性ポリマーは、ラクチドおよび/またはグリコリド単独の基盤で実質的に作られてもよく、および/またはラクトンの含有量は最小限にされてもよい。
【0024】
本発明の好ましい実施形態によれば、チューインガムは、約2重量%未満の天然樹脂を含むべきである。
【0025】
本発明の実施形態において、前記チューインガムは、約2〜60重量%の量において前記少なくとも1つの生分解性ポリマーを含む。
【0026】
本発明の実施形態において、前記生分解性ポリマーは、約40℃より高いガラス転移温度(Tg)を有する。
本発明の実施形態において、前記チューインガムは天然樹脂を実質的に含まない。
【0027】
本発明の好ましい実施形態によれば、天然樹脂の使用は、天然樹脂がもし存在すれば、一般的な合成ポリエステルベースポリマーに比べてほとんど生分解性を示さないということで、完全に生分解性であるとみなされ得るチューインガムを得るためには避けられるべきである。
【0028】
本発明により避けられるべきである天然樹脂としては、多くの場合、例えば、部分的に水素化されたロジンのグリセロールエステル、重合したロジンのグリセロールエステル、部分的に二量化されたロジンのグリセロールエステル、タリー油ロジンのグリセロールエステル、部分的に水素化されたロジンのペンタエリスリトールエステル、ロジンのメチルエステル、部分的に水素化されたロジンのメチルエステル、ロジンのペンタエリスリトールエステルを含むエステルゴムと言われる天然ロジンエステルが挙げられる。
【0029】
本発明の実施形態によれば、ある文献によれば極めて長期間にわたって高温において幾らかの分解性を有し得るそれらの天然樹脂であっても、量の多少に関わらず本発明では受け入れられない。
【0030】
その他の樹脂化合物として、アルファ−ピネン、ベータ−ピネン、および/またはd−リモネン由来のテルペン樹脂等の合成樹脂、天然テルペン樹脂が挙げられる。その様な樹脂は、本発明により生分解性であるとはみなされない。したがって、これらは、量の多少に関わらず本発明では受け入れられない。
【0031】
本発明の目的は、天然樹脂成分の分解性の顕著な欠如の故に、天然樹脂の適用を回避することである。本発明によれば、少なくとも37℃の高Tgを有する生分解性ポリマーは、低Tgの生分解性ポリマーよりも、樹脂化合物として大きな効果を有する。したがって、高Tgの生分解性ポリマーは、天然樹脂のための優れた置換体であり得る。
【0032】
本発明のさらなる実施形態において、チューインガムにおける樹脂置換の量は、本発明の有効な高Tgポリマーを適用する場合は低くされてもよい。
【0033】
本発明の実施形態において、前記少なくとも1つの生分解性ポリマーを含む前記チューインガムは、少なくとも1つのエラストマー化合物をさらに含む。
【0034】
本発明の実施形態において、前記生分解性ポリマーは、前記エラストマー化合物について可塑化効果を有する。
【0035】
本発明の好ましい実施形態において、37℃より高いTgを有する生分解性ポリマーは、チューインガムのエラストマー部分に対して可塑剤として機能する。換言すれば、本発明の実施形態によれば、高Tg生分解性ポリマーは、一般的に、樹脂化合物の役割であるエラストマー可塑剤として作用する。したがって、本発明の生分解性チューインガムポリマーは、生分解性樹脂と言われてもよい。
【0036】
本発明の実施形態において、最終的なチューインガムにおける、高Tgの1つまたは複数の生分解性樹脂および1つまたは複数のエラストマー化合物を含めたポリマーの全含有量は、好ましくは、チューインガムの5〜90重量%の範囲、好ましくは、20〜70重量%の範囲であってもよい。ポリマー含有量が低過ぎると、柔らか過ぎて、口の中で溶解し、完全に飲み込まれるか、咀嚼するには小さ過ぎる水不溶性部分を残すチューインガムをもたらす可能性がある。一方、ポリマー含有量が高過ぎると、チューインガムは、極端に硬くなりおよび/またはバラバラになる可能性がある。妥当なポリマー含有量の限界内では、本発明による高Tgの生分解性樹脂を含むチューインガムの質感を様々に調整可能である。
【0037】
本発明の実施形態において、前記チューインガムは、2〜50%の範囲の量において前記生分解性ポリマーを含む。
【0038】
本発明によれば、チューインガムの堅牢性は、チューインガムのポリマー部分の量の増加によって高められてもよい。特に、本発明によれば、エラストマー含有量を一定水準に保持し、本発明による高Tgの生分解性ポリマーの量を増加する場合は、チューインガムの堅牢性は明らかに高められてもよい。
【0039】
本発明の実施形態において、前記チューインガムは、5〜40%の範囲、好ましくは、10〜30%の範囲の量において前記生分解性ポリマーを含む。
【0040】
チューインガムの製造においては、エラストマー化合物および樹脂化合物間のバランスをとることが重要である点に注目されるべきである。本発明によれば、人体温度よりも高い高Tgの生分解性ポリマーは、チューインガムにおける樹脂ポリマーの少なくとも1つとして適当である。樹脂状の生分解性ポリマーの量は、好ましくは、チューインガムの全体のポリマー部分を包含すべきではない。使用される実際のエラストマーによって、樹脂含有量は、最終的なチューインガムの質感を改善し得るエラストマーの高含有量のための余地を作るために有利に低下されてもよい。
【0041】
本発明の実施形態において、前記チューインガムは、5〜25%の範囲の量において前記生分解性ポリマーを含む。
【0042】
本発明によれば、最終的なチューインガムの質感は、高Tgポリマーの量を調整することにより設計されてもよい。チューインガムにおける生分解性ポリマーの十分な量は、本発明によれば、好ましくは、低Tgを有する比較可能なポリマーを使用する場合に必要とされる量よりも著しく下げられてもよい。
【0043】
本発明の実施形態において、前記生分解性ポリマーは、38℃より高いガラス転移温度(Tg)を有する。
【0044】
本発明の実施形態において、チューインガムは、チューインガムの少なくとも0.5重量%、好ましくは、少なくとも1重量%の量においてエラストマー化合物を含む。
【0045】
本発明の実施形態において、チューインガムは、チューインガムの少なくとも5重量%、好ましくは、少なくとも8重量%の量においてエラストマー化合物を含む。
【0046】
本発明の実施形態において、チューインガムは、チューインガムの約1重量%〜40重量%の範囲内の量においてエラストマー化合物を含む。
【0047】
本発明によれば、高Tg生分解性ポリマーは、これによって樹脂化合物として大きな強度を有する、すなわち、チューインガムにおけるエラストマー化合物に対して有利な可塑剤または溶剤とみなされてもよい。
【0048】
本発明の実施形態において、前記生分解性ポリマーは、38℃〜90℃の範囲のガラス転移温度(Tg)を有する。
【0049】
以前は、チューインガムに適用されるポリマーは、論理的に、Tgは、ポリマーがガラス状であるか咀嚼可能であるかの間の限界であるから、人体温度より低いTg値を有さねばならないことが前提とされていた。ところが、驚くべきことに、人体温度よりも十分に高いTg値を有するポリマーは、樹脂の機能、すなわち、チューインガムのエラストマーに対して可塑剤としての機能を与え得るので、最終的なチューインガムの咀嚼性を損なうことなく、人体温度よりも十分に高いTg値を有するポリマーを適用することが可能であることが分かった。
【0050】
本発明の実施形態において、前記生分解性ポリマーは、41℃〜75℃の範囲のガラス転移温度を有する。
【0051】
本発明の実施形態において、前記生分解性ポリマーは、42℃〜65℃の範囲のガラス転移温度を有する。
【0052】
本発明の実施形態において、前記生分解性ポリマーは、43℃〜48℃の範囲のガラス転移温度を有する。
【0053】
本発明は、好適な樹脂性を有し、極めて分解性である生分解性ポリマーを含むチューインガムに関する。さらに、本発明の生分解性チューインガムポリマーの分解生成物は、これらが生化学経路の一部であるので特に望ましい。
【0054】
本発明の生分解性ポリエステルポリマーのTgが、口中温度よりも2〜3℃高く、口中温度よりも高くて約10〜20℃以下である場合、本発明の有利な実施形態は、最終的なチューインガムにおいて硬過ぎる質感を与えることなく、樹脂性および弾性可塑化化合物としての機能が高いものとして得られてもよい。
【0055】
さらに、高い堅牢性は、このTg範囲のTgを有する生分解性ポリマーを含むチューインガムにおいて得られてもよい。
【0056】
本発明の実施形態において、前記生分解性ポリマーは、1000〜40000g/molの範囲、好ましくは、1000〜25000g/molの範囲の分子量(Mn)を有する。
【0057】
本発明の好ましい実施形態によれば、該当する生分解性ポリマーの相対的に低い分子量は、最終的なチューインガムの所望の質感をもたらす要因の1つである。低分子量ポリマーは、エラストマーポリマーとの組合せにおいて有用である樹脂性、一般的には可塑化効果を与えるべきである。
【0058】
本発明の実施形態において、前記生分解性ポリマーは、3000〜22000g/molの範囲、好ましくは、3000〜15000g/molの範囲の分子量(Mn)を有する。
【0059】
本発明の実施形態によれば、可塑化効果は、分子量を下げた場合に改善されてもよい。従来の合成樹脂の分子量に幾分近い分子量が好ましいとされてもよい。
【0060】
本発明の実施形態において、前記生分解性ポリマーは、ポリエステルである。
本発明の実施形態において、前記生分解性ポリエステルポリマーは、環状モノマーの開環重合により得ることができる。
【0061】
本発明の実施形態によれば、有利な生分解性ポリエステルポリマーは、環状モノマーを基にして得られてもよい。
【0062】
本発明の実施形態において、前記環状モノマーは、環状エステルおよび環状カーボネートの群から選択される。
【0063】
本発明の実施形態において、環状エステルおよび/または環状カーボネートから得られる生分解性ポリエステルポリマーは、質感および分解性に関して好ましい性質を有する本発明によるチューインガムを与えてもよい。
【0064】
本発明の実施形態において、前記環状モノマーは、D,L−ラクチド、L−ラクチド、グリコリド、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、トリメチレンカーボネート(TMC)およびジオキサノンの群から選択される。
【0065】
本発明の実施形態において、前記環状モノマーの少なくとも1つは、高Tg誘導モノマーである。
【0066】
本明細書において、「高Tg誘導モノマー」および「低Tg誘導モノマー」という用語は、単独でまたはこれらのそれぞれのグループにおいて重合した場合に、それぞれに、高いおよび低いTgのポリマーをもたらすモノマーを意味する。本明細書においては、得られる高Tgおよび低Tgのポリマーは、少なくとも500Mnの分子量を有するポリマーとして理解されてもよい。換言すれば、高Tgおよび低Tg誘導モノマーという用語は、少なくとも500Mnのポリマーに重合された場合に、好ましくは、ポリマーの高Tgまたは低Tgをもたらし得るモノマーに対して使用される。本明細書において、高Tgは、口中温度よりも高いTgとして定義され、低Tgは、口中温度よりも低いTgとして同様に定義される。
【0067】
チューインガムエラストマー可塑剤ポリマー、または本発明による生分解性樹脂とも呼ばれるポリマーは、本明細書においては、このポリマーを、樹脂に似た性質を有するポリエステルであるポリマーを指そうとする場合は、「ポリエステル樹脂」と呼ばれてもよい。
【0068】
本発明の実施形態において、ポリエステル樹脂は、高Tgを有するホモポリマーまたはコポリマーを形成するラクチドもしくはグリコリド等の高Tg誘導モノマーの1つまたは複数の種類から由来するモノマー単位を含む。
【0069】
本発明の実施形態において、高Tg誘導モノマーは、D,L−ラクチド、L−ラクチド、およびグリコリドの中から選ばれてもよい。
【0070】
少なくとも1つの高Tg誘導モノマーを適用することで観察される望ましい効果は、通常のチューインガムポリマーよりも硬くて弾性の少ないチューインガムポリマーを得ることであってもよい。その様なポリマーは、最終的なチューインガムにおいて満足な質感を示すことが観察されている。
【0071】
本発明の実施形態において、前記ポリエステルは、高Tg誘導モノマーの単一タイプの重合により得ることのできるポリマーである。
【0072】
本発明の実施形態において、生分解性ポリエステルポリマーは、高Tg誘導モノマーだけの1タイプを基にしたホモポリマーである。このタイプの好ましいポリマーは、ポリ(ラクチド)またはポリ(グリコリド)であってもよい。
【0073】
本発明の実施形態において、前記ポリエステルは、少なくとも2つの異なる高Tg誘導モノマーの重合により得ることのできるコポリマーである。
【0074】
本発明の実施形態において、ポリ(d,l−ラクチド−コ−グリコリド)等のコポリマーは、本発明によるチューインガムにおいて、高Tg生分解性ポリマーとして適用されてもよい。コポリマーを導入することの目的は、その様なコポリマーが無定形であって、ホモポリマーよりも結晶質でなくてもよいということ、およびこれらの特徴が、最終的なチューインガムの有利な質感特性にさらに貢献してもよいということであってもよい。
【0075】
本発明の実施形態において、前記ポリエステルは、少なくとも1つの高Tg誘導モノマーと少なくとも1つの低Tg誘導モノマーとの重合により得ることのできるコポリマーである。
【0076】
本発明の実施形態において、少量の低Tg誘導モノマーが、得られるコポリマーのTgを調節するためにポリマー鎖に導入される。本発明により、38℃より高いTgを保持しながら、ポリマーの質感は、本発明の好ましい実施形態により、コポリマーにおける低Tg誘導モノマーの割合を調節することによって調整されてもよい。
【0077】
本発明の実施形態において、生分解性樹脂ポリマーの高Tgは、樹脂状化合物としての効果を改善し、それによって、チューインガムのエラストマー部分を可塑化するための樹脂の必要量を少なくする。
【0078】
本発明の実施形態において、高Tg生分解性ポリマーの構造は、弾塑性で著しい無定形性を有するポリマーを与えるために、コポリマーにおける高Tgおよび低Tg誘導モノマー間のバランスによって調整されてもよい。これによって、本発明による最終的なチューインガムの好ましい品質が達成されてもよい。
【0079】
弾塑性を有するポリマーは、弾性および樹脂性の両方を含んでもよく、低温においてはエラストマーとして、高温においては樹脂(エラストマー可塑剤)として作用してもよい。
【0080】
本発明の実施形態において、少なくとも1つの高Tg誘導モノマー対少なくとも1つの低Tg誘導モノマーのモル比は、75/25〜99/1の範囲、好ましくは、85/15〜99/1の範囲である。
【0081】
低Tgおよび高Tg誘導モノマー間のその様な比の利点は、改善された弾塑性の特徴が得られてもよいことである。
【0082】
本発明の実施形態において、少なくとも1つの高Tg誘導モノマー対少なくとも1つの低Tg誘導モノマーのモル比は、90/10〜99/1の範囲、好ましくは、95/5〜99/1の範囲である。
【0083】
本発明の実施形態において、少なくとも1つの高Tg誘導モノマー対少なくとも1つの低Tg誘導モノマーのモル比は、95/5〜98/2の範囲である。
【0084】
本発明の実施形態において、前記少なくとも1つの高Tg誘導モノマーは、D,L−ラクチド、L−ラクチドおよびグリコリドを含むモノマーの群から選択される。
【0085】
これらのモノマー単位がポリマーの相対的に大きな部分を構成する場合の利点は、分解生成物に関して得られてもよい。目標が生分解性チューインガムを得ることにある場合は、モノマーまたはオリゴマー分解生成物が環境において望ましいものであるということは、チューインガムの有用性に対して顕著に貢献する可能性がある。これは、例えば、ラクトン等の低Tg誘導モノマーが多くの場合高い割合で使用される従来の生分解性チューインガムポリマーの分解生成物に比べて乳酸、グリコール酸等の画分としての分解生成物が増加されてもよいので、本発明により得られ得るものである。
【0086】
本発明のチューインガムにおける生分解性樹脂におけるこれらの高Tg誘導モノマーの適用は、一般的に、好適で非毒性の分解生成物を伴う分解性の速度に関して幾つかの重要な利点を含む。これに加えて、これらのモノマー化合物は、低価格で購入されてもよい。
【0087】
ポリマーにおける高Tg誘導モノマーの割合を増加することにより、得られるポリマーのTgは上昇し、実験では、弾性化合物と組み合わせて、チューインガムにおいてその様な硬い弾力のないポリマーを適用する場合は、所望のチューインガム特性を得ることが実際に可能であることが示された。
【0088】
本発明の実施形態において、前記少なくとも1つの低Tg誘導モノマーは、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、トリメチレンカーボネート(TMC)およびジオキサノンを含むモノマーの群から選択される。
【0089】
少なくとも部分的にこれらのモノマーで作られるポリマーに関しては、これらは、分解速度に関して幾分あいまいさを表してもよい。確かに、これらは、PVAまたは天然樹脂等の従来のチューインガムポリマーよりもより一層急速に分解する。しかしながら、ポリ(d,l−ラクチド)等の高Tgポリマーと比べた場合、これらは、遅い速度で分解することが観察される場合がある。したがって、分解性側面を考慮した場合、高Tg誘導モノマーの量は、有利に増加されてもよい。
【0090】
本発明の実施形態において、ε−カプロラクトンは、価格考慮の理由からδ−バレロラクトンよりも好ましい。
【0091】
本発明の実施形態において、前記開環重合は、1つまたは複数の開始剤により開始される。
【0092】
本発明の実施形態において、前記開始剤は、前記生分解性ポリエステルポリマーの約0.01〜1.0重量%を含む。
【0093】
本発明の実施形態において、前記開始剤の少なくとも50モル%、好ましくは、少なくとも70モル%は二官能性である。
【0094】
本発明の実施形態において、二官能性開始剤のモル比率は、生分解性ポリマーの線状性を調節するために使用されてもよい。二官能性およびそれ以上の官能性開始剤の両方が使用される場合、二官能性開始剤のモル比率の増加は、線状性を増加し、一方、それ以上の官能性開始剤における増加は、ポリマーにおいてさらに分岐を誘発する可能性がある。
【0095】
本発明の実施形態において、チューインガムの有利な堅牢性および質感は、高Tgの相対的に低い分子量の生分解性ポリエステルポリマーが、高度の線状性および結晶性を得る場合に得られてもよい。チューインガムにおける生分解性樹脂としての優れた性質は、これによって得られてもよい。
【0096】
したがって、優れた樹脂性は、特に、口中温度よりも高いガラス転移温度を有する生分解性ポリマーが、若干結晶質で線状の領域がその中に導入される場合に、繊細なエラストマー可塑化性を獲得してもよいということに由来するものであってもよい。
【0097】
本発明の実施形態において、二官能性開始剤の好ましいグループは、例えば、1,2−プロパンジオール等のジオール開始剤であってもよい。
本発明の実施形態において、前記ポリエステルポリマーは、実質的に線状である。
【0098】
本発明の実施形態において、高線状性は、高Tg生分解性ポリマーの改善されたエラストマー可塑化機能と関連するものであってもよい。さらに、高線状性は、また、本発明の実施形態において、少量の生分解性樹脂ポリマーは、本発明による最終的なチューインガムの所望の質感を得るために必要とされるということを必然的に伴ってもよい高結晶性を意味してもよい。
【0099】
本発明の実施形態において、前記実質的に線状のポリエステルポリマーは、50%を超える線状ポリマー鎖を含む。
【0100】
したがって、本発明の実施形態において、本発明の生分解性ポリマーの高割合の線状性は、チューインガムの高堅牢性および好ましい質感に寄与してもよい。
【0101】
本発明の実施形態において、前記実質的に線状のポリエステルポリマーは、70%を超える線状ポリマー鎖を含む。
【0102】
本発明の実施形態において、前記実質的に線状のポリエステルポリマーは、80%を超える線状ポリマー鎖を含む。
【0103】
これによって、本発明の実施形態において、さらなる改善が、高Tg生分解性ポリエステルポリマーのエラストマー可塑化機能に関して得られてもよい。
【0104】
本発明の実施形態において、前記生分解性ポリエステルポリマーは、多官能酸またはこの誘導体および/または多官能アルコールまたはこの誘導体の縮合重合により得られる。
【0105】
カルボン酸からポリマーを製造するための重縮合方法の例は、米国特許第5310865号および米国特許第4273920号において開示されている。
【0106】
本発明の実施形態において、前記多官能酸は、乳酸およびグリコール酸の群から選択される。
【0107】
本発明の実施形態において、前記多官能酸は、ポリヒドロキシカルボン酸またはヒドロキシカルボン酸である。
【0108】
本発明の実施形態において、前記チューインガムは、チューインガムの少なくとも5重量%、好ましくは、少なくとも10重量%の量において弾性化合物を含む。
【0109】
弾性化合物の量は、実際に適用されるエラストマーおよび樹脂に依存する。本発明によるチューインガムの良好な質感は、高Tg生分解性樹脂が、標準のチューインガム配合物に導入されるガムベースにおいて、弾性化合物と一緒にされる場合に得られてもよいことが分かっている。
【0110】
本発明の実施形態において、前記少なくとも1つの弾性化合物は、生分解性エラストマーである。
【0111】
高分解性のチューインガムを得るためには、チューインガムの樹脂部分および弾性部分の両方が生分解性であることが好ましい。
【0112】
本発明の実施形態において、前記生分解性エラストマーは、少なくとも1つのアルコールまたはこの誘導体と、少なくとも1つのカルボン酸またはこの誘導体との重合により得ることができる。
この種の有用なエラストマーは、多数の異なるモノマーから調製されてもよい。
【0113】
本発明の実施形態において、有利なエラストマーポリマーは、ジメチルテレフタレート、ジメチルアジペート、およびジ(エチレングリコール)から調製されてもよい。本発明の範囲内のさらなる例としては、二、三もしくはそれ以上の官能性アルコールまたはそれらのエステルと、二、三もしくはそれ以上の官能性脂肪族または芳香族カルボン酸またはそれらのエステルとの逐次重合により一般的に調製されてもよいポリマーが挙げられる。同様に、ヒドロキシ酸または多官能カルボン酸の無水物およびハロゲン化物がモノマーとして使用されてもよい。重合は、直接のポリエステル化またはエステル交換を含んでもよく、触媒されてもよい。
【0114】
その他の実施形態において、有用なエラストマー化合物としては、ラクチド、グリコリド、トリメチレンカーボネート、δ−バレロラクトン、β−プロピオラクトンおよびε−カプロラクトン等の1つまたは複数の環状エステルの重合により得られるポリエステルポリマーを含んでもよい。
【0115】
モノマー組成に関わらず、弾性化合物の分子量は、本発明による樹脂状高Tg生分解性ポリマーの分子量より相当に高くてもよい。同様に、ガラス転移温度は、エラストマーに対してはさらに低くてもよい。
【0116】
本発明の実施形態において、水分含有量は、チューインガムの3重量%未満、好ましくは、1.5重量%未満、最も好ましくは、1重量%未満である。
【0117】
本発明の最も好ましい実施形態の幾つかにおいては、最終的なチューインガムにおける低水分含有量は、ポリ(ラクチド)等の高い分解性ポリマーのチューインガム含有量の故に、大変重要である。加水分解的分解に特に影響を受けやすいその様なポリマーを適用する場合、低水分含有量は、本発明によれば、チューインガムにおいては極めて望ましくない咀嚼前の分解を避けるためのまたは最小限にするための重要な要因であってもよい。チューインガムにおける水分含有量を低く保持することによって、最終的なチューインガム製品の品質保持を顕著に増加させてもよく、使用前の貯蔵期間は、チューインガムの味、外観および品質を損なうことなく延長されてもよい。
【0118】
したがって、本発明のチューインガムにおける特に分解性のポリマーの高い含有量により、水分含有量をできるだけ低く保持することが一般的な目標である。
【0119】
本発明のチューインガムは、バッチ方法等の幾つかの異なる方法により、押出しにより、一工程方法等により製造されてもよい。
【0120】
得られるチューインガム錠剤の形状は、任意の製造可能な幾何学的形状、例えば、円形、楕円、平板、棒状等であってもよい。錠剤は、また、複数モジュラー、例えば中心充填複数モジュラーであってもよい。
【0121】
本発明によるチューインガムは、また、圧縮複数モジュラー錠剤等の様に、圧縮により作られてもよい。
【0122】
本発明の実施形態において、前記チューインガムは、香料添加剤、甘味剤、充填剤、軟化剤、乳化剤、および活性成分を含む群から選択される1つまたは複数のチューインガム成分を含む。
【0123】
本発明の実施形態において、前記香料添加剤は、酸および、味の特徴に影響を及ぼすことのできるその他の物質を含めて、天然植物成分、エッセンシャルオイル、エッセンス、抽出物、粉末の形態における天然および合成香味料を含む。
【0124】
本発明の実施形態において、前記チューインガムは、チューインガムの全重量を基準にして、0.01〜約25重量%の量、好ましくは、0.1〜約5重量%の量において香料添加剤を含む。
【0125】
本発明の実施形態において、チューインガムは、チューインガムの約0〜約20重量%、さらに一般的には、チューインガムの約0〜約10重量%の量において少なくとも1つの軟化剤を含む。
【0126】
本発明によれば、軟化剤は、従来のチューインガムにおいて使用される量に相当する量において本発明のチューインガムに有利に添加されてもよいことが分かっている。本発明によれば、高Tgの樹脂状化合物を含むチューインガムの満足な質感は、添加される軟化剤の量が低めでも、すなわち、チューインガムの10重量%より少ないかまたは5重量%より少ない場合でも得られてもよい。
【0127】
本発明の実施形態において、軟化剤は、獣脂、水素化獣脂、水素化および部分的に水素化された植物油、ココアバター、グリセロールモノステアレート、グリセロールトリアセテート、レシチン、モノ−、ジ−およびトリグリセリド、アセチル化モノ−またはジグリセリド、脂肪酸−例えば、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸およびリノール酸等、ワックス、PGEおよびこれらの混合物の中から選択されてもよい。
【0128】
本発明の実施形態において、乳化剤の量は、チューインガムの0〜18重量%の範囲である。
【0129】
本発明の実施形態において、チューインガムは、乳化剤と一緒にまたは乳化剤なしで提供されてもよい。
【0130】
本発明の実施形態において、前記甘味剤は、バルク甘味剤、および高強度甘味剤、およびこれらの組合せを含む群から選択される。
本発明の実施形態において、チューインガムは糖を含む。
本発明の実施形態において、チューインガムは糖を含まない。
【0131】
本発明の実施形態において、前記バルク甘味剤は、チューインガムの約5〜約95重量%、好ましくは、約20〜約80重量%の量を構成する。
【0132】
本発明によれば、バルク甘味剤は、糖甘味剤、無糖甘味剤およびこれらの組合せであってもよい。
【0133】
本発明の実施形態において、糖甘味剤は、スクロース、デキストロース、マルトース、デキストリン、トレハロース、D−タガトース、乾燥転化糖、フルクトース、果糖、ガラクトース、コーンシロップ固体等の糖類含有化合物を単独でまたは組み合わせて含んでもよい。
【0134】
さらに、本発明の実施形態において、無糖甘味剤は、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、水素化デンプン加水分解物、マルチトール、イソマルトール、エリスリトール、ラクチトール等の糖アルコールを単独でまたは組み合わせて含んでもよい。
【0135】
本発明の実施形態において、チューインガムは、チューインガムの約0〜約1.2重量%、好ましくは、約0.1〜約0.6重量%の量において高強度甘味剤を含む。
【0136】
本発明の実施形態において、高強度甘味剤は、スクラロース(sucralose)、アスパルテーム、アセスルフェーム(acesulfame)の塩、アリテーム(alitame)、ネオテーム(neotame)、ツインスイート(twinsweet)、サッカリンおよびその塩、シクラミン酸およびその塩、グリシルリジン、ジヒドロカルコン(dihydrochalcon)、タウマチン(thaumatin)、モネリン(monellin)、ステビオサイド(stevioside)を単独でまたは組み合わせて含んでもよい。
【0137】
本発明の実施形態において、チューインガムは、チューインガムの約0〜約50重量%、さらに一般的には、チューインガムの約10〜約40重量%の量において充填剤を含む。
【0138】
本発明の実施形態において、チューインガムは、少なくとも1つの着色剤を含む。
本発明の実施形態において、前記チューインガム成分は、活性成分を含む。
【0139】
本発明の実施形態において、活性成分は、医薬、経口組成物、禁煙剤、高度に効き目のある甘味剤、pH調整剤、栄養素、防腐剤、ミネラル、口腔および歯の手入れまたは治療のための作用薬、栄養補助食品、その他の活性成分およびこれらの組合せの中から選択されてもよい。
【0140】
本発明の実施形態において、前記チューインガムは、ハードコーティング、ソフトコーティングおよび食用フィルムコーティングを含む群から選択される外側コーティングで被覆される。
【0141】
外側コーティングは、糖コーティングまたは無糖コーティングまたはこれらの組合せであってもよい。
【0142】
本発明の実施形態において、外側コーティングは、ソルビトール、マルチトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチトールおよびイソマルトを含む群から選択されるポリオールを少なくとも50重量%含むハードコーティングである。
【0143】
本発明のさらなる実施形態において、食用フィルムコーティングは、ワックスおよび食用フィルム形成剤、例えば、セルロース誘導体、変性デンプン、デキストリン、ゼラチン、シェラック、アラビアゴム、ゼイン、植物ゴム、合成ポリマーおよびこれらの任意の組合せを含む群から選択される少なくとも1つの成分を含む。
【0144】
本発明の実施形態において、外側コーティングは、結合剤、水分吸収成分、フィルム形成剤、分散剤、粘着防止成分、充填剤、香料添加剤、着色剤、薬剤としてまたは化粧品として活性な成分、脂質成分、ワックス成分、糖、酸および分解性ポリマーの咀嚼後の分解を促進することのできる物質を含む群から選択される少なくとも1つの添加剤成分を含む。
【0145】
本発明の実施形態において、分解性ポリマーの咀嚼後の分解を促進することのできる物質は、PCT/DK2003/000939において述べられているものの中から選択される1つまたは複数の酵素であってもよい。
【0146】
本発明による生分解性についての好ましい定義によれば、生分解性は、ある種の有機分子の性質であって、それによって、自然環境に曝された場合または生体内に置かれた場合に、これらが、酵素過程または微生物過程を介して、多くの場合、加水分解等の化学過程との組合せにおいて反応して、単純な化合物、最終的には、二酸化炭素、窒素酸化物、メタン、水等を形成するものである。
【0147】
本明細書の文脈において、「生分解性ポリマー」という用語は、環境的にまたは生物学的に分解性のポリマーを意味し、チューインガムを捨てた後に、物理的、化学的および/または生物学的分解を受けることができ、それによって、捨てられたチューインガム廃棄物が、捨てられた場所からさらに容易に除去できるようになるか、チューインガム残留物としては最早認識されない塊または粒子に最終的に崩壊するチューインガムベース成分を意味する。その様な分解性ポリマーの分解または崩壊は、温度、光、水分等の物理的要因により、酸化条件、pH、加水分解等の化学的要因により、または微生物および/または酵素等の生物学的要因により達成または誘発されてもよい。分解生成物は、大きなオリゴマー、三量体、二量体および単量体であってもよい。
【0148】
好ましくは、最終的な分解生成物は、小さな無機化合物、例えば、二酸化炭素、窒素酸化物、メタン、アンモニア、水等である。
【0149】
本明細書において参照されるガラス転移温度(Tg)は、例えば、DSC(DSC:示差走査熱量計)により決定される。DSCは、一般的に、ポリマーの熱転移の決定および検討のために適用されてもよく、特に、この方法は、材料の二次転移の決定のために適用されてもよい。Tgでの転移は、二次転移、すなわち、熱容量における変化を含むが、潜熱を有さない熱転移とみなされる。したがって、DSCは、Tgを検討するために適用されてもよい。別途言及しない限り、使用される加熱速度は、適用全体を通して10℃/分である。
【0150】
別途指示されない限り、ポリマーに関して本明細書で使用される「分子量」という用語は、g/molにおける数平均分子量(Mn)を意味する。さらに、本明細書で使用される省略形のPDは、ポリマーの多分散性を表し、多分散性は、Mw/Mn(ここで、Mwは、ポリマーの重量平均分子量である)として定義される。生分解性ポリマーの特徴付けのために十分に確立されている方法は、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)である。
【0151】
本明細書の文脈においては、チューインガムの消費者の口中温度は、咀嚼中の習慣においては身体温度よりも数度低いが、およそ人体温度であるとみなされる。口中温度よりも高いガラス転移温度は、本明細書においては高Tgと称され、これに対して、口中温度よりも低いTgは、本明細書においては低Tgと称される。
【0152】
本発明のチューインガムは、一般的に、水溶性バルク部分、水不溶性咀嚼可能ガムベース部分および香料添加剤を含む。水溶性部分は、咀嚼中の期間を通して香料添加剤の部分と一緒に分散する。ガムベース部分は、咀嚼の間、口の中で保持される。チューインガムという用語は、その一般的な意味において、咀嚼形および風船形の両方を意味する。
【0153】
ガムベースは、最終製品に咀嚼性を与える、チューインガムの咀嚼物質である。ガムベースは、一般的に、香料添加剤および甘味剤の放出プロファイルを決め、ガム製品において重要な役割を果す。
【0154】
ガムの不溶性部分は、一般的に、エラストマー、ビニルポリマー、エラストマー可塑剤、ワックス、軟化剤、充填剤、ならびに着色剤および抗酸化剤等のその他の成分の任意の組合せを含んでもよい。
【0155】
ガムベース配合物の組成は、調製される特定の生成物ならびに最終製品の所望の咀嚼性およびその他の感覚特性に実質的に依存して変動することができる。しかしながら、上記ガムベース成分の一般的な範囲(重量%)は、5〜80重量%の弾性化合物、5〜80重量%のエラストマー可塑剤、0〜40重量%のワックス、5〜35重量%の軟化剤、0〜50重量%の充填剤、および0〜5重量%の抗酸化剤、着色剤等のその他の成分である。ガムベースは、チューインガムの約5〜約95重量%を含んでもよく、さらに一般的には、ガムベースは、ガムの10〜約60%を含む。
【0156】
エラストマーは、この成分の化学構造およびそれがその他の成分と一緒にどのように配合されるかによって変動する、ガムに対する弾性、粘着性を与える。本発明のガムベースおよびガムにおける使用に適したエラストマーとしては、天然または合成タイプを挙げてもよい。
【0157】
エラストマー可塑剤は、ガムベースの堅さを変える。これらの変動する軟化点と共に破断する(可塑化する)エラストマーの内部分子鎖のこれらの特異性は、ベースにおいて使用される場合に、でき上がったガムの堅さおよび相溶性の程度を変える原因となる。これは、ワックスのアルカン鎖に対してさらなる弾性鎖暴露を与えようとする場合に重要であってもよい。
【0158】
弾性化合物は、天然由来のものであってもよいが、好ましくは、合成によるもの、好ましくは、合成ポリエステルであってもよい。本発明によれば、樹脂化合物は、好ましくは、生分解性ポリマーであり、好ましい実施形態において、樹脂化合物は、生分解性合成ポリエステルである。いかなる種類の天然樹脂も、本発明のチューインガムにおいては避けられる。
【0159】
本発明によれば、チューインガムは、37℃より高い高Tgを有する少なくとも1つの生分解性ポリマーを含む。さらに、本発明によれば、これらの生分解性ポリマーは、本発明のチューインガムにおける樹脂化合物として非常に適している。以下において、モノマー組成の一連の例が与えられ、調整されたモル比において、本発明のチューインガムの一部である高Tg生分解性ポリマー対して適用されてもよい。
【0160】
本発明の異なる実施形態によれば、高Tg生分解性ポリマーは、ラクチドまたはグリコリドの中から選択される高Tg誘導モノマーの少なくとも1つ、ならびにできれば、ラクトンおよび環状カーボネートの中から選択される1つまたは複数の低Tg誘導モノマーを含んでもよい。
【0161】
ラクトンモノマーは、環に沿う任意の非カルボニル炭素原子において、1つまたは複数のアルキルまたはアリール置換基で置換された、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−ブチロラクトン、またはβ−プロピオラクトンも含めて、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−ブチロラクトン、およびβ−プロピオラクトンの群から選択されてもよい。カーボネートモノマーは、トリメチレンカーボネート、5−アルキル−1,3−ジオキサン−2−オン、5,5−ジアルキル−1,3−ジオキサン−2−オン、または5−アルキル−5−アルキルオキシカルボニル−1,3−ジオキサン−2−オン、エチレンカーボネート、3−エチル−3−ヒドロキシメチル、プロピレンカーボネート、トリメチロールプロパンモノカーボネート、4,6−ジメチル−1,3−プロピレンカーボネート、2,2−ジメチルトリメチレンカーボネート、および1,3−ジオキセパン−2−オンの群から選択されてもよい。
【0162】
本発明によれば、幾つかの好ましいモノマーは、高Tg誘導のD,L−ラクチド、L−ラクチド、およびグリコリド等の環状モノマー、および低Tg誘導のε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、トリメチレンカーボネート(TMC)およびジオキサノンである。
【0163】
所望の高Tgを得るためには、高Tg誘導モノマーのホモポリマーまたはコポリマーが単独で使用されるか、高Tgおよび低Tg誘導モノマーの組合せが使用され、その場合高Tg誘導モノマーおよび低Tg誘導モノマー間の比が調節されることが重要である。
【0164】
本発明の実施形態によれば、高Tg誘導モノマーのホモポリマーまたはコポリマーの幾つかの例としては、次のものが挙げられてもよい:ポリ(L−ラクチド);ポリ(D−ラクチド);ポリ(D,L−ラクチド);ポリ(メソラクチド);ポリ(グリコリド);ポリ(L−ラクチド−コ−D,L−ラクチド);ポリ(L−ラクチド−コ−メソ−ラクチド);ポリ(L−ラクチド−コ−グリコリド);ポリ(D,L−ラクチド−コ−メソ−ラクチド);ポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド);ポリ(メソラクチド−コ−グリコリド)等。
【0165】
本発明のさらなる実施形態によれば、1つまたは複数の高Tg誘導モノマーおよび1つまたは複数の低Tg誘導モノマーは、一緒に重合されてもよく、高/低のモル比は、75/25〜99/1の範囲、好ましくは、85/15〜99/1の範囲、一般的には、95/5〜99/1の範囲である。換言すれば、高Tg誘導モノマーのモル比率は、得られるポリマーを形成するモノマーの全モル数の少なくとも75%、好ましくは、少なくとも85%、一般的には、少なくとも95%である。これらの比を維持した上で、環状モノマーの好ましい組合せとしては、次のものが挙げられてもよい:
D,L−ラクチド/ε−カプロラクトン、
D,L−ラクチド/TMC、
D,L−ラクチド/δ−バレロラクトン、
D,L−ラクチド/ジオキサノン、
D,L−ラクチドと、任意の2つ、3つ、または4つの低Tg誘導モノマーとの組合せ、
L−ラクチド/ε−カプロラクトン、
L−ラクチド/TMC、
L−ラクチド/δ−バレロラクトン、
L−ラクチド/ジオキサノン、
L−ラクチドと、任意の2つ、3つ、または4つの低Tg誘導モノマーとの組合せ、
D,L−ラクチド/グリコリド/ε−カプロラクトン、
D,L−ラクチド/グリコリド/TMC、
D,L−ラクチド/グリコリド/δ−バレロラクトン、
D,L−ラクチド/グリコリド/ジオキサノン、
D,L−ラクチド/グリコリドと、任意の2つ、3つ、または4つの低Tg誘導モノマーとの組合せ、
L−ラクチド/グリコリド/ε−カプロラクトン、
L−ラクチド/グリコリド/TMC、
L−ラクチド/グリコリド/δ−バレロラクトン、
L−ラクチド/グリコリド/ジオキサノン、
L−ラクチド/グリコリドと、任意の2つ、3つ、または4つの低Tg誘導モノマーとの組合せ、
グリコリド/ε−カプロラクトン、
グリコリド/TMC、
グリコリド/δ−バレロラクトン、
グリコリド/ジオキサノン、
グリコリドと、任意の2つ、3つ、または4つの低Tg誘導モノマーとの組合せ、
D,L−ラクチド/L−ラクチド/ε−カプロラクトン、
D,L−ラクチド/L−ラクチド/TMC、
D,L−ラクチド/L−ラクチド/δ−バレロラクトン、
D,L−ラクチド/L−ラクチド/ジオキサノン、
D,L−ラクチド/L−ラクチドと、任意の2つ、3つ、または4つの低Tg誘導モノマーとの組合せ、
D,L−ラクチド/L−ラクチド/グリコリド/ε−カプロラクトン、
D,L−ラクチド/L−ラクチド/グリコリド/TMC、
D,L−ラクチド/L−ラクチド/グリコリド/δ−バレロラクトン、
D,L−ラクチド/L−ラクチド/グリコリド/ジオキサノン、
D,L−ラクチド/L−ラクチド/グリコリドと、任意の2つ、3つ、または4つの低Tg誘導モノマーとの組合せ。
【0166】
上記組成によるモノマーの重合は、本発明によって、本発明のチューインガムにおける樹脂化合物として適当である、幾つかの極めて分解性の高Tgポリマーをもたらし得る。
【0167】
得られる高Tg生分解性ポリマーの幾つかの例としては、ポリ(L−ラクチド−コ−トリメチレンカーボネート);ポリ(L−ラクチド−コ−イプシロン−カプロラクトン);ポリ(D,L−ラクチド−コ−トリメチレンカーボネート);ポリ(D,L−ラクチド−コ−イプシロン−カプロラクトン);ポリ(メソ−ラクチド−コ−トリメチレンカーボネート);ポリ(メソラクチド−コ−イプシロン−カプロラクトン);ポリ(グリコリド−コ−トリメチレンカーボネート);ポリ(グリコリド−コ−イプシロン−カプロラクトン)等が挙げられてもよい。
【0168】
本発明の実施形態によれば、本発明のチューインガムにおいて適用される生分解性ポリマーを得るための重合方法は、多官能アルコール、アミンまたは、複数の水酸基もしくは他の反応性基を有するその他の分子もしくは化合物またはこれらの混合物等の開始剤により開始されてもよい。
【0169】
本発明の実施形態によれば、適当な多官能開始剤の例としては、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、およびエトキシ化またはプロポキシ化ポリアミンが挙げられるがこれらに限定されない。
【0170】
さらに、本発明の好ましい実施形態において、開始剤は二官能性であってもよく、適用可能な二官能性開始剤の例としては、二官能性アルコールが挙げられ、非限定的例としては、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、その他のアルカンジオール、エチレングリコール、一般的に、2つの水酸基を有するアルコール、および開環重合を開始することのできるその他の二官能性化合物が挙げられる。
【0171】
さらに、本発明によれば、開始剤は、本発明のチューインガムにおいて適用されてもよい高Tg生分解性ポリエステルポリマーの0.01〜1.0重量%、好ましくは、0.05〜0.8重量%の範囲において含んでもよい。
【0172】
本発明の実施形態によれば、二官能性またはそれ以上の官能性である、生分解性ポリマーにおける開始剤の画分は調節されてもよく、それによって、線状性および分岐の程度が調節されてもよい。
【0173】
本発明の実施形態において、二官能性開始剤は、適用される開始剤分子の全含有量の少なくとも50モル%を含む。これによって、顕著な線状性が、本発明による生分解性ポリマーに導入されてもよく、一定の所望の結晶性が得られてもよい。これによって、生分解性ポリエステルポリマーは、エラストマー可塑剤として非常に適した性質を獲得してもよく、したがって、有利な生分解性樹脂が、本発明のチューインガムに提供されてもよい。本発明の実施形態におけるチューインガムの結晶性、可塑化性および堅牢性を改善するために線状性を増加するために、二官能性開始剤の含有量は、適用される開始剤分子の全含有モル量の、例えば、60%、70%、80%、90%、または約100%まで上げられてもよい。
【0174】
したがって、実質的に線状のポリエステルポリマーは、本発明の実施形態により、例えば、50または80%を超える線状ポリマー鎖を含んでもよい。
【0175】
本発明の生分解性高Tg樹脂ポリマーは、好ましくは、開環重合により得ることができる。しかしながら、製造方法は本発明の範囲に対して限定されない。一例として、ラクチドの開環重合は、乳酸(例えば、α−ヒドロキシプロピオン酸)の重縮合よりも製造方法としてはより一般的に使用される。しかしながら、これは、主に、処理条件および製造の容易さの問題である。得られるポリマーに関しては、これらは、実質的に同じ組成および性質で提供されてもよく、本発明によるチューインガムにおいて同等に適用可能である。その様なポリマーの命名は、多くの場合、互換可能とみなされ、したがって、ポリ(ラクチド)およびポリ(乳酸)の名称は、同じポリマーに使用されてもよい。
【0176】
一般的に、本発明のチューインガムにおいて使用される生分解性ポリマーは、グラフトおよびブロックポリマーを含めて、ホモポリマー、コポリマーまたはターポリマーであってもよい。
【0177】
本発明のチューインガムにおいてエラストマーとして適用されてもよい有用なポリマーは、一般的に、二、三もしくはそれ以上の官能性アルコールまたはこのエステルと、二、三もしくはそれ以上の官能性脂肪族または芳香族カルボン酸またはこのエステルとの逐次重合により調製されてもよい。同様に、ヒドロキシ酸または多官能カルボン酸の無水物およびハロゲン化物がモノマーとして使用されてもよい。重合は、直接ポリエステル化またはエステル交換を含んでもよく、触媒されてもよい。
【0178】
多官能カルボン酸は、一般的に、重縮合反応媒体においては極めて限られた溶解度を有する高融点固体であるので、多官能カルボン酸のエステルまたは無水物は、多くの場合、この限界を解消するために使用される。さらに、カルボン酸または無水物を含む重縮合は、追い出すのに高温を必要とする縮合体として水を生成する。したがって、多官能酸のエステルのエステル交換を含む重縮合は、多くの場合、好ましい方法である。例えば、テレフタル酸のジメチルエステルは、テレフタル酸それ自体に代えて使用され得る。この場合は、水よりもむしろメタノールが縮合し、メタノールは、水よりもさらに容易に追い出すことができる。通常、反応は、バルク(溶剤なし)において行われ、高温および真空が、副生成物を除去し、反応を完全に進めるために使用される。
【0179】
本発明のチューインガムにおいて適用されるエラストマーの調製において有用であってもよい脂肪族多官能カルボン酸の具体的な例としては、シュウ酸、マロン酸、クエン酸、琥珀酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、グルタル酸、グルタミン酸、アジピン酸、グルカル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデンカンジオン酸等が挙げられる。同様に、芳香族多官能カルボン酸の具体的な例は、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸およびナフタレン1,4−、2,3−、2,6−ジカルボン酸等であってもよい。
【0180】
例示の目的であって限定ではない、本発明のチューインガムにおいて使用されるエラストマーの調製のために使用されてもよいカルボン酸誘導体の幾つかの例としては、3−ヒドロキシプロピオン酸および6−ヒドロキシカプロン酸等のヒドロキシ酸および酸の無水物、ハロゲン化物またはエステル、例えば、既に述べた酸に相当するジメチルエステルまたはジエチルエステル、例えば、ジメチルまたはジエチルオキサレート、マロネート、スクシネート、フマレート、マレエート、グルタレート、アジペート、ピメレート、スベレート、アゼレート、セバケート、ドデカンジオエート、テレフタレート、イソフタレート、フタレート等のエステルを意味するエステルが挙げられる。一般的に言って、メチルエステルは、高沸点アルコールが、低沸点アルコールよりも除去がさらに困難であるということから、時にエチルエステルよりも好ましい。通常好ましい多官能アルコールは、例えば、ポリグリコールおよびポリグリセロールの様に、2〜100個の炭素原子を含む。
【0181】
本発明のチューインガムにおける使用のためのエラストマーの重合においては、そのままで、またはこの誘導体として使用されてもよい幾つかの適用可能なアルコールの例としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール等のポリオールが挙げられる。
【0182】
一般的に、本発明のチューインガムにおいて使用されるエラストマーポリマーは、グラフトおよびブロックポリマーを含めて、ホモポリマー、コポリマーまたはターポリマーであってもよい。
【0183】
本発明のガムベースに関して適用されてもよい、さらなる環境的にまたは生物学的に分解可能なチューインガムベースポリマーのさらに適当な例としては、分解性ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエステルアミド、ポリペプチド、ポリリジン等のアミノ酸のホモポリマー、および例えば、ゼイン加水分解物を含むタンパク質加水分解物等のこの誘導体を含めたタンパク質が挙げられる。
【0184】
本発明の範囲内のチューインガムを製造するに当っての一般的な原則に基づいて、異なる適当な成分の変化が列挙され、以下で説明される。
【0185】
本発明によるチューインガムは、着色剤を含んでもよい。本発明の実施形態によれば、チューインガムは、FD&C−タイプ染料およびレーキ、果実および植物抽出物、二酸化チタンおよびこれらの組合せ等の着色剤ならびに増白剤を含んでもよい。
【0186】
さらに有用なチューインガムベース成分としては、抗酸化剤、例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、プロピルガレートおよびトコフェロール、および防腐剤が挙げられる。
【0187】
本発明の実施形態において、チューインガムは、チューインガムの約0〜約18重量%、さらに一般的には、チューインガムの約0〜約12重量%の量において軟化剤を含む。
【0188】
軟化剤/乳化剤は、本発明によれば、チューインガムおよびガムベースの両方に添加されてもよい。
【0189】
ガムベース配合物は、本発明に基づいて、例えば参照として本明細書に組み込まれる国際公開第00/25598号パンフレットにおいて開示されているものを含めたスクロースエステル等の1つまたは複数の軟化剤、獣脂、水素化獣脂、水素化および部分的水素化植物油、ココアバター、脱脂ココア粉末、グリセロールモノステアレート、グリセリルトリアセテート、レシチン、モノ−、ジ−およびトリグリセリド、アセチル化モノグリセリド、脂肪酸(例えば、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸およびリノール酸)およびこれらの組合せを含んでもよい。本明細書において使用される「軟化剤」という用語は、ガムベースまたはチューインガム配合物を軟化し、ワックス、脂肪、油、乳化剤、界面活性剤および溶解剤を包含する成分を表す。
【0190】
ガムベースをさらに軟化し、ガムベースに好適な平滑表面を与えてその接着性を減少させる水結合性をガムベースに与えるために、1つまたは複数の乳化剤が、一般的には、ガムベースの0〜18重量%、好ましくは、0〜12重量%の量において組成物に通常添加される。食用脂肪酸のモノ−およびジグリセリド、食用脂肪酸のモノ−およびジグリセリドの乳酸エステルおよび酢酸エステル、アセチル化モノおよびジグリセリド、食用脂肪酸の糖エステル、Na−、K−、Mg−およびCa−ステアレート、レシチン、水酸化レシチン等は、チューインガムベースに添加することのできる通常使用されている乳化剤の例である。以下に定義される生物学的または薬学的に活性な成分が存在する場合は、配合物は、活性成分を分散させ放出するためにある種の特定な乳化剤および/または溶解剤を含んでもよい。
【0191】
ワックスおよび脂肪は、チューインガムベースを調製する場合に、チューインガムベースのコンシステンシーの調整のためおよび軟化のために通常使用される。本発明に関しては、例えば、米糠ワックス、ポリエチレンワックス、石油ワックス(精製パラフィンおよび微結晶ワックス)、パラフィン、蜜蝋、カルナバワックス、カンデリラワックス、ココアバター、脱脂ココア粉末および任意の適当な油または脂肪、例えば、完全にもしくは部分的に水素化された植物油または完全にもしくは部分的に水素化された動物性脂肪等の任意の通常使用されている適当なタイプのワックスおよび脂肪が使用されてもよい。
【0192】
本発明の実施形態において、チューインガムは、充填剤を含む。
チューインガムベース配合物は、必要に応じて、例えば、炭酸マグネシウムおよび炭酸カルシウム、硫酸ナトリウム、粉砕石灰、マグネシウムおよびアルミニウムシリケート、カオリンおよび粘土等のケイ酸塩化合物、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、タルク、酸化チタン、リン酸カルシウム、リン酸二石灰およびリン酸三カルシウム、木材等のセルロースポリマー、およびこれらの組合せを含む、1つまたは複数の充填剤/組織化剤を含んでもよい。
【0193】
本発明の実施形態において、チューインガムは、チューインガムの約0〜約50重量%、さらに一般的には、チューインガムの約10〜約40重量%の量において充填剤を含む。
【0194】
水不溶性ガムベース部分に加えて、一般的なチューインガムは、水溶性バルク部分および1つまたは複数の香料添加剤を含む。水溶性部分は、バルク甘味剤、高強度甘味剤、香料添加剤、軟化剤、乳化剤、着色剤、酸味料、充填剤、抗酸化剤、および所望の特性を与えるその他の成分を含んでもよい。
【0195】
適当なバルク甘味剤としては、糖および無糖甘味成分の両方が挙げられる。バルク甘味剤は、一般的に、チューインガムの約5〜約95重量%、さらに一般的には、ガムの約20〜約80重量%、例えば、30〜60重量%を含む。
【0196】
有用な糖甘味剤は、スクロース、デキストロース、マルトース、デキストリン、トレハロース、D−タガトース、乾燥転化糖、フルクトース、レブロース、ガラクトース、コーンシロップ固体等を単独でまたは組み合わせて含むがこれらに限定されない、チューインガム分野において通常知られている糖類含有成分である。
【0197】
ソルビトールは、無糖甘味剤として使用することができる。その他の有用な無糖甘味剤としては、マンニトール、キシリトール、水素化デンプン加水分解物、マルチトール、イソマルトール、エリスリトール、ラクチトール等のその他の糖アルコールの単独または組合せが挙げられるがこれらに限定されない。
【0198】
高強度人工甘味料は、また、単独でまたは上記甘味剤と組み合わせて使用することができる。好ましい高強度甘味料としては、スクラロース、アスパルテーム、アセスルフェームの塩、アリテーム、ネオテーム、ツインスイート、サッカリンおよびその塩、シクラミン酸およびその塩、グリシルリジン、ジヒドロカルコン、タウマチン、モネリン、ステビオサイド等の単独または組合せが挙げられるがこれらに限定されない。長持ちする甘味および芳香認識を与えるためには、人工甘味料の少なくとも一部分をカプセル化するかさもなければその放出を調節することが望ましい場合がある。湿潤顆粒化、ワックス顆粒化、噴霧乾燥、噴霧冷却、流動床コーティング、コアセルベーション(coascervation)、酵母細胞におけるカプセル化および繊維押出し等の方法は、所望の放出特性を達成するために使用されてもよい。甘味剤のカプセル化は、また、樹脂化合物等のその他のチューインガム成分を使用して提供することもできる。
【0199】
高強度人工甘味料の使用水準は著しく変動し、甘味剤の効能、放出速度、製品の所望の甘味度、使用される香料の水準およびタイプならびにコストの検討等の要因に依存する。したがって、高強度人工甘味料の活性水準は、約0〜約8重量%、好ましくは、0.001〜約5重量%と変動してもよい。カプセル化のために使用される担体が含まれる場合は、カプセル化された甘味剤の使用水準は、比例的に高くなる。
【0200】
糖および/または無糖甘味剤の組合せは、本発明に従って加工されるチューインガム配合物において使用することができる。さらに、軟化剤は、水性糖またはアルジトール溶液等のさらなる甘味を提供してもよい。
【0201】
低カロリーガムが所望される場合は、低カロリー充填剤が使用できる。低カロリー充填剤の例としては、ポリデキストロース、ラフチロース(Raftilose)、ラフチリン(Raftilin)、フラクトオリゴ糖(NutraFlora(登録商標))、パラチノースオリゴ糖、グアーガム加水分解物(例えば、Sun Fiber(登録商標))、または難消化性デキストリン(例えば、Fibersol(登録商標))が挙げられる。しかしながら、その他の低カロリー充填剤も使用できる。
【0202】
本発明によるチューインガムは、酸および、味の特徴に影響を及ぼすことのできる他の物質を含めて、例えば、天然植物成分、エッセンシャルオイル、エッセンス、抽出物、粉末の形態における天然および合成香味料を含めた芳香剤および香料添加剤を含んでもよい。液体および粉末香料添加剤の例としては、ココナッツ、コーヒー、チョコレート、バニラ、グレープフルーツ、オレンジ、ライム、メントール、甘草、キャラメル芳香、蜂蜜芳香、ピーナッツ、クルミ、カシュー、ヘーゼルナッツ、アーモンド、パイナップル、ストロベリー、ラズベリー、熱帯果実、チェリー、シナモン、ペパーミント、ウインターグリーン、スペアミント、ユーカリ、およびミント、リンゴ、西洋ナシ、桃、ストロベリー、アプリコット、ラズベリー、チェリー、パイナップルおよびプラムエッセンス等の果実エッセンスが挙げられる。エッセンシャルオイルとしては、ペパーミント、スペアミント、メントール、ユーカリ、丁子油、ベイ油、アニス、タイム、ニオイヒバ油、ナツメグ、および上述の果実の油が挙げられる。
【0203】
チューインガム香味料は、凍結乾燥された、好ましくは、粉末、スライスまたは断片またはこれらの組合せの形態にある天然香料添加剤であってもよい。粒径は、粒子の長手方向寸法として計算して、3mm未満、2mm未満またはさらに好ましくは1mm未満であってもよい。天然の香料添加剤は、粒径が約3μm〜2mm、例えば、4μm〜1mm等である形態であってもよい。好ましい天然香料添加剤としては、果実、例えば、ストロベリー、ブラックベリーおよびラズベリーの種子が挙げられる。
【0204】
種々の合成香味料、例えば、混合果実香味料等も本発明のチューインガム中心において使用されてもよい。上記で示した通り、芳香剤は、通常使用される量よりも少ない量において使用されてもよい。芳香剤および/または香味料は、使用される芳香剤および/または香味料の所望の強度によって、最終製品の0.01〜約30重量%の量において使用されてもよい。好ましくは、芳香剤/香味料の含有量は、全組成の0.2〜3重量%の範囲である。
【0205】
本発明の実施形態において、香料添加剤は、酸および、味の特徴に影響を及ぼすことのできる他の物質を含めて、天然植物成分、エッセンシャルオイル、エッセンス、抽出物、粉末の形態における天然および合成香味料を含む。
【0206】
本発明によるチューインガムにおいて含まれてもよいさらなるチューインガム成分としては、特に、薬学的にまたは生物学的に活性な成分が存在する場合は、界面活性剤および/または溶解剤が挙げられる。本発明によるチューインガム組成物において溶解剤として使用されるための界面活性剤のタイプの例としては、H.P.Fiedler、Lexikon der Hilfstoffe fur Pharmacie、Kosmetik und Angrenzende Gebiete、63〜64頁(1981年)および各国の許可された食品乳化剤のリストが参照される。アニオン、カチオン、両性または非イオン性溶解剤が使用できる。適当な溶解剤としては、レシチン、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸塩、食用脂肪酸のモノおよびジグリセリドのモノおよびジアセチル酒石酸エステル、食用脂肪酸のモノおよびジグリセリドのクエン酸エステル、脂肪酸のサッカロースエステル、脂肪酸のポリグリセロールエステル、内部エステル化ヒマシ油酸のポリグリセロールエステル(E476)、ナトリウムステアロイルラチレート、ナトリウムラウリルスルフェートおよび脂肪酸のソルビタンエステルおよびポリオキシエチレン化水素化ヒマシ油(例えば、CREMOPHORの商品名で販売されている製品)、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロックコポリマー(例えば、PLURONICおよびPOLOXAMERの商品名で販売されている製品)、ポリオキシエチレン脂肪族アルコールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸のソルビタンエステルおよびポリオキシエチレンステアリン酸エステルが挙げられる。
【0207】
特に適当な溶解剤は、ポリオキシエチレンステアレート、例えば、ポリオキシエチレン(8)ステアレートおよびポリオキシエチレン(40)ステアレート等、TWEENの商品名で販売されているポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、例えば、TWEEN20(モノラウレート)、TWEEN80(モノオレエート)、TWEEN40(モノパルミテート)、TWEEN60(モノステアレート)またはTWEEN65(トリステアレート)、食用脂肪酸のモノおよびジグリセリドのモノおよびジアセチル酒石酸エステル、食用脂肪酸のモノおよびジグリセリドのクエン酸エステル、ナトリウムステアロイルラチレート、ナトリウムラウリルスルフェート、ポリオキシエチレン化水素化ヒマシ油、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロックコポリマーおよびポリオキシエチレン脂肪族アルコールエーテルである。溶解剤は、単独化合物または幾つかの化合物の組合せであってもよい。活性成分の存在下においては、チューインガムは、好ましくは、当該技術分野において知られている担体を含んでもよい。
【0208】
軟化剤として使用される乳化剤としては、獣脂、水素化獣脂、水素化および部分的水素化植物油、ココアバター、グリセロールモノステアレート、グリセロールトリアセテート、レシチン、モノ−、ジ−およびトリグリセリド、アセチル化モノグリセリド、脂肪酸(例えば、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸およびリノール酸)、およびこれらの組合せが挙げられてもよい。
【0209】
本発明の実施形態によれば、チューインガムは、薬学的に、化粧品としてまたは生物学的に活性な物質を含んでもよい。その様な活性物質の例、その包括的なリストは、例えば、参照として本明細書に組み込まれる国際公開第00/25598号パンフレットにおいて示されている。
【0210】
本発明に関して使用される活性剤は、チューインガムから放出されることが要求される任意の物質であってもよい。風味に対して得られる効果に相当する、放出の促進速度が必要である場合の主な物質は、完全に水不溶性である物質を含めて、一般的には、10g/100mlより低い限られた水溶解度を有する物質である。例には、医薬、栄養補助食品、経口組成物、禁煙剤、高強度甘味剤、pH調整剤等がある。
【0211】
活性成分のさらなる例としては、パラセタモール(paracetamol)、ベンゾカイン(benzocaine)、シンナリジン(cinnarizine)、メントール、カルボン(carvone)、カフェイン、クロルヘキシジンジアセテート、塩酸シクリジン、1,8−シネオール(cineol)、ナンドロロン(nandrolone)、ミコナゾール(miconazole)、ミスタチン(mystatine)、アスパルテーム、フッ化ナトリウム、ニコチン、サッカリン、塩化セチルピリジウム、その他の第四級アンモニウム化合物、ビタミンE、ビタミンA、ビタミンD、グリベンクラミド(glibenclamide)またはこれらの誘導体、プロゲステロン(progesterone)、アセチルサリチル酸、ジメンヒドリネート(dimenhydrinate)、シクリジン、メトロニダゾール(metronidazole)、炭酸水素ナトリウム、銀杏由来の活性成分、プロポリス由来の活性成分、朝鮮人参由来の活性成分、メタドン(methadone)、ペパーミントの油、サリチルアミド、ヒドロコルチゾン(hydrocortisone)またはアステミゾール(astemizole)が挙げられる。
【0212】
栄養補助食品の形態における活性剤の例は、例えば、ビタミンB2(リボフラビン)、B12、葉酸、ナイアシン、ビオチン、貧溶性グリセロホスフェート、アミノ酸、ビタミンA、D、EおよびKの栄養効果を有する塩および化合物、カルシウム、リン、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、ヨウ素、マンガン、クロム、セレン、モリブデン、カリウム、ナトリウムまたはコバルトを含む塩、錯体および化合物の形態における無機物である。
【0213】
さらに、別の国、例えば、US code of Federal Regulations、Title 21、Section 182.5013.182 5997および182.8013〜182.8997等において権限により承認されている栄養素のリストが参照される。
【0214】
口腔および歯の手入れまたは治療のための化合物の形態における活性剤の例は、例えば、固定された過酸化水素および咀嚼中に尿素を放出することのできる化合物である。
【0215】
防腐剤の形態における活性剤の例は、例えば、グアニジンおよびビグアニジン(例えば、クロルヘキサジンジアセテート)の塩および化合物および限られた水溶解度を有する以下のタイプの物質である:第四級アンモニウム化合物(例えば、セラミン、クロロキシレノール、クリスタルバイオレット、クロラミン)、アルデヒド(例えば、パラホルムアルデヒド)、デクアリンの化合物、ポリノキシリン、フェノール(例えば、チモール、パラクロロフェノール、クレゾール)、ヘキサクロロフェン、サリチルアニリド化合物、トリクロサン(triclosan)、ハロゲン(ヨウ素、ヨードフォア、クロロアミン、ジクロロシアヌル酸塩)、アルコール(3,4−ジクロロベンジルアルコール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、フェニルエタノール)、さらに、Martindale、The Extra Pharmacopoeia、28th edition、547〜578頁を参照されたい;限られた水溶解度を有する金属塩、錯体および化合物、例えば、アルミニウム塩等、(例えば、アルミニウムカリウムスルフェート AlK(SO)2、12HO)およびさらに、ホウ素、バリウム、ストロンチウム、鉄、カルシウム、亜鉛(酢酸亜鉛、塩化亜鉛、グルコン酸亜鉛)、銅(塩化銅、硫酸銅)、鉛、銀、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、モリブデン、バナジウムの塩、錯体および化合物は含まれるべきである;口および歯の手入れのためのその他の組成物:例えば、フッ素(例えば、フッ化ナトリウム、ナトリウムモノフルオロホスフェート、アミノフッ化物、フッ化第一錫等)、ホスフェート、カーボネートおよびセレンを含む塩、錯体および化合物。
【0216】
さらに、広範囲のテスト済み化合物が記述されている、J.Dent.Res.Vol.28、No.2、160〜171頁、1949年を参照されたい。
【0217】
口腔におけるpHを調整する物質の形態における活性剤の例としては、例えば、アジピン酸、琥珀酸、フマル酸等の許容される酸、またはこれらの塩あるいはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、酢酸、乳酸、リン酸およびグルタル酸の塩、および炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、硫酸塩またはナトリウム、カリウム、アンモニウム、マグネシウムもしくはカルシウム、特にマグネシウムおよびカルシウムの酸化物等の許容される塩基が挙げられる。
【0218】
禁煙剤の形態における活性剤の例としては、例えば、ニコチン、タバコ粉末または銀塩、例えば、酢酸銀、炭酸銀および硝酸銀が挙げられる。
【0219】
活性剤のさらなる例は、任意のタイプの医薬である。
医薬の形態における活性剤の例としては、カフェイン、サリチル酸、サリチルアミドおよび関連物質(アセチルサリチル酸、サリチル酸コリン、サリチル酸マグネシウム、サリチル酸ナトリウム)、パラセタモール、ペンタゾシン(pentazocine)の塩(塩酸ペンタゾシンおよびペンタゾシンラクテート)、塩酸ブプレノルフィン(buprenorphine)、塩酸コデインおよびリン酸コデイン、モルヒネおよびモルヒネ塩(塩酸塩、硫酸塩、酒石酸塩)、塩酸メタドン、ケトベミドン(ketobemidone)およびケトベミドンの塩(塩酸塩)、ベータ−遮断薬(プロプラノロール(propranolol))、カルシウム拮抗薬、塩酸ベラパミル(verapamil)、ニフェジピン(nifedinpine)、加えて、Pharm.Int.、Nov.85、267〜271頁、Barney H.Hunter and Robert L.Talbertにおいて述べられている適当な物質およびその塩、ニトログリセリン、四硝酸エリトリチル、ストリキニーネおよびこの塩、リドカイン(lidocaine)、塩酸テトラカイン、塩酸エトルフィン(etorphine)、アトロピン(atropine)、インスリン、酵素(例えば、パパイン、トリプシン、アミログルコシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、ストレプトキナーゼ、ストレプトドルナーゼ、デキストラナーゼ、アルファアミラーゼ)、ポリペプチド(オキシトシン、ゴナドレリン(LH、RH)、酢酸デスモプレシン(DDAVP)、塩酸イソクスプリン、エルゴタミン化合物、クロロキン(ホスフェート、スルフェート)、イソソルビド、デモキシトシン(demoxytocin)、ヘパリンが挙げられる。
【0220】
その他の活性成分としては、ベータ−ルペオール(lupeol)、レチゲン(Letigen)、シルデナフィル(Sildenafil)シトレートおよびそれらの誘導体が挙げられる。
【0221】
歯科製品としては、カルバミ(Carbami)、CPPカゼインホスホペプチド;クロルヘキシジン、クロルヘキシジンジアセテート、塩化クロルヘキシジン、クロルヘキシジンジグルコネート、ヘキセテジン(Hexetedine)、塩化ストロンチウム、塩化カリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、粉末含有成分、フッ化物、フッ化ナトリウム、フッ化アルミニウム、フッ化アンモニウム、フッ化カルシウム、フッ化第一錫、その他の粉末含有成分、アンモニウムフルオロシリケート、カリウムフルオロシリケート、ナトリウムフルオロシリケート、アンモニウムモノフルオロホスフェート、カルシウムモノフルオロホスフェート、カリウムモノフルオロホスフェート、ナトリウムモノフルオロホスフェート、オクタデセンチルアンモニウムフルオライド、ステアリルトリヒドロキシエチルプロピレンジアミンジヒドロフルオライド、A、B1、B2、B6、B12を含むビタミン、葉酸、ナイアシン、パントテンシル(Pantothensyre)、ビオチンC、D、E、Kが挙げられる。
【0222】
無機物としては、カルシウム、リン、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、ヨウ素、マンガン、クロム、セレン、モリブデンが挙げられる。その他の活性成分としては:酵素Q10@、銀杏、生姜、および魚油を含む天然薬剤が挙げられる。本発明は、また、セロトニン拮抗薬:スマトリプタン(Sumatriptan)、ゾルミトリプタン(Zolmitriptan)、ナラトリプタン(Naratriptan)、リザトリプタン(Rizatriptan)、エレトリプタン(Eletriptan)等の片頭痛薬;シクリジン、シンナリジン、ジメンヒドラミン(Dimenhydramin)、ジフェンヒドリナート(Difenhydrinat)等の吐き気止め薬;セトリジン(Cetrizin)、ロラチジン(Loratidin)等の花粉症薬、ブプレノルフィン(Buprenorfin)、トラマドール(Tramadol)等の鎮痛薬、ミコナゾール、アンホテリシンB(Amphotericin B)、トリアムシノロナセトン(Triamcinolonaceton)等の経口疾患薬;およびシサプリド(Cisaprid)、ドンペリドン(Domperidon)、メトクロプラミド(Metoclopramid)薬剤の使用に関する。
【0223】
活性成分は、以下に述べる化合物またはこの誘導体を含んでもよいがこれらに限定されない:アセトアミノフェン(Acetaminophen)、アセチルサルチルシルブプレノルフイン(Acetylsalicylsyre Buprenorphine)、ブロムヘキシンセルコキシブコデイン(Bromhexin Celcoxib Codeine)、ジフェンヒドラミン(Diphenhydramin)、ジクロフェナク(Diclofenac)、エトリコキシブ(Etoricoxib)、イブプロフェン(Ibuprofen)、インドメタシン(Indometacin)、ケトプロフェン(Ketoprofen)、ルミラコキシブ(Lumiracoxib)、モルヒネ、ナプロキセン(Naproxen)、オキシコドン(Oxycodon)、パレコキシブ(Parecoxib)、ピロキシカム(Piroxicam)、偽エフェドリン(Pseudoefedrin)、ロフェコキシブ(Rofecoxib)、テノキシカム(Tenoxicam)、トラマドール(Tramadol)、バルデコキシブ(Valdecoxib)、炭酸カルシウム、マガルドレート(Magaldrate)、ジサルフィラム(Disulfiram)、ブプロピオン(Bupropion)、ニコチン、アジトロマイシン(Azithromycin)、クラリトロマイシン(Clarithromycin)、クロトリマゾール(Clotrimazole)、エリスロマイシン(Erythromycin)、テトラサイクリン(Tetracycline)、グラニセトロン(Granisetron)、オンダンセトロン(Ondansetron)、プロメタジン(Prometazin)、トロピセトロン(Tropisetron)、ブロムフェニラミン(Brompheniramine)、セテリジン(Ceterizin)、レコ−セテリジン(leco−Ceterizin)、クロルシクリジン(Chlorcyclizine)、クロルフェニラミン(Chlorpheniramin)、クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン(Difenhydramine)、ドキシラミン(Doxylamine)、フェノフェナジン(Fenofenadin)、ガイフェネシン(Guaifenesin)、ロラチジン(Loratidin)、デス−ロラチジン(des−Loratidin)、フェニルトロキサミン(Phenyltoloxamine)、プロメタジン(Promethazin)、ピリダミン(Pyridamine)、ターフェナジン(Terfenadin)、トロキセルチン(Troxerutin)、メチルドーパ(Methyldopa)、メチルフェニデート(Methylphenidate)、塩化ベンザルコン(Benzalcon.Chloride)、塩化ベンゼス(Benzeth.Chloride)、塩化セチルピリド(Cetylpyride.Chloride)、クロルヘキシジン、エカベット−ナトリウム(Ecabet−sodium)、ハロペリドール(Haloperidol)、アロプリノール(Allopurinol)、コルチニン(Colchinine)、テオフィリン(Theophylline)、プロパノロール(Propanolol)、プレドニソロン(Prednisolone)、プレドニソン(Prednisone)、フッ化物、尿素、ミコナゾール、アクトート(Actot)、グリベンクラミド(Glibenclamide)、グリピジド(Glipizide)、メトフォルミン(Metformin)、ミグリトール(Miglitol)、レパグリニド(Repaglinide)、ロシグリタゾン(Rosiglitazone)、アポモルフィン(Apomorfin)、シアリス(Cialis)、シデナフィル(Sidenafil)、バルデナフィル(Vardenafil)、ジフェノキシレート、シメチコン(Simethicone)、シメチジン(Cimetidine)、ファモチジン(Famotidine)、ラニチジン(Ranitidine)、ラチニジン(Ratinidine)、セトリジン(cetrizin)、ロラタジン(Loratadine)、アスピリン、ベンゾカイン、デキストロメトルファン(Dextrometorphan)、エフェドリン(Ephedrine)、フェニルプロパノラミン(Phenylpropanolamine)、偽エフェドリン、シサプリド(Cisapride)、ドンペリドン、メトクロプラミド、アシクロビール(Acyclovir)、ジオクチルスルホスク(Dioctylsulfosucc)、フェノールフタレイン、アルモトリプタン(Almotriptan)、エレトリプタン、エルゴタミン(Ergotamine)、ミゲア(Migea)、ナラトリプタン、リザトリプタン、スマトリプタン、ゾルミトリプタン、アルミニウム塩、カルシウム塩、鉄塩、銀塩、亜鉛塩、アンホテリシンB、クロルヘキシジン、ミコナゾール、トリアムシノロナセトニド、メラトニン(Melatonine)、フェノバルビトール(Phenobarbitol)、カフェイン、ベンゾジアゼピネル(Bezodiazepiner)、ヒドロキシジン(Hydroxyzine)、メプロバメート(Meprobamate)、フェニチアジン(Phenothiazine)、ブクリジン(Buclizine)、ブロメタジン(Brometazine)、シンナリジン、シクリジン、ジフェンヒドラミン、ジメンヒドリネート、ブフロメジル(Buflomedil)、アンフェタミン(Amphetamine)、カフェイン、エフェドリン、オルリスタート(Orlistat)、フェニルエフェドリン、フェニルプロパノラミン、偽エフェドリン、シブトラミン、ケトコナゾール、ニトログリセリン、ニスタチン(Nystatin)、プロゲステロン、テストステロン、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ピロカルピン(Pilocarpin)、アルミニウムアミノアセテート、シメチジン、エソメプラゾール(Esomeprazole)、ファモチジン、ランソプラゾール(Lansoprazole)、酸化マグネシウム、ニザチド(Nizatide)および/またはラチニジン。
【0224】
本発明の実施形態において、香味料は、それ自体望ましくない味を有するか、配合物の味を変える活性成分を含むチューインガムにおいて味のマスキングとして使用されてもよい。
【0225】
チューインガムは、通常の添加剤、例えば、結合剤、酸味料、充填剤、着色剤、防腐剤、および抗酸化剤、例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、プロピルガレートおよびトコフェロール等を場合により含んでもよい。
【0226】
着色剤および増白剤は、FD&C−タイプ染料およびレーキ、果実および植物抽出物、二酸化チタンおよびこれらの組合せを含んでもよい。
【0227】
甘味剤のための上述のカプセル化方法に使用される材料は、例えば、ゼラチン、小麦タンパク質、大豆タンパク質、カゼイン酸ナトリウム、カゼイン、アラビアゴム、加工デンプン、加水分解デンプン(マルトデキストリン)、アルギネート、ペクチン、カラゲナン、キサンタンガム、ローカスビーンガム、キトサン、蜜蝋、カンデリラワックス、カルナバワックス、水素化植物油、ゼインおよび/またはスクロースを含んでもよい。
【0228】
一般的に、本発明により調製されるチューインガムおよびガムベースは、生分解性ポリマーだけを基にすることが好ましい。
【0229】
しかしながら、本発明の範囲内においては、少量の従来の合成チューインガムエラストマーまたはエラストマー可塑剤(その例は、以下において述べられる)が適用されてもよい。
【0230】
その様な一般的に非生分解性合成樹脂の例としては、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル−ラウリン酸ビニルコポリマーおよびこれらの混合物が挙げられる。非生分解性合成エラストマーの例としては、例えば、50,000〜80,000の範囲を含む約10,000〜1,000,000の範囲の、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)平均分子量を有するポリイソブチレン、イソブチレン−イソプレンコポリマー(ブチルエラストマー)、例えば、約1:3〜3:1のスチレン−ブタジエン比を有するスチレン−ブタジエンコポリマー、例えば、30,000〜50,000の範囲を含む、例えば、3,000〜80,000の範囲等の2,000〜90,000の範囲のGPC平均分子量を有するポリ酢酸ビニル(PVA)(高分子量ポリ酢酸ビニルは、一般に、風船ガムベースにおいて使用される)、ポリイソプレン、ポリエチレン、例えば、コポリマーの10〜45重量%等の約5〜50重量%のラウリン酸ビニル含有量を有する酢酸ビニル−ラウリン酸ビニルコポリマー、およびこれらの組合せ等の、Food and Drug Administration、CFR、Title 21、Section 172,615、the Masticatory Substances、Syntheticに記載されている合成エラストマーが挙げられるがこれらに限定されない。
【0231】
ガムベースにおいて、高分子量を有する合成エラストマーおよび低分子量を有する合成エラストマーを組み合わせることは業界の常識である。その様な組合せの例は、ポリイソブチレンおよびスチレン−ブタジエン、ポリイソブチレンおよびポリイソプレン、ポリイソブチレンおよびイソブチレン−イソプレンコポリマー(ブチルゴム)の組合せ、およびポリイソブチレン、スチレン−ブタジエンコポリマーおよびイソブチレンイソプレンコポリマーの組合せ、ならびに全ての上記個々の合成ポリマーと、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル−ラウリン酸ビニルコポリマーのそれぞれ、およびこれらの混合物との混合物である。
【0232】
本発明によるチューインガムにおいては、好ましくは適用されるべきではない天然樹脂の例は:天然ロジンエステルであり、多くの場合、エステルガムと言われ、例えば、部分的に水素化されたロジンのグリセロールエステル、重合したロジンのグリセロールエステル、部分的に二量化されたロジンのグリセロールエステル、タリー油ロジンのグリセロールエステル、部分的に水素化されたロジンのペンタエリスリトールエステル、ロジンのメチルエステル、部分的に水素化されたロジンのメチルエステル、ロジンのペンタエリスリトールエステル、アルファ−ピネン、ベータ−ピネン、および/またはd−リモネン由来のテルペン樹脂等の合成樹脂および天然テルペン樹脂が挙げられる。
【0233】
一般的に、チューインガムは、種々のチューインガム成分を、当該技術分野において知られている市販のミキサーに順番に添加することにより製造されてもよい。最初の成分が十分に混合された後、チューインガム塊は、ミキサーから放出され、例えば、ロール掛けによってシートにしたり、塊に押出されて棒状に切断したりまたはペレットにキャスティングすることにより所望の形状に成形される。
【0234】
一般的に、成分は、初めにガムベースを溶融し、それを稼動ミキサーに添加することにより混合される。着色剤、活性成分および/または乳化剤はこの時点で添加されてもよい。グリセリン等の軟化剤も、また、シロップおよび一部の充填剤/甘味剤と一緒に、この時点で添加されてもよい。次いで、充填剤/甘味剤のさらなる部分がミキサーに添加されてもよい。香料添加剤は、一般的に、充填剤/甘味剤の最後の部分と一緒に添加される。高強度甘味剤は、好ましくは、最後の部分の充填剤および香味料が添加された後に添加される。
【0235】
全体の混合手順は、一般的に、5分〜15分行われるが、さらに長い混合時間が時には必要とされてもよい。当業者は、上述の手順の多数の変化が実施されてもよいことを認識する。一工程方法が含まれることは、参照として本明細書に組み込まれる米国特許出願第2004/0115305号において記載されている。チューインガムは、押出し、圧縮、ロール掛けにより形成され、液体および/または任意形状の固体で中心充填されてもよい。
【0236】
本発明によるチューインガムは、また、ハードコーティング、ソフトコーティング、フィルムコーティング、もしくは当該技術分野において知られている任意のコーティング、またはその様なコーティングの組合せであってもよい外側コーティングを伴って提供されてもよい。コーティングは、一般的に、被覆されたチューインガム片の0.1〜75重量%を構成してもよい。
【0237】
1つの好ましい外側コーティングのタイプはハードコーティングであり、この用語は、糖コーティングおよび糖なし(または無糖)コーティングおよびこれらの組合せを含む。ハードコーティングの目的は、消費者に好まれる甘味で歯ざわりのよい層を得ることおよびガム中心を保護することである。保護的糖コーティングを伴うチューインガム中心を提供するための一般的な方法においては、ガム中心は、達成されるコーティングの段階によって、その他の機能的成分、例えば、充填剤、着色剤等を含んでもよい、スクロースまたはデキストロース等の結晶性糖の水溶液を伴う適当なコーティング装置において順次に処理される。
【0238】
1つの現に好ましい実施形態において、ハードコーティング方法において適用される被覆剤は、無糖被覆剤、例えば、ソルビトール、マルチトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチトールおよびイソマルトを含むポリオールまたは、例えば、トレハロースを含む単糖類、二糖類である。
【0239】
あるいはまた、無糖ソフトコーティングは、例えば、ソルビトール、マルチトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチトール、イソマルトおよびトレハロースを含む、ポリオールまたは単糖類、二糖類のシロップを中心に交互に適用することを含む。
【0240】
さらに有用な実施形態において、フィルムコーティングは、セルロース誘導体、加工デンプン、デキストリン、ゼラチン、ゼイン、シェラック、アラビアゴム、植物ゴム、合成ポリマー等、またはこれらの組合せ等のフィルム形成剤により与えられる。
【0241】
本発明の実施形態において、外側コーティングは、結合剤、水分吸収成分、フィルム形成剤、分散剤、粘着防止成分、充填剤、香料添加剤、着色剤、薬剤としてまたは化粧品として活性な成分、脂質成分、ワックス成分、糖、酸からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤成分を含む。
【0242】
本発明による、被覆されたチューインガム中心は、チューインガム中心が任意の従来の被覆方法を使用してコーティングされることを可能にする任意の形態、形状または寸法を有してもよい。
【0243】
本発明による、被覆されたチューインガム要素のガム中心は、チューインガム中心が任意の従来の被覆方法を使用してコーティングされることを可能にする形態、形状または寸法を有してもよい。したがって、ガム中心は、例えば、ペレット、クッション形状ペレット、棒状、錠剤、塊、トローチ、丸薬、ボールおよび球状から選択される形状であってもよく、一般的には、ガム中心の重量は、0.5〜5gであってもよい。
以下の非限定的実施例は、本発明によるチューインガムの製造を例示する。
【実施例1】
【0244】
(1,2−プロパンジオールで開始される、97%のD,L−ラクチドおよび3%のε−カプロラクトンのモル比を有する生分解性樹脂ポリマーの調製)
乾燥した窒素パージグローブボックスにおいて、乾燥100mlガラス製丸底フラスコに、0.265gのエチルヘキサン酸錫(II)(Aldrich 97%)、6.427gの1,2−プロパンジオール(Aldrich 99+%)、および18.627gのε−カプロラクトン(ACROS 99+%)を入れた。反応器を、130℃に予め加熱したシリコーン油浴中に浸漬し、65分間機械的に撹拌し、油浴から取り出した。ポリマーを、未だ温かい間に乾燥注射器に吸い上げ、22.172gを、678.062gのD,L−ラクチド(ORTEC)を含む乾燥1000ml丸底フラスコに入れた。フラスコを、130℃に予め加熱したシリコーン油浴に浸漬し、取り出すまでの300分間機械的に撹拌した。フラスコをグローブボックスから直ちに取り出し、0〜120V出力の65%に設定されたStaco Energy Products Type 3 Variable Autotransformerで調節された、予め加熱されたGlas−Col 500ワット/115ボルト加熱マントルで完全に包み込んだ。加熱された容器を、約2分以内に、乾燥1クオートの金属包装容器中に、最終ポリマー生成物を反応器から完全に放出できるように、反転した。ポリマーの特徴は、Tg=44℃(DSC、10℃/分の加熱速度)、M=11,650g/mol、およびM=12,420g/mol(MALLS検出器を接続したゲル透過クロマトグラフィー)を示す。PD=1.07。
【実施例2】
【0245】
(1,2−プロパンジオールで開始される、96.5%のD,L−ラクチドおよび3.5%のε−カプロラクトンのモル比を有する生分解性樹脂ポリマーの調製)
乾燥した窒素パージグローブボックスにおいて、乾燥100mlガラス製丸底フラスコに、0.252gのエチルヘキサン酸錫(II)(Aldrich 97%)、3.198gの1,2−プロパンジオール(Aldrich 99+%)、および23.366gのε−カプロラクトン(ACROS 99+%)を入れた。反応器を、130℃に予め加熱したシリコーン油浴中に浸漬し、65分間機械的に撹拌し、油浴から取り出した。ポリマーを、未だ温かい間に乾燥注射器に吸い上げ、22.344gを、677.871gのD,L−ラクチド(ORTEC)を含む乾燥1000ml丸底フラスコに入れた。フラスコを、130℃に予め加熱したシリコーン油浴に浸漬し、取り出すまでの320分間機械的に撹拌した。フラスコをグローブボックスから直ちに取り出し、0〜120V出力の65%に設定されたStaco Energy Products Type 3 Variable Autotransformerで調節された、予め加熱されたGlas−Col 500ワット/115ボルト加熱マントルで完全に包み込んだ。加熱された容器を、約2分以内に、乾燥1クオートの金属包装容器中に、最終ポリマー生成物を反応器から完全に放出できるように、反転した。ポリマーの特徴は、Tg=41℃(DSC、10℃/分の加熱速度)、M=20,350g/mol、およびM=23,480g/mol(MALLS検出器を接続したゲル透過クロマトグラフィー)を示す。PD=1.15。
【実施例3】
【0246】
(低Tgを有する生分解性樹脂ポリマー)
91.5%のD,L−ラクチドおよび8.5%のε−カプロラクトンのモル比を有する生分解性樹脂ポリマーを調製するために、実施例1と同様の重合を行った。ポリマーの特徴は、Tg=31℃(DSC、10℃/分の加熱速度)、M=6500g/mol、およびM=7600g/molを示す。
【実施例4】
【0247】
(生分解性エラストマーポリマー)
エラストマーサンプルを、オーバーヘッド撹拌機、窒素ガス導入管、温度計、およびメタノールの除去のための蒸留先端を備えた500mL樹脂ケトルを使用して製造する。ケトルに、83.50g(0.43モル)のジメチルテレフタレート、99.29g(0.57モル)のジメチルアジペート、106.60g(1.005モル)のジ(エチレングリコール)および0.6gの酢酸カルシウム1水和物を入れる。窒素下で、混合物を撹拌しながらゆっくりと加熱し、全ての成分を溶融する(120〜140℃)。加熱および撹拌を続け、メタノールを連続的に蒸留する。温度を、メタノールの放出が止むまで、150〜200℃の範囲にゆっくりと上昇させる。加熱を中止し、内容物を約100℃に冷却する。反応器の蓋を除去し、溶融ポリマーを、注意深く受器に注ぐ。
【0248】
ポリマーの特徴は、Tg=−30℃(DSC、10℃/分の加熱速度)、M=40,000g/mol、およびM=190,000g/mol(MALLS検出器を接続したゲル透過クロマトグラフィー)を示す。
【実施例5】
【0249】
(ガムベースおよびチューインガムの調製)
3つの異なるガムベースを、実施例4のエラストマーポリマーと、表1において示される3つの異なる樹脂ポリマーとを一緒にして、実施例1〜4の上記ポリマーから調製した。
【0250】
【表1】

表1:%は、ガムベースの重量%を表す
【0251】
ガムベースを次の様に調製する:
エラストマーポリマーおよび樹脂ポリマーを、例えば、水平に置かれたZ−形アームの様な混合手段を備えた混合ケトルに添加する。ケトルは、約60〜80℃の温度まで15分間予備加熱しておく。混合物を、全体の混合物が均質になるまで10〜20分間混合する。次いで、混合物をパンに放出し、60〜80℃の放出温度から室温まで冷却する。
【0252】
樹脂成分のTgに基づいて、ガムベース番号101および102は、本明細書においては、ガムベース番号103と比べて高Tg生分解性ガムベースとみなす。ガムベース番号103においては、樹脂成分は約31℃のTgを有し、これは口中温度よりも低く、一方、ガムベース番号101および102においては、樹脂成分は、44℃および41℃のTgを有し、これらは正常な口中温度よりも高い。
【0253】
ガムベース番号101、102および103を、それぞれ、チューインガム番号1001、1002、および1003において使用する。チューインガム配合物は、表2において示される:
【0254】
【表2】

表2:%は、チューインガムの重量%を表す
【0255】
ガムベースにおける樹脂成分のタイプ(それぞれ、実施例1、2、および3のポリマー)だけを変えて、全てのチューインガムを同じ全体組成で調製する。軟化剤、乳化剤および充填剤は、ガムベース調製品の一部としてポリマーに選択的に添加されてもよい。
【0256】
チューインガム製品を次の様に調製する:
ガムベースを、例えば、水平に置かれたZ−形アームの様な混合手段を備えた混合ケトルに添加する。ケトルは、約40〜60℃の温度まで15分間予備加熱しておくか、ガムベースおよびケトルが約60〜80℃の温度を有する同じミキサーにおいてガムベースの調製後直ぐにチューインガムを一工程で作る。
【0257】
ソルビトールの半分をガムベースと一緒に添加し、3分間混合する。次いで、ペパーミントおよびメントールをケトルに添加し、1分間混合する。ソルビトールの残りの半分を添加し、1分間混合する。マルチトールシロップを添加し、次いで、ワックスおよび充填剤が添加されてもよく、ガム塊をよく混合する。軟化剤をゆっくりと添加し、7分間混合する。次いで、アスパルテームおよびアセスルフェームをケトルに添加し、3分間混合する。キシリトールを添加し、3分間混合する。次いで、得られたガム混合物を放出し、例えば、40〜48℃の温度のパンに移す。次いで、ガムをロールに掛け、コア、スティック、ボール、キューブ、および任意のその他の所望の形状とし、場合により、包装前にコーティングおよび艶出し処理をする。
明らかに、本発明の範囲内において、その他の方法および成分は、チューインガムを製造する方法において適用されてもよい。
【実施例6】
【0258】
(高Tgの生分解性ポリマーを含むチューインガムの評価および分子量調節の効果)
チューインガム番号1001および1002のサンプルを、幾人かの個人の被検者により試験し、次の評価を得た:
【0259】
【表3】

表3:高Tgの生分解性ポリマーを含むチューインガムの評価
【0260】
許容されるチューインガムの質感は、チューインガムに樹脂として寄与する化合物としての高Tgポリマーの使用により得られてもよいことが分かった。
【0261】
この評価において、1001のサンプルは、1001における樹脂状生分解性ポリマーのTgが、1002のTgよりも2〜3度高いにもかかわらず、最良の代替物であると判定される。2つのサンプル間の任意の相違がTgによるものであれば、樹脂状ポリマーのTgは、最も硬い質感を有するために1001に影響を及ぼすことが期待される。反対の状態が観察されるので、質感の説明は、それぞれに、1001および1002の樹脂状生分解性ポリマーの分子量における相違によるものとして解釈されてもよい。1002の樹脂状ポリマーの分子量は、1001の分子量よりも幾分高く、最終的なチューインガム番号1002の質感は、1001の質感よりも幾分硬い。したがって、分子量は、チューインガムにおける高Tgのその様な生分解性ポリマーの機能に著しい影響を有する可能性のあることが分かる。
【0262】
1002のチューインガム配合物は、相対的に高いTgおよび分子量の両方を特徴とする樹脂状生分解性ポリマーを含むチューインガムの完全に許容される質感を達成するために調整されるべきである。現在の配合物を調整するための方法は、例えば、樹脂状生分解性ポリマーの量をわずかに下げるか、軟化剤の量をわずかに増加することであろう。
【実施例7】
【0263】
(チューインガムの評価)
次いで、チューインガム番号1001(Tgが44℃で、Mnが11650g/molの生分解性ポリマーを含む)を、低Tgチューインガム番号1003(Tgが31℃で、Mnが6500の生分解性ポリマーを含む)と比較した。
【0264】
1001および1003のサンプルを、咀嚼期間の初期段階AおよびB(A:0〜1分およびB:1〜2分)、中間段階(4〜5分)、および最終段階(6〜7分)の評価を含めて、7分の咀嚼期間にわたって評価した。評価は次のパラメータを含んでいた:芳香、爽やかさ、甘味、弾性、ボリュームおよび柔らかさ。チューインガムサンプルを、無作為に選ばれた3つの数字番号の付いた小さな無味プラスチックカップにおいて、室温で、ISO8598標準により作られた試食ブースにおいて、21人の感覚解答者に提供してテストした。テストされるパラメータのそれぞれに対して、解答者は、0が最低の採点で、15が最高の採点として、0〜15の自由裁量の尺度により解答者の評価を与えることが求められた。テストされた各サンプル間で、解答者は3分の休憩が許された。
おおよその平均的採点は、表4において示される。
【0265】
【表4】

表4:感覚解答者により行われたチューインガム番号1001および1003の評価から得られた平均的採点
【0266】
概して、上記評価は、チューインガム番号1001のサンプルに対して驚くべき結果を示す。人体温度よりも十分に高い44℃のTgを有するポリマーが、チューインガムに実際に完全に適用できたことは驚くべきことであった。特に、チューインガム番号1001の性質が、Tgの相違にもかかわらず、チューインガム番号1003と基本的に同じ水準であった点が注目に値する。この実験は、高Tgの生分解性ポリマーが、当該技術分野内の予想に反して、質感を相当に犠牲にすることなしに、むしろ大量にチューインガムにおいて使用されてもよいことを明らかにする。
【0267】
上記表4は、感覚解答者により与えられた評価を平均的数字で纏めたものである。しかしながら、21人の感覚解答者によりなされた主張に基づいてさらに評価が行われ、どのパラメータについても小さな相違が顕著であった。
【0268】
表5において、評価の結果が、5つの異なる水準で表示される:
2は、1001が、1003に対して著しく改善されることを表す。
1は、1003サンプルに比べて、1001サンプルの芳香における相違の兆候が観察されたことを表す。
0は、1001および1003の間に顕著な相違が存在しないことを表す。
−1は、1001が、相違の兆候が観察されることを示し、1001の性質の相違の兆候が、1003と同じではなかったことを表す。
−2は、1003の芳香において、1001および1003との間に顕著な差が存在することを表す。
【0269】
【表5】

表5:それぞれ、44および31(℃において)のTgを有する生分解性ポリマーを含むチューインガム番号1001および1003の間の相違点および類似点のマッピング
【0270】
柔らかさだけが、全てのチューインガム段階において、1003と比較して、1001において顕著に劣るものと判定された。甘味の水準は、初期段階においては2つのチューインガムタイプの間で同等であったが、中間段階および最終段階においては、1001は、1003よりも早めに甘味を失うようであった。残りのパラメータ、すなわち、芳香、爽やかさ、弾性、およびボリュームに関しては、概要は、最終的な相違が顕著ではなかったということであった点が注目に値する。
【0271】
この実験から、口中温度よりも十分に高いTgを特徴とする生分解性ポリマーは、チューインガムにおいて樹脂化合物として十分に適用できる可能性のあることが理解される。実際に、この実験を根拠として、その様な樹脂状生分解性ポリマーの強度は、Tgの増加により増加されるものと考える。換言すれば、チューインガムにおける樹脂状化合物としての機能は増加し、幾つかの配合物においては、高Tgにより改善され得る。したがって、口中温度よりも高いTgを有する生分解性ポリマーは、エラストマー可塑剤、すなわち、チューインガムにおけるエラストマー溶剤として卓越した性質を有することが分かる。
【0272】
さらに、代わりに、本発明による樹脂状生分解性ポリマーの適用によって、天然樹脂および天然ゴムを回避することが可能である点が注目されるべきである。
【実施例8】
【0273】
(高Tgを有する生分解性樹脂状ホモポリマー)
実施例1と同様の重合を、100%ラクチドベースポリマーを作るために、唯一のモノマータイプ、D,L−ラクチドから重合される生分解性樹脂状ポリマーを調製するために行った。
【0274】
ポリマーの特徴は、Tgが約40〜45℃(DSC、10℃/分の加熱速度)、M=6,800g/mol、およびM=7,400g/mol(MALLS検出器を接続したゲル透過クロマトグラフィー)を示す。
【0275】
このポリマーは、また、実施例5に相当するチューインガム配合物において樹脂状化合物として適用可能であることが認められる。チューインガムは、さらに軟化することなしに咀嚼でき、チューインガムの質感は、例えば、31℃等の低Tgの樹脂状生分解性ポリマーに比べてむしろ低めにラクチドポリマーの分子量を変えることにより調整されてもよい。
【実施例9】
【0276】
Nature Works(登録商標)PLA 4060 D(無定形)ポリD,L−ラクチドのホモポリマーを樹脂として用意した。このホモポリマーは、約56℃のTgを有する(Mn=〜100,000)。
【実施例10】
【0277】
Nature Works(登録商標)PLA 5500 D(無定形)ポリD,L−ラクチドのホモポリマーを樹脂として用意した。このホモポリマーは、約50℃のTgを有する(Mn=〜50,000)。
【実施例11】
【0278】
(ガムベースの調製)
ガムベースを調製する方法は、次の方法により行われる:ガムベース成分を、例えば、水平に置かれたZ−形アームの様な混合手段を備えた混合ケトルに添加する。ケトルは、約140℃の温度に予備加熱しておく。混合物を、全体の混合物が均質になるまで30〜120分間混合する。次いで、混合物をパンに放出し、室温まで冷却する。
表6において示される3つの異なるガムベースを調製した。
【0279】
【表6】

表6:重量%により表されるガムベース組成物、成分
【実施例12】
【0280】
(チューインガムの調製)
実施例11のガムベースを、表7において示される基本組成を有する、ペパーミントで芳香付けされたチューインガム配合物1004〜1006の調製において使用し、ガムベース104は、チューインガム1004の調製のために適用され、ガムベース105は、チューインガム1005等の調製のために適用される。
【0281】
【表7】

表7:ペパーミント芳香を伴うチューインガム配合物。成分濃度は、重量%で与えられる
軟化剤、乳化剤および充填剤は、ガムベース調製品の一部として選択的に添加されてもよい。
【実施例13】
【0282】
表7のチューインガムの評価。
表7のチューインガムの質感を評価した。
質感は、改変された軟化系により十分に補償され、1005および1006の質感は許容できるものであり、1004と比肩できるものであったことが、概して認められた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約0.1%〜約95%の量において少なくとも1つの生分解性ポリマーを含み、前記生分解性ポリマーが、37℃より高いガラス転移温度(Tg)を有するチューインガム。
【請求項2】
約2〜60重量%の量において、前記少なくとも1つの生分解性ポリマーを含む、請求項1に記載のチューインガム。
【請求項3】
前記生分解性ポリマーが、約40℃より高いガラス転移温度(Tg)を有する、請求項1または2のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項4】
天然樹脂を実質的に含まない、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの生分解性ポリマーを含む前記チューインガムが、少なくとも1つのエラストマー化合物をさらに含む、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項6】
前記生分解性ポリマーが、前記エラストマー化合物について可塑化効果を有する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項7】
2〜50%の範囲の量において、前記生分解性ポリマーを含む、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項8】
前記チューインガムが、5〜40%の範囲、好ましくは、10〜30%の範囲の量において前記生分解性ポリマーを含む、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項9】
5〜25%の範囲の量において前記生分解性ポリマーを含む、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項10】
前記生分解性ポリマーが、38℃より高いガラス転移温度(Tg)を有する、請求項1乃至9のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項11】
前記生分解性ポリマーが、38℃〜90℃の範囲のガラス転移温度(Tg)を有する、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項12】
前記生分解性ポリマーが、41℃〜75℃の範囲のガラス転移温度を有する、請求項1乃至11のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項13】
前記生分解性ポリマーが、42℃〜65℃の範囲のガラス転移温度を有する、請求項1乃至12のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項14】
前記生分解性ポリマーが、43℃〜48℃の範囲のガラス転移温度を有する、請求項1乃至13のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項15】
前記チューインガムの約5重量%未満、好ましくは、3重量%未満、最も好ましくは、約2重量%未満の天然樹脂を含む、請求項1乃至14のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項16】
前記生分解性ポリマーが、500〜22000g/molの範囲、好ましくは、500〜15000g/molの範囲の分子量(Mn)を有する、請求項1乃至15のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項17】
前記生分解性ポリマーがポリエステルである、請求項1乃至16のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項18】
前記生分解性ポリエステルポリマーが、環状モノマーの開環重合により得ることができる、請求項1乃至17のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項19】
前記環状モノマーが、環状エステルおよび環状カーボネートの群から選択される、請求項1乃至18のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項20】
前記環状モノマーが、D,L−ラクチド、L−ラクチド、グリコリド、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、トリメチレンカーボネート(TMC)およびジオキサノンの群から選択される、請求項1乃至19のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項21】
前記環状モノマーの少なくとも1つが、高Tg誘導モノマーである、請求項1乃至20のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項22】
前記ポリエステルが、高Tg誘導モノマーの単一タイプの重合により得ることのできるポリマーである、請求項1乃至21のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項23】
前記ポリエステルが、少なくとも2つの異なる高Tg誘導モノマーの重合により得ることのできるコポリマーである、請求項1乃至22のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項24】
前記ポリエステルが、少なくとも1つの低Tg誘導モノマーと、少なくとも1つの高Tg誘導モノマーとの重合により得ることのできるコポリマーである、請求項1乃至23のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項25】
前記少なくとも1つの高Tg誘導モノマー対前記少なくとも1つの低Tg誘導モノマーのモル比が、75/25〜99/1の範囲、好ましくは、85/15〜99/1の範囲である、請求項1乃至24のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項26】
前記少なくとも1つの高Tg誘導モノマー対前記少なくとも1つの低Tg誘導モノマーのモル比が、90/10〜99/1の範囲、好ましくは、95/5〜99/1の範囲である、請求項1乃至25のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項27】
前記少なくとも1つの高Tg誘導モノマー対前記少なくとも1つの低Tg誘導モノマーのモル比が、95/5〜98/2の範囲である、請求項1乃至26のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項28】
前記少なくとも1つの高Tg誘導モノマーが、D,L−ラクチド、L−ラクチドおよびグリコリドを含むモノマーの群から選択される、請求項1乃至27のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項29】
前記少なくとも1つの低Tg誘導モノマーが、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、トリメチレンカーボネート(TMC)およびジオキサノンを含むモノマーの群から選択される、請求項1乃至28のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項30】
前記開環重合が、1つまたは複数の開始剤で開始される、請求項1乃至29のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項31】
前記開始剤が、前記生分解性ポリエステルポリマーの約0.01〜1.0重量%を含む、請求項1乃至30のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項32】
前記開始剤の少なくとも50モル%、好ましくは、少なくとも70モル%が二官能性である、請求項1乃至31のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項33】
前記ポリエステルポリマーが、実質的に線状である、請求項1乃至32のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項34】
前記実質的に線状のポリエステルポリマーが、50%より多い線状ポリマー鎖を含む、請求項1乃至33のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項35】
前記実質的に線状のポリエステルポリマーが、70%より多い線状ポリマー鎖を含む、請求項1乃至34のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項36】
前記実質的に線状のポリエステルポリマーが、80%より多い線状ポリマー鎖を含む、請求項1乃至35のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項37】
前記生分解性ポリエステルポリマーが、多官能酸もしくはこの誘導体および/または多官能アルコールもしくはこの誘導体の縮合重合により得ることができる、請求項1乃至36のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項38】
前記多官能酸が、乳酸およびグリコール酸の群から選択される、請求項1乃至37のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項39】
前記多官能酸が、ポリヒドロキシカルボン酸またはヒドロキシカルボン酸である、請求項1乃至38のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項40】
前記チューインガムが、前記チューインガムの少なくとも5重量%、好ましくは、少なくとも10重量%の量においてエラストマー化合物を含む、請求項1乃至39のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項41】
前記少なくとも1つのエラストマー化合物が、生分解性エラストマーである、請求項1乃至40のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項42】
前記生分解性エラストマーが、少なくとも1つのアルコールまたはこの誘導体と、少なくとも1つのカルボン酸またはこの誘導体との重合により得ることができる、請求項1乃至41のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項43】
水分含有量が、前記チューインガムの3重量%未満、好ましくは、1.5重量%未満、最も好ましくは、1重量%未満である、請求項1乃至42のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項44】
香料添加剤、甘味剤、充填剤、軟化剤、乳化剤、および活性成分を含む群から選択される1つまたは複数のチューインガム成分を含む、請求項1乃至43のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項45】
前記香料添加剤が、酸および、味の特徴に影響を及ぼすことのできるその他の物質を含めて、天然植物成分、エッセンシャルオイル、エッセンス、抽出物、粉末の形態における天然および合成香味料を含む、請求項1乃至44のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項46】
前記チューインガムの全重量を基準にして、0.01〜約25重量%の量、好ましくは、0.1〜約5重量%の量において香料添加剤を含む、請求項1乃至45のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項47】
前記チューインガムの約0〜約20重量%、さらに一般的には、前記チューインガムの約0〜約10重量%の量において少なくとも1つの軟化剤を含む、請求項1乃至46のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項48】
乳化剤の量が、前記チューインガムの0〜18重量%の範囲である、請求項1乃至47のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項49】
前記甘味剤が、バルク甘味剤、および高強度甘味剤、ならびにこれらの組合せを含む群から選択される、請求項1乃至48のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項50】
糖を含む、請求項1乃至49のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項51】
糖を含まない、請求項1乃至50のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項52】
前記バルク甘味剤が、前記チューインガムの約5〜約95重量%、好ましくは、約20〜約80重量%の量を構成する、請求項1乃至51のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項53】
前記チューインガムの約0〜約1.2重量%、好ましくは、約0.1〜約0.6重量%の量において高強度甘味剤を含む、請求項1乃至52のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項54】
前記チューインガムの約0〜約50重量%、さらに一般的には、約10〜約40重量%の量において充填剤を含む、請求項1乃至53のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項55】
少なくとも1つの着色剤を含む、請求項1乃至54のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項56】
前記チューインガム成分が、活性成分を含む、請求項1乃至55のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項57】
ハードコーティング、ソフトコーティングおよび食用フィルムコーティングを含む群から選択される外側コーティングで被覆される、請求項1乃至56のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項58】
前記外側コーティングが、結合剤、水分吸収成分、フィルム形成剤、分散剤、粘着防止成分、充填剤、香料添加剤、着色剤、薬剤としてまたは化粧品として活性な成分、脂質成分、ワックス成分、糖、酸および分解性ポリマーの咀嚼後の分解を促進することのできる物質を含む群から選択される少なくとも1つの添加剤成分を含む、請求項1乃至57のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項59】
前記生分解性ポリマーが、500〜400,000g/molの範囲、好ましくは、500〜200,000g/mol(Mn)の範囲の分子量(Mn)を有する、請求項1乃至58のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項60】
前記生分解性ポリマーが、500〜150,000g/molの範囲の分子量(Mn)を有する、請求項1乃至59のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項61】
前記生分解性ポリマーが、約60,000g/mol未満の分子量(Mn)を有する、請求項1乃至60のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項62】
前記チューインガムの少なくとも0.5重量%、好ましくは、少なくとも1重量%の量においてエラストマー化合物を含む、請求項1乃至61のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項63】
前記チューインガムの少なくとも5重量%、好ましくは、少なくとも8重量%の量においてエラストマー化合物を含む、請求項1乃至62のいずれか1項に記載のチューインガム。
【請求項64】
前記チューインガムの約1重量%〜40重量%の範囲内の量においてエラストマー化合物を含む、請求項1乃至63のいずれか1項に記載のチューインガム。

【公表番号】特表2008−523826(P2008−523826A)
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−547177(P2007−547177)
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【国際出願番号】PCT/DK2005/000626
【国際公開番号】WO2006/066575
【国際公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(503345260)ガムリンク エー/エス (25)
【Fターム(参考)】