高効率ストレーナシステム
本発明によると、所定の構成に共に組み立てられる複数のカセットまたはカートリッジをそれぞれが備える複数のストレーナモジュールを備えるストレーナシステムが提供される。本発明によって構成されるストレーナシステムでは、ストレーナモジュールの「クリーンな」側が、流体結合される吸引ポンプを有するプレナムダクトによって互いに流体接続される。ストレーナモジュールのうちの1つを、ストレーナシステムに含まれる残りの稼働中のストレーナモジュールから有効に隔離するように配置される圧力解放膜(PRM)が、プレナムダクトに組み込まれる。圧力解放膜は、プレナムダクト全体の圧力が所定の閾値を超えて増大するとき、隔離されたストレーナモジュールの始動を促進するように独自に構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概してストレーナ装置、特に、圧力解放膜が複数のストレーナモジュールの「クリーンな」側でプレナムダクトに組み込まれるストレーナシステムに関する。圧力解放膜は、ストレーナシステムのストレーナモジュールのうち1つを残りの稼働中のストレーナモジュールから隔離し、そして、沈殿物形成の原因となる、最初から稼働中のストレーナモジュール全体のヘッド損失の増大の結果として、プレナムダクト全体の圧力が所定の閾値を越えて増大する際に、隔離されたストレーナモジュールを有効に始動させるように動作する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所は通常、事故の際に大量の冷却水を危険な原子炉領域に循環させる緊急炉心冷却システムを含む。沸騰水型原子炉すなわちBWRは通常、冷却液の損失事故の際に、サプレッションプールとして知られる1つまたはそれ以上の貯水槽から水を引き込む。より具体的には、水がサプレッションプールから炉心に送り出され、その後、閉ループでサプレッションプールへと戻るように循環される。冷却液損失事故は、大量の固形物を冷却水に導入する原子炉部品の故障を含む可能性があり、冷却水が固形物を含んだままサプレッションプールへと戻る。たとえば、高圧パイプの破裂から冷却液損失事故が生じた場合、大量の断熱材、コンクリート、塗料片、およびその他の破片が冷却水に閉じ込められることがある。
【0003】
BWRとは異なり、加圧水型原子炉すなわちPWRは通常、冷却液損失事故の後、原子炉貯水タンクから冷却水を引き込み、信号の後、貯水タンクからの流を遮断して、この水を原子炉内で再循環させる。これに関連し、加圧水型原子炉は、事故の発生によって浸水するまでは乾燥した格納領域を有し、緊急炉心冷却システムは、格納領域の汚水だめに接続されるポンプを用いて水を原子炉に循環させる。にもかかわらず、事故の際に送り出される水も通常、断熱材、塗料片、および微粒子などの同伴固形物を含む。よって、いずれの種類の原子炉(すなわち、沸騰水型原子炉と加圧水型原子炉)でも、冷却水は貯水槽から引き込まれ、炉心に送り出され、同伴固形物または破片が水と共に循環されれば、緊急炉心冷却システムポンプを害し、損傷を負わせる可能性がある。
【0004】
緊急炉心冷却システムの冷却水中に同伴固形物または破片が存在する結果起こり得る問題を認識し、従来技術においては、冷却液流路内のストレーナをポンプの上流に、通常は冷却水槽内に沈めて配置することが既知である。これらのストレーナでは、冷却液流を過度に遅延させずに許容しがたい多量の固形物を除去できることが極めて重要である。この関連で、ストレーナ全体の圧力(ヘッド)損失を最小限に維持させなければならない。ストレーナは通常、緊急炉心冷却システムの一部であり、サプレッションプールまたは汚水だめまで延在するパイプに搭載され、緊急炉心冷却システムポンプは、ストレーナを通じて水を引き出して炉心へと導入する。所望の冷却液流を得るためストレーナ全体のヘッド損失を低減するために、従来技術ではストレーナの設計に多大な努力を投じてきた。既存のストレーナは、一連の積層された有孔中空ディスクまたは平坦な有孔板と、緊急炉心冷却システムポンプによって水を引き出す中心コアとを含んでいることが多い。有孔ディスクまたは板は、所与の寸法よりも大きな破片がストレーナ穿孔を通過しポンプに至るのを防止する。
【0005】
上記のことから明らかなように、大量の繊維物質が、原子炉事故の際に、循環する冷却水に混入する可能性がある。この繊維物質は、上述の冷却液損失事故の際に損傷を負った原子炉パイプやその部品の絶縁材から生じて緊急炉心冷却システムの冷却液流に進入することが多く、通常はストレーナ表面に堆積して、流内の微粒子を捕獲する。結果として生じるストレーナ表面上の繊維状破片床は、捕捉された微粒子がストレーナ穿孔を通過するほど小さい場合であっても、ストレーナを通る流を迅速に遮断する可能性がある。より具体的には、ストレーナが繊維および微粒子破片床に完全に覆われるまで、破片は綿毛状に密集してストレーナ内およびストレーナ上に堆積する。いったんこれが生じると、ストレーナはその複雑な形状の表面の利点を失い、単純なストレーナとなる。数時間から数日後、いくらかの破片が、通常、溶液に溶けて格納容器内の化学物質と相互作用する。同時に、格納容器の温度は低下する傾向にある。この現象により、生成される化学的沈殿物は最終的にストレーナへと向かう。いったん沈殿物がストレーナ表面に到達すると、ストレーナ全体での圧力低下が、通常、急激に進む。
【0006】
従来技術は、捕捉した破片をより大きな面積に分布させて破片床の通過速度を低下させ、ストレーナ全体のヘッド損失をさらに低減させる目的でストレーナを大きくすることによって、上記の流遮断作用に対処しようと試みてきた。しかしながら、原子炉内での吸引ストレーナの利用可能空間は限られており、大型のストレーナは通常コストがさらにかかるため、このソリューションは普通利用できない。その結果、冷却液損失事故後に予想される破片負荷のせいで、格納領域内の割り当てられた空間には大き過ぎるストレーナが必要となるという状況がときに生じる。さらに、大型ストレーナは、作業が困難で設置に費用がかかることが多い。また、従来技術の緊急炉心冷却システムのストレーナは、高額な製造方法で作製されてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上述の需要に対処し、既存の原子力発電所ストレーナの設計が抱える多くの欠点を克服し、化学物質沈殿物形成後の中〜高繊維荷重を生じる原子力発電所のストレーナが受ける差圧を低減するのに特に適したストレーナシステムの設計を提供する。本発明の各種特徴および利点をより詳細に以下説明する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によると、原子力発電所の緊急炉心冷却システムでの使用に特に適した高効率ストレーナシステムが提供される。本発明の特定の実施形態では、ストレーナシステムは、1つまたはそれ以上のストレーナカセットまたはカートリッジを含み、各カセットまたはカートリッジは、互いに並んで配置される複数のストレーナポケットを含む。複数のカセットまたはカートリッジは共に組み立てられて、ストレーナシステムのストレーナモジュールを形成することができる。
【0009】
より具体的には、本発明の1実施形態では、各カートリッジは、略四角形構造を有し、個々のストレーナポケットがその中に含まれる。この特定の実施形態では、カートリッジの各ストレーナポケットは流入端を画定し、カートリッジのストレーナポケットの流入端は共通の方向を向く。カートリッジ内または複数のカートリッジを含むモジュール内で、ストレーナポケットのうち1つまたはそれ以上のポケットの流入端は、弾性金属膜によって包囲することができる。閉位置にあるとき、膜は、流体が流入端を介して対応するストレーナポケットに流れ込むのを防止する。膜は、低圧荷重のみが印加される際には閉じたままであるが、高圧荷重が印加されると開位置に偏向または変形される。膜が開位置に移動すると、対応するストレーナポケットが有効に開放されることによって、流体流を、流入端を介してストレーナポケットの内部に送り込むことができる。
【0010】
本発明の別の側面によると、ストレーナシステムのストレーナモジュールに含まれる上記ストレーナカートリッジは、ストレーナポケットの流入端に隣接するカートリッジの表面から延在する平坦な非有孔面板を含むことができると考えられる。延在する非有孔面板により、ストレーナポケットの流入端で形成される繊維および微粒子の破片床の縁が圧縮されて、当初は面板と面一であった関係から緩やかにカールして、その結果、面板と破片床との間に小さな流路が生成され、差圧が上昇し続けることによって流がストレーナに入りヘッド損失が低下する。流によって影響を受けるストレーナ領域が、より多くの破片、繊維、微粒子、および化学的沈殿物を受け取るにつれ、別の流路がストレーナの別の領域に開放されるまでヘッド損失が増大する。延在する面板をストレーナカートリッジと共に任意で含めることによって流路が形成されることで、ストレーナ全体の最大差圧が有効に低減され、特定の格納容器の再循環正味正吸引ヘッド要件を満たすのに必要な所要のストレーナ表面積を低減させ得る方法が提供される。
【0011】
本発明の別の実施形態によると、ストレーナカセットまたはカートリッジは略円形構造を有しており、ストレーナポケットは略円形パターンで互いに並べて配置される。この特定の実施形態では、ストレーナカートリッジのストレーナポケットのうち1つまたはそれ以上に、上述の弾性金属膜を装備することができる。さらに、積層して配置される複数の円形に構成されたストレーナカートリッジを含むストレーナモジュールが構成される場合、モジュールに含まれる1つまたはそれ以上のストレーナカートリッジのストレーナポケットの全部に弾性金属膜を装備することができると考えられる。
【0012】
本発明の別の実施形態によると、ストレーナシステムは、複数の円筒状に構成された管状主ストレーナ素子を備える。主ストレーナ素子はそれぞれ流入端を画定し、同心状に配置され、有孔金属材料でそれぞれ作製される内壁および外壁を備える。流入端は通常、主ストレーナ素子の内壁によってのみ画定される。ストレーナシステムに含まれる主ストレーナ素子のうち1つまたはそれ以上の素子の流入端は、上記弾性金属膜の機能を模倣する破裂板または分割膜によって覆うことができる。これに関連し、主ストレーナ素子のうち1つまたはそれ以上の素子の流入端を覆う破裂板または分割膜は、通常の閉位置から開位置まで移動するように動作可能であり、上記破裂板または分割膜が高圧荷重を受けるとき、主ストレーナ素子の内壁によって画定される流入端を介して、流体を主ストレーナ素子の内壁の内部に直接引き込むことができる。
【0013】
ストレーナシステムのこの特定の実施形態では、主ストレーナ素子のうち1つまたはそれ以上の素子が主ストレーナ素子の内壁内に同心状に配置される副ストレーナ素子を含むことによって、単独の主ストレーナ素子によって提供される単一円筒状ストレーナ構造とは全く異なる、二重円筒状ストレーナ構造を生成することができると考えられる。副ストレーナ素子は、主ストレーナ素子に含まれる場合、周囲の主ストレーナ素子の構造を模倣する構造を有し、流入端は上記破裂板または分割膜によって任意で覆われる副ストレーナ素子の内壁によって画定される。二重円筒状ストレーナ構造では、副ストレーナ素子がその中で同心状に配置されるため、主ストレーナ素子の内壁によって画定される流入端には、破裂板も分割膜も設けられない。
【0014】
本発明のさらに別の実施形態によると、所定の構成に共に組み立てられる複数のカセットまたはカートリッジをそれぞれが備える複数のストレーナモジュールを備えるストレーナシステムが提供される。各ストレーナモジュールの各カセットまたはカートリッジは、互いに並んで配置される複数のストレーナポケットを備え、各ストレーナポケットは上述の構造上の特性を有するが、どのストレーナポケットも、上述の弾性金属膜によって包囲されない。本発明のこの特定の実施形態により構成されるストレーナシステムでは、ストレーナモジュールの「クリーンな」側が、流体結合される吸引ポンプを有するプレナムダクトによって互いに流体接続される。ストレーナモジュールのうちの1つを、ストレーナシステムに含まれる残りの稼働中のストレーナモジュールから有効に隔離するように配置される圧力解放膜(PRM)が、プレナムダクトに組み込まれる。圧力解放膜は、プレナムダクト全体の圧力が所定の閾値を超えて増大するとき、隔離されたストレーナモジュールの始動を促進するように独自に構成される。このようなプレナムダクト内での圧力増大は通常、ストレーナシステムの当初稼働中のストレーナモジュール全体のヘッド損失の結果として生じ、このヘッド損失の増大は、ストレーナモジュール上の沈殿物形成が原因である。
【0015】
プレナムダクト内に圧力解放膜を含むストレーナシステムの実施形態では、当初から隔離されるストレーナモジュールの始動が、最初の閉位置から開位置への圧力解放膜の移動によって促進される。圧力解放膜が閉位置にあるとき、圧力解放膜は、隔離されたストレーナモジュールと流体連通するプレナムダクトの部分を、当初稼働中のストレーナモジュールおよび吸引ポンプと流体連通するプレナムダクトの残りの部分から有効に遮断する。上述したように、当初稼働中のストレーナモジュールと流体連通するプレナムダクトの部分内の吸引圧力が所定の閾値を越えて増大することで、閉位置から開位置への圧力解放膜の移動が促進され、当初稼働していないストレーナモジュールと流体連通するプレナムダクトの部分を、プレナムダクトの残りの部分と流体連通させる。次いで、このような流体連通により、作動する吸引ポンプは、ストレーナシステムの予め隔離され現在は稼働中のストレーナモジュールを介して、流体を有効に引き込むことができる。
【0016】
本発明は、以下の詳細な説明を添付図面と併せて参照することによって最も適切に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明のこれらの、およびその他の特徴は、図面を参照することでより自明となるであろう。
【図1】従来技術のストレーナカセットまたはカートリッジの前透視図である。
【図2】図1に示される従来技術のストレーナカートリッジの後透視図である。
【図3】本発明の第1実施形態によって構成される複数のストレーナカートリッジを含むストレーナモジュールの前透視図である。
【図4】図3に示されるストレーナモジュールの対向対を含む例示のストレーナシステムの断面図である。
【図5】図4に示される包囲領域5の拡大図である。
【図6】本発明の第2実施形態によって構成されるストレーナモジュールの透視図である。
【図7】図6の線7−7に沿った断面図である。
【図8】図7に示される包囲領域8の拡大図である。
【図9】本発明の第3実施形態によって構成されるストレーナモジュールの透視図である。
【図10】本発明の第4実施形態によって構成されるストレーナモジュールの透視図である。
【図11】図10に示される包囲領域11の拡大図である。
【図12】本発明の別の実施形態により構成され、そのプレナムダクトに組み込まれる圧力解放膜を含むストレーナシステムの概略図である。
【図13】閉位置から開位置への圧力解放膜の移動を仮想線でさらに示す、図12に示される包囲領域13の拡大図である。
【図14】図13の線14−14に沿ったストレーナシステムの圧力解放膜の前立面図である。
【図15A】図12に類似する概略図であるが、閉位置から開位置へのその圧力解放膜の始動を簡易化する機能の各段階で、図12に示されるストレーナシステムを示す。
【図15B】図12に類似する概略図であるが、閉位置から開位置へのその圧力解放膜の始動を簡易化する機能の各段階で、図12に示されるストレーナシステムを示す。
【図15C】図12に類似する概略図であるが、閉位置から開位置へのその圧力解放膜の始動を簡易化する機能の各段階で、図12に示されるストレーナシステムを示す。
【0018】
図面および詳細な説明全体で共通の参照符号は、類似の構成要素を指す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明を限定するためではなく、単に本発明の好適な実施形態を例示するために示される図面を参照すると、図1および2は既存の従来技術のストレーナカセットまたはカートリッジ10を示している。カートリッジ10は略四角形構造を有する。図1および2に示される視点から見ると、カートリッジ10は、互いに間隔をおいて略平行に延在する対向対の側壁12、側壁12の上縁間を延在する上壁14、側壁12の下縁間を上壁14と間隔をおいて略平行に延在する下壁16、および側壁12の後縁間および上壁および下壁14、16の後縁間を延在する後壁18を含む。ストレーナカートリッジ10では、側壁、上壁、下壁、および後壁12、14、16、18は、それぞれ有孔金属材料で作製される。
【0020】
ストレーナカートリッジ10は、図1および2に示される視点から見ると、所定の構成で側壁、上壁、下壁、および後壁12、14、16、18の間で水平および垂直に配向される複数の分離板20をさらに備える。より具体的には、分離板20は、側壁、上壁、下壁、および後壁12、14、16、18と共にストレーナカートリッジ10内の複数のストレーナポケット22をまとめて画定するように配置される。図1および2に示される例示のストレーナカートリッジ10では、計8つのストレーナポケット22がストレーナカートリッジ10に含まれ、ストレーナポケット22は、2つの並列する縦列がそれぞれ4つのストレーナポケット22を含むように配置される。側壁、上壁、下壁、および後壁12、14、16、18と同様、各分離板20は有孔金属材料で作製される。
【0021】
図4および5に最も良く示されるように、ストレーナカートリッジ10に含まれる水平に配向される分離板20は、好ましくは、各ストレーナポケット22に対して略放物線状の構成になるように形成される。この関連で、各ストレーナポケット22は、側壁、上壁、下壁、および後壁12、14、16、18の前縁と分離板20の前縁とに開放流入端24を含む。流入端24に加えて、各ストレーナポケット22は、ストレーナカートリッジ10の後壁18に隣接して配置される円弧状の凹状後端26を含む。
【0022】
より詳細に以下説明すると、本発明によると、ストレーナカートリッジ10には、その機能、ひいては1つまたはそれ以上の強化ストレーナカートリッジを含むように組み立てられるストレーナモジュールの機能を強化する追加の構造上の特徴が設けられる。図3は、互いに並べて複数のストレーナカートリッジを配置することによって組み立てられる例示のストレーナモジュール28を示す。図3に示される例示のストレーナモジュール28では、計7つのストレーナカートリッジが含まれ、3つのストレーナカートリッジが「強化」されている。明瞭化のため、本発明により構成される「強化」ストレーナカートリッジは、従来技術のストレーナカートリッジ10と区別するために、図3および4では参照符号「10a」で表示する。ストレーナモジュール28に含まれる残りの4つのストレーナカートリッジは、上述した従来技術の非強化ストレーナカートリッジ10である。当業者であれば、1つまたはそれ以上の強化ストレーナカートリッジ10aと1つまたはそれ以上の標準的ストレーナカートリッジ10とが、任意の組み合わせで組み立てられることを認識するであろう。3つのストレーナカートリッジ10aと4つのストレーナカートリッジ10による上述の構成は、単に例示である。
【0023】
図3に示されるストレーナモジュール28を形成するように組み立てられる際、ストレーナカートリッジ10、10aは、ストレーナポケット22によって画定される流入端24が共通方向を向くように配置される。ストレーナモジュール28がストレーナシステムに組み込まれると、吸引プレナムは、ストレーナカートリッジ10、10aの後壁18によってまとめて画定されるストレーナモジュール28の後壁間に画定される。吸引プレナムはポンプに流体結合され、ポンプが始動されると、流体がストレーナカートリッジ10、10aのストレーナポケット22の流入端24に引き込まれ、その後ストレーナカートリッジ10、10aのストレーナポケット22を通って吸引プレナムに引き込まれる差圧状態の結果として、吸引プレナム内で吸引が発生する。認識されるように、ストレーナモジュール28のストレーナカートリッジ10、10aを通る流は、ストレーナカートリッジ10、10aが上述の有孔金属材料で作製される結果、達成される。
【0024】
図4は、第2のストレーナモジュール29と対を成す図3に示されるストレーナモジュール28を含む例示のストレーナシステム30を示す。ストレーナモジュール29は、ストレーナモジュール28と実質上同一であり、唯一の差異は、標準的ストレーナカートリッジ10のみで組み立てられることである(すなわち、計7つのカートリッジ10が互いに並んで配置される)。例示のストレーナシステム30では、ストレーナモジュール28、29は、互いに間隔をおいて背中合わせに配向されており、吸引プレナム32は、ストレーナモジュール28、29の後壁間に画定される。認識されるように、例示のストレーナシステム30では、吸引プレナム32に流体結合されるポンプを始動することによって、流体が、対向するストレーナモジュール28、29のそれぞれのストレーナカートリッジ10、10aのストレーナポケット22の流入端24に有効に引き込まれ、この流体は、最終的にストレーナカートリッジ10、10aを通過して吸引プレナム32に入る。繰り返すが、図3に示されるストレーナモジュール28の構造および図4に示されるストレーナシステム30の構造は単に例示を目的としており、本発明は主に、強化ストレーナカートリッジ10aの作製を簡易化するためにストレーナカートリッジ10に追加される構造上の特徴に関連する。これらの構造上の特徴および強化について、特に図4および5を参照して以下説明する。
【0025】
図4および5を参照すると、本発明に従い、例示のストレーナモジュール28に含まれる各ストレーナカートリッジ10aのストレーナポケット22のうち1つまたはそれ以上に、閉位置と開位置との間で選択的に移動可能な膜34が装備されると考えられる。図4に示される例示のストレーナシステム30では、ストレーナシステム30に含まれるストレーナモジュール28の所定数のストレーナポケット22にそれぞれ、膜34が装備される。各膜34は、好ましくは弾性金属材料で作製され、接合部36で対応するストレーナポケット32に旋回可能に接続される。各膜34は、対応するストレーナポケット22の流入端24に配置され、流入端24をほぼ覆うような寸法に設定される。さらに、図5に示されるように、膜34を装備した各ストレーナポケット22は、好ましくは、接合部36に対向して搭載される膜ストッパ38をさらに備える。これに関連し、接合部36から最も遠くに配置される膜34の縁は通常、膜34が閉位置にあるとき、対応する膜ストッパ38に当接する。
【0026】
上述したように、ストレーナモジュール28の1つまたはそれ以上のストレーナカートリッジ10a内で、1つまたはそれ以上のストレーナポケット22の流入端24は、弾性金属膜34で包囲することができる。図4および5に示される閉位置において、膜34は、流体が流入端24を介して対応するストレーナポケット22に流れ込むのをほぼ防止する。膜34は、対応する膜ストッパ38に対して1つの縁を当接することによって通常は閉位置に維持され、低圧荷重のみが印加されるときはこの閉位置を保つ。しかしながら、膜34に高圧荷重を印加することで、図5の仮想線によって示されるように、開位置への撓みと変形とが有効に促進される。図5から明らかなように、膜34の撓みまたは変形のレベルは、膜が対応する膜ストッパ38を超えて移動し、対応する膜ストッパ38から有効に分離されるのに十分でなければならない。いったん膜34が対応する膜ストッパ38から分離すると、上記膜34は完全開位置まで自由に接合部36を中心に回転または旋回する。膜34が開位置まで移動すると、対応するストレーナポケット22が有効に開放されて、流体流が、現在妨害されていない流入端24を介して上記ストレーナポケット22の内部に流れ込むことができる。膜34を装備したそれらのストレーナポケット22は、圧力制御ポケットすなわちPCPと称することができる。
【0027】
ストレーナカートリッジ10aを含む例示のストレーナモジュール28内で、ストレーナカートリッジ10aに含まれるストレーナポケット22の約5%に膜34を装備し、PCPとして機能させるとする。その結果、ストレーナモジュール28のストレーナカートリッジ10aに含まれるストレーナポケット22の約95%は、膜34なしで開放される。膜34を含むそれらのストレーナポケット22の分布に関しては、事故の際に破片がストレーナモジュール28に近づく段階で、上記PCPを「クリーン」に保つべきであると考えられる。したがって、膜34を装備するストレーナポケット22は、ストレーナシステム全体内のストレーナモジュール28の死水域に設置または配置することが望ましい。通常、この死水域は、ストレーナモジュール28の中央部および/または破片が通常格納容器に入る反対の位置であり得る。事故発生時にストレーナモジュール28が使用中であるとき、膜34を装備するストレーナポケット22は同時には開放されず、必要に応じて順次開放されて、ストレーナモジュール28を通って循環する破片を伴う水中の化学作用に対処すると考えられる。PCPの順次開放は、ストレーナモジュール28上に形成される破片域によって印加される圧力が上記高圧閾値を超える際に、通常は発生し、有効に制御されるヘッド損失の低減を促進し、目詰まりによるヘッド損失の「急増」をさらに回避する。
【0028】
さらに図3および4に示されるように、各ストレーナカートリッジ10aに1つまたはそれ以上のPCPを設ける結果として例示のストレーナモジュール28が得る機能上の利点は、ストレーナカートリッジ10、10aによって画定されるストレーナポケット22の流入端24に隣接するストレーナモジュール28の所定の面から延在する平坦な非有孔面板40をさらにストレーナモジュール28に装備することによって一層強化することができる。より具体的には、図3に最も良く示されるように、例示のストレーナモジュール28は、ストレーナモジュール28に含まれるストレーナカートリッジ10、10aの上壁および下壁14、16および分離板20のうち対応する部分の前縁に装着される複数の延在する面板40を含む。面板40は、2つの略四角形(たとえば、矩形)フレームを画定するように配置される。図3に示されるように、面板40によって画定される2つの四角形フレームは、互いに間隔をおいて略平行に延在する。面板40が上壁および下壁14、16と分離板20との前縁に装着されるため、それによって画定されるフレームは、所定数のストレーナポケット22の流入端24を有効に包囲し、該ポケットの1つまたはそれ以上に、上記PCPとして機能するように膜34を装備することができる。当業者であれば、図3に示される面板40の特定の配置は単に例示であり、面板40の数、寸法、および配置は、面板40を装備したストレーナモジュール28が組み込まれるストレーナシステムの具体的な環境または構造に基づいて後述の強化機能を提供するため、必要に応じて選択的に変更することができると認識するだろう。
【0029】
上述したように、面板40は、面板40によって画定される2つの四角形フレームが所定数のストレーナポケット22の流入端24を有効に包囲するように、ストレーナモジュール28から前方へ延在する。図4に示されるように、例示のストレーナシステム30では、ストレーナモジュール29が強化ストレーナカートリッジ10aを含むように組み立てられていないが、上記ストレーナモジュール29にも、ストレーナモジュール28に関連して上述したのと同じパターンでストレーナモジュール29上に配置された上記面板40が装備されている。この関連で、ストレーナモジュール28上に面板40を含めることによる機能上の利点は、いずれのPCPもその中に存在しないにもかかわらず、ストレーナモジュール29にも同等に当てはまる。ストレーナモジュール29と共に含まれるとき、面板40によって画定された、間隔をおいて略平行に配置される四角形フレームの対がストレーナモジュール29の所定数のストレーナポケット22の流入端24を包囲するように、面板40は、ストレーナモジュール29から前方へ突出する。
【0030】
さらに図4から明らかなように、ストレーナモジュール28、29と共に含まれる面板40によって、ストレーナポケット22の流入端で形成され得る繊維と微粒子の破片床42の縁が圧縮されて、面板40の内表面との最初の面一の関係から緩やかにカールする。この破片床42のカールの結果、面板40の内表面と破片床42との間に小さな流路が生成されるため、差圧状態が進んでストレーナモジュール28、29を通る流体流を促進させ、ヘッド損失を低減させる。ストレーナモジュール28、29と共に面板40を含めることから生じるこれらの流路の形成は、ストレーナモジュール28、29全体の最大差圧を有効に低減させる。当業者であれば、面板40を一方または両方に含めてもよいし、または含めなくてもよいと認識するだろう。この関連で、ストレーナモジュール28、29の一方または両方に面板40を含めることは完全に任意である。
【0031】
図6〜8を参照すると、本発明の第2実施形態により構成されるストレーナモジュール100が示されている。ストレーナモジュール100は、軸方向に延在するプレナム部104を画定する、略円筒状の管状本体部102を備える。互いに間隔をおいて略平行に配置される複数の円形構造の分離板106が、本体部102の外表面から放射方向に延在している。図6には示されていないが、本体部102は、内部に形成された開口部を含み、吸引プレナム104に流体結合されるポンプの始動による差圧状態の生成時、分離板106間を流れる流体がその開口部を介して吸引プレナム104に引き込まれる。
【0032】
ストレーナモジュール100は、所定の隣接対の分離板106間に配置される少なくとも1つの円形構造のストレーナカートリッジ108をさらに備える。ストレーナカートリッジ108は、ストレーナカートリッジ108の複数のストレーナポケット112をまとめて画定するように互いに配置され付着される複数の壁部材110を備える。図6および7に示されるストレーナカートリッジ108では、計10のストレーナポケット112がストレーナカートリッジ108に含まれ、ストレーナポケット112は円形構造のアレイ状に配置される。ストレーナカートリッジ108の壁部材110はそれぞれ、好ましくは有孔金属材料で作製される。
【0033】
ストレーナモジュール100に含まれるストレーナカートリッジ108では、各ストレーナポケット112は、対応する壁部材110の周縁によって画定される開放流入端114を含む。よって、図6および7に示されるように、ストレーナポケット112の流入端114は、本体部102によって画定される吸引プレナム104に対して放射方向外側に向けられる、または対面する。ストレーナカートリッジ108では、各ストレーナポケット112に、好ましくは、上記膜34の機能を模倣する膜116が装備される。この関連で、各膜116は、好ましくは弾性金属材料で作製され、接合部118で対応するストレーナポケット112に旋回可能に接続される。各膜116は、対応するストレーナポケット112の流入端114に配置され、上記流入端114をほぼ覆うような寸法に設定される。図7に最もよく示されるように、各ストレーナポケット112には、接合部118に対向して搭載される膜ストッパ120がさらに装備される。この関連で、膜116が閉位置にあるとき、接合部118から最も遠くに配置される膜116の縁は通常、対応する膜ストッパ120に当接する。
【0034】
ストレーナカートリッジ108では、閉位置にあるとき、各膜116は、流体が流入端114を介して対応するストレーナポケット112に流れ込むのをほぼ防止する。各膜116は、その1つの縁と対応する膜ストッパ120との当接によって閉位置に通常は維持され、低圧荷重のみが印加されるときには上記閉位置に保たれる。しかしながら、膜116への高圧荷重の印加によって、図8に含まれる仮想線で示されるように開位置への撓みまたは変形が促進される。図8から明らかなように、膜116の撓みまたは変形のレベルは、該膜6が対応する膜ストッパ120を超えて移動し、対応する膜ストッパ120から分離するのに十分でなければならない。いったん膜116が対応する膜ストッパ120から分離すれば、上記膜116は完全開位置まで接合部118を中心に自由に回転または旋回する。膜116が開位置に移動することで、対応するストレーナポケット112が有効に開放されることによって、流体流が、現在は妨害されていない流入端114を介して上記ストレーナポケット112の内部に流れ込むことができる。
【0035】
図7では、ストレーナカートリッジ108に含まれる各ストレーナポケット112に膜116が装備されるように示されているが、当業者であれば、総数よりも少ない任意の数のストレーナポケット112に任意の分布または配置で膜116を装備することができると認識するだろう。さらに、本発明の精神および範囲を逸脱せずに、ストレーナカートリッジ108は、10よりも多いまたは少ないストレーナポケット112を含むように組み立てることができる。さらに、ストレーナモジュール100は、隣接対の分離板106間に1つのみのストレーナカートリッジ108を含むように示されているが、当業者であれば、ストレーナモジュール100において、1つまたはそれ以上のその他の隣接対の分離板106間に1つまたはそれ以上の追加のストレーナカートリッジ108を含むことができると認識するだろう。ストレーナカートリッジ108内では、膜116を装備したストレーナポケット112は同時には開放されず、必要に応じて順次開放されてストレーナモジュール100を通って循環する破片を伴う水中の化学作用に対処すると考えられる。膜116の順次開放は通常、ストレーナモジュール28に関して上述したように、ストレーナモジュール100に形成される破片域によって印加される圧力荷重が所定の高圧閾値を越えたときに発生する。
【0036】
図9を参照すると、本発明の第3実施形態により構成されるストレーナモジュール200が示されている。ストレーナモジュール100と200との唯一の差異は、ストレーナモジュール100に含まれる上記分離板106の円形構造とは全く異なり、ストレーナモジュール200に含まれる分離板206が、略四角形(たとえば正方形)構造を有する点である。
【0037】
図10および11を参照すると、本発明の第4実施形態により構成されるストレーナモジュール400が示されている。ストレーナモジュール400は、略四角形の断面構造を有する本体部402を備え、吸引プレナム404を画定する。互いに間隔をおいて略平行に配置され、それぞれ吸引プレナム404と流体連通する複数の(たとえば4つの)円筒状に構成された管状主ストレーナ素子406が、本体部402の共通壁に装着され、そこから突出している。各主ストレーナ素子406は、流入端408を画定し、同心状に配置される外壁および内壁410、412を備える。外壁および内壁410、412はそれぞれ、有孔金属網状材料で作製される。流入端408は通常、主ストレーナ素子406の内壁412によってのみ画定される。
【0038】
例示のストレーナモジュール400では、主ストレーナ素子406のうちの1つの流入端408が、上記膜34、116の機能を模倣する破裂板または分割膜414によって覆われる。この関連で、分割膜414は、通常の閉位置(図10および11に示される)から開位置に移動するように動作可能であり、上記分割膜414が所定の閾値を超える高圧荷重を受けるとき、主ストレーナ素子の内壁によって画定される流入端408を介して流体流を対応する主ストレーナ素子406の内壁412の内部へと直接引き込むことができる。分割膜414は略円形構造を有し、互いに対して個々に移動可能である4つの膜四分円を画定する。
【0039】
図10および11に示されるストレーナモジュール400では、主ストレーナ素子406のうち1つまたはそれ以上が、主ストレーナ素子406の内壁412内に同心状に配置される副ストレーナ素子416を含むことによって、単独の主ストレーナ素子406によって提供される単一円筒状ストレーナ構造とは全く異なる、二重円筒状ストレーナ構造を生成することができると考えられる。副ストレーナ素子416は、流入端418を画定し、同心状に配置された外壁および内壁420、422を備える。外壁および内壁420、422はそれぞれ、有孔金属網状材料で作製される。流入端418は通常、副ストレーナ素子416の内壁420のみによって画定される。
【0040】
第2のストレーナモジュール416では、流入端418は、上記分割膜414の機能を模倣する破裂板または分割膜424によって覆われる。この関連で、分割膜424は、通常の閉位置(図10および11に示されるように)から開位置へと移動するように動作可能であり、上記分割膜424が所定の閾値を超える高圧荷重を受けると、副ストレーナ素子の内壁によって画定される流入端418を介して流体流を副ストレーナ素子416の内壁422の内部へと直接引き込むことができる。分割膜424は略円形構造を有し、互いに対して個々に移動可能である4つの膜四分円を画定する。
【0041】
例示のストレーナモジュール400がストレーナシステムに組み込まれると、吸引プレナム404に流体結合されるポンプの始動による差圧状態の生成によって、流体が、主ストレーナ素子406および単独の副ストレーナ素子416を通じて吸引プレナム404に引き込まれる。ストレーナモジュール400内では、分割膜414、424は同時には開放されず、必要に応じて順次開放されてストレーナモジュール400を循環する破片を伴う水中の化学作用に対処すると考えられる。ストレーナモジュール28に関連して上述したように、分割膜414、424の順次開放は通常、ストレーナモジュール400を形成する破片域によって印加される圧力荷重が所定の高圧閾値を超える場合に発生する。
【0042】
当業者であれば、本発明の精神および範囲から逸脱せずに、4つよりも多いまたは少ない主ストレーナ素子406をストレーナモジュール400に含めることができることを認識するだろう。これに沿って、2つ以上の主ストレーナ素子406に、分割膜414を装備する、または自身の分割膜424を含む上記副ストレーナ素子416を装備することができる。さらに、主ストレーナモジュール406に必ずしも副ストレーナ素子416を装備する必要はない。
【0043】
図12〜15Cを参照すると、本発明の別の実施形態により構成されるストレーナシステム500が示されている。ストレーナシステム500は、所定の構成で配置される複数のストレーナモジュール528を備える。ストレーナシステム500では、各ストレーナモジュール528は、互いに並んで配置される複数の上記ストレーナカートリッジ10を備える。より具体的には、図12に示される各ストレーナモジュール528では、計9つのストレーナカートリッジ10が含まれている。しかしながら、当業者であれば、本発明の精神および範囲を逸脱せずに、各ストレーナモジュール528が、9つよりも多いまたは少ないストレーナカートリッジ10を含むように組み立てることができると認識するだろう。ストレーナシステム500では、そこに含まれるどのストレーナモジュール528も、上記強化ストレーナカートリッジ10aを含まないと考えられる。むしろ、上述したように、各ストレーナモジュール528は、上述の非強化ストレーナカートリッジ10のみを含むように組み立てられると考えられる。
【0044】
図12および15A〜15Cに示される視点から見ると、ストレーナシステム500では、間隔をおいて配置される略平行の2列に各4つずつのストレーナモジュール528、すなわち計8つのストレーナモジュール528が配置される。より具体的には、各列の各ストレーナモジュール528の後壁は、残りの列に含まれるストレーナモジュール528のうち対応するモジュールの後壁に対して間隔をおいて背中合わせに配向され、計4つの対向対のストレーナモジュール528を生成する。さらに、ストレーナモジュール528は、1列または1セットに含まれるストレーナカートリッジ10のストレーナポケット22の流入端24が、共通の第1の方向D1を向き、残りの列またはセットのストレーナカートリッジ10のストレーナポケット22の流入端24が、方向D1と反対または対向する共通の方向D2を向くように配置される。ストレーナシステム500は、計8つの(8)ストレーナモジュール528を含むように図示されているが、当業者であれば、この総数は単に例示であり、本発明の精神と範囲を逸脱せずに増減させることができると認識するだろう。
【0045】
さらに図12に示されるように、2列または2セットのストレーナカートリッジ528がストレーナシステム500内に配置されるため、細長吸引プレナムダクト502は、(ストレーナカートリッジ10の後壁18によってまとめて画定される)ストレーナモジュール528の後壁によって部分的に画定される。ストレーナモジュール528の後壁によって部分的に画定されることに加えて、プレナムダクト502は、ダクト壁506の様々な区分や部分によっても部分的に画定される。よって、ストレーナシステム500では、各ストレーナモジュール528のストレーナカートリッジ10の後壁18が、プレナムダクト502と流体連通する。プレナムダクト502は、吸引ポンプ504にも流体結合される。始動されると、吸引ポンプ504は、流体が、ストレーナモジュール528に含まれるストレーナカートリッジ10のストレーナポケット22の流入端24に引き込まれ、その後ストレーナポケット22を通ってプレナムダクト502に至る差圧状態の結果として、プレナムダクト502内の吸引を生成する。
【0046】
図12〜14に最もよく示されるように、ストレーナモジュール528の1つの対向対が、ストレーナシステム500に含まれる「稼働中の」ストレーナモジュール528の残りの3つの対応対から当初「隔離」されると考えられる。図12および15A〜15Cに示される視点から見ると、隔離される対のストレーナモジュール528は、ストレーナシステム500に含まれる一連のストレーナモジュール528の後端に配置される対である。しかしながら、当業者であれば、ストレーナモジュール528の隔離される対は、あるいは、ストレーナシステム500に含まれる一連のストレーナモジュール528の反対の前端に配置される対であってもよいことを認識するだろう。
【0047】
ストレーナシステム500では、1対のストレーナモジュール528の、残りの稼働中の対のストレーナモジュール528からの隔離は、プレナムダクト502の内部の所定位置に圧力解放膜すなわちPRM534を組み込むことによって簡易化される。図12に示されるように、PRM534は、一連のモジュールの後端にあるストレーナモジュール528の対と、ストレーナシステム500の残りを備えるストレーナモジュール528との間に位置するプレナムダクト502の部分に配置される。PRM534は、閉位置(図13の実線で示される)と開位置(図13の仮想線で示される)との間で選択的に移動可能である。PRM534は、好ましくは弾性金属材料で作製され、上述したように、プレナムダクト502を部分的に画定するダクト壁506に旋回可能に接続される。より具体的には、PRM534は、ヒンジ接合部536でダクト壁506に旋回可能に接続される。PRM534は、PRM534が配置される位置でプレナムダクト502の断面領域を完全に覆うような寸法に設定される。よって、PRM534が閉位置にあるとき、プレナムダクト502は、稼働中のストレーナモジュール528の後壁の間に延在し吸引ポンプ504と流体連通する第1の部分と、隔離されたストレーナモジュール528の後壁間に延在する第2の部分とに有効に分離される。
【0048】
さらに図13に示されるように、ダクト壁506には、接合部536に略対向して配置される第1の膜ストッパバー538が装着される。この関連で、PRM534が最初の閉位置にあるとき、接合部536から最も遠くに配置されるPRM534の縁は通常、ストッパバー538と当接する。よって、ストッパバー538は、プレナムダクト502の上述の隔離されていない第1の部分に配置される。ストッパバー538と近接するダクト壁506には、ストッパバー538に対して間隔をおいて略平行に配置される第2の膜ストッパバー539も装着される。しかしながら、図13に示されるように、ストッパバー539は、プレナムダクト502の隔離された第2の部分に配置される、すなわち、ストッパバー538、539は、PRM534が閉位置にあるときに、PRM534の対向側に配置される。
【0049】
本発明のストレーナシステム500の構造上の特徴を説明してきたが、特に図15A、15B、および15Cを参照してその機能を以下説明する。図15Aを参照すると、仮想冷却液損失事故の発生時、繊維と微粒子を伴う冷却液が、ストレーナシステム500のストレーナモジュール528に接触する。しかしながら、この破片は、ストレーナシステム500の稼働中のストレーナモジュール528上に堆積する。この関連で、吸引ポンプ504の始動にもかかわらず、PRM534が最初の閉位置にあるときには、流体は、隔離されたストレーナモジュール528を通って引き込まれない。言い換えると、PRM534を開放しないと、後壁間に延在するプレナムダクト502の第2の部分内の吸引圧力の不在により、隔離されたストレーナモジュール528には流体が流れない。
【0050】
図15Bを参照すると、時間の経過で冷却水が冷却されると、上記化学作用が開始される。これに関連し、冷却液が十分に冷たいと沈殿物が形成され、その沈殿物は、稼働中のストレーナモジュール528上の緊密な層として堆積される。上述したように、これらの沈殿物の堆積は、稼働中のストレーナモジュール528全体のヘッド損失を大幅に増大させ、繊維と微粒子は、稼働中のストレーナモジュール528のストレーナカートリッジ10のストレーナポケット22内へと圧縮される。
【0051】
図15Cを参照すると、ストレーナポケット22への繊維と微粒子の圧縮の結果、プレナムダクト502の隔離されていない第1の部分の圧力が増大し続け、最終的にPRM534にとってのトリガポイントに達する。トリガポイントで、PRM534は、最初の閉位置から開位置へと作動または湾曲される。PRM534の開口の結果、予め隔離されたモジュール528は、今や自由になり稼働状態となる。沈殿物を伴う冷却水は、予め隔離され現在は解放されているストレーナモジュール528を通って濾過される。このような流により、プレナムダクト502内の圧力は、沈殿物が反応して高密度の床を形成し得る新たに始動されたモジュール528上の繊維がなくなるため、急速に低い値まで低下する。ストレーナシステム500では、上述の第1の膜ストッパバー538は、閉位置においてPRM534を正常に維持し、所定の吸引荷重の印加時にPRM534を開位置に撓ませるように寸法を設定され構成される。第2の膜ストッパバー539は、地震の結果としてPRM534が開位置を取るのを防ぐために使用される。
【0052】
上述のストレーナシステム500になし得る各種変更は、本発明の精神および範囲に属すると考えられる。たとえば、当初稼働中であっても隔離されていても、ストレーナモジュール528のいずれにも、非強化ストレーナカートリッジ10を単独で含む代わりに、1つまたはそれ以上の上記強化ストレーナカートリッジ10aを任意で装備することができる。同様に、ストレーナモジュール528のいずれにも、当初稼働中であっても隔離されていても、上記面板40を任意で装備することができると意図される。さらに、当初隔離されたストレーナモジュール528が、図12および15A〜15Cでは当初稼働中のストレーナモジュール528に比較的近接して配置されるように示されているが、当初隔離されているストレーナモジュール528は、当初稼働中のストレーナモジュール528と大きく離して配置することもできると考えられる。さらに、ストレーナシステム500に含まれる一連のストレーナモジュール528の1端で1対のストレーナモジュール528のみが当初隔離されているように図示されているが、ストレーナシステム500に含まれる一連のストレーナモジュールの2つの対向端のそれぞれに配置されるストレーナモジュール528の対が当初隔離されている、すなわち2つのPRM534が当初、ストレーナシステム500のプレナムダクト502に組み込まれると考えられる。最後に、上記PRM534は、上記分割膜414の機能を模倣する破裂板または分割膜で置き換えることができると考えられる。
【0053】
本開示は、本発明の例示の実施形態を提示する。本発明の範囲は、これらの例示の実施形態によって制限されない。構造、大きさ、材料の種類、製造工程の変形など、明細書によって明示される、あるいは示唆される多数の変形は、本開示を検討する当業者によって実行可能である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、概してストレーナ装置、特に、圧力解放膜が複数のストレーナモジュールの「クリーンな」側でプレナムダクトに組み込まれるストレーナシステムに関する。圧力解放膜は、ストレーナシステムのストレーナモジュールのうち1つを残りの稼働中のストレーナモジュールから隔離し、そして、沈殿物形成の原因となる、最初から稼働中のストレーナモジュール全体のヘッド損失の増大の結果として、プレナムダクト全体の圧力が所定の閾値を越えて増大する際に、隔離されたストレーナモジュールを有効に始動させるように動作する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所は通常、事故の際に大量の冷却水を危険な原子炉領域に循環させる緊急炉心冷却システムを含む。沸騰水型原子炉すなわちBWRは通常、冷却液の損失事故の際に、サプレッションプールとして知られる1つまたはそれ以上の貯水槽から水を引き込む。より具体的には、水がサプレッションプールから炉心に送り出され、その後、閉ループでサプレッションプールへと戻るように循環される。冷却液損失事故は、大量の固形物を冷却水に導入する原子炉部品の故障を含む可能性があり、冷却水が固形物を含んだままサプレッションプールへと戻る。たとえば、高圧パイプの破裂から冷却液損失事故が生じた場合、大量の断熱材、コンクリート、塗料片、およびその他の破片が冷却水に閉じ込められることがある。
【0003】
BWRとは異なり、加圧水型原子炉すなわちPWRは通常、冷却液損失事故の後、原子炉貯水タンクから冷却水を引き込み、信号の後、貯水タンクからの流を遮断して、この水を原子炉内で再循環させる。これに関連し、加圧水型原子炉は、事故の発生によって浸水するまでは乾燥した格納領域を有し、緊急炉心冷却システムは、格納領域の汚水だめに接続されるポンプを用いて水を原子炉に循環させる。にもかかわらず、事故の際に送り出される水も通常、断熱材、塗料片、および微粒子などの同伴固形物を含む。よって、いずれの種類の原子炉(すなわち、沸騰水型原子炉と加圧水型原子炉)でも、冷却水は貯水槽から引き込まれ、炉心に送り出され、同伴固形物または破片が水と共に循環されれば、緊急炉心冷却システムポンプを害し、損傷を負わせる可能性がある。
【0004】
緊急炉心冷却システムの冷却水中に同伴固形物または破片が存在する結果起こり得る問題を認識し、従来技術においては、冷却液流路内のストレーナをポンプの上流に、通常は冷却水槽内に沈めて配置することが既知である。これらのストレーナでは、冷却液流を過度に遅延させずに許容しがたい多量の固形物を除去できることが極めて重要である。この関連で、ストレーナ全体の圧力(ヘッド)損失を最小限に維持させなければならない。ストレーナは通常、緊急炉心冷却システムの一部であり、サプレッションプールまたは汚水だめまで延在するパイプに搭載され、緊急炉心冷却システムポンプは、ストレーナを通じて水を引き出して炉心へと導入する。所望の冷却液流を得るためストレーナ全体のヘッド損失を低減するために、従来技術ではストレーナの設計に多大な努力を投じてきた。既存のストレーナは、一連の積層された有孔中空ディスクまたは平坦な有孔板と、緊急炉心冷却システムポンプによって水を引き出す中心コアとを含んでいることが多い。有孔ディスクまたは板は、所与の寸法よりも大きな破片がストレーナ穿孔を通過しポンプに至るのを防止する。
【0005】
上記のことから明らかなように、大量の繊維物質が、原子炉事故の際に、循環する冷却水に混入する可能性がある。この繊維物質は、上述の冷却液損失事故の際に損傷を負った原子炉パイプやその部品の絶縁材から生じて緊急炉心冷却システムの冷却液流に進入することが多く、通常はストレーナ表面に堆積して、流内の微粒子を捕獲する。結果として生じるストレーナ表面上の繊維状破片床は、捕捉された微粒子がストレーナ穿孔を通過するほど小さい場合であっても、ストレーナを通る流を迅速に遮断する可能性がある。より具体的には、ストレーナが繊維および微粒子破片床に完全に覆われるまで、破片は綿毛状に密集してストレーナ内およびストレーナ上に堆積する。いったんこれが生じると、ストレーナはその複雑な形状の表面の利点を失い、単純なストレーナとなる。数時間から数日後、いくらかの破片が、通常、溶液に溶けて格納容器内の化学物質と相互作用する。同時に、格納容器の温度は低下する傾向にある。この現象により、生成される化学的沈殿物は最終的にストレーナへと向かう。いったん沈殿物がストレーナ表面に到達すると、ストレーナ全体での圧力低下が、通常、急激に進む。
【0006】
従来技術は、捕捉した破片をより大きな面積に分布させて破片床の通過速度を低下させ、ストレーナ全体のヘッド損失をさらに低減させる目的でストレーナを大きくすることによって、上記の流遮断作用に対処しようと試みてきた。しかしながら、原子炉内での吸引ストレーナの利用可能空間は限られており、大型のストレーナは通常コストがさらにかかるため、このソリューションは普通利用できない。その結果、冷却液損失事故後に予想される破片負荷のせいで、格納領域内の割り当てられた空間には大き過ぎるストレーナが必要となるという状況がときに生じる。さらに、大型ストレーナは、作業が困難で設置に費用がかかることが多い。また、従来技術の緊急炉心冷却システムのストレーナは、高額な製造方法で作製されてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上述の需要に対処し、既存の原子力発電所ストレーナの設計が抱える多くの欠点を克服し、化学物質沈殿物形成後の中〜高繊維荷重を生じる原子力発電所のストレーナが受ける差圧を低減するのに特に適したストレーナシステムの設計を提供する。本発明の各種特徴および利点をより詳細に以下説明する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によると、原子力発電所の緊急炉心冷却システムでの使用に特に適した高効率ストレーナシステムが提供される。本発明の特定の実施形態では、ストレーナシステムは、1つまたはそれ以上のストレーナカセットまたはカートリッジを含み、各カセットまたはカートリッジは、互いに並んで配置される複数のストレーナポケットを含む。複数のカセットまたはカートリッジは共に組み立てられて、ストレーナシステムのストレーナモジュールを形成することができる。
【0009】
より具体的には、本発明の1実施形態では、各カートリッジは、略四角形構造を有し、個々のストレーナポケットがその中に含まれる。この特定の実施形態では、カートリッジの各ストレーナポケットは流入端を画定し、カートリッジのストレーナポケットの流入端は共通の方向を向く。カートリッジ内または複数のカートリッジを含むモジュール内で、ストレーナポケットのうち1つまたはそれ以上のポケットの流入端は、弾性金属膜によって包囲することができる。閉位置にあるとき、膜は、流体が流入端を介して対応するストレーナポケットに流れ込むのを防止する。膜は、低圧荷重のみが印加される際には閉じたままであるが、高圧荷重が印加されると開位置に偏向または変形される。膜が開位置に移動すると、対応するストレーナポケットが有効に開放されることによって、流体流を、流入端を介してストレーナポケットの内部に送り込むことができる。
【0010】
本発明の別の側面によると、ストレーナシステムのストレーナモジュールに含まれる上記ストレーナカートリッジは、ストレーナポケットの流入端に隣接するカートリッジの表面から延在する平坦な非有孔面板を含むことができると考えられる。延在する非有孔面板により、ストレーナポケットの流入端で形成される繊維および微粒子の破片床の縁が圧縮されて、当初は面板と面一であった関係から緩やかにカールして、その結果、面板と破片床との間に小さな流路が生成され、差圧が上昇し続けることによって流がストレーナに入りヘッド損失が低下する。流によって影響を受けるストレーナ領域が、より多くの破片、繊維、微粒子、および化学的沈殿物を受け取るにつれ、別の流路がストレーナの別の領域に開放されるまでヘッド損失が増大する。延在する面板をストレーナカートリッジと共に任意で含めることによって流路が形成されることで、ストレーナ全体の最大差圧が有効に低減され、特定の格納容器の再循環正味正吸引ヘッド要件を満たすのに必要な所要のストレーナ表面積を低減させ得る方法が提供される。
【0011】
本発明の別の実施形態によると、ストレーナカセットまたはカートリッジは略円形構造を有しており、ストレーナポケットは略円形パターンで互いに並べて配置される。この特定の実施形態では、ストレーナカートリッジのストレーナポケットのうち1つまたはそれ以上に、上述の弾性金属膜を装備することができる。さらに、積層して配置される複数の円形に構成されたストレーナカートリッジを含むストレーナモジュールが構成される場合、モジュールに含まれる1つまたはそれ以上のストレーナカートリッジのストレーナポケットの全部に弾性金属膜を装備することができると考えられる。
【0012】
本発明の別の実施形態によると、ストレーナシステムは、複数の円筒状に構成された管状主ストレーナ素子を備える。主ストレーナ素子はそれぞれ流入端を画定し、同心状に配置され、有孔金属材料でそれぞれ作製される内壁および外壁を備える。流入端は通常、主ストレーナ素子の内壁によってのみ画定される。ストレーナシステムに含まれる主ストレーナ素子のうち1つまたはそれ以上の素子の流入端は、上記弾性金属膜の機能を模倣する破裂板または分割膜によって覆うことができる。これに関連し、主ストレーナ素子のうち1つまたはそれ以上の素子の流入端を覆う破裂板または分割膜は、通常の閉位置から開位置まで移動するように動作可能であり、上記破裂板または分割膜が高圧荷重を受けるとき、主ストレーナ素子の内壁によって画定される流入端を介して、流体を主ストレーナ素子の内壁の内部に直接引き込むことができる。
【0013】
ストレーナシステムのこの特定の実施形態では、主ストレーナ素子のうち1つまたはそれ以上の素子が主ストレーナ素子の内壁内に同心状に配置される副ストレーナ素子を含むことによって、単独の主ストレーナ素子によって提供される単一円筒状ストレーナ構造とは全く異なる、二重円筒状ストレーナ構造を生成することができると考えられる。副ストレーナ素子は、主ストレーナ素子に含まれる場合、周囲の主ストレーナ素子の構造を模倣する構造を有し、流入端は上記破裂板または分割膜によって任意で覆われる副ストレーナ素子の内壁によって画定される。二重円筒状ストレーナ構造では、副ストレーナ素子がその中で同心状に配置されるため、主ストレーナ素子の内壁によって画定される流入端には、破裂板も分割膜も設けられない。
【0014】
本発明のさらに別の実施形態によると、所定の構成に共に組み立てられる複数のカセットまたはカートリッジをそれぞれが備える複数のストレーナモジュールを備えるストレーナシステムが提供される。各ストレーナモジュールの各カセットまたはカートリッジは、互いに並んで配置される複数のストレーナポケットを備え、各ストレーナポケットは上述の構造上の特性を有するが、どのストレーナポケットも、上述の弾性金属膜によって包囲されない。本発明のこの特定の実施形態により構成されるストレーナシステムでは、ストレーナモジュールの「クリーンな」側が、流体結合される吸引ポンプを有するプレナムダクトによって互いに流体接続される。ストレーナモジュールのうちの1つを、ストレーナシステムに含まれる残りの稼働中のストレーナモジュールから有効に隔離するように配置される圧力解放膜(PRM)が、プレナムダクトに組み込まれる。圧力解放膜は、プレナムダクト全体の圧力が所定の閾値を超えて増大するとき、隔離されたストレーナモジュールの始動を促進するように独自に構成される。このようなプレナムダクト内での圧力増大は通常、ストレーナシステムの当初稼働中のストレーナモジュール全体のヘッド損失の結果として生じ、このヘッド損失の増大は、ストレーナモジュール上の沈殿物形成が原因である。
【0015】
プレナムダクト内に圧力解放膜を含むストレーナシステムの実施形態では、当初から隔離されるストレーナモジュールの始動が、最初の閉位置から開位置への圧力解放膜の移動によって促進される。圧力解放膜が閉位置にあるとき、圧力解放膜は、隔離されたストレーナモジュールと流体連通するプレナムダクトの部分を、当初稼働中のストレーナモジュールおよび吸引ポンプと流体連通するプレナムダクトの残りの部分から有効に遮断する。上述したように、当初稼働中のストレーナモジュールと流体連通するプレナムダクトの部分内の吸引圧力が所定の閾値を越えて増大することで、閉位置から開位置への圧力解放膜の移動が促進され、当初稼働していないストレーナモジュールと流体連通するプレナムダクトの部分を、プレナムダクトの残りの部分と流体連通させる。次いで、このような流体連通により、作動する吸引ポンプは、ストレーナシステムの予め隔離され現在は稼働中のストレーナモジュールを介して、流体を有効に引き込むことができる。
【0016】
本発明は、以下の詳細な説明を添付図面と併せて参照することによって最も適切に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明のこれらの、およびその他の特徴は、図面を参照することでより自明となるであろう。
【図1】従来技術のストレーナカセットまたはカートリッジの前透視図である。
【図2】図1に示される従来技術のストレーナカートリッジの後透視図である。
【図3】本発明の第1実施形態によって構成される複数のストレーナカートリッジを含むストレーナモジュールの前透視図である。
【図4】図3に示されるストレーナモジュールの対向対を含む例示のストレーナシステムの断面図である。
【図5】図4に示される包囲領域5の拡大図である。
【図6】本発明の第2実施形態によって構成されるストレーナモジュールの透視図である。
【図7】図6の線7−7に沿った断面図である。
【図8】図7に示される包囲領域8の拡大図である。
【図9】本発明の第3実施形態によって構成されるストレーナモジュールの透視図である。
【図10】本発明の第4実施形態によって構成されるストレーナモジュールの透視図である。
【図11】図10に示される包囲領域11の拡大図である。
【図12】本発明の別の実施形態により構成され、そのプレナムダクトに組み込まれる圧力解放膜を含むストレーナシステムの概略図である。
【図13】閉位置から開位置への圧力解放膜の移動を仮想線でさらに示す、図12に示される包囲領域13の拡大図である。
【図14】図13の線14−14に沿ったストレーナシステムの圧力解放膜の前立面図である。
【図15A】図12に類似する概略図であるが、閉位置から開位置へのその圧力解放膜の始動を簡易化する機能の各段階で、図12に示されるストレーナシステムを示す。
【図15B】図12に類似する概略図であるが、閉位置から開位置へのその圧力解放膜の始動を簡易化する機能の各段階で、図12に示されるストレーナシステムを示す。
【図15C】図12に類似する概略図であるが、閉位置から開位置へのその圧力解放膜の始動を簡易化する機能の各段階で、図12に示されるストレーナシステムを示す。
【0018】
図面および詳細な説明全体で共通の参照符号は、類似の構成要素を指す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明を限定するためではなく、単に本発明の好適な実施形態を例示するために示される図面を参照すると、図1および2は既存の従来技術のストレーナカセットまたはカートリッジ10を示している。カートリッジ10は略四角形構造を有する。図1および2に示される視点から見ると、カートリッジ10は、互いに間隔をおいて略平行に延在する対向対の側壁12、側壁12の上縁間を延在する上壁14、側壁12の下縁間を上壁14と間隔をおいて略平行に延在する下壁16、および側壁12の後縁間および上壁および下壁14、16の後縁間を延在する後壁18を含む。ストレーナカートリッジ10では、側壁、上壁、下壁、および後壁12、14、16、18は、それぞれ有孔金属材料で作製される。
【0020】
ストレーナカートリッジ10は、図1および2に示される視点から見ると、所定の構成で側壁、上壁、下壁、および後壁12、14、16、18の間で水平および垂直に配向される複数の分離板20をさらに備える。より具体的には、分離板20は、側壁、上壁、下壁、および後壁12、14、16、18と共にストレーナカートリッジ10内の複数のストレーナポケット22をまとめて画定するように配置される。図1および2に示される例示のストレーナカートリッジ10では、計8つのストレーナポケット22がストレーナカートリッジ10に含まれ、ストレーナポケット22は、2つの並列する縦列がそれぞれ4つのストレーナポケット22を含むように配置される。側壁、上壁、下壁、および後壁12、14、16、18と同様、各分離板20は有孔金属材料で作製される。
【0021】
図4および5に最も良く示されるように、ストレーナカートリッジ10に含まれる水平に配向される分離板20は、好ましくは、各ストレーナポケット22に対して略放物線状の構成になるように形成される。この関連で、各ストレーナポケット22は、側壁、上壁、下壁、および後壁12、14、16、18の前縁と分離板20の前縁とに開放流入端24を含む。流入端24に加えて、各ストレーナポケット22は、ストレーナカートリッジ10の後壁18に隣接して配置される円弧状の凹状後端26を含む。
【0022】
より詳細に以下説明すると、本発明によると、ストレーナカートリッジ10には、その機能、ひいては1つまたはそれ以上の強化ストレーナカートリッジを含むように組み立てられるストレーナモジュールの機能を強化する追加の構造上の特徴が設けられる。図3は、互いに並べて複数のストレーナカートリッジを配置することによって組み立てられる例示のストレーナモジュール28を示す。図3に示される例示のストレーナモジュール28では、計7つのストレーナカートリッジが含まれ、3つのストレーナカートリッジが「強化」されている。明瞭化のため、本発明により構成される「強化」ストレーナカートリッジは、従来技術のストレーナカートリッジ10と区別するために、図3および4では参照符号「10a」で表示する。ストレーナモジュール28に含まれる残りの4つのストレーナカートリッジは、上述した従来技術の非強化ストレーナカートリッジ10である。当業者であれば、1つまたはそれ以上の強化ストレーナカートリッジ10aと1つまたはそれ以上の標準的ストレーナカートリッジ10とが、任意の組み合わせで組み立てられることを認識するであろう。3つのストレーナカートリッジ10aと4つのストレーナカートリッジ10による上述の構成は、単に例示である。
【0023】
図3に示されるストレーナモジュール28を形成するように組み立てられる際、ストレーナカートリッジ10、10aは、ストレーナポケット22によって画定される流入端24が共通方向を向くように配置される。ストレーナモジュール28がストレーナシステムに組み込まれると、吸引プレナムは、ストレーナカートリッジ10、10aの後壁18によってまとめて画定されるストレーナモジュール28の後壁間に画定される。吸引プレナムはポンプに流体結合され、ポンプが始動されると、流体がストレーナカートリッジ10、10aのストレーナポケット22の流入端24に引き込まれ、その後ストレーナカートリッジ10、10aのストレーナポケット22を通って吸引プレナムに引き込まれる差圧状態の結果として、吸引プレナム内で吸引が発生する。認識されるように、ストレーナモジュール28のストレーナカートリッジ10、10aを通る流は、ストレーナカートリッジ10、10aが上述の有孔金属材料で作製される結果、達成される。
【0024】
図4は、第2のストレーナモジュール29と対を成す図3に示されるストレーナモジュール28を含む例示のストレーナシステム30を示す。ストレーナモジュール29は、ストレーナモジュール28と実質上同一であり、唯一の差異は、標準的ストレーナカートリッジ10のみで組み立てられることである(すなわち、計7つのカートリッジ10が互いに並んで配置される)。例示のストレーナシステム30では、ストレーナモジュール28、29は、互いに間隔をおいて背中合わせに配向されており、吸引プレナム32は、ストレーナモジュール28、29の後壁間に画定される。認識されるように、例示のストレーナシステム30では、吸引プレナム32に流体結合されるポンプを始動することによって、流体が、対向するストレーナモジュール28、29のそれぞれのストレーナカートリッジ10、10aのストレーナポケット22の流入端24に有効に引き込まれ、この流体は、最終的にストレーナカートリッジ10、10aを通過して吸引プレナム32に入る。繰り返すが、図3に示されるストレーナモジュール28の構造および図4に示されるストレーナシステム30の構造は単に例示を目的としており、本発明は主に、強化ストレーナカートリッジ10aの作製を簡易化するためにストレーナカートリッジ10に追加される構造上の特徴に関連する。これらの構造上の特徴および強化について、特に図4および5を参照して以下説明する。
【0025】
図4および5を参照すると、本発明に従い、例示のストレーナモジュール28に含まれる各ストレーナカートリッジ10aのストレーナポケット22のうち1つまたはそれ以上に、閉位置と開位置との間で選択的に移動可能な膜34が装備されると考えられる。図4に示される例示のストレーナシステム30では、ストレーナシステム30に含まれるストレーナモジュール28の所定数のストレーナポケット22にそれぞれ、膜34が装備される。各膜34は、好ましくは弾性金属材料で作製され、接合部36で対応するストレーナポケット32に旋回可能に接続される。各膜34は、対応するストレーナポケット22の流入端24に配置され、流入端24をほぼ覆うような寸法に設定される。さらに、図5に示されるように、膜34を装備した各ストレーナポケット22は、好ましくは、接合部36に対向して搭載される膜ストッパ38をさらに備える。これに関連し、接合部36から最も遠くに配置される膜34の縁は通常、膜34が閉位置にあるとき、対応する膜ストッパ38に当接する。
【0026】
上述したように、ストレーナモジュール28の1つまたはそれ以上のストレーナカートリッジ10a内で、1つまたはそれ以上のストレーナポケット22の流入端24は、弾性金属膜34で包囲することができる。図4および5に示される閉位置において、膜34は、流体が流入端24を介して対応するストレーナポケット22に流れ込むのをほぼ防止する。膜34は、対応する膜ストッパ38に対して1つの縁を当接することによって通常は閉位置に維持され、低圧荷重のみが印加されるときはこの閉位置を保つ。しかしながら、膜34に高圧荷重を印加することで、図5の仮想線によって示されるように、開位置への撓みと変形とが有効に促進される。図5から明らかなように、膜34の撓みまたは変形のレベルは、膜が対応する膜ストッパ38を超えて移動し、対応する膜ストッパ38から有効に分離されるのに十分でなければならない。いったん膜34が対応する膜ストッパ38から分離すると、上記膜34は完全開位置まで自由に接合部36を中心に回転または旋回する。膜34が開位置まで移動すると、対応するストレーナポケット22が有効に開放されて、流体流が、現在妨害されていない流入端24を介して上記ストレーナポケット22の内部に流れ込むことができる。膜34を装備したそれらのストレーナポケット22は、圧力制御ポケットすなわちPCPと称することができる。
【0027】
ストレーナカートリッジ10aを含む例示のストレーナモジュール28内で、ストレーナカートリッジ10aに含まれるストレーナポケット22の約5%に膜34を装備し、PCPとして機能させるとする。その結果、ストレーナモジュール28のストレーナカートリッジ10aに含まれるストレーナポケット22の約95%は、膜34なしで開放される。膜34を含むそれらのストレーナポケット22の分布に関しては、事故の際に破片がストレーナモジュール28に近づく段階で、上記PCPを「クリーン」に保つべきであると考えられる。したがって、膜34を装備するストレーナポケット22は、ストレーナシステム全体内のストレーナモジュール28の死水域に設置または配置することが望ましい。通常、この死水域は、ストレーナモジュール28の中央部および/または破片が通常格納容器に入る反対の位置であり得る。事故発生時にストレーナモジュール28が使用中であるとき、膜34を装備するストレーナポケット22は同時には開放されず、必要に応じて順次開放されて、ストレーナモジュール28を通って循環する破片を伴う水中の化学作用に対処すると考えられる。PCPの順次開放は、ストレーナモジュール28上に形成される破片域によって印加される圧力が上記高圧閾値を超える際に、通常は発生し、有効に制御されるヘッド損失の低減を促進し、目詰まりによるヘッド損失の「急増」をさらに回避する。
【0028】
さらに図3および4に示されるように、各ストレーナカートリッジ10aに1つまたはそれ以上のPCPを設ける結果として例示のストレーナモジュール28が得る機能上の利点は、ストレーナカートリッジ10、10aによって画定されるストレーナポケット22の流入端24に隣接するストレーナモジュール28の所定の面から延在する平坦な非有孔面板40をさらにストレーナモジュール28に装備することによって一層強化することができる。より具体的には、図3に最も良く示されるように、例示のストレーナモジュール28は、ストレーナモジュール28に含まれるストレーナカートリッジ10、10aの上壁および下壁14、16および分離板20のうち対応する部分の前縁に装着される複数の延在する面板40を含む。面板40は、2つの略四角形(たとえば、矩形)フレームを画定するように配置される。図3に示されるように、面板40によって画定される2つの四角形フレームは、互いに間隔をおいて略平行に延在する。面板40が上壁および下壁14、16と分離板20との前縁に装着されるため、それによって画定されるフレームは、所定数のストレーナポケット22の流入端24を有効に包囲し、該ポケットの1つまたはそれ以上に、上記PCPとして機能するように膜34を装備することができる。当業者であれば、図3に示される面板40の特定の配置は単に例示であり、面板40の数、寸法、および配置は、面板40を装備したストレーナモジュール28が組み込まれるストレーナシステムの具体的な環境または構造に基づいて後述の強化機能を提供するため、必要に応じて選択的に変更することができると認識するだろう。
【0029】
上述したように、面板40は、面板40によって画定される2つの四角形フレームが所定数のストレーナポケット22の流入端24を有効に包囲するように、ストレーナモジュール28から前方へ延在する。図4に示されるように、例示のストレーナシステム30では、ストレーナモジュール29が強化ストレーナカートリッジ10aを含むように組み立てられていないが、上記ストレーナモジュール29にも、ストレーナモジュール28に関連して上述したのと同じパターンでストレーナモジュール29上に配置された上記面板40が装備されている。この関連で、ストレーナモジュール28上に面板40を含めることによる機能上の利点は、いずれのPCPもその中に存在しないにもかかわらず、ストレーナモジュール29にも同等に当てはまる。ストレーナモジュール29と共に含まれるとき、面板40によって画定された、間隔をおいて略平行に配置される四角形フレームの対がストレーナモジュール29の所定数のストレーナポケット22の流入端24を包囲するように、面板40は、ストレーナモジュール29から前方へ突出する。
【0030】
さらに図4から明らかなように、ストレーナモジュール28、29と共に含まれる面板40によって、ストレーナポケット22の流入端で形成され得る繊維と微粒子の破片床42の縁が圧縮されて、面板40の内表面との最初の面一の関係から緩やかにカールする。この破片床42のカールの結果、面板40の内表面と破片床42との間に小さな流路が生成されるため、差圧状態が進んでストレーナモジュール28、29を通る流体流を促進させ、ヘッド損失を低減させる。ストレーナモジュール28、29と共に面板40を含めることから生じるこれらの流路の形成は、ストレーナモジュール28、29全体の最大差圧を有効に低減させる。当業者であれば、面板40を一方または両方に含めてもよいし、または含めなくてもよいと認識するだろう。この関連で、ストレーナモジュール28、29の一方または両方に面板40を含めることは完全に任意である。
【0031】
図6〜8を参照すると、本発明の第2実施形態により構成されるストレーナモジュール100が示されている。ストレーナモジュール100は、軸方向に延在するプレナム部104を画定する、略円筒状の管状本体部102を備える。互いに間隔をおいて略平行に配置される複数の円形構造の分離板106が、本体部102の外表面から放射方向に延在している。図6には示されていないが、本体部102は、内部に形成された開口部を含み、吸引プレナム104に流体結合されるポンプの始動による差圧状態の生成時、分離板106間を流れる流体がその開口部を介して吸引プレナム104に引き込まれる。
【0032】
ストレーナモジュール100は、所定の隣接対の分離板106間に配置される少なくとも1つの円形構造のストレーナカートリッジ108をさらに備える。ストレーナカートリッジ108は、ストレーナカートリッジ108の複数のストレーナポケット112をまとめて画定するように互いに配置され付着される複数の壁部材110を備える。図6および7に示されるストレーナカートリッジ108では、計10のストレーナポケット112がストレーナカートリッジ108に含まれ、ストレーナポケット112は円形構造のアレイ状に配置される。ストレーナカートリッジ108の壁部材110はそれぞれ、好ましくは有孔金属材料で作製される。
【0033】
ストレーナモジュール100に含まれるストレーナカートリッジ108では、各ストレーナポケット112は、対応する壁部材110の周縁によって画定される開放流入端114を含む。よって、図6および7に示されるように、ストレーナポケット112の流入端114は、本体部102によって画定される吸引プレナム104に対して放射方向外側に向けられる、または対面する。ストレーナカートリッジ108では、各ストレーナポケット112に、好ましくは、上記膜34の機能を模倣する膜116が装備される。この関連で、各膜116は、好ましくは弾性金属材料で作製され、接合部118で対応するストレーナポケット112に旋回可能に接続される。各膜116は、対応するストレーナポケット112の流入端114に配置され、上記流入端114をほぼ覆うような寸法に設定される。図7に最もよく示されるように、各ストレーナポケット112には、接合部118に対向して搭載される膜ストッパ120がさらに装備される。この関連で、膜116が閉位置にあるとき、接合部118から最も遠くに配置される膜116の縁は通常、対応する膜ストッパ120に当接する。
【0034】
ストレーナカートリッジ108では、閉位置にあるとき、各膜116は、流体が流入端114を介して対応するストレーナポケット112に流れ込むのをほぼ防止する。各膜116は、その1つの縁と対応する膜ストッパ120との当接によって閉位置に通常は維持され、低圧荷重のみが印加されるときには上記閉位置に保たれる。しかしながら、膜116への高圧荷重の印加によって、図8に含まれる仮想線で示されるように開位置への撓みまたは変形が促進される。図8から明らかなように、膜116の撓みまたは変形のレベルは、該膜6が対応する膜ストッパ120を超えて移動し、対応する膜ストッパ120から分離するのに十分でなければならない。いったん膜116が対応する膜ストッパ120から分離すれば、上記膜116は完全開位置まで接合部118を中心に自由に回転または旋回する。膜116が開位置に移動することで、対応するストレーナポケット112が有効に開放されることによって、流体流が、現在は妨害されていない流入端114を介して上記ストレーナポケット112の内部に流れ込むことができる。
【0035】
図7では、ストレーナカートリッジ108に含まれる各ストレーナポケット112に膜116が装備されるように示されているが、当業者であれば、総数よりも少ない任意の数のストレーナポケット112に任意の分布または配置で膜116を装備することができると認識するだろう。さらに、本発明の精神および範囲を逸脱せずに、ストレーナカートリッジ108は、10よりも多いまたは少ないストレーナポケット112を含むように組み立てることができる。さらに、ストレーナモジュール100は、隣接対の分離板106間に1つのみのストレーナカートリッジ108を含むように示されているが、当業者であれば、ストレーナモジュール100において、1つまたはそれ以上のその他の隣接対の分離板106間に1つまたはそれ以上の追加のストレーナカートリッジ108を含むことができると認識するだろう。ストレーナカートリッジ108内では、膜116を装備したストレーナポケット112は同時には開放されず、必要に応じて順次開放されてストレーナモジュール100を通って循環する破片を伴う水中の化学作用に対処すると考えられる。膜116の順次開放は通常、ストレーナモジュール28に関して上述したように、ストレーナモジュール100に形成される破片域によって印加される圧力荷重が所定の高圧閾値を越えたときに発生する。
【0036】
図9を参照すると、本発明の第3実施形態により構成されるストレーナモジュール200が示されている。ストレーナモジュール100と200との唯一の差異は、ストレーナモジュール100に含まれる上記分離板106の円形構造とは全く異なり、ストレーナモジュール200に含まれる分離板206が、略四角形(たとえば正方形)構造を有する点である。
【0037】
図10および11を参照すると、本発明の第4実施形態により構成されるストレーナモジュール400が示されている。ストレーナモジュール400は、略四角形の断面構造を有する本体部402を備え、吸引プレナム404を画定する。互いに間隔をおいて略平行に配置され、それぞれ吸引プレナム404と流体連通する複数の(たとえば4つの)円筒状に構成された管状主ストレーナ素子406が、本体部402の共通壁に装着され、そこから突出している。各主ストレーナ素子406は、流入端408を画定し、同心状に配置される外壁および内壁410、412を備える。外壁および内壁410、412はそれぞれ、有孔金属網状材料で作製される。流入端408は通常、主ストレーナ素子406の内壁412によってのみ画定される。
【0038】
例示のストレーナモジュール400では、主ストレーナ素子406のうちの1つの流入端408が、上記膜34、116の機能を模倣する破裂板または分割膜414によって覆われる。この関連で、分割膜414は、通常の閉位置(図10および11に示される)から開位置に移動するように動作可能であり、上記分割膜414が所定の閾値を超える高圧荷重を受けるとき、主ストレーナ素子の内壁によって画定される流入端408を介して流体流を対応する主ストレーナ素子406の内壁412の内部へと直接引き込むことができる。分割膜414は略円形構造を有し、互いに対して個々に移動可能である4つの膜四分円を画定する。
【0039】
図10および11に示されるストレーナモジュール400では、主ストレーナ素子406のうち1つまたはそれ以上が、主ストレーナ素子406の内壁412内に同心状に配置される副ストレーナ素子416を含むことによって、単独の主ストレーナ素子406によって提供される単一円筒状ストレーナ構造とは全く異なる、二重円筒状ストレーナ構造を生成することができると考えられる。副ストレーナ素子416は、流入端418を画定し、同心状に配置された外壁および内壁420、422を備える。外壁および内壁420、422はそれぞれ、有孔金属網状材料で作製される。流入端418は通常、副ストレーナ素子416の内壁420のみによって画定される。
【0040】
第2のストレーナモジュール416では、流入端418は、上記分割膜414の機能を模倣する破裂板または分割膜424によって覆われる。この関連で、分割膜424は、通常の閉位置(図10および11に示されるように)から開位置へと移動するように動作可能であり、上記分割膜424が所定の閾値を超える高圧荷重を受けると、副ストレーナ素子の内壁によって画定される流入端418を介して流体流を副ストレーナ素子416の内壁422の内部へと直接引き込むことができる。分割膜424は略円形構造を有し、互いに対して個々に移動可能である4つの膜四分円を画定する。
【0041】
例示のストレーナモジュール400がストレーナシステムに組み込まれると、吸引プレナム404に流体結合されるポンプの始動による差圧状態の生成によって、流体が、主ストレーナ素子406および単独の副ストレーナ素子416を通じて吸引プレナム404に引き込まれる。ストレーナモジュール400内では、分割膜414、424は同時には開放されず、必要に応じて順次開放されてストレーナモジュール400を循環する破片を伴う水中の化学作用に対処すると考えられる。ストレーナモジュール28に関連して上述したように、分割膜414、424の順次開放は通常、ストレーナモジュール400を形成する破片域によって印加される圧力荷重が所定の高圧閾値を超える場合に発生する。
【0042】
当業者であれば、本発明の精神および範囲から逸脱せずに、4つよりも多いまたは少ない主ストレーナ素子406をストレーナモジュール400に含めることができることを認識するだろう。これに沿って、2つ以上の主ストレーナ素子406に、分割膜414を装備する、または自身の分割膜424を含む上記副ストレーナ素子416を装備することができる。さらに、主ストレーナモジュール406に必ずしも副ストレーナ素子416を装備する必要はない。
【0043】
図12〜15Cを参照すると、本発明の別の実施形態により構成されるストレーナシステム500が示されている。ストレーナシステム500は、所定の構成で配置される複数のストレーナモジュール528を備える。ストレーナシステム500では、各ストレーナモジュール528は、互いに並んで配置される複数の上記ストレーナカートリッジ10を備える。より具体的には、図12に示される各ストレーナモジュール528では、計9つのストレーナカートリッジ10が含まれている。しかしながら、当業者であれば、本発明の精神および範囲を逸脱せずに、各ストレーナモジュール528が、9つよりも多いまたは少ないストレーナカートリッジ10を含むように組み立てることができると認識するだろう。ストレーナシステム500では、そこに含まれるどのストレーナモジュール528も、上記強化ストレーナカートリッジ10aを含まないと考えられる。むしろ、上述したように、各ストレーナモジュール528は、上述の非強化ストレーナカートリッジ10のみを含むように組み立てられると考えられる。
【0044】
図12および15A〜15Cに示される視点から見ると、ストレーナシステム500では、間隔をおいて配置される略平行の2列に各4つずつのストレーナモジュール528、すなわち計8つのストレーナモジュール528が配置される。より具体的には、各列の各ストレーナモジュール528の後壁は、残りの列に含まれるストレーナモジュール528のうち対応するモジュールの後壁に対して間隔をおいて背中合わせに配向され、計4つの対向対のストレーナモジュール528を生成する。さらに、ストレーナモジュール528は、1列または1セットに含まれるストレーナカートリッジ10のストレーナポケット22の流入端24が、共通の第1の方向D1を向き、残りの列またはセットのストレーナカートリッジ10のストレーナポケット22の流入端24が、方向D1と反対または対向する共通の方向D2を向くように配置される。ストレーナシステム500は、計8つの(8)ストレーナモジュール528を含むように図示されているが、当業者であれば、この総数は単に例示であり、本発明の精神と範囲を逸脱せずに増減させることができると認識するだろう。
【0045】
さらに図12に示されるように、2列または2セットのストレーナカートリッジ528がストレーナシステム500内に配置されるため、細長吸引プレナムダクト502は、(ストレーナカートリッジ10の後壁18によってまとめて画定される)ストレーナモジュール528の後壁によって部分的に画定される。ストレーナモジュール528の後壁によって部分的に画定されることに加えて、プレナムダクト502は、ダクト壁506の様々な区分や部分によっても部分的に画定される。よって、ストレーナシステム500では、各ストレーナモジュール528のストレーナカートリッジ10の後壁18が、プレナムダクト502と流体連通する。プレナムダクト502は、吸引ポンプ504にも流体結合される。始動されると、吸引ポンプ504は、流体が、ストレーナモジュール528に含まれるストレーナカートリッジ10のストレーナポケット22の流入端24に引き込まれ、その後ストレーナポケット22を通ってプレナムダクト502に至る差圧状態の結果として、プレナムダクト502内の吸引を生成する。
【0046】
図12〜14に最もよく示されるように、ストレーナモジュール528の1つの対向対が、ストレーナシステム500に含まれる「稼働中の」ストレーナモジュール528の残りの3つの対応対から当初「隔離」されると考えられる。図12および15A〜15Cに示される視点から見ると、隔離される対のストレーナモジュール528は、ストレーナシステム500に含まれる一連のストレーナモジュール528の後端に配置される対である。しかしながら、当業者であれば、ストレーナモジュール528の隔離される対は、あるいは、ストレーナシステム500に含まれる一連のストレーナモジュール528の反対の前端に配置される対であってもよいことを認識するだろう。
【0047】
ストレーナシステム500では、1対のストレーナモジュール528の、残りの稼働中の対のストレーナモジュール528からの隔離は、プレナムダクト502の内部の所定位置に圧力解放膜すなわちPRM534を組み込むことによって簡易化される。図12に示されるように、PRM534は、一連のモジュールの後端にあるストレーナモジュール528の対と、ストレーナシステム500の残りを備えるストレーナモジュール528との間に位置するプレナムダクト502の部分に配置される。PRM534は、閉位置(図13の実線で示される)と開位置(図13の仮想線で示される)との間で選択的に移動可能である。PRM534は、好ましくは弾性金属材料で作製され、上述したように、プレナムダクト502を部分的に画定するダクト壁506に旋回可能に接続される。より具体的には、PRM534は、ヒンジ接合部536でダクト壁506に旋回可能に接続される。PRM534は、PRM534が配置される位置でプレナムダクト502の断面領域を完全に覆うような寸法に設定される。よって、PRM534が閉位置にあるとき、プレナムダクト502は、稼働中のストレーナモジュール528の後壁の間に延在し吸引ポンプ504と流体連通する第1の部分と、隔離されたストレーナモジュール528の後壁間に延在する第2の部分とに有効に分離される。
【0048】
さらに図13に示されるように、ダクト壁506には、接合部536に略対向して配置される第1の膜ストッパバー538が装着される。この関連で、PRM534が最初の閉位置にあるとき、接合部536から最も遠くに配置されるPRM534の縁は通常、ストッパバー538と当接する。よって、ストッパバー538は、プレナムダクト502の上述の隔離されていない第1の部分に配置される。ストッパバー538と近接するダクト壁506には、ストッパバー538に対して間隔をおいて略平行に配置される第2の膜ストッパバー539も装着される。しかしながら、図13に示されるように、ストッパバー539は、プレナムダクト502の隔離された第2の部分に配置される、すなわち、ストッパバー538、539は、PRM534が閉位置にあるときに、PRM534の対向側に配置される。
【0049】
本発明のストレーナシステム500の構造上の特徴を説明してきたが、特に図15A、15B、および15Cを参照してその機能を以下説明する。図15Aを参照すると、仮想冷却液損失事故の発生時、繊維と微粒子を伴う冷却液が、ストレーナシステム500のストレーナモジュール528に接触する。しかしながら、この破片は、ストレーナシステム500の稼働中のストレーナモジュール528上に堆積する。この関連で、吸引ポンプ504の始動にもかかわらず、PRM534が最初の閉位置にあるときには、流体は、隔離されたストレーナモジュール528を通って引き込まれない。言い換えると、PRM534を開放しないと、後壁間に延在するプレナムダクト502の第2の部分内の吸引圧力の不在により、隔離されたストレーナモジュール528には流体が流れない。
【0050】
図15Bを参照すると、時間の経過で冷却水が冷却されると、上記化学作用が開始される。これに関連し、冷却液が十分に冷たいと沈殿物が形成され、その沈殿物は、稼働中のストレーナモジュール528上の緊密な層として堆積される。上述したように、これらの沈殿物の堆積は、稼働中のストレーナモジュール528全体のヘッド損失を大幅に増大させ、繊維と微粒子は、稼働中のストレーナモジュール528のストレーナカートリッジ10のストレーナポケット22内へと圧縮される。
【0051】
図15Cを参照すると、ストレーナポケット22への繊維と微粒子の圧縮の結果、プレナムダクト502の隔離されていない第1の部分の圧力が増大し続け、最終的にPRM534にとってのトリガポイントに達する。トリガポイントで、PRM534は、最初の閉位置から開位置へと作動または湾曲される。PRM534の開口の結果、予め隔離されたモジュール528は、今や自由になり稼働状態となる。沈殿物を伴う冷却水は、予め隔離され現在は解放されているストレーナモジュール528を通って濾過される。このような流により、プレナムダクト502内の圧力は、沈殿物が反応して高密度の床を形成し得る新たに始動されたモジュール528上の繊維がなくなるため、急速に低い値まで低下する。ストレーナシステム500では、上述の第1の膜ストッパバー538は、閉位置においてPRM534を正常に維持し、所定の吸引荷重の印加時にPRM534を開位置に撓ませるように寸法を設定され構成される。第2の膜ストッパバー539は、地震の結果としてPRM534が開位置を取るのを防ぐために使用される。
【0052】
上述のストレーナシステム500になし得る各種変更は、本発明の精神および範囲に属すると考えられる。たとえば、当初稼働中であっても隔離されていても、ストレーナモジュール528のいずれにも、非強化ストレーナカートリッジ10を単独で含む代わりに、1つまたはそれ以上の上記強化ストレーナカートリッジ10aを任意で装備することができる。同様に、ストレーナモジュール528のいずれにも、当初稼働中であっても隔離されていても、上記面板40を任意で装備することができると意図される。さらに、当初隔離されたストレーナモジュール528が、図12および15A〜15Cでは当初稼働中のストレーナモジュール528に比較的近接して配置されるように示されているが、当初隔離されているストレーナモジュール528は、当初稼働中のストレーナモジュール528と大きく離して配置することもできると考えられる。さらに、ストレーナシステム500に含まれる一連のストレーナモジュール528の1端で1対のストレーナモジュール528のみが当初隔離されているように図示されているが、ストレーナシステム500に含まれる一連のストレーナモジュールの2つの対向端のそれぞれに配置されるストレーナモジュール528の対が当初隔離されている、すなわち2つのPRM534が当初、ストレーナシステム500のプレナムダクト502に組み込まれると考えられる。最後に、上記PRM534は、上記分割膜414の機能を模倣する破裂板または分割膜で置き換えることができると考えられる。
【0053】
本開示は、本発明の例示の実施形態を提示する。本発明の範囲は、これらの例示の実施形態によって制限されない。構造、大きさ、材料の種類、製造工程の変形など、明細書によって明示される、あるいは示唆される多数の変形は、本開示を検討する当業者によって実行可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレナムダクトによって互いに流体接続される少なくとも2つのストレーナモジュールと、
前記プレナムダクトに流体結合される吸引ポンプと、
前記プレナムダクト内に配置される少なくとも1つの膜と、
を備えるストレーナシステムであって、
前記膜が、前記ストレーナモジュールのうち少なくとも1つが前記吸引ポンプから実質的に流体隔離される閉位置から、前記ストレーナモジュールのそれぞれが前記プレナムダクトを介して前記吸引ポンプと流体連通する開位置まで、選択的に移動可能であるストレーナシステム。
【請求項2】
前記膜が、所定の吸引荷重の印加で撓むように構成される弾性材料で作製され、前記膜の前記閉位置から前記開位置への移動が、その撓みによって促進される請求項1に記載のストレーナシステム。
【請求項3】
前記膜が、非有孔弾性金属材料で作製される請求項2に記載のストレーナシステム。
【請求項4】
前記膜に隣接して前記プレナムダクト内に配置される少なくとも1つの膜ストッパをさらに備え、
前記膜ストッパは、前記膜を前記閉位置で正常に維持し、前記所定の吸引荷重の印加で前記膜が前記開位置へと屈曲することを許容するように寸法を設定され構成される請求項2に記載のストレーナシステム。
【請求項5】
前記膜が、前記膜ストッパに略対向して配置される接合部で、前記プレナムダクトに旋回可能に接続される請求項4に記載のストレーナシステム。
【請求項6】
前記膜の対向側の対応する側に隣接して前記プレナムダクト内に配置される第1および第2の膜ストッパを備え、前記第1の膜ストッパは、前記膜を前記閉位置に正常に維持し、前記所定の吸引荷重の印加で前記膜が前記開位置に屈曲することを許容するように寸法を設定され構成されて、前記第2の膜ストッパは、地震の結果として前記膜が前記開位置を取ることを防止するように使用される請求項4に記載のストレーナシステム。
【請求項7】
互いに背中合わせに延在する複数の対向対を、その間に延在する前記プレナムダクトの一部と共に画定する、少なくとも2つの隣接列内に配置される複数のストレーナモジュールを備え、前記膜が、前記閉位置にあるとき、前記ストレーナモジュールの前記対向対のうちの1つを、前記吸引ポンプから流体隔離するように配置される請求項1に記載のストレーナシステム。
【請求項8】
プレナムダクトに流体接続される少なくとも2つのストレーナモジュールと、
前記プレナムダクト内に配置される少なくとも1つの膜と、
を備えるストレーナシステムであって、
前記膜が、前記ストレーナモジュールが互いに実質的に流体隔離される閉位置から、前記ストレーナモジュールが前記プレナムダクトを介して互いに流体連通する開位置まで、選択的に移動可能であるストレーナシステム。
【請求項9】
前記膜が、所定の吸引荷重の印加で撓むように構成される弾性材料で作製され、前記膜の前記閉位置から前記開位置への移動が、その撓みによって促進される請求項8に記載のストレーナシステム。
【請求項10】
前記膜が、非有孔弾性金属材料で作製される請求項9に記載のストレーナシステム。
【請求項11】
前記膜に隣接して前記プレナムダクト内に配置される少なくとも1つの膜ストッパをさらに備え、
前記膜ストッパは、前記膜を前記閉位置で正常に維持し、前記所定の吸引荷重の印加で前記膜が前記開位置へと屈曲することを許容するように寸法を設定され構成される請求項9に記載のストレーナシステム。
【請求項12】
前記膜が、前記膜ストッパに略対向して配置される接合部で、前記プレナムダクトに旋回可能に接続される請求項11に記載のストレーナシステム。
【請求項13】
前記膜の対向側の対応する側に隣接して前記プレナムダクト内に配置される第1および第2の膜ストッパを備え、前記第1の膜ストッパは、前記膜を前記閉位置に正常に維持し、前記所定の吸引荷重の印加で前記膜が前記開位置に屈曲することを許容するように寸法を設定され構成されて、前記第2の膜ストッパは、地震の結果として前記膜が前記開位置を取ることを防止するように使用される請求項11に記載のストレーナシステム。
【請求項14】
互いに背中合わせに延在する複数の対向対を、その間に延在する前記プレナムダクトの一部と共に画定する、少なくとも2つの隣接列内に配置される複数のストレーナモジュールを備え、前記膜が、前記閉位置にあるとき、前記ストレーナモジュールの前記対向対のうちの1つを、残りの対向対から流体隔離するように配置される請求項8に記載のストレーナシステム。
【請求項15】
互いに背中合わせに延在する複数の対向対を画定するように配置される複数のストレーナモジュールであって、前記ストレーナモジュールの前記対向対のそれぞれが、プレナムダクトによって互いに流体接続されるストレーナモジュールと、
前記プレナムダクトに流体結合される吸引ポンプと、
前記プレナムダクト内に配置される少なくとも1つの膜と、
を備えるストレーナシステムであって、
前記膜が、前記ストレーナモジュールの前記対向対のうち少なくとも1つが前記吸引ポンプから流体隔離される閉位置から、前記ストレーナモジュールの前記対向対のそれぞれが前記プレナムダクトを介して前記吸引ポンプと流体連通する開位置まで、選択的に移動可能であるストレーナシステム。
【請求項16】
前記膜が、所定の吸引荷重の印加で撓むように構成される弾性材料で作製され、前記膜の前記閉位置から前記開位置への移動が、その撓みによって促進される請求項15のストレーナシステム。
【請求項17】
前記膜が、非有孔弾性金属材料で作製される請求項16に記載のストレーナシステム。
【請求項18】
前記膜に隣接して前記プレナムダクト内に配置される少なくとも1つの膜ストッパをさらに備え、
前記膜ストッパは、前記膜を前記閉位置に正常に維持し、前記所定の吸引荷重の印加で前記膜が前記開位置に屈曲することを許容するように寸法を設定され構成される請求項16に記載のストレーナシステム。
【請求項19】
前記膜が、前記膜ストッパに略対向して配置される接合部で、前記プレナムダクトに旋回可能に接続される請求項18に記載のストレーナシステム。
【請求項20】
前記膜の対向側の対応する側に隣接して前記プレナムダクト内に配置される第1および第2の膜ストッパを備え、前記第1の膜ストッパは、前記膜を前記閉位置に正常に維持し、前記所定の吸引荷重の印加で前記膜が前記開位置に屈曲することを許容するように寸法を設定され構成されて、前記第2の膜ストッパは、地震の結果として前記膜が前記開位置を取ることを防止するように使用される請求項18に記載のストレーナシステム。
【請求項21】
それぞれが開放流入端を画定する複数のストレーナポケットと、
前記ストレーナポケットのうち対応するポケットの前記流入端を実質的に覆うようにストレーナカートリッジに装着される少なくとも1つの膜と、
を備えるストレーナカートリッジであって、
前記膜が、前記流入端が実質的に覆われる閉位置から、前記流入端が少なくとも部分的に遮断されずに流体流を前記ストレーナポケット内に送り込むことができる開位置まで、選択的に移動可能であるストレーナカートリッジ。
【請求項22】
前記膜が、所定の圧力荷重の印加で撓むように構成される弾性材料で作製され、前記膜の前記閉位置から前記開位置への移動が、その撓みによって促進される請求項21に記載のストレーナカートリッジ。
【請求項23】
前記膜が、非有孔弾性金属材料で作製される請求項22に記載のストレーナカートリッジ。
【請求項24】
前記膜によって実質的に覆われる前記ストレーナポケットの前記流入端に隣接して前記ストレーナカートリッジに装着される少なくとも1つの膜ストッパをさらに備え、
前記膜ストッパは、前記膜を前記閉位置に正常に維持し、前記所定の圧力荷重の印加で前記膜が前記開位置へと屈曲することを許容するように寸法を設定され構成される請求項22に記載のストレーナカートリッジ。
【請求項25】
前記膜が、前記膜ストッパと対向して前記ストレーナポケットの前記流入端に隣接して配置される接合部で、前記ストレーナカートリッジに旋回可能に接続される請求項24に記載のストレーナカートリッジ。
【請求項26】
複数の前記膜が、前記ストレーナポケットのうち対応するポケットの前記流入端を実質的に覆うように前記ストレーナカートリッジに装着され、前記膜が、所定のパターンで前記ストレーナカートリッジ上に配置される請求項22に記載のストレーナカートリッジ。
【請求項27】
前記ストレーナポケットが、前記ストレーナポケットの前記流入端が共通方向を向くように、互いに略平行に延在する少なくとも2つの並列する列状に配置される請求項21に記載のストレーナカートリッジ。
【請求項28】
前記ストレーナポケットが、前記流入端が共通軸に対して放射方向外側を向くように、略円形アレイ状に配置される請求項21に記載のストレーナカートリッジ。
【請求項29】
複数の膜が、前記ストレーナポケットのそれぞれのうち対応するポケットの前記流入端を実質的に覆うように前記ストレーナカートリッジに装着される請求項28に記載のストレーナカートリッジ。
【請求項30】
前記ストレーナポケットの少なくともいくつかの前記流入端に対して前方に延在し、該流入端を少なくとも部分的に包囲するフレームをまとめて画定するように、前記ストレーナカートリッジに装着される複数の面板をさらに備える請求項21に記載のストレーナカートリッジ。
【請求項31】
それぞれが開放流入端を画定する複数のストレーナポケットと、
前記ストレーナポケットのうち対応するポケットの前記流入端を実質的に覆うようにストレーナカートリッジに装着される複数の膜と、
を備えるストレーナカートリッジであって、
前記膜のそれぞれが、対応するストレーナポケットの前記流入端が実質的に覆われる閉位置から、対応するストレーナポケットの前記流入端が少なくとも部分的に遮断されずに流体流を引き込むことのできる開位置まで、個々に移動可能であるストレーナカートリッジ。
【請求項32】
前記膜のそれぞれが、所定の圧力荷重の印加で撓むように構成される弾性非有孔金属材料で作製され、前記膜のそれぞれの前記閉位置から前記開位置への移動が、その撓みによって促進される請求項31に記載のストレーナカートリッジ。
【請求項33】
前記ストレーナカートリッジに含まれる前記ストレーナポケットの約5%の前記流入端が、前記膜のうち対応する膜によって少なくとも部分的に覆われる請求項31に記載のストレーナカートリッジ。
【請求項34】
前記膜のうち対応する膜によって実質的に覆われる前記ストレーナポケットのうち対応するポケットの前記流入端に隣接して前記ストレーナカートリッジに装着される複数の膜ストッパをさらに備え、
前記膜ストッパのそれぞれが、前記膜のうち対応する膜を前記閉位置に正常に維持し、前記所定の圧力荷重の印加で前記膜のうち対応する膜が前記開位置へと屈曲することを許容するように寸法を設定され構成される請求項31に記載のストレーナカートリッジ。
【請求項35】
前記膜のそれぞれが、前記膜ストッパのうち対応するストッパに対向して前記ストレーナポケットのうち対応するポケットの前記流入端に隣接して配置される接合部で、前記ストレーナカートリッジに旋回可能に接続される請求項34に記載のストレーナカートリッジ。
【請求項36】
前記ストレーナポケットが、前記ストレーナポケットの前記流入端が共通方向を向くように、互いに略平行に延在する複数の並列する列状に配置される請求項31に記載のストレーナカートリッジ。
【請求項37】
前記ストレーナポケットの少なくともいくつかの前記流入端に対して前方に延在し、該流入端を少なくとも部分的に包囲するフレームをまとめて画定するように、前記ストレーナカートリッジに装着される複数の面板をさらに備える請求項31に記載のストレーナカートリッジ。
【請求項38】
それぞれが流入端を含む少なくとも2つの円筒状に構成された管状主ストレーナ素子と、
前記流入端を覆うように前記主ストレーナ素子のうち少なくとも1つに装着される膜と、
を備えるストレーナカートリッジであって、
前記膜が、前記流入端が実質的に覆われる閉位置から、前記流入端が少なくとも部分的に遮断されずに流体流に前記流入端を通過させることができる開位置まで、選択的に移動可能であるストレーナカートリッジ。
【請求項39】
前記膜が、互いに対して個々に移動可能である4つの膜四分円を画定する略円形の分割構造を有する請求項38に記載のストレーナカートリッジ。
【請求項40】
前記主ストレーナ素子のうち対応する素子内に同心状に配置され、流入端を画定し、装着される膜を含み、前記流入端を覆う少なくとも1つの副ストレーナ素子をさらに備え、
前記副ストレーナ素子の前記膜が、前記副ストレーナ素子の前記流入端が実質的に覆われる閉位置から、前記副ストレーナ素子の前記流入端が少なくとも部分的に遮断されずに流体流を引き込むことのできる開位置まで、選択的に移動可能である請求項38に記載のストレーナカートリッジ。
【請求項41】
少なくとも2つの流体流入部を画定する少なくとも1つのストレーナカートリッジを備えるストレーナモジュールであって、
前記ストレーナカートリッジが、前記流入部のうち少なくとも1つが、流入部が実質的に遮断される閉状態から、流入部が少なくとも部分的に遮断されずに流体流を引き込むことのできる開状態まで、選択的に移動可能であるように構成されるストレーナモジュール。
【請求項1】
プレナムダクトによって互いに流体接続される少なくとも2つのストレーナモジュールと、
前記プレナムダクトに流体結合される吸引ポンプと、
前記プレナムダクト内に配置される少なくとも1つの膜と、
を備えるストレーナシステムであって、
前記膜が、前記ストレーナモジュールのうち少なくとも1つが前記吸引ポンプから実質的に流体隔離される閉位置から、前記ストレーナモジュールのそれぞれが前記プレナムダクトを介して前記吸引ポンプと流体連通する開位置まで、選択的に移動可能であるストレーナシステム。
【請求項2】
前記膜が、所定の吸引荷重の印加で撓むように構成される弾性材料で作製され、前記膜の前記閉位置から前記開位置への移動が、その撓みによって促進される請求項1に記載のストレーナシステム。
【請求項3】
前記膜が、非有孔弾性金属材料で作製される請求項2に記載のストレーナシステム。
【請求項4】
前記膜に隣接して前記プレナムダクト内に配置される少なくとも1つの膜ストッパをさらに備え、
前記膜ストッパは、前記膜を前記閉位置で正常に維持し、前記所定の吸引荷重の印加で前記膜が前記開位置へと屈曲することを許容するように寸法を設定され構成される請求項2に記載のストレーナシステム。
【請求項5】
前記膜が、前記膜ストッパに略対向して配置される接合部で、前記プレナムダクトに旋回可能に接続される請求項4に記載のストレーナシステム。
【請求項6】
前記膜の対向側の対応する側に隣接して前記プレナムダクト内に配置される第1および第2の膜ストッパを備え、前記第1の膜ストッパは、前記膜を前記閉位置に正常に維持し、前記所定の吸引荷重の印加で前記膜が前記開位置に屈曲することを許容するように寸法を設定され構成されて、前記第2の膜ストッパは、地震の結果として前記膜が前記開位置を取ることを防止するように使用される請求項4に記載のストレーナシステム。
【請求項7】
互いに背中合わせに延在する複数の対向対を、その間に延在する前記プレナムダクトの一部と共に画定する、少なくとも2つの隣接列内に配置される複数のストレーナモジュールを備え、前記膜が、前記閉位置にあるとき、前記ストレーナモジュールの前記対向対のうちの1つを、前記吸引ポンプから流体隔離するように配置される請求項1に記載のストレーナシステム。
【請求項8】
プレナムダクトに流体接続される少なくとも2つのストレーナモジュールと、
前記プレナムダクト内に配置される少なくとも1つの膜と、
を備えるストレーナシステムであって、
前記膜が、前記ストレーナモジュールが互いに実質的に流体隔離される閉位置から、前記ストレーナモジュールが前記プレナムダクトを介して互いに流体連通する開位置まで、選択的に移動可能であるストレーナシステム。
【請求項9】
前記膜が、所定の吸引荷重の印加で撓むように構成される弾性材料で作製され、前記膜の前記閉位置から前記開位置への移動が、その撓みによって促進される請求項8に記載のストレーナシステム。
【請求項10】
前記膜が、非有孔弾性金属材料で作製される請求項9に記載のストレーナシステム。
【請求項11】
前記膜に隣接して前記プレナムダクト内に配置される少なくとも1つの膜ストッパをさらに備え、
前記膜ストッパは、前記膜を前記閉位置で正常に維持し、前記所定の吸引荷重の印加で前記膜が前記開位置へと屈曲することを許容するように寸法を設定され構成される請求項9に記載のストレーナシステム。
【請求項12】
前記膜が、前記膜ストッパに略対向して配置される接合部で、前記プレナムダクトに旋回可能に接続される請求項11に記載のストレーナシステム。
【請求項13】
前記膜の対向側の対応する側に隣接して前記プレナムダクト内に配置される第1および第2の膜ストッパを備え、前記第1の膜ストッパは、前記膜を前記閉位置に正常に維持し、前記所定の吸引荷重の印加で前記膜が前記開位置に屈曲することを許容するように寸法を設定され構成されて、前記第2の膜ストッパは、地震の結果として前記膜が前記開位置を取ることを防止するように使用される請求項11に記載のストレーナシステム。
【請求項14】
互いに背中合わせに延在する複数の対向対を、その間に延在する前記プレナムダクトの一部と共に画定する、少なくとも2つの隣接列内に配置される複数のストレーナモジュールを備え、前記膜が、前記閉位置にあるとき、前記ストレーナモジュールの前記対向対のうちの1つを、残りの対向対から流体隔離するように配置される請求項8に記載のストレーナシステム。
【請求項15】
互いに背中合わせに延在する複数の対向対を画定するように配置される複数のストレーナモジュールであって、前記ストレーナモジュールの前記対向対のそれぞれが、プレナムダクトによって互いに流体接続されるストレーナモジュールと、
前記プレナムダクトに流体結合される吸引ポンプと、
前記プレナムダクト内に配置される少なくとも1つの膜と、
を備えるストレーナシステムであって、
前記膜が、前記ストレーナモジュールの前記対向対のうち少なくとも1つが前記吸引ポンプから流体隔離される閉位置から、前記ストレーナモジュールの前記対向対のそれぞれが前記プレナムダクトを介して前記吸引ポンプと流体連通する開位置まで、選択的に移動可能であるストレーナシステム。
【請求項16】
前記膜が、所定の吸引荷重の印加で撓むように構成される弾性材料で作製され、前記膜の前記閉位置から前記開位置への移動が、その撓みによって促進される請求項15のストレーナシステム。
【請求項17】
前記膜が、非有孔弾性金属材料で作製される請求項16に記載のストレーナシステム。
【請求項18】
前記膜に隣接して前記プレナムダクト内に配置される少なくとも1つの膜ストッパをさらに備え、
前記膜ストッパは、前記膜を前記閉位置に正常に維持し、前記所定の吸引荷重の印加で前記膜が前記開位置に屈曲することを許容するように寸法を設定され構成される請求項16に記載のストレーナシステム。
【請求項19】
前記膜が、前記膜ストッパに略対向して配置される接合部で、前記プレナムダクトに旋回可能に接続される請求項18に記載のストレーナシステム。
【請求項20】
前記膜の対向側の対応する側に隣接して前記プレナムダクト内に配置される第1および第2の膜ストッパを備え、前記第1の膜ストッパは、前記膜を前記閉位置に正常に維持し、前記所定の吸引荷重の印加で前記膜が前記開位置に屈曲することを許容するように寸法を設定され構成されて、前記第2の膜ストッパは、地震の結果として前記膜が前記開位置を取ることを防止するように使用される請求項18に記載のストレーナシステム。
【請求項21】
それぞれが開放流入端を画定する複数のストレーナポケットと、
前記ストレーナポケットのうち対応するポケットの前記流入端を実質的に覆うようにストレーナカートリッジに装着される少なくとも1つの膜と、
を備えるストレーナカートリッジであって、
前記膜が、前記流入端が実質的に覆われる閉位置から、前記流入端が少なくとも部分的に遮断されずに流体流を前記ストレーナポケット内に送り込むことができる開位置まで、選択的に移動可能であるストレーナカートリッジ。
【請求項22】
前記膜が、所定の圧力荷重の印加で撓むように構成される弾性材料で作製され、前記膜の前記閉位置から前記開位置への移動が、その撓みによって促進される請求項21に記載のストレーナカートリッジ。
【請求項23】
前記膜が、非有孔弾性金属材料で作製される請求項22に記載のストレーナカートリッジ。
【請求項24】
前記膜によって実質的に覆われる前記ストレーナポケットの前記流入端に隣接して前記ストレーナカートリッジに装着される少なくとも1つの膜ストッパをさらに備え、
前記膜ストッパは、前記膜を前記閉位置に正常に維持し、前記所定の圧力荷重の印加で前記膜が前記開位置へと屈曲することを許容するように寸法を設定され構成される請求項22に記載のストレーナカートリッジ。
【請求項25】
前記膜が、前記膜ストッパと対向して前記ストレーナポケットの前記流入端に隣接して配置される接合部で、前記ストレーナカートリッジに旋回可能に接続される請求項24に記載のストレーナカートリッジ。
【請求項26】
複数の前記膜が、前記ストレーナポケットのうち対応するポケットの前記流入端を実質的に覆うように前記ストレーナカートリッジに装着され、前記膜が、所定のパターンで前記ストレーナカートリッジ上に配置される請求項22に記載のストレーナカートリッジ。
【請求項27】
前記ストレーナポケットが、前記ストレーナポケットの前記流入端が共通方向を向くように、互いに略平行に延在する少なくとも2つの並列する列状に配置される請求項21に記載のストレーナカートリッジ。
【請求項28】
前記ストレーナポケットが、前記流入端が共通軸に対して放射方向外側を向くように、略円形アレイ状に配置される請求項21に記載のストレーナカートリッジ。
【請求項29】
複数の膜が、前記ストレーナポケットのそれぞれのうち対応するポケットの前記流入端を実質的に覆うように前記ストレーナカートリッジに装着される請求項28に記載のストレーナカートリッジ。
【請求項30】
前記ストレーナポケットの少なくともいくつかの前記流入端に対して前方に延在し、該流入端を少なくとも部分的に包囲するフレームをまとめて画定するように、前記ストレーナカートリッジに装着される複数の面板をさらに備える請求項21に記載のストレーナカートリッジ。
【請求項31】
それぞれが開放流入端を画定する複数のストレーナポケットと、
前記ストレーナポケットのうち対応するポケットの前記流入端を実質的に覆うようにストレーナカートリッジに装着される複数の膜と、
を備えるストレーナカートリッジであって、
前記膜のそれぞれが、対応するストレーナポケットの前記流入端が実質的に覆われる閉位置から、対応するストレーナポケットの前記流入端が少なくとも部分的に遮断されずに流体流を引き込むことのできる開位置まで、個々に移動可能であるストレーナカートリッジ。
【請求項32】
前記膜のそれぞれが、所定の圧力荷重の印加で撓むように構成される弾性非有孔金属材料で作製され、前記膜のそれぞれの前記閉位置から前記開位置への移動が、その撓みによって促進される請求項31に記載のストレーナカートリッジ。
【請求項33】
前記ストレーナカートリッジに含まれる前記ストレーナポケットの約5%の前記流入端が、前記膜のうち対応する膜によって少なくとも部分的に覆われる請求項31に記載のストレーナカートリッジ。
【請求項34】
前記膜のうち対応する膜によって実質的に覆われる前記ストレーナポケットのうち対応するポケットの前記流入端に隣接して前記ストレーナカートリッジに装着される複数の膜ストッパをさらに備え、
前記膜ストッパのそれぞれが、前記膜のうち対応する膜を前記閉位置に正常に維持し、前記所定の圧力荷重の印加で前記膜のうち対応する膜が前記開位置へと屈曲することを許容するように寸法を設定され構成される請求項31に記載のストレーナカートリッジ。
【請求項35】
前記膜のそれぞれが、前記膜ストッパのうち対応するストッパに対向して前記ストレーナポケットのうち対応するポケットの前記流入端に隣接して配置される接合部で、前記ストレーナカートリッジに旋回可能に接続される請求項34に記載のストレーナカートリッジ。
【請求項36】
前記ストレーナポケットが、前記ストレーナポケットの前記流入端が共通方向を向くように、互いに略平行に延在する複数の並列する列状に配置される請求項31に記載のストレーナカートリッジ。
【請求項37】
前記ストレーナポケットの少なくともいくつかの前記流入端に対して前方に延在し、該流入端を少なくとも部分的に包囲するフレームをまとめて画定するように、前記ストレーナカートリッジに装着される複数の面板をさらに備える請求項31に記載のストレーナカートリッジ。
【請求項38】
それぞれが流入端を含む少なくとも2つの円筒状に構成された管状主ストレーナ素子と、
前記流入端を覆うように前記主ストレーナ素子のうち少なくとも1つに装着される膜と、
を備えるストレーナカートリッジであって、
前記膜が、前記流入端が実質的に覆われる閉位置から、前記流入端が少なくとも部分的に遮断されずに流体流に前記流入端を通過させることができる開位置まで、選択的に移動可能であるストレーナカートリッジ。
【請求項39】
前記膜が、互いに対して個々に移動可能である4つの膜四分円を画定する略円形の分割構造を有する請求項38に記載のストレーナカートリッジ。
【請求項40】
前記主ストレーナ素子のうち対応する素子内に同心状に配置され、流入端を画定し、装着される膜を含み、前記流入端を覆う少なくとも1つの副ストレーナ素子をさらに備え、
前記副ストレーナ素子の前記膜が、前記副ストレーナ素子の前記流入端が実質的に覆われる閉位置から、前記副ストレーナ素子の前記流入端が少なくとも部分的に遮断されずに流体流を引き込むことのできる開位置まで、選択的に移動可能である請求項38に記載のストレーナカートリッジ。
【請求項41】
少なくとも2つの流体流入部を画定する少なくとも1つのストレーナカートリッジを備えるストレーナモジュールであって、
前記ストレーナカートリッジが、前記流入部のうち少なくとも1つが、流入部が実質的に遮断される閉状態から、流入部が少なくとも部分的に遮断されずに流体流を引き込むことのできる開状態まで、選択的に移動可能であるように構成されるストレーナモジュール。
【図3】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図12】
【図14】
【図15C】
【図1】
【図2】
【図4】
【図11】
【図13】
【図15A】
【図15B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図12】
【図14】
【図15C】
【図1】
【図2】
【図4】
【図11】
【図13】
【図15A】
【図15B】
【公表番号】特表2013−507251(P2013−507251A)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−534214(P2012−534214)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際出願番号】PCT/US2010/051005
【国際公開番号】WO2011/046753
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(596017808)コントロール コンポーネンツ インコーポレイテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】Control Components Incorporated
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際出願番号】PCT/US2010/051005
【国際公開番号】WO2011/046753
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(596017808)コントロール コンポーネンツ インコーポレイテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】Control Components Incorporated
【Fターム(参考)】
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