説明

高低温減圧環境試験室用扉

【課題】供試体が収容される試験室を所要の温度状態及び減圧状態に確実に保持して該供試体の試験を適正に行うとともに、高低温減圧環境試験室用の大形の扉を低コスト化する高低温減圧環境試験室用扉を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は上記目的を達成するために、断熱機能を持つ防熱扉7と減圧機能を持つ減圧扉8とを前室9で隔てて防熱扉7は試験室5c側に配設し、減圧扉8は外部側に配設して扉を二重扉構造にするとともに、前室9を空調して減圧扉8の裏面と表面とをほぼ同じ温度に制御する空調手段10を設け、さらに空気流通孔12を介して前室9から試験室5cへの乾燥空気の空気流れを形成してなる高低温減圧環境試験室用扉を提供するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高低温減圧環境試験室用扉に関するものであり、特に、供試体が収容される試験室を所要の温度状態及び減圧状態に確実に保持し得るとともに、高低温減圧環境試験室用の大形の扉を低コスト化し得る高低温減圧環境試験室用扉に関するものである。
【背景技術】
【0002】
環境試験室に関連する従来技術として、例えば本出願人の特許出願に係る公開公報に開示されているように、次のような冷却室が知られている。この従来技術は、冷却室における外壁体の内側に、該外壁体と離間する内壁体が設けられ、外壁体と内壁体との間に冷却空気が流通する冷気循環路が形成されている。前記内壁体の内側には室内空気を吸入し、この吸入した室内空気を内壁体の内面に沿って送出する複数の送風機が配設されている。また、冷却室の出入口に面して単一体構造からなる扉が開閉自在に設けられている。そして、複数の送風機によって室内空気が内壁体に沿って流されることで、冷却室内に搬入された供試体または物品に対して冷風を吹き付けることなく、室内空気が内壁体の冷熱を奪って冷却室内が効率よく冷却される。また、前記扉が開かれたとき、前記複数の送風機のうち、冷却室の出入口上部に設けられた送風機を、他の送風機の運転、停止の制御に関わらず運転させることで、該送風機からの空気をエアカーテンとして利用し、扉の開閉に伴う冷却室内の温度変化を可及的に少なくしている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この従来技術における冷却室は、冷気循環路に流通させた冷却空気で内壁体を冷却し、送風機で室内空気を内壁体に沿って流すことで、内壁体の冷熱を奪って冷却室内を冷却している。このため、冷却室内はかなりの低温度まで冷却されるというものではなく、また送風機からの空気がエアカーテンとして利用されていることから室内圧は大気圧であると考えられる。このため、冷却室の出入口に設けられた扉には、温度的、気圧的に歪みが発生するような過酷な条件は負荷されず、単一体構造のものが用いられていても、出入口を密閉するという扉機能が十分に果たされている。
【0004】
ところで、自動車使用時におけるエンジン特性や排ガス特性等も試験対象とする高低温減圧環境試験室では、試験室内が、例えば気圧については5000m位の高地における気圧に相当する大気圧の2分の1程度の減圧状態に、また温度については北極等の極地を想定した−40℃から−50℃程度の低温状態もしくは直射日光を受ける場合を想定した+50℃から+60℃程度の高温状態に設定される場合がある。
【0005】
試験室内が、このような高・低温状態及び減圧状態に設定される従来の高低温減圧環境試験室を、図2及び図3の(a)、(b)を用いて説明する。図2は従来の高低温減圧環境試験室を一部破断して示す側面図、図3は図2の高低温減圧環境試験室における減圧防熱扉に歪みが発生している状態の側面図であり、(a)は夏季における状態の図、(b)は冬季における状態の図である。
【0006】
図2において、高低温減圧環境試験室1は、外壁体1aの内側に断熱層1bが貼設され出入口2等の部分を除いて気密構造に形成されている。該高低温減圧環境試験室1には、供試体が収容される試験室1cを所要の高・低温状態に調温するための図示しない空気調和機及び所要の減圧状態に調圧するための図示しないブロワ等が取付けられている。
【0007】
前記高低温減圧環境試験室1の一側部には自動車等の供試体の搬入・搬出及び作業員等の出入りのための前記出入口2が開口され、該出入口2に面して単一体構造からなる減圧防熱扉3が開閉自在に設けられている。該減圧防熱扉3の内側周囲(シール面)が対接する前記外壁体1aの部分には気密保持兼氷結防止のためのテープヒータ4等が貼設されている。
【0008】
前記減圧防熱扉3は例えば5000mm(W)×4500mm(H)程度の大きさに形成され、このような大形で単一体構造の減圧防熱扉3に断熱機能と減圧機能の両機能が課されている。
【0009】
このような構成の高低温減圧環境試験室1において、自動車等を供試体として夏季に、例えば温度については−50℃程度の低温状態で、また気圧については54kPa程度の減圧状態での環境試験が行われる場合、減圧防熱扉3の外表面は直射日光を受けて+60℃程度までの高温状態になる。図3の(a)は、減圧防熱扉3の内側及び外側に、このような温度状態が生じた場合を示している。
【0010】
このとき、減圧防熱扉3の表・裏面間は、110℃程度の温度差状態となる。このため、この温度差に起因する歪みの発生により、減圧防熱扉3は表面側が凸となるように変形して、そのシール面と外壁体1aとの間に隙間ができて、試験室1c内への外気のリークが生じるという不具合が発生する。
【0011】
また、冬季に、例えば温度について+60℃程度の高温状態での環境試験が行われる場合、減圧防熱扉3の外表面は外気温とほぼ等しい−10℃程度の低温状態になる。図3の(b)は、減圧防熱扉3の内側及び外側に、このような温度状態が生じた場合を示している。
【0012】
このとき、減圧防熱扉3の表・裏面間は、70℃程度の温度差状態となる。このため、この温度差に起因する歪みの発生により、減圧防熱扉3は裏面側が凸となるように変形し、前記と同様に、そのシール面と外壁体1aとの間に隙間ができて、試験室1c内への外気のリークが生じる。
【特許文献1】特開2006−138489号公報(第3,4頁、図1,2)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
特許文献1に記載の従来技術においては、冷却室の出入口に設けられた扉は、さほど大形のものではなく、該扉に大きな歪みが発生するような過酷な条件も負荷されていない。このため、単一体構造のものが用いられていても出入口を密閉するという扉機能が十分に果たされている。
【0014】
これに対し、図2及び図3の(a)、(b)に記載の従来技術においては、自動車等を供試体とする高低温減圧環境試験室の減圧防熱扉として、5000mm(W)×4500mm(H)程度の大形のものが用いられ、このような大形の減圧防熱扉に対し、温度的、気圧的にかなり過酷な条件が負荷される場合がある。このため、過酷な条件が負荷されときの歪みの発生により、減圧防熱扉のシール面と外壁体との間に隙間ができて、供試体が収容される試験室内へ外気のリークが生じ、該試験室を所要の温度状態及び減圧状態に保持するのが困難になる場合がある。
【0015】
このような不具合に対処するためには、過酷な条件が負荷されても歪みが生じないような高強度の減圧防熱扉を製作することが考えられる。しかしながら、5000mm(W)×4500mm(H)程度の大形の減圧防熱扉を、扉自体の歪みをとりつつ高強度に且つ、シール面等の精度を所要精度に確保して製作するためには、該大形の減圧防熱扉を載置し得る巨大な定盤から製作することが必要になる。このため、製作費が嵩んで、一枚の減圧防熱扉が概算で1億円程度の高価なものになってしまう。
【0016】
そこで、供試体が収容される試験室を所要の温度状態及び減圧状態に確実に保持して該供試体の試験を適正に行うとともに、高低温減圧環境試験室用の大形の扉を低コスト化するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、供試体について高低温状態及び減圧状態の試験を行う高低温減圧環境試験室の扉において、断熱機能を持つ防熱扉と減圧機能を持つ減圧扉とを前室で隔てて前記防熱扉は前記供試体が収容される試験室側に配設し、前記減圧扉は外部側に配設して前記扉を二重扉構造にするとともに、前記前室を空調して前記減圧扉の裏面と表面とをほぼ同じ温度に制御する空調手段を設けてなる高低温減圧環境試験室用扉を提供する。
【0018】
この構成によれば、前室が空調されて減圧扉の裏面が表面とほぼ同じ温度に制御される。この結果、減圧扉に対し、その表・裏面間の温度差に起因する歪みの発生が抑えられて前室への外気のリークが防止される。そして、防熱扉の断熱機能及び減圧扉の減圧機能が適切に生じて試験室が所要の温度状態及び減圧状態に保持され、供試体の試験が適正に行われる。
【0019】
請求項2記載の発明は、上記前室と上記供試体が収容される試験室との間に空気流通孔を開穿し、該空気流通孔の近傍における前記前室側に乾燥空気を導入し、前記空気流通孔を介して前記前室から前記供試体が収容される試験室への前記乾燥空気の空気流れを形成してなる高低温減圧環境試験室用扉を提供する。
【0020】
この構成によれば、空気流通孔の近傍における前室側に乾燥空気を導入することで、前室側が試験室側よりも適宜にプラス圧となり空気流通孔を介して前室から試験室への乾燥空気の空気流れが形成される。これにより前室の空調が、試験室の温度の影響を受けることなく行われて減圧扉の裏面が、その表面とほぼ同じ温度に効率よく制御される。
【発明の効果】
【0021】
請求項1記載の発明は、断熱機能を持つ防熱扉と減圧機能を持つ減圧扉とを前室で隔てて前記防熱扉は供試体が収容される試験室側に配設し、前記減圧扉は外部側に配設して扉を二重扉構造にするとともに、前記前室を空調して前記減圧扉の裏面と表面とをほぼ同じ温度に制御する空調手段を設けたので、減圧扉に対し、その表・裏面間の温度差に起因する歪みの発生を抑えることができて前室への外気のリークを防止することができる。したがって、供試体が収容される試験室を所要の温度状態及び減圧状態に保持することができて、該供試体の試験を適正に行うことができる。また、高低温減圧環境試験室用の大形の扉に要求される断熱機能と減圧機能を分離し、断熱機能は防熱扉に持たせ、減圧機能は減圧扉に持たせた二重扉構造にするとともに該減圧扉の表・裏面を空調手段でほぼ同じ温度に制御するようにしたことで、前記両機能を併せ持ち且つ、歪みの発生しない大形で頑丈な単一の扉構造とする場合に比べてコスト低減を図ることができるという利点がある。
【0022】
請求項2記載の発明は、上記前室と上記供試体が収容される試験室との間に空気流通孔を開穿し、該空気流通孔の近傍における前記前室側に乾燥空気を導入し、前記空気流通孔を介して前記前室から前記供試体が収容される試験室への前記乾燥空気の空気流れを形成したので、前室の空調を、試験室の温度の影響を受けることなく行わせることができて、減圧扉の裏面を、その表面とほぼ同じ温度に効率よく制御することができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
供試体が収容される試験室を所要の温度状態及び減圧状態に確実に保持して該供試体の試験を適正に行うとともに、高低温減圧環境試験室用の大形の扉を低コスト化するという目的を、供試体について高低温状態及び減圧状態の試験を行う高低温減圧環境試験室の扉において、断熱機能を持つ防熱扉と減圧機能を持つ減圧扉とを前室で隔てて前記防熱扉は前記供試体が収容される試験室側に配設し、前記減圧扉は外部側に配設して前記扉を二重扉構造にするとともに、前記前室を空調して前記減圧扉の裏面と表面とをほぼ同じ温度に制御する空調手段を設けることにより実現した。
【実施例1】
【0024】
以下、本発明の実施例を図面に従って詳述する。図1は高低温減圧環境試験室用扉を一部破断して示す側面図である。
【0025】
まず、本実施例に係る高低温減圧環境試験室用扉の構成を説明する。図1において、高低温減圧環境試験室5は、外壁体5aの内側に断熱層5bが貼設され、該断熱層5bで囲まれるように供試体が収容される試験室5cが形成されている。前記外壁体5aは二重構造の鉄製函体5dにおける前記二重構造の間隙部に鉄筋5e入りのコンクリート5fが埋め込まれて高強度に形成されている。
【0026】
前記高低温減圧環境試験室5は出入口6等の部分を除いて気密構造に形成され、該高低温減圧環境試験室5には、前記試験室5cを所要の高・低温状態に調温するための図示しない空気調和機及び所要の減圧状態に調圧するための図示しないブロワ等が取付けられている。
【0027】
そして、前記出入口6の部分に、断熱機能を持つ防熱扉7と減圧機能を持つ減圧扉8とが前室9を隔てて前記防熱扉7は前記試験室5c側に配設され、前記減圧扉8は外部側の出入口6に面する位置に配設されて、二重構造の扉が設けられている。前記防熱扉7のシール面は試験室5cの入口部天井から下方に向けて垂設された仕切板5gの部分に対接し、減圧扉8のシール面は前記外壁体5aの部分に対接する。該減圧扉8のシール面が対接する前記外壁体5aの部分には気密保持兼氷結防止のためのテープヒータ4等が貼設されている。
【0028】
前記防熱扉7は、外表面部の鉄板7aの内側に断熱材7cが埋め込まれて断熱機能が付与されている。前記減圧扉8も、防熱扉7とほぼ同様の構造に形成されている。
【0029】
防熱扉7及び減圧扉8は、5000mm(W)×4500mm(H)程度の大きさに形成されている。これとほぼ同じ大きさに形成された前記従来の減圧防熱扉では、単一体構造の該減圧防熱扉に断熱機能と減圧機能の両機能が課されていたのに対し、本実施例では、この断熱機能と減圧機能とが分離され、断熱機能は防熱扉7に分担され、減圧機能は減圧扉8に分担されている。
【0030】
前記前室9内の上部位置には、該前室9内を空調して前記減圧扉8の裏面と表面とをほぼ同じ温度に制御する空調手段としての空調ユニット10が設けられている。該空調ユニット10には、外部から冷媒往管10aと冷媒復管10bとが連通されている。減圧扉8の裏面部と表面部には、該裏面温度及び表面温度をそれぞれ検出するための温度センサ11a,11bが取付けられている。該両温度センサ11a,11bで検出された温度検出信号が空調ユニット10にフィードバックされて減圧扉8の裏面と表面とがほぼ同じ温度に制御される。
【0031】
また、前室9と試験室5cとの間の前記仕切板5gの部分に空気流通孔12が開穿され、該空気流通孔12の近傍における前室9側に空気配管13が連通されている。該空気配管13から前室9側に乾燥空気を導入することで、前室9側を試験室5c側よりも適宜にプラス圧にして、前室9側から試験室5c側へ前記空気流通孔12を介して乾燥空気の空気流れが形成されるように構成されている。乾燥空気としたのは、試験室5c内等への湿度の影響を避けるためである。
【0032】
次に、上述のように構成された高低温減圧環境試験室用扉の作用を説明する。減圧扉8及び防熱扉7が開けられ、出入口6から自動車等の供試体が試験室5cに搬入される。その後、減圧扉8及び防熱扉7により出入口6の部分が密閉状態に閉じられてから空気調和機及びブロワが作動して試験室5cが所要の高・低温状態及び所要の減圧状態に設定される。そして自動車使用時等におけるエンジン特性や排ガス特性等が試験される。エンジン特性が試験されるときは、エンジンの稼働に必要な酸素を試験室5cに入れながら該試験が行われる。
【0033】
このとき、試験室5c内における高・低温減圧環境試験と並行して、両温度センサ11a,11bで検出された減圧扉8の表・裏面の温度検出信号が空調ユニット10にフィードバックされつつ、該空調ユニット10が作動して前室9内が空調され、減圧扉8の裏面が、その表面とほぼ同じ温度に制御される。
【0034】
また、空調ユニット10の作動中、空気配管13から前室9に導入された乾燥空気により、空気流通孔12を介して前室9側から試験室5c側への乾燥空気の空気流れが形成され、空調ユニット10による前室9側の空調が、試験室5c内の温度の影響を受けることなく行われて減圧扉8の裏面が、その表面とほぼ同じ温度に効率よく制御される。
【0035】
この結果、減圧扉8に対し、その表・裏面間の温度差に起因する歪みの発生が抑えられて前室9及び該前室9を経由しての試験室5cへの外気のリークが防止される。防熱扉7に対しては試験室5cと前室9との温度差に起因して若干歪みが発生するが、この歪みの発生は、該防熱扉7の断熱機能には何等の影響も及ぼすものではない。そして、防熱扉7の断熱機能及び減圧扉8の減圧機能が適切に生じて試験室5cが当初に設定された高・低温状態及び減圧状態に保持され、自動車等の供試体の試験が適正に行われる。
【0036】
上述したように、本実施例に係る高低温減圧環境試験室用扉においては、減圧扉8に対し、その表・裏面間の温度差に起因する歪みの発生を抑えることができて前室9及び該前室9を経由しての試験室5cへの外気のリークを防止することができる。したがって、試験室5cを所要の高・低温状態及び減圧状態に保持することができて、供試体の試験を適正に行うことができる。
【0037】
空気流通孔12を介して前室9から試験室5cへの乾燥空気の空気流れを形成したので、空調ユニット10による前室9の空調を、試験室5cの温度の影響を受けることなく行わせることができて、減圧扉8の裏面を、その表面とほぼ同じ温度に効率よく制御することができる。
【0038】
高低温減圧環境試験室用の5000mm(W)×4500mm(H)程度の大形の扉に要求される断熱機能と減圧機能を分離し、断熱機能は防熱扉7に持たせ、減圧機能は減圧扉8に持たせた二重扉構造にするとともに該減圧扉8の表・裏面を空調ユニット10でほぼ同じ温度に制御するようにしたことで、概算で防熱扉7が600万円、減圧扉8が1000万円及び空調ユニット10が200万円として合計1800万円程度の価格となり、前記従来の減圧防熱扉が一枚で1億円程度したものに比べると、5分の1程度以下に低コスト化することができる。
【0039】
なお、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変をなすことができ、そして、本発明が該改変されたものにも及ぶことは当然である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施例に係る高低温減圧環境試験室用扉を一部破断して示す側面図。
【図2】従来の高低温減圧環境試験室を一部破断して示す側面図。
【図3】図2の高低温減圧環境試験室における減圧防熱扉に歪みが発生している状態を示す側面図であり、(a)は夏季における状態の図、(b)は冬季における状態の図。
【符号の説明】
【0041】
1 高低温減圧環境試験室
2 出入口
3 減圧防熱扉
4 テープヒータ
5 高低温減圧環境試験室
5a 外壁体
5b 断熱層
5c 試験室
5g 仕切板
6 出入口
7 防熱扉
8 減圧扉
9 前室
10 空調ユニット(空調手段)
11a,11b 温度センサ
12 空気流通孔
13 空気配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供試体について高低温状態及び減圧状態の試験を行う高低温減圧環境試験室の扉において、断熱機能を持つ防熱扉と減圧機能を持つ減圧扉とを前室で隔てて前記防熱扉は前記供試体が収容される試験室側に配設し、前記減圧扉は外部側に配設して前記扉を二重扉構造にするとともに、前記前室を空調して前記減圧扉の裏面と表面とをほぼ同じ温度に制御する空調手段を設けてなることを特徴とする高低温減圧環境試験室用扉。
【請求項2】
上記前室と上記供試体が収容される試験室との間に空気流通孔を開穿し、該空気流通孔の近傍における前記前室側に乾燥空気を導入し、前記空気流通孔を介して前記前室から前記供試体が収容される試験室への前記乾燥空気の空気流れを形成してなることを特徴とする請求項1記載の高低温減圧環境試験室用扉。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−256556(P2008−256556A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−99653(P2007−99653)
【出願日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【出願人】(390026974)株式会社東洋製作所 (132)
【Fターム(参考)】